JP3680962B2 - 共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法 - Google Patents
共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば都市ガス供給系統の多数のガバナを遠隔で監視、制御するシステム等の遠隔監視システム、遠隔制御システムのように、共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遠隔監視システムや遠隔制御システムにおいて緊急時に重要な事項のデータ通信を行う場合、従来の技術においては、まず第1に、通信回線自体の信頼性を確保する必要がある。例えば通信回線の信頼性の尺度としてビットエラーレートを用いると、遠隔監視システムでは10のマイナス5乗程度、遠隔制御システムでは10のマイナス7乗程度の信頼性を確保するようにしている。
【0003】
また、従来は、通信データの信頼性を確保するため、水平/垂直パリティーチェックやCRC等、エラーデータの排除を行うためのエラー検出手法や、1,2ビットデータ誤り訂正等、エラーデータを修復するための手法が用いられており、修復ができない受信データは廃棄している。また遠隔制御においては、5C2,3C2等の誤り防止コードを使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の方法では、次のような課題があった。
a.通信回線自体の信頼性を確保するために、例えば公衆回線の場合にはエラー修復機能付きモデム等、無線回線の場合には、高いアンテナ、高機能無線機等の高機能な通信機器が必要になり、また特殊な機器や特殊な通信手順を用いるため、夫々のシステムに特定されたシステム構築となり、通信設備を含めシステム構築に多大なる費用がかかる。
b.通信データの信頼性を確保するための複雑な処置が必要であり、ソフト処理も複雑である。
c.通信エラーにより、緊急時等の必要な時に、必要な情報が素早く得られない場合がある。
d.また大規模地震発生時等に、アンテナ倒壊等により正常な通信状態を確保できず、緊急に特定情報を収集したい時に収集が困難となる事態が発生する場合がある。
従って、本発明は、このような課題を解決することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明では、第1のタイプとして、共通の主局と多数の従局間のデータ通信において、緊急時には、主局から多数の従局に、全従局を対象とし、夫々の従局側において特定状態が発生している場合にのみ応答して、特定状態の発生を表すデータのみを送信する旨の第1回目の指令を送信して応答を監視する共に、その後、全従局を対象とし、夫々の従局側で所有しているデータのうち、主局側で指定した指定データを送信する旨の第2回目の指令を送信して応答を監視し、第1回目と第2回目の応答により、従局側の状態と通信データの信頼性を推定する緊急時の情報収集方法を提案する。
【0006】
そして本発明では、上記の第1のタイプにおいて、主局から各従局への第1回目の指令を同報通信により行うと共に、各従局は、主局からの第1回目の指令を受信した際、予め設定した時間中は、特定状態の発生を表すデータのみを送信する特定情報送信モードを継続する構成とすることを提案する。
【0007】
又、本発明では、以上の構成において、主局からの指令に対して順次応答する従局の順番と送信時間の間隔を予め設定しておき、主局側において局が判別できない応答の発信先の局を、上記順番と送信時間間隔により推定すること提案する。
【0008】
また本発明では、上記の構成において、第1回目に加えて第2回目の指令も同報通信により送信することを提案する。
【0009】
以上の同報通信は、この機能を持つ適宜の通信回線を経て行うことができるが、好適な回線としては無線回線又は無線系公衆回線を提案する。
【0010】
このような第1のタイプの構成によれば、第1回目の指令に対しては、特定状態が発生している従局のみが応答して、特定状態の発生を表すデータのみを主局に送信するので、主局側では、この応答の有無により従局側における特定状態の発生の有無を知ることができる。
【0011】
第1回目の指令を同報通信により行えば、主局から各従局への指令を順次行う必要がないので、主局が管理する全ての従局に対しての指令に要する時間を短縮することができる。また各従局は、第1回目の指令を受信した際、予め設定した時間中は、特定状態の発生を表すデータのみを送信するようにして、それ以外の応答は行わないようにすることにより、通信の輻輳が防止され、重要事項の通信が円滑に行われる。
【0012】
以上の第1回目の指令に対する応答において、ある従局側からの通信データが通信エラーにより主局において完全には受信されなかった場合であっても、少なくとも各従局に固有の局番等の識別信号が受信された限りにおいては、当該従局側での特定状態の発生を知ることができる。
【0013】
また主局からの第1回目の指令に対して順次応答する従局の順番と送信時間の間隔を予め設定しておけば、上述した通信の輻輳防止に更に効果的であると共に、通信データ自体からは局やデータの判別が不可能な場合でも、この通信データを発した局、そしてその局において特定状態が発生していることを推定することができる。但し、この推定の信頼度レベルは比較的低い。
【0014】
次いで主局からの第2回目の指令に対しては、特定状態が発生しているか否かにかかわらず全ての従局が応答をするはずであるので、その応答により当該従局との通信状態を知ることができる。
【0015】
そして、これらの第1回目、第2回目の指令に対する応答を総合して、従局側の状態と通信データの信頼性を推定することができ、これらの程度に応じたクラス分けを行うこともできる。
【0016】
次に本発明では、第2のタイプとして、共通の主局と多数の従局間のデータ通信において、緊急時における特定状態の発生の判定及び情報発信機能を夫々の従局に構成し、緊急時には、特定状態の発生を表すデータの送信としての、従局からの第1回目の応答を主局において監視すると共に、その後、全従局を対象とし、夫々の従局側で所有しているデータのうち、主局側で指定した指定データを送信する旨の指令を送信して応答を監視し、第1回目と第2回目の応答により、従局側の状態と通信データの信頼性を推定することを提案する。
【0017】
そして本発明では、このような第2のタイプにおいて、各従局は特定状態を判定した際、予めに設定した待時間経過後に主局に対して、特定状態の発生を表すデータのみの送信を行う構成とし、この待時間は各従局毎にずらすことにより、予め設定した順序で主局を発呼する構成とすることを提案する。
【0018】
各従局は特定状態を判定した際、予め設定した時間中、特定状態の発生を表すデータのみの送信を行うための特定情報送信モードを継続する構成とすることを提案する。
【0019】
このような第2のタイプの構成によれば、特定状態が発生している従局のみが、自局での判定により、特定状態の発生を表すデータのみを主局に送信するので、上述した第1のタイプと同様に、主局側では、この応答の有無により従局側の状態を知ることができ、従って主局から各従局への指令を順次行う必要がないので、同報通信機能を持たない通信回線であっても、同報通信機能を有する通信回線と同等のレベルで、全ての従局の指定データを得るまでの時間を短縮することができる。
【0020】
この際には、上述した第1のタイプと同様に、ある従局側からの通信データが通信エラーにより主局において完全には受信されなかった場合であっても、少なくとも各従局に固有の局番等の識別信号が受信された限りにおいては、当該従局側での特定状態の発生を知ることができる。
【0021】
また上記待時間を設定する、特定状態の判定時から主局を発呼するまでの遅延時間により順次送信する従局の順番と送信時間の間隔を予め設定しておけば、第1のタイプと同様に、通信データ自体からは局やデータの判別が不可能な場合でも、この通信データを発した局、そしてその局において特定状態が発生していることを推定することができる。
【0022】
また主局からの第2回目の指令に対しては、特定状態が発生しているか否かにかかわらず全ての従局が応答をするはずであるので、第1のタイプと同様、その応答の有無により当該従局との通信状態を知ることができる。
【0023】
そしてこれらの第1回目、第2回目の各従局から主局への応答を総合して、第1のタイプと同様に、従局側の状態と通信データの信頼性を推定することができ、これらの程度に応じたクラス分けを行うこともできる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の方法を適用するシステムの一例として、都市ガス供給系統の多数のガバナを遠隔で監視するシステムを概略的に示すものである。
符号1(1a,1b,…,1n)は都市ガス供給系統に設置したガバナ室であり、これらのガバナ室1内にはガバナ本体2と共に、ガバナ本体2の開度計、ガバナ本体2の一次側、二次側の圧力センサ、流量計、ガス検知器等の監視用の測定機器群や、地震計やSI遮断盤等の監視用の各種機器(図示省略)を設置していて、ガバナ監視用のデータ収集現場となっている。そしてこれらの各種機器からのアナログ及びディジタルデータを収集して処理する現場処理装置3(3a,3b,…,3n)をガバナ室1外に設置している。
【0025】
図2は地震の発生時におけるガバナ監視の機器及び動作を概念的に示すものである。符号6は地震計であり、この地震計6は、地震動の強度を加速度(gal)及びスペクトル強度(SI値)として現場処理装置3のアナログ入力部に入力すると共に、地盤等の個々の条件に応じて設定したSI遮断設定値以上の場合において、SI遮断の接点出力を、現場処理装置3の接点入力部とSI遮断盤7に出力し、SI遮断盤7は、地震計6からのSI遮断接点出力を受けてガバナの遮断電磁弁8の遮断操作を行い、現場処理装置3の接点入力部に出力する。
【0026】
再び、図1において、符号4は複数の個所のガバナ本体2の動作等を監視する共通のセンタ監視装置であり、このセンタ監視装置4の通信部9と各現場処理装置3の通信部10とを通信回線5を介して接続して遠隔監視システムを構成しており、従って、センタ監視装置4は主局、各現場処理装置3は従局となっている。従局には夫々に固有の局番と共通の局番が割り当てられており、固有の局番は夫々の従局を識別する信号となり、また共通の局番は、後述するように主局からの全従局に対する同報通信の手段となる。共通の局番は、例えば従局が位置する地域に対応して設定する他、重要度、その他に対応して設定することができ、設定に応じてグループ化された同報通信が行える。
【0027】
尚、通信回線5は公衆回線、専用回線、無線回線を単独で、又は組み合わせて適用することができ、固有の局番及び共通の局番用の通信回線をこれらの中から適宜に選択することができる。また同報通信用の共通の局番についての通信回線5としては無線回線が好適であるが、その他の同報通信機能を持つ通信回線を用いることもできる。
【0028】
以上の構成において、センタ監視装置4は、通常時においては図4に示すように、各現場処理装置3の局番を表すデータとデータ本体Aとから成るテキストデータを、通信回線5の固有の局番に対応する経路を介して各現場処理装置3に順次送信する。データ本体Aの内容は、例えば、「指定した複数の項目に関するデータを送れ」というような内容である。
【0029】
そしてこのような指令を受けた各現場処理装置3は、自体の局番を表すデータとデータ本体Bとから成るテキストデータを、通信回線5の、固有の局番に対応する経路を介してセンタ監視装置4に送信する。データ本体Bの内容は、例えば、上記データ本体Aにより指定された項目に関するデータ群である。
【0030】
これら通常時における、主局としてのセンタ監視装置4から、従局としての各現場処理装置3への通信、そして各現場処理装置3からセンタ監視装置4への通信においては、上述したような通常のエラーチェック等を行う。
【0031】
ところが、地震や風水害等の広域災害が発生して、従局側の各種機器、即ち、この実施の態様の場合にはガバナ室1内の各種機器等が被害を受けた可能性があるような緊急の場合、例えばガバナ遮断等の重大事態が発生している可能性があるような場合には、センタ監視装置4は通信モードを緊急時の通信モードに切り換えて以下に示すように各現場処理装置3との通信を行う。
【0032】
まずセンタ監視装置4は、全ての現場処理装置3を対象とし、それらにおいて特定状態が発生している場合にのみ応答して、特定状態の発生を表すデータのみを送信する旨の第1回目の指令を送信する。即ち、この指令は、図3に示すように全ての現場処理装置3を対象とする旨のデータとデータ本体Cとから成るテキストデータとして構成し、前者のデータとしては例えば同報通信における共通の局番を用いる。また後者のデータ本体Cは、例えば「ガバナが遮断状態の場合には、その旨のデータのみを送れ」というように、通常時の指令のデータ本体Aよりも、それ自体のデータ量を少なく構成すると共に、これに応答するべきデータ量も少なく構成し、特定状態の発生を表す必要最小限のデータ量、例えば1データとする。
【0033】
以上のような第1回目の指令を受信した各現場処理装置3は、指令により指定された特定状態が発生している場合には、図5に示すように、自体に特有な局番を表すデータとデータ本体Dとから成るテキストデータを、固有の局番に対応する通信回線5の経路を介してセンタ監視装置4に送信する。データ本体Dの内容は、例えば上記データ本体Cにより指定された、特定状態の発生を表す最小のデータ、即ち、「ガバナが遮断した」というようなデータとする。このように緊急時の通信におけるデータ量を、特定状態の発生の有無が判定できる必要最小限の量とすることにより、多数の現場処理装置に対する通信に要する時間を短縮して、緊急時に即応することができる。また必要収集時間に応じて通信回線数を確保して同時に収集することで、更に時間短縮が計れる。
【0034】
このように第1回目の指令に対しては、特定状態が発生している現場処理装置3のみが応答して、特定状態の発生を表すデータをセンタ監視装置4に送信するので、センタ監視装置側では、この応答の有無により現場処理装置側の状態を知ることができる。
【0035】
この際、ある現場処理装置3からの通信データが、センタ監視装置4側において完全には受信されない場合もあるが、少なくとも各現場処理装置3に固有の局番等の識別信号が受信される限りにおいては、その現場処理装置3における特定状態の発生を知ることができる。
【0036】
また主局からの指令に対して順次応答する従局の順番と送信時間の間隔を予め設定しておけば、通信データ自体からは局やデータの判別が不可能な場合でも、この通信データを発した局、そしてその局において特定状態が発生していることを推定することができる。
【0037】
図3は、上述したように同報通信を利用した一斉同報指令方式に関する地震発生時の各従局側の処理の流れの一例を示す流れ図である。
まず、地震等の災害が発生して、主局が上記第1回目の指令に対応する一斉同報指令を発し、この一斉同報指令をステップS1において判定すると、ステップS2において特定情報送信モードに移行し、一斉同報指令がない場合にはステップS9の通常通信モードを継続する。尚、第1の指令は、上述したように、「ガバナが遮断状態の場合には、その旨のデータのみを送れ」という指令である。
【0038】
特定情報送信モードに移行すると、ステップS3に示すように、全従局の基準となる時刻合わせと、特定情報送信モード継続時間の設定と、自局送信待時間の設定を行う。
ここで、自局送信待時間は、主局からの指令に対して順次応答する従局の順番と必要送信時間に対応して各従局に設定するもので、例えば、各従局の送信時間をt秒間とし、1番目に送信する従局では待時間を設定せずに基準時刻に送信するものとする(又は、適宜の待時間を設定することができる。)と、2番目に送信する従局ではt秒の待時間を設定して上記基準時刻からt秒後に送信を開始するものとし、同様にn番目に送信する従局では(n−1)t秒の待時間を設定して、上記基準時刻から(n−1)t秒後に送信を開始するものとする。また、特定情報送信モード継続時間は、主局が通信回線の1回線毎に管理する全ての従局が送信を完了するまでの時間で、従局数をmとすると特定情報送信モード継続時間はmt秒と設定する。
【0039】
次いでステップS4においてSI遮断がなされたか否かを判定し、遮断している場合にも、ステップS5において上記自局待時間が経過するまで応答せずに待機し、自局待時間が経過した時点でステップS6において、特定情報、即ち、上述したように「ガバナが遮断した」というようなデータの送信を行う。
【0040】
そして特定情報の送信を完了した各従局では、ステップS7で示すように特定情報送信モード継続時間が経過するまで待ち、経過した時点でステップS8に示すように特定情報送信モードを解除してステップS9に示すように通常通信モードに復帰する。
【0041】
以上の例では、上述したように主局からの指令に対して順次応答する従局の順番と送信時間の間隔が自局待時間として予め設定されているので、主局側において受信したデータでは従局が判別できない応答の発信先の従局を、上記順番と送信時間間隔により推定することができると共に、複数の各従局が整然と順番に主局に送信を行うので、この点において通信輻輳を防止することができる。また、各従局では、送信を完了した後も、全ての従局が送信を完了するまでは、特定情報送信モードを解除せずに待つので、他の従局の特定情報送信に割り込んで通常等のデータを送信することがなく、この点においても通信輻輳を防止することができる。
【0042】
このようにセンタ監視装置4は第1回目の指令に対する各現場処理装置3からの応答を監視すると共に、次いで第1回目と同様に、全ての現場処理装置3を対象とし、今度は、指定したデータを送信する旨の第2回目の指令を送信する。即ち、この指令は、図4に示すように、全ての現場処理装置3を対象とする旨のデータと、送信するべきデータを指定するデータ本体Eとから成るテキストデータとして構成する。後者のデータ本体Eは、例えば「…のデータを送れ」というように、特定状態の発生に関連するデータを含む2程度のデータを指定する構成とする。
【0043】
第2回目の指令を受信した各現場処理装置3は、上述した特定状態が発生しているか否かにかかわらず、図4に示すように自体に特有な局番を表すデータと、データ本体Eにより指定されたデータに対応するデータ本体Fとからなるテキストデータを、固有の局番に対応する通信回線5を介してセンタ監視装置4に送信する。
【0044】
このように第2回目の指令に対しては、特定状態が発生しているか否かにかかわらず全ての現場処理装置3が指定されたデータをセンタ監視装置4に送信してくる筈であるので、その応答の有無により、特定状態発生の確認及び各現場処理装置3との通信状態を知ることができる。
【0045】
このように第1回目の指令に関しては、その応答の有無により、現場処理装置3における特定状態の発生を、取り敢えずセンタ監視装置4において推定できると共に、第2回目の指令に対しては、夫々応答の有無により通信状態を知ることができるので、これらを総合することにより、以下に示すように現場処理装置3の状態と、通信されたデータの信頼性を推定することができ、またこれらの程度に応じてクラス分けを行うこともできる。
【0046】
図7は第1回目、第2回目の指令に対する応答の例と、それにより推定された状態の例を示すもので、現場処理装置は3a,3b,3c,3d,3e,3fの6つの場合を示している。
現場処理装置3a:第1回目の指令に対しては応答がないため、この応答からは取り敢えず特定状態、この場合はガバナ遮断が発生していないと推定される。一方、第2回目の指令に対しては正常な応答があるため、通信状態も正常であることがわかり、結局、これらを総合すると、この現場処理装置3aではガバナ遮断が発生しておらず、通信データの信頼性も高いことがわかる。
現場処理装置3b:第1回目の指令に対しては応答があるため、この応答からは取り敢えず特定状態、この場合はガバナ遮断が発生していると推定される。一方、第2回目の指令に対しても正常な応答があるため、通信状態も正常であることがわかり、結局、これらを総合すると、この現場処理装置3aではガバナ遮断が発生しており、通信データの信頼性も高いことがわかる。
現場処理装置3c:第1回目の指令に対しては応答がないため、この応答からは取り敢えず特定状態、この場合はガバナ遮断が発生していないと推定されが、第2回目の指令に対しても応答がないため、通信状態が正常でないことがわかり、結局、これらを総合すると、この現場処理装置3aではガバナ遮断が発生しているか否かは全く不明であり、1回目の指令に対する無応答という形の通信データの信頼性はきわめて低いことがわかる。
現場処理装置3d:センタ監視装置4では第1回目の指令に対する応答が、完全な形では受信されなかったが、局番は識別できたため、応答有りとなり、従ってガバナ遮断の発生が推定される。一方、2回目の指令に対しては無応答であるため、通信状態が正常でないことが分かり、これらを総合すると、この現場処理装置ではガバナ遮断と共に通信が正常に行えない程度に被害が発生しているということが推定される。
現場処理装置3e:第1回目の指令に対しては応答があるため、この応答からは取り敢えず特定状態、この場合はガバナ遮断が発生していると推定される。一方、2回目の指令に対しては無応答であるため、通信状態が正常でないことが分かり、これらを総合すると、この現場処理装置ではガバナ遮断が発生すると共に通信が時々正常に行えない程度に被害が発生しており、被害程度は現場処理装置3dよりはやや軽微であることが推定される。
現場処理装置3f:センタ監視装置4では第1回目の指令に対する応答が、完全な形では受信されなかったが、局番は識別できたため、応答有りとなり、従ってガバナ遮断の発生が推定される。第2回目の指令に対しては正常な応答があるため、今回は通信状態が正常であることがわかり、結局、これらを総合すると、この現場処理装置3aではガバナ遮断が発生して、通信手段にもある程度の被害が推定され、通信データの信頼性は、余り高くないことがわかる。
【0047】
以上のことから各現場処理装置3a,3b,3c,3d,3e,3fに関する被害推定レベルと通信データの信頼度を、図8に示すようにクラス分けすることができ、このことから各現場処理装置に対しての処置を適切に、且つ迅速に行うことができる。
【0048】
以上説明した特定状態の発生の有無、被害推定レベルや通信データの信頼度のクラス分けは、自動的に行うことができる。
【0049】
以上に説明した実施の形態では、各従局から主局への特定情報の送信は、緊急時における主局からの一斉同報通信による第1回目の指令に基づいて行っているが、この他、緊急時における特定状態の発生の判定及び情報発信機能を夫々の従局に構成することができる。例えば、図9はこのような方式における地震発生時の各従局側の処理の流れの一例を示す流れ図である。
まずステップS1〜S3では、地震動の強度と遮断条件を判定し、いずれかを満たさない場合にはステップS112に移行して通常通信モードを継続し、逆にいずれも満たす場合にはステップS105で示す特定情報送信モードに移行する。
そしてこの特定情報送信モードに移行した場合には、ステップS106に示すように、特定情報送信モードの継続時間の設定と、自局送信待時間の設定を行う。これらの時間は、前方式における各時間と同様の目的であるが、この方式では、前方式において行った各従局の基準となる時刻合わせを行わず、各従局における時刻の基準となるのは地震の検出時点であるため、自局送信待時間及び特定情報送信モードの継続時間は、ある程度の余裕を持って設定するのが良い。尚、自局待時間の設定は、ステップS106においては行わず、ステップS107の遮断を判定した後に行わせることもできる。
以降のステップS107〜S112までは、全方式のステップS7〜S12と同様であり、説明は省略する。
【0050】
このような方式においては、特定状態が発生している従局のみが、自局での判定により、特定状態の発生を表すデータのみを主局に送信するので、前方式と同様に、主局側では、この応答の有無により従局側の状態を知ることができ、従って主局から各従局への指令を順次行う必要がないので、同報通信機能を持たない通信回線であっても、同報通信機能を有する通信回線と同等のレベルで、全ての従局の指定データを得るまでの時間を短縮することができる。
【0051】
また、前方式と同様に、特定状態の判定時から主局を発呼するまでの待時間により、順次送信する従局の順番と送信時間の間隔を予め設定しておけば、第1のタイプと同様に、通信データ自体からは局やデータの判別が不可能な場合でも、この通信データを発した局、そしてその局において特定状態が発生していることを推定することができ、また通信回線の輻輳をある程度防止することができる。
【0052】
以上では、本発明を都市ガス供給系統のガバナ監視システムに適用したものとして説明しているが、本発明は、その他、共通の主局と多数の従局間のデータ通信を伴う各種システムに適用できるものである。
【0053】
【発明の効果】
本発明は以上のとおりであるので、次のような効果がある。
a.通信機器に高機能を付加せずに、ソフトウエア処理により信頼性が確保できるため、低価格の通信回線や機器で構成することができ、従って夫々のシステムに特定されたシステム構築とすることなく、通信設備を含めシステム構築を多大なる費用無しに行うことができる。
b.緊急時等の必要な時に重要な情報の収集を、比較的精度良く、迅速に行うことができる。
c.従局側の状態と通信データの信頼性を推定することができ、これらの程度に応じたクラス分けを行うこともできるので、異常に対する処置を迅速に、確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を適用するシステムの一例として、都市ガス供給系統の多数のガバナを遠隔で監視するシステムを概略的に示すものである。
【図2】 地震の発生時におけるガバナ監視の機器及び動作を概念的に示す説明図である。
【図3】 同報通信を利用した一斉同報指令方式に関する地震発生時の各従局側の処理の流れの一例を示す流れ図である。
【図4】 本発明における、通常時のある時点に主局から従局、従局から主局に通信されたテキストデータの一例を示すものである。
【図5】 本発明において緊急時に主局から従局、従局から主局に通信される第1回目の指令及び夫々に対する応答のテキストデータの一例を示すものである。
【図6】 本発明において緊急時に主局から従局、従局から主局に通信される第2回目の指令及び夫々に対する応答のテキストデータの一例を示すものである。
【図7】 第1回目、第2回目の指令に対する応答の例と、それにより推定された状態の例を示す説明図である。
【図8】 図5の応答により従局側の状態と通信データの信頼性を推定してクラス分けした一例を示すものである。
【図9】 同報通信を利用せず、各従局からの特定情報の発信を、自体での判定により行う方式に関する地震発生時の各従局側の処理の流れの一例を示す流れ図である
【符号の説明】
1 ガバナ室
2 ガバナ本体
3 現場処理装置
4 センタ監視装置
5 通信回線
6 地震計
7 SI遮断盤
8 遮断電磁弁
9、10 通信部
Claims (8)
- 共通の主局と多数の従局間のデータ通信において、緊急時には、主局から多数の従局に、全従局を対象とし、夫々の従局側において特定状態が発生している場合にのみ応答して、特定状態の発生を表すデータのみを送信する旨の第1回目の指令を送信して応答を監視する共に、その後、全従局を対象とし、夫々の従局側で所有しているデータのうち、主局側で指定した指定データを送信する旨の第2回目の指令を送信して応答を監視し、第1回目と第2回目の応答により、従局側の状態と通信データの信頼性を推定することを特徴とする共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法。
- 主局から各従局への第1回目の指令を同報通信により行うと共に、各従局は、主局からの第1回目の指令を受信した際、予め設定した時間中は、特定状態の発生を表すデータのみを送信する特定情報送信モードを継続する構成としたことを特徴とする請求項1記載の共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法。
- 主局からの指令に対して順次応答する従局の順番と送信時間の間隔を予め設定しておき、主局側において局が判別できない応答の発信先の従局を、上記順番と送信時間間隔により推定することを特徴とする請求項1又は2記載の共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法
- 第1回目の指令に加えて、第2回目の指令も同報通信により送信することを特徴とする請求項2又は3記載の共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法
- 同報通信機能を持つ通信回線は無線回線又は無線系公衆回線であることを特徴とする請求項2,3又は4記載の共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法
- 共通の主局と多数の従局間のデータ通信において、緊急時における特定状態の発生の判定及び情報発信機能を夫々の従局に構成し、緊急時には、特定状態の発生を表すデータのみの送信としての、従局からの第1回目の応答を主局において監視すると共に、その後、全従局を対象とし、夫々の従局側で所有しているデータのうち、主局側で指定した指定データを送信する旨の指令を送信して応答を監視し、第1回目と第2回目の応答により、従局側の状態と通信データの信頼性を推定することを特徴とする共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法
- 各従局は特定状態を判定した際、予めに設定した待時間経過後に主局に対して、特定状態の発生を表すデータのみの送信を行う構成とし、この待時間は各従局毎にずらすことにより、予め設定した順序で主局を発呼する構成としたことを特徴とする請求項6記載の共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法
- 各従局は特定状態を判定した際、予め設定した時間中、特定状態の発生を表すデータのみの送信を行うための特定情報送信モードを継続する構成としたことを特徴とする請求項6又は7に記載の共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法
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JP15128696A JP3680962B2 (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法 |
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JP15128696A JP3680962B2 (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 共通の主局と多数の従局間のデータ通信における緊急時の情報収集方法 |
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JPH09331587A JPH09331587A (ja) | 1997-12-22 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104502949A (zh) * | 2014-12-03 | 2015-04-08 | 广西大学 | 一种地震动响应监测速报仪 |
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1996
- 1996-06-12 JP JP15128696A patent/JP3680962B2/ja not_active Expired - Fee Related
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