JP3680825B2 - 洗浄剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来の石鹸や合成洗剤に代えて衣類の洗濯や食器洗い等に使用することのできる安全性の高い洗浄剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
衣類の洗濯や食器洗いには、現在合成洗剤が最も多く用いられているが、これら合成洗剤の使用は河川や湖沼の汚染の原因となっており、近年の環境保全への意識の高まりにつれて、この問題の解決が強く望まれるようになってきている。また、合成洗剤は、例えば、衣服に残存してアトピー性皮膚炎等の原因になる等、使用者の健康に直接悪影響を与えるおそれがあり、この点でも使用が懸念されている。
【0003】
一方、石鹸は合成洗剤に比べて分解されやすい性質を有するが、一般的には合成洗剤に比べて洗浄力が弱いという欠点を有する。また、この弱い洗浄力を補うために脂肪酸等が添加されていることが多く、その結果、合成洗剤以上に環境に負担をかける場合もある。
【0004】
そこで、従来の合成洗剤や石鹸のこれらの問題点を解決した、環境への負担がより小さく、かつ人体等への安全性がより高い洗浄剤が模索されている。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、洗浄効果が良好で、かつ実質的に自然環境や人体等への悪影響のない洗浄剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の洗浄剤は、原木を炭化して白炭を得る際に残る灰を水に加えて得られる炭灰水と、白炭を水中で加熱することにより得られる炭ミネラル抽出液とからなるものとする。
【0007】
上記洗浄液には、木酢液をさらに含有させることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する炭灰水とは、ウバメガシ等の原木を炭窯で1000℃以上の高温で炭化して備長炭等の白炭を得る後に残る灰を、水に加えて、好ましくは加熱することにより得られるものであり、好ましくはpHが約11〜13になるように調整したものである。加熱条件としては、温度が40〜45℃程度であれば、約1時間加熱すればよい。
【0009】
炭ミネラル抽出液とは、上記備長炭のような白炭を水中で加熱することにより得られるものであり、好ましくはpHが約8〜9になるように調整したものである。加熱条件としては、約80℃以上に加熱し、途中で炭を数回取り換えるのが好ましい。
【0010】
上記炭灰水及び炭ミネラル抽出液は、濾過により、固形物、浮遊物等を除去して使用する。
【0011】
さらに、木酢液は白炭の製造の際に発生する煙を冷却して得られるものであり、従来からの製法により製造されたものを使用できるが、十分精製されていることが好ましい。製造方法及び精製方法の好ましい例を以下に挙げる。
【0012】
まず、原木を1000℃以上で加熱して白炭を製造する際に発生する温度約80〜150℃の煙(きわだ煙)を採取し、冷却、液化させて容器に入れて数ヶ月間静置し、タール等の沈殿物を除去して木酢液原液とする。この木酢液原液には、窯の性質、天候、煙の集め方等に起因する成分のバラツキがあるので、異なる原液を混合して色調を標準試料に合わせて調整する。この調整原液に活性炭及び備長炭粒を攪拌しながら加えて、時々攪拌しながら数日間程度置き、その後濾過により活性炭及び備長炭粒を除去する。この原液に水を加えてpHを約2.5〜3.5に調整したのち、さらに2〜3回濾過を繰り返すことにより、精製木酢液が得られる。
【0013】
本発明の洗浄剤は、上記炭灰水と炭ミネラル抽出液とを配合し、好ましくは、さらに木酢液を配合し、混合して得られるものである。炭灰水と炭ミネラル抽出液とを配合する場合は、pHが約9〜11の範囲(重量比で50:50〜70:30程度)になるように調整すればよく、さらに木酢液を配合する場合は、好ましくはpHが約5以下、より好ましくは約3.5〜4.0の範囲内(全体に対する重量%で20〜40%程度)になるように調整する。
【0014】
本発明においては、木酢液を一定量添加することにより、洗濯物の風合いを向上させる顕著な効果が認められる。木酢液は、水のクラスターを小さくする効果を有することが知られており、水や有効成分の繊維への浸透力を向上させるものと考えられる。従って、洗浄力の向上も期待でき、また液性が強酸性に近付けば殺菌力も期待できる。
【0015】
上記により得られる本発明の洗浄液は、洗濯用に使用する場合は、石鹸や合成洗剤の代わりにそのまま洗濯機に投入して使用すればよい。また、台所や食器等の汚れ落としに使用する場合は、適宜希釈して使用すればよい。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の洗浄剤を、実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
1.洗浄剤の調製
本発明の洗浄剤を以下の通り調製した。
【0018】
原木(ウバメガシ)を炭窯で約1300℃で炭化し、白炭(備長炭)を得た際に残った灰を、水1リットルに対し10重量%の割合で加えて、約40〜45℃で1時間加熱し、濾紙で濾過することにより炭灰水を得た。この炭灰水はpH12.1であり、主なミネラル含有量は以下のとおりであった。
【0019】
カリウム 1744.78
カルシウム 5.45
マグネシウム 1.72
【0020】
別に、水30リットルに、上記により得られた備長炭5kgを入れて、約80℃以上で10分間加熱し、炭を交換してこの操作を3回繰り返し、濾紙で濾過することにより、炭ミネラル抽出液を得た。この炭ミネラル抽出液はpH8.7であり、主なミネラル含有量は以下のとおりであった。
【0021】
カリウム 585.51
カルシウム 9.82
マグネシウム 3.25
【0022】
さらに、木酢液は、以下の方法により製造及び精製した。原木を約1300℃で炭化して白炭を製造し、その際に発生した温度約80〜150℃の煙を冷却して採取し、容器に入れて6ヶ月間静置し、沈殿物を除去して木酢液原液を得た。色調を標準試料に合わせて調整後、この原液300リットルに対し、17g及び備長炭粒4kgを攪拌しながら加えて、途中2回攪拌しながら36時間置いた。その後、濾紙を用いた濾過により活性炭及び備長炭粒を除去した。この原液に水を加えてpHを2.8に調整したのち、濾紙を用いた濾過をさらに3回繰り返すことにより、精製木酢液を得た。
【0023】
実施例1として、上記により得られた炭灰水、炭ミネラル抽出水、及び木酢液を、重量比で40:30:30の割合で配合して攪拌し、本発明の洗浄液(pH3.7)を得た。
【0024】
実施例2として、上記により得られた炭灰水及び炭ミネラル抽出水を、重量比で60:40の割合で配合して攪拌し、本発明の洗浄液(pH10.5)を得た。
【0025】
2.試験方法及び結果
(1)洗濯試験
10cm×10cmの白綿布に5種の汚れ成分(墨汁、ソース、カレー、ケチャップ、ポスターカラー)をそれぞれ付着させた試料を2枚ずつ作成し、24時間放置後、各1枚を洗濯した。その際、上記により得られた実施例1及び2の洗浄剤を、それぞれ水40リットルに対して16ml使用した。なお、洗濯は、JIS−L−0217 103法に準拠して1回行い、洗濯後は自然乾燥させた。
【0026】
汚れ成分ごとに2枚の試料(オリジナルと洗濯処理後)を並べて置き、汚れの脱落程度を次の基準に基づき判断した。結果を表1に示す。
【0027】
5級:完全に脱落する
4級:かなり脱落する
3級:ある程度脱落する
2級:わずかに脱落する
1級:脱落しない
【0028】
また、比較例として、上記で得られた炭灰水を水40リットルに対して16ml、参考例として、市販の合成洗剤をメーカーの指示量使用して、同じ方法でそれぞれ試験を行った。結果を表1に併記する。
【0029】
(2)風合い試験
上記実施例1及び2の洗浄液、比較例の炭灰水、参考例の合成洗剤をそれぞれ用い、上記と同じ方法で木綿100%のタオルを洗濯し、自然乾燥後、5人のパネラーに以下の基準で風合いを評価させ、その平均値を求めた。
【0030】
5:きわめて良い
4:かなり良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
【0031】
【表1】
【0032】
表1に示されたように、上記実施例1,2の洗浄剤は、全般的に合成洗剤と同程度の洗浄力を示した。また、実施例1のものによれば、洗濯物の洗い上がりの風合いが極めて優れたものとなることが確認された。これに対し、比較例のものは洗浄力は優れていたが、洗濯物の洗い上がりの風合いにおいて問題があった。
【0033】
(3)食器洗い洗剤としての洗浄力試験
上記実施例1,2で得られた洗浄剤を10倍に希釈して、スポンジに含ませ、食用油を付着させた陶製の皿を5秒間洗い、常温の水で10秒間すすいだ。皿の表面状態を目視で観察したところ、食用油の残存は認められなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の洗浄剤は、自然環境や健康へ悪影響を及ぼす成分を実質的に含まず、しかも合成洗剤と同程度の優れた洗浄力を有するものである。従って、従来の合成洗剤や石鹸に代えて、洗濯用や食器洗い用の洗浄剤として安心して使用することができる。
【0035】
また、請求項2のものによれば、洗濯用として使用した場合に、洗い上がりの洗濯物の風合いが極めて良好なものとなる。
Claims (2)
- 原木を炭化して白炭を得る際に残る灰を水に加えて得られる炭灰水と、白炭を水中で加熱することにより得られる炭ミネラル抽出液とからなる、洗浄剤。
- 木酢液をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の洗浄剤。
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