JP4773997B2 - 醗酵マクワ多目的洗浄剤とその製造方法 - Google Patents
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(2)上記醗酵マクワ液の含有割合が20〜40重量%、上記アルカリ水の含有割合が20〜60重量%であることを特徴とする、(1)に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤。
(3)界面活性剤及び/又はマクワ果皮由来のアロマオイルをさらに加えることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤。
(4)成分の混合時に、空気のまきこみを防止しながら混合することを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤。
(5)マクワ果実に糖分を加えて醗酵させることにより醗酵マクワ液を調製後、草木灰と水とを混合することにより調製したアルカリ水を該発酵マクワ液に混合することを特徴とする、醗酵マクワ多目的洗浄剤の製造方法。
(6)上記醗酵マクワ液の含有割合が20〜40重量%、上記アルカリ水の含有割合が20〜60重量%であることを特徴とする、(5)に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤の製造方法。
(7)成分の混合時に、空気のまきこみを防止しながら混合することを特徴とする、(5)又は(6)に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤の製造方法。
(8)貯蔵タンクと混合タンクとを有し、移送パイプを介して貯蔵タンクから混合タンクへと流体を移送する流体混合装置であって、前記移送パイプから放出される流体が混合タンクの内壁に角度を保って流入するように、前記移送パイプの流体放出口を配置させ、混合時の空気のまきこみを防止することを特徴とする、醗酵マクワ多目的洗浄剤製造用流体混合装置。
(9)流体混合タンクの内壁に接する移送パイプの液体放出口から移送流体の流れ込む角度を混合溶液液面に対して10〜30度の角度で流体が流体混合タンクの内壁に流入するように、移送パイプの液体放出口を配置させることを特徴とする、(8)に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤製造用流体混合装置。
(実験例1) 醗酵マクワ液の製造
(実験例2) アルカリ水の製造
以下の配合で3種類の材料を混合し、中和することによって、醗酵マクワ多目的洗浄剤を調製した。得られた醗酵マクワ多目的洗浄剤は薄い褐色、無臭の液体であり、油類はじめ広範囲の汚れに対して充分な洗浄機能を発揮し、各種の洗浄用途に通常の洗浄剤と同様に良好使用でき、かつ肌荒れを起こしにくいものであった。
実験例2の草木灰から得たアルカリ水 Ph10.19 4Kg
純 水 4Kg
Texapon N70(ウイティ プロモーション株式会社製)1Kgを攪拌機に入れ、40RPM程度で緩やかに回転させながら岩塩1Kgを少量ずつ混合した。約2分程度で界面活性剤はペーストからゼリー状に変化した。その後、さらに攪拌を行いながら、実施例1で調製した醗酵マクワ多目的洗浄剤13Kgを混合して、界面活性剤添加醗酵マクワ多目的洗浄剤を得た。得られた醗酵マクワ多目的洗浄剤は無臭であり、実施例1で得られた洗浄剤と同様に、油類はじめ広範囲の汚れに対して使用でき、かつ肌荒れを起こしにくいものであって、さらにその洗浄機能が増強されたものであった。
定法により、マクワの皮8Kgを密閉容器内で蒸留し、その後冷却することにより、約60ccのアロマオイルを採取した。このアロマオイル5ccを、実施例2で調製した醗酵マクワ多目的洗浄剤84Kgに添加し、混合した。次いでこの混合物を密閉容器に入れ、35℃、24時間静置して、アロマオイル添加醗酵マクワ多目的洗浄剤を得た。得られた醗酵マクワ多目的洗浄剤は、実施例1及び/又は2で得られた洗浄剤と同様に、油類はじめ広範囲の汚れに対して優れた洗浄機能を有し、かつ肌荒れを起こしにくいものであることに加え、アロマオイル由来の皮膚に優しい成分の付加によりさらに肌荒れを起こしにくい効果が高まり、またマクワの芳香成分由来の心地よい香りが付加されたものであった。
プラスチック製(直径0.8m、高さ0.8m、容量約400L)の貯蔵タンク3個と、ステンレス製(直径0.5m、高さ0.5m、容量約150L)の混合タンク1個を、鉄製パイプ(直径0.02m、長さ約6m)の移送パイプで連結し、流体混合装置を作製した。排出される流体が流体混合タンクの内壁に流入するように、移送パイプの傾斜角度は、混合溶液液面に対して下方に15度とした。この装置を用いて、醗酵マクワ多目的洗浄剤を製造した。
上述の実施例に記載の方法に準じ、実施例4に記載の流体混合装置を使用して、以下の配合比からなる醗酵マクワ多目的洗浄剤2000Lを調製した。
実験例1の醗酵マクワから得た醗酵マクワ液 25重量%
実験例2の草木灰から得たアルカリ水 23重量%
ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 12重量%
塩化ナトリウム 4重量%
アロマオイル(シトラスライム) 0.02重量%
純 水 35.98重量%
上述の実施例に記載の方法に準じ、実施例4に記載の流体混合装置を使用して、以下の配合比からなる醗酵マクワ多目的洗浄剤2000Lを調製した。
実験例1の醗酵マクワから得た醗酵マクワ液 36重量%
実験例2の草木灰から得たアルカリ水 40重量%
ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 10重量%
塩化ナトリウム 3重量%
アロマオイル(シトラスライム) 0.02重量%
純 水 11重量%
上述の実施例に記載の方法に準じ、実施例4に記載の流体混合装置を使用して、以下の配合比からなる醗酵マクワ多目的洗浄剤4000Lを調製した。
実験例1の醗酵マクワから得た醗酵マクワ液 24重量%
実験例2の草木灰から得たアルカリ水 38重量%
ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 6重量%
塩化ナトリウム 6重量%
純 水 26重量%
上述の実施例に記載の方法に準じ、実施例4に記載の流体混合装置を使用して、以下の配合比からなる醗酵マクワ多目的洗浄剤500Lを調製した。
実験例1の醗酵マクワから得た醗酵マクワ液 37重量%
実験例2の草木灰から得たアルカリ水 43重量%
ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 1重量%
アロマオイル(シトラスライム) 0.03重量%
純 水 18.97重量%
油汚れを付着させた床面における、本発明の醗酵マクワ多目的洗浄剤の洗浄性能を、市販の通常の石鹸洗剤と比較した。コンクリート製の床に(1)廃油(鉱物油)、(2)モリブデングリース、及び(3)廃油(鉱物油)モリブデングリースとの混合物を塗布し、1時間放置した。その後、実施例7に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤の2倍希釈液(本発明)又は石鹸洗剤(比較例)50ccを汚れ部分に塗布し、2分間放置した後に、ゴムワイパーで2回拭き取った後、床の汚れの状態を目視により比較した。
本発明の実施例3に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤を、タオルに油汚れを付着させ手洗いした時の洗浄能力及び手荒れに及ぼす影響について、市販の通常の石鹸洗剤と比較した。新品のタオルに切削油10ccを塗布し、30分放置した。その後、本発明の醗酵マクワ多目的洗浄剤(本発明)又は石鹸洗剤(比較例)10ccを汚れ部分に塗布し、1分間放置した。それぞれのタオルを手もみ洗いし、陰干後、目視、におい、手触りによる比較評価を行った。
本発明の実施例1〜3及び5〜8に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤を、合成洗剤、及び/又は石鹸洗剤の日常的な使用経験を有するモニター約50人に、各種用途における洗浄剤として日常的に3か月間試用してもらい、洗浄能力及び手荒れに及ぼす影響について合成洗剤及び/又は石鹸洗剤と比較してもらった。比較の際、例えば洗浄力の比較は、同程度の汚れを各種洗浄剤で洗浄してみることにより比較するものとしたが、汚れの種類や洗浄対象物、あるいは洗浄剤の使用量等は特定の条件を指定せず任意とした。また、手荒れに及ぼす影響は、例えば一定期間ずつ使い分けて比較するものとし、合成洗剤や石鹸洗剤では手荒れがひどくなるため使えないことがわかっている人については醗酵マクワ多目的洗浄剤のみを使った上で過去の経験と比較するものとしたが、手袋等をせず素手で使ってもらうという以外は使用期間や使用量、使用回数、使用後の手肌の手入れ等は特定の条件を指定せず試験者毎に任意とした。比較対照とする合成洗剤や石鹸洗剤の具体的商品や組成についても、成分的に合成洗剤または石鹸洗剤といえるものであれば特定の銘柄を指定せず任意とした。
洗浄液を排水として環境中に排出した場合の環境負荷について比較するために、本発明の実施例1〜3及び5〜8に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤(本発明)及び石鹸洗剤(サンライト液、比較例)の洗浄液におけるBOD5、COD及び大腸菌型細菌総数を比較した。その結果、本発明の実施例3に記載の洗浄剤におけるBOD5は12.5(比較例では32.6)mg/l、CODは19.2(比較例では49.6)mg/l、及び大腸菌型細菌総数は900(比較例では5,000)MPN/100mlであり、いずれも比較例に対し顕著に低い値であった。すなわち、本発明の洗浄剤を使用したときの洗浄排水は、石鹸洗浄剤に比較して十分に環境負荷が小さく、さらなる浄水処理を行うことなく環境中に排出できることが期待される(表1参照)。
2 混合溶液
3 移送パイプ
4 移送流体
5 貯蔵タンク
Claims (7)
- マクワ果実に糖分を加えて醗酵させることにより得られる醗酵マクワ液に、草木灰と水とを混合することにより得られるアルカリ水を混合して得られる、醗酵マクワ多目的洗浄剤。
- 前記醗酵マクワ液の含有割合が20〜40重量%、前記アルカリ水の含有割合が20〜60重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤。
- 界面活性剤及び/又はマクワ果皮由来のアロマオイルをさらに加えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤。
- 成分の混合時に、空気のまきこみを防止しながら混合することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤。
- マクワ果実に糖分を加えて醗酵させることにより醗酵マクワ液を調製後、草木灰と水とを混合することにより調製したアルカリ水を該発酵マクワ液に混合することを特徴とする、醗酵マクワ多目的洗浄剤の製造方法。
- 前記醗酵マクワ液の含有割合が20〜40重量%、前記アルカリ水の含有割合が20〜60重量%であることを特徴とする、請求項5に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤の製造方法。
- 成分の混合時に、空気のまきこみを防止しながら混合することを特徴とする、請求項5又は6に記載の醗酵マクワ多目的洗浄剤の製造方法。
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