JP3680289B2 - ソフト収納ケースの保持具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所謂CDソフトやファミコンソフト等の販売店やレンタル店で、前記ソフトを収納したケース(この明細書ではソフト収納ケースという)を陳列するときに使用されているソフト収納ケースの保持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CDソフト収納ケースの保持具としては、図9に示す如く、側部にCDケースを挿脱するための開放部90aを有した本体90と、前記本体90の底部に出没可能に設けられたケース受け部材91と、前記ケース受け部材91を移動不能して本体90からのCDソフト収納ケースの取り出しを不能にするロック機構92とから構成されたものがある。このものでは、図10に示すように、強力な吸着力を有する磁石93によりロック機構92を構成する軸体92aをバネ92bの付勢力に抗して下方に移動せしめ、軸体92aと受け部材91との係合を解除することによりCDソフト収納ケースの取り出しを可能ならしめている。
【0003】
上記CDソフト収納ケースの保持具では、本体90の後壁内面側に盗難検知用のタグ(図示せず)が付されており、保持具の付いたCDソフト収納ケースをそのまま店外に持ち出そうとすると、店の出入口に設置されたゲートを通過するときに検知されるようになっている。
【0004】
したがって、保持具により保持された希望するCDソフト収納ケースをゲート前のカウンターで一旦店員に手渡し、前記ロック機構92を解除してもらわなければ店外に持ち出すことができず、これにより盗難は防止される。
【0005】
しかしながら、上記CDソフト収納ケースの保持具では、強力な吸着力を有する磁石を所有していれば店員以外の者でもロック機構92を解除できることから、上記のようなゲートシステムを使用していても、盗難が有効に防止できないという問題が発生し得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明では、ソフトの盗難が有効に防止できるソフト収納ケースの保持具を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明では、本体にソフト収納ケースを挿脱自在とした開放部を設けると共に、本体の周壁部に前記開放部の少なくとも一部を遮りソフト収納ケースに対面するケース離脱防止用のストッパーを具備させてあり、開錠具である磁石の吸着力により本体の周壁外面部にスライド自在に取り付けた移動体を移動せしめることによって移動体とストッパーとの係合を解除し、これによりストッパーを開放部外に移動し得るようにしたソフト収納ケースの保持具であって、本体の周壁部に前記移動体を囲む包囲壁を設けると共に移動体の一端と対向する包囲壁部分に磁石が一定量だけ挿入される貫通孔を設け、前記貫通孔を介して一定量だけ挿入された磁石に移動体が吸着したときにのみ移動体とストッパーとの係合が解除され得るようにしてある。
【0008】
このソフト収納ケースの保持具では上記したように、本体の周壁部に前記移動体を囲む包囲壁を設けると共に移動体の一端と対向する包囲壁部分に磁石が一定量だけ挿入される貫通孔を設け、前記貫通孔を介して一定量だけ挿入された磁石に移動体が吸着したときにのみ移動体とストッパーとの係合が解除され得るようにしてある。したがって、強力な吸着力を有する磁石により移動体を吸着移動せしめた場合には移動体とストッパーとの係合は解除できず、ストッパーを開放部外に移動できない。つまり、磁石が貫通孔を介して一定量だけ挿入されるような開錠具でない限り、ソフト収納ケースの保持具における本体からソフト収納ケースを取り外すことができない。よって、この発明のソフト収納ケースの保持具を用いれば、ソフトの盗難が有効に防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0010】
この実施形態のソフト収納ケースの保持具は基本的には図1や図2に示すように、本体1にCDソフト収納ケースKを挿脱自在とした開放部10を設けると共に、本体1の周壁部11aに前記開放部10の少なくとも一部を遮りソフト収納ケースに対面するケース離脱防止用のストッパー2を具備させてなるもので、図5に示すように、開錠具8の磁石80の吸着力により本体1の周壁部11aの外面側にスライド自在に取り付けた移動体3を移動せしめることによって移動体3とストッパー2との係合を解除せしめ、これにより図3に示す如くストッパー2を開放部10外に移動できるようにしてある。
【0011】
なお、上記保持具では、図5に示すように、本体1の周壁部11aに前記移動体3を囲む包囲壁4を設けると共に移動体3の一端と対向する包囲壁4部分に磁石80が挿入される貫通孔40を設け、前記貫通孔40を介して(全体が)挿入された磁石80に移動体3が吸着したときにのみ移動体3とストッパー2との係合が解除され得るようにしてある。
【0012】
以下に、この保持具の各構成等についてを詳述する。
〔本体1の構成について〕
本体1は、図3に示すように、前面を開放部10とする前面視正方形状に形成された透明容器であり、前記開放部10の下角部に小さな固定ストッパ13aを設けると共にこれと対向する後壁12部分に三角形状の孔13bを設けてある。また、この本体1の後壁12には、図3に示すように、バーコードが印刷された紙片を貼設するための貼設部14(この部分については壁厚を小さくしてある)を設けてあると共に前記貼設部14にはソフト収納ケースKの本体1からの離脱を容易ならしめる押出孔15を設けてある。更に、図3に示すように、この本体1の周壁部11bにはCDソフト収納ケースに施されたタイトルを拡大するための凸レンズLを設けてあり、他方、周壁11aには対向する一対の短直立片41,41とこれらの前側縁相互を繋ぐ長直立片42とから成る包囲壁4を設けてある。なお、こお包囲壁4の短直立片41には、図3に示すように、貫通孔40を設けてあり、この貫通孔40から開錠具8の磁石80が挿入し得るようにしてある。
〔ストッパー2の構成について〕
ストッパー2は、図3に示すように、断面L字状に形成された細長いもので、三つの係合突起22を有し且つ周壁部11aにおける短直立片41,41の後側縁相互間に揺動自在に取り付けられた片20と、前記片20から直角方向に延設された片21とから構成されている。
【0013】
なお、上記片21の前面側には図1に示すように、浅い凹み部21aを設けてあり、この凹み部21aにCDソフトの内容のジャンル等を印刷した紙片を貼設し得るようになっている。
〔移動体3の構成について〕
移動体3は、図4に示すように、断面コ字状の細長い板状のもので、横片31の両縁に断続的に設けた縦片30とから構成されている。前記横片31には、図4に示すように、横孔部31aと縦孔部31bとから成る平面視T字状の孔が上記係合突起22に対応して穿設されていると共に前記縦孔部31aの横には傾斜面部32が形成されている。なお、この移動体3は、図3や図4に示すように、長直立片42の内面に設けられた突起42aによりストッパ2の揺動中心線方向に対しては移動可能であるが、上方に対して抜け止め状態となっている。
【0014】
また、上記移動体3の一端縁には、図3や図4に示すように、取付け部33aと挿入部33bとから成る磁性金属板33を取り付けてあり、同図に示す如く、挿入部33bにコイルバネBを外挿する態様で貫通孔40と反対側(左側)に付勢してある。なお、移動体3は、コイルバネBの付勢力により最も左側に移動しいている場合には係合突起22と傾斜面部32とが対応するように設定してあり、逆にコイルバネBの付勢力に抗して最も貫通孔40側(右側)に移動している場合には突起22と横片31の縦孔部31bの左側部分とが対応するように設定してある。
〔開錠具8の構成について〕
開錠具8は、図5に示すように、手で保持される樹脂部81と上記した貫通孔40に挿入される円柱状の磁石部80(先端部だけが磁石になっているものでもよい)とから構成されている。そして、樹脂部81から突出する磁石部80の全体を貫通孔40に挿入した状態において前記磁石部80の端部に磁性金属板33の端部が吸着された場合、すなわちコイルバネBの付勢力に抗して最も貫通孔40側(右側)に移動している場合には、図5に示すように、係合突起22と縦孔部31bとが対応するようになっている。
〔ストッパー2により本体1の開放部10を遮る場合〕
ストッパ2を図3の状態から図1の状態に揺動操作すると、図6に示す如く、係合突起22からの傾斜面部32への押圧力により移動体3はコイルバネBの付勢力に抗して右側に移動せしめられ、係合突起22は縦孔部31b及び横孔部31aの中央部に挿入状態となる。前記挿入状態になると、移動体3は図7に示す如くコイルバネBの付勢力により左側に移動せしめられ、移動体3と係合突起22は係止状態となる(図8参照)。即ち、ストッパ2が本体1の開放部10を遮った状態で維持される。
〔ストッパー2による本体1の開放部10への遮りを外す場合〕
図5に示す如く、樹脂部81から突出する磁石80の全体を貫通孔40に挿入する。この状態で前記磁石80の端部に磁性金属板33の端部が吸着されると、コイルバネBの付勢力に抗して移動体3は図5に示す如く移動し、係合突起22と縦孔部31bと対向した状態となる。この状態においてストッパー2を揺動させると、係合突起22は縦孔部31b及び横孔部31aの中央部から抜け、これによりストッパー2による本体1の開放部10への遮りを外すことができる。
〔ソフト収納ケースKの他の態様〕
このソフト収納ケースの保持具では、保持する対象物をCDソフト収納ケースとしているが、これに限定されることなく、本体の形状等を変えることにより所謂LDソフトやMDソフトの収納ケース並びにファミコンソフト収納ケースを保持する対象物とすることも可能である。
【0015】
【発明の効果】
この発明は上記構成を有するものであるから以下の効果を奏する。
【0016】
課題を解決するための手段の欄の後部に記載した内容から、ソフトの盗難が有効に防止できるソフト収納ケースの保持具を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この実施形態のソフト収納ケースの保持具の外観斜視図。
【図2】前記ソフト収納ケースの保持具の本体にCDソフト収納ケースが収容された状態を示す斜視図。
【図3】前記ソフト収納ケースの保持具において、ストッパー2による本体1の開放部10への遮りを外した状態を示す外観斜視図。
【図4】前記ソフト収納ケースの保持具の分解斜視図。
【図5】前記ソフト収納ケースの保持具の貫通孔に開錠具である磁石を挿入した状態を示す断面図。
【図6】前記ソフト収納ケースの保持具において、ストッパーにより本体の開放部を遮る場合の説明図。
【図7】前記ソフト収納ケースの保持具において、ストッパーにより本体の開放部を遮る場合の説明図。
【図8】前記ソフト収納ケースの保持具において、係合突起と移動体との係止状態を示す断面図。
【図9】先行技術のソフト収納ケースの保持具の要部断面図。
【図10】先行技術のソフト収納ケースの保持具のロック機構を開いた状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 本体
2 ストッパー
3 移動体
4 包囲壁
8 開錠具
40 貫通孔
80 磁石

Claims (1)

  1. 本体にソフト収納ケースを挿脱自在とした開放部を設けると共に、本体の周壁部に前記開放部の少なくとも一部を遮りソフト収納ケースに対面するケース離脱防止用のストッパーを具備させてあり、開錠具である磁石の吸着力により本体の周壁外面部にスライド自在に取り付けた移動体を移動せしめることによって移動体とストッパーとの係合を解除し、これによりストッパーを開放部外に移動し得るようにしたソフト収納ケースの保持具であって、本体の周壁部に前記移動体を囲む包囲壁を設けると共に移動体の一端と対向する包囲壁部分に磁石が一定量だけ挿入される貫通孔を設け、前記貫通孔を介して一定量だけ挿入された磁石に移動体が吸着したときにのみ移動体とストッパーとの係合が解除され得るようにしてあるソフト収納ケースの保持具。
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