JP3680096B2 - 電解式オゾン水製造方法及びその装置並びに固体高分子電解質膜の再生方法 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、水の電解によりオゾン水を製造するオゾン水の製造方法に関するものであり、詳しくは、オゾン水を長時間に亘って連続的に製造し得る電解式オゾン水製造方法とその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オゾン水を製造する代表的な方法としては、オゾンガスを水中に溶解させてオゾン水を製造するガス溶解法と、水の電気分解によって陽極側に生成する酸素をオゾン化触媒によってオゾンに変換させ、これを直ちに陽極側に流れる水中に溶解させてオゾン水を製造する水電解法とが知られており、最近では、水電解法が注目され実用化が進んでいる。係る水電解法では、入手容易な水を原料とし、数十ボルト(V)×数十アンペア(A)の小型の電源装置を用いた小型の電解装置が使用される。
【0003】
係る水電解法によるオゾン水製造方法としては、特開平1−312092号公報,特開平8−134677号公報,特開平8−134678号公報に提案されているものがある。
【0004】
これらの装置の概要を図16に示した代表例によって説明する。同図において、固体高分子電解質膜5(以下単に『膜』又は『電解質膜』と記載する)は、オゾンに対して耐蝕性を有する材料(例えば、フッ素樹脂或いはガラス等)を内面にコーティングした陽極側ケーシング1と陰極側ケーシング2との間に配置され、陽極側ケーシング1と陰極側ケーシング2を、陽極室6と陰極室7とに画成している。
【0005】
前記電解質膜5の陽極室6側の面には、オゾンを生成させる触媒機能を有する貴金属(白金等)16を備えた陽極電極3が押圧して接触されている。又、他方の陰極室7側の面には、貴金属(白金,銀等)20の接触面を有する陰極電極4が、同様に押圧して接触されている。陽極室6と陰極室7の夫々には、原料水の流入口8,9と流出口10,11が形成されている。両電極3,4間には直流電源24によって電極棒19,23を介して直流電圧が印加される。
【0006】
係る構成の装置においては、陽極室6と陰極室7に夫々通水しつつ両電極間に直流電流を印加して通電すると、電解質膜5を挟んで水の電気分解が生じる。そして、陽極電極3側には酸素とオゾンが生成し、陰極電極4側には水素が発生する。この陽極電極3側で発生したオゾンは水中に溶解してオゾン水になり、流出口10からオゾン水として送出される。
【0007】
ここで、効率的にオゾン水を生成するために、特開平8−134677号公報に開示されている様に、両電極3,4の電解質膜5に接する部分を、夫々白金等の貴金属で形成した金網16,20とする。又、その背面にオゾンに対して耐蝕性を有するチタン等で形成したラス網17,21と電極板18,22とを順に積層して、ろう付け,スポット溶接その他機械的接合法等により接合して一体化した構造のものに電極棒19,23を接合した電極構造とする。原料水は金網とラス網或いはラス網とラス網とからなる流路を流通する間に激しい乱流と渦流を生じ、これにより、陽極電極側で生成したオゾンは発生直後に瞬時にして水中に溶解される。この溶解が電解質膜の陽極電極面で連続的に生じ且つ累積する結果、高濃度のオゾン水が得られる。
【0008】
ところで、係る装置によって、初期設定した電流密度で所定濃度のオゾン水を製造すべく連続運転を行うと、電解質膜の性能の低下(膜劣化)が生じ、時間経過と共にオゾン水中のオゾン濃度の低下が生じるので、これを防止するために電流密度を上昇させる方式がとられていた。
【0009】
即ち図17に示す様に、オゾン水中のオゾン水の濃度Xを所定の値Xsに維持する様に、電流値A(電流密度,以下同じ)を制御していくと運転時間の経過と共に電流値は上昇し、時間t1では、遂に装置に許容されている電流上限値Aeに達する。この状態に達すると、これ以上の電流値の増加が行えないから、次第にオゾン水の濃度Xが低下し、所定の限界値Xeにまで低下する(時間t2)。この限界値Xeに達すると、一般には、この時点で装置の運転を停止し、装置の分解と劣化した電解質膜5の交換が行われる事になる。しかしながら、これでは、オゾン水製造装置の分解,再組立が煩わしいのみならず、装置稼働効率も著しく低くなり、オゾン水製造コストを高価なものにしていた。
【0010】
そこで、この電解質膜の煩雑な交換作業を軽減し、電解質膜5の再生を、装置を分解する事なく容易に行う方式が、本出願人等によって特願平9−340188号(特開平11−172482号)にて提案されている。即ち、この方式は、図18に示している様に、前記積層タイプの陽極電極3及び陰極電極4の背面に夫々電極棒19,23が接続されている点では前述の図16の装置と同一であるが、次の点でその構造が異なっている。
【0011】
即ち、図18の装置では、電極棒19,23が、前記陽極側ケーシング1及び陰極側ケーシング2に夫々形成されている貫通孔12,13を挿通して配置され、夫々の端部が、流体圧シリンダ装置14,15に接続され、これにより陽極電極3及び陰極電極4が夫々電解質膜5に対して進退自在となされている点で前記図16の装置と異なっている。
【0012】
この装置による運転方法について以下に説明する。前記図17において、電流値Aが許容された上限値Aeに達した後のオゾン水の濃度Xが所定の下限値Xeに達すると、装置の運転を停止(通電,通水の停止)し、図19に示している様に、前記流体圧シリンダ14,15を作動させ、前記両電極3,4を電解質膜5から離反させて該電解質膜5に対する押圧力を開放する。そして、この状態を一定時間保持する事によって電解質膜の再生を行い、しかる後に、再度両電極3,4を電解質膜に向けて前進させて所定の押圧力で押圧し、通電,通水を開始して装置の運転を再開する。
【0013】
即ち、装置運転時に経時的劣化した電解質膜を、押圧力を解除する事によって開放し該電解質膜の再生を行う様にしたものである。この運転状態をタイムチャートに示すと図21の如きものとなる。
【0014】
即ち、図17の場合と同様に、オゾン水の濃度Xが所定の濃度Xsに維持される様に、電流値Aは、運転時間tの経過と共に上昇し、時間t1で該電流値Aは、装置に許容されている上限値Aeに達する。これ以上の電流値の上昇は行えないから、この時点で、装置への通電,通水を停止し、装置の運転を休止する。
【0015】
即ち、図19に示している様に、両電極3,4を後退させて電解質膜5と離反させ、装置の運転を休止する。この状態を所定時間保持した後、時間t3に至ると、両電極3,4を再度前進させて電解質膜5に押圧し、通電と通水を再開して運転を再開する(時間t3)。以後、同様にして電流値Aが上限値Aeに達すると(時間t4)、同様にして運転を休止し、所定時間経過した後(時間t5)運転を再開する。この操作を繰り返し行い、運転再開後も所定のオゾン水の濃度が得られなくなると、その時点で電解質膜5の交換を行う方式である。
【0016】
この場合には、電解質膜の交換頻度は少なくなり、電解質膜の寿命向上と装置メンテナンスの容易化を達成している点では、従来法に比して効果が認められるが、装置を頻繁に停止しなければならないため、連続したオゾン水の製造が不可能である点では、従来の問題点の基本的解決には至っていない。
【0017】
そこで、本出願人等は、上記特願平9−340188号の優先権主張に基づくPCT出願(PCT/JP98/5576)において、更に上記方法を改良する方式を提案している。この方式も図18に示した如き両電極を電解質膜に対して進退させる様にした機構を有する電解式オゾン水製造装置を用いるものであるが運転方法が異なっている。
【0018】
即ち、図22にその運転タイムチャートを示している様に、オゾン水中のオゾン水の濃度Xが一定値Xsとなる様に電流値Aを上昇させて行く点は従前の方式と同一である。
【0019】
電流値Aが装置の許容限界値である上限値Aeに達すると(時間t1)、前記電解質膜を押圧している電極の面圧Pを、初期のP1から、より高圧のP2に高める。するとオゾン生成速度が向上し、所定のオゾン水の濃度Xsを維持するために必要な電流値Aは低下するので、電流値Aは、その上限値Aeから正常運転値A0に低下する。この状態で運転を継続していると、再び電解質膜の性能の低下に伴って、所定のオゾン水の濃度を維持するために必要な電流値Aが次第に増加し、再度その上限値Aeに達する(時間t6)。この時点で再度電解質膜への押圧力Pを、更に高い圧力のP3に昇圧すると、再び所要の電流値Aが低下し、再度電流値が上限値Aeに達する(時間t7)。この時点で電解質膜の押圧力を更に高められる場合には、同様の操作を繰り返し行う事になる。
【0020】
しかし、該電解質膜の押圧力が設定された上限値に達している場合には、電流値が上限値Aeの状態で運転を継続する。そして、オゾン水の濃度Xが下限値Xeにまで低下すると(時間t8)、装置の運転を停止し、前述の図19に示した場合と同様に、電極による電解質膜の押圧状態を開放して、該電解質膜に作用していたストレスを放出させ、膜機能の復元を図る。その後、再度電極を電解質膜に初期の押圧力P1で押圧し、通電,流水を再開して装置の運転を再開するか、装置を分解して電解質膜を交換するかのいずれかの方策がとられる。
【0021】
この方式によると、電流値Aが上限値Aeに達しても、電解質膜に対する電極の押圧力Pを高める事によって電流値を低下させる事ができるので、装置の運転継続時間を飛躍的に増大させる事が可能となる。しかしながら、電極の押圧力Pが上限値に達すると、装置の運転を停止して、膜の性能の回復を待たねばならない点では、長期間に亘る連続運転は不可能であった。
【0022】
そこで、本発明は、上記各改良方式を更に改良して、電解式オゾン水製造方式における念願とも言える長期連続運転を達成する事を最大の目的とするものである。
【発明の開示】
【0023】
本発明は、係る観点の元になされたものである。
【0024】
先ず、本発明は、電解質膜の片面にオゾンを発生させる触媒機能を備えた陽極電極を、他面に陰極電極を配置し、両電極の少なくとも一方或いは両方が進退可能な機構を設け、両電極を前記電解質膜を押圧した状態で該両電極間に直流電圧を印加し、前記電解質膜の両面に水を流通させて該流通水の電解によって前記陽極電極側にオゾン水を生成させるオゾン水製造方法において、通水,通電を継続した状態で、前記陽極電極又は陰極電極或いはこれら両電極の前記電解質膜に対する押圧条件を、予め設定された条件に従って変化させた後、元の押圧条件に復帰させるように押圧力を変化させる操作によって、オゾン水を製造しつつ電解質膜の再生操作を行う様にしたものである。
【0025】
この方法において、前記電解質膜に対する押圧力を変化させる操作は、前記電極による押圧力を減少させる方向或いは増加させる方向又はこれらの組合せで変化させる事ができる。又、この押圧力を変化させるパターンは、予め設定された押圧力以下に減少された状態又は予め設定された押圧力以上に昇圧された状態が一定時間以上存在する様な圧力変化のパターンを有するものがこの好ましい。
【0026】
更に、この操作を、所定周期で繰り返す方式と、オゾン水の生成能力が所定の値以下に低下した事を検知して1回又は複数回行う方式があり、いずれの方式を採用するかは任意である。
【0027】
又、前記押圧力を変化させる操作によっても電解質膜の再生が不充分な状態に至ると、オゾン水の製造を停止して前記両電極を該電解質膜から離反させ、この状態を所定時間保持して該電解質膜の再生を行った後、再度所定の運転条件でオゾン水の製造を再開する方式もある。この方式によれば、電解質膜の寿命を更に一層向上させる事が可能となる。
【0028】
同様に、前記押圧力を変化させる操作によって、電解質膜の再生が不充分な状態に至ると、前記電解質膜に対する前記電極の押圧力を、予め設定されている高い押圧力に変化させてオゾン水の製造を継続する方式もある。この方式によれば、オゾン水の連続製造を更に飛躍的に延ばす事が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。この方式で使用するオゾン水製造装置は、図20に示す様に、オゾン水製造装置本体1と押圧力制御装置81と押圧力の設定部82と電源装置24と原料水供給装置83と検出手段を有するオゾン水の濃度検出センサ84と制御装置本体85とを備えている。ここで、オゾン水製造装置本体1は、図18の装置と同一符号が付されている部分は同一構成を示しており、重複説明は省略する。
【0030】
押圧力制御装置81は、オゾン水製造装置本体1の進退駆動部14,15に接続されており、陽極電極3と陰極電極4の電解質膜5に対する押圧力を制御する様になっている。押圧力設定部82は、押圧力制御装置81に接続されており、所定の押圧力に設定できる様になっている。電源装置24は、両電極3,4に電圧を印加する電源であり、電流値を検出する電流検出器91を備えている。原料水供給装置83は、オゾン生成の原料となる原料水を供給するものである。オゾン水の濃度検出センサ84は、オゾン水の濃度を検出するセンサである。
【0031】
制御装置本体85は、制御部86とタイマー87と比較部88と設定値の格納部89と停止回数計数部90とを備え、前記押圧力制御装置81と電源装置24と原料水供給装置83とに種々の指令を送る様になっている。
【0032】
制御部86は、前記電源装置24に制御指令を出す第1指令部86aと、前記押圧力制御装置81に制御指令を出す第2指令部86bと、装置の運転/停止の制御指令を出す第3指令部86cとを備えている。
【0033】
比較部88は、第1比較器88aと第2比較器88bと第3比較器88cと第4比較器88dとを備えている。
【0034】
第1比較器88aは、オゾン水の濃度検出センサ84と設定値の格納部89と前記第1指令部86aと前記第2指令部86bと前記第3指令部86cとに接続されている。この第1比較器88aは、オゾン水濃度検出センサ84から送信されるその時点での測定オゾン水濃度(X)を設定値格納部89に記憶されているオゾン水濃度目標値(Xs)と比較して、オゾン水濃度の偏差を示す信号を前記第1指令部86aに出力すると共に、前記測定値(X)が前記目標値(Xs)に達すると、その旨の信号を前記第2指令部86bに出力する様になっている。
【0035】
第2比較器88bは、前記電源装置24の電流値検出器91と前記設定値格納部89と前記第3指令部86cとに接続されている。この第2比較器88bは、前記電源装置24内の前記電流検出器91で検出された電流値(A)を前記設定値格納部89に記憶されている電源装置の上限値(Ae)とを比較して、電流値(A)がその上限値(Ae)に達すると、その旨を示す信号を前記第3指令部86cに出力する様になっている。
【0036】
第3比較器88cは、前記タイマー87と前記設定値格納部89と前記第1指令部86aと前記第3指令部86cとに接続されている。この第3比較器88cは、前記タイマー87で計測された装置の運転中や停止中の経過時間(t)を、前記設定値格納部90に記憶されている予め設定された所定時間(Tc)等と比較し、装置の運転時間や停止時間(t)が所定時間(Tc)等に達すると、所定の時間に達した事を示す信号を前記第1指令部86aや第3指令部86cに出力するものである。
【0037】
又、第4比較器88dは、装置が停止した回数(N)を計測する装置停止回数計数部90で計数された装置の停止回数(N)を、前記設定値格納部89に記憶されている予め設定された所定の停止回数(Ne)と比較して、その結果を前記第3指令部88cに出力するものである。
【0038】
前記設定値の格納部89には、運転条件として予め設定させるべきオゾン水の生成目標濃度(Xs)や後述する所定の制御を開始する制御開始濃度(Xm)や許容下限濃度(Xe)、後述する装置の制御サイクルタイム時間(Tc)、後述する変化押圧力保持時間(T1)、電流値の上限値(Ae)等の運転に必要な各種設定値が記憶格納されている。
【0039】
前記制御部86の前記第1指令部86aは、オゾン水濃度を比較する前記第1比較器88aからの信号に基づいて、オゾン水濃度(X)が目標値(Xs)に近づく様に前記両電極3,4間に供給される電流値(A)を変化させる指令を前記電源装置24に出力する様になっている。
【0040】
前記第2指令部86bは、前記第1比較器88aと前記第3比較器88cと前記押圧力制御装置81に接続されており、前記第3比較器88cからの信号に基づいて、装置の運転中の経過時間(t)が前記設定値(Tc)等に達した事を検知すると、両電極3,4の押圧力を変化させる指令を前記押圧力制御装置81に出力する様になっている。
【0041】
又、この第2指令部86bは、前記第1比較器88aからの信号に基づいて、オゾン水の濃度(X)が、前記制御開始オゾン水濃度の設定値(Xm)に達した事を検知すると、両電極3,4の押圧力を変化させる指令を前記押圧力制御装置81に出力する様にもなっている。
【0042】
更に、この第2指令部86bは、前記第3比較器88cからの信号に基づいて、装置の運転中の経過時間(t)が前述の所定の値(T1)に達した事を検知すると、両電極3,4の押圧力を初期の押圧力に変化させる指令を前記押圧力制御装置81に出力する様になっている。
【0043】
前記第3指令部86cは、前記第1比較器88a〜第3比較器88cと前記電源装置24と前記原料水供給装置83と前記押圧力制御装置81と前記タイマー87とに接続されている。
【0044】
この第3指令部86cは、前記第2比較器88bの信号に基づいて電流値が上限値(Ae)に達した事を検知し且つ第1比較器88aからの信号に基づいてオゾン水の濃度(X)が下限値(Xe)に達した事を検知すると、電源装置24と原料水供給装置83と圧力制御装置21をOFFにする指令を出力する様になっている。
【0045】
又、第3指令部86cは、タイマー87からの信号に基づいて所定時間経過後に装置を再稼働させる指令を電源装置24と原料水供給装置83と圧力制御装置81に出力する様にもなっている。
【0046】
次に、本発明の実施形態を、図1の運転タイムチャートと該タイムチャートの運転を行うためのフローチャートである図2と前記図20とを用いて説明する。
【0047】
先ず、図2において、運転開始時には電源装置24のメインスイッチが入れられて、制御系に通電が開始され、続いて、流水口8,9から原料水の通水が開始され、両電極3,4間に直流電圧が印加される(S1)。
【0048】
次に、押圧力設定部82により、両電極3,4の電解質膜5に対する押圧力を初期値P1に設定する(S2)。又、タイマー87によって経過時間tの計測が開始される(S3)。電解によりオゾン水が生成して流出口10よりオゾン水が送出され始まると、このオゾン水の濃度Xをオゾン水濃度検出センサ84で常時検出し、該検出された濃度Xを第1比較器88aでオゾン水の濃度目標値Xsと比較する(S4)。
【0049】
ここで該目標値Xsは所定のばらつき(x)を許容する様に設定されているので、実際には、検出された濃度XはXs±x(≒Xs)と比較される。オゾン水の濃度が低い場合(X<Xs)には(S4,No)、第1指令部86aからの信号によって、電源装置24には、その時の電流値Aに予め設定されている電流値aを加えてAをA+aに上げる指令が出され、新たな電流値で運転を行う(S5)。一方、オゾン水の濃度Xが所定の目標値より高い場合(X>Xs)には(S4,No)、第1指令部86aからの信号によって、電源装置24には、その時の電流値Aから電流値aを減じたA−aに変更する指示が出される。これにより、常時、オゾン水の濃度XはXs近傍の値に維持される様に電流値Aが制御される事になる。
【0050】
図1は、この様にしてオゾン水の濃度がXsに達した時点以降の状態を示している。この状態で運転を継続していると、図1に示した如く、電流A及び電圧Vの値は、電解質膜の劣化に伴ってオゾン水の濃度Xを濃度Xsに維持する様に時間tの経過と共に次第に上昇していく。そこで、電解質膜の性能が低下してオゾン水の濃度Xが許容される下限値Xeにまで低下しない様な適当な時間(Tc)を予め設定しておく。前記第3比較器88cで運転時間tの経過を監視しておき、t≧Tcに至ると(時間t10)(S6,Yes)、通電及び通水を維持した状態で(即ち装置の運転を継続している状態で)、第2指令部86bの信号に基づいて押圧力制御装置81を制御し、両電極3、4の押圧力Pを初期値P1から低圧のP4に変更させる(S7)。又、押圧力Pを変更させると同時に押圧力の変化の開始後の経過時間(t')をタイマーで計測を開始する(S8)。
【0051】
押圧力の低下により電解質膜5と両電極3,4との間の接触抵抗が増加するため、電流値Aは初期値A0よりも低電流値のA1に低下すると共に、オゾン水の濃度Xも所定値Xsから僅かに低下し始める。一方、電圧Vは、電源の最大電圧値Veにまで上昇する事になる。この状態では、オゾン水の濃度は低下を続けているので、該オゾン水の濃度が許容下限値Xe以上に維持されている期間内の適当な時間(時間t11)までの所定の期間(T1)これを保持する。
【0052】
即ち、第3比較器88cは、低圧に変更した後の経過時間t'と低圧保持期間T1とを比較してt'≧T1に達すると(S9,Yes)、その信号を第2指令部86bに出力する。そして、第2指令部86bから押圧力Pを初期値P1に復帰させる信号を押圧力制御装置81に出力する(S2へ移行)。前述の要領で、オゾン水の濃度Xが所定の値Xsに維持される様な運転が再開される。この結果、オゾン水の濃度Xは所定の値Xsに復帰し、電流,電圧も夫々元の値近傍に復帰する。尚、復帰直後においては、オゾン水の濃度は設定値Xs以下であるので、これを回復するために電流値Aは瞬間的に装置の許容最大値Aeにまで上昇してオゾン水の濃度を高める。しかし、オゾン水の濃度が所定値Xsに戻ると電流値も初期値A0近傍に復帰する。
【0053】
上記操作において、電解質膜に対する両電極3,4の押圧力Pを低圧のP4に下げている期間T1が該電解質膜の再生期間であり、その再生原理は明確ではない。しかし、後述する如く時間経過と共に膜内或いは膜面に蓄積した有害物(水素イオン及び原料水中に含有されている不純物のイオン等)により機能の低下した電解質膜に、押圧力の変化を施す事によって有害物の平衡状態を破壊し、膜性能の回復が図られるものと推定されている。
【0054】
同様にして、所定の押圧力を変化させる周期Tcに達すると(時間t12)、前述の要領で押圧力Pを初期値P1からP4に低下させ、この状態を時間t13までの一定時間(T1)保持させた後に、再度押圧力を初期値P1に復帰させる。この様な操作を、装置の運転を休止する事なく、繰り返し行う事になる。上記方法において、押圧力を低圧P4に保持するための時間T1(以下、「低圧時間」という。)は、基本的には、オゾン水の濃度が許容された下限値Xeに至るまでの時間であれば任意である。又、この繰り返し周期(Tc:t10〜t12の期間)は、オゾン水の濃度が許容下限値Xeに至るまでの期間であれば任意であるが、両者の関係は考慮されなければならない。即ち、該繰り返し周期Tcが長ければ低圧時間T1も長くなり、繰り返し周期Tcが短ければ低圧時間T1も短くて良い事になる。一般的には、繰り返し周期Tcを10分〜30分程度に設定した場合には、低圧時間T1は数秒、即ち、1〜5秒程度に設定される事になる。
【0055】
尚、押圧力を変化させることにより電解質膜の回復が限界に近くなると、押圧力を初期値P1に復帰させた後の電流値Aが初期値A0よりも高い値となり、押圧力を変化させる操作の度に次第に高くなって、遂には短時間で上限値Aeに達し、オゾン水の濃度Xが許答下限値Xeに達することになる。係る事態に到った後の処理については後述する。
【0056】
上記した図1の例においては、押圧力Pを初期値P1から低圧のP4に急激に変化させ、その低圧状態を一定時間(T1)保持させる様にしている。この押圧力を変化させるパターンには種々の変形例がある。図3は、この押圧力を変化させるパターンの種々の例を示したものである。
【0057】
同図中(a)は、押圧力Pを初期値P1から前記P4よりも低い圧力のP5にV字状に変化させる方式である。この場合には、前記P4以下の押圧力に時間t16からt17の所定期間保持される事になり、電流Aも押圧力Pの低下に連れて低下すると共に、図1の場合の低電流A1よりも更に低い値A2にまで低下し、押圧力Pの増加に連れて次第に上昇する。一方、電圧Vは押圧力Pの低下に連れて上昇し、許容最大値Veに達した後、その状態が継続し、押圧力の回復に連れて初期値V0にまで低下する事になる。
【0058】
次に、同図(b)は、前記(a)とは前記押圧力PをU字状に変化させた点で相違し、設定された低圧P4より低い圧力に時間t18からt19の間で保持されている。次に同図(c)は、押圧力をV字状に変化させた点は前記(a)と同一であが、時間t20において所定の低圧P4に達し、直ちにP1に向けて昇圧される様になっている。即ち、この場合には、所定の低圧P4以下の圧力における保持時間はないが、この方式でも格別問題はない。但し、この場合には、図1の押圧力を変化させる操作や、前記(a),(b)の押圧力を変化させる操作に比べて電解質膜の回復力が劣る傾向にあるので、繰り返し周期を短くするか或いは設定低圧P4の値を低く設定する等の考慮が必要である。
【0059】
次に、図4は、上記図1の方法の他の実施例である。装置運転中における電解質膜の性能の低下が少ない期間内における適当な時間t21に至ると、前記電極の電解質膜に対する押圧力Pを初期値P1から低圧のP4に低下させる点は、前記第1図の場合と同一である。本例では、時間t22までの所定期間(T2)内に、該押圧力Pの初期値P1への復帰と低圧P4への変化とを、パルス状に1回〜複数回行うと共に、この操作を周期的に実施する様にしている。
【0060】
これにより、低圧時間(Δt)の度に少しづつ電解質膜の性能回復がなされる事になる。又、この場合のオゾン水の濃度Xは、押圧力の変化が微小時間(Δt)毎に繰り返されている間は、減少と増加を繰り返しつつ少しづつ変化する。時間t22に達すると、このパルス状の圧力の変化を中止して元の押圧力P1に復帰させ、運転を継続する。更に、所定時間(Tc)経過後の時間t23に達すると、同様のパルス状の押圧力の変化を時間t24まで行い、再度元の押圧力P1に復帰させて運転を継続する。以後も同様の操作を繰り返す。
【0061】
又、このパルス状の押圧力を変化させる場合の制御は、図20に示すタイマー87からの経過時間tと前記Δtを記憶している設定値格納部89からの信号を第3比較器88cに送信して比較演算し、その結果を前記Δt経過毎に前記第3指令部86cに出力して該第3指令部86cから押圧力Pの変化指令を押圧力制御装置81に出力する事により行う事が可能である。
【0062】
この場合の押圧力の変化の繰り返し期間(T2)及び押圧力Pを変化させる操作の周期(Tc:t21〜t23の期間)は、前述の場合と同様に、オゾン水の濃度Xが許容下限値Xeに低下するまでの期間内であれば任意である。又、上記押圧力Pを変化させる操作によっても電解質膜の性能回復が充分に行えなくなると、オゾン水の濃度Xが許容下限値Xeに達する事になるが、このオゾン水の濃度Xが許容下限値Xeに達した後の処置については後述する。
【0063】
次に、図5は、本発明の他の実施例を示す運転タイムチャートである。オゾン水の濃度が、所定の目標値Xsとなる様に運転制御を行いつつ運転を継続すると、電流値Aは次第に上昇し時間t31において装置に許容された上限値Aeに達する。その状態で更に運転を継続していると、オゾン水の濃度は次第に低下してくるので、許容下限値Xeと所定値Xsとの間の適当な値Xmを設定しておく。この設定値Xmが検出されると(時間t32)、前述の図1の場合と同様に電解質膜の押圧力を初期値P1から低圧のP4に変化させ、この状態を時間t33までの所定期間(T3)保持した後、再度初期値P1に復帰させる。即ち、図1,図3,図4の例は、所定周期(Tc)毎に押圧力を変化させる操作を行って電解質膜の再生を行うものであるが、これに対し、本実施例では、押圧力Pを変化させる操作により電解質膜の再生を行う点では同一であるが、オゾン水の濃度の低下を検出して押圧力Pを変化させる操作を開始する点で相違している。
【0064】
この運転タイムチャートを実現するためのフローチャートを図6に示す。図6において、電流値Aが装置の上限値Aeに達するまではオゾン水の濃度が所定の値Xsとなる様に制御される点は(S1〜S4)、図2の場合と同一である。電流値Aが上限値Aeに達した事が第2比較器88bにて検出されると(S5,Yes)、これ以後のオゾン水の濃度は低下を開始するので、オゾン水の濃度検出センサ84にてオゾン水の濃度の低下状態を検出し続ける。該オゾン水の濃度Xが前記圧力変化制御開始設定値Xm以下に低下すると(S7,Yes)、第2指令部88bにて押圧力Pを低圧のP4への変更を指示する(S8)。この押圧力Pを変化させる状態の経過時間t'が所定の時間T3を経過したか否かを第3比較器にて判断し(S8,S9)、この経過時間t'がt'≧T3となると(S10,Yes)、第3比較器は、その旨の信号を第2指令部86aに出力する。そして、第2指令部86bは、再度、押圧力Pを初期値P1に設定する信号を押圧力制御装置81に出力し(S2へ移行)、装置の運転が継続される。
【0065】
この方式においても、押圧力を変化させるパターンは、図3に示した如きV字状又はU字状等の他の形態でもよく、又、押圧力を変化させる操作の期間(T3)内において、図4に示した方式と同様に圧力を微小時間Δt毎のパルス状に変化させる操作を複数回行う様にしてもよい事はいうまでもない。更に、押圧力を変化させる操作の開始は、本例では、オゾン水の濃度がXmに達した事を検出して行っている。しかし、この押圧力を変化させる操作の開始は、電流,電圧或いは原水の供給量(オゾン水濃度が低下すると、原水供給量を減少させて濃度の回復を図る方式がある)を検出し、その値が所定の値に達した時点で行うことも可能である。
【0066】
次に、図7は、本発明の他の実施例を示す運転タイムチャートである。前記図1〜図5の方式と異なる点は、電解質膜の押圧力Pを変化させる操作にある。即ち、図1,図3〜5の方式では、押圧力Pの変化は、押圧力Pを減少させる方向の変化である。これに対して、本実施例では、押圧力Pを上昇させる方向に変化させる場合の例を示している。即ち、図7において、オゾン水の濃度を所定の値Xsに維持する様に運転を行っていると、電流値Aが次第に増加してくる事は前述の通りである。該電流値Aが装置の許容上限値Aeに至る前の適当な時期(t41)に、前記電極の電解質膜に対する押圧力を初期値P1から、より高圧のP6に昇圧し、この状態を時間t42までの一定時間(T4)保持させて電解質膜の再生を行う。この場合には、両電極と電解質膜との接触抵抗が小さくなるので、電流値Aは上限値のAeにまで上昇し、電圧は逆に低圧のV1に低下し、オゾン水濃度は、短時間僅かながら上昇する。しかし、一定時間(T4)が経過して前記押圧力を初期値P1に戻すと、電流値A,電圧値V及びオゾン水濃度Xは、夫々初期値に戻る。この操作を所定周期で繰り返し行う事になる。
【0067】
尚、同図において、時間t45の時点では、図1の場合と同様に押圧力Pを初期値P1から低圧のP4に低下させ、この圧力を所定時間(T4)保持した後、時間t46で再度P1に昇圧させる方式を示している。この様に、押圧力を変化させる操作は、初期圧P1から低圧P4に減少させる方式と、高圧のP6に増加させる方式と、これらを適宜組み合わせた方式とがあり、この選択は任意である。又、押圧力を変化させる操作の具体的な方式も、図3に示した様に種々のパターン或いは図4に示したパルス状の圧力変化を与える等、種々のバリエーションがあり、これらのパターンを単一或いは組合せで使用する事も可能である。
【0068】
次に、上記押圧力を変化させる操作を繰り返し行いつつ長期連続運転を行った結果、係る押圧力を変化させる操作での性能の回復が限界に達した場合について説明する。図8は、図1に示した方式による押圧力を変化させる操作を繰り返しつつ運転を継続した場合の運転タイムチャートである。図8において、図中(a)の区間は、通常の運転時の状態を示しており、前述の通り一定の周期で押圧力を初期値P1から低圧P4に減少させ、その値を一定時間(T1)保持させた後、初期値P1に復帰させる操作を繰り返す状態を示している。オゾン水の濃度Xは常に目標値Xsに維持されている。
【0069】
ところがこの運転を長期間継続していると、次第に電解質膜の性能の回復能力が低下し、図中(b)に示した様に、電流値Aは、押圧力を減少させる操作を行う時間t64に至るまでに装置の許容上限値Aeに達する様になる。更に、この状態が続くと、図中(c)に示した様に、電流値は時間t65の時点で上限値Aeに達し、この時点からオゾン水の濃度も低下を開始し、押圧力Pを変化させる操作後も電解質膜の機能回復は不十分となる。従って電流値Aは上限値Aeから低下せず、このためオゾン水の濃度の低下傾向は続き、遂に時間t66の時点でオゾン水の濃度は下限値Xeに達する。これ以上の押圧力Pを変化させる操作による電解質膜の再生操作の継続は無意味となる。
【0070】
本発明では、この時点で取るべき方策として3つの方策がある。第一の方策は装置の運転を停止し、装置を分解して電解質膜の交換を行う方策であり、第二の方策は、前記特開平11−172482号に示された方式、即ち、装置の運転を停止して電解質膜を休止させて膜機能の回復を待つ方策であり、第三の方策は、PCT/JP98/5576号に示した様に、電解質膜への押圧力を高めて膜の活性化を行う方策である。ここで、第一の方策は、電解質膜の交換であるので、詳細説明は省略し、第二及び第三の方策について説明する。
【0071】
先ず、第二の方策について図9を用いて説明する。S1〜S6は、図6の場合と同様であるので説明を省略する。図8の(b)の状態では(S5)、電流値Aは、押圧力の変化周期の途中で上限値に達している(A=Ae)ので(S5,Yes)、この場合には、第2比較器88bから第1比較器88aに判断が移行し、ここでオゾン水の濃度Xが下限値Xeに達していないかどうか判断される(S7)。そして、電流値Aは上限値Aeには達しているが、オゾン水の濃度Xが未だ下限値Xeに達していなければ(S7,Yes)、第3比較器88cで押圧力Pの変化の繰り返し周期Tcに達しているか否かを判断する(S8)。S8において、t≧Tcになると(S8,Yes)、図2に示すS7と同様に押圧力Pを低圧のP4に変更し(S9)、図2に示すS8と同様にタイマー87で押圧力Pの変化の開始後の経過時間t'の計測を開始する(S10)。そして図2に示すS9と同様に、この状態を予め設定されている所定時間(T1)の間これを保持し(S11)、t'≧T1に達すると(S11,Yes)、再度、押圧力Pを初期値P1に復帰させて運転を継続する(S2へ移行)。
【0072】
次に、図8の(c)の状態に至ると(S5)、電流値Aは上限値Aeに達した後、オゾン水の濃度Xは次第に低下していく。そして、オゾン水の濃度Xが下限値Xeを下回る事になると(S7,No)、第1比較器86aからの信号は第3指令部86cに送られる。ここでは、電源はOFFとなし、原料水の供給も停止し(図8のdの区間)、前記図19に示した如く、陽極電極3及び陰極電極4を電解質膜5から離反させて装置の運転を停止する(S12)。この停止工程は、前述の特開平11−172482号公報に記載されている方式に則り、電解質膜5を休止させて該電解質膜5の膜機能の回復を行う膜再生工程に相当する。この運転を停止する回数Nを停止回数計数部90で計数しておき(S13)、所定の回数Neに達しているか否かを第4比較器88dで判別する。所定の回数Neに達していない場合には(S14,No)、停止時間tが所定の停止期間Trを経過するまで第3比較器88cで比較演算を続ける(S16,No)。所定の停止期間Trが経過すると(S16,Yes)、その旨を伝える信号が第3指令部86cに送信されて装置の運転が開始される(図8のeの区間,S1へ移行)。
【0073】
上記の装置停止期間Trでは、電解質膜の押圧力は完全に解放された状態であり、この間に押圧力により該電解質膜に蓄積した不純物等を放出して膜の再生を行うものであるので、この期間Trは、少なくとも30分以上、好ましくは3〜12時間程度が必要である。この休止期間中に電解質膜の膜機能の再生が完了すると、図8の区間(e)に示した通り、時間t67から電解質膜を初期値P1で両電極によって再度押圧し、通水,通電を再開する。初期設定の通りの運転条件で運転の再開を行うと、前述の図1の場合と同様に、電流値Aは初期値A0からスタートし、オゾン水の濃度Xは速やかに所定の値Xsとなる。以後は、図1に示した通りの押圧力を変化させる操作を繰り返しながら運転を継続する。
【0074】
そして、電解質膜が再びその性能の低下を起こして所定のオゾン水の濃度が得られなくなると、上述の通り再度運転の停止と電解質膜に対する押圧力の開放による膜機能の回復操作を行う事になる。以後も同様であり、係る操作を繰り返し行うと最終的には膜機能の回復が望めなくなる。そこで、前記停止回数計数部90にて計数したそれまでの停止回数(装置の運転停止による電解質膜の再生回数)Nが所定の回数Neに至ると(S14,Yes)、これを第4比較器88dで判別し、従来通り電解質膜の交換を行い(S17)、前記停止した回数Nをゼロ(N=0)にリセットする事になる(S18)。
【0075】
次に、上記第三の方策について図10により説明する。図10も前記図1の押圧力を変化させる操作を行って運転を行う場合の例である。図中(c)の区間は、前記図8の区間(c)と同一であって、押圧力を変化させる操作を行っても膜機能が回復せず、時間t66において、オゾン水の濃度Xが下限値Xeに達している。この第三の方式では、このオゾン水の濃度Xが下限値Xeに達すると、これを検知して押圧力Pを初期値P1から、より高圧のP7に上昇させて、新たな押圧条件での運転に移行する(区間f)。この押圧力Pの上昇により、両電極と電解質膜との接触面積が大きくなり、接触抵抗は小さくなると共に膜の機能面積が増大して膜能力が増大する事になる。この結果、次第にオゾン水の濃度Xも回復して所定の値Xsに戻り、一方電流値Aも次第に元の値A0に戻ってくる。以後は、図1の場合と同様に、時間t71の時点で押圧力Pを所定値P7から低圧値P4に低下させ、この低圧値に時間T1保持させた後、時間t72で再度押圧力を所定の値P7に復帰させる操作を周期的に繰り返す事になる。
【0076】
この押圧力P7の条件での運転が継続され、区間(g)に示している様に、膜機能の低下が押圧力Pを変化させる操作では充分に回復できず、オゾン水の濃度Xが下限値Xeに至ると(期間t75)、これを検知して前記押圧力PをP7から更に高いP8に再設定する。押圧力がP7から更に高いP8に再設定されると、それ以後は前記(f)の区間で説明したと同様に、膜機能が回復して所定濃度のオゾン水の製造が継続される。以後も同様に、押圧力が所定の最高値に達するまで順次同様の操作が継続される。
【0077】
押圧力が設定された最高値に達した後のオゾン水の濃度の低下に対しては、前述の図8に示した様に装置の運転を停止し、両電極を電解質膜から離反させて膜に蓄積したストレスを開放して膜の再生処理を施す。その後、押圧力P1の条件で運転を再開するか電解質膜の交換を行う事になる。
【0078】
以上の説明では、図1の押圧力を変化させる操作のパターンを例にして説明したが、この押圧力を変化させる操作のパターンは、前述の図3〜図5,図7に示した如きパターンであってもよい事は言うまでもない。
【0079】
以上の通り、本発明は、電解質膜に対する電極の押圧力Pを変化させ且つその変化後の状態を所定時間保持させる事により、電解質膜の再生を行うものであるが、その原理は明確ではない。しかし、次の仮説が考えられる。
【0080】
第一の仮説は、電解質膜内に時間の経過と共に蓄積して膜性能を劣化させたイオン及びイオンクラスタ(イオンの集合体)を、押圧力の変化によって状態破壊を生じさせ、これによって膜機能の回復が図られるとの考えである。即ち、この考えでは、電解質膜内で固定電荷とイオンが作るイオン対は電気的双極子として働くが、正電荷に比べ負電荷の分布幅が大きくなり、イオンクラスタ表面に有効な双極子層が形成される。正電荷に比べ負電荷の分布幅が大きくなるのは、高分子鎖の配置エネルギーにより負の固定電荷間に非対象な力が作用するためである。イオンがクラスタ間をホッピングにより移る際には、前記双極子層が作るポテンシャル障壁を越さねばならない。このポテンシャル障壁はクラスタの大きさや数と共に大きくなり、一方電解質膜内のイオンクラスタの数や大きさは時間の経過と共に大きくなる。このため、時間の経過と共にイオンの透過障壁が大きくなるものと考える。特に、オゾン水製造に使用する水道水や井戸水には多くの不純物が含有されているので、これを電気分解すると様々なポテンシャルのイオンが膜内を透過する事になる。透過し易いイオンや透過し難いイオンが、同時に電解質膜に作用する結果、全体から見ると膜内にイオンクラスタが蓄積され、時間の経過と共に次第に透過可能領域が狭まるものと考えられる。この状態の膜に対し、押圧力の変化による物理的ショックを与える事によって、イオンクラスタの平衡状態が破壊される結果、膜機能が復活するものと考えられる。
【0081】
一方、第二の仮説は、分極作用によるイオンの透過抵抗の増大した電解質膜に押圧力の変化を与える事によって分極状態の解消を図るとの考えである。即ち、この考えでは、水の電気分解を行うと陰極側に水素イオンが透過してくるが、水素イオンは難溶性であるためイオンが結合して水素分子を生成し、気体状態となる。水素イオンが透過してくる部位は極めて小さいため、生成した気体も極めて微細な気泡となる。この微細な気泡の水素が膜と電極との接触部に付着してあたかも水素膜を形成した如き状態が生成するものと考えられる。この現象は電池の分野で分極作用と称せられている現象に類似するものである。この水素の微細な気泡は水流等の物理的衝撃では剥離困難であるので、次第に抵抗が大きくなり、膜性能が低下する事になる。この状態を、押圧力を変化させる操作により、水素の微細な気泡が除去されて膜性能が回復するものと考えられる。
【0082】
尚、この押圧力を変化させる操作は、減圧方向への押圧力の変化の方が好ましい事が確認されている。本発明者等による実験の結果では、押圧力を増加させる方向に変化させる場合に比べて押圧力を減少させる方向への変化の方が、変化後の保持時間が短時間で電解質膜の機能回復が認められているためである。
【0083】
又、本発明者らは、図1の如き押圧力を変化させる操作を運転中に繰り返す事により、従来は不可能とされていた1月以上の長期連続運転の実現に成功している。この事実は、運転と停止が繰り返され、実質稼働率は約50%と言われていた電解式オゾン水製造装置の稼働率を、事実上100%に近い理想的な稼働率にまで高める事ができた事を意味し、オゾン水の原単位を半減させる画期的な方法と言える。
【0084】
以上説明した通り、本発明において使用するオゾン水製造装置は、電解質膜5に対して陽極電極3或いは陰極電極4或いはその両方が進退可能に構成されている事が必須である。本発明において使用するオゾン水製造装置の例として図20の装置を例示しているが、本発明で使用する装置は、これに限定されるものではない。従って、電極が進退する機構を備えた他の任意のオゾン水製造装置も使用できる。以下、電極が進退する機構を備えたオゾン水製造装置の他の実施例について説明する。
【0085】
図11は、電極が進退する機構を備えたオゾン水製造装置の他の例を示す要部断面図である。電解質膜5が、オゾンに対して耐蝕性を有する陽極側ケーシング1と陰極側ケーシング2との間に配置され、陽極側ケーシング1と陰極側ケーシング2が陽極室6と陰極室7とに画成される。前記電解質膜5の陽極室6側の面には、オゾンを生成させる触媒機能を有する貴金属16を備えた陽極電極3が押圧されて接触している。
【0086】
又、該電解質膜5の他方の陰極室7側の面には、貴金属20の接触面を有する陰極電極4が押圧されて接触している。該陽極室6と陰極室7の夫々には、原料水の流入口8,9と流出口10,11が形成され、両電極3,4間には直流電源24と通電部材35,36とによって、直流電圧が印加される。又、陽極電極3の電極プレート18の背面と陽極側ケーシング1の間には伸縮自在なゴム膜31が配置され、陽極室6が気密に構成されている。一方、陰極電極4の背面と陰極側ケーシング2の間にも、伸縮自在なゴム膜32が配置され、陰極室7も気密に構成されている。これら陽極室6及び陰極室7には、貫通孔33,34に接続された配管37,38によって圧力供給源41からの空圧或いは水圧が供給可能になっている。
【0087】
圧力供給源41からの空圧或いは水圧が、切替弁39及び配管37を介して陽極室6に供給され、陰極室7には配管38を経て空圧或いは水圧が供給されると陽極電極3及び陰極電極4は夫々空圧或いは水圧の圧力で前記電解質膜5に向かって前進し、該電解質膜5を両面から押圧する。この電解質膜5に対する両電極3,4の押圧力を下げる場合には、前記切替弁39を操作してベント管40と配管37,38を連通させ、陽極室6内及び陰極室7内の空圧或いは水圧を前記ベント管40から放出させる事により両室6,7内の圧力を低下させて前記押圧力を低下させる。尚、図20の装置と同一部品は同一符号を付して詳細説明を省略する。
【0088】
次に、図12は、本発明で使用する電極が進退する機構を備えたオゾン水製造装置の他の例を示す要部断面図である。前記図11に示す装置は空気圧縮機を用いた例であるが、この図12に示すオゾン水製造装置は、原料水を利用した水圧機を用いた場合の例である。この図12に示すオゾン水製造装置は、図11に示す圧力供給源41に代えて水圧機51を用いている以外は基本的には図11に示す装置と同一であるので、同一構成は同一符号を付して重複説明は省略する。
【0089】
図12に示す水圧機51において、大径ピストン52のシリンダ室53の正圧側には原料水配管から分岐された配管55が接続され、該配管には電磁弁54が配置されている。一方、背圧側には、同様に電磁弁56を配した配管57が原料水配管から分岐されている。又、前記電磁弁54,56と水圧機51との間に電磁弁58,59を介して排水路60に通じる排水管61が設けられている。更に、小径ピストン62のシリンダ室63の正圧側には、陽極室6及び陰極室7の貫通孔33,34とを連通する配管65a,65bが、逆止弁64を介して接続されると共に、該逆止弁64のバイパス回路67には電磁弁66が配置されている。
【0090】
次に、この装置の運転について説明する。先ず、電磁弁54,59を開き、電磁弁56,58,66を閉じた状態で原料水の供給を行うと、電磁弁54及び配管55を経て、前記水圧機51の大径ピストン52の正圧側に原料水が供給される。そして、大径シリンダ室53の背圧側の水を電磁弁59及び配管61を経て排水しつつ、大径ピストン52が前進し、小径シリンダ室63内の圧力媒体(好ましくは水)を増圧して逆止弁64を経て配管65a,65bから前記陽極室6及び陰極室7内に供給される。
【0091】
両電極は、背圧によって前進し、電解質膜5を両面から押圧する。この押圧力は電磁弁54の開度調整により行われる。この状態で、原料水は、原料水の流入口8,9よりラス網17,21で構成された流水路を経て流出口10,11から装置外に排出されている。そこで、直流電源24から両電極3,4に通電すると、水の電解によって陽極側にオゾン水が生成し、流出口10からオゾン水が流出する。所定時間が経過すると、電磁弁54を閉じ、電磁弁58を開くと、原料水による大径シリンダ室53への水圧が開放される。該大径室シリンダ室53は配管55,電磁弁58を介して排水路60に開放される結果、小径シリンダ室63の圧力も開放されて、陽極室6及び陰極室7に作用する圧力も低下して、陽極電極3及び陰極電極4による電解質膜5への押圧力も低下する。この状態で一定時間経過後、前記電磁弁54を開き、電磁弁58を閉じると、前述の通り、再度電解質膜5は両電極3,4により押圧される。この電磁弁の操作を所要回繰り返す事によって、前述の押圧力を変化させる操作が行われる。
【0092】
尚、本発明においては、前記両電極の進退機構は如何なる形式,構造のものでも良く上述の例示したものに限定されるものではない事はいうまでもない。又、電極の形状,構造も、図示のものに限定されるものではない。例えば、図13に示した如く、陽極電極3の幅を陰極電極4の幅よりも小さくすると共に、それに合わせて陽極室6の幅を陰極室7の幅よりも狭く形成することによって、陽極電極3側の電流密度を陰極電極4よりも高め、オゾン水の生成効率を高める事も可能である。
【0093】
又、図23に示す様に、陽極電極3のみ進退可能にした構造や、図24に示す様に、陰極電極4のみ進退可能にした構造でもよい。尚、図13,図23,図24において、上述の装置と同一構成についは同一符号を付して詳細説明は省略する。
以上説明した如く、本発明で使用する装置の構造は、電極が電解質膜に対して進退自在に構成され、これにより電極の電解質膜に対する押圧力を調整自在となっておれば、如何なる形状構造であってもよい。従って、本発明は上記実施例に示した装置を用いるものに限定されるものではない。
【0094】
又、本発明による電解質膜の再生方法は、燃料電池の電解質膜の再生方法として適用できる事は明らかである。これは、本発明で使用する上記電解式オゾン水製造装置の構成は、燃料電池の構成と基本的に同一であるからである。
【0095】
(実施例)
以下に本発明の具体的な実施例について説明する。図11に示した如く空圧或いは水圧によって陽極電極と陰極電極とを電解質膜に対して押圧可能な構成とした電解式オゾン水製造装置を用いてオゾン水の連続製造試験を行った。尚、試験に用いた電解質膜は、パーフロロカーボン陽イオン交換膜であり、陽極電極と陰極電極は、共に150cm2の平板電極である。電解質膜との接触面にはオゾンを生成させる触媒機能を有する白金金網が装着され、その背面にはチタン製のラス網が配置されている。原料水は該ラス網部を流通する。装置の運転条件は、図1に示した方式により次の運転条件で運転した。
【0096】
〔運転条件〕
設定された目標オゾン水濃度:10ppm(mg/l)
電解質膜への押圧力の初期値:P1=4kgf/cm2
電解質膜への押圧力の低圧値:P4=0kgf/cm2
押圧力を変化させる操作の周期:Tc=15分
低圧の押圧力を保持する時間:T1=2秒
オゾン水の流量:約8l/分
この運転過程において、電流値A,オゾン水の濃度X,電圧値V及びオゾン水の流量Qを測定し、その結果を図14に示す。
【0097】
同図から明らかな様に、15分周期で押圧力を4kgf/cm2から0に変化させ、その状態を2秒間保持しても、オゾン水の濃度には殆ど変化がなく、通常のバラツキの範囲におさまっている事がわかる。しかも、運転初期の装置の立ち上げの時点以外は、電流A,電圧V,オゾン水の濃度X,オゾン水の流量Qのどれをとっても殆ど全ての値が略一定の値を示しており、安定した運転が行われている事が分かる。
【0098】
因みに、同図において、電流,電圧,流量,オゾン水の濃度の各値に微小なバラツキが認められるが、この理由は、オゾン水生成装置を一般事務所建屋内の一角に設置し、原料水を水道の蛇口から取った事による。即ち、事務所内における水道水の使用状況の変化の影響を受けて原料水供給量(オゾン水流量)が変化したため、この変動に応じてオゾン水の濃度を一定に保つ様に、電流,電圧等が変化するからである。従って、流量が一定になる様な制御を行えば、この微小なバラツキは解消できる事はいうまでもない。又、この試験運転では、前述の図8に示した如き膜劣化による運転休止を行う事なく、昼夜連続して1月間の連続運転を行ったが、その安定性には全く変化が認められなかった。1月経過後運転を停止したが、更に引き続き連続運転が可能な事は、この試験結果からも明らかである。
【0099】
(比較例)
上記実施例に用いた同一装置にて、押圧力を変化させる操作を施す以外は上記実施例と同一条件で図21に示した方式により従来法で運転を行った。その結果を図15に示す。同図から明らかな様に、運転開始後約3時間経過して時点から電流値の上昇が現れ、約5時間経過した時点で電流値Aは装置の上限値180A近傍に達している。この時点では未だオゾン水の濃度は所定の10ppmを維持しているので、更なる運転の継続は可能であった。しかし、間もなく上限値に達すると判断されたので、一旦装置の運転を停止し、陽極電極及び陰極電極を電解質膜から離反させて1時間10分程度、その状態で放置し、電解質膜の機能回復(再生)を行った。その後、再度所期の運転条件で運転を再開したところ、同様に約5時間経過して時点で電流値が装置の上限値近傍に達している。因みに同図において、12時20分頃から13時10分頃にかけて電流,電圧,流量の全てが急激な低下を示している(オゾン水濃度は略一定)。これは前述の通り、原料水を事務所建屋に付随した水道の蛇口から取っている関係上、昼休みの水道水の使用増加に伴い、本装置への給水量が低下したため,オゾン水の濃度を一定に保つように電流,電圧が下がるからである。従って、流量を一定化させる制御を行えば、係る低下現象が解消する事は前述の通りである。
【0100】
上記本発明の実施例と従来法による比較例との対比から明らかな様に、本発明では1月以上の連続運転が可能であるのに対し、従来法(本発明者等による改善前の方法)では6時間に1時間の割合で運転休止期間が必要である。この例からも本発明の方法は、真の意味での長期連続運転を可能とする方法である事が理解されよう。因みに電解質膜の寿命は原料水の水質に依存する面もあり、図15に示した例からも明らかな様に、5時間程度で膜劣化が生じるオゾン水製造にとっては比較的性状の悪い水(ミネラル分を比較的多く含む神戸のおいしい水)であるにも拘らず、本発明の方法によると、1月以上の連続運転が可能になっている事実は、何にも増して特筆に値すると言わざるを得ない。
【0101】
以上説明した如く、本発明に係るオゾン水製造方法によれば、電解質膜を電極によって押圧した状態で水の電解を行ってオゾン水を製造しつつ、その製造を停止する事なく該電解質膜に対する電極の押圧力を変化させる操作を適宜実施する事により、劣化過程に或る電解質膜の再生を行うものである。このため、従来不可能とされ、当業者にとって念願とも言える電解式オゾン水製造装置の長期連続運転が可能となる。
【0102】
特に、実施例からも明らかな様に、1月以上(何時まで連続運転可能かは未試験)の安定した連続運転が可能となり、当業者の念願ともいえる無休止連続運転を可能にした事は、筆舌に尽くし難い効果と言っても過言ではない。
【0103】
更に、上記電解質膜に対する押圧力を変化させる操作或いは電流又は電圧を強制的に変化させる操作によっても、電解質膜の再生が限界に達すると、一旦装置を止めて電極を電解質膜から離反させる事により電解質膜の再生を行った後に再度運転を再開させる様にすれば、電解質膜の寿命を飛躍的に延ばす事が可能となり、どれだけ膜寿命が延びるかは想像すら付かない。
【0104】
又、上記電解質膜に対する押圧力を変化させる操作或いは電流又は電圧を強制的に変化させる操作によって電解質膜の再生が限界に達した後は、予め設定されている高い押圧力に変化させてオゾン水の製造を継続する方法を採用すれば、オゾン水製造の連続運転時間を、従来法とは比較にならない程、飛躍的に延ばす事が可能となる。
【0105】
この結果、オゾン水の単価も大幅に低減させる事が可能となる。電解オゾン水製造装置の稼働率が、従来の50%程度から100%に近い驚異的な稼働率が可能となるためである。更に、高価な電解質膜の寿命も飛躍的に向上させる事が可能となるので、この面からも装置の運転コストの低減が可能となり、オゾン水生産コストを著しく低減させる事が可能となる。
【0106】
又、ユーザーにとっても扱い易い設備となり、オゾン水製造装置の一層の普及が可能となる。装置の長期連続運転が可能となる結果、電解質膜の交換等の装置メンテナンス費用も低減し、オゾン生産コストの低減のみならず、メンテナンスの煩雑さから解放されるためである。
【0107】
以上の如く、オゾン水の製造原価が安くなり、且つオゾン水製造装置が、設備に素人のユーザーであっても扱い易くなる結果、オゾン水による殺菌や洗浄その他のオゾン水の用途が飛躍的に高まり、国民の環境衛生面からも大きな向上効果が期待され、その社会的波及効果は図り知れないものがある。
【産業上の利用可能性】
【0108】
以上詳述した通り、本発明に係る電解式オゾン水製造方法及びその装置は、長時間連続運転が可能となるので、オゾン水による各種洗浄,殺菌の分野で極めて有用である。又、固体高分子電解質膜の再生方法は、固体高分子電解質膜を用いるあらゆる分野の装置に適用可能な技術であり、特に、上記電解式オゾン水製造装置の連続運転には極めて有用な技術である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の方式のオゾン水製造方法における実施例を示す運転タイムチャートである。
【図2】図 1の運転制御方法を示すフローチャートである。
【図3】図1の方法における押圧力の変化の変形例を示す運転タイムチャートである。
【図4】本発明の方法の他の実施例を示す運転タイムチャートである。
【図5】本発明の方式の更に他の実施例を示す運転タイムチャートである。
【図6】図5の運転制御方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の方式の更に他の実施例を示す運転タイムチャートである。
【図8】本発明の方式の更に他の実施例を示す運転タイムチャートである。
【図9】図8の運転制御方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の方式の更に他の実施例を示す運転タイムチャートである。
【図11】本発明で使用する電解式オゾン水製造装置の実施例を示す要部断面図で ある。
【図12】本発明で使用する電解式オゾン水製造装置の他の実施例を示す要部断面図である。
【図13】本発明で使用する電解式オゾン水製造装置の更に他の実施例を示す要部断面図である。
【図14】本発明の方式における実際の運転における運転タイムチャート例である。
【図15】従来法による実際の運転タイムチャート例である。
【図16】従来の電解式オゾン水製造装置の例を示す要部断面図である。
【図17】図16の装置の運転例を示す運転タイムチャートである。
【図18】従来の電解式オゾン水製造装置及び本発明で使用する電解式オゾン水製造装置の他の例を示す要部断面図である。
【図19】図18の装置における従来の固体高分子電解質膜の再生状態を示す要部断面図である。
【図20】本発明に係る電解式オゾン水製造装置の制御システムを示す概念図である。
【図21】図18の装置による従来の運転方法を示すタイムチャートである。
【図22】図18の装置による従来の他の運転方法を示すタイムチャートである。
【図23】本発明で使用する電解式オゾン水製造装置の他の例を示す要部断面図である。
【図24】本発明で使用する電解式オゾン水製造装置の更に他の例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0110】
3 陽極電極
4 陰極電極
5 固体高分子電解質膜
82 押圧手段
84 オゾン水濃度検出手段
86a 第 1 指令手段
88a 第1比較手段
88b 第2比較手段
X オゾン水濃度
Xs 予め設定された予定の値
Xm 制御開始濃度
t 運転中の経過時間
Claims (12)
- 固体高分子電解質膜(5)の片面にオゾンを生成させる触媒機能を備えた陽極電極(3)を、該固体高分子電解質膜(5)の他面に陰極電極(4)を、それぞれ配置し、両電極(3,4)の少なくとも一方或いは両方を、前記固体高分子電解質膜(5)に対して進退可能とする進退機構を設け、両電極(3,4)を前記固体高分子電解質膜(5)に押圧した状態で、該両電極(3,4)間に直流電圧を印加し、前記固体高分子電解質膜(5)の両面に水を流通させて該流通水の電気分解によって前記陽極電極(3)側にオゾン水を製造する電解式オゾン水製造方法であって、
前記陽極電極(3)又は陰極電極(4)或いはこれら両電極(3,4)の前記固体高分子電解質膜(5)に対する押圧力を、予め設定された条件に従って変化させた後に元の押圧力に復帰させる押圧力変化操作を行う事により、オゾン水製造を継続しつつ前記固体高分子電解質膜の再生処理を行う事を特徴とする電解式オゾン水製造方法 - 前記押圧力変化操作は、前記電極による該固体高分子電解質膜に対する押圧力を、減少或いは増加又はこれらの組合せにより変化させるものである請求の範囲1に記載の電解式オゾン水製造方法
- 前記押圧力変化操作は、予め設定された押圧力以下に減少された状態又は予め設定された押圧力以上に昇圧された状態が所定時間以上継続する様な圧力変化のパターンを有するものである請求の範囲1又は2に記載の電解式オゾン水製造方法
- 前記押圧力変化操作を、所定の周期で繰り返す様にしてなる請求の範囲1乃至3のいずれかに記載の電解式オゾン水製造方法
- 前記オゾン水製造時における生成されたオゾン水の濃度(X),両極間に流れる電流値(A),前記両極間の電圧値(V)或いは生成されたオゾン水量の少なくとも1つを監視し、オゾン水の濃度或いはその製造能力が所定の値以下に低下した事を検知して前記固体高分子電解質膜(5)に対する押圧力変化操作を1回以上行う様にしてなる請求の範囲1乃至3のいずれかに記載の電解式オゾン水製造方法
- 前記固体高分子電解質膜(5)に対する押圧力変化操作による該固体高分子電解質膜(5)の再生が不充分な状態に至ると、オゾン水の製造を停止して、前記両電極(3,4)の少なくとも一方、或いは両方を前記固体高分子電解質膜(5)から離反させ、この状態を所定時間保持して該固体高分子電解質膜(5)の再生を行った後、再度所定の運転条件でオゾン水の製造を再開する様にしてなる請求の範囲1乃至5のいずれかに記載の電解式オゾン水製造方法
- 前記固体高分子電解質膜(5)に対する押圧力変化操作による該固体高分子電解質膜(5)の再生が不充分な状態に至ると、該固体高分子電解質膜(5)に対する前記電極(3,4)の押圧力を予め設定されている高い押圧力(P7,P8)に変化させてオゾン水の製造を継続する様にしてなる請求の範囲1乃至5のいずれかに記載の電解式オゾン水製造方法
- 固体高分子電解質膜(5)の片面にオゾンを生成させる触媒機能を備えた陽極電極(3)を、該固体高分子電解質膜(5)の他面に陰極電極(4)を、それぞれ配置し、両電極(3,4)の少なくとも一方或いは両方を、前記固体高分子電解質膜(5)に対して進退可能とする進退機構を設け、両電極(3,4)を前記固体高分子電解質膜(5)に押圧した状態で、該両電極(3,4)間に直流電圧を印加し、前記固体高分子電解質膜(5)の両面に水を流通させて該流通水の電気分解によって前記陽極電極(3)側にオゾン水を製造する電解式オゾン水製造装置であって、
前記両電極(3,4)の前記固体高分子電解質膜(5)に対する押圧力の初期値を設定する押圧力設定手段(82)と、
生成された前記オゾン水濃度(X)を検出するオゾン水濃度検出手段(84)と、
該オゾン水濃度検出手段(84)で検出されたオゾン水濃度(X)を予め設定された所定の値(Xs)と比較する第1比較手段(88a)と、
該第1比較手段(88a)からの比較信号に基づいて、前記両電極(3,4)間に供給される電流値(A)を前記オゾン水濃度(X)が所定の値(Xs)に近付く様に設定する第1指令手段(86a)と、
装置の運転中の経過時間(t)が予め設定された所定の値(Tc)に達した事を検知して、或いは、前記オゾン水の濃度(X)が予め設定された制御開始濃度(Xm)に達した事を検知して、前記固体高分子電解質膜(5)に対する前記両電極(3,4)の押圧力を、通水、通電を継続した状態で予め設定された値に変化させると共に、所定時間経過後に前記押圧力を初期値に復帰させる第2指令手段(86b)と、
を備えてなる事を特徴とする電解式オゾン水製造装置 - 固体高分子電解質膜(5)の片面にオゾンを生成させる触媒機能を備えた陽極電極(3)を、該固体高分子電解質膜(5)の他面に陰極電極(4)を、それぞれ配置し、両電極(3,4)の少なくとも一方或いは両方を、前記固体高分子電解質膜(5)に対して進退可能とする進退機構を設け、両電極(3,4)を前記固体高分子電解質膜(5)に押圧した状態で、該両電極(3,4)間に直流電圧を印加し、前記固体高分子電解質膜(5)の両面に水を流通させて該流通水の電気分解によって前記陽極電極(3)側にオゾン水を製造する電解式オゾン水製造装置であって、
前記両電極(3,4)の前記固体高分子電解質膜(5)に対する押圧力の初期値を設定する押圧力設定手段(82)と、
生成された前記オゾン水濃度(X)を検出するオゾン水濃度検出手段(84)と、
該オゾン水濃度検出手段(84)で検出されたオゾン水濃度(X)を予め設定された所定の値(Xs)と比較する第1比較手段(88a)と、
該第1比較手段(88a)からの比較信号に基づいて、前記両電極(3,4)間に供給される電流値(A)を前記オゾン水濃度(X)が所定の値(Xs)に近付く様に設定する第1指令手段(86a)と、
装置の運転中の経過時間(t)が予め設定された所定の値(Tc)に達した事を検知して、或いはオゾン水濃度(X)が予め設定された制御開始濃度(Xm)に達した事を検知して、前記固体高分子電解質膜(5)に対する前記両電極の押圧力を変化させると共に、所定時間経過後に前記押圧力を初期値に復帰させる第2指令手段(86b)と、
前記電流値(A)が、装置の所定の上限値(Ae)に達した事を判定する第2比較手段(88b)と、
該第2比較手段(88b)により前記電流値が所定の上限値(Ae)に達した事を検出し、且つ前記オゾン水濃度(X)が所定の下限値(Xe)に達した事を検知すると、装置の運転を停止すると共に、前記両電極(3,4)の一方或いは両方による前記固体高分子電解質膜(5)への押圧力を開放させて、所定時間経過後に装置を再稼働させる第3指令手段(86c)と、
を備えてなる事を特徴とする電解式オゾン水製造装置 - 固体高分子電解質膜(5)の片面にオゾンを生成させる触媒機能を備えた陽極電極(3)を、該固体高分子電解質膜(5)の他面に陰極電極(4)を、それぞれ配置し、両電極(3,4)の少なくとも一方或いは両方を、前記固体高分子電解質膜(5)に対して進退可能とする進退機構を設け、両電極(3,4)を前記固体高分子電解質膜(5)に押圧した状態で、該両電極(3,4)間に直流電圧を印加し、前記固体高分子電解質膜(5)の両面に水を流通させて該流通水の電気分解によって前記陽極電極(3)側にオゾン水を製造する電解式オゾン水製造方法において、オゾン水製造中に性能の低下した前記固体高分子電解質膜(5)の性能を再生するに当り、
前記陽極電極(3)又は陰極電極(4)或いはこれら両電極(3,4)の前記固体高分子電解質膜(5)に対する押圧力を、通水、通電を継続した状態で予め設定された条件に従って変化させた後に元の押圧力に復帰させる押圧力変化操作を施す事により、前記固体高分子電解質膜の性能を回復させる事を特徴とする電解オゾン水製造装置における固体高分子電解質膜の再生方法 - 前記押圧力変化操作は、通水、通電を継続した状態で予め設定された押圧力以下に減少された状態又は通水、通電を継続した状態で予め設定された押圧力以上に昇圧された状態が所定時間以上継続する様な圧力変化パターンを有するものである請求の範囲10に記載の固体高分子電解質膜の再生方法
- 固体高分子電解質膜(5)の両側に陽極電極(3)と陰極電極(4)とを配置し、少なくとも一方の電極を前記固体高分子電解質膜(5)に押圧した状態で電気化学反応を行わせつつ、該反応過程で性能の低下した前記固体高分子電解質膜(5)を再生する固体高分子電解質膜の再生方法であって、
前記陽極電極(3)又は陰極電極(4)或いはこれら両電極(3,4)の前記固体高分子電解質膜(5)に対する押圧条件を、通水、通電を継続した状態で予め設定された条件に従って変化させた後に元の押圧条件に復帰させる押圧力変化操作を施す事により、該固体高分子電解質膜の性能を回復させる事を特徴とする固体高分子電解質膜の再生方法
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