JP3679266B2 - 照明看板用光反射材付光源カバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はビルや駅の構内、プラットホーム、街頭等において各種の広告や案内を表示するのに使用される照明看板の光源に被せることができる照明看板用光反射材付光源カバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
広告や案内を表示する照明看板は従来より各種のものがある。これらは何れも、金属製ケース内に光源(蛍光灯)を取付け、この光源により表示パネルを内側から照明して、表示パネルに印刷或は貼り付けられている広告文や絵柄等を照らし出すようにしてある。
【0003】
これら照明看板は表示パネルのうち蛍光灯に最も近い部分が他の部分よりも明るくなるため、表示パネルに明るさムラが生ずる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本件発明の目的は照明看板用の光源の外周に被せることにより、表示パネル全体をムラなく且つ明るく照明することができる照明看板用光反射材付光源カバーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本件出願の照明看板用光反射材付光源カバーは、
照明看板に使用される細長の光源2に被せることができる基体60の外周面に、光反射材61が設けられた照明看板用光反射材付光源カバーにおいて、前記基体60は透光性のある無色透明の合成樹脂製のシートに複数本の細長テープ状のルミラー(登録商標)製の光反射材61が一定間隔で長手方向に沿って貼り付けられ、光反射材61が貼り付けられたシートは光源2に被せることのできる内径約33mmの細長筒状に丸められ、丸められたシートの両端部64、64は突合せるか重ね合わせるかし、その両端部64、64の外側に両面テープにより光反射材61を貼りつけて両端部64、64を接合してシートを円筒状に成形し、この光反射材61とそれと周方向対向位置の光反射材61とは共に他の光反射材61よりも幅広であり、幅の広い光反射材61の幅は約8mm、幅の狭い他の光反射材61の幅は約4mmであり、幅の広い光反射材61は蛍光灯2の周方向のうち照明看板の表示パネル3と対向する側に配置されるものである。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの第1の実施形態を図1に基づいて詳細に説明する。この照明看板用光反射材付光源カバーは図1に示すように照明看板の光源(蛍光灯)2に、その外側から被せることが可能な基体60の外周面に光反射材61を設けてなるものである。前記基体60は同図に示すように無色透明のシート状の合成樹脂からなる基体60を内側に蛍光灯2を挿入可能な内径(約33mm)の筒状に丸め、突き合わされた基体60の両端部64、64同士を互いに突き合わせて接合してなるものである。このように丸められて対向する基体60の両端部64、64は互いに重ね合わせることなく、その端面同士を突き合わせて接合すると基体60の一部分のみが二重になり、それ以外の部分に比べて光透過率が低下することがないため望ましい。
【0012】
図1に示す光反射材61には東レ株式会社製のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(商品名:ルミラー(登録商標))を使用した。当該シートは受光した可視光線の99%以上を反射可能であると共に、耐熱性、耐薬品性等に優れた特性を有するものである。図1ではこのポリエチレンテレフタレート樹脂シートを幅約4mmで長さが前記基体60の長さと同一(約1170mm)の帯状にカットしてなる複数本の光反射材61を前記基体60の外周面にその周方向に一定間隔(約5mm間隔)をあけて配置し、夫々の光反射材61を両面テープによって基体60の外周面に貼り付けてある。この場合、図1に示すように互いに突き合わされた基体60の両端部64、64同士を跨ぐように他より幅広の光反射材61を配置し、当該光反射材61を基体60の外周面に貼り付けるための両面テープによって互いに突き合わされた基体60の両端部64、64同士をも固定するようにしてある。勿論、光反射材61を貼り付けるための両面テープ以外のテープや接着剤その他の固定手段によって突き合わされた両端部64、64同士を固定することもできる。いずれにしても使用する両面テープには耐熱性に優れたものを使用することが望ましく、本実施形態では連続使用限界温度が150℃の両面テープを使用してある。
【0013】
蛍光灯2を照明看板のケース内配置した場合、当該表示パネル全体のうち、蛍光灯2までの距離が他の部分に比べて短くなる部分、即ち、蛍光灯2と正対する部分は他の部分に比べて強い光が照射されるため照明ムラが生じる。そこで、図1に示すように基体60の外周面に貼り付ける複数の光反射材61のうち、基体60の径方向に対向する2つの光反射材61を他の光反射材61に比べて幅広(約8mm)とし、当該幅広とした光反射材61が表示パネルと正対する蛍光灯2の半径方向上下に配置されるようにして、本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを蛍光灯2に被せることができるようにしてある。これによって、蛍光灯2上下から出る光が当該幅広の光反射材61によって遮られて直接表示パネルに照射されなくなると共に、当該光反射材61の光反射角度は他の光反射材61の反射角度に比べて広角となるため表示パネルが均一に照明されて照明ムラが防止される。図1では基体60の両端部64、64同士を跨ぐように配置した幅広の光反射材61の他に別の幅広の光反射材61を基体60の径方向に対向するように2本配置したが、基体60の両端部64、64同士を跨ぐように配置した幅広の光反射材61の対向位置に幅広の光反射材61をもう1本配置してもよい。
【0014】
(実施形態2)
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの第2の実施形態を図2に基づいて説明する。この照明看板用光反射材付光源カバーの基本構成は前記図1に示すものと同一である。異なるのは光反射材61を基体60の長手方向に一定間隔をあけて、基体60の周方向に細長に設けたことである。具体的は図2に示すように幅約4mmの帯状の光反射材61を同基体60の外周面にその周方向に巻付け、これを基体60の長手方向に一定間隔で繰り返すことによって、複数の光反射材61を基体60の長手方向に沿って一定間隔で設けてある。夫々の光反射材61は前記両面テープと同一の両面テープによって基体60の外周面に貼り付けてある。
【0015】
この場合も夫々の光反射材61の長手方向一部の横幅を他の部分より広くすることによって、図2に示す照明看板用光反射材付光源カバーを蛍光灯2に被せた場合に、照明看板の表示パネルと正対する蛍光灯2の上下に位置することとなる部分の光反射材61の横幅が他の部分の横幅よりも広くなるようにして、表示パネルの照明ムラを防止することができる。
【0016】
(実施形態3)
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの第3の実施形態を図3に基づいて説明する。この照明看板用光反射材付光源カバーの基本構成は前記図1に示すものと同一である。異なるのは図3に示すように幅約4mmの帯状の光反射材を基体60の外周面に、その周方向に沿って螺旋状に巻き付けたことである。図3に示す光反射材61も前記と同様に両面テープによって基体60の外周面に貼り付けてある。
【0017】
この場合も光反射材61の横幅をその長手方向に沿って一定間隔で広くすることによって、図3に示す本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを蛍光灯2に被せた場合に、光反射材61のうち照明看板の表示パネルと正対する蛍光灯2の上下に配置されることとなる部分の横幅が他の部分に比べて広くなるようにして、表示パネルの照明ムラを防止することができる。
【0018】
(実施形態4)
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの第4の実施形態を図4に基づいて説明する。この照明看板用光反射材付光源カバーの基本構成は前記図1に示すものと同一である。異なるのは図4に示すように長方形の光反射材61を基体60の外周面に市松模様が形成されるように千鳥配列したことである。夫々の光反射材61は前記両面テープによって基体60の外周面に貼り付けてある。
【0019】
この場合も図4に示す本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを蛍光灯2に被せた場合に、照明看板の表示パネルと正対する蛍光灯2の上下に配置されることとなる光反射材61を他の部分に配置される光反射材61よりも大きくして、表示パネルの照明ムラを防止することができる。
【0020】
(実施形態5)
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの第5の実施形態を図5に基づいて説明する。この照明看板用光反射材付光源カバーの基本構成は前記図2に示すものと同一である。異なるのは互いに突き合わされた基体60の両端部64、64に沿って帯状の光反射材61を配置し、その光反射材61の幅方向両側に同光反射材61の長手方向に間隔をあけて、基体60の周方向に細長な光反射材61を複数配置したことである。図5に示す光反射材61はすべて両面テープによって基体60の外周面に貼り付けてある。この場合、基体60の両端部64、64に沿って配置された帯状の光反射材61を基体60の外周面に貼り付けるための両面テープは前記両端部64、64同士を固定する役割も果たすことは前記と同様である。尚、図5では基体60の両端部64に沿って配置された光反射材61の幅方向両端面に、基体60の周方向に巻かれた光反射材61の長手方向両端面を隙間なく接合してあるが、隙間をあけて配置することもできる。
【0021】
(他の実施形態)
図6に示すように基体60の外周面に、その長手方向に沿って2〜3枚程度の光反射材61を一定間隔で配置することもできる。また、図7に示すように基体60の外周面のうち周方向半分程度を覆うことが可能な大きさとか、図示しないが周方向3分2程度を覆うことが可能な大きさの光反射材61とかを配置することもできる。
【0022】
前記実施形態では筒状に丸めたシート状の基体60の両端部64、64同士を互いに突き合わせて接合したが、図8に示すように両端部64、64を互いに重ね合わせて接合してもよい。この場合も互いに重ね合わされた両端部64、64はその位置に光反射材61を貼り付けるための両面テープによって固定してもよいし、それ以外のテープ、接着剤等の固定手段によって固定してもよい。
【0023】
前記実施形態では筒状に丸めた基体60の外周面に光反射材61を貼り付けたが、丸める前のシート状の基体60の表面に所望の形状の光反射材61を所望の配置間隔で貼り付けてから、当該基体60を光反射材61が外側になるようにして丸めてもよい。
【0024】
また、光反射材61を所望の内径のリング状に成形し、この光反射材61を筒状に丸めた基体60の長手方向端部から同基体60の外周面に被せてもよい。この場合、シート状の基体60をその外径が前記リング状の光反射材61の内径よりもやや小さな筒状に丸めた状態に保持し、その状態で基体60の外周面に所望数のリング状の光反射材61を所望間隔で被せてから、基体60の保持を解除すると、基体60の外径が広がって同基体60の外周面が光反射材61の内周面に押し付けられて係止する。従って、この場合は筒状に丸めた基体60の両端部64同士を接合する必要も、基体60の外周面に被せた光反射材61を同外周面に固定する必要もない。勿論、この場合も基体60の両端部64同士を接合してもいいし、基体60の外周面に被せた光反射材61を同外周面に固定してもいい。
【0025】
前記各実施形態では光反射材61として東レ株式会社製のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(商品名:ルミラー)を使用した。また、光反射材61は基体60の外周面に接着剤を使用して貼り付ける。さらに、光反射材61とは別体の両面テープを使用して当該光反射材61を基体60の外周面に貼り付けるのではなく、図9に示すように前記東レ株式会社製のポリエチレンテレフタレート樹脂シートを含むシート状の光反射フィルム80の裏面に予め両面テープ82が設けられ、その両面テープ82の上に剥離紙84が設けられている光反射材61を所望の形状に成形したものを基体60の外周面上の所望位置に前記両面テープ82を使用して貼り付けることもできる。何れにしても前記した光反射材61の幅、長さ、配置間隔等に関する数値はすべて一例であり、前記以外の幅、長さ、大きさの光反射材61を前記以外の配置間隔で配置することもできることは勿論である。また、基体60の長さや内径等も前記数値に限られるものではない。
【0026】
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーは蛍光灯に限らず、ネオン管や通常の蛍光管よりも光量を多くした看板管等の光源に被せて使用することもできる。
【0027】
(使用例1)
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を使用した照明看板として例えば図10に示すようなものが考えられる。この照明看板は同図に示す様に、表面に広告が表示された透光性のある表示パネル3が配置固定されるケース1内に、本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源2と、同光源2からの光を表示パネル3側に反射させる反射体4を備えてなるものである。
【0028】
前記ケース1は図10に示す様にアルミ又はアルミ合金又はステンレス等の板材を加工して横長で上方開口の箱状に形成してなるものである。同図及び図11(a)、(b)に示す様にケース1の周縁には内側コ字形の嵌合凹部30を形成して、前記表示パネル3の外周縁部33を嵌合可能としてある。このケース1には各種サイズのものがあるが、図10に示すものは一例として縦幅750mm、横幅1200mm、高さ100mmとしてある。
【0029】
前記表示パネル3は乳白色の長方形アクリル板の表面に、広告用の文字や図柄等を表示してなるものである。この表示パネル3は図10に示す様に前記ケース1の上方から、その外周縁部33を同ケース1の嵌合凹部30に嵌め込む様にしてセットすると、図11(a)、(b)に示す様にケース1の嵌合凹部30の内側に隙間なく勘合される形状及び大きさとしてある。表示パネル3はケース1の嵌合凹部30に嵌合された外周縁部33を図示されていない螺子によってケース1に固定することによって同ケース1に固定することができるようにしてある。
【0030】
前記表示パネル3の板厚、乳白色の濃さ等は任意に選択することができる。但し、光源2からの光で表示パネル3の表面全体がムラなく照明されるようにするためには乳白色の濃さを濃くする方が望ましいが、その一方で濃くし過ぎると明るさが低下する。したがって、照明ムラがなく、且つ全体が十分な明るさで照明される濃さを選択することが望ましい。また、表示パネル3の表面に表される広告用の文字や図柄等は、同表示パネル3の表面に直接印刷してもよく、文字や図柄等が表示されたシートを表示パネル3の表面に貼ってもよい。
【0031】
前記反射体4は図10に示す様にケース1の内側面に沿って形成されている。この反射体4は図10及び図11(a)、(b)に示す様にケース1の底面34から前記表示パネル3に向けて直線状に外広がりに形成された傾斜反射部5と、同傾斜反射部5の表示パネル3側端部に、同表示パネル3に向けて垂直に突設された垂直反射端部6とを備えている。また、図11(a)、(b)に示す様に前記傾斜反射部5の表面、垂直反射端部6の表面及びケース1の底面34には反射シート36が張設され、光源2から出た光を前記表示パネル3に向けて反射させるようにしてある。この光反射シート36は前記傾斜反射部5の表面、垂直反射端部6の表面及びケース1の底面34の全てを覆うことが可能な大きさの一枚ものとすることもでき、傾斜反射部5の表面、垂直反射端部6の表面、ケース1の底面34の夫々に別々の反射シート36を張設することもできる。何れにしてもこの反射シート36としては東レ株式会社製のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(商品名:ルミラー)が適している。もっともこれ以外の反射シート36を張設することも可能である。尚、前記傾斜反射部5は光源2からの光を最も効率良く表示パネル3に反射可能な傾斜角度としてあることは勿論である。
【0032】
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源2は図12に示す様に、その両端を、ケース1の長手方向両側に設けられている傾斜反射部5に形成された通孔39から同傾斜反射部5の外側まで夫々貫通させ、ケース1の底面34に立設された支持板42に取付けられているソケット45にセットして、図示されていない電源コードを介して電源が供給されるようにしてある。また、光源2が蛍光灯の場合には各種安定器によってちらつきを解消することが望ましく、特にインバータ安定器を用いるのが望ましい。
【0033】
(使用例2)
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を使用した照明看板として例えば図13(a)、(b)に示すようなものも考えられる。同図に示す照明看板の基本構成は図10に示すものと同一である。異なるのは前記図10に示す照明看板は同図に示す様に表示パネル3が1枚のいわゆる片面看板であるが、図13に示す照明看板は同図(b)に示す様に2枚の表示パネル3を対向する様に配置したいわゆる両面看板であること、及びこれに対応して反射体4の構成を変更したことである。
【0034】
具体的には図13(a)、(b)に示す様にケース1の中央に配置された光源2(本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せてある)の軸の両外側に形成された夫々の反射体4が、光源2側から対向する上下の表示パネル3の夫々に向けて直線状に外広がりとなる2つの傾斜反射部5によって山形に形成され、且つ2つの傾斜反射部5の接合部から光源2に向けて表示パネルと水平な水平反射部7を形成し、これら傾斜反射部5及び水平反射部7の表面に前記と同様の反射シート36を張設した。図13(a)、(b)に示す様に夫々の傾斜反射部5の表示パネル3側端部には、同表示パネル3に垂直な垂直反射端部6が形成され、その表面にも反射シート36が張設されていることは図10に示す照明看板と同様である。また、2枚の表示パネル3を対向させて取付けるために、図13(b)に示す様にケース1の厚さ方向両側に嵌合凹部30を形成してある。
【0035】
(使用例3)
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源2を使用した照明看板として例えば図14に示すようなものも考えられる。同図に示す照明看板の基本構成は図10に示すものと同一である。異なるのは図14に示す様にケース1内に本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源2を間隔を開けて2本配置し、夫々の光源2の外側に反射体4を設けたことである。
【0036】
前記夫々の反射体4は図14に示す様に光源2より外側に設けられ、同光源2側から表示パネル3側まで直線状に外広がりとなる傾斜反射部5と、同傾斜反射部5と光源2を挟んで内側(ケースの中央側)に設けられ、前記傾斜反射部5とは逆傾斜で外広がりとなる傾斜反射部5とを備えており、光源2より外側に設けられた傾斜反射部5の表示パネル3側端部には同表示パネル3に垂直な垂直反射端部6が突設されている。また、光源2より内側に設けられた傾斜反射部5は同図に示す様に、前記光源2より外側に設けられた傾斜反射部5よりも緩やかな傾斜としてあり、その表示パネル3側端部には同表示パネル3に垂直な光源間垂直反射部8が突設されている。更に、光源間垂直反射部8と表示パネル3との間には隙間48が形成され、夫々の光源2からの光が当該光源間垂直反射部8によって遮られることがないようにしてある。尚、光源間垂直反射部8の表面にも前記と同様の反射シート36が張設されていることは勿論である。
【0037】
(使用例4)
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源2を使用した照明看板として例えば図15に示すようなものも考えられる。同図に示す照明看板の基本構成は図10に示すものと同一である。異なるのは図15に示す様に表示パネル3が2枚の両面看板であって、ケース1内に間隔を開けて本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた2本の光源2を配置し、両光源2の外側に外側反射体9を設け、両光源2の間に中間反射体10を設けたことである。
【0038】
前記外側反射体9は図15に示す様に、光源2側から上下の表示パネル3、3の夫々に向けて直線状に外広がりになる2つの傾斜反射部5により山形に形成される共に、2つの傾斜反射部5の接合部から光源2に向けて表示パネル3と水平な水平反射部7が突設され、夫々の傾斜反射部5の表示パネル3側端部には同表示パネル3に垂直な垂直反射端部6が突設されている。
【0039】
前記中間反射体10は図15に示す様に、その外側の光源2側から内側(ケース1の中央側)に向けて直線状に外広がりになる4つの本体反射部11によって菱形に形成されると共に、本体反射部11の光源2側端部から表示パネル3に対して水平な本体水平反射部13が突設され、表示パネル3側端部から同表示パネル3に垂直な本体垂直反射部12が突設されている。前記外側反射体9及び中間反射体10の表面に前記と同様の反射シート36が張設されていることは勿論である。
【0040】
(実験例)
本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの効果を実証すべく行った実験の結果を次に示す。本実験は次の3つの異なる照明看板を用意し、夫々について照度を測定したものである。
(1)図10に示すケース内に本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せていない光源を1本配置した照明看板(反射体は一切設けていない)
(2)図10に示すケース内に傾斜反斜部のみが形成された反射体(垂直反射部は形成されていない)を設け、本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を1本配置した照明看板
(3)図10に示すケース内に傾斜反斜部及び垂直反射部が形成された反射体を設け、本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を1本配置した照明看板
以上の照明看板には全て同一の表示パネルを取付けた。また、光源はすべて40W昼光色の蛍光灯とした。
【0041】
以上の条件の下で夫々の照明看板における照度を測定したところ(1)の照明看板の測定結果は図16に示すグラフ(グラフ1)の様になった。以下同様に(2)の照明看板の測定結果は図17に示すグラフ(グラフ2)の様に、(3)の照明看板の測定結果は図18に示すグラフ(グラフ3)の様になった。これらのグラフ1〜グラフ3は横軸が光源の水平方向における照度を示し、縦軸が垂直方向における照度を示す。
【0042】
グラフ1及びグラフ3から明らかなように、(3)の照明看板では光源から水平方向に最も近い測定位置での照度が3300ルクスであるのに対し、(1)の照明看板のそれは1450ルクスであり、(3)の照明看板は(1)の照明看板に比べて約2.3倍の照度を記録した。同様に(3)の照明看板は光源から水平方向に最も遠い測定位置での照度が2400〜2300ルクスであるのに対し、(1)の照明看板のそれは550ルクスであり、(3)の照明看板は(1)のそれに比べて約4.3倍の照度を記録した。
【0043】
また、(3)の照明看板では光源から垂直方向に最も近い測定位置での照度が3100〜3150ルクスであるのに対し、(1)の照明看板のそれは1000ルクスであり、(3)の照明看板は(1)の照明看板に比べて約3倍の照度を記録した。同様に(3)の照明看板では光源から垂直方向に最も遠い測定位置での照度が2200ルクスであるのに対し、(1)の照明看板のそれは200ルクスであり、(3)の照明看板は(1)のそれに比べて約11倍の照度を記録した。
【0044】
以上の様に傾斜反斜部及び垂直反射部が形成された反射体が設けられたケース内に、本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を配置した(3)の照明看板は、反射体がなく、光源に本発明の照明看板用光反射材付光源カバー被せられていない(1)の照明看板に比べて、水平方向で最大約4.3倍、垂直方向で最大約11倍の照度を得ることができた。反射体の有無による影響は無視できないが、本発明の照明看板用光反射材付光源カバーも照度向上に十分に貢献しているものと判断される。
【0045】
次にグラフ2及びグラフ3から明らかなように(3)の照明看板では光源から水平方向に最も近い測定位置での照度が3300ルクスであるのに対し、(2)の照明看板のそれは1200ルクスであり、(3)の照明看板は(2)の照明看板に比べて約2.7倍の照度を記録した。同様に(3)の照明看板は光源から水平方向に最も遠い測定位置での照度が2400〜2300ルクスであるのに対し、(2)の照明看板のそれは850ルクスであり、(3)の照明看板は(2)の照明看板に比べて約2.7倍の照度を記録した。
【0046】
また、(3)の照明看板では光源から垂直方向に最も近い測定位置での照度が3100〜3150ルクスであるのに対し、(2)の照明看板のそれは1000ルクスであり、(3)の照明看板は(2)の照明看板に比べて約3倍の照度を記録した。同様に(3)の照明看板では光源から垂直方向に最も遠い測定位置での照度が2200ルクスであるのに対し、(2)の照明看板のそれは800〜850ルクスであり、(3)の照明看板は(2)の照明看板に比べて約2.6倍の照度を記録した。
【0047】
以上の様に(3)の照明看板は、(2)の照明看板に比べて、水平方向で最大約2.7倍、垂直方向で最大約3倍の照度を得ることができた。(3)の照明看板と(2)の照明看板とは、反射体が傾斜反斜部及び垂直反射部の双方を備えているか、傾斜反斜部のみ備えているかの違いしかない。従って、本発明の照明看板用光反射材付光源カバーが照度向上に十分に貢献していることが一層明らかである。
【0048】
(他の使用例)
光源2は蛍光灯に限らず、ネオン管や通常の蛍光管よりも光量を多くした看板管等を使用することもできる。このうちネオン管は同サイズの蛍光管よりも光量は少なく暗いが、暗い分だけ表示パネルに近づけても、表示パネルのうちネオン管の近傍のみが極端に明るくなることがなく、表示パネルの明るさにムラが生じない。従って、ネオン管を表示パネルに近づけて同表示パネルを明るく照明することが可能である。
【0049】
また、光源2の数は上記の数に限られるものではなく、照明看板の大きさや形状等に合わせて、これより多くすることも少なくすることもできる。さらに、その配置方法も横に複数本並べて配置することもでき、縦に複数本並べて配置することもでき、さらにはこれらを組み合わせた配置も可能である。
【0050】
前記各使用例では表示パネル3をケース1の周縁に形成された嵌合凹部30に嵌合することによって、ケース1に取付けたが、図19に示す様にケース1の周縁に受縁51を形成し、同受縁51の上に表示パネル3の外周縁部33をのせ、表示パネル3の外周縁部33の上から抑え枠54を被せ、この抑え枠54を図示されていない螺子等によってケース1に固定することによって、当該抑え枠54と前記受縁51との間に表示パネル3の外周縁部33を挟着固定することもできる。
【0051】
【発明の効果】
本件出願の照明看板用光反射材付光源カバーは、次のような効果を有する。
(1)光反射材が表示パネルと正対する光源の上下に配置されるようにして、本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せると、表示パネルにもっとも近い光源上下から出る光が当該光反射材によって遮られて直接表示パネルに照射されなくなるため、表示パネルの照明ムラが防止される。さらに、光反射材によって光源から出る光りの一部が遮られることによる光量の低下は光反射材の反射作用によって十分に補われるので、明るさが不足することもない。総じて、表示パネルをムラなく且つ明るく照明することができる。
(2)細長の光源に被せることができる細長筒状の透光性ある基体の外周面に、光反射材が設けられているので、光源に被せるだけで当該光源を光反射材付きの光源とすることができる。
(3)基体の長さや内径等を変更するだけで各種の光源に対応することができる。
(4)照明看板を設置する現場で光源に光反射材を取付けようとすると、風で光反射材が舞い上がって取付けにくかったり、光反射材を取付けるための両面テープが他の部分に貼り付いてしまったり、湿度が高いと接着が弱くなったりして、光反射材の取り付けに非常に苦労することがあるが、本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを使用すればそのような問題が一掃される。
(5)光反射材のうち基体の径方向に対向する2つの光反射材の幅を他の光反射材の幅より広くしたので、幅広の光反射材が表示パネルと正対する光源の上下に配置されるようにして、本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せると、直接表示パネルにもっとも近い光源上下から出る光が当該幅広の光反射材によって効率的に遮られて直接表示パネルに照射されなくなると共に、当該光反射材の光反射角度は他の光反射材の反射角度に比べて広角となるため表示パネルが均一に照明されてより一層照明ムラが防止される。さらに、光反射材によって光源から出る光りの一部が遮られることによる光量の低下は光反射材の反射作用によって十分に補われるので、明るさが不足することもない。総じて、より一層表示パネルをムラなく且つ明るく照明することができる。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの第1の実施形態を示す説明図。
【図2】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの第2の実施形態を示す説明図。
【図3】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの第3の実施形態を示す説明図。
【図4】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの第4の実施形態を示す説明図。
【図5】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの第5の実施形態を示す説明図。
【図6】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーの他の実施形態を示す説明側面図。
【図7】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーのさらに他の実施形態を示す説明端面図。
【図8】 基体60の一例を示す端面図。
【図9】 光反射材の一例を示す説明断面図。
【図10】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を使用した照明看板の第1の例を示す説明図。
【図11】 (a)は図10に示す照明看板の構造を示す横断面説明図、(b)は同縦断面説明図。
【図12】 光源の取付け状態の一例を示す説明図。
【図13】 (a)は本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を使用した照明看板の第2の例を示す説明図、(b)は(a)の横断面図。
【図14】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を使用した照明看板の第3の例を示す説明図。
【図15】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を使用した照明看板の第4の例を示す説明図。
【図16】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を使用した照明看板の照度実験の結果を示すグラフ1。
【図17】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を使用した照明看板の照度実験の結果を示すグラフ2。
【図18】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を使用した照明看板の照度実験の結果を示すグラフ3。
【図19】 本発明の照明看板用光反射材付光源カバーを被せた光源を使用した照明看板の他の例を示す説明図。
【符号の説明】
2 光源
60 基体
61 光反射材
Claims (1)
- 照明看板に使用される細長の光源(2)に被せることができる基体(60)の外周面に、光反射材(61)が設けられた照明看板用光反射材付光源カバーにおいて、前記基体(60)は透光性のある無色透明の合成樹脂製のシートに複数本の細長テープ状のルミラー(登録商標)製の光反射材(61)が一定間隔で長手方向に沿って貼り付けられ、光反射材(61)が貼り付けられたシートは光源(2)に被せることのできる内径約33mmの細長筒状に丸められ、丸められたシートの両端部(64、64)は突合せるか重ね合わせるかし、その両端部(64、64)の外側に両面テープにより光反射材(61)を貼りつけて両端部(64、64)を接合してシートを円筒状に成形し、この光反射材(61)とそれと周方向対向位置の光反射材(61)とは共に他の光反射材(61)よりも幅広であり、幅の広い光反射材(61)の幅は約8mm、幅の狭い他の光反射材(61)の幅は約4mmであり、幅の広い光反射材(61)は蛍光灯(2)の周方向のうち照明看板の表示パネル(3)と対向する側に配置されるものであることを特徴とする照明看板用光反射材付光源カバー。
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- 1999-03-30 JP JP09028299A patent/JP3679266B2/ja not_active Expired - Fee Related
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