JP3679204B2 - 多気筒エンジンの吸気制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用直列6気筒エンジンに好適な吸気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用エンジンにおいては、吸気の充填効果を高めてエンジン出力の向上を図る上で、いわゆる吸気慣性効果を利用することが有効である。そして、該効果が最も効果的に得られる吸気通路の長さはエンジン回転数の上昇に伴って短くなる。
【0003】
そこで、例えば図26,27に示すようにスロットルボデー1の下流にエアーコネクタ2を介して円筒形のサージタンク(集合管)3を接続し、該サージタンク3から6本の分岐管としての吸気管4〜9を介して吸気を直列6気筒エンジン10の各気筒に分配する吸気系が周知である。
【0004】
11はスロットルボデー1の上流に接続されたエアクリーナ、12はサージタンク3の中央に設けられたバルブで周知のようにエンジン10の回転数に応じて開閉され、吸気通路の実質的な長さを2段階に切り替える。
【0005】
13は排気管である。
また、別の従来技術として、U.S.PAT.No.5,156,117が公知である。この従来技術は、円筒形のロータリバルブに連通し、該ロータリバルブの回りを渦巻状に周回する8本の分岐管としての吸気管を設け、8個の気筒へ空気を分配する。
【0006】
そして、ロータリバルブで吸気通路の実質的な長さを2段階に切り替える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術では、吸気通路の実質的な長さを変更するバルブが1個で、長さを2段階に切り替えているので、エンジンの回転数の広い範囲に亘って吸気の充填効果を一様に高めることができなくて、結果的にエンジンの広い運転条件の範囲に亘って効果的に吸気慣性効果を利用して出力を向上するということができないという問題点があった。
【0008】
また、前記従来技術のうちの前者は、吸気管4〜9のエンジン接続部からエアクリーナ11までの寸法が長くて大きなスペースを要するので、排気管13側にまで吸気系が接近して配設され、吸気温度が上昇し易く、エンジンの出力低下を招くという問題点があった。
【0009】
そして、前記従来技術のうちの後者は、吸気制御装置を構成するロータリバルブからエンジンの吸気ポートまでの吸気管(分岐管)の数がエンジンの気筒数と同じであるため吸気管全部を考えると寸法が大きくなり、大きなスペースを要するという問題点があった。
【0010】
そこで、本発明はこれらの問題点を解消できる多気筒エンジンの吸気制御装置、特に直列6気筒エンジンに好適な吸気制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、第1の発明は、
中央に第1のバルブ(12)を備えて2つの空気室(3a)(3b)に区画した第1の集合管(3)と、直列6気筒エンジン(10)との間を、6本の吸気管(4〜9)で接続すると共に、これら6本の吸気管のうち3本(4〜6)が第1のバルブ(12)で区画される集合管(3)の一方の空気室(3a)に接続され、他の3本(7〜9)が第1の集合管(3)の他方の空気室(3b)に接続され、
更に、前記第1の集合管(3)の一方の空気室(3a)にその下流端が接続されるエアーコネクタ(2A)と、他方の空気室(3b)にその下流端が接続されるエアーコネクタ(2B)と、両エアーコネクタ(2A)(2B)の上流端に接続される第2の集合管(3A)とを有し、
前記第2の集合管(3A)の周囲を前記両エアーコネクタ(2A)(2B)で円筒巻きし、更に前記第2の集合管(3A)に設けられるスロットルボデーへの吸気管を、前記一方の空気室(3a)に接続される3本の吸気管と他方の空気室(3b)に接続される3本の吸気管との間を通過させて配置し、
前記第2の集合管(3A)に前記両エアーコネクタ(2A)(2B)の吸気通路の実質的な長さを変える第2のバルブ(14,14A,14B)を設けたことを特徴とする多気筒エンジンの吸気制御装置である。
【0012】
【0013】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、
前記第2のバルブをロータリバルブ(14)で構成したことを特徴とするものである。
【0014】
第3の発明は、前記第2の発明において、
前記ロータリバルブ(14)の吸気出口(19)に対向配置される前記各エアーコネクタ(2A)(2B)の吸気入口(23A)(25A)がそれぞれ1つであって、エアーコネクタの吸気入口の周方向の開口角度を、ロータリーバルブの吸気出口の周方向の開口角度よりも大きく設定して、ロータリバルブ(14)の回動に伴って吸気通路の実質的な長さを無段階に変えることを特徴とするものである。
そして、第4の発明は、前記第1の発明において、前記第2のバルブをフラットバルブ(14A)(14B)で構成したことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好ましい実施の形態を実施例に基づいて説明する。
〔実施例1〕
図1〜9に示す実施例1は、上流側に設けた集合管の中央にスロットルボデーからの吸気を導入する構造になっているので、スロットルボデー中央タイプと呼ぶ。ここに上流側とはスロットルボデーに近い側、下流側とはエンジンの吸気ポートに近い側をいう。
【0016】
これらの図において、1は挿入タイプのスロットルボデー、2A,2Bは吸気管として作用するエアーコネクタ、3はエアーコネクタ2A,2Bの下流側に接続された第1の集合管で、両端を閉じた筒形をしており、その中央に第1のバルブ12を備えている。この第1のバルブ12はバタフライバルブで構成されている。
【0017】
3Aはエアーコネクタ2A,2Bの上流側に接続された第2の集合管で、円筒形のケース3Bを備えている。3Cはケース3Bの一端に取り付けた蓋である。
【0018】
エアーコネクタ2A,2Bはその上流側が円形状に巻き込まれ(以下これを円筒巻きと言う)、その円筒部の中央にロータリバルブ14が回動可能に設けてある。尚、エアーコネクタ2A,2Bは必要に応じて部分的に円筒巻きを脱してもよい。また、必要に応じて、円筒巻きの形状は真円に限ることはなく、略円形であれば良い。
【0019】
4〜9は分岐管としての吸気管で、第1の集合管3と図示されてない自動車の直列6気筒エンジン10の吸気ポートの間を接続して、それぞれ各気筒に吸入空気を分配する。なお、3本の吸気管4〜6の上流側は、第1のバルブ12で連通される集合管3の一方(片側)の空気室3aに接続され、他の3本の吸気管7〜9の上流側は集合管3の他方(他側)の空気室3bに接続される(図4)。
【0020】
4a〜9aはそれぞれ吸気管4〜9の下流側の吸気出口、10aはエンジンヘッド、11はエアクリーナ、15はエンジンバルブである。
ケース3Bの水平に延びる円筒部の中央部には上方へ延びる吸気管3Dが一体的に形成され、この吸気管3Dに前記スロットルボデー1が挿入固定されている。スロットルボデー1を通過した吸入空気は、吸気管3Dの下流開口3Eから第2の集合管3Aの中央へ導入される。
【0021】
ロータリバルブ14は第2の集合管3Aのケース3Bの円筒部にゆるく嵌合する有底円筒形で、その底部中心に固着した軸16と、他側に取り付けた蓋17の中心に固着した軸18とにより、ケース3Bと蓋3Cに回動可能に軸受されている。
【0022】
19〜22はロータリバルブ14に明けた吸気出口、23,24はエアーコネクタ2Aの吸気入口、25,26はエアーコネクタ2Bの吸気入口である。27はロータリバルブ14に明けた吸気入口である。なお、吸気入口25,26は図示されてないが、吸気入口23,24がエアーコネクタ2Aの円筒巻き部分に図5に示すように明けられているのと同様の配置で、エアーコネクタ2Bの円筒巻き部分に明けられている。
【0023】
28は第1の集合管3における第1のバルブ12を開閉操作する周知のダイアフラム式のアクチュエータ、29はロータリバルブ14を操作するダイアフラム式のアクチュエータである。
【0024】
次に上記構造の実施例1の作用を説明する。
吸気慣性効果が最も効果的に得られる吸気通路の実質的な長さはエンジンの回転数の上昇に伴って短くなる。即ち、高回転時には短く、低回転時には長く、中回転時には中間の長さになる。
【0025】
先ず、エンジンの高回転時には第1の集合管3の第1のバルブ12が開いていて、吸気管4〜9及びエアーコネクタ2A,2B等の、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さは、例えば図2を例にして説明すると、インテークバルブ15のある符号イから集合管3の符号ロまでの長さイ〜ロになり最も短くなる。
【0026】
なおこのとき、吸気は、矢印で示すようにロータリバルブ14の吸気出口19,21からエアーコネクタ2A,2Bの吸気入口23,24,25,26へ入り、下流に流れる(図2,5)。
【0027】
次に中回転時では、第1の集合管3の第1のバルブ12が閉じており、ロータリバルブ14が図5,6の角度にあるため、図5〜7に矢印で示すように吸気が流れ、吸気通路の実質的な長さは、エンジンバルブ15のある符号イからエアーコネクタ2A(2B)の符号ハに示す点までの長さイ〜ハとなり、前記高回転時の実質的な長さイ〜ロより長い中間の長さになる。なおこのとき、ロータリバルブ14は図示の角度にあって吸気出口19(21)と吸気入口23(25)が一致すると共に、吸気出口20(22)と吸気入口24(26)が一致している。
【0028】
最後にエンジンの低回転時には第1の集合管3の第1のバルブ12が閉じており、かつ図8,9に示すようにロータリバルブ14が(図5の角度から反時計方向に回動して)図示の角度にあるため吸気は吸気出口20(22)から吸気入口24(26)へと矢印のように流れる。そして、吸気通路の実質的な長さは、エンジンバルブ15のある符号イからエアーコネクタ2A(2B)の符号ニに示す点までの長さイ〜ニとなり最も長くなる。
【0029】
このように、実施例1では、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さが、イ〜ロ、イ〜ハ、イ〜ニの少なくとも3段階に切り替えられる。
〔実施例2〕
図10〜15に示す実施例2は、ロータリバルブ14の軸方向片側上流にスロットルボデー1が配置されている(図11,14)。そのため、これをスロットルボデーサイドタイプと呼ぶ。
【0030】
この実施例では、図11に示すように、ケース3Bの図示右端に固着された吸気管3D′にスロットルボデー1が挿入固定されている。
そして、軸16を支承する軸受30がケース3Bの半径方向に伸びる3本のアーム31に一体的に形成されており、アーム31同士間の吸気通路32を通って、ロータリバルブ14の図示右端の吸気入口27Aから第2の集合管3A即ちロータリバルブ14の円筒部内へ吸入空気が入る(図11,12)。
【0031】
この実施例2において、高回転時の吸入空気の流れを図10,11に矢印で示す。高回転時のロータリバルブ14の回動角度は図10に示すように、前記実施例1で示す場合(図5)と同じである。
【0032】
低速時には、ロータリバルブ14が図13に示すように実施例1の図8と同じ位置にあって、吸気出口19(21)は閉じられており、吸気出口20(22)が吸気入口24(26)と連通しているので、吸入空気は図13,14に矢印で示すように流れる。
【0033】
このように実施例2はスロットルボデーの配置が実施例1と異なるので、第2の集合管3Aへ吸気が流入する向きが違うものの、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さが、3段階に切り替えられ、かつその長さがイ〜ロ、イ〜ハ、イ〜ニの3つであることは実施例1と同じであることが容易に理解できよう。
【0034】
従って、それの詳しい説明は省略する。
〔実施例3〕
図24,25に示す実施例3は、実施例2と比べ第2の集合管にロータリバルブ14に代わってフラットバルブ14A,14Bが設けてある点が相違する。第1の集合管にエンジンの高回転時に開く第1のバルブ12を備えている点は前記実施例1,実施例2と同じである。従って、実施例2と相違する点を主にして説明する。
【0035】
フラットバルブ14A,14Bは、第2の集合管3Aのケース3Bと蓋3Cに回動可能に支承された軸18Aに取り付けられていて、エアーコネクタ2A,2Bの吸気入口23,25を開閉する。
【0036】
29Aはダイアフラム式のアクチュエータで、エンジン10の回転数に応じて軸18Aを回動させる。
この実施例3では、まずエンジンの高回転時には、実施例1の図2の場合と同様に第1の集合管3の第1のバルブ12が開いていて、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さは、エンジンバルブ15のある符号イから第1の集合管3の符号ロまでの長さイ〜ロとなり最短になる。
【0037】
次にエンジンの中回転時には、第1の集合管3の第1のバルブ12が閉じており、第2の集合管3Aのフラットバルブ14A,14Bが図24に示すように開いていて、エアコネクタ2A,2Bの上流端が第2の集合管3Aに連通する。従って、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さは、エンジンバルブ15のある符号イから図24におけるエアーコネクタ2A,(2B)の符号ハに示す点までの長さイ〜ハとなり、前記高回転時の実質的な長さイ〜ロより長い中間の長さになる。
【0038】
最後にエンジンの低回転時には、第1の集合管3の第1のバルブ12が閉じており、かつ第2の集合管3Aのフラットバルブ14A,(14B)が図24に図示する位置からアクチュエータ28に負圧力を作用して時計方向に回動してエアーコネクタ2A,(2B)の吸気入口23,(25)を閉じる。従って、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さは、エンジンバルブ15のある符号イから図24におけるエアーコネクタ2A,(2B)の吸気入口23,(25)まで、即ち符号ニに示す点までの長さイ〜ニとなり最も長くなる。
【0039】
このように、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さが、実施例1,2の場合と同様に、エンジンの回転数に応じてイ〜ロ、イ〜ハ、イ〜ニの少なくとも3段階に切り替えられる。
【0040】
〔実施例4〕
ところで上記実施例1〜実施例3では、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さが3段階に変わり、従来技術の2段階の場合に比べてきめの細かい制御を行うことができるものの、段階的な変化に留まっている。
【0041】
そこで、図16〜23に示す実施例4では無段階に吸気通路の実質的な長さを変えるようにして、よりきめ細かい吸気制御を実現できるようにした。
図16〜23に示す実施例4は、ロータリバルブ14の吸気入口と吸気出口及びエアーコネクタの吸気入口の形状が前記実施例1の場合と異なり、ロータリバルブ14の吸気出口に対向する各エアーコネクタ2A,2Bの吸気入口23A,25Aがそれぞれ1つであって、ロータリバルブ14の回動に伴って吸気出口19,21が時計方向に回動変位し吸気通路の実質的な長さを無段階に変える。
【0042】
図16〜23において、実施例1と同じ符号を付した要素は殆ど実施例1と同じ機能を果たすので、不必要な説明は極力省略する。
これらの図で、29Aは前記ダイアフラム式アクチュエータ29に代わるモータで、その出力は歯車列32を介してロータリバルブ14の回動角度をコンピュータの制御信号により前記モータ29Aを制御して、エンジン回転数に応じた角度まで回動させる。
【0043】
この実施例4では、ロータリバルブ14の吸気入口27Aは図21に示すように実施例1の場合の吸気入口27と比べて非常に大きな角度の開口をもっている。また、ロータリバルブ14の吸気出口は各エアーコネクタ当りただ1個だけで、符号19と21で示す吸気出口だけが設けられ、実施例1の場合の吸気出口20と22は設けていない。
【0044】
そして、エアーコネクタ2A,2Bの吸気入口23A,25Aはそれぞれ1つだけであり、その開口角度(円周角)が大きく定めてある。エアーコネクタ2Aの吸気入口23Aは図示されているが、他方のエアーコネクタ2Bの吸気入口25Aは図面にあらわれていない。
【0045】
実施例1や2の場合には、例えばエアーコネクタ2Aの吸気入口が小さい開口角(円周角)のものが符号23,24で示すように2つ設けてあり、両吸気入口23,24の間が図8に示すケース3Bの円周壁の円周上の離れた位置に設けられているが、実施例4ではこのような円筒壁がなく、吸気入口23A(25A)を実施例1,2より大きな円周角で開口させてある。
【0046】
次にこの実施例4の作用を説明する。
まずエンジンの高回転時には、第1の集合管3の第1のバルブ12が開いていて、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さは、図17のイ〜ロの長さとなり最も短くなる。
【0047】
次に、中回転時では第1のバルブ12が閉じていて、かつロータリバルブ14の吸気出口19が図17〜21に示す角度位置にあるため、吸気通路の実質的な長さはイ〜ハになり中間の長さになる。
【0048】
最後に、低回転時では、第1のバルブ12が閉じていて、ロータリバルブ14が図21の角度位置から時計方向に回動されて、コンピュータの制御信号により、エンジン回転数に応じたロータリバルブの吸気出口19を回動駆動し吸気出口19の位置を図17〜21に示す中回転時の位置より時計方向に回動し、最低回転数時、図22,23に示す位置まで変化する。図22,23の角度位置では、吸気通路の実質的な長さイ〜ニとなり最長となる。そして、最低回転時から中回転時の間では吸気通路長さはイ〜ハとイ〜ニの間の長さとなる。
【0049】
このようにモータ29Aでエンジン回転数に応じて連続的に無段階にロータリバルブ14の回動角度を変えるようにしたから、吸気慣性効果を発揮する吸気通路の実質的な長さを無段階に制御することができる。
なお、前記第1のバルブ12と区別するために、前記ロータリーバルブ14およびフラットバルブ14A、14Bを第2のバルブと称した。
【0050】
なお、上記何れの実施例においても、吸気管を従来の金属に代えて樹脂で造ることにより断熱性が向上し、吸入空気が吸気管の壁温によって暖められにくくなり、吸入空気の充填効果が上り、エンジンの出力が向上し、かつ軽量化等が図れる。
【0051】
【発明の効果】
本発明の吸気制御装置は上述のように構成されているので、直列6気筒エンジンに適用して、吸気慣性効果を有効に発揮でき、エンジンの出力向上に役立つ。
【0052】
また、吸気管通路としてのエアーコネクタを円筒巻きにしたので、吸気管の外形寸法が小さくなり、コンパクトにできるため、従来技術の前者のように、吸気系統が排気管からの輻射熱を受けて吸気温度が上昇するおそれがない。
【0053】
また、従来技術の前者の場合、吸気管の全周が露出しているためエンジンからの輻射熱が多く、流れる吸気の温度上昇が多かったが、本発明ではエアーコネクタを円筒巻きにした内側に第2の集合管を設けたので、吸気管の外側露出部が少なくなって、エンジンルームからの受熱が減少し、かつ第2の集合管を流れる吸入空気温度でエアーコネクタが冷却されるため吸気の昇温を抑制でき、エンジンの出力向上につながる。
【0054】
また、2本のエアーコネクタ(吸気管)だけを円筒巻きするようにしたので、6本全ての吸気管を円筒巻きする従来技術の後者に比較して小形、軽量、コンパクト化できる。その結果、エンジンルームの空間スペースが広くなって、組み付け性、サービス性向上、燃費低減の他に、エンジンルーム通気性向上による高温性能向上等が図れる。そして、このものの輸送コストも低減できる。
【0055】
更に、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さを少なくとも3段階に切り替えられるため、吸気慣性効果をより広い回転域に亘り有効に発揮でき、その分一層の出力向上に役立つ。
【0056】
そして、第3の発明では、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さを無段階に変えるので第1,第2の発明の効果に加えてよりきめ細かい吸気制御ができ、より効果的にエンジンの出力を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の側面図である。
【図2】 本発明の実施例1の一部縦断正面図である。
【図3】 本発明の実施例1の平面図で、エアクリーナを外した状態を示す図である。
【図4】 図2のX−X断面拡大図である。
【図5】 図1のY−Y断面拡大図で、高速時の状態を示す図である。
【図6】 図5のA−A断面を示す図である。
【図7】 図3のZ−Z断面拡大図で、高速時の状態を示す図である。
【図8】 図1のY−Y断面拡大図で、低速時の状態を示す図である。
【図9】 図8のB−B断面である。
【図10】 本発明の実施例2の図で、実施例1の図5に相当する図である。
【図11】 図10のC−C断面である。
【図12】 図11のD−D断面である。
【図13】 本発明の実施例2の図で、実施例1の図8に相当する図である。
【図14】 図13のE−E断面である。
【図15】 図14のF−F断面である。
【図16】 本発明の実施例4の側面図である。
【図17】 本発明の実施例4の一部縦断正面図である。
【図18】 本発明の実施例4の平面図で、エアクリーナを外した状態を示す図である。
【図19】 図16のY−Y断面拡大図で、高速時の状態を示す図である。
【図20】 図19のG−G断面である。
【図21】 図20のH−H断面である。
【図22】 図16のY−Y断面拡大図で、低速時の状態を示す図である。
【図23】 図18のZ−Z断面の一部を示す拡大図である。
【図24】 本発明の実施例3の横断面図で実施例2の図10に相当する図である。
【図25】 図24のC−C断面である。
【図26】 従来技術の配置図である。
【図27】 図26の従来技術を展開して示す系統図である。
【符号の説明】
2A,2B エアーコネクタ
3 第1の集合管
3A 第2の集合管
3a,3b 集合管3Aの空気室
4〜9 吸気管
10 直列6気筒エンジン
12 第1のバルブ
14 第2のバルブであるロータリバルブ
14A,14B 第2のバルブであるフラットバルブ
19 吸気出口
23A 吸気入口
25A 吸気入口(図面にあらわれていない)
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用直列6気筒エンジンに好適な吸気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用エンジンにおいては、吸気の充填効果を高めてエンジン出力の向上を図る上で、いわゆる吸気慣性効果を利用することが有効である。そして、該効果が最も効果的に得られる吸気通路の長さはエンジン回転数の上昇に伴って短くなる。
【0003】
そこで、例えば図26,27に示すようにスロットルボデー1の下流にエアーコネクタ2を介して円筒形のサージタンク(集合管)3を接続し、該サージタンク3から6本の分岐管としての吸気管4〜9を介して吸気を直列6気筒エンジン10の各気筒に分配する吸気系が周知である。
【0004】
11はスロットルボデー1の上流に接続されたエアクリーナ、12はサージタンク3の中央に設けられたバルブで周知のようにエンジン10の回転数に応じて開閉され、吸気通路の実質的な長さを2段階に切り替える。
【0005】
13は排気管である。
また、別の従来技術として、U.S.PAT.No.5,156,117が公知である。この従来技術は、円筒形のロータリバルブに連通し、該ロータリバルブの回りを渦巻状に周回する8本の分岐管としての吸気管を設け、8個の気筒へ空気を分配する。
【0006】
そして、ロータリバルブで吸気通路の実質的な長さを2段階に切り替える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術では、吸気通路の実質的な長さを変更するバルブが1個で、長さを2段階に切り替えているので、エンジンの回転数の広い範囲に亘って吸気の充填効果を一様に高めることができなくて、結果的にエンジンの広い運転条件の範囲に亘って効果的に吸気慣性効果を利用して出力を向上するということができないという問題点があった。
【0008】
また、前記従来技術のうちの前者は、吸気管4〜9のエンジン接続部からエアクリーナ11までの寸法が長くて大きなスペースを要するので、排気管13側にまで吸気系が接近して配設され、吸気温度が上昇し易く、エンジンの出力低下を招くという問題点があった。
【0009】
そして、前記従来技術のうちの後者は、吸気制御装置を構成するロータリバルブからエンジンの吸気ポートまでの吸気管(分岐管)の数がエンジンの気筒数と同じであるため吸気管全部を考えると寸法が大きくなり、大きなスペースを要するという問題点があった。
【0010】
そこで、本発明はこれらの問題点を解消できる多気筒エンジンの吸気制御装置、特に直列6気筒エンジンに好適な吸気制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、第1の発明は、
中央に第1のバルブ(12)を備えて2つの空気室(3a)(3b)に区画した第1の集合管(3)と、直列6気筒エンジン(10)との間を、6本の吸気管(4〜9)で接続すると共に、これら6本の吸気管のうち3本(4〜6)が第1のバルブ(12)で区画される集合管(3)の一方の空気室(3a)に接続され、他の3本(7〜9)が第1の集合管(3)の他方の空気室(3b)に接続され、
更に、前記第1の集合管(3)の一方の空気室(3a)にその下流端が接続されるエアーコネクタ(2A)と、他方の空気室(3b)にその下流端が接続されるエアーコネクタ(2B)と、両エアーコネクタ(2A)(2B)の上流端に接続される第2の集合管(3A)とを有し、
前記第2の集合管(3A)の周囲を前記両エアーコネクタ(2A)(2B)で円筒巻きし、更に前記第2の集合管(3A)に設けられるスロットルボデーへの吸気管を、前記一方の空気室(3a)に接続される3本の吸気管と他方の空気室(3b)に接続される3本の吸気管との間を通過させて配置し、
前記第2の集合管(3A)に前記両エアーコネクタ(2A)(2B)の吸気通路の実質的な長さを変える第2のバルブ(14,14A,14B)を設けたことを特徴とする多気筒エンジンの吸気制御装置である。
【0012】
【0013】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、
前記第2のバルブをロータリバルブ(14)で構成したことを特徴とするものである。
【0014】
第3の発明は、前記第2の発明において、
前記ロータリバルブ(14)の吸気出口(19)に対向配置される前記各エアーコネクタ(2A)(2B)の吸気入口(23A)(25A)がそれぞれ1つであって、エアーコネクタの吸気入口の周方向の開口角度を、ロータリーバルブの吸気出口の周方向の開口角度よりも大きく設定して、ロータリバルブ(14)の回動に伴って吸気通路の実質的な長さを無段階に変えることを特徴とするものである。
そして、第4の発明は、前記第1の発明において、前記第2のバルブをフラットバルブ(14A)(14B)で構成したことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好ましい実施の形態を実施例に基づいて説明する。
〔実施例1〕
図1〜9に示す実施例1は、上流側に設けた集合管の中央にスロットルボデーからの吸気を導入する構造になっているので、スロットルボデー中央タイプと呼ぶ。ここに上流側とはスロットルボデーに近い側、下流側とはエンジンの吸気ポートに近い側をいう。
【0016】
これらの図において、1は挿入タイプのスロットルボデー、2A,2Bは吸気管として作用するエアーコネクタ、3はエアーコネクタ2A,2Bの下流側に接続された第1の集合管で、両端を閉じた筒形をしており、その中央に第1のバルブ12を備えている。この第1のバルブ12はバタフライバルブで構成されている。
【0017】
3Aはエアーコネクタ2A,2Bの上流側に接続された第2の集合管で、円筒形のケース3Bを備えている。3Cはケース3Bの一端に取り付けた蓋である。
【0018】
エアーコネクタ2A,2Bはその上流側が円形状に巻き込まれ(以下これを円筒巻きと言う)、その円筒部の中央にロータリバルブ14が回動可能に設けてある。尚、エアーコネクタ2A,2Bは必要に応じて部分的に円筒巻きを脱してもよい。また、必要に応じて、円筒巻きの形状は真円に限ることはなく、略円形であれば良い。
【0019】
4〜9は分岐管としての吸気管で、第1の集合管3と図示されてない自動車の直列6気筒エンジン10の吸気ポートの間を接続して、それぞれ各気筒に吸入空気を分配する。なお、3本の吸気管4〜6の上流側は、第1のバルブ12で連通される集合管3の一方(片側)の空気室3aに接続され、他の3本の吸気管7〜9の上流側は集合管3の他方(他側)の空気室3bに接続される(図4)。
【0020】
4a〜9aはそれぞれ吸気管4〜9の下流側の吸気出口、10aはエンジンヘッド、11はエアクリーナ、15はエンジンバルブである。
ケース3Bの水平に延びる円筒部の中央部には上方へ延びる吸気管3Dが一体的に形成され、この吸気管3Dに前記スロットルボデー1が挿入固定されている。スロットルボデー1を通過した吸入空気は、吸気管3Dの下流開口3Eから第2の集合管3Aの中央へ導入される。
【0021】
ロータリバルブ14は第2の集合管3Aのケース3Bの円筒部にゆるく嵌合する有底円筒形で、その底部中心に固着した軸16と、他側に取り付けた蓋17の中心に固着した軸18とにより、ケース3Bと蓋3Cに回動可能に軸受されている。
【0022】
19〜22はロータリバルブ14に明けた吸気出口、23,24はエアーコネクタ2Aの吸気入口、25,26はエアーコネクタ2Bの吸気入口である。27はロータリバルブ14に明けた吸気入口である。なお、吸気入口25,26は図示されてないが、吸気入口23,24がエアーコネクタ2Aの円筒巻き部分に図5に示すように明けられているのと同様の配置で、エアーコネクタ2Bの円筒巻き部分に明けられている。
【0023】
28は第1の集合管3における第1のバルブ12を開閉操作する周知のダイアフラム式のアクチュエータ、29はロータリバルブ14を操作するダイアフラム式のアクチュエータである。
【0024】
次に上記構造の実施例1の作用を説明する。
吸気慣性効果が最も効果的に得られる吸気通路の実質的な長さはエンジンの回転数の上昇に伴って短くなる。即ち、高回転時には短く、低回転時には長く、中回転時には中間の長さになる。
【0025】
先ず、エンジンの高回転時には第1の集合管3の第1のバルブ12が開いていて、吸気管4〜9及びエアーコネクタ2A,2B等の、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さは、例えば図2を例にして説明すると、インテークバルブ15のある符号イから集合管3の符号ロまでの長さイ〜ロになり最も短くなる。
【0026】
なおこのとき、吸気は、矢印で示すようにロータリバルブ14の吸気出口19,21からエアーコネクタ2A,2Bの吸気入口23,24,25,26へ入り、下流に流れる(図2,5)。
【0027】
次に中回転時では、第1の集合管3の第1のバルブ12が閉じており、ロータリバルブ14が図5,6の角度にあるため、図5〜7に矢印で示すように吸気が流れ、吸気通路の実質的な長さは、エンジンバルブ15のある符号イからエアーコネクタ2A(2B)の符号ハに示す点までの長さイ〜ハとなり、前記高回転時の実質的な長さイ〜ロより長い中間の長さになる。なおこのとき、ロータリバルブ14は図示の角度にあって吸気出口19(21)と吸気入口23(25)が一致すると共に、吸気出口20(22)と吸気入口24(26)が一致している。
【0028】
最後にエンジンの低回転時には第1の集合管3の第1のバルブ12が閉じており、かつ図8,9に示すようにロータリバルブ14が(図5の角度から反時計方向に回動して)図示の角度にあるため吸気は吸気出口20(22)から吸気入口24(26)へと矢印のように流れる。そして、吸気通路の実質的な長さは、エンジンバルブ15のある符号イからエアーコネクタ2A(2B)の符号ニに示す点までの長さイ〜ニとなり最も長くなる。
【0029】
このように、実施例1では、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さが、イ〜ロ、イ〜ハ、イ〜ニの少なくとも3段階に切り替えられる。
〔実施例2〕
図10〜15に示す実施例2は、ロータリバルブ14の軸方向片側上流にスロットルボデー1が配置されている(図11,14)。そのため、これをスロットルボデーサイドタイプと呼ぶ。
【0030】
この実施例では、図11に示すように、ケース3Bの図示右端に固着された吸気管3D′にスロットルボデー1が挿入固定されている。
そして、軸16を支承する軸受30がケース3Bの半径方向に伸びる3本のアーム31に一体的に形成されており、アーム31同士間の吸気通路32を通って、ロータリバルブ14の図示右端の吸気入口27Aから第2の集合管3A即ちロータリバルブ14の円筒部内へ吸入空気が入る(図11,12)。
【0031】
この実施例2において、高回転時の吸入空気の流れを図10,11に矢印で示す。高回転時のロータリバルブ14の回動角度は図10に示すように、前記実施例1で示す場合(図5)と同じである。
【0032】
低速時には、ロータリバルブ14が図13に示すように実施例1の図8と同じ位置にあって、吸気出口19(21)は閉じられており、吸気出口20(22)が吸気入口24(26)と連通しているので、吸入空気は図13,14に矢印で示すように流れる。
【0033】
このように実施例2はスロットルボデーの配置が実施例1と異なるので、第2の集合管3Aへ吸気が流入する向きが違うものの、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さが、3段階に切り替えられ、かつその長さがイ〜ロ、イ〜ハ、イ〜ニの3つであることは実施例1と同じであることが容易に理解できよう。
【0034】
従って、それの詳しい説明は省略する。
〔実施例3〕
図24,25に示す実施例3は、実施例2と比べ第2の集合管にロータリバルブ14に代わってフラットバルブ14A,14Bが設けてある点が相違する。第1の集合管にエンジンの高回転時に開く第1のバルブ12を備えている点は前記実施例1,実施例2と同じである。従って、実施例2と相違する点を主にして説明する。
【0035】
フラットバルブ14A,14Bは、第2の集合管3Aのケース3Bと蓋3Cに回動可能に支承された軸18Aに取り付けられていて、エアーコネクタ2A,2Bの吸気入口23,25を開閉する。
【0036】
29Aはダイアフラム式のアクチュエータで、エンジン10の回転数に応じて軸18Aを回動させる。
この実施例3では、まずエンジンの高回転時には、実施例1の図2の場合と同様に第1の集合管3の第1のバルブ12が開いていて、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さは、エンジンバルブ15のある符号イから第1の集合管3の符号ロまでの長さイ〜ロとなり最短になる。
【0037】
次にエンジンの中回転時には、第1の集合管3の第1のバルブ12が閉じており、第2の集合管3Aのフラットバルブ14A,14Bが図24に示すように開いていて、エアコネクタ2A,2Bの上流端が第2の集合管3Aに連通する。従って、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さは、エンジンバルブ15のある符号イから図24におけるエアーコネクタ2A,(2B)の符号ハに示す点までの長さイ〜ハとなり、前記高回転時の実質的な長さイ〜ロより長い中間の長さになる。
【0038】
最後にエンジンの低回転時には、第1の集合管3の第1のバルブ12が閉じており、かつ第2の集合管3Aのフラットバルブ14A,(14B)が図24に図示する位置からアクチュエータ28に負圧力を作用して時計方向に回動してエアーコネクタ2A,(2B)の吸気入口23,(25)を閉じる。従って、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さは、エンジンバルブ15のある符号イから図24におけるエアーコネクタ2A,(2B)の吸気入口23,(25)まで、即ち符号ニに示す点までの長さイ〜ニとなり最も長くなる。
【0039】
このように、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さが、実施例1,2の場合と同様に、エンジンの回転数に応じてイ〜ロ、イ〜ハ、イ〜ニの少なくとも3段階に切り替えられる。
【0040】
〔実施例4〕
ところで上記実施例1〜実施例3では、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さが3段階に変わり、従来技術の2段階の場合に比べてきめの細かい制御を行うことができるものの、段階的な変化に留まっている。
【0041】
そこで、図16〜23に示す実施例4では無段階に吸気通路の実質的な長さを変えるようにして、よりきめ細かい吸気制御を実現できるようにした。
図16〜23に示す実施例4は、ロータリバルブ14の吸気入口と吸気出口及びエアーコネクタの吸気入口の形状が前記実施例1の場合と異なり、ロータリバルブ14の吸気出口に対向する各エアーコネクタ2A,2Bの吸気入口23A,25Aがそれぞれ1つであって、ロータリバルブ14の回動に伴って吸気出口19,21が時計方向に回動変位し吸気通路の実質的な長さを無段階に変える。
【0042】
図16〜23において、実施例1と同じ符号を付した要素は殆ど実施例1と同じ機能を果たすので、不必要な説明は極力省略する。
これらの図で、29Aは前記ダイアフラム式アクチュエータ29に代わるモータで、その出力は歯車列32を介してロータリバルブ14の回動角度をコンピュータの制御信号により前記モータ29Aを制御して、エンジン回転数に応じた角度まで回動させる。
【0043】
この実施例4では、ロータリバルブ14の吸気入口27Aは図21に示すように実施例1の場合の吸気入口27と比べて非常に大きな角度の開口をもっている。また、ロータリバルブ14の吸気出口は各エアーコネクタ当りただ1個だけで、符号19と21で示す吸気出口だけが設けられ、実施例1の場合の吸気出口20と22は設けていない。
【0044】
そして、エアーコネクタ2A,2Bの吸気入口23A,25Aはそれぞれ1つだけであり、その開口角度(円周角)が大きく定めてある。エアーコネクタ2Aの吸気入口23Aは図示されているが、他方のエアーコネクタ2Bの吸気入口25Aは図面にあらわれていない。
【0045】
実施例1や2の場合には、例えばエアーコネクタ2Aの吸気入口が小さい開口角(円周角)のものが符号23,24で示すように2つ設けてあり、両吸気入口23,24の間が図8に示すケース3Bの円周壁の円周上の離れた位置に設けられているが、実施例4ではこのような円筒壁がなく、吸気入口23A(25A)を実施例1,2より大きな円周角で開口させてある。
【0046】
次にこの実施例4の作用を説明する。
まずエンジンの高回転時には、第1の集合管3の第1のバルブ12が開いていて、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さは、図17のイ〜ロの長さとなり最も短くなる。
【0047】
次に、中回転時では第1のバルブ12が閉じていて、かつロータリバルブ14の吸気出口19が図17〜21に示す角度位置にあるため、吸気通路の実質的な長さはイ〜ハになり中間の長さになる。
【0048】
最後に、低回転時では、第1のバルブ12が閉じていて、ロータリバルブ14が図21の角度位置から時計方向に回動されて、コンピュータの制御信号により、エンジン回転数に応じたロータリバルブの吸気出口19を回動駆動し吸気出口19の位置を図17〜21に示す中回転時の位置より時計方向に回動し、最低回転数時、図22,23に示す位置まで変化する。図22,23の角度位置では、吸気通路の実質的な長さイ〜ニとなり最長となる。そして、最低回転時から中回転時の間では吸気通路長さはイ〜ハとイ〜ニの間の長さとなる。
【0049】
このようにモータ29Aでエンジン回転数に応じて連続的に無段階にロータリバルブ14の回動角度を変えるようにしたから、吸気慣性効果を発揮する吸気通路の実質的な長さを無段階に制御することができる。
なお、前記第1のバルブ12と区別するために、前記ロータリーバルブ14およびフラットバルブ14A、14Bを第2のバルブと称した。
【0050】
なお、上記何れの実施例においても、吸気管を従来の金属に代えて樹脂で造ることにより断熱性が向上し、吸入空気が吸気管の壁温によって暖められにくくなり、吸入空気の充填効果が上り、エンジンの出力が向上し、かつ軽量化等が図れる。
【0051】
【発明の効果】
本発明の吸気制御装置は上述のように構成されているので、直列6気筒エンジンに適用して、吸気慣性効果を有効に発揮でき、エンジンの出力向上に役立つ。
【0052】
また、吸気管通路としてのエアーコネクタを円筒巻きにしたので、吸気管の外形寸法が小さくなり、コンパクトにできるため、従来技術の前者のように、吸気系統が排気管からの輻射熱を受けて吸気温度が上昇するおそれがない。
【0053】
また、従来技術の前者の場合、吸気管の全周が露出しているためエンジンからの輻射熱が多く、流れる吸気の温度上昇が多かったが、本発明ではエアーコネクタを円筒巻きにした内側に第2の集合管を設けたので、吸気管の外側露出部が少なくなって、エンジンルームからの受熱が減少し、かつ第2の集合管を流れる吸入空気温度でエアーコネクタが冷却されるため吸気の昇温を抑制でき、エンジンの出力向上につながる。
【0054】
また、2本のエアーコネクタ(吸気管)だけを円筒巻きするようにしたので、6本全ての吸気管を円筒巻きする従来技術の後者に比較して小形、軽量、コンパクト化できる。その結果、エンジンルームの空間スペースが広くなって、組み付け性、サービス性向上、燃費低減の他に、エンジンルーム通気性向上による高温性能向上等が図れる。そして、このものの輸送コストも低減できる。
【0055】
更に、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さを少なくとも3段階に切り替えられるため、吸気慣性効果をより広い回転域に亘り有効に発揮でき、その分一層の出力向上に役立つ。
【0056】
そして、第3の発明では、吸気慣性効果にかかわる吸気通路の実質的な長さを無段階に変えるので第1,第2の発明の効果に加えてよりきめ細かい吸気制御ができ、より効果的にエンジンの出力を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の側面図である。
【図2】 本発明の実施例1の一部縦断正面図である。
【図3】 本発明の実施例1の平面図で、エアクリーナを外した状態を示す図である。
【図4】 図2のX−X断面拡大図である。
【図5】 図1のY−Y断面拡大図で、高速時の状態を示す図である。
【図6】 図5のA−A断面を示す図である。
【図7】 図3のZ−Z断面拡大図で、高速時の状態を示す図である。
【図8】 図1のY−Y断面拡大図で、低速時の状態を示す図である。
【図9】 図8のB−B断面である。
【図10】 本発明の実施例2の図で、実施例1の図5に相当する図である。
【図11】 図10のC−C断面である。
【図12】 図11のD−D断面である。
【図13】 本発明の実施例2の図で、実施例1の図8に相当する図である。
【図14】 図13のE−E断面である。
【図15】 図14のF−F断面である。
【図16】 本発明の実施例4の側面図である。
【図17】 本発明の実施例4の一部縦断正面図である。
【図18】 本発明の実施例4の平面図で、エアクリーナを外した状態を示す図である。
【図19】 図16のY−Y断面拡大図で、高速時の状態を示す図である。
【図20】 図19のG−G断面である。
【図21】 図20のH−H断面である。
【図22】 図16のY−Y断面拡大図で、低速時の状態を示す図である。
【図23】 図18のZ−Z断面の一部を示す拡大図である。
【図24】 本発明の実施例3の横断面図で実施例2の図10に相当する図である。
【図25】 図24のC−C断面である。
【図26】 従来技術の配置図である。
【図27】 図26の従来技術を展開して示す系統図である。
【符号の説明】
2A,2B エアーコネクタ
3 第1の集合管
3A 第2の集合管
3a,3b 集合管3Aの空気室
4〜9 吸気管
10 直列6気筒エンジン
12 第1のバルブ
14 第2のバルブであるロータリバルブ
14A,14B 第2のバルブであるフラットバルブ
19 吸気出口
23A 吸気入口
25A 吸気入口(図面にあらわれていない)
Claims (4)
- 中央に第1のバルブを備えて2つの空気室に区画した第1の集合管と、直列6気筒エンジンとの間を、6本の吸気管で接続すると共に、これら6本の吸気管のうち3本が第1のバルブで区画される第1の集合管の一方の空気室に接続され、他の3本が第1の集合管の他方の空気室に接続され、
更に、前記第1の集合管の一方の空気室にその下流端が接続されるエアーコネクタと、他方の空気室にその下流端が接続されるエアーコネクタと、前記両エアーコネクタの上流端に接続される第2の集合管とを有し、
前記第2の集合管の周囲を前記両エアーコネクタで円筒巻きし、更に前記第2の集合管に設けられるスロットルボデーへの吸気管を、前記一方の空気室に接続される3本の吸気管と他方の空気室に接続される3本の吸気管との間を通過させて配置し、
前記第2の集合管に前記両エアーコネクタの吸気通路の実質的な長さを変える第2のバルブを設けたことを特徴とする多気筒エンジンの吸気制御装置。 - 前記第2のバルブをロータリバルブで構成したことを特徴とする請求項1記載の多気筒エンジンの吸気制御装置。
- 前記ロータリバルブの吸気出口に対向配置される前記各エアーコネクタの吸気入口がそれぞれ1つであって、エアーコネクタの吸気入口の周方向の開口角度を、ロータリーバルブの吸気出口の周方向の開口角度よりも大きく設定して、ロータリバルブの回動に伴って吸気通路の実質的な長さを無段階に変えることを特徴とする請求項2記載の多気筒エンジンの吸気制御装置。
- 前記第2のバルブをフラットバルブで構成したことを特徴とする請求項1記載の多気筒エンジンの吸気制御装置。
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