JP3678844B2 - フロッピーディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の利用分野】
本発明は、ギアモータを内蔵したオートイジェクト機能を有するフロッピーディスク装置、特にそのギアモータ駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のフロッピーディスク装置におけるオートイジェクト用のギアモータは、内部モータの回転をギアで減速し、最終出力段のギアの回転によりオートイジェクト機構を動作させる。ギアモータには、最終出力ギアに連動したスイッチが内蔵され、最終出力ギアの1回転内にスイッチオフの範囲とスイッチオンの範囲が設定されている。通常スイッチオフの角度は90度程度、オンの角度は180度程度に設定されている。また最終出力ギアは、フロッピーディスク装置のメディア排出機構に連動しており、最終出力ギアが1回転することで、メディアが排出される。内蔵スイッチのオフの角度位置は、メディアが排出された状態またはメディア挿入された状態における最終出力ギアの待機時の位置であり、内蔵スイッチのオンの角度位置は、最終出力ギアがメディア排出機構に連動する実際の動作位置である。
【0003】
内蔵スイッチがオフの待機位置の時に、ギアモータに電気回路から励磁電流を流してギアモータを回転させる。ギアモータが所定の角度回転すると、ギアモータ内蔵スイッチがオンになり、その後、内蔵スイッチがオフになるまで励磁電流を流し続け、スイッチオフの位置で励磁電流を遮断することにより、モータの回転が停止して元の待機位置に戻る。
【0004】
図3は従来のギアモータを励磁させるための2つの回路構成を示し、図4はそれぞれの回路のタイミング例を示す。フロッピーディスク装置に接続されるホストからイジェクト指令信号aがタイマー1に入力されると、タイマー1が動作を開始し、その出力bがタイマー設定時間t1(数100ms)の間Highになり、インバータ3またはNOR回路4によりトランジスタTRがオンになってギアモータ2に励磁電流を流す。これにより、内部モータMが回転し、所定角度回転することによって、内蔵スイッチSWがオンし、図3(A)の場合は、VccからスイッチSWを通した経路で励磁電流が継続して流れ、図3(B)の場合は、スイッチSWがオンしてもNOR回路4の出力eはLowのままなので、トランジスタTrはオン状態を保持し、励磁電流が継続して流れる。
【0005】
このように、上記従来の回路構成では、イジェクト指令信号によりタイマーがオンし、タイマー設定時間t1の間ギアモータを励磁し、その間にギアモータの内蔵スイッチがオンして励磁を継続し、内蔵スイッチがオフした時点でギアモータの励磁を停止するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の回路構成では、ギアモータの励磁を開始するタイマーが必要であり、その設定条件は、
1.タイマー設定の下限値として、ギアモータの励磁を開始してからギアモータの内蔵スイッチがオンするまではタイマーで励磁を実行すること。
2.タイマー設定の上限値として、ギアモータの1回転で必ずメディアを排出すること。ギアモータが2回転以上するとメディア排出後もモータ回転音が続くため異音として感じられるので、タイマーの設定時間は長すぎてはならない。
【0007】
上記のタイマー時間の設定は、ギアモータの回転精度と内蔵スイッチのオンオフの接点の角度位置から算出しなければならない。モータの回転精度は、実際にはメディア排出時の負荷変動などの負荷条件や電源電圧、温度などの環境条件も考慮しなければならない。したがって、従来の回路構成ではタイマー時間の設定が難しいという問題があった。
【0008】
また、上記従来の回路構成では、ギアモータ内蔵のスイッチがオン状態でメディア排出機構がジャミングした場合は、モータロック状態で励磁電流が流れ放しになり、電力の無駄な消費となる。また、イジェクト実行中のギアモータに対する励磁電流とフロッピーディスク装置のスピンドルモータの回転による消費電流とが重なることがあり、フロッピーディスク装置全体としてのピーク電流が大きくなるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、ギアモータの励磁時間を設定するタイマーなしで安定したギアモータの制御が可能であり、また消費電力の低減が可能なフロッピーディスク装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、フロッピーディスク装置に接続されるホストのイジェクト指令信号をトリガーとしてギアモータを励磁し、ギアモータの回転による内蔵スイッチオンの信号から作成したチャタリング整形タイミングでギアモータの励磁を続行するようにしたものである。本発明はまた、一定時間ギアモータを励磁してもメディアが排出できない場合は励磁を強制的に打ち切るようにしたものであり、さらにギアモータが励磁されている間はスピンドルモータを動作させないようにしたものであり、タイマーなしで安定したギアモータの制御が可能であり、消費電力の低減が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、ギアモータを内蔵したオートイジェクト機能を有し、フロッピーディスク装置に接続されるホストのイジェクト指令信号によりギアモータの励磁を開始し、回転するギアモータの内蔵スイッチのオンにより励磁を続行し、内蔵スイッチのオフにより励磁を停止するフロッピーディスク装置において、イジェクト指令信号をトリガーとしてギアモータを励磁する手段と、回転するギアモータの内蔵スイッチがオンしたことを検出する手段と、内蔵スイッチがオンした時のチャタリングを整形したタイミング信号でギアモータの励磁を続行する手段とを備えたフロッピーディスク装置であり、励磁用タイマーを不要とし、ギアモータの回転精度に依存することなくギアモータの制御ができるという作用を有する。
【0012】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載のフロッピーディスク装置において、ギアモータの内蔵スイッチがオンの時にギアモータの励磁を強制的に停止させる手段を備えたものであり、モータの消費電力を低減できるという作用を有する。
【0013】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載のフロッピーディスク装置において、ギアモータが励磁されている時にはスピンドルモータの動作を停止させる手段を備えたものであり、フロッピーディスク装置全体のピーク電流を低減できるという作用を有する。
【0014】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態におけるフロッピーディスク装置のギヤモータ駆動回路の構成を示すものである。図1において、11はT形FF回路、12はNOR回路、13はOR回路、14はトランジスタ、15は内蔵スイッチSWと減速機構付きのモータMからなるギアモータ、16はインバータ、17はチャタリング整形回路、18は打切タイマー、19はOR回路(アクティブ・ローのAND回路)である。
【0015】
次に上記のように構成されたギアモータ駆動回路の動作を図2のタイミング図を参照しながら説明する。FF回路11のT端子にイジェクト指令信号aが入力されると、FF回路11のQ出力bがHighになる。一方、チャタリング整形回路17の出力gはLowなので、NOR回路12の出力eおよびOR回路13の出力fはLowになり、トランジスタ14がオンし、Vccによりギアモータ15のモータMが励磁されて回転を始める。この回転により所定角度でギアモータ15の内蔵スイッチSWがオンすると、インバータ16の出力dはHighになるが、内蔵スイッチSWのオン時のスイッチ接点の暴れにより、時間t2の間チャタリングが発生する。このチャタリングは、数ミリ秒から数十ミリ秒発生することから、チャタリング整形回路17では、数十ミリ秒程度のチャタリング防止タイミングを発生させ、整形したタイミング出力gをHighにしてFF回路11のR端子に入力する。FF回路11のQ出力bは、イジェクト指令信号aでセットされてからこのタイミング信号gでリセットされるまでの時間t1の間Highになり、t1経過後にLowになる。
【0016】
一方、タイミング信号gは、NOR回路12にも入力されているので、Q出力bがLowになっても、タイミング信号gがHighの間はトランジスタ14がオンの状態を保持し続け、ギアモータ15の励磁が継続されてモータMは回転を続行する。モータMの回転は、内蔵スイッチSWがオフになってインバータ16の出力dがLowになることにより停止する。すなわち、内蔵スイッチSWのオフ時のスイッチ接点の暴れによりチャタリングが発生し、このチャタリングをチャタリング整形回路17で整形し、整形したタイミング出力gをLowにしてNOR回路12に入力する。これにより、NOR回路12の出力eおよびOR回路13の出力fがHighになり、トランジスタ14がオフしてギヤモータ15の励磁が停止される。このようにして、従来のような励磁タイマーなしでギアモータ15の駆動を制御することができる。
【0017】
また、イジェクト指令信号aは、打切タイマー18にも入力されているので、イジェクト指令信号aをトリガーとして打切タイマー18が動作し、その出力hがHighになってOR回路13の入力端子に加えられる。これにより、OR回路13のもう一方の入力端子に入力されるNOR回路12の出力eがオン、オフに拘らず、OR回路13の出力fがHighになるので、トランジスタ14を強制的にオフさせることができる。したがって、ギアモータ15の内蔵スイッチSWがオン状態でメディア排出機構がジャミングした場合でも、モータMがロック状態になって励磁電流が流れ放しになることを防止でき、消費電力を低減することができる。
【0018】
なお、通常はモータMの1回転にかかる時間は2秒程度であることから、打切タイマー18の時間設定は2秒から数十秒程度に設定することが望ましい。
【0019】
さらに、ギアモータ15を励磁するタイミングであるOR回路13の出力fとスピンドルモータのオン信号iとをOR回路19に入力することで、出力fがLowのときは、OR回路19の出力jがLowになるので、スピンドルモータのオン信号をオフにすることができる。これにより、イジェクト実行中のギアモータの励磁電流とフロッピーディスク装置のスピンドルモータの消費電流とが重なることがなく、フロッピーディスク装置全体としてのピーク電流を低減することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ギアモータの励磁時間をタイマーで設定することでなく、チャタリング整形のタイミング信号を利用して行うので、負荷変動や環境変化を含めたギアモータの回転精度がばらついても、安定したギアモータの制御が可能になる。また、ギアモータに連動したメディア排出機構がジャミングしてギアモータがロック状態になっても、ギアモータの励磁を強制的に打ち切るので、無駄な電力の消費を抑えることができる。さらに、イジェクト動作中にはスピンドルモータの回転を止めるので、フロッピーディスク装置全体のピーク電流の重なりを防止して、電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるフロッピーディスク装置のギアモータ駆動回路の回路図
【図2】本発明の実施の形態におけるギアモータ駆動回路の動作を示すタイミング図
【図3】(A)(B)従来例におけるフロッピーディスク装置のギアモータ駆動回路の異なる構成を示す回路図
【図4】(A)(B)従来例におけるギアモータ駆動回路の動作を示すタイミング図
【符号の説明】
11 FF回路
12 NOR回路
13 OR回路
14 トランジスタ
15 ギアモータ
16 インバータ
17 チャタリング整形回路
18 打切タイマー
19 OR回路

Claims (3)

  1. ギアモータを内蔵したオートイジェクト機能を有し、フロッピーディスク装置に接続されるホストのイジェクト指令信号によりギアモータの励磁を開始し、回転するギアモータの内蔵スイッチのオンにより励磁を続行し、内蔵スイッチのオフにより励磁を停止するフロッピーディスク装置において、前記イジェクト指令信号をトリガーとしてギアモータを励磁する手段と、回転するギアモータの内蔵スイッチがオンしたことを検出する手段と、内蔵スイッチがオンした時のチャタリングを整形したタイミング信号でギアモータの励磁を続行する手段とを備えたフロッピーディスク装置。
  2. ギアモータの内蔵スイッチがオンの時にギアモータの励磁を強制的に停止させる手段を備えた請求項1記載のフロッピーディスク装置。
  3. ギアモータが励磁されている時にはスピンドルモータの動作を停止させる手段を備えた請求項1または2記載のフロッピーディスク装置。
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