JP3678466B2 - 桟組体の桟接合装置 - Google Patents

桟組体の桟接合装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,フェンス,面格子等の桟組体に関し,特にその桟接合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種桟組体の桟接合装置は,例えば実公平2−1405号の如くに,横桟の起立フインをその起立幅の全長に亘るように細溝状に切欠加工するとともに,その中間位置を一側に拡開するように矩形状に切欠加工した一対の拡開切欠部と,該一対の拡開切欠部に上記起立フインの切欠側縁部を上下部分的に前後突条によって被嵌して挿入した縦桟両側一対の接合条と,上記被嵌状態で上記拡開切欠部の拡開部位に対して接合条の上記突条をポンチ等の工具で変形して嵌入接合したポンチ変形部とを備えてなるものとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍らこの場合,横桟と縦桟の接合は,拡開切欠部の拡開部位に対する接合条の突条に対するポンチによる変形に依存することになるところ,この種の桟に用いられるアルミ押出材の肉厚を考慮すると,上記突条の変形は,これを片側で行った場合には1mm程度乃至それ以下,両側で行った場合には0.5mm程度乃至それ以下の浅い点状のものとならざるを得ず,従って変形による嵌入接合は,極く浅い状態で点状の変形部分が拡開部位の端縁に引掛り状となることによって行われることになるから,この種桟組体において必ずしも充分な接合強度を確保し得るものとはなし得ず,特にポンチによる変形位置が狂ったり,拡開部位の大きさに対してポンチによる変形幅が小さくなったりした場合には,接合不良を招いて,接合強度を確保し得なくなるという問題点があり,更には拡開切欠部の切欠加工が煩雑化したり,ポンチによる変形位置の位置出しを精密に行う必要があるから,嵌入接合が同じく煩雑化し易いという問題点がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,生産が容易で充分な接合強度を確保し得る桟組体の桟接合装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題に添って本発明は,生産を容易化するために切欠加工を起立フインに対する平行の細溝状とすることによる一対の縦スリットを用い,接合強度を確保し,接合の精密性を解消するために,縦桟の長手方向端縁を横桟に突き当てて転びを防止するとともに起立フィンの起立幅内位置で凹凸波型接合面によるプレス変形部によって接合するようにしたものであって,即ち請求項1に記載の発明を,横桟の起立フインをその起立幅の全長に亘るように平行の細溝状に切欠加工して配設した一対の縦スリットと,該一対の縦スリットに上記起立フインの切欠側縁部を前後突条によって被嵌した縦桟の長手方向全長にして両側一対の接合条と,上記起立フインの切欠側縁部と接合条の両側でその前後突条をプレス圧によって接合したプレス変形部とを備え且つ上記縦桟の長手方向端縁を横桟に突き当てることによって縦桟の転びを防止するとともに上記プレス変形部を起立フィンの起立幅内位置で前後に凹凸変形した上下方向の凹凸波形接合面としてなることを特徴とする桟組体の桟接合装置としたものである。
【0006】
請求項2及び3に記載の発明は,それぞれ合成樹脂材を強度要素として桟強度を確保した横桟及び縦桟とするとともに起立フィン及び接合条を上記上下方向の凹凸波形接合面とするに馴染みが良く,その接合を容易且つ確実に行なうに好適なものとするように,請求項2に記載の発明を,上記横桟及び縦桟を,アルミ薄板のフォーミング材による成型外皮と,該成型外皮に充填した合成樹脂材とにより中実に形成するとともに起立フイン及び接合条を該横桟及び縦桟に一体にして上記アルミ薄板折曲重合のフォーミング材により形成してなることを特徴とする請求項1に記載の桟組体の桟接合装置とし,請求項3に記載の発明を,上記横桟及び縦桟を,薄肉のアルミ押出材による成型外皮と,該成型外皮に充填した合成樹脂材とにより中実に形成するとともに起立フイン及び接合条を該横桟及び縦桟に一体成型したアルミ押出材により形成し且つ上記接合条を薄肉に形成してなることを特徴とする請求項1に記載の桟組体の桟接合装置としたものである。
【0007】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下実施例を示す図面に従って本発明を更に説明すれば,Aはフェンス用とした桟組体,1はその上下の横桟,2はこれら上下の横桟1間に配設した多数の縦桟であり,本例にあって横桟1及び縦桟2は,アルミ薄板のフォーミング材による成型外皮3と,該成型外皮3に充填した合成樹脂材4とにより中実に形成し,横桟1は起立フイン5を,縦桟2はその両側に一対の接合条9を備えたものとし,該起立フイン5及び接合条9は,これを上記横桟1及び縦桟2に一体にして上記アルミ薄板折曲重合のフォーミング材により形成したものとしてある。
【0009】
即ち本例の横桟1は,例えば0.5mm厚の,縦桟2は,例えば0.15mm厚のアルミ合金のアルミ薄板にロールフォーミングによるフォーミング加工を施すことによってロールフォーミング成型の成型外皮3を形成するとともにロールフォーミングの最終段階のアルミ薄板の折曲接合直前に該折曲接合部位の未接合開口からノズルを挿入して,例えばウレタン発泡樹脂による発泡性の合成樹脂材4を注入して成型外皮3内で発泡充填することによって,これを成型外皮3に接着硬化した横桟1,縦桟2における強度要素の芯体としたものとしてある。
【0010】
このとき横桟1は,その上下面一方の対向面中央を上記折曲接合部位として成型外皮3のロールフォーミングを行ってあり,該折曲接合部位において1mm厚の上記起立フイン5を,縦桟2は,その両側面一方の側面中央を同じく上記折曲接合部位として成型外皮3のロールフォーミングを行ってあり,該折曲接合部位及びこれに対応する他方側面中央にそれぞれ上記接合条9を,これら成型外皮3と一体にロールフォーミングによって形成してあり,上記起立フイン5は,アルミ薄板の一側端を上下方向にハゼ折り状に起立突設する一方,その先端を,アルミ薄板他側端を成型外皮3内でレ字状に折曲することによって設置した係止部に対して弾発的に係止することにより長手方向全長に起立形成し,また上記接合条9は,一方の側面においてアルミ薄板の両側端を左右方向に同じくハゼ折り状にして,上記起立フイン5の肉厚に相応した1mm間隔にして各0.3mm厚の前後突条10を形成するとともに,一側端の先端を,他側端を成型外皮3内で同じくレ字状に折曲することによって設置した係止部に対して弾発的に係止することによって前後突条10間に1mm幅の嵌入溝11を有するコ字状乃至これに近似形状の接合条9を長手方向全長に突出形成するとともに他方の側面に一連にして同形状の接合条9をロールフォーミングによって同じく長手方向に突出形成したものとしてある。
【0011】
このように形成した横桟1と縦桟2の桟接合は,横桟1の起立フイン5をその起立幅の全長に亘るように平行の細溝状に切欠加工して配設した一対の縦スリット6と,該一対の縦スリット6に上記起立フイン5の切欠側縁部を前後突条10によって被嵌した縦桟2の長手方向全長にして両側一対の接合条9と,上記起立フイン5の切欠側縁部と接合条9の両側でその前後突条10をプレス圧によって接合したプレス変形部12とを備え且つ上記縦桟2の長手方向端縁を横桟1に突き当てることによって縦桟2の転びを防止するとともに上記プレス変形部12を起立フィン5の起立幅内位置で前後に凹凸変形した上下方向の凹凸波形接合面として行なったものとしてある。
【0012】
本例にあって縦スリット6は,縦桟2の配設位置毎に,中間に起立フイン5を残存した起立フイン5による起立フイン舌片7を区画形成するように垂直平行にして長手方向に同幅の細溝による垂直スリットによるものとしてあり,該一対の縦スリット6に対する接合条9の挿入は,縦桟1の長手方向端部において,例えば振動カッターによって上記合成樹脂材4を除去して配設した挿入スリット8に上記起立フイン舌片7を受入れるとともに一対の縦スリット6に接合条9,特にその前後突条10間を仕切る仕切壁たる縦桟側壁部位を受入れるようにして行うものとし,これにより起立フイン5の縁部を嵌入溝11に嵌入して,接合条9の前後突条10がそれぞれ起立フイン5の縦スリット6側,即ち切欠側の縁部をその全長に亘って受入れて,これを被嵌するものとしてある。
【0013】
更にプレス成型部12は,図示省略のプレス装置を用いて,上記被嵌状態で上下方向波状矩形のプレス圧を前後方向に加えて,起立フイン5の切欠側縁部と接合条9の前後突条10を,前後方向部分的に密着同時変形により重合一体化することによって上下方向波状の上記凹凸波形接合面としてあり,このとき該接合面の接合は,波径を半径1.9mm,ピッチを6mmとして,接合条の厚さ1.6mmに対して前後の変形幅を2.2mmとなるように,前後に食い込み状とすることによって行ったものとしてある。
【0014】
本例の桟組体Aにあって,起立フイン5の縦スリット6切欠加工は,平行の細溝状にして比較的単純形状であり,またそのプレス成型部12位置は,起立フイン5の起立幅内であればよく,プレス位置の精密性を特に必要としないので生産が容易であるとともに,縦桟2は,それぞれ上下の横桟1間に,その長手方向端縁を突当てることによってその転びを防止し,プレス成形部12を,起立フイン5の起立幅全長に亘って接合条9を被嵌して,前後に凹凸変形した上下方向の凹凸波形接合面としたことによって引抜き力や捩れ力に対して強度を呈するようにして,外力に対して充分な接合強度を確保して,強固且つ確実な接合を行なって,上記アルミ薄板のフォーミング材を用い乍らも充填した合成樹脂材を強度要素とした横桟1,縦桟2の桟強度と相俟って,桟組体Aの強度を充分に確保したものとすることができる。
【0015】
図示した例は以上のとおりとしたが,上記横桟及び縦桟を,薄肉のアルミ押出材による成型外皮と,該成型外皮に充填した合成樹脂材とにより中実に形成するとともに起立フイン及び接合条を該横桟及び縦桟に一体成型したアルミ押出材により形成し且つ上記接合条を薄肉に形成したものとすることができ,この場合も,上記アルミ薄板のフォーミング材を用いた場合と同様に充分な桟強度と接合強度を備えたものとできるとともに薄肉の接合条を用いることによりプレス成型部の成型接合を馴染みよく容易にして確実に行う好適なものとすることができる。
【0016】
上記を含めて,本発明の実施に当って,その具体的形態は,上記発明の要旨に反しない限り様々に変更することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上のとおりに構成したので,起立フインの縦スリット切欠加工が,平行の細溝状にして比較的単純形状であり,またそのプレス成型部の位置は,起立フインの起立幅内であればよく,プレス位置の精密性を特に必要としないので生産が容易であるとともに,縦桟は横桟に対して,その長手方向端縁を突当てることによってその転びを防止し,プレス成形部を,上記起立フインの起立幅全長に亘って接合条を被嵌して,前後に凹凸変形した上下方向の凹凸波形接合面としたことによって引抜き力や捩れ力に対して強度を呈するようにして,外力に対して充分な接合強度をして,強固且つ確実な接合をなし得る桟組体の桟接合装置を提供することができる。
【0018】
請求項2及び3に記載の発明は,それぞれ合成樹脂材を強度要素として桟強度を確保した横桟及び縦桟とするとともに起立フィン及び接合条を上記上下方向の凹凸波形接合面とするに馴染みが良く,その接合を容易且つ確実に行なうに好適なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 桟組体の部分正面図である。
【図2】 横桟と縦桟との配置状態を示す分解斜視図である。
【図3】 横桟と縦桟との配置状態を示す部分正面図である。
【図4】 横桟と縦桟の接合状態を示す横断面図である。
【図5】 横桟と縦桟の接合状態を示す縦断面図である。
【図6】 プレス成型部を示す拡大縦断面図である。
【符号の説明】
A 桟組体
1 横桟
2 縦桟
3 成型外皮
4 合成樹脂材
5 起立フイン
6 縦スリット
7 起立フイン舌片
8 挿入スリット
9 接合条
10 突条
11 嵌入溝
12 プレス成型部

Claims (3)

  1. 横桟の起立フインをその起立幅の全長に亘るように平行の細溝状に切欠加工して配設した一対の縦スリットと,該一対の縦スリットに上記起立フインの切欠側縁部を前後突条によって被嵌した縦桟の長手方向全長にして両側一対の接合条と,上記起立フインの切欠側縁部と接合条の両側でその前後突条をプレス圧によって接合したプレス変形部とを備え且つ上記縦桟の長手方向端縁を横桟に突き当てることによって縦桟の転びを防止するとともに上記プレス変形部を起立フィンの起立幅内位置で前後に凹凸変形した上下方向の凹凸波形接合面としてなることを特徴とする桟組体の桟接合装置。
  2. 上記横桟及び縦桟を,アルミ薄板のフォーミング材による成型外皮と,該成型外皮に充填した合成樹脂材とにより中実に形成するとともに起立フイン及び接合条を該横桟及び縦桟に一体にして上記アルミ薄板折曲重合のフォーミング材により形成してなることを特徴とする請求項1に記載の桟組体の桟接合装置。
  3. 上記横桟及び縦桟を,薄肉のアルミ押出材による成型外皮と,該成型外皮に充填した合成樹脂材とにより中実に形成するとともに起立フイン及び接合条を該横桟及び縦桟に一体成型したアルミ押出材により形成し且つ上記接合条を薄肉に形成してなることを特徴とする請求項1に記載の桟組体の桟接合装置。
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