JP3678378B2 - 異常陰影候補の検出方法および装置 - Google Patents

異常陰影候補の検出方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放射線画像における腫瘤陰影に代表される異常陰影候補の検出方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の画像取得方法により得られた画像を表す画像信号に対して、階調処理や周波数処理等の画像処理を施し、画像の観察読影性能を向上させることが行われている。特に人体を被写体とした放射線画像のような医用画像の分野においては、医師等の専門家が、得られた画像に基づいて患者の疾病や傷害の有無を的確に診断する必要があり、その画像の読影性能を向上させる画像処理は不可欠なものとなっている。
【0003】
このような画像処理においては、その画像全体を処理の対象とする場合もあるが、検査や診断の目的がある程度明確な場合は、その目的に適した所望の画像部分だけを選択的に強調処理することもある。
【0004】
通常、そのような画像部分の選択は、画像処理が施される以前の原画像を観察読影者が観て、必要に応じて手動で行うものであるが、選択される対象画像部分や指定される範囲は観察者の経験や画像読影能力の高低によって左右され客観的なものとならない虞がある。
【0005】
例えば乳癌の検査を目的として撮影された放射線画像においては、その放射線画像から癌化部分の特徴の一つである腫瘤陰影を抽出することが必要であるが、必ずしも的確にその腫瘤陰影の範囲を指定できるとは限らない。このため、観察者の技量に依存せずに、腫瘤陰影を始めとする異常陰影を的確に検出することが求められている。
【0006】
この要望に応えるため、計算機処理を用いて異常陰影候補を自動的に検出するようにした計算機支援画像診断(CADM;Computer Aided Diagnosis of Medical images)の研究が最近進んでいる。このCADM技術の一つとしてアイリスフィルター処理が提案されている(小畑他「DR画像における腫瘤影検出(アイリスフィルタ)」電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.3 P663〜670 1992年3月参照)。このアイリスフィルター処理は、特に乳癌における特徴的形態の一つである腫瘤陰影を検出するのに有効な手法として研究されているが、対象画像としては、このようなマンモグラムにおける腫瘤陰影に限るものではなく、その画像を表す画像信号(濃度等)の勾配が集中しているものについては、いかなる画像部分に対しても適用することができる。
【0007】
以下、腫瘤陰影の検出処理を例にして、このアイリスフィルターによる腫瘤陰影候補の検出処理の概要について説明する。
【0008】
例えばX線フイルム上における放射線画像(高濃度高信号レベルの画像信号で表される画像)においては、腫瘤陰影は周囲の画像部分に比べて濃度値がわずかに低いことが知られており、その濃度値の分布は概略円形の周縁部から中心部に向かうにしたがって濃度値が低くなるという濃度値の勾配を有している。したがって腫瘤陰影においては、局所的な濃度値の勾配が認められ、その勾配線は腫瘤の中心方向に集中する。
【0009】
アイリスフィルターは、この濃度値に代表される画像信号の勾配を勾配ベクトルとして算出し、その勾配ベクトルの集中度を出力するものであり、アイリスフィルター処理とはこの勾配ベクトルの集中度を基に腫瘤陰影を検出するものである。
【0010】
すなわち例えば図5(1)に示すようなマンモグラムにおいて腫瘤陰影P1 内の任意の画素における勾配ベクトルは同図(2)に示すように腫瘤陰影の中心付近を向くが、血管陰影や乳腺等のように細長い陰影P2 では同図(3)に示すように勾配ベクトルが特定の点に集中することはないため、局所的に勾配ベクトルの向きの分布を評価し、特定の点に集中している領域を抽出すれば、それが腫瘤陰影となる。なお、同図(4)に示すような乳腺等の細長い陰影同士が交差した陰影P3 については勾配ベクトルが特定の点に集中する傾向があり疑似異常陰影となりうる。
【0011】
以上がアイリスフィルター処理の基本的な考え方である。以下に具体的なアルゴリズムのステップを示す。
【0012】
(ステップ1)勾配ベクトルの計算
対象となる画像を構成する全ての画素について、各画素jごとに、下記式(1)に示す計算式に基づいた画像データの勾配ベクトルの向きθを求める。
【0013】
【数1】
Figure 0003678378
【0014】
ここでf1 〜f16は、図6に示すように、その画素jを中心とした例えば縦5画素×横5画素の大きさのマスクの外周上の画素に対応した画素値(画像データ)である。
【0015】
(ステップ2)勾配ベクトルの集中度の算出
次に、対象となる画像を構成する全ての画素について、各画素ごとに、その画素を注目画素とする勾配ベクトルの集中度Cを次式(2)にしたがって算出する。
【0016】
【数2】
Figure 0003678378
【0017】
ここでNは注目画素を中心に半径Rの円内に存在する画素の数、θj は、注目画素とその円内の各画素jとを結ぶ直線と、その各画素jにおける上記式(1)で算出された勾配ベクトルとがなす角である(図7参照)。したがって上記式(2)で表される集中度Cが大きな値となるのは、各画素jの勾配ベクトルの向きが注目画素に集中する場合である。
【0018】
ところで、腫瘤陰影近傍の各画素jの勾配ベクトルは、腫瘤陰影のコントラストの大小に拘らず、略その腫瘤陰影の中心部を向くため、上記集中度Cが大きな値を採る注目画素は、腫瘤陰影の中心部の画素ということができる。一方、血管などの線状パターンの陰影は勾配ベクトルの向きが一定方向に偏るため集中度Cの値は小さい。したがって、画像を構成する全ての画素についてそれぞれ注目画素に対する上記集中度Cの値を算出し、その集中度Cの値が予め設定された閾値を上回るか否かを評価することによって、腫瘤陰影を検出することができる。すなわち、このフィルターは通常の差分フィルターに比べて、血管や乳腺等の影響を受けにくく、腫瘤陰影を効率よく検出できるという特長を有している。
【0019】
さらに実際の処理においては、腫瘤の大きさや形状に左右されない検出力を達成するために、フィルターの大きさと形状とを適応的に変化させる工夫がなされる。図8に、そのフィルターを示す。このフィルターは、図7に示すものと異なり、注目画素を中心として2π/M度の角度間隔で隣接するM種類の方向(図8においては、11.25 度ごとの32方向を例示)の放射状の方向線上の画素のみで上記集中度の評価を行うものである。
【0020】
ここでi番目の方向線上にあって、かつ注目画素からn番目の画素の座標([x],[y])は、注目画素の座標を(k,l)とすれば、以下の式(3),(4)で与えられる。
【0021】
【数3】
Figure 0003678378
【0022】
ただし、[x],[y]は、x,yを越えない最大の整数である。
【0023】
さらに、その放射状の方向線上の各方向線ごとに最大の集中度が得られる画素までの出力値をその方向についての集中度Cimaxとし、その集中度Cimaxをすべての方向線について平均し、この平均値を注目画素についての勾配ベクトル群の集中度Cとする。
【0024】
具体的には、まずi番目の放射状の線上において注目画素からn番目の画素までで得られる集中度Ci (n)を下記式(5)により求める。
【0025】
【数4】
Figure 0003678378
【0026】
すなわち式(5)は、始点を注目画素、終点をRmin からRmax までの範囲内で変化させて、集中度Ci (n)を算出するものである。
【0027】
ここでRmin とRmax とは、抽出しようとする腫瘤陰影の半径の最小値と最大値である。
【0028】
次に、勾配ベクトル群の集中度Cを下記式(6)および(7)により計算する。
【0029】
【数5】
Figure 0003678378
【0030】
ここで式(6)のCimaxは、式(5)で得られた放射状の方向線ごとの集中度Ci (n)の最大値であるから、注目画素からその集中度Ci (n)が最大値となる画素までの領域が、その方向線の方向における腫瘤陰影の候補領域となる。
【0031】
そしてすべての放射状の方向線について式(6)の計算をしてその各方向線上における腫瘤陰影の領域の輪郭(辺縁点)を求め、この各方向線上における腫瘤陰影の領域の隣接する辺縁点を、直線または非線形曲線で結ぶことにより、腫瘤陰影の候補となり得る領域の輪郭を特定することができる。
【0032】
そして、式(7)では、この領域内の式(6)で与えられた集中度の最大値Cimaxを放射状の線の全方向(式(7)では32方向の場合を例示)について平均した値を求める。この求められた値がアイリスフィルター処理の出力値Iであり、この出力値Iを、腫瘤陰影であるか否かを判別するのに適した予め設定した一定の閾値Tと比較し、I≧Tであればこの注目画素を中心とする領域が異常陰影候補(腫瘤陰影候補)であり、I<Tであれば腫瘤陰影候補ではない、と判定する。
【0033】
これを図示すると、例えば図9(1)に示すようなマンモP0 を被写体とした放射線画像(フイルムに記録されたネガ画像)Pについてアイリスフィルター処理を施すと、同図(2),(3)に示すように、腫瘤陰影P1 の出力値はI1 となり、この出力値I1 が閾値Tで切り取られた断面形状Aを腫瘤陰影候補の領域として検出していることになる。
【0034】
なお、式(7)の勾配ベクトル群の集中度Cを評価する領域が勾配ベクトルの分布に応じて大きさと形状が適応的に変化する様子が、外界の明るさに応じて拡大、縮小する人間の目の虹彩(iris)が様子に似ていることから、勾配ベクトルの集中度を利用した腫瘤陰影の候補領域を検出する上述の手法はアイリスフィルター(iris filter )処理と称されている。
【0035】
なお、前述の集中度Ci (n)の計算は式(5)の代わりに、下記式(5′)を用いてもよい。
【0036】
【数6】
Figure 0003678378
【0037】
すなわち式(5′)は、抽出しようとする腫瘤陰影の半径の最小値Rmin に対応した画素を始点として、終点をRmin からRmax までとした範囲内で集中度Ci (n)を算出するものである。
【0038】
上述のステップにより、アイリスフィルターは放射線画像から所望とする大きさの腫瘤陰影だけを効果的に検出することができ、特にマンモグラムにおける癌化部分の検出を主目的として研究されている。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述したアイリスフィルター処理の出力値Iは常に図9(2)に示したような1つのピークを持つ山型の分布となるとは限らない。
【0040】
すなわち、放射線画像に例えば図3(1)に示すような2つの濃度極小部を持つ濃度分布の異常陰影P1 が記録されている場合は、この画像のアイリスフィルター処理出力値は2つのピーク(極大部)を有する山型の分布I2 を持つものとなる(同図(2))。この場合、アイリスフィルター処理の出力値の分布の裾野の部分を切り取るような大きさに設定された閾値T1によって判定処理する場合(同図(3))は、その切断面の形状は1つの領域Aとして抽出することができるが、分布の頂部付近を切り取るような大きさに設定された閾値T2によって判定処理する場合(同図(4))は、その切断面の形状は2つの領域A1,A2として抽出されることになる。
【0041】
そして同図(4)に示す2つの領域として抽出された異常陰影候補について強調処理を施せば、同図(3)に示す本来の領域の形状(輪郭)とは全く異なる印象を与える画像が形成されることになり、診断支援の観点から好ましくない。
【0042】
そこで上記閾値Tを上記分布の裾野の部分を切り取るような大きさに設定すればよいが、閾値を小さく設定すれば、同図(3)に示すように腫瘤陰影ではない多くの疑似的な陰影の領域Bまで検出されることになり、医師等の画像読影者に腫瘤陰影か疑似的な陰影かの無駄な判断労力を強いることになり、好ましくない。また、上記のような特殊な形状の陰影に合わせて閾値を常に予め適切に設定することは実際上不可能である。
【0043】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、特殊な濃度分布を有する形状の異常陰影候補についても、その輪郭形状を適切に検出することを可能にした異常陰影候補の検出方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0044】
【課題を解決するための手段】
本発明の異常陰影候補の検出方法および装置は、アイリスフィルター処理の出力値Iを閾値処理して得られた異常陰影候補の領域について、その領域の重心を注目画素としたときの、アイリスフィルター処理における各方向線ごとの濃度勾配ベクトルの集中度の平均値が最大値を採る画素を、異常陰影候補領域の各方向線上における辺縁点とし、この各方向線上の辺縁点を直線または非線形の曲線で連結することにより、異常陰影候補領域の辺縁(輪郭)を適切に求めるものである。
【0045】
すなわち本発明の第1の異常陰影候補の検出方法は、
(1)被写体の放射線画像を表す画像データの全画素について、該画像データに基づく各画素ごとの勾配ベクトルを算出し、
(2)前記全画素のうち任意の注目画素を設定し、
(3)該注目画素を中心とする、所定の角度間隔で隣接する複数(i本)の放射状の方向線を前記画像上に設定し、
(4)該各方向線ごとに、前記注目画素から検出しようとする異常陰影候補の最大の大きさに応じた距離(Rmax)の範囲内にある、該方向線上の各画素について、各画素の勾配ベクトルと該方向線の延びる方向とのなす角度θilに基づく指標値cos θilをそれぞれ求め、
(5)始点を注目画素、終点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに応じた距離(Rmin)から最大の大きさに応じた距離まで変化させて、該始点から該終点の範囲内にある前記方向線上の各画素の前記指標値cos θilの平均値を、各方向線ごとに求め、
(6)前記方向線ごとの前記終点を変化させて求めた前記指標値cos θilの平均値のうち最大値Cimax(式(6))を求め、
(7)前記方向線ごとの前記最大値を前記複数の方向線のすべてについて総和して前記注目画素についての前記勾配ベクトル群の集中度の値を算出し、
(8)前記(7)で求めた勾配ベクトル群の集中度の値と予め設定された閾値とを比較し、
(9)前記勾配ベクトル群の集中度の値が前記閾値以上であるときは、前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在すると判定し、前記閾値未満であるときは前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在しないと判定し、
(10)前記注目画素を全画素について順次代えて前記(3)から(9)の操作を繰り返して、各画素が異常陰影候補の領域内に存在するか否かを判定し、
(11)前記異常陰影候補の領域内に存在すると判定された画素によって構成される該領域の重心を求め、
(12)該重心に対応する画素を前記注目画素としたときの、前記(6)における前記各方向線ごとの前記指標値cos θilの平均値が最大値を採る前記終点に対応した画素をそれぞれ特定し、
(13)該特定された各方向線上における前記終点に対応した画素を、該方向線の延びる方向における前記異常陰影候補の辺縁点として設定し、
(14)該各方向線上の前記辺縁点について互いに隣接する辺縁点を所定の線で連結し、該連結した所定の線で囲まれた範囲を、前記異常陰影候補として抽出することを特徴とするものである。
【0046】
ここで上記(7)において総和を求めるのに代えて平均値を算出するようにしてもよく、上記(8)においてこの平均値と閾値との比較処理を行なうようにしてもよい。
【0047】
また、上記(14)における辺縁点の連結方法としては、単に直線で連結する方法や非線形曲線で連結する方法のみならず、初期形状を有し所定の変形の傾向にしたがって変形を繰り返す動的曲線が該変形を繰り返して収束することにより離散的に設定された辺縁点を滑らかに連結する動的輪郭抽出方法を適用することができる。
【0048】
動的輪郭抽出方法は、抽出する輪郭のモデルとして、所定の変形の傾向にしたがって変形を繰り返す曲線(以下、これを「動的曲線」という)を仮定して、その輪郭のモデルが対象の輪郭に近づくように、すなわち動的曲線が変形を繰り返して最終的にその対象の輪郭に収束するように変形の傾向を定めることにより、対象の輪郭を抽出するものである。
【0049】
この動的輪郭抽出方法としてよく知られているものの1つとしてSNAKES(スネークス)モデルがある。SNAKESモデルは動的曲線のエネルギーを定義することにより、その曲線の状態を定量的に評価して変形の傾向を定めようとするものであり、このエネルギーは、動的曲線が対象の輪郭に一致した場合に最小となるように定義され、これにより、動的曲線の持つエネルギーが最小となる安定状態を見つけることによって対象の輪郭を抽出することが可能となる。この際、輪郭抽出処理の速度および正確さは、変形の傾向の定め方に依存する(M.Kass, A.Witkin, D.Terzopoulos; "SNAKES: ACTIVE CONTOUR MODELS" International Journal of Computer Vision, Vol.1, No.4, pp.321-331, 1988)。
【0050】
上記辺縁点の連結方法として、動的輪郭抽出方法の1つであるSNAKESモデルを適用した場合、上記各方向線上の辺縁点を滑らかに連結することができ、実際の異常陰影候補の輪郭を精度よく抽出することができる。
【0051】
なお、上記本発明の第1の異常陰影候補の検出方法はステップ(4)、(5)において、始点を注目画素としているのに対し、以下に掲げる本発明の第2の異常陰影候補の検出方法はステップ(4)、(5)において、始点を、検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離にある画素とした点以外は本発明の第1の異常陰影候補の検出方法と同様である。すなわち、本発明の第2の異常陰影候補の検出方法は、
(1)被写体の放射線画像を表す画像データの全画素について、該画像データに基づく各画素ごとの勾配ベクトルを算出し、
(2)前記全画素のうち任意の注目画素を設定し、
(3)該注目画素を中心とする、所定の角度間隔で隣接する複数の放射状の方向線を前記画像上に設定し、
(4)該各方向線ごとに、前記注目画素を中心とする検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離から最大の大きさに応じた距離の範囲内にある、該方向線上の各画素について、各画素の勾配ベクトルと該方向線の延びる方向とのなす角度θilに基づく指標値cos θilをそれぞれ求め、
(5)始点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離にある画素、終点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離から最大の大きさに応じた距離まで変化させて、該始点から該終点の範囲内にある前記方向線上の各画素の前記指標値cos θilの平均値を、各方向線ごとに求め、
(6)前記方向線ごとの前記終点を変化させて求めた前記指標値cos θilの平均値のうち最大値を求め、
(7)前記方向線ごとの前記最大値を前記複数の方向線のすべてについて総和して(または平均して)前記注目画素についての前記勾配ベクトル群の集中度の値を算出し、
(8)前記(7)で求めた勾配ベクトル群の集中度の値と予め設定された閾値とを比較し、
(9)前記勾配ベクトル群の集中度の値が、前記閾値以上であるときは、前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在すると判定し、前記閾値未満であるときは前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在しないと判定し、
(10)前記注目画素を全画素について順次代えて前記(3)から(9)の操作を繰り返して、各画素が異常陰影候補の領域内に存在するか否かを判定し、
(11)前記異常陰影候補の領域内に存在すると判定された画素によって構成される該領域の重心を求め、
(12)該重心に対応する画素を前記注目画素としたときの、前記(6)における前記各方向線ごとの前記指標値cos θilの平均値が最大値を採る前記終点に対応した画素をそれぞれ特定し、
(13)該特定された各方向線上における前記終点に対応した画素を、該方向線の延びる方向における前記異常陰影候補の辺縁点として設定し、
(14)該各方向線上の前記辺縁点について互いに隣接する辺縁点を所定の線で連結し、該連結した所定の線で囲まれた範囲を、前記異常陰影候補として抽出することを特徴とするものである。
【0052】
この異常陰影候補の検出方法においても、上記(14)における辺縁点の連結方法として、単に直線で連結する方法や非線形曲線で連結する方法のみならず、初期形状を有し所定の変形の傾向にしたがって変形を繰り返す動的曲線が該変形を繰り返して収束することにより行なうSNAKESモデル等の動的輪郭抽出方法を適用することができる。
【0053】
本発明の第1の異常陰影候補の検出装置は、
被写体の放射線画像を表す画像データの全画素について、該画像データに基づく各画素ごとの勾配ベクトルを算出する勾配ベクトル算出手段と、
前記全画素のうち1つを順次、注目画素として設定する注目画素設定手段と、
検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさと最大の大きさを設定する検出サイズ設定手段と、
該設定された注目画素を中心として、所定の角度間隔で隣接する複数の放射状の方向線を前記画像上に設定する方向線設定手段と、
該各方向線ごとに、前記注目画素から前記設定された異常陰影候補の最大の大きさに応じた距離の範囲内にある、該方向線上の各画素について、各画素の勾配ベクトルと該方向線の延びる方向とのなす角度θilに基づく指標値cos θilをそれぞれ求める指標値算出手段と、
始点を注目画素、終点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに応じた距離から最大の大きさに応じた距離まで変化させて、該始点から該終点の範囲内にある前記方向線上の各画素の前記指標値cos θilの平均値を、各方向線ごとに求めるとともに、該平均値のうち最大値を抽出する最大値算出手段と、
該方向線ごとに抽出された前記最大値を前記複数の方向線のすべてについて総和して前記注目画素についての前記勾配ベクトル群の集中度の値を算出する集中度算出手段と、
予め設定された閾値と前記集中度算出手段により算出された集中度の値とを比較し、該比較の結果、前記勾配ベクトル群の集中度の値が、前記閾値以上であるときは、前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在すると判定し、前記閾値未満であるときは前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在しないと判定する比較判定手段と、
前記異常陰影候補の領域内に存在すると判定された画素によって構成される該領域の重心を求める重心算出手段と、
該求められた重心に対応する画素を前記注目画素としたときの、前記最大値算出手段により抽出された最大値を採る前記終点に対応した画素を、前記方向線ごとにそれぞれ特定し、該特定された各方向線上における終点に対応した画素を該方向線の延びる方向における前記異常陰影候補の辺縁点として設定する辺縁点設定手段と、
前記各方向線上の前記辺縁点について互いに隣接する辺縁点を所定の線で連結し、該連結した所定の線で囲まれた範囲を、前記異常陰影候補として抽出する輪郭抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0054】
この異常陰影候補の検出装置において、上記輪郭抽出手段としては、各辺縁点を直線で連結することによるものや非線形曲線で連結することによるものなどの他、初期形状を有し所定の変形の傾向にしたがって変形を繰り返す動的曲線が該変形を繰り返して収束することにより離散的に設定された辺縁点を滑らかに連結する上記SNAKESモデル等の動的輪郭抽出手段を適用することができる。以下の発明においても同様である。
【0055】
本発明の第2の異常陰影候補の検出装置は、上記指標値算出手段および最大値算出手段が相違する以外は上記本発明の第1の異常陰影候補の検出装置と同様の構成である。
【0056】
すなわち本発明の第2の異常陰影候補の検出装置は、
被写体の放射線画像を表す画像データの全画素について、該画像データに基づく各画素ごとの勾配ベクトルを算出する勾配ベクトル算出手段と、
前記全画素のうち1つを順次、注目画素として設定する注目画素設定手段と、
検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさと最大の大きさを設定する検出サイズ設定手段と、
該設定された注目画素を中心として、所定の角度間隔で隣接する複数の放射状の方向線を前記画像上に設定する方向線設定手段と、
該各方向線ごとに、前記注目画素を中心とする検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離から最大の大きさに応じた距離の範囲内にある、該方向線上の各画素について、各画素の勾配ベクトルと該方向線の延びる方向とのなす角度θilに基づく指標値cos θilをそれぞれ求める指標値算出手段と、
始点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離にある画素、終点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離から最大の大きさに応じた距離まで変化させて、該始点から該終点の範囲内にある前記方向線上の各画素の前記指標値cos θilの平均値を、各方向線ごとに求めるとともに、該平均値のうち最大値を抽出する最大値算出手段と、
該方向線ごとに抽出された前記最大値を前記複数の方向線のすべてについて総和して前記注目画素についての前記勾配ベクトル群の集中度の値を算出する集中度算出手段と、
予め設定された閾値と前記集中度算出手段により算出された集中度の値とを比較し、該比較の結果、前記勾配ベクトル群の集中度の値が、前記閾値以上であるときは、前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在すると判定し、前記閾値未満であるときは前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在しないと判定する比較判定手段と、
前記異常陰影候補の領域内に存在すると判定された画素によって構成される該領域の重心を求める重心算出手段と、
該求められた重心に対応する画素を前記注目画素としたときの、前記最大値算出手段により抽出された最大値を採る前記終点に対応した画素を、前記方向線ごとにそれぞれ特定し、該特定された各方向線上における終点に対応した画素を該方向線の延びる方向における前記異常陰影候補の辺縁点として設定する辺縁点設定手段と、
前記各方向線上の前記辺縁点について互いに隣接する辺縁点を所定の線で連結し、該連結した所定の線で囲まれた範囲を、前記異常陰影候補として抽出する輪郭抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0057】
【発明の効果】
本発明の異常陰影候補の検出方法および装置によれば、アイリスフィルター処理の出力値を閾値処理して得られた異常陰影候補の領域について、その領域の重心を注目画素としたときの、アイリスフィルター処理における各方向線ごとの濃度勾配ベクトルの集中度の平均値が最大値を採る画素を、異常陰影候補領域の各方向線上における辺縁点とし、この各方向線上の辺縁点を直線または非線形の曲線で連結することにより、異常陰影候補領域の辺縁(輪郭)を適切に求めることができる。
【0058】
これは、異常陰影の領域内にある画素については、その領域内のいずれの画素が注目画素となった場合にも、アイリスフィルター処理における各方向線ごとの濃度勾配ベクトルの集中度の平均値が最大値を採る画素が異常陰影の辺縁に存在することを利用したものであり、上記アイリスフィルター処理の出力値を閾値処理して得られた異常陰影候補の領域が図3(4)に示すように2つの領域に分割されたものである場合にも、そのいずれかの領域内にある領域の重心に対応する画素を注目画素として、アイリスフィルター処理における各方向線ごとの濃度勾配ベクトルの集中度の平均値が最大値を採る画素を求めれば、その求められた画素が異常陰影の領域の正規の辺縁に対応する。
【0059】
したがってこのようにして各方向線ごとにそれぞれ得られた各辺縁点を、例えば前述した動的輪郭抽出方法により連結することによって、異常陰影候補の輪郭を設定して、異常陰影候補領域を精度よく検出することができる。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の異常陰影候補の検出装置の具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。
【0061】
図1は本発明の第1の異常陰影候補検出装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図、図2は図1に示した異常陰影候補検出装置を用いた計算機支援画像診断装置の一例を示すブロック図である。
【0062】
図示の計算機支援画像診断装置100 は、入力された画像信号(以下、全体画像信号という)Sを記憶する記憶手段30と、この記憶手段30に記憶された全体画像信号Sを読み出して、階調処理、周波数処理等の画像処理を施す全体画像処理手段40と、記憶手段30に記憶された全体画像信号Sを読み出して、この全体画像信号Sのうち異常陰影(腫瘤陰影)候補を表す画像信号(以下、局所画像信号という)を抽出する異常陰影候補検出装置10と、この抽出された局所画像信号に対して抽出した腫瘤陰影候補を強調処理する局所画像処理手段50と、全体画像処理手段40により画像処理された全体画像と局所画像処理手段50により画像処理された腫瘤陰影候補とを可視像として表示する表示手段60とを備えた構成である。
【0063】
ここで、計算機支援画像診断装置100 に入力される全体画像信号Sは、例えば図3(1)に示すような患者のマンモグラムを表す画像Pが蓄積記録してなる蓄積性蛍光体シートに、励起光を照射することにより発生せられた輝尽発光光を光電的に読み取り、その後にデジタル変換して得られた画像信号(高濃度高信号レベルの信号)である。またこの画像には、2つの極小部を含む濃度分布の腫瘤陰影P1 および乳腺の陰影P2 等が記録されている。
【0064】
表示手段60は、全体画像と腫瘤陰影とを表示面上に各別に表示してもよいが、本実施形態においては、全体画像を表示しつつこの全体画像のうち腫瘤陰影候補の画像部分だけは局所画像処理手段50により画像処理された腫瘤陰影候補の画像に置き換えて表示するものとする。
【0065】
異常陰影候補検出装置10は詳しくは図1に示すように、入力された画像データの全画素について、この画像データに基づく各画素ごとの濃度勾配ベクトルを算出する勾配ベクトル算出手段11と、全画素のうち1つを順次、注目画素として設定する注目画素設定手段14と、検出しようとする腫瘤陰影候補の最小の大きさ(半径Rmin)と最大の大きさ(半径Rmax)を設定する検出サイズ設定手段12と、注目画素設定手段14により設定された注目画素を中心として、所定の角度間隔(例えば11.25 度間隔)で隣接する複数(例えば32本)の放射状の方向線(図8参照)を設定する方向線設定手段13と、設定された各方向線ごとに、注目画素から腫瘤陰影候補の最大の大きさに応じた距離Rmaxの範囲内にある方向線上の各画素について、各画素の勾配ベクトルとこの方向線の延びる方向とのなす角度θil(32本の方向線のうち第i番目の方向線上における、注目画素から第l番目の画素の勾配ベクトルと、この第i番目の方向線の延びる方向とのなす角度を表す)に基づく指標値cos θilをそれぞれ求める指標値算出手段15と、注目画素を始点とし、終点を前記設定した腫瘤陰影候補の最小の大きさに応じた距離Rminから最大の大きさに応じた距離Rmaxまで変化させて、始点から終点の範囲内にある方向線上の各画素の指標値cos θilの平均値Ci(n)を、各方向線ごとに式(5)にしたがって求めるとともに、この平均値のうち最大値Cimax(式(6))を抽出する最大値算出手段16と、各方向線ごとに抽出された最大値Cimaxを32本の方向線のすべてについて加算平均((ΣCimax)/32)してこの注目画素についての勾配ベクトル群の集中度の値C(式(7))を算出する集中度算出手段17と、
【0066】
【数4】
Figure 0003678378
【0067】
【数5】
Figure 0003678378
【0068】
予め設定された閾値Tと上記集中度の値Cとを比較し、この比較の結果、集中度の値Cが閾値T以上であるときは、その注目画素が腫瘤陰影候補の領域内に存在すると判定し、集中度の値Cが閾値T未満であるときは、その注目画素が異常陰影候補の領域内に存在しないと判定する比較判定手段18と、注目画素設定手段14が注目画素を順次代えて全画素について判定を行なった結果として、腫瘤陰影候補の領域内に存在すると判定された画素によって構成される領域の重心を求める重心算出手段19と、求められた重心に対応する画素を注目画素としたときの、最大値算出手段16により抽出された最大値を採るときの終点に対応した画素を、方向線ごとにそれぞれ特定し、この特定された各方向線上における終点に対応した画素を、その方向線の延びる方向における腫瘤陰影候補の辺縁点として設定する辺縁点設定手段20と、各方向線上で設定された辺縁点について互いに隣接する辺縁点を動的輪郭抽出方法により所定の非線形曲線で連結し、この連結した所定の線で囲まれた範囲を、腫瘤陰影候補として抽出する輪郭抽出手段21とを備えた構成である。
【0069】
勾配ベクトル算出手段11は、詳しくは例えば図6に示した縦5画素×横5画素の大きさのマスクの最外周部の画素の画像データ(画素値)を用いて、式(1)にしたがって濃度勾配ベクトルの向きθを求める。
【0070】
【数1】
Figure 0003678378
【0071】
このマスクサイズは縦5画素×横5画素のもの限るものではなく、種々の大きさのものを用いることができる。
【0072】
検出サイズ設定手段12による検出しようとする腫瘤陰影候補の最小の大きさ(半径Rmin)と最大の大きさ(半径Rmax)の設定は、オペレーターがこの検出サイズ設定手段12に付属する図示しないキーボード等の入力手段から入力する方式であってもよいし、あるは入力される画像の種別に応じて、予め内部に記憶されたサイズの中から適切なものを自動的に選択することにより設定してもよい。
【0073】
方向線設定手段13が設定する方向線の数は、上記32本に限るものではないが、余りに多く設定すると計算処理に要する負担が急激に増大し、また少な過ぎれば腫瘤陰影候補の輪郭形状を精度よく検出することができないので、32本程度が好ましい。またこの方向線間の角度間隔は等間隔とするのが計算処理等において都合がよい。
【0074】
最大値算出手段16は、始点を注目画素とするのに代えて、設定した腫瘤陰影候補の最小の大きさに応じた距離Rminにおける画素を始点としてもよい。
【0075】
この場合、式(5)で表される、始点から終点の範囲内にある方向線上の各画素の指標値cos θilの平均値Ci(n)は、式(5′)で表されるものとなり、本発明の第2の異常陰影候補の検出装置の一実施形態となる。
【0076】
【数6】
Figure 0003678378
【0077】
比較判定手段18において比較対象となる閾値Tは、予め設定されたものであるが、この「予め」とは、「最終的な比較を行なうまでには」の意であり、本実施形態においても、幾つかのレベルの異なる閾値が準備されており、各レベルの閾値を試行的に適用して、検出される腫瘤陰影候補の数が7個乃至10個となるようなレベルの閾値を最終的に採用するものであり、この最終的に採用されたことをも含めた意味に用いる。
【0078】
輪郭抽出手段21による動的輪郭抽出方法としては、既述したSNAKESモデルを適用する。
【0079】
このSNAKESモデルは、動的曲線のエネルギーを定義することによりその曲線の状態を定量的に評価するものである。このエネルギーは、動的曲線が対象の輪郭に一致した場合に最も小さくなるように定義されるものであり、これにより、動的曲線の持つエネルギーが最小となる安定状態を見つけることによって対象の輪郭を抽出することが可能となる。またこのエネルギーは、動的曲線の状態に対応して定義される複数のエネルギーの総和として定義される。動的曲線の状態に対応して定義されるエネルギーとは、例えば、動的曲線自体の性質に基づいて定義されるエネルギーや、動的曲線が外部から受ける制約に基づいて定義されるエネルギーなどをいう。
【0080】
動的曲線の持つエネルギーEsnakesは、一般に、動的曲線上の点を動的曲線上の所定の点からの曲線に沿った距離に対応する媒介変数sを用いて
v(s) =(x(s),y(s))
のように表記するものとして、次のような式で記述される。
【0081】
【数7】
Figure 0003678378
【0082】
内部エネルギーEint は、動的曲線自体の性質を評価するものである。従来、この性質は「滑らかさ」として評価されており、内部エネルギーはスプラインエネルギーとも呼ばれている。内部エネルギーは、動的曲線が滑らかであるほど小さい値となるように規定されるものであるため、この内部エネルギーが小さくなるように変形を行えば、動的曲線はより滑らかになる。内部エネルギーは、次のような式で記述される。
【0083】
int ={wsp1 ×|vs (s) |2 +wsp2 ×|vss(s) |2 }/2
(但し、 vs (s) = dv(s)/ds,vss(s) = d2 v(s)/ds2 ,wsp1 ,wsp2 は各項の重みづけを表すパラメータである)
画像エネルギーEimage は動的曲線が画像から受ける影響を評価するものであり、従来から「濃度勾配」が利用されている。これは、輪郭付近は他の部分に比べて濃度勾配が急であることに着目したものである。画像エネルギーは、濃度勾配が急なところほど小さくなるように規定されており、これにより、動的曲線は変形とともに輪郭に引き寄せられることとなる。画像エネルギーは、次のような式で記述される。
【0084】
image =wgrad×{−grad2 I(x,y) }
(但し、 I(x,y) は (x(s),y(s))における画像濃度,wgradは重みづけを表すパラメータである)
外部エネルギーEext は、人の手により意図的に与えられる制約を評価するものであり、一般には各画像に特化したポテンシャル場などが用いられている。外部エネルギーは、上記2つのエネルギーと同様、エネルギーが小さくなるように動的曲線を変形すれば輪郭に近づくように規定されるものであるが、設計事項として任意に規定し得るものであり、汎用性を欠くため、外部エネルギーは無視する(Eext =0)ものとする。
【0085】
具体的には、設定された辺縁点に対して、求められた重心を中心とする半径Rmaxの円周上にn個のノード(node)を持つ初期SNAKESを定義し、収縮繰り返し処理により収束するまで収縮を行ない、収束したときのnodeを結び、この領域の内部に含まれる画素を抽出する。
【0086】
次に本実施形態の異常陰影候補の検出装置の作用について説明する。
【0087】
記憶手段20から異常陰影候補検出装置10に入力された全体画像信号Sは、まず勾配ベクトル算出手段11、注目画素設定手段14および輪郭抽出手段21に入力され、勾配ベクトル算出手段11は前述したように縦5画素×横5画素の大きさのマスクの最外周部の画素の画像データ(画素値)を用いて、全画素について濃度勾配ベクトルの向きθを求める。求められた濃度勾配ベクトルの向きθは指標値算出手段15に入力される。
【0088】
一方、注目画素設定手段14は、入力された画像データについて、その全画素のうち1つを順次注目画素として設定し、設定した注目画素を方向線設定手段13に入力する。方向線設定手段13は、注目画素を中心として例えば11.25 度の等間隔で隣接する32本の放射状の方向線を設定する。そしてこの設定された方向線は指標値算出手段15に入力される。
【0089】
また、検出サイズ設定手段12には、本異常陰影候補検出装置10により検出しようとする腫瘤陰影候補の大きさの最大値(半径としてRmax)と最小値(半径としてRmin)とがオペレータによって入力される。そしてこの入力された最大値Rmaxおよび最小値Rminも、指標値算出手段15に入力される。
【0090】
指標値算出手段15は、勾配ベクトル算出手段12から入力された勾配ベクトルの向きθが定義された、画像データと同じ2次元に配列された画素に、方向線設定手段13から入力された32本の方向線を重ねて、この32本の方向線にそれぞれ重なるなる画素を抽出する。
【0091】
さらに指標値算出手段15は、各方向線ごとに、注目画素から腫瘤陰影候補の最大の大きさに応じた距離Rmaxの範囲内にある方向線上の各画素について、各画素に定義された勾配ベクトル向きθとこの方向線の延びる方向とのなす角度θil(32本の方向線のうち第i番目の方向線上における、注目画素から第l(エル)番目の画素の勾配ベクトルと、この第i番目の方向線の延びる方向とのなす角度を表す)に基づく指標値cos θilをそれぞれ求める。
【0092】
この求められた各方向線上における各画素の指標値cos θilは最大値算出手段16に入力される。最大値算出手段16は、注目画素を始点とし、終点を腫瘤陰影候補の最小の大きさに応じた距離Rminから最大の大きさに応じた距離Rmaxまで変化させて、始点から終点の範囲内にある方向線上の各画素の指標値cos θilの平均値Ci(n)を、各方向線ごとに求めるとともに、この平均値Ci(n)の最大値Cimaxを抽出する。
【0093】
ここで、平均値Ci(n)が最大値Cimaxを採るのは、終点の画素が腫瘤陰影P1 の辺縁にある場合、すなわち、図3(2)に示したアイリスフィルター処理の出力値I1 (=C)の分布における出力の立上り部Gにある場合である。
【0094】
このように各方向線ごとに求められた最大値Cimaxは集中度算出手段17に入力される。集中度算出手段17は入力された各方向線ごとに求められた最大値Cimaxを加算平均して、その注目画素についての勾配ベクトル群の集中度の値Cを算出する。
【0095】
算出された勾配ベクトル群の集中度の値Cは比較判定手段18に入力される。
【0096】
以上の作用と同じ作用が、注目画素設定手段14が設定する注目画素を順次代えてなされ、入力された全ての画素についての上記集中度の値Cが比較判定手段18に入力される。
【0097】
比較判定手段18は、初期的に設定された閾値Tと上記画素ごとの集中度の値Cとを比較し、C≧Tであれば、その画素は腫瘤陰影候補の領域内に存在する画素であると判定し、C<Tであれば、その画素は腫瘤陰影候補の領域内に存在しない画素であると判定する。
【0098】
ここで初期的に設定された閾値Tは必ずしも適切な値に設定されているとは限らない。すなわち閾値Tが低過ぎれば、腫瘤陰影P1 の領域内ではなく、乳腺の陰影P2 の領域内(アイリスフィルター処理の出力値I2 )に存在しているにすぎない画素であっても、腫瘤陰影P1 の領域内に存在すると判定される場合もある。
【0099】
そこで比較判定手段18は、腫瘤陰影候補の領域内に存在する画素であると判定した画素によって構成される領域の数が7個乃至10個となるように、閾値を調整するようにしている。そしてこのように調整された後の閾値Tによって腫瘤陰影候補の領域内に存在する画素であると判定した画素によって構成される領域を重心算出手段19に入力する。
【0100】
ここで上記領域の数が7個乃至10個となるように設定された閾値が図3(4)に示すようにT2であった場合、腫瘤陰影P1 の集中度C(=I)のうち2つの頂部がそれぞれ閾値T2により各別に切り取られ、破線で示す本来の領域が2つの領域A1、A2の2つの領域として抽出される。
【0101】
そしてこのように検出された7個乃至10個の領域に対して重心算出手段19は、それらの各重心点を求める。例えば領域A1についてその重心a1を求め、領域A2についてその重心a2を求める。他の5個乃至8個の腫瘤陰影(異常陰影)候補領域についてもそれぞれ重心が求められる。
【0102】
求められた重心は辺縁点設定手段20に入力される。辺縁点設定手段20は入力された重心を注目画素としたときの、最大値算出手段16が求めた各方向線ごとの平均値Ci(n)が最大値Cimaxを採ったときの各方向線ごとの終点の画素を、最大値算出手段16から受ける。
【0103】
既述したように、各方向線ごとの平均値Ci(n)が最大値Cimaxを採ったときの各方向線ごとの終点の画素は、腫瘤陰影候補の辺縁を示すため、領域A1についてその重心a1を注目画素としたときの、各方向線ごとの平均値Ci(n)が最大値Cimaxを採ったときの各方向線ごとの終点の画素b1,b2,…,b32は腫瘤陰影P1 の本来の辺縁上に並び、また領域A2についてその重心a2を注目画素としたときの、各方向線ごとの平均値Ci(n)が最大値Cimaxを採ったときの各方向線ごとの終点の画素c1,c2,…,c32も腫瘤陰影P1 の本来の辺縁上に並ぶ(図3(5)参照)。
【0104】
このようにして各腫瘤陰影候補の辺縁上に並んだ画素(辺縁点)に対して、輪郭抽出手段21が図4(1)に示すように、求められた重心を中心とする半径Rmaxの円周上にn個のノード(node)を持つ初期SNAKESを定義し、同図(2)に示すように収縮繰り返し処理により、その動きが収束するまで収縮を行ない、収束したとき(同図(3))のnodeを結び、この連結した所定の線で囲まれた範囲を腫瘤陰影候補として抽出する。
【0105】
以上の作用により、閾値が適切に設定されていない場合であっても腫瘤陰影候補P1 の輪郭形状を精度よく検出することができる。
【0106】
このように異常陰影候補検出装置10により的確にその輪郭が抽出された腫瘤陰影候補を表す画像信号は局所画像処理手段50に入力され、腫瘤陰影を観察するのに最適な強調処理がなされて表示手段60に入力される。
【0107】
一方、全体画像処理手段40により階調処理、周波数処理等の、全体画像を観察するのに適した画像処理が施された全体画像信号も表示手段60に入力され、表示手段50は、全体画像を表示しつつこの全体画像のうち腫瘤陰影候補の画像部分だけは局所画像処理手段50により画像処理された腫瘤陰影候補の画像に置き換えて表示し、医師等の画像観察読影者による腫瘤陰影の診断に供される。
【0108】
なお、上述した実施形態においては、最大値算出手段16が始点として設定するのは注目画素であるが、この始点として注目画素に代えて、検出しようとする腫瘤陰影候補の最小の大きさに応じた距離Rminにおける画素としてもよく、このような作用をなす最大値算出手段16′を最大値算出手段16と代えた構成の異常陰影候補の検出装置10′は、本発明の第2の異常陰影候補の検出装置の一実施形態となる。この実施形態の他の構成、作用・効果は上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0109】
なお上記実施形態においては、対象画像をマンモグラムとしたものについて説明したが本発明の各異常陰影候補の検出方法および装置においては、対象画像はマンモグラムに限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の異常陰影候補検出装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図
【図2】図1に示した異常陰影候補検出装置を用いた計算機支援画像診断装置の一例を示すブロック図
【図3】図2に示した計算機支援画像診断装置に用いられる放射線画像を示す図
【図4】 SNAKESモデルを示す図
【図5】アイリスフィルター処理における濃度勾配の集中度の概念を示す図
【図6】アイリスフィルター処理における勾配ベクトルを算出するマスクを示す図
【図7】注目画素についての勾配ベクトルの集中度の概念を示す図
【図8】輪郭形状が適応的に変化するように設定されたアイリスフィルターを示す概念図
【図9】アイリスフィルター処理における閾値処理の概念を示す図
【符号の説明】
10 異常陰影候補の検出装置
11 勾配ベクトル算出手段
12 検出サイズ設定手段
13 方向線設定手段
14 注目画素設定手段
15 指標値算出手段
16 最大値算出手段
17 集中度算出手段
18 比較判定手段
19 重心算出手段
20 辺縁点設定手段
21 輪郭抽出手段

Claims (6)

  1. (1)被写体の放射線画像を表す画像データの全画素について、該画像データに基づく各画素ごとの勾配ベクトルを算出し、
    (2)前記全画素のうち任意の注目画素を設定し、
    (3)該注目画素を中心とする、所定の角度間隔で隣接する複数の放射状の方向線を前記画像上に設定し、
    (4)該各方向線ごとに、前記注目画素から検出しようとする異常陰影候補の最大の大きさに応じた距離の範囲内にある、該方向線上の各画素について、各画素の勾配ベクトルと該方向線の延びる方向とのなす角度θilに基づく指標値cos θilをそれぞれ求め、
    (5)始点を注目画素、終点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに応じた距離から最大の大きさに応じた距離まで変化させて、該始点から該終点の範囲内にある前記方向線上の各画素の前記指標値cos θilの平均値を、各方向線ごとに求め、
    (6)前記方向線ごとの前記終点を変化させて求めた前記指標値cos θilの平均値のうち最大値を求め、
    (7)前記方向線ごとの前記最大値を前記複数の方向線のすべてについて総和して前記注目画素についての前記勾配ベクトル群の集中度の値を算出し、
    (8)前記(7)で求めた勾配ベクトル群の集中度の値と予め設定された閾値とを比較し、
    (9)前記勾配ベクトル群の集中度の値が前記閾値以上であるときは、前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在すると判定し、前記閾値未満であるときは前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在しないと判定し、
    (10)前記注目画素を全画素について順次代えて前記(3)から(9)の操作を繰り返して、各画素が異常陰影候補の領域内に存在するか否かを判定し、
    (11)前記異常陰影候補の領域内に存在すると判定された画素によって構成される該領域の重心を求め、
    (12)該重心に対応する画素を前記注目画素としたときの、前記(6)における前記各方向線ごとの前記指標値cos θilの平均値が最大値を採る前記終点に対応した画素をそれぞれ特定し、
    (13)該特定された各方向線上における前記終点に対応した画素を、該方向線の延びる方向における前記異常陰影候補の辺縁点として設定し、
    (14)該各方向線上の前記辺縁点について互いに隣接する辺縁点を所定の線で連結し、該連結した所定の線で囲まれた範囲を、前記異常陰影候補として抽出することを特徴とする異常陰影候補の検出方法。
  2. (1)被写体の放射線画像を表す画像データの全画素について、該画像データに基づく各画素ごとの勾配ベクトルを算出し、
    (2)前記全画素のうち任意の注目画素を設定し、
    (3)該注目画素を中心とする、所定の角度間隔で隣接する複数の放射状の方向線を前記画像上に設定し、
    (4)該各方向線ごとに、前記注目画素を中心とする検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離から最大の大きさに応じた距離の範囲内にある、該方向線上の各画素について、各画素の勾配ベクトルと該方向線の延びる方向とのなす角度θilに基づく指標値cos θilをそれぞれ求め、
    (5)始点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離にある画素、終点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離から最大の大きさに応じた距離まで変化させて、該始点から該終点の範囲内にある前記方向線上の各画素の前記指標値cos θilの平均値を、各方向線ごとに求め、
    (6)前記方向線ごとの前記終点を変化させて求めた前記指標値cos θilの平均値のうち最大値を求め、
    (7)前記方向線ごとの前記最大値を前記複数の方向線のすべてについて総和して前記注目画素についての前記勾配ベクトル群の集中度の値を算出し、
    (8)前記(7)で求めた勾配ベクトル群の集中度の値と予め設定された閾値とを比較し、
    (9)前記勾配ベクトル群の集中度の値が、前記閾値以上であるときは、前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在すると判定し、前記閾値未満であるときは前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在しないと判定し、
    (10)前記注目画素を全画素について順次代えて前記(3)から(9)の操作を繰り返して、各画素が異常陰影候補の領域内に存在するか否かを判定し、
    (11)前記異常陰影候補の領域内に存在すると判定された画素によって構成される該領域の重心を求め、
    (12)該重心に対応する画素を前記注目画素としたときの、前記(6)における前記各方向線ごとの前記指標値cos θilの平均値が最大値を採る前記終点に対応した画素をそれぞれ特定し、
    (13)該特定された各方向線上における前記終点に対応した画素を、該方向線の延びる方向における前記異常陰影候補の辺縁点として設定し、
    (14)該各方向線上の前記辺縁点について互いに隣接する辺縁点を所定の線で連結し、該連結した所定の線で囲まれた範囲を、前記異常陰影候補として抽出することを特徴とする異常陰影候補の検出方法。
  3. 前記(14)における前記辺縁点の連結は、
    初期形状を有し所定の変形の傾向にしたがって変形を繰り返す動的曲線が該変形を繰り返して収束することにより行なうことを特徴とする請求項1または2記載の異常陰影候補の検出方法。
  4. 被写体の放射線画像を表す画像データの全画素について、該画像データに基づく各画素ごとの勾配ベクトルを算出する勾配ベクトル算出手段と、
    前記全画素のうち1つを順次、注目画素として設定する注目画素設定手段と、検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさと最大の大きさを設定する検出サイズ設定手段と、
    該設定された注目画素を中心として、所定の角度間隔で隣接する複数の放射状の方向線を前記画像上に設定する方向線設定手段と、
    該各方向線ごとに、前記注目画素から前記設定された異常陰影候補の最大の大きさに応じた距離の範囲内にある、該方向線上の各画素について、各画素の勾配ベクトルと該方向線の延びる方向とのなす角度θilに基づく指標値cos θilをそれぞれ求める指標値算出手段と、
    始点を注目画素、終点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに応じた距離から最大の大きさに応じた距離まで変化させて、該始点から該終点の範囲内にある前記方向線上の各画素の前記指標値cos θilの平均値を、各方向線ごとに求めるとともに、該平均値のうち最大値を抽出する最大値算出手段と、
    該方向線ごとに抽出された前記最大値を前記複数の方向線のすべてについて総和して前記注目画素についての前記勾配ベクトル群の集中度の値を算出する集中度算出手段と、
    予め設定された閾値と前記集中度算出手段により算出された集中度の値とを比較し、該比較の結果、前記勾配ベクトル群の集中度の値が、前記閾値以上であるときは、前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在すると判定し、前記閾値未満であるときは前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在しないと判定する比較判定手段と、
    前記異常陰影候補の領域内に存在すると判定された画素によって構成される該領域の重心を求める重心算出手段と、
    該求められた重心に対応する画素を前記注目画素としたときの、前記最大値算出手段により抽出された最大値を採る前記終点に対応した画素を、前記方向線ごとにそれぞれ特定し、該特定された各方向線上における終点に対応した画素を該方向線の延びる方向における前記異常陰影候補の辺縁点として設定する辺縁点設定手段と、
    前記各方向線上の前記辺縁点について互いに隣接する辺縁点を所定の線で連結し、該連結した所定の線で囲まれた範囲を、前記異常陰影候補として抽出する輪郭抽出手段とを備えたことを特徴とする異常陰影候補の検出装置。
  5. 被写体の放射線画像を表す画像データの全画素について、該画像データに基づく各画素ごとの勾配ベクトルを算出する勾配ベクトル算出手段と、
    前記全画素のうち1つを順次、注目画素として設定する注目画素設定手段と、検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさと最大の大きさを設定する検出サイズ設定手段と、
    該設定された注目画素を中心として、所定の角度間隔で隣接する複数の放射状の方向線を前記画像上に設定する方向線設定手段と、
    該各方向線ごとに、前記注目画素を中心とする検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離から最大の大きさに応じた距離の範囲内にある、該方向線上の各画素について、各画素の勾配ベクトルと該方向線の延びる方向とのなす角度θilに基づく指標値cos θilをそれぞれ求める指標値算出手段と、
    始点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離にある画素、終点を前記検出しようとする異常陰影候補の最小の大きさに対応する距離から最大の大きさに応じた距離まで変化させて、該始点から該終点の範囲内にある前記方向線上の各画素の前記指標値cos θilの平均値を、各方向線ごとに求めるとともに、該平均値のうち最大値を抽出する最大値算出手段と、
    該方向線ごとに抽出された前記最大値を前記複数の方向線のすべてについて総和して前記注目画素についての前記勾配ベクトル群の集中度の値を算出する集中度算出手段と、
    予め設定された閾値と前記集中度算出手段により算出された集中度の値とを比較し、該比較の結果、前記勾配ベクトル群の集中度の値が、前記閾値以上であるときは、前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在すると判定し、前記閾値未満であるときは前記注目画素が異常陰影候補の領域内に存在しないと判定する比較判定手段と、
    前記異常陰影候補の領域内に存在すると判定された画素によって構成される該領域の重心を求める重心算出手段と、
    該求められた重心に対応する画素を前記注目画素としたときの、前記最大値算出手段により抽出された最大値を採る前記終点に対応した画素を、前記方向線ごとにそれぞれ特定し、該特定された各方向線上における終点に対応した画素を該方向線の延びる方向における前記異常陰影候補の辺縁点として設定する辺縁点設定手段と、
    前記各方向線上の前記辺縁点について互いに隣接する辺縁点を所定の線で連結し、該連結した所定の線で囲まれた範囲を、前記異常陰影候補として抽出する輪郭抽出手段とを備えたことを特徴とする異常陰影候補の検出装置。
  6. 前記輪郭抽出手段が、
    初期形状を有し所定の変形の傾向にしたがって変形を繰り返す動的曲線が該変形を繰り返して収束することにより、前記各方向線上の前記辺縁点を連結するものであることを特徴とする請求項4または5記載の異常陰影候補の検出装置。
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