JPWO2007013300A1 - 異常陰影候補検出方法及び異常陰影候補検出装置 - Google Patents

異常陰影候補検出方法及び異常陰影候補検出装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、異常陰影候補の検出処理時の処理効率及び検出精度を向上させることを目的とする。画像処理装置2では、入力された乳房画像を縮小した画像に、第1及び第2の平滑化フィルタを用いてそれぞれ平滑化処理を施して異常陰影候補の検出対象領域を抽出する。その後、当該抽出領域において曲率フィルタを用いて異常陰影候補の検出処理を行い、異常陰影の候補領域を検出し、その検出結果を表示することを特徴とする。

Description

本発明は、医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出方法及び異常陰影候補検出装置に関する。
医療の分野においては、医用画像のデジタル化が実現され、CR(Computed Radiography)装置等により生成された医用画像データをモニタに表示し、このモニタに表示された医用画像を医師が読影して、病変部の状態や経時変化を観察して診断を行っている。
従来、このような医師の読影に対する負担軽減を目的として、上記医用画像データを画像処理することにより、画像上に現れた病変部の陰影を異常陰影候補として自動的に検出するコンピュータ診断支援装置(Computer−Aided Diagnosis;以下、CADという。)と呼ばれる異常陰影候補検出装置が開発されている。
病変部の陰影は、特徴的な濃度分布を有することが多く、CADは、このような濃度特性に基づいて病変部と推測される画像領域を異常陰影候補領域として検出するものである。
上記CADでは、検出目的とする病変種類に応じて様々な検出アルゴリズムが開発されており、腫瘤陰影の検出に最適なアルゴリズムとしてはアイリスフィルタを用いた手法や曲率の特徴量を利用した手法等が提案されている。また、微小石灰化クラスタ陰影の検出に最適なアルゴリズムとしてはモルフォルジーフィルタを用いた手法等が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2002−112986号公報 特開2001−346787号公報
上記特許文献1によれば、同一撮影部位に複数種類の異常陰影検出目的が存在する場合、検出目的に応じて異常陰影候補検出アルゴリズムを1つ若しくは複数医師が選択できるようにすることで、処理時間の短縮を図ることができる。しかしながら、選択された異常陰影候補検出アルゴリズムを用いて画像全体を1画素ごとに演算処理するので、複数の必要のない異常陰影候補検出アルゴリズムを用いる場合に比べれば処理時間は短縮できるが、依然として画像全体を探索するため処理時間がかかり、病変部でないノイズや正常組織の領域を異常陰影として検出してしまうといった問題があった。
また、特許文献2においては、医師が異常陰影候補の存在領域についてある程度の予測がある場合や、過去に取得された画像等、他の画像において異常陰影候補が検出されていた場合等に、その領域のみを指定して異常陰影候補の検出を行う旨が記載されている。しかし、医師が予測する領域以外、或いは過去に検出された領域以外の領域に異常陰影があったとしても検出されないという問題があった。また、指定された領域内では1画素ごとに演算処理するので、探索領域を限定しても、病変部でないノイズや正常組織の領域を異常陰影として検出してしまう可能性があった。更に、異常陰影候補を大きさ別に分類して検出することはできなかった。
また、腫瘤を検出対象とする曲率の特徴量を用いた検出手法は、局所的な情報を利用し、凸状等のある所定パターンを有する画像領域を感度良く検出するものであるが、全画像領域に対して所定の領域を順次設定し、その領域毎に曲率を算出するため、その曲率を算出した所定範囲内に収まる異常陰影しか検出することができなかった。異常陰影の大きさに対応して領域範囲を変えながら検出する対応策も考えられるが、それでは領域範囲を変えて同じ処理を繰り返し行わなければならないため、処理時間が大幅に増大することとなる。
さらに、曲率による検出処理では、曲率という局所的な情報により検出を行うため、所定パターンを有するのであれば正常組織の画像領域であっても候補領域として検出してしまい、その結果、検出結果に含まれる偽陽性候補数が増大する場合もあった。
本発明の課題は、異常陰影候補の検出処理時の処理効率及び検出精度を向上させることである。
請求の範囲第1項に記載の発明は、異常陰影候補検出方法において、
入力医用画像に第1の平滑化フィルタ処理を施す第1処理工程と、
前記第1の平滑化フィルタ処理が施された処理画像に第2の平滑化フィルタ処理を施す第2処理工程と、
前記第1及び第2の平滑化フィルタ処理が施された処理画像から、異常陰影候補を検出すべき特定領域を抽出する抽出工程と、
前記抽出された特定領域の濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量を算出する特徴量算出工程と、
前記算出された特徴量に基づいて、異常陰影候補の検出処理を行う異常陰影候補検出工程と、
を含むことを特徴とする。
請求の範囲第2項に記載の発明は、請求の範囲第1項に記載の異常陰影候補検出方法において、
前記入力医用画像を縮小する工程を含み、
前記第1処理工程では、前記縮小された入力医用画像に第1の平滑化フィルタ処理を施すことを特徴とする。
請求の範囲第3項に記載の発明は、請求の範囲第1項又は第2項に記載の発明において、
前記特徴量算出工程では、前記濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量として、シェイプインデックスを算出することを特徴とする。
請求の範囲第4項に記載の発明は、請求の範囲第1〜3項の何れか一項に記載の異常陰影候補検出方法において、
前記異常陰影候補検出工程において検出対象とする異常陰影種は、腫瘤であることを特徴とする。
請求の範囲第5項に記載の発明は、異常陰影候補検出方法において、
抽出すべき第1の異常陰影サイズに対応する第1の平滑化フィルタを設定する工程と、
抽出すべき第2の異常陰影サイズに対応する第2の平滑化フィルタを設定する工程と、
入力医用画像に前記第1及び第2の平滑化フィルタを作用させ、異常陰影候補を検出すべき所望の大きさの特定領域を抽出する抽出工程と、
前記特定領域の濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量を算出する特徴量算出工程と、
前記算出された特徴量に基づき、異常陰影候補の検出を行う異常陰影候補検出工程と、
を含むことを特徴とする。
請求の範囲第6項に記載の発明は、異常陰影候補検出装置において、
入力医用画像に第1の平滑化フィルタ処理を施す第1の平滑化処理手段と、
前記第1の平滑化フィルタ処理が施された処理画像に第2の平滑化フィルタ処理を施す第2の平滑化処理手段と、
前記第1及び第2の平滑化フィルタ処理が施された処理画像から、異常陰影候補を検出すべき特定領域を抽出する抽出手段と、
前記抽出された特定領域の濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量を算出する特徴量算出手段と、
前記算出された特徴量に基づいて、異常陰影候補の検出処理を行う異常陰影候補検出手段と、
を備えることを特徴とする。
請求の範囲第7項に記載の発明は、請求の範囲第6項に記載の異常陰影候補検出装置において、
前記入力医用画像を縮小する縮小処理手段を含み、
前記第1の平滑化手段は、前記縮小された入力医用画像に第1の平滑化フィルタ処理を施すことを特徴とする。
請求の範囲第8項に記載の発明は、請求の範囲第6項又は第7項に記載の異常陰影候補検出装置において、
前記特徴量算出手段は、前記濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量として、シェイプインデックスを算出することを特徴とする。
請求の範囲第9項に記載の発明は、請求の範囲第6〜8項の何れか一項に記載の異常陰影候補検出装置において、
前記異常陰影候補検出工程において検出対象とする異常陰影種は、腫瘤であることを特徴とする。
請求の範囲第10項に記載の発明は、異常陰影候補検出装置において、
抽出すべき第1の異常陰影サイズに対応する第1の平滑化フィルタを設定する第1設定手段と、
抽出すべき第2の異常陰影サイズに対応する第2の平滑化フィルタを設定する第2設定手段と、
入力医用画像に前記第1及び第2の平滑化フィルタを作用させ、異常陰影候補を検出すべき所望の大きさの特定領域を抽出する抽出手段と、
前記特定領域の濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量を算出する特徴量算出手段と、
前記算出された特徴量に基づき、異常陰影候補の検出を行う異常陰影候補検出手段と、
を備えることを特徴とする。
請求の範囲第1、3、4、7、8、9項に記載の発明によれば、平滑化フィルタ処理により腫瘤の予想される大きさに応じて予め偽陽性と思われる大きさの領域を検出対象から除外することができる。また、抽出領域にのみ、所定のパターンを有する領域を感度良く検出する、曲率の特徴量を用いた異常陰影候補の検出を行うことにより偽陽性候補数の低減を図ることができる。すなわち、曲率のように検出精度の高い異常陰影候補の検出処理を適用する際には、平滑フィルタによる領域抽出処理を前処理として併用することにより、処理時間と短縮と検出精度の向上という相乗効果が得られる。
請求の範囲第2項、第6項に記載の発明によれば、平滑化フィルタ処理、異常陰影候補の検出処理等、医用画像に施す処理時間の短縮化を図ることができる。
請求の範囲第5項、第10項に記載の発明によれば、対応する異常陰影サイズが異なる第1及び第2の平滑化フィルタを作用させることによって、検出すべき異常陰影候補領域の大きさに応じて抽出する検出対象領域を変更することが可能となる。よって、検出目的の異常陰影種の大きさに応じた領域を抽出することができ、さらにこの抽出領域にのみ、所定のパターンを有する領域を感度良く検出する、曲率の特徴量を用いた異常陰影候補の検出を行うことにより偽陽性候補数の低減を図ることができる。すなわち、曲率のように検出精度の高い異常陰影候補の検出処理を適用する際には、平滑フィルタによる領域抽出処理を前処理として併用することにより、処理時間と短縮と検出精度の向上という相乗効果が得られる。また、検出すべき異常陰影候補領域の大きさ別に検出対象領域を分類して抽出することが可能となるので、複数の検出モデルによる異常陰影候補の検出が可能となる。
本実施形態における医用画像システムのシステム構成を示す図である。 図1の画像処理装置の内部構成を示す図である。 画像処理装置により実行される病変検出処理を説明するフローチャートである。 図3の領域抽出処理を説明するフローチャートである。 領域抽出処理の各ステップで生成される画像データの模式図である。 第1の平滑化フィルタを説明する図である。 第2の平滑化フィルタを説明する図である。 第1及び第2の平滑化フィルタにより大きさ別に分類して検出対象領域を抽出する場合の処理手順を示す図である。 医用画像の濃度分布を表す曲面と、注目画素の法線を回転軸とした法平面の回転を説明する図である。 デジタル画像における濃度分布を示す曲面の図である。 最小二乗法を用いて、濃度分布を示す曲線を円で近似することにより、曲線の曲率を算出する方法を説明する図である。 ShapeIndexの値に対応する曲面形状を示す図である。 曲率フィルタを処理対象画像内で走査する様子を説明する図である。 曲率フィルタを用いた異常陰影候補検出処理を説明するフローチャートである。
符号の説明
100 医用画像システム
1 画像生成装置
2 画像処理装置
21 CPU
22 操作部
23 表示部
24 RAM
25 記憶部
26 通信制御部
27 バス
本実施形態では、本発明に係る異常陰影候補検出方法及び異常陰影候補検出装置について、乳房を撮影した医用画像(乳房画像)から腫瘤陰影の候補を検出する場合を例に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における医用画像システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、医用画像システム100は、画像生成装置1、画像処理装置2等がネットワークNを介して、相互にデータ送受信可能に接続されている。ネットワークNは、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格が適用されている。
なお、本実施形態では、画像生成装置1と画像処理装置2とがネットワーク接続された例を説明するが、これに限らず、直接有線接続されたシステム構成であってもよい。また、画像生成装置1や画像処理装置2に限らず、画像生成装置1で生成された医用画像の画像データを保存、管理するサーバ、画像処理装置2における異常陰影候補の検出結果及び処理済み画像の表示出力を行うモニタ、或いはフィルム出力を行うフィルム出力装置等が接続された構成としてもよい。
画像生成装置1は、例えば、CR(Computed Radiography)、FPD(Flat Panel Detecter)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等のモダリティから構成され、人体を撮影し、撮影した画像をデジタル変換して、医用画像の画像データを生成する装置である。本実施の形態においては、画像生成装置1は、乳房の放射線撮影を行い、乳房画像の画像データを生成するものとして説明する。
画像処理装置2は、画像生成装置1から供給される画像データに対し異常陰影候補検出処理を施す異常陰影候補検出装置である。
以下、画像処理装置2の内部構成について説明する。
図2に、画像処理装置2の機能的構成を示す。図2に示すように、画像処理装置2は、CPU21、操作部22、表示部23、RAM24、記憶部25、通信制御部26等を備えて構成され、各部はバス27により接続されている。
CPU21は、記憶部25に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM24内に形成されたワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU21は、記憶部25に記憶されている検出処理プログラムを始めとする各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、後述する病変検出処理(図3、4、14参照)を始めとする各種処理を実行する。
操作部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号をCPU21に出力する。また、操作部22は、表示部23の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号をCPU21に出力する。
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT等のモニタにより構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、画像等の表示を行う。
RAM24は、CPU21により実行制御される各種処理において、記憶部25から読み出されたCPU21で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。
記憶部25は、HDD(Hard Disc Drive)や不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU21で実行されるシステムプログラムの他、病変検出処理プログラムを始めとする各種プログラム、各種データ等を記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
また、記憶部25は、図示しない特徴量ファイルを有しており、当該特徴量ファイルには異常陰影候補の検出処理時に算出される医用画像の濃度分布を示す曲面の特徴量(例えば、ShapeIndex)が記憶される。
通信制御部26は、LANアダプタやルータやTA(Terminal Adapter)等を備え、ネットワークNに接続された各装置との間の通信を制御する。
次に、本実施形態における動作について説明する。
図3は、画像処理装置2のCPU21により実行される検出処理を示すフローチャートである。CPU21は、記憶部25に記憶された検出処理プログラムとの協働によるソフトウエア処理により、当該処理を実行する。
まず、画像生成装置1において乳房を撮影して生成された乳房画像の画像データDが通信制御部26を介して入力され、RAM24のワークエリアに記憶される(ステップS1)。
次いで、入力された画像データDに領域抽出処理が施される(ステップS2)。領域抽出処理は、画像データDの全体領域から、検出すべき病変部の大きさに応じた検出対象領域を抽出する処理である。乳房画像において診断される主な病変としては、例えば腫瘤陰影、微小石灰化クラスタ等が挙げられる。腫瘤陰影は、ある程度の大きさを持った塊で、乳房画像上ではガウス分布に近い濃度分布を持つ、白っぽく丸い陰影として表示される。微小石灰化クラスタは、乳房画像上では略円錐構造の濃度分布を有する小さく白い陰影として表示される。即ち、乳房画像上では、病変部で濃度値(画素値)の落ち込みが見られる。
以下、図4、5を参照して領域抽出処理について詳細に説明する。
図4は、ステップS2においてCPU21により実行される領域抽出処理を示すフローチャートである。また、図5は、図4の領域抽出処理前の画像及び当該画像の領域抽出処理の各ステップでの処理結果を模式的に示す図である。図5(a)〜(d)においては、画像データ(画像データD1〜D4)の或る1列(図5(a)〜(d)は全て同じ列を示す)における画素位置を横軸、画素値(濃度値)を縦軸として示している。
図4の領域抽出処理においては、まず、画像データDに対して縮小処理が施され、サンプリングピッチ1.6mm程度の画像データD1が生成される(ステップS11)。例えば、画像データDのサンプリングピッチが100μmであれば、縦、横をそれぞれ1/16にする。縮小処理アルゴリズムは、近傍の画素値の平均をとる、一定画素間隔で間引くなど、どのような手法でもよい。ここで、画像データDを縮小しておくことにより、以降の処理での処理時間を短縮することができる。
乳房画像においては、図5(a)に示すように、検出すべき異常陰影候補領域の大きさ(検出すべき異常陰影候補領域と同程度の大きさ)をもち、かつ周囲より低濃度の領域(検出対象領域)A1、検出すべき異常陰影候補領域より小さく、かつ周囲より低濃度の領域(微小領域)A2、検出すべき異常陰影候補領域より大きく、かつ周囲より低濃度の領域(対象より大きな領域)A3が含まれる。領域抽出処理の以降の処理ステップでは、縮小された画像データD1上から検出すべき異常陰影候補領域と同程度の大きさをもつ低濃度領域を検出対象領域として抽出する。なお、以降の処理においては、5mm〜15mm程度の大きさの腫瘤陰影候補を検出する場合を例にとり説明する。
画像データDが縮小され、画像データD1が生成されると、縮小された画像データD1に対して第1の平滑化処理が施され、画像データD2が生成される(ステップS12)。
第1の平滑化処理は、画像データD1に対してマスクサイズ3画素×3画素の第1の平滑化フィルタ(図6参照)をかけて画像データD2を生成する。第1の平滑化フィルタは、画像データD1の注目する画素を中心として正方形領域(マスク)を設定し、マスク内の画素値を大きい順に並べ、中央値を注目画素の画素値とするメディアンフィルタである。マスクサイズ3×3のメディアンフィルタの場合、図6に示す領域1〜9の画素値を大きい順に並べ、その中央値を領域5の画素値とする。これを、マスクの位置を1画素ずつずらしながら繰り返し、画像データD1の全ての画素に対して行う。これにより、図5(b)に示すように縦幅、横幅がそれぞれ4.8mm程度(1.6mm×3画素)までの微小領域が平滑化される。
次いで、画像データD2に対して第2の平滑化処理が施され、画像データD3が生成される(ステップS13)。
第2の平滑化処理では、画像データD2に対してマスクサイズ7画素×7画素の第2の平滑化フィルタをかけて画像データD3を生成する。
この第2の平滑化フィルタは、マスクサイズ内の画素値の中で最大値を中央の注目画素の値とする最大値フィルタと、マスクサイズ内の画素値の中で最小値を中央の注目画素の値とする最小値フィルタとを有し、画像データD2に対し最大値フィルタを適用した後、最小値フィルタを適用することにより、マスクサイズ程度の大きさをもつ画素値の落ち込み(くぼみ)を穴埋めするものである。一般的に、腫瘤陰影は、その中心に向かってX線透過濃度が落ち込む特徴を有しており、その部分を穴埋めするには腫瘤陰影と同程度の大きさを持つマスクサイズの第2の平滑化フィルタをかければよい。
ここで、図7を参照して、第2の平滑化フィルタの原理について、一次元のデータ列を例にとり説明する。図7において、横軸は1次元のデータ列における画素位置を、縦軸は1次元のデータ列における画素値(濃度値)を示す。
図7のL1は、オリジナル画像のデータ列である。このオリジナル画像のデータ列の左に位置する画素から順に注目画素とし、注目画素を中央としてマスクサイズ縦1×横7の最大値フィルタを設定し、マスクの範囲内の最大値を注目画素の画素値とする。これを右に1画素ずつずらしていくことにより、図7のL2に示すデータ列を得ることができる。このL2で示すデータ列を入力とし、左に位置する画素から順に注目画素とし、注目画素を中央としてマスクサイズ縦1×横7の最小値フィルタを設定し、マスクの範囲内の最小値を注目画素の画素値とする。これにより、図7のL3に示すように、オリジナルのデータ列L1の濃度値の落ち込みが平滑化されたデータ列を得ることができる。
このように、第2の平滑化フィルタにより検出すべき異常陰影候補領域A1と同程度の大きさをもつ低濃度領域を平滑化することができる。
第2の平滑化処理が終了すると、差分画像生成処理が実行され、図5(c)に示す画像データD3と図5(b)に示す画像データD2の同一画素位置の画素値の差分をとることにより図5(d)に示す差分画像(画像データD4)が生成される(ステップS14)。そして、画像データD4が予め設定された閾値により閾値処理され、閾値を超える画素値をもつデータのみが抽出され(ステップS15)、検出すべき異常陰影候補領域と同程度の大きさをもつ低濃度領域の画像データD5が生成される。
なお、上記領域抽出処理においては、第1の平滑化フィルタのマスクサイズ及びサンプリングピッチにより、抽出する検出対象領域の下限となるサイズ(第1の異常陰影サイズ)が決定され、第2の平滑化フィルタのマスクサイズ及びサンプリングピッチにより抽出する検出対象領域の上限となるサイズ(第2の異常陰影サイズ)が決定される。即ち、図4のステップS12における第1の平滑化処理で用いる第1の平滑化フィルタのマスクサイズ及び図4のステップS13における第2の平滑化処理で用いる第2の平滑化フィルタのマスクサイズを上記第1及び第2の異常陰影サイズに合わせて変更設定することにより、異常陰影候補の検出対象とする領域の大きさを所望の大きさに変更することができる。
また、図8に示すように、図4のステップS12における第1の平滑化処理で用いる第1の平滑化フィルタのマスクサイズ及び図4のステップS13における第2の平滑化処理で用いる第2の平滑化フィルタのマスクサイズを変更設定して複数回処理を行うことにより、大きさ別に分類して検出対象領域を抽出することが可能となる。例えば、まず、図4のステップS12においてマスクサイズ3×3の第1の平滑化フィルタを用いて画像データD2を生成し、この画像データD2に対してマスクサイズ7×7の第2の平滑化フィルタをかけて画像データD3を生成して、当該画像データD3と画像データD2の差分をとり閾値処理を行うことにより5mm〜15mm程度の検出対象領域を抽出する。次いで、画像データD2に対して更にマスクサイズ7×7の第1の平滑化フィルタをかけて画像データD2´を生成し、この画像データD2′に対し11×11のマスクサイズの第2の平滑化フィルタかけて画像データD3′を生成して、当該画像データD3′と画像データD2′の差分をとり閾値処理を行うことにより15mm〜30mm程度の検出対象領域を抽出することができる。このようにして、5mm〜15mm程度の検出対象領域及び15mm〜30mm程度の検出対象領域をそれぞれ抽出することが可能となる。
腫瘤陰影は略円形であるため、画像データの縦横方向ともに同様の処理でよく、また抽出された領域と腫瘤陰影とが対応付けやすいので、上記領域抽出処理を施すことが特に好ましい。
図3において、領域抽出処理が終了すると、画像データDにおいて抽出された画像データD5の領域に対し、異常陰影候補の検出処理が実行される(ステップS3)。
検出処理では、曲率フィルタを用いて腫瘤陰影候補を検出するが、初めに曲率フィルタによる特徴量の算出方法について説明した後、当該方法を適用した異常陰影候補検出処理の流れについて説明する。
図9(a)に、2次元座標で表される画素位置と、各画素の画素値、すなわち濃度値の3方向の信号成分からなる乳房画像の濃度分布を表す曲面Eを示す。図9(a)において、曲面E上の任意の一画素を注目画素pに設定し、この注目画素pにおける法線ベクトルmと接線ベクトルtで張られる平面を法平面Fとし、法平面Fと曲面Eとの交線(即ち、法平面Fで切り出される曲面E)を法断面Jとする。
なお、図9(a)では、説明の便宜上、曲面Eを滑らかな曲面で示したが、実際にはデジタル画像を扱うので、図10に示すように、曲面Eは画素毎に離散的な濃度値(画素値)を示す階段状となっている。
注目画素pにおける曲率を算出するためには、図9(b)に示すように、注目画素pにおける法線を回転軸として、法平面F(或いは、接線ベクトルt)を所定角度βずつ回転させ、各回転角度毎に、法断面Jが表す曲線γの注目画素pにおける法曲率を算出すればよい。ここで、所定角度βは、画像処理装置2の処理速度に基づいて決定され、例えば、π/2、π/8等に設定することができる。所定角度βを大きくすると、演算時間の短縮化を図ることができる。
法断面J上の注目画素pにおける法曲率は、最小二乗法によって法断面Jが表す曲線γを近似する関数を算出し、その算出された近似関数の注目画素pにおける曲率を算出することによって求められる。本実施形態では、まず、図11に示すように、法断面Jが表す曲線γ(図11の濃度プロファイル)を円で近似する場合を示す。以下、最小二乗法を用いて曲線γの近似円(曲線γに近似する円)を算出する処理について説明する。
近似円の中心座標を(a,b)、半径をrとすると、近似円は、2次元座標(X、Y)を用いて式(1)のように表される。
次に、曲線γ上における注目画素pの近傍(所定範囲内の画像領域)のn個の画素信号値を(Xi,Yi)(i=1,…,n)とし、式(2)に示すように、n次元ベクトルA、n行3列の行列B、3次元ベクトルCを定義する。
曲線γを式(1)の円で近似するためには、L=|A−BC|2が最小となるCを求めればよい。すなわち、LをベクトルCで偏微分して0となるようなCを求めればよい。∂L/∂C=0を満たすCは、式(3)のようになる。
C=(BTB)-1BA (3)
式(3)においてTは転置行列を表す。また、(BTB)-1BはBの擬似逆行列である。
法断面Jが表す曲線γは、式(3)を満たすCによって決定される円で近似される。この近似円の半径の逆数が、曲線γの注目画素pにおける法曲率となる。即ち、回転角度θにおける曲線γの近似円の半径がr(θ)である場合、回転角度θにおける法曲率k(θ)は、式(4)のように表される。
k(θ)=1/r(θ) (4)
なお、近似円の中心座標(a,b)が曲面Eの上部にある場合、式(4)の右辺の符号は負となり、近似円の中心座標(a,b)が曲面Eの下部にある場合、式(4)の右辺の符号は正となる。
また、3点で定まる円を曲線γに当てはめて、その円の半径から法曲率を算出することも可能である。この場合、曲線γ上の候補点と任意の2点を曲面上にとり、この3点により円を描き、この任意の2点を移動させることによって円の大きさを変化させ、円の大きさの変化が極点にきたときの半径から曲率が算出される。
曲線γの近似関数としては、他に、楕円、ガウス関数、二次関数等の各種の関数を適用することが可能である。近似関数として楕円を用いる場合、楕円の半径(長半径又は短半径)の逆数が曲率(法曲率)となる。また、近似関数として、下記の式(5)に示すようなガウス関数Yを用いる場合、式(5)のNの値が曲率(法曲率)となる。
次に、近似関数として二次関数を用いた場合の法曲率の算出方法について説明する。局所座標系で図9(a)の曲面Eが、式(6)のように表されるものとする。
ここで、a、b、cは定数であり、O(x,y)kは3次以上の項を表す。
この場合、x軸と角度θをなす法断面J(曲線γ)上の注目画素pにおける法曲率k(θ)は式(7)のようになる。
ここでは、曲面Eを表す式(6)に基づいて、曲線γの近似関数としての二次関数を仮定し、最小二乗法により、その二次関数の二次の項の係数、一次の項の係数及び定数項を算出することにより、法曲率を算出する。
まず、2次元座標(X、Y)を用いて、曲線γの近似関数が式(8)に示すような二次関数Yで表されるものと仮定する。
次に、曲線γ上における注目画素pの近傍(所定範囲内の画像領域)のn個の画素信号値を(Xi,Yi)(i=1,…,n)とし、a'Xi 2 + b'Xi + c'と、この二次関数の出力値Yiとの差の二乗平均Sを算出する。そして、この二乗平均Sを係数a'、b'、c'で偏微分した値が0となるように設定することにより係数a'、b'、c'を算出し、曲線γの近似関数としての二次関数を決定する。
最小二乗法により得られた式(8)の各係数a'、b'、c'を式(7)のa、b、cにそれぞれ代入することにより、法曲率k(θ)が算出される。なお、近似関数として三次以上の多次元多項式(高次多項式)関数を用いた場合においても、二次関数の場合と同様の方法で法曲率を算出することができ、曲面形状のより繊細な情報を得ることができる。
このようにして、曲線γの近似関数から法曲率が算出されると、以下のようにShapeIndexが算出される。注目画素pの法線を回転軸として法平面Fを回転させると、法断面J(曲線γ)の形状が変化するため、回転角度θに応じて法曲率k(θ)の値も変化することになる。即ち、法曲率k(θ)は、法平面Fの回転角度θにより、最大値及び最小値をとる。各回転角度θ(0≦θ<π)で算出された法曲率k(θ)のうち、最大値をkmax、最小値をkminとすると、ShapeIndex SIは、式(9)のように定義される。
式(9)のShapeIndex SIは、注目画素pを中心とした所定範囲内の画像領域における曲面Eの曲面形状を表す。
図12に、ShapeIndexの値に対応する曲面形状を示す。処理対象画像の白い部分(即ち、濃度値が低い部分)では、ShapeIndexの値は1に近付き、曲面形状は凹型となる。一方、処理対象画像の黒い部分(即ち、濃度値が高い部分)では、ShapeIndexの値は0に近付き、曲面形状は凸型となる。
図13に、本実施形態の曲率フィルタと処理対象画像を示す。図13に示すように、この曲率フィルタを図3のステップS3において抽出された抽出領域全体に走査させることにより、各画素でのShapeIndexの値が算出され、濃度分布の凹凸を強調したShapeIndex画像が作成される。異常陰影の種類に応じてShapeIndexの値がとり得る範囲が予め設定されているとすると、ShapeIndex画像から、ShapeIndexの値が特定の範囲にある信号領域を検出することによって、該当する異常陰影を検出することができる。例えば、腫瘤はなだらかなガウス分布状の凹型となる傾向がある。従って、図12より、ShapeIndexの値が0.75〜1.00となる画像領域を検出することによって、腫瘤陰影の候補領域を検出することができる。なお、処理対象領域を設定し、その設定された処理対象領域の画素に曲率フィルタを走査させるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、画像をフィルムに出力する際の濃度の分布の曲面形状を取り扱ったが、画像を表示モニタに出力する際の輝度の分布の曲面形状を取り扱うようにしてもよい。輝度分布の場合、ShapeIndexの値と曲面形状の関係が濃度分布の場合と逆になる。即ち、輝度の場合は、濃度値が高いとき白、濃度値が低いとき黒となる。従って、輝度分布の場合、ShapeIndexが1に近付くと曲面形状は凸型となり、ShapeIndexが0に近付くと曲面形状は凹型となる。
次に、図14を参照して上記説明した曲率フィルタによる異常陰影候補の検出処理について説明する。
図14に示すように、まず、図3のステップS2において医用画像データDから抽出された抽出領域に対し、注目画素pが設定され(ステップS31)、注目画素pを中心とした所定範囲の画像領域が設定される(ステップS32)。次いで、注目画素pの法線を回転軸とした回転角度θが0に設定される(ステップS33)。
次いで、ステップS32で設定された画像領域における濃度分布を示す曲面Eを、回転速度θの法平面Fで切り出すことによって、回転角度θの法断面Jが表す曲線γが取り出され(ステップS34)、この曲線γ上の画素信号値(濃度値)が記憶部25に記憶される。次いで、最小二乗法を用いて、回転角度θにおける曲線γが円で近似され、近似円の半径により、注目画素pの回転角度θにおける法曲率k(θ)が算出される(ステップS35)。
次いで、回転角度θにβを加算した値が新たな回転角度θとして設定される(ステップS36)。次いで、現在の回転角度βがπ以上であるか否かが判定される(ステップS37)。
ステップS37において、回転角度θがπ未満であると判定された場合(ステップS37;N)、ステップS34に戻り、当該回転角度θに対するステップS34〜S37の処理が繰り返される。ステップS7において、回転角度θがπ以上であると判定された場合(ステップS37;Y)、各回転角度毎に算出された法曲率k(θ)の中から最大値kmax及び最小値kminが算出される(ステップS38)。
次いで、ステップS38で算出された法曲率の最大値kmax及び最小値kminを用いて、式(9)によりShapeIndexが算出され(ステップS39)、算出されたShapeIndexの値が、現在の注目画素pの特徴量として記憶部25の特徴量ファイルに記憶される。
次いで、抽出領域内の全ての画素についてShapeIndexの算出が終了したか否かが判定される(ステップS40)。ステップS40において、全ての画素についてShapeIndexの算出が終了していないと判定された場合(ステップS40;N)、ステップS1に戻り、抽出領域において次の注目画素pが設定され(ステップS31)、その設定された注目画素pについて、ステップS32〜S39の処理が繰り返される。
ステップS10において、全ての画素についてShapeIndexの算出が終了したと判定された場合(ステップS40;Y)、曲率フィルタを抽出領域内で走査させることにより、全ての画素についてShapeIndexが算出されると、濃度分布の凹凸を強調したShapeIndex画像が作成される。そして、ShapeIndexの値が特定の異常陰影に対応する範囲にある画像領域が、該当する異常陰影の候補領域として検出される(ステップS41)。ここでは、腫瘤を検出対象としているので、例えばShapeIndexの値が0.75〜1.00となる画像領域を検出することによって、腫瘤陰影の候補領域が検出される。
異常陰影候補領域の検出後、処理は図3のステップS4に移行し、異常陰影候補検出結果が表示部23に表示される(ステップS4)。例えば、画像データDに基づく乳房画像が表示部23に表示され、その乳房画像上において、異常陰影候補として検出された候補領域が矢印で指摘表示される、或いはカラー表示される等して識別表示される。また、異常陰影候補における特徴量を出力するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、曲率フィルタを用いた異常陰影候補の検出処理の前処理として、第1及び第2の平滑化フィルタにより検出処理の対象領域を抽出する。これにより、抽出された領域にのみ曲率フィルタを用いた検出処理を施すことができ、処理時間の大幅な短縮化を図ることができる。また、曲率フィルタによる検出処理は、腫瘤に特有の画像パターンを感度良く検出するが、この検出処理前には予め検出対象領域をある大きさのものに絞り込んだうえで処理を行う。よって、腫瘤の予想される大きさに応じて予め偽陽性と思われる大きさの領域を検出対象から除外することができ、これにより偽陽性候補数の低減を図ることができる。すなわち、曲率フィルタのように検出精度の高い異常陰影候補の検出処理を適用する際には、平滑フィルタによる領域抽出処理を前処理として併用することにより、処理時間と短縮と検出精度の向上という相乗効果が得られる。
また、第1及び第2の平滑化フィルタのマスクサイズを変えることができるので、検出目的とする病変種の大きさに応じた領域を抽出することができる。曲率フィルタを適用するマスクサイズを変えることにより、大きさを考慮した異常陰影候補の検出を行うことができるが、曲率フィルタによる検出処理は平滑化フィルタによる抽出処理より処理時間を要するものである。よって、予め平滑化フィルタにより検出目的とする大きさの領域を抽出しておき、その大きさの抽出領域内で曲率フィルタによる検出処理を行うことにより、処理時間の短縮化を図ることができるとともに、候補領域の大きさを考慮した検出処理を行うことができ、より検出精度の向上を図ることができる。
また、第1の平滑化処理及び第2の平滑化処理におけるフィルタのマスクサイズを変えて設定することにより、検出すべき異常陰影種の大きさに応じて抽出する検出対象領域の大きさを変更することが可能となる。よって、異常陰影候補の検出処理の前段階で検出対象の異常陰影種に特有の大きさに限定して領域の抽出を行うことにより、後段の検出処理の処理時間の短縮化を図ることができるとともに、偽陽性候補の除去を行うことができる。
さらに、図4のステップS12〜S15の処理をマスクサイズを変えて繰り返し実行することにより、検出すべき異常陰影候補領域の大きさ別に検出対象領域を分類して抽出することが可能となるので、複数の検出モデルによる異常陰影候補の検出が可能となる。
なお、抽出された領域に使用する曲率フィルタは、サンプリングピッチ400μmの画像を用い、抽出領域5〜15mmの腫瘤陰影を対象とする場合には15×15ピクセルサイズ(6×6mm)、抽出領域15〜30mmの腫瘤陰影を対象とする場合には35×35ピクセルサイズ(14×14mm)とすることが検出性の観点から好ましい。
また、上述した実施形態では、本発明に係る第1又は第2の平滑化処理、特徴量算出、異常陰影候補の検出処理等を画像処理装置2において実現することとしたが、これに限らず、医用画像システム100上に接続された他の装置(サーバ等)において実現することとしてもよいし、医用画像システム100上にこれらの機能を実現する独立した装置を新たに設けることとしてもよい。

Claims (10)

  1. 入力医用画像に第1の平滑化フィルタ処理を施す第1処理工程と、
    前記第1の平滑化フィルタ処理が施された処理画像に第2の平滑化フィルタ処理を施す第2処理工程と、
    前記第1及び第2の平滑化フィルタ処理が施された処理画像から、異常陰影候補を検出すべき特定領域を抽出する抽出工程と、
    前記抽出された特定領域の濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    前記算出された特徴量に基づいて、異常陰影候補の検出処理を行う異常陰影候補検出工程と、
    を含むことを特徴とする異常陰影候補検出方法。
  2. 前記入力医用画像を縮小する工程を含み、
    前記第1処理工程では、前記縮小された入力医用画像に第1の平滑化フィルタ処理を施すことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の異常陰影候補検出方法。
  3. 前記特徴量算出工程では、前記濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量として、シェイプインデックスを算出することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の異常陰影候補検出方法。
  4. 前記異常陰影候補検出工程において検出対象とする異常陰影種は、腫瘤であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項の何れか一項に記載の異常陰影候補検出方法。
  5. 抽出すべき第1の異常陰影サイズに対応する第1の平滑化フィルタを設定する工程と、
    抽出すべき第2の異常陰影サイズに対応する第2の平滑化フィルタを設定する工程と、
    入力医用画像に前記第1及び第2の平滑化フィルタを作用させ、異常陰影候補を検出すべき所望の大きさの特定領域を抽出する抽出工程と、
    前記特定領域の濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    前記算出された特徴量に基づき、異常陰影候補の検出を行う異常陰影候補検出工程と、
    を含むことを特徴とする異常陰影候補検出方法。
  6. 入力医用画像に第1の平滑化フィルタ処理を施す第1の平滑化処理手段と、
    前記第1の平滑化フィルタ処理が施された処理画像に第2の平滑化フィルタ処理を施す第2の平滑化処理手段と、
    前記第1及び第2の平滑化フィルタ処理が施された処理画像から、異常陰影候補を検出すべき特定領域を抽出する抽出手段と、
    前記抽出された特定領域の濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    前記算出された特徴量に基づいて、異常陰影候補の検出処理を行う異常陰影候補検出手段と、
    を備えることを特徴とする異常陰影候補検出装置。
  7. 前記入力医用画像を縮小する縮小処理手段を含み、
    前記第1の平滑化手段は、前記縮小された入力医用画像に第1の平滑化フィルタ処理を施すことを特徴とする請求の範囲第6項に記載の異常陰影候補検出装置。
  8. 前記特徴量算出手段は、前記濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量として、シェイプインデックスを算出することを特徴とする請求の範囲第6項又は第7項に記載の異常陰影候補検出装置。
  9. 前記異常陰影候補検出工程において検出対象とする異常陰影種は、腫瘤であることを特徴とする請求の範囲第6項乃至第8項の何れか一項に記載の異常陰影候補検出装置。
  10. 抽出すべき第1の異常陰影サイズに対応する第1の平滑化フィルタを設定する第1設定手段と、
    抽出すべき第2の異常陰影サイズに対応する第2の平滑化フィルタを設定する第2設定手段と、
    入力医用画像に前記第1及び第2の平滑化フィルタを作用させ、異常陰影候補を検出すべき所望の大きさの特定領域を抽出する抽出手段と、
    前記特定領域の濃度分布を示す曲面の形状を表す特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    前記算出された特徴量に基づき、異常陰影候補の検出を行う異常陰影候補検出手段と、
    を備えることを特徴とする異常陰影候補検出装置。
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