JP2005080758A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理対象画像において検出対象とする画像領域を検出する検出精度を向上させる。
【解決手段】画像処理装置10では、デジタル医用画像から異常陰影の候補領域を検出する際に、画像信号から構成される濃度分布の曲面において、注目画素pが設定され、この注目画素pを中心としたマスクサイズn×nの領域範囲内の画像信号を用いて曲面形状を近似する近似円が算出され、当該近似円の半径から注目画素pにおける法曲率κn(θ)、最大曲率κn1、最小曲率κn2、平均曲率Hn、ガウス曲率Knの各種曲率が画像特徴量として算出される。そして、算出された画像特徴量が多変量解析に入力され、この多変量解析の結果に基づいて真陽性の異常陰影の候補領域が検出される。
【選択図】図1

Description

濃度分布を有する画像における特徴量を算出する画像処理装置に関する。
医療の分野においては、医用画像のデジタル化が実現され、CR(Computed Radiography)装置等により生成された医用画像データをモニタに表示し、このモニタに表示された医用画像を医師が読影して、病変部の状態や経時変化を観察して診断を行っている。
従来、このような医師の読影に対する負担軽減を目的として、上記医用画像データを画像処理することにより、画像上に現れた病変部の陰影を異常陰影候補として自動的に検出するコンピュータ診断支援装置(Computed-Aided Diagnosis;以下、CADという。)と呼ばれる医用画像処理装置が開発されている。
病変部の陰影は、特徴的な濃度分布を有することが多く、CADは、このような濃度特性に基づいて病変部と推測される画像領域を異常陰影候補領域として検出するものである。例えば、乳癌の癌化部分の特徴的なものとして腫瘤、微小石灰化クラスタが挙げられるが、乳房を撮影した医用画像(これをマンモグラフィという。)上では、腫瘤陰影はガウス分布に近い濃度変化を持った白っぽく丸い陰影として現れる一方、微小石灰化クラスタは、微小石灰化した部分が集まって(クラスタ化して)存在するものであり、マンモグラフィ上では略円錐構造の濃度変化を持った白っぽく丸い陰影として現れる。
上記CADでは、検出目的とする病変種類に応じて様々な検出アルゴリズムが開発されており、腫瘤陰影の検出に最適なアルゴリズムとしてはアイリスフィルタを用いた手法等が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、微小石灰化クラスタ陰影の検出に最適なアルゴリズムとしてはモルフォルジーフィルタを用いた手法等が提案されている。
特開平8−263641号公報 特開平10−91758号公報
しかしながら、アイリスフィルタは、一般的に腫瘤陰影のように丸く周囲に比べて低濃度である領域に強く反応するため、円形度が高く厚みのある乳腺が塊状となって画像上に現れている場合、正常組織の乳腺をも異常陰影として誤検出してしまう場合がある。同様に、画像上にノイズのような高周波信号が発生している場合、微小石灰化クラスタ陰影とノイズの信号変化が類似しているため、判別がつきにくく、やはりノイズ領域を誤検出してしまうことがある。
また、画像信号を濃度成分を有する3次元信号として見た場合、画像信号は濃度分布を示す曲面を構成する。異常陰影は上述したように円錐構造状等の濃度変化を示すので、異常陰影の信号領域は特徴的な曲面を構成するはずである。しかしながら、アイリスフィルタのようにある注目画素への濃度勾配の集中度に基づいて検出を行う等、濃度特性に基づいて異常陰影候補を検出する手法は開発されているが、画像信号を濃度分布を示す曲面として見て陰影の曲面形状を考慮した手法はいまだ提案されていない。
また、微小石灰化クラスタ陰影は、石灰化した低濃度な点状の陰影が有る程度広がりを持って画像上に現れることが一般的であるが、領域的な特徴を考慮して異常陰影候補の検出することは行われていなかった。
さらに、医用画像における異常陰影候補領域の検出に限らず、画像解析に全般において検出対象である特定の画像領域のみを検出し、ノイズ成分をいかに正確に除去しうるかは依然として重要な課題である。
本発明の課題は、処理対象画像において検出対象とする画像領域を検出する検出精度を向上させることである。
請求項1に記載の発明は、
処理対象画像において、任意の注目画素を設定し、その注目画素から所定範囲内の画像領域における特徴量として、注目画素から所定領域範囲内における近傍画素の濃度分布から得られる曲面における曲率を算出する特徴量算出手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置のおいて、
前記処理対象画像は、医用画像であり、
前記特徴量算出手段は、医用画像の画像領域において1画素づつ注目画素を設定して各注目画素における曲率を特徴量として算出し、
前記特徴量算出手段により算出された曲率の特徴量に基づいて、注目画素から所定範囲内の領域を異常陰影の候補領域として検出する異常陰影候補検出手段を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、
前記処理対象画像は、医用画像であり、
医用画像の画像領域において異常陰影の候補領域を検出する異常陰影候補検出手段を備え、
前記特徴量算出手段は、前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影の候補領域内において注目画素を設定して曲率を算出し、
前記特徴量算出手段により算出された特徴量に基づいて、前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影の候補領域は、真陽性の陰影であるか否かを判定し、真陽性の陰影であると判定された領域を最終的な異常陰影候補の検出結果として出力する異常陰影候補決定手段を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、
前記特徴量算出手段は、前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影の候補領域の中心を注目画素として設定して曲率の特徴量を算出し、
前記異常陰影候補決定手段は、前記特徴量算出手段により算出された曲率の特徴量に基づいて、前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影の候補領域は、真陽性の陰影であるか否かを判定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記特徴量算出手段は、曲率の特徴量を算出する曲面の領域範囲を変更し、変更された各領域範囲で曲率を算出することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像処理装置において、
前記特徴量算出手段は、変更された各領域範囲で算出された曲率全てを特徴量とすることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の画像処理装置において、
前記特徴量算出手段は、変更された各領域範囲で算出された曲率のうち、何れかを特徴量とすることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項2〜7の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記特徴量算出手段は、検出対象とする異常陰影の種類又は大きさに応じて、特徴量を算出する曲面の領域範囲を変更することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記特徴量算出手段は、注目画素における法線を軸として法平面を所定角度づつ回転させ、その回転角度毎に、注目画素から所定領域範囲内の曲面を法平面で切り出してその切り出された法平面上の曲面形状を近似する近似円を算出し、この近似円の半径から曲率を算出することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像処理装置において、
前記特徴量算出手段は、近似円を算出する際に、所定領域範囲内の曲面を構成する全ての画素のうち、円の近似に用いる画素を抽出し、当該抽出された画素を用いて近似円を算出することを特徴する。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の画像処理装置において、
前記特徴量算出手段は、法平面を回転させた各回転角度で算出された曲率全てを特徴量とすることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項9又は10に記載の画像処理装置において、
前記特徴量算出手段は、法平面を回転させた各回転角度で算出された曲率のうち、何れかを特徴量とすることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記特徴量算出手段は、処理対象画像の全ての画像領域において注目画素を設定し、特徴量を算出することを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13の何れか一項に記載の画像処理装置において、
前記特徴量算出手段により算出された曲率の特徴量に基づいて、曲面形状を推定する推定手段と、
前記推定された曲面形状の情報を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、注目画素から所定領域範囲内における特徴量として、その所定範囲内の画素の濃度分布から得られる曲面における曲率を算出するので、算出された曲率の特徴量から曲面形状を推定することができる。従って、処理対象画像から特徴的な曲面形状を構成する検出対象の画像領域を他の領域と区別して的確に検出することができ、検出精度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出対象領域に対して1画素づつ注目画素を設定して曲率を算出し、その曲率の特徴量に基づいて異常陰影の候補領域を検出するので、特徴的な濃度分布を有する異常陰影を他の画像領域と区別して的確に検出することができ、異常陰影候補の検出精度を向上させることができる。また、全ての検出対象領域を走査することができ、検出精度を向上させることができる。
請求項3、4に記載の発明によれば、異常陰影候補検出手段により検出された候補領域の中心に対して注目画素を設定して曲率を算出し、真陽性の異常陰影か否かを判定するので、2段階の検出により検出精度を向上させることができるとともに、候補の検出により候補決定時の検出対象領域を絞ることができる。従って、候補決定時の処理効率を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、特徴量を算出する領域範囲を変更し、変更された領域範囲で曲率を算出するので、変更された各領域範囲で算出された複数の特徴量を用いて検出対象の画像領域を検出することができる。従って、濃度変化の領域性を考慮した検出を行うことができ、検出精度を向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、変更された各領域範囲で算出された曲率全てを特徴量として、検出対象の画像領域の検出を行うことができる。従って、細部の濃度変化も含めた検出を行うことができ、より検出精度を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、変更された各領域範囲で算出された曲率のうち、何れかを特徴量として検出対象の画像領域の検出を行うことができる。従って、算出された全ての曲率を用いて検出を行う場合より検出にかかる時間を短縮化することができ、検出効率を向上させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、検出対象とする異常陰影の種類又は大きさに応じて領域範囲を変更するので、様々な大きさの陰影に対応することができる。
請求項9に記載の発明によれば、法平面を回転させた各回転角度において、注目画素から所定領域範囲内の曲面を法平面で切り出したその曲面形状を近似する近似円の半径から曲率を求めることができる。
請求項10に記載の発明によれば、近似円を算出する際に、円の近似に用いる画素を抽出して近似することができる。このように、画素を間引いて近似円を算出することにより、近似が粗くなり、画像の高周波成分をカットして低周波成分を抽出することができる。従って、画素を間引いて算出された近似円の半径から算出された曲率に基づいて、検出対象の画像領域の検出を行うことにより、画像の周波数的な特徴を考慮した検出を行うことができる。
請求項11に記載の発明によれば、各回転角度で算出された全ての曲率を特徴量として検出対象の画像領域の検出を行うことができる。従って、細部の濃度変化も含めた検出を行うことができ、より検出精度を向上させることができる。
請求項12に記載の発明によれば、各回転角度で算出された全ての曲率のうち、何れかを特徴量として検出対象の画像領域の検出を行うことができる。従って、算出された全ての曲率を用いて検出を行う場合より検出にかかる時間を短縮化することができ、検出効率を向上させることができる。
請求項13に記載の発明によれば、処理対象画像の全ての画像領域において注目画素を設定して曲率の特徴量を算出するので、全画像領域の細部に渡って検出を行うことができ、より検出精度を向上させることができる。
請求項14に記載の発明によれば、曲率の特徴量に基づいて曲面形状を推定し、その推定された曲面形状を通知するので、曲率が算出された画像領域がどのような濃度変化をした画像領域であるのかを確認することができる。
本実施の形態では、濃度分布の曲面を構成するデジタル医用画像の画像信号のうち、注目画素を設定し、この注目画素を中心とした所定領域範囲内の画像信号を用いて注目画素における曲率を画像特徴量として算出し、算出された画像特徴量を用いて異常陰影候補の信号領域を検出する例を説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像処理装置10の機能的構成を示す。
図1に示すように、画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、I/F(InterFace)12、操作部13、表示部14、通信部15、RAM(Random Access Memory)16、ROM(Read Only Memory)17、プログラムメモリ18から構成される。
CPU11は、プログラムメモリ18に格納されているシステムプログラムの他、本発明に係る異常陰影候補検出処理プログラム(図7〜10参照)をRAM16に展開し、当該プログラムとの協働により画像処理装置10の各部の動作を集中制御する。
異常陰影候補検出処理では、候補検出処理及び候補決定処理を実行する。候補検出処理では、検出対象に応じた検出アルゴリズムにより医用画像信号から異常陰影の候補領域を検出し、候補決定処理では、候補検出処理で検出された異常陰影の候補領域における画像特徴量として曲率を算出し、この画像特徴量を用いて候補検出処理で検出された異常陰影の候補領域が真陽性か偽陽性かを判定する。そして、真陽性と判定された候補領域を最終的な異常陰影候補の検出結果として出力する。
以下、曲率の算出方法について詳細に説明する。
図2に、位置(x方向、y方向)、濃度(z方向)の3方向の信号成分からなる医用画像信号の濃度分布から得られる曲面Eを示す。図2において、曲面E上の任意の一画素を注目画素pに設定し、この注目画素pにおける法線ベクトルmで決定される平面を法平面F、法平面Fと曲面Eとの交線、つまり法平面Fで切り出された曲面Eを法断面Jとする。なお、図2では、説明の便宜上、曲面Eを滑らかな曲面で示したが、実際にはデジタル画像を扱うので、図3に示すように、曲面Eは画素毎に離散的な濃度値を示す階段状となっている。
法平面Fで決定された法断面J上の注目画素pにおける法曲率は、注目画素p近傍の画素を用いて法断面Jの形状(つまり、法平面Fで切り出された法平面F上の曲面Eの形状)を円で近似し、その円の半径を求めることにより算出することができるが、法線を軸として法平面Fを回転させると、その回転角度によって法断面Jの形状が変化するため、算出される法曲率も変化することとなる。
図4に、ある回転角度θだけ回転させた法平面Fで決定された法断面Jにおける信号分布例を示す。図4において、縦軸は画素値(濃度値)を示し、横軸は法平面Fの水平方向(法線と直交する方向)における位置を示している。
例えば、円を近似する法断面Jの領域範囲のパラメータnを3とした場合、CPU11は、注目画素pに注目画素pの左右に位置する画素(1画素分)を合わせた合計3画素の画像信号を用いて、これら画像信号に近似する正円(これを近似円という。)を算出する。n=3のとき、近似対象は3点であるので、近似円は3点を通る正円となる。
近似円が算出されると、CPU11は、この近似円の半径rn(θ)を算出し、次式1により、回転角度θにおける法曲率κn(θ)を算出する。
κn(θ)=1/rn(θ)・・・(1)
このように、円を近似する領域範囲nを固定し、0〜360度まで法平面Fを所定角度づつ、例えば1度づつ回転させて回転させた各回転角度θについて法曲率を求める。或いは、0度、5度、10度、・・・と5度づつ回転させて5度の回転毎に法曲率κn(θ)を求めることにより、演算時間の短縮化を図ることとしてもよい。そして、各回転角度θで求められた法曲率κn(θ)のうち、最大値を示すものを最大曲率κn1、最小値を示すものを最小曲率κn2として決定する。
そして、求めた最大曲率κn1、最小曲率κn2を用いてマスクサイズn×nにおける平均曲率Hn、ガウス曲率Knを次の式3及び式4から算出する。
n=1/2(κn1+κn2)・・・(3)
n=κn1*κn2・・・・・・・・(4)
つまり、法平面Fを1回転させることにより、注目画素pを中心としたマスクサイズn×nの領域範囲の曲面に対する最大曲率κn1、最小曲率κn2、平均曲率Hn、ガウス曲率Knを算出することができる。
一方で、各回転角度θで法曲率κn(θ)を算出する際に、法断面J上のどこまでの範囲の画像信号を円の近似対象とするかにより、近似円の大きさが変化する。すなわち、円を近似する法断面Jの範囲nを例えば3、5、7、・・・と変化させると、近似に用いる画像信号数が変化するため、法曲率κn(θ)も変化する。
例えば、図4に示した信号分布例において、近似対象の範囲のパラメータnを3、5、7・・・と変化させた場合、近似に用いる信号数が増加するため、図5に示すように近似円の大きさが変化する。一般的に、曲率は曲面の曲がり具合を示す指標値であり、近似円の半径が小さくなるほど曲率は大きな値となって曲がり具合が大きくなったことを示す。従って、図4に示す信号分布例の場合、図5に示すように、領域範囲を広げるにつれて近似円の半径が大きくなるので、注目画素pを中心とした法断面Jの形状は注目画素pから距離が遠くなるにつれ、曲がり具合が緩やかになっていると推測することができる。
従って、近似対象とする画像信号の範囲nを広げる、つまりマスクサイズn×nを変更しながら、変更されたマスクサイズn×nで法曲率κn(θ)、最大曲率κn1、最小曲率κn2、平均曲率Hn、ガウス曲率Knの各種曲率を特徴量として算出することにより、濃度変化の領域性を含めた異常陰影候補の検出を行うことができる。
CPU11は、あるマスクサイズn×nで各種曲率を算出すると、マスクサイズのパラメータnをn+2に変更して各種曲率を算出する領域範囲を一回り大きく変更設定し、変更されたマスクサイズで再度各種曲率を算出する。なお、検出対象とする異常陰影の種類によりその陰影の大きさは様々であるので、検出対象の異常陰影の種類又は大きさに応じて最大マスクサイズを適宜設定することとする。
そして、変更された各マスクサイズn×nで各種曲率の算出を終えると、各回転角度、各マスクサイズn×nで算出された法曲率κn(θ)(0≦θ<360)、最大曲率κn1、最小曲率κn2、平均曲率Hn、ガウス曲率Knを特徴量として多変量解析に入力し、注目画素p周辺の画像領域は真陽性の異常陰影である可能性が高いか否かを判定する。例えば、マスクサイズ3×3で1度づつ回転させながら各種曲率を算出し、それを順に5×5、7×7とマスクサイズを大きくして得られた曲率の全てを特徴量として、多変量解析の結果を導き出す。
なお、法曲率κn(θ)は、各マスクサイズn×nの各回転角度θで算出された法曲率の値を全て多変量解析に入力することとしてもよいし、全てではなくそのうちの何れかを抽出して多変量解析に入力することとしてもよい。
以下、多変量解析について説明する。
特徴量として算出された平均曲率Hnは、曲面が全体として凹形状か凸形状かを示す指標となり、正の方向にHnの値が大きいほど曲面は凹形状を示し、負の方向にHnの値が大きいほど凸形状を示す。また、ガウス曲率Knは、曲面の平面への展開のしにくさを示す指標となり、Knの値の絶対値が大きいほど平面に展開しにくく、Knの値が0のとき平面に展開可能な形状であることを示す。
曲面の形状は、平均曲率Hnとガウス曲率Knの符号の組み合わせにより、図6に示すように分類することができる。図6に示すように、Kn及びHnが何れも正の値をとるとき曲面の形状は凹型、Kn=0かつHn>0のときは半円筒状の谷型といったように、平均曲率Hnとガウス曲率Knの値の正負の状態により曲面の形状を分類することができる。
微小石灰化クラスタや腫瘤の異常陰影について平均曲率Hn、ガウス曲率Knを求めて分類すると、どちらも凹型の形状に分類されるが、微小石灰化クラスタは凹の形状が円錐形に近い一方、腫瘤はなだらかなガウス分布状の凹形状となる傾向がある。また、乳腺の陰影は谷型の形状となるため、微小石灰化クラスタや腫瘤等の異常陰影と容易に区別することができる。
一方で、微小石灰化クラスタ陰影は、点状の石灰化部分が200μm〜1mm程度の広がりを持って画像上に現れる領域性を有している。従って、ある程度広い領域で円錐形の濃度変化がいくつも見られる可能性が高い。また、腫瘤陰影は、5mm〜3cm程度の大きさを有しているものが多く、画像上では5mm〜3cmの領域範囲でガウス分布状の濃度変化が見られることが推測される。
従って、予め異常陰影の画像特徴量として、法曲率κn(θ)、最大曲率κn1、最小曲率κn2、平均曲率Hn、ガウス曲率Knの各種曲率を異常陰影の種類毎に求めておき、これを標本データとして多変量解析にセットし、多変量解析の出力値として真陽性の異常陰影の特徴をどの程度有しているかを示す指標値を出力するように多変量解析を構築する。なお、多変量解析の手法としては、人工ニューラルネットワーク、主成分分析、判別分析等が挙げられるが、何れを適用してもよいし、これら以外の手法であってもよい。
そして、多変量解析の結果、得られた指標値から注目画素pを中心とするマスクサイズn×nの領域は、真陽性の異常陰影であるか否かを判定する。例えば、腫瘤陰影を検出対象として、腫瘤陰影の特徴をどの程度有しているかを0〜1の値に正規化して出力されるように多変量解析を構築する。この正規化された指標値は1に近い程、腫瘤陰影の特徴を有している程度が大きいことを示す。そして、算出された各種曲率の特徴量を多変量解析に入力して0〜1に正規化された指標値を得て、指標値が閾値、例えば0.7より大きい場合は、真陽性であると判定し、閾値0.7より小さい場合は偽陽性であると判定する。
CPU11は、多変量解析の結果、真陽性であると判定された場合は、最終的な異常陰影候補の検出結果として、注目画素pを中心とするマスクサイズn×nの画像領域を異常陰影の候補領域として検出する。一方、偽陽性であると判定された場合は、候補検出処理により検出された異常陰影候補の検出結果から偽陽性と判定された候補を削除する。そして、真陽性と判定された異常陰影候補の検出結果を表示部13に表示させる。具体的には、表示部13に医用画像を表示させ、この医用画像において真陽性の異常陰影として検出された候補領域を識別表示させる。
また、CPU11は、異常陰影候補領域の濃度分布の曲面形状を推定する。図6に示したように、曲面形状は平均曲率Hn、ガウス曲率Knの符号から分類されるので、異常陰影候補領域から算出された平均曲率Hn、ガウス曲率Knに基づいて、曲面形状を推定する。そして、推定された曲面形状の情報を異常陰影候補の検出結果とともに表示部13に表示させる。
また、CPU11は、異常陰影候補の検出を行う前に、入力された医用画像信号に対し、各種画像処理を施す。各種画像処理には、コントラストを調整する階調処理、コントラストが小さくなりやすい乳腺や腫瘤の低濃度領域の濃度階調を拡大し、逆に微小石灰化クラスタの画像が存在する可能性が少ない脂肪領域の濃度階調を圧縮するように補正を行うコンラスト補正処理、画像の鮮鋭度を調整するアンシャープネスマスク処理、ダイナミックレンジの広い被写体の細部のコントラストを低下させることなく見やすい濃度範囲に収めるためのダイナミックレンジ圧縮処理等が含まれる。
すなわち、異常陰影候補検出プログラムとCPU11との協働により、特徴量算出手段、異常陰影候補検出手段、異常陰影候補決定手段及び推定手段を実現することが可能となる。
I/F12は、画像生成装置Gと接続するためのインターフェイスであり、画像生成装置Gにおいて生成された医用画像信号を画像処理装置10に入力する。
画像生成装置Gとしては、例えば医用画像が記録されたフィルム上にレーザ光を走査して医用画像信号を読み取るレーザデジタイザや、CCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子からなるセンサによりフィルムに記録された医用画像信号を読み取るフィルムスキャナ等が適用可能である。
また、フィルムに記録された医用画像を読み取るのではなく、蓄積性蛍光体を用いて医用画像を撮影する撮影装置や、照射された放射線の強度に応じた電荷を生成する放射線検出素子とコンデンサからなるフラットパネルディテクタ等を接続可能な構成としてもよく、その医用画像信号の入力方法は特に限定しない。
操作部13は、カーソルキーや数字キー、各種機能キーからなるキーボードを備えて構成され、押下されたキーに対応する操作信号をCPU11に出力する。なお、必要に応じてマウスやタッチパネル等のポインティングディバイスを含むこととしてもよい。
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成され、医用画像や、CPU11による異常陰影候補の検出結果等の各種表示情報を表示する。すなわち、表示部14に異常陰影候補領域において推定された濃度分布の曲面形状の情報を表示させることにより、通知手段を実現することができる。
通信部15は、ネットワークインターフェイスカード、モデム、ターミナルアダプタ等の通信用インターフェイスにより構成され、通信ネットワーク上の外部機器と各種情報の送受信を行う。例えば、通信部15を介して画像生成装置Gから医用画像信号を受信する構成としてもよいし、通信部15を介して病院内のサーバ等に接続したり、各診療室に設置される診療端末に接続して、異常陰影候補の検出結果を送信する構成としてもよい。
RAM16は、CPU11によって実行される各種プログラムやこれらプログラムによって処理されたデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
ROM17は、CPU11によって処理されたデータ等を記憶するメモリである。ROM17は、特徴量ファイル171を備え、この特徴量ファイル171にCPU11によって算出された各種特徴量を格納する。
プログラムメモリ18は、システムプログラムや異常陰影候補検出処理プログラム及び各種プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
次に、本実施の形態における動作を説明する。
図7は、画像処理装置10により実行される異常陰影候補検出処理を説明するフローチャートである。なお、以下の説明では、マンモグラフィから腫瘤陰影の候補領域を検出する例を説明する。
図7に示す異常陰影候補検出処理では、まず画像生成装置GからI/F12を介して医用画像信号が入力されると、異常陰影候補検出処理の前処理として、入力された医用画像信号に対して階調処理、アンシャープネスマスク処理、ダイナミックレンジ圧縮処理等の各種画像処理が施される(ステップS1)。前処理が終了すると、ステップS2の候補検出処理に移行する。
図8を参照して、候補検出処理について説明する。
図8に示す候補検出処理では、まず異常陰影候補の検出対象領域(被写体である乳房の画像領域)において、任意の注目画素が設定される(ステップS21)。次いで、設定された注目画素において画像の特徴量が算出される(ステップS22)。
本実施の形態では、候補検出処理の検出アルゴリズムとしてアイリスフィルタを用いた手法を適用した場合を説明する。すなわち、注目画素周辺(例えば、所定のマスクサイズ内の領域)における濃度勾配の方向成分及び強度成分の集中度等の特徴量が求められる。また、その他の特徴量として、注目画素周辺におけるコントラスト、標準偏差、フラクタル次元等の特徴量が求められる。
各種特徴量が算出されると、予め各特徴量に対して設定されている、異常陰影候補検出のための閾値と比較され、その比較結果に基づいて注目画素周辺領域は異常陰影である可能性が高いか否かが判別される。異常陰影である可能性が高いと判別された場合、その注目画素周辺領域が異常陰影の候補領域として検出される(ステップS23)。
次いで、全ての検出対象領域で注目画素が設定され、異常陰影候補の検出が行われたか否かが判別される(ステップS24)。全ての検出対象領域において注目画素が設定されておらず、まだ未検出の対象領域が残っている場合(ステップS24;N)、未検出領域において注目画素が新たに再設定され(ステップS25)、再設定された注目画素において異常陰影候補の検出が繰り返される。
一方、全ての検出対象領域に対して注目画素が設定され、異常陰影候補の検出が終了した場合(ステップS24;Y)、図7に示すステップS3の処理に移行する。
図7に示すステップS3では、候補検出処理において異常陰影候補は検出されたか否かが判別される。異常陰影候補が検出されなかった場合は(ステップS3;N)、異常陰影候補は検出されなかったことを通知するメッセージが表示部13に表示され(ステップS4)、本処理を終了する。
候補検出処理において異常陰影候補が検出された場合(ステップS3;Y)、ステップS5の候補決定処理に移行する。
図9を参照して、候補決定処理について説明する。
図9に示す候補決定処理では、まず候補検出処理で検出された異常陰影の候補領域における中心の画素が注目画素pとして設定される(ステップS51)。注目画素pが設定されると、ステップS52の特徴量算出の処理に移行する。
ステップS52の特徴量算出の処理について、図10を参照して説明する。
まず、注目画素pにおける法曲率を求める範囲のパラメータnが初期値であるn=3に設定されるとともに(ステップS521)、注目画素pにおける法平面Fの回転角度θが初期値であるθ=0に設定される(ステップS522)。
各パラメータが設定されると、注目画素pの法平面Fが回転角度θの位置に設定され、法断面Jが決定される。そして、法断面J上の画像信号のうち、注目画素pを中心とする範囲n内の画像信号を用いて法断面Jを近似する円が算出される(ステップS523)。最初のルーチンでは、n=3、θ=0の初期値に設定されているので、回転角度θ=0度の位置の法平面Fで決定された法断面J上で、注目画素pを中心とする3画素、つまり注目画素pと注目画素pの両隣の画像信号に近似する円が算出される。
次いで、算出された近似円の半径が求められ、当該半径の値から上述した式1により、回転角度θにおける法曲率κn(θ)が算出される(ステップS524)。法曲率が算出されると、回転角度のパラメータθにθ+5の値が代入され(ステップS525)、5度だけ回転角度が加算されて変更設定される。回転角度が変更設定されると、回転角度θの値が360に達したか否かが判別される(ステップS526)。
まだ0〜360度まで法平面を1回転させて法曲率を算出しておらず、回転角度θの値が360に達していない場合(ステップS526;N)、ステップS104の処理に戻り、新たに5度加算設定された回転角度θにおける法曲率が算出される。
一方、角度5度おきに注目画素pにおける法曲率が算出され、0〜360度まで法平面Fが回転されて、回転角度θがθ=360に達した場合(ステップS526;Y)、各回転角度θで算出された法曲率κn(θ)のうち、最大値を示す法曲率が最大曲率κn1、最小値を示す法曲率が最小曲率κn2として求められる。そして、求められた最大曲率κn1、最小曲率κn2を用いて、上述した式3及び式4により、平均曲率Hn、ガウス曲率Knが算出される(ステップS527)。
次いで、算出された平均曲率Hn、ガウス曲率Knから濃度分布の曲面形状が推定される(ステップS528)。例えば、平均曲率Hn>0、ガウス曲率Kn>0であれば、図6に示す形状分類のテーブルに基づいて曲面形状は凹型であると推定される。
次いで、算出された法曲率κn(θ)、最大曲率κn1、最小曲率κn2、平均曲率Hn、ガウス曲率Knの各種曲率が、マスクサイズn×nの領域範囲で算出された特徴量として、特徴量ファイル171に保存される(ステップS529)。
特徴量が保存されると、各種曲率を算出する範囲のパラメータnにn+2の値が代入され(ステップS530)、マスクサイズn×nが一回り大きく変更設定される。パラメータnが変更設定されると、nの値が、検出対象である腫瘤陰影に応じて最大範囲として設定されているn=15に達したか否かが判別される(ステップS531)。n=15に達していない場合(ステップS531;N)、ステップS522の処理に戻り、変更されたマスクサイズn×nで各種曲率の算出が行われる。
一方、3×3、5×5、7×7、・・・と順次範囲nを広げた各マスクサイズn×nで各種曲率が算出され、最大範囲のn=15に達した場合(ステップS531;Y)、注目画素pにおける各種曲率の算出を終了し、各マスクサイズn×nで算出された特徴量(各回転角度θで算出された法曲率κn(θ)、最大曲率κn1、最小曲率κn2、平均曲率Hn、ガウス曲率Kn)が多変量解析に入力される。そして、多変量解析の結果、出力された指標値に基づいて、注目画素pを中心としたマスクサイズn×nの領域は真陽性の異常陰影か偽陽性の異常陰影かが判定される(ステップS532)。
例えば、多変量解析により出力された指標値が閾値より高い場合は、真陽性の異常陰影である可能性が高いと判定する一方、出力された指標値が閾値より低い場合は、偽陽性である可能性が高いと判定する。そして真陽性か偽陽性かが判定されると、図9に示すステップS55に移行する。
ステップS55では、候補検出処理で検出された全ての異常陰影の候補領域に対して真陽性か偽陽性かが判定されたか否かが判別される(ステップS53)。全ての候補領域に対して真陽性か偽陽性かが判定された場合(ステップS53;N)、次の判定対象の異常陰影候補の候補領域における中心に注目画素が設定され(ステップS54)、ステップS52の処理に移行して特徴量の算出及び真陽性か偽陽性かの判定が繰り返される。
一方、全ての異常陰影候補に対して判定が終了した場合(ステップS53;Y)、真陽性か偽陽性かの判定結果に基づいて、候補検出処理で検出された異常陰影候補から、偽陽性であると判定された候補を削除し、真陽性と判定された異常陰影候補が最終的な検出結果として決定される(ステップS55)。
このようにして、異常陰影候補が決定されると、図7のステップS6に移行する。ステップS6では、候補決定処理で決定された異常陰影候補が表示される(ステップS)。具体的には、医用画像が表示部14に表示され、その医用画像上において、候補検出処理及び候補決定処理を経て最終的に異常陰影候補として決定された候補領域が矢印で指摘表示される、或いはカラー表示される等して識別表示される。また、異常陰影候補の検出結果とともに、検出された異常陰影の候補領域に対して推定された濃度分布の曲面の形状が表示される。
図11に、異常陰影の検出結果の表示例を示す。
図11は、マンモグラフィであり、被写体である乳房画像領域で検出された腫瘤の異常陰影候補が候補1として矢印で指摘表示されている。また、被写体画像に重ならない位置に検出対象が腫瘤であることを示すメッセージe1「腫瘤陰影候補1を検出しました」が表示されるとともに、検出された腫瘤陰影候補1の候補領域における濃度分布の曲面形状が「凹型」であると推定されたことを示すメッセージe2「濃度分布の曲面形状は「凹型」です。」が表示される。
以上のように、画像信号から構成される濃度分布の曲面において、注目画素pを設定し、注目画素pを中心とした所定領域範囲、つまりマスクサイズn×nにおける特徴量として、当該注目画素pにおける法曲率κn(θ)、最大曲率κn1、最小曲率κn2、平均曲率Hn、ガウス曲率Knの各種曲率を算出し、当該算出された特徴量を用いて真陽性の異常陰影か否かを判定するので、特徴的な濃度分布を有する異常陰影の画像領域を正常組織と区別して的確に検出することが可能となる。
特にマンモグラフィでは、乳腺のような線状の正常組織でも、細いものから太いものまで様々な太さのものが存在するので、太く塊状となった乳腺組織の陰影は円形度が高い腫瘤や丸く広がりを持った微小石灰化クラスタの陰影と判別しがたい場合がある。しかしながら、曲率を算出することにより、図6に示したように乳腺のような線状組織は谷型となるのに対し、腫瘤や微小石灰化クラスタは凹型を示す。従って、線状の正常組織のような偽陽性の陰影を異常陰影として誤検出することを防ぐことができ、検出精度を向上させることができる。
また、曲率を算出するマスクサイズを変更し、変更された各マスクサイズで算出された各種曲率を特徴量として異常陰影候補の検出に用いるので、異常陰影の大きさを考慮した検出を行うことができ、様々な大きさの陰影に対応することが可能となる。
例えば、腫瘤陰影は5mm〜3cm程度の大きさであるのに対し、微小石灰化クラスタ陰影は、200μm〜1mm程度と腫瘤陰影よりかなり小さいサイズとなる。従って、腫瘤陰影を検出する際にはマスクサイズを最大3cm程度まで変更し、微小石灰化クラスタ陰影を検出する際にはマスクサイズを最大1mm程度まで変更することにより、検出対象とする異常陰影に対応することができる。
特に、微小石灰化クラスタの陰影は、高周波な石灰化部分が点状にある程度の広がりを持って画像上に現れるのに対し、ノイズは非常に高周波な陰影として局所的に画像上に現れるので、曲率を算出する領域範囲を徐々に広げながら真陽性の異常陰影であるか否かを判定することにより、領域分布性を有する微小石灰化クラスタのような真陽性の異常陰影とノイズのような偽陽性の陰影とを区別することが可能となる。
また、このように検出対象の病変種類の大きさに応じてマスクサイズを設定することにより、異なる病変種類の異常陰影を1つの検出アルゴリズムで検出することができる。従来は、病変種類に特化したフィルタを用いることが多く、検出対象とする病変種類に応じたフィルタをいくつも準備しなければならかったが、本発明では1つのアルゴリズムで複数の病変種類の異常陰影を検出することが可能であるので効率的である。
さらに、候補検出処理で曲率を用いた検出アルゴリズムを適用する場合、全ての画素を注目画素に設定するため、ある程度の演算時間が必要となるが、候補検出処理で曲率を用いた検出アルゴリズムを適用する場合は、候補領域の中心を注目画素として曲率を算出し、偽陽性候補削除の1特徴量として用いるため、より検出精度が高まるとともに、演算時間を短縮し、演算の効率化を図ることができる。
さらに、候補検出処理により検出された候補領域の中心を注目画素pとして設定して曲率を算出し、その曲率の特徴量に基づいて真陽性の異常陰影か否かを判定するので、2段階の検出により検出精度を向上させることができるとともに、候補検出処理により候補決定処理時の検出対象領域を絞ることができるので、候補決定処理の処理効率をも向上させることができる。
なお、本実施の形態における記述内容は、本発明を適用した画像処理装置10の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上述した説明では、候補検出処理として従来からの検出アルゴリズムを適用し、候補決定処理として本発明の曲率を用いる検出アルゴリズムを適用した例を説明したが、これに限らず、候補検出処理に本発明の曲率を用いた検出アルゴリズムを適用して候補決定処理に他の検出アルゴリズムを適用することとしてもよいし、本発明の曲率を用いた検出アルゴリズムにより候補検出処理のみを実行することとしてもよい。
また、アイリスフィルタやモルフォルジーフィルタ等の他の検出アルゴリズムと本発明の曲率を用いた検出アルゴリズムとを併用し、各検出アルゴリズムで算出された特徴量を多変量解析に入力することとしてもよい。これにより、多角的な面から総合的に異常陰影の検出を行うことができる。
また、上述した説明では、マスクサイズn×nの領域範囲内の全ての画像信号に近似する近似円を算出することとしていたが、これに限らず、図12に示すように近似円の算出に用いる画像信号を抽出して、抽出された画像信号のみを用いて近似円を算出することとしてもよい。このように、近似する画像信号を間引くことにより近似が粗くなり、画像信号の高周波成分をカットして低周波成分を抽出することができるので、全ての画像信号を用いて算出された曲率と、画像信号を間引いて算出された曲率とを多変量解析に入力することにより、画像信号の周波数的な特徴を考慮した異常陰影候補の検出を行うことができる。
また、上述した説明では、マンモグラフィから腫瘤や微小石灰化クラスタの陰影を検出する例を説明したが、他の部位を撮影した医用画像からその部位における異常陰影を検出する際にも適用可能である。さらに、マンモグラフィ等の放射線画像ではなく、超音波画像、MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像であっても本発明を適用可能である。
さらに、曲面を構成する3次元信号から曲率を求めてその信号の特徴量とするのであれば、上述したような位置(x方向、y方向)、濃度(z方向)の3方向成分からなる2次元医用画像信号に限らず、本発明を適用可能である。例えば、周波数、時間、周波数スペクトルの3軸から構成されるサウンドスペクトログラムや、明度成分、2つの知覚色度成分からなる色信号などに対しても適用可能であり、特徴的な曲面形状を有する信号領域を検出することが可能となる。
その他、本実施の形態における画像処理装置10の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
本実施の形態における画像処理装置10の内部構成を示す図である。 画像信号から構成される濃度分布の曲面を示す概念図である。 デジタル画像における濃度分布の曲面を示す概念図である。 曲面Eを法平面Fで切り取った際の法平面F上の法断面Jにおける信号分布を示す図である。 曲率を算出する領域範囲のパラメータnを変更させた際の各マスクサイズn×nにおける近似円を示す図である。 平均曲率Hn、ガウス曲率Knの符号の組み合わせによる曲面の形状分類を示す図である。 画像処理装置10により実行される異常陰影候補検出処理を説明するフローチャートである。 異常陰影候補検出処理において実行される候補検出処理を説明するフローチャートである。 異常陰影候補検出処理において実行される候補決定処理を説明するフローチャートである。 候補決定処理において実行される特徴量算出処理を説明するフローチャートである。 異常陰影候補の検出結果の表示例を示す図である。 画像信号を間引いて算出された近似円から曲率を算出する例を示す図である。
符号の説明
10 画像処理装置
11 CPU
12 I/F
13 操作部
14 表示部
15 通信部
16 RAM
17 ROM
171 特徴量ファイル
18 プログラムメモリ

Claims (14)

  1. 処理対象画像において、任意の注目画素を設定し、その注目画素から所定範囲内の画像領域における特徴量として、注目画素から所定領域範囲内における近傍画素の濃度分布から得られる曲面における曲率を算出する特徴量算出手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記処理対象画像は、医用画像であり、
    前記特徴量算出手段は、医用画像の画像領域において1画素づつ注目画素を設定して各注目画素における曲率を特徴量として算出し、
    前記特徴量算出手段により算出された曲率の特徴量に基づいて、注目画素から所定範囲内の領域を異常陰影の候補領域として検出する異常陰影候補検出手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記処理対象画像は、医用画像であり、
    医用画像の画像領域において異常陰影の候補領域を検出する異常陰影候補検出手段を備え、
    前記特徴量算出手段は、前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影の候補領域内において注目画素を設定して曲率を算出し、
    前記特徴量算出手段により算出された特徴量に基づいて、前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影の候補領域は、真陽性の陰影であるか否かを判定し、真陽性の陰影であると判定された領域を最終的な異常陰影候補の検出結果として出力する異常陰影候補決定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記特徴量算出手段は、前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影の候補領域の中心を注目画素として設定して曲率の特徴量を算出し、
    前記異常陰影候補決定手段は、前記特徴量算出手段により算出された曲率の特徴量に基づいて、前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影の候補領域は、真陽性の陰影であるか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記特徴量算出手段は、曲率の特徴量を算出する曲面の領域範囲を変更し、変更された各領域範囲で曲率を算出することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記特徴量算出手段は、変更された各領域範囲で算出された曲率全てを特徴量とすることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記特徴量算出手段は、変更された各領域範囲で算出された曲率のうち、何れかを特徴量とすることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  8. 前記特徴量算出手段は、検出対象とする異常陰影の種類又は大きさに応じて、特徴量を算出する曲面の領域範囲を変更することを特徴とする請求項2〜7の何れか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記特徴量算出手段は、注目画素における法線を軸として法平面を所定角度づつ回転させ、その回転角度毎に、注目画素から所定領域範囲内の曲面を法平面で切り出してその切り出された法平面上の曲面形状を近似する近似円を算出し、この近似円の半径から曲率を算出することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の画像処理装置。
  10. 前記特徴量算出手段は、近似円を算出する際に、所定領域範囲内の曲面を構成する全ての画素のうち、円の近似に用いる画素を抽出し、当該抽出された画素を用いて近似円を算出することを特徴する請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記特徴量算出手段は、法平面を回転させた各回転角度で算出された曲率全てを特徴量とすることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像処理装置。
  12. 前記特徴量算出手段は、法平面を回転させた各回転角度で算出された曲率のうち、何れかを特徴量とすることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像処理装置。
  13. 前記特徴量算出手段は、処理対象画像の全ての画像領域において注目画素を設定し、特徴量を算出することを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の画像処理装置。
  14. 前記特徴量算出手段により算出された曲率の特徴量に基づいて、曲面形状を推定する推定手段と、
    前記推定された曲面形状の情報を通知する通知手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の画像処理装置。
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