JP3677938B2 - 内燃機関の回転速度制御装置 - Google Patents

内燃機関の回転速度制御装置 Download PDF

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の回転速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関の回転速度を目標値に制御するための回転速度制御装置では、ストイキ均質燃焼(理論空燃比下において、燃焼室全域に略均等に燃料を分散させて燃焼させる燃焼形態)でのアイドル状態においては、例えば、以下のような制御を行っていた。
【0003】
即ち、例えば、図6に示すように、補機(例えばエアコン)OFF→ONの要求が発生した場合には、まず、ISCバルブ等の吸入空気流量制御弁(空気弁)を所定量開弁させて吸入空気流量を増量補正するが、それと同時に該吸入空気流量制御弁(空気弁)による吸入空気流量の増量遅れ(吸気系の容積部の充填遅れ等に起因する応答遅れ)に合わせて点火時期を遅らせる(リタードさせる)ことで、点火時期の進角側への操作範囲(現在点火時期から進角限界までの進角可能な幅)を確保する。
【0004】
次に、所定ディレイ期間経過後における補機のOFF→ON動作に同期させて、補機動作開始に伴う負荷変動を抑制すべく、点火時期を進角させる。
そして、その後、吸入空気流量制御弁(空気弁)による吸入空気流量の増量遅れに合わせて点火時期をベース点火時期まで戻すようにしている。
即ち、従来においては、実際に補機負荷が加わる前に、点火時期の進角側操作範囲(即ち内燃機関の発生トルク増大幅)を確保することで、実際に補機負荷が加わったときに、点火時期操作により、負荷投入時の回転変動や回転の落ち込み等を応答性良く効果的に抑制するようにしている。
【0005】
上記のような、吸入空気流量制御に比べて応答性よく内燃機関の発生トルクを制御できる因子、例えば点火時期(或いは燃料供給量)を操作して内燃機関の発生トルクを補正制御し、負荷投入時の回転変動や回転の落ち込み等を応答性良く抑制する補正制御を、以下、高応答補正と言う。
ところで、従来においては、このような高応答補正における点火時期の補正量の演算方法として、次のような手法を採っていた。
【0006】
▲1▼まず、ベーストルクに対する高応答トルクの割合(”トルク補正率Z”と言う)を演算する(図6参照)。
Z=Y/X2+1
ここで、X1;アイドル総空気流量指令値
X2;X1に吸気系遅れ処理を施し、シリンダ内(筒内或いは燃焼室内)吸入空気流量相当に変換した値(ベーストルクに相当する値)
Y ;高応答補正量{X2と同じ単位=(l/min)}。X1を所定ディレイ期間遅らせた値をX1’とし、該X1’からX2を減算して求める(Y=X1’−X2)。
【0007】
▲2▼トルク補正率Zを実現できる点火時期(AVDset)を図7に示すようなテーブルを参照して設定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば、通常は均質混合気(燃焼内全体に均等に燃料が分散している状態)で燃焼を行わせ、所定運転状態(低回転速度・低負荷状態等)において、燃焼室内に点火栓により着火可能な可燃混合比の混合気からなる層(1)と、EGRを含む空気層或いは点火栓による着火は困難であるが前記(1)層での燃焼火炎を受け燃焼可能な可燃混合比の混合気からなる層(2)の、層からなる成層混合気を形成し、極希薄な空燃比(リーン限界近傍の空燃比)で燃焼を実現し、ポンピングロスの低減効果等による燃費等の向上を図るようにしたエンジン(所謂燃焼室直接燃料噴射式ガソリンエンジン)がある(特開昭62−191622号公報や特開平2−169834号公報等参照)。
【0009】
このような成層混合気で運転させる場合には、燃焼室内において可燃混合気は偏在するので、可燃混合気が点火プラグを適切に覆う時期に、的確に点火できるように点火時期を選ぶ必要がある。言い換えると、成層混合気による燃焼を行わせる場合、点火時期を最適値として設定された位置からあまり自由に変化させることができない。
【0010】
このため、成層混合気による運転時には、応答性よく発生トルクを調整する手段(高応答補正手段)として点火時期を用いても、事実上点火時期を使用してのトルク制御領域はほとんどないと言える。
そこで、成層混合気による運転中には、点火時期制御による高応答なトルク調整制御は期待できないため、応答よく発生トルクの制御を行わせるための手法として、当量比(具体的には、燃料供給量)を調整してトルク調整制御を行わせることが考えられる。
【0011】
即ち、均質混合気による運転時の高応答補正を行わせるための高応答補正手段としては点火時期を使用し、成層混合気による運転時には高応答補正手段として当量比を使用するように、高応答補正手段を選択的に切り換えて使用することが考えられる。
ところで、高応答補正手段として当量比(燃料供給量)を使用した場合、前述したトルク補正率Zを実現するための当量比(燃料供給量)補正量は、Z×『ベース当量比』にほぼ一致する。
【0012】
従って、成層燃焼時において、高応答補正を当量比(燃料供給量)を操作して行わせる場合にも、上述した点火時期を操作する場合と同様に、一旦、トルク補正率Zを演算し、該トルク補正率Zを実現できる当量比を演算することが考えられる。
しかしながら、図8に示すように、軸トルク=0を実現する(回転速度一定を実現する)ベーストルク(X2が相当する値であり、定常状態であればX2=X1である)は、当量比、燃焼形態(成層/均質)等に応じて変化する。
【0013】
つまり、例えば、燃焼形態(成層/均質)を切り換え、当量比を下げると、それだけ吸入空気流量を増大できるので、ISCバルブ等の吸入空気流量制御弁(空気弁)の開度を増加でき、以ってポンピングロスが低減され、軸トルク=0を実現するベーストルクがより小さくなる(図8では、X1=125[l/min]→100[l/min]として示されている)。
【0014】
また、成層燃焼と均質燃焼とでは、同一空気流量・同一燃料供給量でも発生トルクが異なる(燃焼自体の燃焼効率が異なる)から、これによっても軸トルク=0を実現するベーストルクは異なることになる。更に、同一空気量・同一燃料供給量でも、EGR率(EGR量)や点火時期によってもベーストルクが異なる。このような、同一空気流量・同一燃料供給量でも生じるベーストルクの相違は、燃焼効率{以下、燃焼効率やポンピングロスの相違、点火時期、EGR率(EGR量)の相違等も含め、燃焼効率相当値として表現する場合もある)の相違として表すことができる。
【0015】
このため、当量比操作や燃焼形態を切り換える場合で、ベーストルク(X2、定常状態であればX1がこれに相当する)が変化する場合には、上記の手法をそのまま適用することができない。
つまり、当量比操作や燃焼形態の切り換えに応じたベーストルク(X2或いはX1)の変化を考慮して、トルク補正率Zを演算しなければならないが、これに対応することができず、以って軸トルク=0を実現するベーストルクと実際の機関発生トルクとの間にアンバランスが生じ、回転変動や回転の落ち込み等が生じ良好な運転性を確保できなくなる惧れが生じることになる。
【0016】
本発明は、上記のような実情に鑑みなされたもので、例えば要求に応じて当量比や燃焼形態を切り換える場合でも、良好に回転速度を一定に維持することができるようにした内燃機関の回転速度制御装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明では、図1に示すように、所定の燃焼効率相当値下で、内燃機関の回転速度を一定できる内燃機関の発生トルクをベーストルクとして演算するベーストルク演算手段と、機関吸入空気流量とは異なる操作対象を制御して、高応答で内燃機関の発生トルクを補正する高応答補正手段と、補機負荷投入時に、前記演算されたベーストルクに基づいて、内燃機関の回転速度を一定にするために前記高応答補正手段が補正すべきトルク量を高応答補正量として演算する高応答補正量演算手段と、前記演算されたベーストルクに対する前記高応答補正量の割合をトルク補正率として演算するトルク補正率演算手段と、を備え、前記演算されたトルク補正率に基づいて、前記高応答補正手段の操作対象を補正制御するようにした内燃機関の回転速度制御装置において、内燃機関の燃焼効率相当値の変化に基づいて、前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクを補正するベーストルク補正手段を備え、前記トルク補正率演算手段が、前記ベーストルク補正手段により補正された補正後のベーストルクに対する前記高応答補正量の割合をトルク補正率として演算するようにすると共に、当該トルク補正率に基づいて、前記高応答補正手段の操作対象を補正制御するようにした。
【0018】
このようにすると、燃焼形態などが切り換えられ内燃機関の燃焼効率相当値が変化して、軸トルク=0を実現する(回転速度一定を実現する)ベーストルクが変化する場合には、それに応じてベーストルクを補正し、該補正後のベーストルクに対する高応答補正量(Y)の割合であるトルク補正率(Z)を正確に演算し、該トルク補正率(Z)に基づき、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作することができるので、燃焼形態が切り換えられ内燃機関の燃焼効率相当値が変化して、軸トルク=0を実現する(回転速度一定を実現する)ベーストルクが変化するような場合でも、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0019】
なお、燃焼形態の切り換えの有無に限らず、運転状態(回転速度や負荷や暖機状態など)、EGR率、点火時期、当量比等の変化に伴う燃焼効率相当値の変化により、ベーストルクが変化する場合にも、上記と同様に適用できるものである。
また、本発明によれば、運転状態、燃焼形態、EGR率、点火時期、当量比等の変化により燃焼効率相当値が異なり(同一吸入空気流量・同一燃料供給量であっても機関発生トルクが異なり)、ベーストルクが異なる場合でも、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を介して、補機負荷変動(エアコンON・OFF切り換え等)等に追従して良好にトルクバランスを図ることができ、機関回転速度を良好に一定に維持することができ、機関安定性を高めることができる。
【0020】
請求項2に記載の発明では、前記燃焼効率相当値が、少なくとも目標当量比を含む構成とした。
目標当量比が変化すると、燃焼効率が変化したり、ポンピングロスが変化すると燃焼効率相当値が変化することになるが、これに追従して良好に、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作することができるので、目標当量比が変化して、軸トルク=0を実現する(回転速度一定を実現する)ベーストルクが変化するような場合でも、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0021】
請求項3に記載の発明では、前記燃焼効率相当値が、少なくとも燃焼形態を含む構成とした。
燃焼形態が、例えば均質燃焼形態と成層燃焼形態との間で変化されると、燃焼効率が変化したりポンピングロスが変化して燃焼効率相当値が変化することになるが、これに追従して良好に、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作することができるので、燃焼形態が切り換えられ内燃機関の燃焼効率相当値が変化して、軸トルク=0を実現する(回転速度一定を実現する)ベーストルクが変化するような場合でも、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0022】
請求項4に記載の発明では、前記燃焼効率相当値が、少なくとも目標EGR量或いは目標EGR率を含む構成とした。
目標EGR量或いは目標EGR率が変化すると、同一吸入空気流量・同一燃料供給量であっても機関発生トルクが異なり燃焼効率相当値が変化することになるが、これに追従して良好に、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作することができるので、目標EGR量或いは目標EGR率が変化して、軸トルク=0を実現する(回転速度一定を実現する)ベーストルクが変化するような場合でも、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0023】
請求項5に記載の発明では、前記燃焼効率相当値が、少なくとも目標点火時期を含む構成とした。
目標点火時期が変化すると、同一吸入空気流量・同一燃料供給量であっても機関発生トルクが異なり燃焼効率相当値が変化することになるが、これに追従して良好に、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作することができるので、目標点火時期が変化して、軸トルク=0を実現する(回転速度一定を実現する)ベーストルクが変化するような場合でも、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0024】
請求項6に記載の発明では、前記内燃機関の燃焼効率相当値の変化が、異なる燃焼効率相当値間のステップ的な変化を含む構成とした。
このようにすると、ロジックを簡略化でき、演算負荷を低減することができる。
請求項7に記載の発明では、前記内燃機関の燃焼効率相当値の変化が、異なる燃焼効率相当値間で吸気系遅れ処理を施して得た変化を含む構成とした。
【0025】
このようにすると、ロジックがやや複雑化すると共に演算負荷がやや増加することになるが、前記内燃機関の燃焼効率相当値の変化を吸気系遅れに精度良く追従させることができるので、きめ細かな制御が可能となるので、より高精度に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0026】
請求項8に記載の発明では、前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクを、吸入空気流量制御手段に対して与えられる指令値とした。
かかる構成とすれば、計測吸入空気流量を用いる必要がないので、構成の簡略化を図ることができる。また、計測を待つ必要がないので、制御応答性も高めることができる。
【0027】
請求項9に記載の発明では、前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクを、吸入空気流量制御手段に対して与えられる指令値に吸気系遅れ処理を施した値とした。
ベーストルクの変化を、吸気系遅れに精度良く追従させることができるので、きめ細かな制御が可能となるので、より一層高精度に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0028】
請求項10に記載の発明では、前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクを、計測吸入空気流量に基づく値とした。
実際に計測された吸入空気流量に基づいてベーストルクが演算されるので、計測吸入空気流量を用いた場合に比べて、機関間誤差等が排除された高精度な制御が可能となる。
【0029】
請求項11に記載の発明では、前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクを、計測吸入空気流量に基づく値に対して吸気系遅れ処理を施した値とした。
ベーストルクの変化を、吸気系遅れに精度良く追従させることができるので、きめ細かな制御が可能となるので、より一層高精度に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0030】
請求項12に記載の発明では、前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクを、目標トルクを演算しその目標トルクを実現する手段を備えたエンジントルクデマンドシステムにおける目標トルクとした。
かかる構成とすれば、目標トルクを演算しその目標トルクを実現する手段を備えた所謂エンジントルクデマンドシステムの枠組みの中で、容易に、内燃機関の燃焼効率相当値が変化して、軸トルク=0を実現するベーストルクが変化するような場合でも、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0031】
請求項13に記載の発明では、前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクを、目標トルクを演算しその目標トルクを実現する手段を備えたエンジントルクデマンドシステムにおける目標トルクに対して吸気系遅れ処理を施した値とした。
ベーストルクの変化を、吸気系遅れに精度良く追従させることができるので、きめ細かな制御が可能となるので、より一層高精度に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、内燃機関の燃焼効率相当値が変化して、軸トルク=0を実現するベーストルクが変化する場合には、それに応じてベーストルクを補正し、該補正後のベーストルクに対する高応答補正量の割合であるトルク補正率を正確に演算し、該トルク補正率に基づき、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作することができるので、内燃機関の燃焼効率相当値が変化して、ベーストルクが変化するような場合でも、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0033】
また、本発明によれば、運転状態、燃焼形態、EGR率、点火時期、当量比等の変化により燃焼効率相当値が異なり(同一吸入空気流量・同一燃料供給量であっても機関発生トルクが異なり)、ベーストルクが異なる場合でも、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を介して、補機負荷変動(エアコンON・OFF切り換え等)等に追従して良好にトルクバランスを図ることができ、機関回転速度を良好に一定に維持することができ、機関安定性を高めることができる。
【0034】
請求項2に記載の発明によれば、目標当量比が変化する場合でも、これに追従して良好に、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作することができるので、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
請求項3に記載の発明によれば、燃焼形態が変化する場合でも、これに追従して良好に、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作することができるので、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0035】
請求項4に記載の発明によれば、目標EGR量或いは目標EGR率が変化する場合でも、これに追従して良好に、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作することができるので、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
請求項5に記載の発明によれば、目標点火時期が変化する場合でも、これに追従して良好に、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作することができるので、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0036】
請求項6に記載の発明によれば、ロジックを簡略化でき、演算負荷を低減することができる。
請求項7に記載の発明によれば、ロジックがやや複雑化すると共に演算負荷がやや増加することになるが、前記内燃機関の燃焼効率相当値の変化を吸気系遅れに精度良く追従させることができるので、きめ細かな制御が可能となるので、より高精度に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0037】
請求項8に記載の発明では、前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクを、吸入空気流量制御手段に対して与えられる指令値とした。
かかる構成とすれば、計測吸入空気流量を用いる必要がないので、構成の簡略化を図ることができる。また、計測を待つ必要がないので、制御応答性も高めることができる。
【0038】
請求項9に記載の発明では、前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクを、吸入空気流量制御手段に対して与えられる指令値に吸気系遅れ処理を施した値とした。
ベーストルクの変化を、吸気系遅れに精度良く追従させることができるので、きめ細かな制御が可能となるので、より一層高精度に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0039】
請求項10に記載の発明では、前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクを、計測吸入空気流量に基づく値とした。
実際に計測された吸入空気流量に基づいてベーストルクが演算されるので、計測吸入空気流量を用いた場合に比べて、機関間誤差等が排除された高精度な制御が可能となる。
【0040】
請求項11に記載の発明によれば、ベーストルクの変化を、吸気系遅れに精度良く追従させることができるので、きめ細かな制御が可能となるので、より一層高精度に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
請求項12に記載の発明によれば、目標トルクを演算しその目標トルクを実現する手段を備えた所謂エンジントルクデマンドシステムの枠組みの中で、容易に、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0041】
請求項13に記載の発明によれば、ベーストルクの変化を、吸気系遅れに精度良く追従させることができるので、きめ細かな制御が可能となるので、より一層高精度に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の一実施の形態のシステム構成を示す図である。本実施形態では、燃料噴射弁15により燃焼室10に直接燃料を噴射供給する燃焼室直接燃料噴射式ガソリンエンジンの例を示しているが、吸気ポートに燃料噴射弁を配設した吸気ポート燃料噴射式ガソリンエンジンであっても適用できるものである。
【0043】
コントローラ19は、I/OインターフェースやCPU,ROM,RAM等からなり、各種センサや各種スイッチ(エアコン操作スイッチ等)からの信号が入力されると共に、これら各種信号に基づいてROM上に格納された後述するプログラムを実行するようになっている。即ち、かかるコントローラ19が、後述するフローチャートに示されるように、本発明に係るベーストルク演算手段、高応答補正手段、高応答補正量演算手段、トルク補正率演算手段、ベーストルク補正手段としてソフトウェア的に機能することになる。
【0044】
燃料噴射弁15は、コントローラ19からの指令により、例えば所定気筒の吸気行程において燃料噴射(燃料供給)を行うことで均質混合気(燃焼室10全域に亘ってほぼ均一な空燃比となる混合気)を形成する一方、圧縮行程において燃料噴射を行うことで燃焼室10内の一部に混合気が偏在する成層混合気を形成することができるものである。つまり、燃料噴射弁15からの燃料供給時期を切り換えることで、均質混合気による燃焼と、成層混合気により燃焼と、を切り換えることができるようになっている。ところで、成層混合気により燃焼を行わせる際には、コントローラ19を介して後述するスロットル弁4或いは補助空気流量制御バルブ3を所定量開弁させて吸入空気流量を所定量増加させたうえで、所定の極希薄な混合気を形成するようになっている。従って、成層混合気による燃焼時には、吸気の通気抵抗が減少されるから、ポンピングロスが低減され、以って燃費が向上し延いては排気有害成分の排出量も低減されることになる。
【0045】
なお、吸気コレクタ5を介装し、吸気弁13を備えた吸気ポートに接続される吸気通路6には、吸入空気流量QAを検出するエアフローメータ1が設けられている。ところで、エアフローメータ1を設ける代わりに、後述するスロットル弁4の下流側に吸気圧力BSTを検出するセンサ(図示せず)を設け、吸入空気流量の情報の一つとして吸気圧力BSTをコントローラ19へ入力させるように構成することができる。
【0046】
また、その下流側には、吸入空気流量を制御するスロットル弁4が介装されており、該スロットル弁4をアクチュエータ(モータ等)30により電気的に(運転者のアクセル操作とは独立に)開度制御する機構が備えられている。
また、前記スロットル弁4をバイパスして吸気を燃焼室10内へ導入させるための補助空気通路2が設けられていると共に、該補助空気通路2には当該補助空気通路2の流量を制御する補助空気流量制御(ISC)バルブ3が介装されている。なお、補助空気通路2、補助空気流量制御バルブ3については、アイドル時の吸入空気流量を精度よく制御することができれば、スロットル弁4、アクチュエータ(モータ等)30により代用させることも可能である。なお、補助空気流量制御バルブ3やスロットル弁4等の空気弁が、吸入空気流量を制御する手段に相当し、コントローラ19が、従来同様に、これらを制御することで機関吸入空気流量を制御して、機関の回転速度を目標値に維持する手段としても機能することになる。
【0047】
燃焼室10内に臨んでシリンダヘッド9に配設され、燃焼室10内の混合気に対して点火を行う点火栓16は、コントローラ19からの指令により所定時期に点火を行うようになっている。
また、排気は排気弁14を介して排気ポート7、排気通路へ導出されるが、排気中の酸素濃度から空燃比を検出する空燃比センサ17が、排気通路に配設されている。
【0048】
なお、シリンダブロック8に摺動自在に保持されるピストン11の往復運動を、コネクティングロッド12を介して回転力として取り出すためのクランク軸の回転角度を検出するクランク角度センサ21が設けられており、当該クランク角度センサ21の検出信号に基づいて、コントローラ19ではクランク角度位置やエンジン回転速度NEを検出できるようになっている。
【0049】
ところで、図2中には図示していないが、スロットル弁4の開度TVOを検出するスロットルセンサが設けられ、エンジン水温TWを検出するための水温センサが機関1のウォータジャケットに臨んで設けられると共に、ドライバ(運転者)の要求を検知するためにアクセル開度ACCを検出する、例えばポテンショメータ等を含んで構成されるアクセル操作量検出センサなども設けられ、これらの検出信号はコントローラ19へ入力されるようになっている。
【0050】
以下に、本実施形態に係る作用について説明する。本実施形態は、基準状態{例えば、所定の燃焼形態、空気過剰率λ=1(理論空燃比≒14.3)、EGR無し等の所定の状態}におけるベーストルク値(X2)を、燃焼効率相当値(例えば、燃焼形態の相違、点火時期の相違、EGR率の相違等)に応じた値で補正し、その補正後の値と、高応答補正量(Y)と、に基づいて、高応答補正手段の補正量(点火時期或いは当量比)を演算するようにする。
【0051】
具体的には、図3に示すようなフローチャートを、本実施形態におけるコントローラ19が行うことになる。
以下、図3のフローチャートに従って説明する。
S1では、エンジン回転数NE、機関吸入空気流量QA、エンジン水温TW、スロットル開度TVO、アクセル開度ACC等を読み込む。
【0052】
S2では、アイドル空気流量指令値(X1)を演算する{図4中の(a)を参照}。かかるX1は、例えば、目標エンジン回転数NE(或いは目標吸入空気流量)、エアコン等の補機負荷の作動状態(エアコンスイッチのON・OFF切り換え等)等に基づきマップ検索等により演算される。
S3では、現在の燃焼形態に応じたベース目標当量比(TFBYA0)を演算する{図4中の(b)を参照}。
【0053】
かかるTFBYA0は、例えば、エンジン回転速度、負荷、エンジン水温等の機関の運転状態、燃焼形態等に基づきマップ検索等により演算される。
S4では、燃焼形態(成層/均質燃焼)を選択する、即ち燃焼形態(成層/均質燃焼)の切り換えを行うべきか否かを判断する(なお、図4では、均質燃焼から成層燃焼へ切り換える場合を示してある)。
【0054】
かかる判断は、例えば、車速、機関の運転状態(負荷、回転速度、暖機状態)、補機の作動状態等に基づき行うことが可能である。
そして、燃焼形態(成層/均質燃焼)の切り換えを行うべき場合には、切り換え操作を開始する。具体的には、コントローラ19を介してスロットル弁4或いは補助空気流量制御バルブ3を予め定めたモデルに従い徐々に開弁させて吸入空気流量を徐々に増加させたうえで、予め定めたモデルに従い燃料供給量を操作して目標当量比を達成するような燃焼形態の切り換え操作を開始することになる{図4中の(k)を参照}。
【0055】
なお、燃焼形態の切り換えが必要ない場合はそのままS5へ進み、既に、燃焼形態の切り換え操作が開始されている場合には該操作を継続させつつ、S5へ進む。
S5では、現在の燃焼形態に応じた目標EGR率(TEGR)を演算する{図4中の(c)を参照}。
【0056】
なお、かかるTEGRは、エンジン回転速度、負荷、エンジン水温等の機関の運転状態、燃焼形態等に基づきマップ検索等により演算される。
S6では、現在の燃焼形態に応じたベース点火時期(GOV)を演算する{図4中の(d)を参照}。
なお、かかるGOVは、エンジン回転速度、負荷、エンジン水温等の機関の運転状態、燃焼形態等に基づきマップ検索等により演算される。
【0057】
S7では、現在の燃焼形態が、均質混合気による燃焼形態か、或いは成層混合気による燃焼形態か、を判断する。なお、燃焼形態の切り換え操作中におけるかかる判断は、燃焼形態の切り換え操作を開始してからの経過時間、或いは現在の当量比、若しくは現在のトルク補正率Zの大きさ等に基づいて、実際に燃焼形態が切り換わった状態であるか否かに基づいて判断することができる。
【0058】
成層混合気による燃焼形態であればS8へ進み、均質混合気による燃焼形態であればS9へ進む。
S8では、現在の燃焼形態は(燃焼形態の切り換え操作中においては未だ)均質燃焼であるので、均質燃焼時のベース目標当量比(TFBYA0)、目標EGR率(TEGR)に基づき、例えば図5(A)に示すようなマップMAP1H(均質燃焼時に対応させたマップ)を参照して、燃焼効率(燃焼効率相当値)EF1を求める{EF1=MAP1H(TFBYA0,TEGR)}。
【0059】
更に、ベース点火時期(GOV)、アイドル空気流量指令値(X1)に基づき、例えば図5(B)に示すようなマップMAP2H(均質燃焼時に対応させたマップ)を参照して、燃焼効率(燃焼効率相当値)EF2を求める{EF2=MAP2H(GOV,X1)}。
S9では、現在の燃焼形態は成層燃焼である(燃焼形態の切り換え操作をしていた場合には成層燃焼に切り換わった)ので、成層燃焼時のベース目標当量比(TFBYA0)、目標EGR率(TEGR)に基づき、例えば図5(A)に示すようなマップMAP1S(成層燃焼時に対応させたマップ)を参照して、燃焼効率(燃焼効率相当値)EF1を求める{EF1=MAP1S(TFBYA0,TEGR)}。
【0060】
更に、ベース点火時期(GOV)、アイドル空気流量指令値(X1)に基づき、例えば図5(B)に示すようなマップMAP2S(成層燃焼時に対応させたマップ)を参照して、燃焼効率(燃焼効率相当値)EF2を求める{EF2=MAP2S(GOV,X1)}。
S10では、X2=一次LPF1(X1)なる処理を行う{図4中の(g)を参照}。
【0061】
ここで、LPF1は、アイドル空気流量変更指令(補機のON・OFF切り換え要求信号)から、吸気が実際にシリンダ内(筒内、燃焼室内)に吸入されるまでの動的遅れモデルであり、アイドル空気流量指令値(X1)を、シリンダ内(筒内若しくは燃焼室内)流入空気流量に近似させるための遅れ一次モデルである。なお、計測された機関吸入空気流量QAに一次遅れ処理(例えば、加重平均処理)してX2を求めるようにすることもできる。
【0062】
そして、S11では、X3=一次LPF2(X2×EF1×EF2)なる処理を行う{図4中の(h)を参照}。
ここで、LPF2は、燃焼形態切り換え操作開始後のベーストルク挙動を近似したモデルである。
つまり、燃焼形態の変化(即ち、燃焼効率の変化)を考慮しないベーストルク値(X2)に対して、燃焼形態の切り換えに伴う燃焼効率EF1の変化及びEGR率や点火時期の変化に伴う燃焼効率EF2の変化を考慮した補正を行って、燃焼効率が変化した場合に軸トルク=0を実現することができるベーストルク値(X3)を求める。
【0063】
S12では、ベーストルク値(X3)に対する高応答補正量(Y)の割合であるトルク補正率Zを演算する{図4中の(h)を参照}。
Z=Y/X3+1
ここで、高応答補正量(Y)は、従来同様の方法により演算される{図4中の(f)を参照}。
【0064】
即ち、Y=X1’−X2より求める。
なお、X1’は、図6で説明したように、X1を所定ディレイ期間遅らせた値である。
S13では、高応答補正手段が、点火時期、当量比(燃料供給量)の何れを用いる場合かを判断する。かかる判断は、燃焼形態等に基づき判断することができる。
【0065】
高応答補正手段が点火時期を用いる場合には、S14へ進む。一方、高応答補正手段が当量比(燃料供給量)を用いる場合には、S15へ進む。
S14では、点火時期補正により高応答補正を行わせるための点火時期補正量ADVsetを演算する{図4中の(j)を参照}。
具体的には、図7に示すようなマップ(MAPADV)を、Z,GOV(ベース点火時期)に基づいて参照することで求める。
【0066】
ADVset=MAPADV(Z,GOV)
そして、この場合は、当量比(燃料供給量)補正により高応答補正を行わせないように当量比補正量TFBYAを、均質燃焼時の目標当量比TFBYA0にセットした後、前記点火時期補正量ADVsetに基づき点火して{図4中の(j)を参照}、リターンする。
【0067】
一方、S15では、当量比(燃料供給量)補正により高応答補正を行わせるための当量比補正量TFBYAを演算する{図4中の(k)を参照}。
TFBYA=TFBYA × Z
そして、この場合は、点火時期補正により高応答補正を行わせないように点火時期補正量ADVsetを、成層燃焼時のベース点火時期GOVにセットした後、前記当量比補正量TFBYAに基づき燃料噴射弁15からの燃料供給量を調整して{図4中の(k)を参照}、リターンする。
【0068】
このようにすると、例えば燃焼形態が切り換えられ、軸トルク=0を実現する(回転速度一定を実現する)ベーストルクが変化する場合には、それに応じてベーストルクを補正し、該補正後のベーストルク(X3)に対する高応答補正量(Y)の割合であるトルク補正率(Z)を正確に演算し、該トルク補正率(Z)に基づき、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作することができるので、燃焼形態が切り換えられ、軸トルク=0を実現する(回転速度一定を実現する)ベーストルクが変化するような場合でも、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0069】
なお、燃焼形態の切り換えの有無に限らず、運転状態(回転速度や負荷や暖機状態など)、EGR率、点火時期、当量比等の変化に伴う燃焼効率相当値の変化により、ベーストルクが変化する場合にも、それに応じてベーストルクを補正し、該補正後のベーストルク(X3)に対する高応答補正量(Y)の割合であるトルク補正率(Z)を正確に演算し、該トルク補正率(Z)に基づき、選択されている高応答補正手段の操作対象(点火時期或いは当量比)を操作するようにしたので、EGR率、点火時期、当量比等の変化に伴う燃焼効率の変化により、軸トルク=0を実現する(回転速度一定を実現する)ベーストルクが変化しても、機関回転速度を良好に一定に維持することができ、機関安定性を高めることができることになる。
【0070】
また、本実施形態によれば、運転状態、燃焼形態、EGR率、点火時期、当量比等の変化により燃焼効率相当値が異なり(同一吸入空気流量・同一燃料供給量であっても機関発生トルクが異なり)、ベーストルクが異なる場合でも、最適な高応答補正手段を選択して、補機負荷変動(エアコンON・OFF切り換え等)に追従して良好にトルクバランスを図ることができ、機関回転速度を良好に一定に維持することができ、機関安定性を高めることができるものである。
【0071】
ところで、本発明は、アイドル回転速度制御に限定されるものではなく、例えば、他の負荷領域・回転速度領域において回転速度維持制御を行う場合(例えば、オートクルーズによる定速走行中や、発電機の原動機等としてエンジンを運転させる場合)等に適用することができるものである。
また、本実施形態では、制御精度を優先させるべく、ベーストルク(X2或いはX3)に対して吸気系遅れ処理(LPF1或いはLPF2)を施すこととして説明したが、制御応答性や構成の簡略化を優先する場合には、当該吸気系遅れ処理を省略するようにすることもできる。
【0072】
なお、本発明は、目標トルクを演算しその目標トルクを実現する手段(ISC制御等)を備えた所謂エンジントルクデマンドシステムを備えた場合において、その目標トルクを本発明に係るベーストルクとすることができるものであり、このようにすると、エンジントルクデマンドシステムの枠組みの中で、容易に、内燃機関の燃焼効率相当値が変化して、軸トルク=0を実現するベーストルク(目標トルク)が変化するような場合に、良好に機関回転速度を一定に維持することができ、機関安定性を高めることができるものである。
【0073】
前記エンジントルクデマンドシステムは、例えば、特願平8−36902号公報に開示されており、例えば、以下のような手段を含んで構成されるシステムである(図9参照)。
即ち、
エンジン(内燃機関)の吸気系に介装されたスロットル弁の開度を目標値に制御するスロットル弁制御装置と、エンジンに供給される燃料量を目標値に制御する燃料供給制御装置と、を備えたエンジンのトルク制御装置において、
アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段(アクセル操作量センサ等)と、
エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段(クランク角センサ等)と、
エンジンへの吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段(エアフローメータ等)と、
前記検出されたアクセル操作量と検出されたエンジン回転速度とに基づいて、若しくは外部からの指令によって、目標エンジントルク(本発明に係るベーストルクに相当)を演算する目標エンジントルク演算手段(目標エンジントルク演算部)と、
前記演算された目標エンジントルクとエンジン回転速度とに基づいて、基準空燃比に対応する基準目標吸入空気量を演算する基準目標吸入空気量演算手段(基準目標吸入空気量演算部)と、
前記基準目標吸入空気量を補正して目標空燃比に対応した目標吸入空気量を演算する目標吸入空気量演算手段(目標吸入空気量演算部)と、
前記目標吸入空気量とエンジン回転速度とに基づいて、目標スロットル弁開度を演算する目標スロットル弁開度演算手段(目標スロットル弁開度演算部)と、前記吸入空気量検出手段で検出された吸入空気量とエンジン回転速度と目標空燃比とに基づいて、燃料供給量を演算する燃料供給量演算手段(基本燃料供給量演算部、補正演算部)と、
を含んで構成され、
前記スロットル弁制御装置が、前記演算された目標スロットル弁開度となるように前記スロットル弁の開度を制御すると共に、前記燃料供給量制御装置が前記演算された燃料供給量となるように燃料供給量(燃料噴射弁開弁時間)を制御して、エンジントルクを目標値に制御するようにした装置(システム)である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施の形態に係るシステム構成図。
【図3】同上実施形態における高応答補正制御ルーチンを説明するフローチャート。
【図4】同上フローチャートにより奏される作用効果を説明するためのタイムチャート。
【図5】(A)は、MAP1S,MAP1Hを示すイメージ図。(B)は、MAP2S,MAP2Hを示すイメージ図。
【図6】従来の高応答補正を説明するためのタイムチャート。
【図7】トルク補正率Zを実現するための高応答補正制御手段の高応答補正量(点火時期或いは当量比)の設定テーブルの一例。
【図8】本発明の課題を説明するためのタイムチャート。
【図9】エンジントルクデマンドシステムを説明するためのブロック図。
【符号の説明】
1 エアフローメータ
2 補助空気通路
3 補助空気流量制御バルブ
4 スロットル弁
10 燃焼室(筒内)
11 ピストン
15 燃料噴射弁
16 点火栓
19 コントローラ
21 クランク角度センサ
30 アクチュエータ

Claims (13)

  1. 所定の燃焼効率相当値下で、内燃機関の回転速度を一定にできる内燃機関の発生トルクをベーストルクとして演算するベーストルク演算手段と、
    機関吸入空気流量とは異なる操作対象を制御して、高応答で内燃機関の発生トルクを補正する高応答補正手段と、
    補機負荷投入時に、前記演算されたベーストルクに基づいて、前記内燃機関の回転速度を一定にするために前記高応答補正手段が補正すべきトルク量を高応答補正量として演算する高応答補正量演算手段と、
    前記演算されたベーストルクに対する前記高応答補正量の割合をトルク補正率として演算するトルク補正率演算手段と、を備え、
    前記演算されたトルク補正率に基づいて、前記高応答補正手段の操作対象を補正制御するようにした内燃機関の回転速度制御装置において、
    内燃機関の燃焼効率相当値の変化に基づいて、前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクを補正するベーストルク補正手段を備え、
    前記トルク補正率演算手段が、前記ベーストルク補正手段により補正された補正後のベーストルクに対する前記高応答補正量の割合をトルク補正率として演算するようにすると共に、当該トルク補正率に基づいて、前記高応答補正手段の操作対象を補正制御するようにしたことを特徴とする内燃機関の回転速度制御装置。
  2. 前記燃焼効率相当値が、少なくとも目標当量比を含むことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  3. 前記燃焼効率相当値が、少なくとも燃焼形態を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  4. 前記燃焼効率相当値が、少なくとも目標EGR量或いは目標EGR率を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  5. 前記燃焼効率相当値が、少なくとも目標点火時期を含むことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  6. 前記内燃機関の燃焼効率相当値の変化が、異なる燃焼効率相当値間のステップ的な変化を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  7. 前記内燃機関の燃焼効率相当値の変化が、異なる燃焼効率相当値間で吸気系遅れ処理を施して得た変化を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  8. 前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクが、吸入空気流量制御手段に対して与えられる指令値であることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  9. 前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクが、吸入空気流量制御手段に対して与えられる指令値に吸気系遅れ処理を施した値であることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  10. 前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクが、計測吸入空気流量に基づく値であることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  11. 前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクが、計測吸入空気流量に基づく値に対して吸気系遅れ処理を施した値であることを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  12. 前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクが、
    目標トルクを演算しその目標トルクを実現する手段を備えたエンジントルクデマンドシステムにおける目標トルクであることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  13. 前記ベーストルク演算手段により演算されるベーストルクが、
    目標トルクを演算しその目標トルクを実現する手段を備えたエンジントルクデマンドシステムにおける目標トルクに対して吸気系遅れ処理を施した値であることを特徴とする請求項12に記載の内燃機関の回転速度制御装置。
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