JP3677794B2 - 冷蔵庫の扉 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、発泡断熱材を充填した冷蔵庫の扉に係り、特にエンドピースを用いて扉体を形成する冷蔵庫の扉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発泡断熱材を充填した冷蔵庫の断熱扉の従来技術としては、例えば、特開平2−85679号公報記載のものが知られている。
【0003】
この従来技術を図15および図16を参照して説明する。
【0004】
図15は、従来の冷蔵庫用断熱扉の縦断面図であり、図16のX−X断面図、図16は、従来の冷蔵庫用断熱扉の外観を示す斜視図である。
【0005】
図15,図16において、31は断熱扉、32は薄鋼板よりなる扉外板、33は扉内板、33aは、扉内板33のプランジャ部、34は、扉外板32の上下方向から嵌着するエンドピース、34bは、その係合溝、34bはリブ、35は発泡断熱材、36はガスケットである。37は扉を冷蔵庫本体にヒンジ(図示せず)をもって枢軸する時のピン受けである。
【0006】
薄鋼板の両側部に立上り部32aとフランジ部(図示せず)とを有する扉外板32に、該扉外板32のフランジを形成されていない左右もしくは上下方向(本例では上下方向)からエンドピース34を係合溝34bを介して嵌め合わせて止着し箱体としたのち、この箱体内に発泡断熱材35を充填するようにしてする。
【0007】
その際、エンドピース34の係合溝34bと扉外板33との嵌合方向は扉体の庫外側表面とほぼ平行な方向となっている。
【0008】
また、他の従来技術として特開平1−285773号公報が挙げられるが、当該公報記載のものでは、フランジを設けない扉外板端部にほぼクランク状の絞り段差を設けているが、やはり前者と同じく嵌合方向は扉体の庫外側表面とほぼ平行な方向となった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は下記の点について考慮されていなかった。
【0010】
(1)一般にエンドピースは合成樹脂製であり、また、扉外板は薄鋼板製のものが殆どであるが、防錆防止、および発泡時のエンドピース抜け防止のための十分な嵌合しろを確保するために、端面をほぼ10mm程度エンドピースで覆う必要がある。そのため、上記従来例のように、薄鋼板の両側部に立上り部とフランジ部とを有する扉外板に、エンドピースを扉外板のフランジを形成されていない左右もしくは上下方向から嵌め合わせ止着して扉体とした構造のものでは、扉を閉じて正面から冷蔵庫を見た場合、薄鋼板製の扉表面端部に合成樹脂製のエンドピースの嵌合しろが現われるため、扉表面に光沢の違いや段差等が生じ、意匠上あまり好ましくなかった。
【0011】
また、上記従来例の後者では、段差が現われにくいように扉外板にクランク状の絞りを設けているが、それでも扉外板とエンドピースの光沢の違いや両部品のあわせ目の線が扉表面に生じるという問題があった。
【0012】
(2)複数枚の扉を並べた冷蔵庫の場合、各扉間の隙間が平行かつ極力狭いものが扉の一体感の表現等の点で意匠上望ましい。しかし、上記従来技術のように、扉外板の上下にエンドピースを配置した扉体においては、発泡断熱材の充填時に発泡圧の加わる方向と、エンドピースと扉外板の嵌合方向とが同一方向であるため、発泡圧によりエンドピースが押されて動いてしまい、扉外板と上下エンドピースのと嵌合深さにばらつきを生じ、その結果として扉の高さのばらつきやエンドピース嵌合の傾きが生じ、扉間の隙間を平行かつ極力狭く保つことが難しくなる。そこで、結果として扉間の隙間を余裕を見て大きく取らなければならないという問題があった。また、ヒンジピンが挿入されるピン受37には扉にかかる荷重が全てかかってくる為、図15に示す如く上記ピン受37が変位することが応々にしてあった。本来、発泡断熱材35は、この動きを規制する目的も持っている訳であるが、周知のように発泡断熱材自身可橈性を有しているものである為、これを実行することは非常に難しいことであった。
【0013】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたもので、エンドピースが扉体の庫外側表面から見えにくく、また、扉寸法のばらつきが小さく、扉間の隙間の極力狭い、外観意匠上優れた冷蔵庫の扉を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされたものである。
【0015】
即ち、側面部は断面形状が略コ字状を呈するよう折曲げ、上下部は正面板と側面板にまたがって連続して形成され、5〜20mmのフランジ部を有する鋼板性の扉外板の該フランジ部を利用してエンドピースを取付け、その後発泡断熱材を充填するようにした扉に於いて、上記エンドピースは前記扉外板のうちフランジ面のみを隠す板状のものとすると共に、扉外板の正面板と側面板の連続する角部に対応し、前記フランジ面と同一平面上に位置するコーナーフランジ部から内側方向に折り曲げ、曲面形状の折曲部を形成するようにしたものである。
【0016】
また具体的には、1つの曲面からなる滑らかな曲面で内側方向に折り曲げられた折曲部近傍に、扉枢軸用ピン受けを位置させるようにしたものである。
【0017】
また、内側に折り曲げられた側面板端面とフランジとの突き合せ部をエンドピースに設けたカバー部で覆うようにしたものである。
【0018】
また更には、扉外板に板金の表面に塗装又は印刷等の外観上の付加価値を付与した意匠鋼板を用いるようにしたものである。
【0019】
また更には、エンドピースの扉表面板側が扉表面よりも奥側にあるようにしたものである。
【0020】
【作用】
エンドピースが取付けられるフランジ部は従来コーナー部に於いて、凹凸が出て、エンドピースとフランジ部間が隙間なく結合されることがなかったが、コーナー部に設けた特殊形状の折曲部により、シワ等の発生が防止され凹凸のない平面が得られるものである。
【0021】
このことにより、エンドピースとフランジ部間に大きな隙が発生することがなくなるものである。
【0022】
【実施例】
[実施例1]
以下、本発明の各実施例を図1ないし図7を参照にして説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施例に係るエンドピースおよび扉外板を組み込んだ冷蔵庫用断熱扉の縦断面図であり、図2のA−A断面図、図2は、本発明の一実施例に係るエンドピースおよび外板を組み込んだ冷蔵庫用断熱扉の外観斜視図、図3は、本発明の一実施例に係るエンドピースおよび扉外板を組み込んだ冷蔵庫用断熱扉及び発泡扉の縦断面図である。
【0024】
図1,2において、1は、冷蔵庫本体の前面を閉塞する断熱扉、2は、薄鋼板よりなる扉外板、3は、扉外板2の上下方向の端部に、扉体正面より奥行き方向(側面板2bにまたがって)ほぼL字状に形成したフランジ部、4は扉内板、5は、扉外板4に形成されたフランジ部3に取付けられたエンドピース。このエンドピース5は、薄鋼板もしくは合成樹脂により成形されている。6は、扉外板2のフランジ部3を挿入させるべきエンドピースの係合溝、7は、エンドピースのリブ、8は、エンドピースの補強用鉄板、9は発泡断熱材、10はガスケット、11はヒンジピン挿入用ピン受である。
【0025】
断熱扉1は、扉外板2、扉内板4、エンドピース5、ガスケット10等で構成され、これら扉外板2、扉内板4、エンドピース5等で構成された空間部に、発泡断熱材9を充填してなるものである。この扉体製作に際し、エンドピース5は、扉外板と扉内板4のフランジ部12との間を接続するものである。
【0026】
即ち、エンドピース5の扉内板4側は扉内板4のフランジ部12をオーバーラップするように、また、エンドピース5の扉外板2側は、扉外板2の端面に形成されたフランジ部3を嵌め込むように形成された係合溝6により嵌合されている。
【0027】
エンドピース5と扉外板2との嵌め合いは、扉体の奥行方向とほぼ同一方向とする。こうすることにより、発泡断熱材9の充填時に、エンドピース5に加わる発泡圧は、エンドピース5と扉外板2との嵌合方向に対して垂直方向になり、エンドピース5および扉外板2に設けられたフランジ部3によってその発泡圧を受けることになる。
【0028】
以下図3を参照にしてこの点を説明する。発泡断熱材9を充填する際には、扉外板2、扉内板4、エンドピース5等によって構成された扉体が発泡圧によって膨らむことを防ぐために、上記扉体を締め付けるのに発泡雇13が用いられる。発泡雇13は、大量生産の都合上から10ないし30といった数が用いられる。各発泡雇13の高さ寸法H1には、寸法公差等の関係上ある程度(最大約1mm)の差が生じる。従って、エンドピース5の扉外板2への嵌合方向が従来の嵌合方向であった場合には、その差ががそのまま扉体の高さ寸法Hに反映される傾向にある。
【0029】
しかし、本実施例においては、扉外板2のフランジ部3がエンドピース5の係合溝6に嵌めこまれていることにより、その動きはフランジ部3の剛性により抑制される。また、エンドピース5自体の膨らみもエンドピース裏面のリブ7や補強用鉄板8によって抑えられる。したがって、H寸法は発砲雇8の寸法公差には余り影響されることなく扉外板2の寸法で決まる。このことにより、従来よりも寸法精度の高い扉を得られるものである。なお、上記断熱扉1の奥行寸法は高さ寸法に比較して寸法が小さいこともあって寸法公差のばらつきも小さくなるものである。
【0030】
本実施例によれば、エンドピース5と扉外板との嵌合しろが扉体の庫外側表面ではなく、扉体の奥行方向に設けられることにより、扉を閉じて正面から冷蔵庫を見たときに、エンドピース5が目立たなくなるか、もしくは見えなくなるので、扉の庫外側表面の光沢の違いや段差といった外観意匠上の問題点の解決に大きく寄与するものである。
【0031】
また、冷蔵庫のフラットサーフェイス感を追及した場合、エンドピース5と扉外板の嵌合しろが扉体上下面板にあることで、扉体側面の凹凸をも減らすことができることなどから、意匠上、より優れた冷蔵庫を得ることができるものである。
【0032】
さらに、上記嵌合しろの幅を任意に設定できることにより、防錆に必要にして十分な扉外板2端面とエンドピース5との重ね合わせ距離を確保することが可能となるものである。さらに、扉体寸法のばらつきが小さくなることから、複数枚の扉を並べて配置した冷蔵庫においては扉間の隙を極力小さくすることが可能であり、外観意匠上優れた冷蔵庫扉を得ることができるものである。
【0033】
[実施例2]
図4は、本発明の他の実施例に係る冷蔵庫用断熱扉の縦断面図で、図2のA−A断面相当図である。
【0034】
この実施例が、先の実施例と相違するところは、扉外板2のフランジ部3の形状である。
【0035】
図4において、3は、扉外板2の上下方向の端部に、扉体正面より奥行き方向にほぼL字状に形成したフランジ部であり、そのフランジ部3に、エンドピース5と同等もしくは同等以上の深さを有する絞り段差14を設けたものである。
【0036】
すなわち、図4に示すように、薄鋼板からなる扉外板2に設けられたフランジ部3の端部にほぼクランク状の深さを有する絞り段差14を設け、そこにエンドピース5を嵌め合わせ止着するものである。これもまた、嵌合方向は発泡圧の方向に対して略直角となる方向とする。この場合、エンドピース端部の肉厚T1に対して絞り段差14の深さT2(段差)が、T1≦T2となるように構成する。こうするによって、冷蔵庫を正面から見たとき、扉外板2で断熱扉1全体を作っているように見せられるので意匠効果は倍増するとともに、特に、断熱扉1の上下稜線部を柔らかな曲げ半径とすることも可能となるものである。
【0037】
次に、図5を用いて扉外板2について説明する。
【0038】
図に於いて、本発明の扉外板2は、両側端は断面略コ字状に形成され、上下端は正面板2a側面板2bにわたって連続したフランジ部3が設けられている。
【0039】
このフランジ部3の長さは5〜30mmである。2aは正面板。この正面板2aと側面板2bの連続する角部2dに対応するフランジ部3には、折曲部3aが設けられている。この折曲部3dは図6に示す如く、1つの曲面からなる滑らかな曲面でフランジ部3に対し内側方向に形成されている。このことにより、コーナーフランジ部3b部のフランジ長さ(L相当)は、他の直線部L寸法と同等の長さに維持されているものである。
【0040】
更に、この折曲部3aの作り方について図6〜図12を用いて説明する。
【0041】
一般にL字曲げが行われた板金部品の曲げ方向と垂直方向端部を全体曲げ部に対して内側方向に折り返し、L字形の直辺部とコーナ部とに連続したフランジ面を形成する板金部品の加工においては、コーナ部はフランジ面成形後の形状が成形前に比べて小さくならなければならない縮みフランジ成形となるため、成形後のコーナ部フランジ面では余肉が発生し、しわまたは座屈による不正変形が避けられない。これはコーナ部においてはフランジ面を形成後の内半径部の周長が外半径部の周長に比べフランジ幅hにより表される式(hπ/2)ほど短くなるため、その分材料が余って余肉となり座屈が発生するためである。
【0042】
従来法では図7(a)に示すようにコーナ部の端部を曲げ半径方向に対して切り欠いてフランジ面形成時に発生する余肉を低減しコーナ部のフランジ面を形成する方法、あるいは図7(b)に示すようにコーナー部の端部に成形後のコーナー部のフランジ面を展開した切欠き形状を設け曲げ加工を行った際にフランジ面が形成する方法がある。
【0043】
また、図7(c)に示すようにフランジ面コーナー部に溝を1つまたは多数個設けることでフランジ面形成時に発生する余肉を吸収する方法がある。
【0044】
しかし、この方法の内、図7(a),(b)においては素材の切断面が板金部品の前面近傍に形成することとなり、切断面は塗装性が悪く防錆性が劣るため板金部品前面への腐食の進行が早まり部品としての防錆性が低下する問題がある。また、図7(c)においては溝部の塗装性が悪く水分が溜りやすい形状であるため同様な問題がある。
【0045】
特に意匠鋼板を用いた板金部品にあっては、成形後に塗装が行なわれず切断面がそのままの状態で製品となるため上記のような問題はさらに助長される。また意匠面が内半径方向に折れ曲がる小さい曲率半径の曲げや座屈部を発生させると、意匠面は金属面との密着性の低下あるいは剥離が生じる現象が端面付近で発生し端面部の防錆性が悪化する。
【0046】
したがってこの種一般的処理法では、意匠鋼板を用いた冷蔵庫の扉では、コーナー部のフランジ面が形成されない構造にする、あるいはコーナー部のフランジ面を切り欠くまたは溝を付けて形成したことによって防錆性が低下した部分に防錆処理を施すようにして用いていた。しかし、製造構造や製品外観のデザインが制約される、防錆処理工程が必要となり製造コストが増加してしまう問題があった。
【0047】
本発明は、コーナー部のフランジ面に切欠き部や切断部あるいは局部的な折り曲げ部がなく、フランジ面コーナ部の稜線が全体曲げ部に対してふくれることのないフランジを提供することを目的としているものである。
【0048】
この為に、縮みフランジ成形となるコーナー部のフランジ部において、フランジ部成形時に発生する余肉を吸収する1つの曲面からなる滑らかな曲面形状(折曲部3a)をフランジ部コーナーに形成するようにしたものである。
【0049】
以下にこの折曲部3aの作り方について説明する。
【0050】
図6に於いて、16はコーナー部を示す。17は直辺部であり、コーナー部16の端部にはコーナ頂点部のフランジ幅がh2のフランジ面16aと、フランジ面垂直内側方向に向かってコーナ部16の曲げ中心に対して凹曲面である滑らかな曲面形状16bが形成される。フランジ面16aは両外側部に向かってフランジ幅が増加し、幅h1で表される直辺部6の端部に形成されたフランジ面16aと連続する形状となっている。
【0051】
コーナ部16に形成された曲面形状16bは、コーナ部16のフランジ面16aと直辺部17のフランジ面16aに対して素材の板厚tの3倍以上の曲率半径を有する曲面である連結面16cによって連続している。よって、L字形をしたコーナ部Cには、直辺部17のフランジ面16aとコーナー部16のフランジ面16a、曲面形状16b、連結面16cからなり素板表面に切断面あるいは局部的な折れ曲がりのないフランジ面が形成されている。曲面形状16bのフランジ面垂直内側方向への長さh3は、コーナ部の頂点部の位置で最大であり両外側向かって徐々に小さくなる。
【0052】
本発明法においては、コーナー部16の端部のフランジ面16aに曲面形状16bを設けることによって、コーナ部16の端部にフランジ面を形成する際の縮みフランジ成形時の余肉を曲面形状16bに吸収することが可能となる。また、フランジ面を平面と1つの曲面からなる滑らかな曲面によって形成することにより塗装を施した際に折曲部3aのフランジ面16aでの塗膜の均一性を向上させ、また水分の溜りにくい形状であるためコーナー部フランジ面16aの防錆性の向上が図れる。特に、素板に意匠鋼板を用いた扉外板においては、曲面形状16bの先端部まで意匠面の損傷および素板との密着性が良好な意匠面が連続することとなるため、従来法による成形品と比較して防錆性の良いフランジ付き曲げ成形品となる。
【0053】
次に図6に図示したフランジ付きコーナ部の成形方法および成形装置について図面を用いて説明する。図8は本発明方法の一実施例にかかわる扉外板2のフランジ付きコーナー部Cの成形を行う金型装置と、これによって加工されるフランジ付きコーナ部Cを合わせて示した斜視図である。図9は図8における中心線C−C,D−Dの断面図であり図16は図8を反対方向から見た斜視図である。
【0054】
図に於いて18は上型パンチ、19は下型ダイである。20は所定の曲げ半径R、開き角θの角度に曲げが行なわれたコーナ部品であり下型ダイ19と押え治具21によって拘束され、形成するフランジ幅h1だけ突きでたフランジ面形成部20aを有している。上型パンチ18は下部が角度θ2の開き角を持つ八の字形の切欠き部18aを有し、切欠き部18aの中心部の形状は半径R2で表される円弧である。切欠き部18aにはフランジ曲げ成形を行なう側の加工面18bに対して角度δ傾きを持ち加工面18bに対して垂直下方向の深さがdの面取り部18cが形成されており、パンチ18を下降していった際に面取り部18cが曲げ部品20に接触するようh1/dの関係で設計する。加工面18bと面取り部18cの境界面にはフランジ曲げ成形時に素材表面のかじりが発生しないよう円弧状の面取りが施されている。ダイ19には、凹部22が形成されており、フランジ曲げ成形を行なった際の図6における曲面形状16bを凹部22内に形成させる。コーナ部のフランジ面16aのフランジ幅h2にはダイ19の上端部より凹部22までの長さIによって定まる。
【0055】
上記形状金型装置及びフランジ曲げ成形品のフランジ幅h1、パンチ18の切欠き部中央の円弧R2および面取り角度δ、ダイ19の先端部から凹部までの長さIは本成形方法が良好な成形となるよう以下の条件に定められている。h1はコーナ部の曲げ半径Rに対して0.8倍以内となるように設定されている。R2はコーナ部の曲げ半径R以上の大きさに設定される。Iはコーナ部の曲げ半径Rに対して0.4倍以内の大きさに設定される。δは30°〜60°に設定される。
【0056】
成形はパンチ18の切欠き部18aの円弧の中心とダイ19の円弧の中心一致する図8,9,10の状態で、板厚分のクリアランスを設けて垂直下方向にパンチを下降させることによって行なう。図11(a)〜(c)はフランジ曲げ成形が行なわれるコーナ部品20の曲げ成形過程を示したものである。パンチ18を下降させていくと、切欠き部18aの円弧R2がコーナ部の曲げ半径R以上となっているためコーナ部品20のフランジ面形成部20aのコーナ部頂点の先端のより面取り部18cに接触し始める。パンチ18の下降に従い徐々に両外側へと接触部が広がりながら曲げが進行する。この時、フランジ面形成部20aの先端部は内側に巻き込まれた形状となる。図11(a)は、フランジ面形成部20aにおいて直辺部のフランジ面17aを形成する部分に面取り部18cが接触する直前までパンチ18を下降させた状態でのフランジ面形成部20aの形状を表わした図である。直辺部はパンチ18が接触していないため曲げは行なわれてなく、コーナ部が曲げられ先端が内側に巻き込んだ形状となる。
【0057】
図11(a)の状態よりさらにパンチ18を下降させるとフランジ面形成部20aのコーナ部の先端部とその周辺部の巻き込みが進むと同じに、直辺部のフランジ面17a曲げ倒しが行なわれる。フランジ面17aの曲げが行なわれることによってコーナ部に向かってフランジ面形成部の余肉が集まってくるため図11(a)の曲面は図11(b)に示すようにコーナ部全体に広がった曲面形状となり直辺部のフランジ面17aに対して大きく垂直内側方向に形成する形状となる。
【0058】
図11(b)の状態よりさらにパンチ18を下降させるとフランジ面形成部20a全体の曲げが進行し図11(b)において形成されている曲面はダイ19の凹部に22に入り込み、凹部22内の内壁部22a接触することで内壁22aの形状にならった図11(c)に示す曲面形状となる。
【0059】
さらにパンチ18を下降させフランジ形成部20aの全てにパンチ18の加工面18bが接触した段階でフランジ曲げ成形は完了となり、図16に示すフランジ付きコーナ部が得られる。
【0060】
本成形方法により、縮みフランジ成形時に発生する余肉を滑らかな曲面形状に成形させながら曲げ形成するすることが可能となり、滑らかな曲面形状にコーナ部のフランジ部を成形できる。特に意匠鋼板を成形する場合においてはフランジ面に傷や剥離等の不良のないコーナー部のフランジ曲げが可能となる。
【0061】
本実施例における扉部品の各種寸法は以下の通りである。板金部品1に関しては高さH*幅W*奥行きD=400*600*50mm、素板プレコート鋼板、板厚0.5mm、コーナ部半径R15mm、開き角θ1=90度、フランジ幅h1=8mm、コーナ部フランジ幅h2=3.5mm、曲面形状の深さh3=4.5mm、連結面5cの曲率半径2mmである。金型装置に関しては、パンチ18の開き角θ2=90度、中心部の円弧の半径R2=20mm、δ=45度、d=10mm、1=2.5mm、溝部11φ12.5mm深さ6mmである。
【0062】
また、本実施例においてはパンチ下部に凹形状のパンチを用いたが本発明はパンチの形状を限定するものではなく、パンチを下降していったときに、初期にコーナ部のフランジ面形成部20aのコーナ部の先端頂点部にパンチが接触しコーナ部のフランジ部を曲面形状にしながら曲げを行っていく工程が可能となるパンチ形状であればよい。従って図12(a)に示す凹凸形状を組み合わせたパンチや、図12(b)に示すように中央が平らであるようなパンチであっても本発明方法のでの曲げ成形は可能である。
【0063】
次に図13を用いてピン受部について説明する。
【0064】
図に於いて、1は断熱扉。この扉1は図には示してないが冷蔵庫本体側に取付けられたヒンジ部に取付けられる。11は、上記ヒンジのピンが挿入されるピン受けである。2は扉外板であり、4は扉内板、そして9は発泡断熱材である。
【0065】
本発明に於けるピン受け11は、従来同様発泡断熱材9により固着されるものであるが、本発明に於いては折り曲げ部3aが上記ピン受11の近傍に位置していることより、この折曲部3aとピン受11間に充填される発泡断熱材の動き代は、従来より大巾に小さくなる。即ち、従来構造に於いては発泡断熱材厚がW1であったものが本発明のものに於いては、約1/2W1=W2となる為である。
【0066】
次に図14を用いて側面が断面略コ字状に折り曲げられた側面板2bとフランジ部3の突き合せ部Hの処理方法について説明する。
【0067】
図に於いても明らかな如く、突き合せ部Hには隙間Qが発生するが、本発明に於いては、この隙間Q部を処理するのに図2に示す如くカバー部5aを設け、耐触性、外観の維持向上を図ったものである。
【0068】
【発明の効果】
以上詳細のように、本発明によれば、エンドピースが扉体の扉外側表面から見えにくく、また、扉寸法のばらつきが小さく、扉間の隙間の極力狭い、外観意匠上優れた冷蔵庫の扉を提供することができる。
【0069】
フランジ面形成部に局部的な折れコーナや切断面、切欠き形状のない端部に連続したフランジ面が形成できフランジ部の塗装性が良くまた水分が溜りにくい形状で有るため防錆性が向上する。さらに曲げ部に応力がかけられた際に滑らかな曲面全体で応力を分散するための剛性の高い曲げ部形状となる。
【0070】
またフランジ面コーナ部の稜線が全体曲げ部に対してふくれないため、エンドピースと扉外板間に隙が出る等と云うことのない外観的に優れた製品となる。
【0071】
さらに、コーナ部が滑らかな曲面形状であるため、この部分に穴を広げ加工等の二次加工を容易に成形できる。
【0072】
特に意匠鋼板を用いた板金部品においては、コーナ部のフランジ面において意匠面を傷付けることなく端面部から外半径部までの長さが従来より大きくとれることにより、端面部の錆の進行に対して製品外観に達するまでの期間が長く取れ製品寿命が高まる。バーリング加工等の二次加工を行なう際にも意匠面を傷つけずに成形することが可能であり、製品設計の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るエンドピース及び扉外板を組み込んだ冷蔵庫用断熱扉の縦断面図であり、図2のA−A断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係るエンドピースおよび外板を組み込んだ冷蔵庫用断熱扉の外観斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係るエンドピースおよび扉外板を組み込んだ冷蔵庫用断熱扉および発泡雇の断面図である。
【図4】図1とは異なる実施例を示す図で、図2のA−A断面相当図である。
【図5】本発明に係わる扉外板の外観斜視図である。
【図6】図5のF部詳細説明図である。
【図7】図6部の一般的処理構造を示す図である。
【図8】本発明の折曲部3aを構成する成形金型装置を示す図である。
【図9】図8の成形金型装置のC−C,D−D断面図である。
【図10】図8の成形金型装置を反対方向より見た見取図である。
【図11】図8の成形金型装置によるフランジ曲げ成形の成形過程を示す図である。
【図12】本発明の他の実施例によるパンチの形状を示す図である。
【図13】本発明を備えたピン受け部の詳細図で図2のF−F断面図である。
【図14】図5をP方向から見た図である。
【図15】従来冷蔵庫の扉の要部断面図(図16のX−X断面図)である。
【図16】従来冷蔵庫の扉外観図である。
【符号の説明】
1…断熱扉、
2…扉外板、
2a…正面板、
2b…側面板、
2d…角部、
3…フランジ部、
3a…折曲部、
3b…コーナーフランジ部、
4…扉内板、
5…エンドピース、
5a…カバー部、
6…係合溝、
7…リブ(エンドピース)、
8…エンドピースの補強用鉄板、
9…発泡断熱材、
10…ガスケット、
11…ピン受、
12…扉内板4のフランジ部、
13…発泡雇、
14…絞り段差、
16…コーナー部、
16a…フランジ面、
16b…曲面形状、
16c…連結面、
17…直辺面、
17a…直辺面のフランジ面、
18…上型パンチ、
18a…切欠部、
18b…加工面、
18c…面取り部、
19…下型ダイ、
20…コーナー部品(扉外板2のコーナフランジ部3b相当品)、
20a…フランジ面形成部、
21…押え治具、
22…凹部、
22a…内壁部。
Claims (5)
- 側面部は断面形状が略コ字状を呈するよう折曲げ、上下部は正面板と側面板にまたがって連続して形成され、5〜20mmのフランジ部を有する鋼板製の扉外板の該フランジ部を利用してエンドピースを取付け、その後発泡断熱材を充填するようにした冷蔵庫の扉に於いて、上記エンドピースは前記扉外板のうちフランジ面のみを隠す板状のものとすると共に、
扉外板の正面板と側面板の連続する角部に対応し、かつ、前記フランジ面と連続し、前記フランジ面と同一平面上に位置するコーナーフランジ部と、
このコーナーフランジ部から内側方向に折り曲げられて形成された曲面形状の折曲部とを有することを特徴とする冷蔵庫の扉。 - 1つの曲面からなる滑らかな曲面で内側方向に折り曲げられた折曲部近傍に、扉枢軸用ピン受を位置させたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫の扉。
- 内側に折り曲げられた側面板端部と、フランジとの突き合せ部をエンドピースに設けたカバー部で覆ったことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫の扉。
- 扉外板に板金の表面に塗装又は印刷等の外観上の付加価値を付与した、意匠鋼板を用いたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫の扉。
- エンドピースの扉表面板側が、扉表面よりも奥側にあることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫の扉。
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