JP3677292B2 - 二重ビード燃焼シールを備えた多層金属ガスケット - Google Patents

二重ビード燃焼シールを備えた多層金属ガスケット Download PDF

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Description

発明の背景
種々の多層金属ガスケットがヘッドガスケットとして使用するため提案されてきた。そのようなガスケットは、エラストマコーティング、シールビードおよびシールを必要とする燃焼開口および他の開口周囲の有効なシールを達成することを探求するため種々の技術を使用する。
そのような積層ガスケットのあるクラスにおいて、折重ねフランジが燃焼開口に使用され、エンボスまたはビードがシールの危険に対応するのを助けるため、フランジの下に設置された。この型の公知のガスケットは、しばしば“ノーズ”と称せられる折重ねフランジの区域におけるように、一つの環状区域に加えられた負荷を集中する傾向がある。このことはマイクロシーリング層の押出しを生じ、それによりシールされるべき表面のブリネリング、最終的にシールに失敗する可能性がある。ノーズ区域にはシールをバックアップするものが存在しないため、ガスケットは損傷するかも知れない。
フランジの区域における加えられた負荷を有効なバックアップシールが生ずるるように分配し、そこで長期間の継続使用がフランジ区域に達成され、そこでブリネリングの傾向およびいかなるゴムコーティングの押出し傾向も最少にすることができる。
発明の要約
本発明によれば、内燃エンジン用の進歩した多層金属ヘッドガスケットが得られる。ガスケットは主要面、燃焼開口を画定する返し部、および自由端に終わるフランジを画定する第1金属板、および返し部に隣接する環状開口を画定しかつフランジと第1板の主要面との間に位置する第2金属板を含んでいる。第1環状エンボスが第1金属板の主要面に形成され、フランジに向かって延長しかつフランジの垂直突出部内に位置する突出部を有する。第2環状エンボスが第2板に設けられ、第2エンボスは第2突出部および凹部を画定する。第2突出部はフランジに向かって延長する。凹部は第1エンボスの突出部を収容し、第1突出部の対応する表面および凹部は実質的に全体で一致し、第1および第2エンボスは全体的に返し部とフランジ自由端との間に配置され、かつフランジの垂直突出部内に位置している。
好適には、ガスケットはフランジの自由端の寸法より大きい寸法の開口を画定する第3板を含み、第3板は第1および第2金属板の間に配置されている。第3板は望ましくはフランジの端部から離れたシーリングエンボスを画定し、そのシールエンボスは第1および第2板の間に配置されている。もっとも好適な形式において、フランジの区域における金属の全体の厚さは、第2エンボスの区域における金属の全体の厚さより厚い。
本発明の別の目的、特徴および利点は下記の図面および説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明ガスケットの平面図であり、
第2図は、ほぼ第1図の2−2線に沿う断面図であり、
第3図は、第2図と同様の位置における従来技術のガスケットの断面図であり、
第4図は、第2図のガスケットに対する典型的な負荷分布を示す有限要素解析(FEA)シミュレーションであり、そして
第5図は、第3図の従来技術のガスケットに対する典型的な負荷分布を示す有限要素解析(FEA)シミュレーションである。
好適な実施例の詳細な説明
図面、とくに第1,2図を参照すると、本発明を実施する典型的なヘッドガスケット10は、複数の金属板または層よりなる本体12、および一連の区別のはっきりした貫通開口を有している。開口は燃焼開口30、ボルト孔32、水孔34および油孔36を含み、すべては特殊なヘッドガスケットが使用されるため設計される、ヘッドおよびブロックの補完的開口と連通するためのものである。
ガスケットの本体12を含む金属層は、好適には304型不銹鋼である第1外側主要板14、好適には低炭素鋼である第2外側主要板16、および好適には301型不銹鋼である少なくとも一枚の内側板18を含んでいる。
第2図に示されたように、第1外側主要板14は燃焼開口30および環状フランジ22を画定する折重ねまたは返し部20において内方に終わっている。返し部は板のフランジおよび主要面を一体に連結している。フランジは自由端23に終わっている。環状フランジ22の垂直突出部内に位置する板の主または主要面14は環状の垂下するエンボスまたはビード24を画定し、その突出部はフランジ22に向かって内方に延長している。
第2外側主要板16は返し部20に隣接した環状の内側開口に終わっている。その輪形の寸法は、第2図から容易に分かるように、燃焼開口の輪形の寸法より僅かに大きい。板16の主要面は、環状フランジ22の垂直突出部に位置する環状エンボスまたはビード42も画定している。ビード42は突出部および凹部を画定し、かつビード24と補完的である。ビード24の突出部は、その半径方向全延長を通じてビード42の凹部内に完全に載置している。第2図から分かるように、板16のまったく内側の端部40は板14の内面から僅かに離れていて、エンボス24,42の終端の内方のセミエンボスを形成している。
ビード24,42の外端、燃焼開口からもっとも離れた部分において、板14および16は内側板18をうけ入れかつ適合するため拡大している。内側板18は、板18の内端52に隣接してエンボスまたはビード50を画定している。内端52はフランジ22の垂直突出部の外側に位置している。
板14,16,18の厚さは、フランジの区域の金属の全体の厚さがビード50の区域の厚さより厚いような割合にされている。図示の実施例において、それは外側板14,16の各厚さより薄い内側板18を設けることによって達成される。とくに、この実施例の板は、それぞれ、板14が0.305mm(0.012インチ)、板16が0.305mm(0.012インチ)、そして板18が0.229mm(0.009インチ)とされる。板14および16の厚さは、ガスケット10に対する全体の所望の特性に従って、同じとしてもよくまた異なるものとしてもよい。ビード50の区域のガスケット本体12の全体の厚さがフランジ区域の全体の厚さより薄いため、ビード50は使用の際平らにされず、その位置においてまたヘッドフランジおよびブロックフランジの双方に対して、自然のままで、作用するシーリングを得るため弾性を維持する。
本発明のガスケットは、エラストマ、マイクロシーリング層C内に設けることができる。典型的には、そのようなガスケットの外面は、内面に向いた各対の少なくとも一方がされるように、コーティングされる。これらのコーティングは、約千分の数十インチから千分の数インチまでとすることができ、中でもニトリルゴム、ビトン(Viton)のような種々のエラストマ材料とすることができる。しかして、コーティングCはガスケットの指示面上に設けることができる。
フランジ区域に戻ると、特定されたビード配置は、第3図に示された従来技術型のビード以上のいちじるしい改善である負荷分布を生ずる。第3図において、内側、外側および中間板14,16,18と同様の三枚の板が存在する。第3図の板の厚さおよび材料は全体的に第2図の板の厚さおよび材料と同じで、寸法および割合はまったく匹敵する。主要な相違点は、外側板14が本発明による板16のビード42の凹部内に完全に収納されるビードを画定するのに対して、第3図の従来技術のガスケットにはそのような収納されるビード配置が存在しないことである
それぞれ第2および3図のガスケットの横断面に対するシュミレーションされた有限要素解析負荷分布を重ね合わせた、第4および5図から分かるように、第3図のガスケットの燃焼開口の区域における負荷の大部分は、フランジの前端または“ノーズ”区域に集中されている。きわめて小さい負荷(またはシーリング)がフランジ区域のそこから半径方向外側に存在する。“ノーズ”区域における負荷の集中は、ゴムコーティングを押出す傾向があり、(アルミニウムである)対応するエンジン面にブリネリングをさえ起こし、ガスケットを無負荷にすることになる。この型の設計には有効なバックアップが存在しないため、ガスケットはしばしばシールに失敗する。
これに反して、本発明ガスケットのフランジ区域の負荷は、第4図の有限要素解析シュミレーションから分かるように、フランジの内側部分から外側部分まで良好に分布されている。しかして、フランジ区域の各ガスケット面の少なくとも二つの環状区域に、実質的かつ有効なシーリングが存在する。そのように“ノーズ”上の負荷は一層合理的に管理され、その背後に有効なまたはバックアップシーリング点が存在する。このことはゴムの押出しおよびブリネリングを最少にし、バックアップシールを確立し、一層よく機能する。最後にフランジにおける長期間の継続使用が得られる。
さらに、内側板ビード50の区域には、従来技術の有限要素解析シュミレーションにおいて、本質的に上方外側板の表面には本質的にシーリングが存在せず、下方外側面板の表面のシーリングはきわめてわずかであることが明らかである。これに反して、本発明のガスケットにおいて、シーリングは上方板表面において改善され、内側ビード50の区域における下方板表面において劇的に改善された。
前記からこの技術に精通した人々には、変形が本発明の精神および範囲から離れることなくなされ得ることが明らかになるであろう。そのように本発明は請求の範囲によって必然的になされるようにだけ限定されることを意図している。

Claims (4)

  1. 内燃エンジン用多層金属ガスケットであって、
    主要面、燃焼開口を画定する返し部、および自由端に終わるフランジを画定する第1金属板、
    前記返し部に隣接する環状開口を画定しかつフランジと前記第1金属板の主要面との間に位置する第2金属板、
    前記フランジに向かって延長しかつ前記フランジの垂直突出部内に位置する突出部を有する前記第1金属板の主要面の第1環状エンボス、
    前記第2金属板の第2環状エンボスを有し、
    前記第2環状エンボスが第2突出部および凹部を画定し、前記第2突出部は前記フランジに向かって延長し、前記凹部が前記第1環状エンボスの突出部を収容し、前記第1突出部の対応する表面および凹部は実質的に全体で一致し、
    前記第1および第2環状エンボスが前記返し部と前記フランジの自由端との間に全体として配置されかつ前記フランジの垂直突出部内に位置し、
    前記フランジが平坦でかつエンボスがなく、しかも前記環状エンボスの半径方向内方および外方の位置において前記第2金属板から離れていて、前記ガスケットの外面がエラストマ材料からなるマイクロシーリング層内にあるようにコーティングされている多層金属ガスケット
  2. 前記ガスケットが前記フランジの自由端の寸法より大きい寸法の開口を画定する第3金属板を有し、前記第3金属板が前記第1および第2金属板の間に配置された請求項1に記載された多層金属ガスケット。
  3. 前記第3板が前記フランジの自由端から離れたシーリングエンボスを画定し、前記シーリングエンボスが前記第1および第2金属板の間に配置された請求項1に記載された多層金属ガスケット。
  4. 前記フランジの区域における金属の厚さの和がシーリングエンボスの区域における金属の厚さの和より大きい請求項3に記載された多層金属ガスケット。
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