JP3676870B2 - 被印刷体圧着・移送用ローラ - Google Patents

被印刷体圧着・移送用ローラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、各種印刷装置における被印刷体圧着・移送用ローラの改良に関するものであり、特に各種輪転印刷機におけるガイドローラなどといったローラの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷技術は、文字その他の図形情報を、紙その他の被印刷体面上に、同質画像を形成したハードコピー(印刷物)として大量に複製する技術である。このような印刷技術において、印刷版に色材(インキ)を付着させ、被印刷体面に圧着転移して印刷物を作成するのに用いられる印刷装置としては、周知のように、印刷版の形式および印刷版からの被印刷体面へのインキの転移形式(直接印刷あるいは間接印刷方式)の相違によって、オフセット印刷機、凸版印刷機、フレキソ印刷機、グラビア印刷機、スクリーン印刷機等の各種のものがある。
【0003】
これらの印刷装置においては、印刷版を直接に被印刷体に圧着させるか、あるいは印刷版に付着したインクをいったん転移したゴムブランケット等の中間媒体を被印刷体に圧着させるかの相違はあれ、このような印刷要素(印刷版または中間媒体)上のインキを被印刷体に転移するという大きな概念においては同じであり、被印刷体をこれらの印刷要素に圧着しその後移送する被印刷体の圧着・移送系の構成としては、共通するところも多い。
【0004】
図4は、オフセット印刷機における被印刷体の印刷および移送機構の概略的な構成を示す図面である。この例は、被印刷体4としてロール状に巻かれた連続紙を用いる輪転式のものであり、インキが版胴1からゴム胴2に転写され、さらにゴム胴2と圧胴3の間に送入された被印刷体4面上へと圧着転移し、インキ像5が形成されるが、インキ像5を表面に形成された被印刷体4は、その後、複数のガイドローラ7によって移送変向されながら装置内を通過する。
【0005】
このようにロール状に巻かれた紙、フィルム等の被印刷体に連続的に印刷を行なう輪転機においては、被印刷体の移送系において多くのガイドローラを備える。このようなガイドローラを用いた移送系は、上記したようなオフセット輪転機(新聞輪転機、商業用オフセット輪転機、フォーム輪転機)のみならず、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、凸版新聞輪転機等の輪転機も同様に有するものである。
【0006】
輪転機用ガイドローラ7としては、従来、鉄パイプの表面にクロムメッキを施したもの、あるいは軽量化のためアルミニウム合金パイプを素材としたものが従来多く用いられている。さらに、被印刷体のスリップ防止および点接触効果によるインキ付着防止のために、これらのガイドローラ表面に、▲1▼ローレット加工したもの、▲2▼表面をサンドペーパー状の粗面にしたテープを貼付したもの▲3▼セラミックスを溶射したものなどが知られている。
【0007】
しかしながら、アルミニウム合金パイプをローレット加工したものは、耐磨耗性が低く短期間でローレットの凹凸が消失してしまい、スリップを生じやすくなるものであった。またサンドペーパー状の粗面テープをローラ表面に貼付したものにおいても同様に短期間の使用でサンド・ビーズの脱落、テープの剥離等が生じ長期の使用に耐えられないものであった。一方、セラミックスの溶射面を形成したものは、耐磨耗性が非常に高くかつ耐スリップ性の面でも非常に良好な効果があるものの、以下のようなインキ付着性の問題が顕著となるという欠点が生じるものであった。
【0008】
すなわち、従来知られるいずれのガイドローラの表面も、比較的インキ付着性の高い物性の材質からなるものであり、従って、このようなガイドローラ7は、表面に凹凸加工をされていても、輪転機を長時間運転すると、被印刷体4表面に印刷されたインキ像5が、接触するガイドローラ7面上に転写インキ像8として転写され、更にこの転写インキ像8が後続する被印刷体4表面に逆転写され印刷物の汚染が生じるという問題が生じている。このため、輪転機の運転にあっては、定期的にこのようなガイドローラの洗浄を行なわなければならず、洗浄操作のための印刷作業の中断、洗浄負荷が大きく、また洗浄をおろそかにすると、印刷物不良品を出すというトラブルの発生を招くこととなる。
【0009】
特に、前記セラミックスの溶射面を形成したものにあっては、インキが溶射粗面の凹部に入り込んで付着してしまうために、表面を拭うことによっては容易に除去できず、また溶剤を用いて洗浄を行なうと溶剤に溶解したインキがセラミックス溶射層の気孔内へと移行含浸されてしまうために、洗浄操作が困難であった。
【0010】
また、最近では、このようなガイドローラとして、高剛性を有しかつ軽量であるため、印刷機の高速化に対応できるという理由から、炭素繊維強化樹脂(CFRP)等の繊維強化樹脂製のロールを使用することも提案されている。
【0011】
さらに、繊維強化樹脂製のロールは、表面の耐磨耗性が劣り、毛羽立ち等が生ずることがあるため、その改善を目的として耐磨耗性に優れたCrメッキを施すこと、さらにはメッキ工程の煩雑さを軽減するために比較的簡単な工程で済む金属やセラミックスの溶射被膜を形成することも提案されている(例えば、実公平4−7378号公報、特開昭60−214958号公報、特開昭61−96063号公報、特開昭61−104061号公報等)。
【0012】
しかしながら、このような繊維強化樹脂製のロールを基材とするものであっても、その表面にCrメッキ、金属溶射層、セラミックス溶射層を形成したものは、前述したようにインキ付着ないし印刷物の汚染の問題については依然解決されていないものであった。
【0013】
さらに、特開平4−310741号公報、特開平6−207614号公報には、このような繊維強化樹脂製ロールにおけるインキ汚れを防止するために、繊維強化樹脂製ロール表面にフッ素樹脂、シリコン樹脂ないしはフッ素・シリコン含有樹脂をコーティングしてなるものが提案されている。
【0014】
しかしながら、このような樹脂コーティングのみを施してなるものは、表面被覆層の耐磨耗性が著しく乏しく、磨耗接触により極めて短期間で離型効果を失うため磨耗作用下で使用されるガイドローラ等の部材への適用は実用性がない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、各種印刷装置において使用される改良された被印刷体圧着・移送用ローラを提供することを目的とするものである。本発明は、また高速回転が可能で、高速回転時の追従性が良く、しかもインキの付着汚染が少なくかつ洗浄の容易な耐久性の高い被印刷体圧着・移送用ローラを提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記諸目的を達成するために、本発明の被印刷体圧着・移送用ローラは、繊維強化樹脂製ロール基材上には、前記繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料からなり、膜厚が30〜300μmとなるようにロール基材の周囲に略直交する方向からエアースプレー塗布により形成されてなる基層被膜と、前記繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料からなり、膜厚が50〜300μmかつ表面粗さ(Rz)が40〜130μmとなるように、ロール基材の周面接線に対して90°未満の方向からエアースプレー塗布により形成されてなる粗面化被膜とからなる下地層が形成され、前記下地層上部に、多孔質のセラミックス溶射層と前記セラミックス溶射層の表面上および孔部内に形成された低表面エネルギー性樹脂層とからなる複合被覆皮膜を形成してなるものである。
【0017】
本発明の上記被印刷体圧着・移送用ローラにおいて、前記繊維強化樹脂としては、炭素繊維強化樹脂が好ましい。
【0020】
また、この被印刷体圧着・移送用ローラは、特に輪転印刷機用のガイドローラとして好適に使用され得るものである。
【0021】
本発明はまた、粘着移行性物質が表面に付与されたフィルム状体の処理用ローラであって、繊維強化樹脂製ロール基材上には、前記繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料からなり、膜厚が30〜300μmとなるようにロール基材の周囲に略直交する方向からエアースプレー塗布により形成されてなる基層被膜と、前記繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料からなり、膜厚が50〜300μmかつ表面粗さ(Rz)が40〜130μmとなるように、ロール基材の周面接線に対して90°未満の方向からエアースプレー塗布により形成されてなる粗面化被膜とからなる下地層が形成され、前記下地層上部に、多孔質のセラミックス溶射層と前記セラミックス溶射層の表面上および孔部内に形成された低表面エネルギー性樹脂層とからなる複合被覆皮膜が形成されていることを特徴とするローラ。
【0022】
【作用】
このように本発明に係る被印刷体圧着・移送用ローラは、繊維強化樹脂製ロール基材表面上に、多孔質のセラミックス溶射層と前記セラミックス溶射層の表面上および孔部内に形成された低表面エネルギー性樹脂層とからなる複合被覆皮膜を形成してなるものである。図1は、このような本発明に係る被印刷体圧着・移送用ローラの一実施態様における断面構造を模式的に示す図、図2は、本発明に係る被印刷体圧着・移送用ローラの断面構造をさらに拡大して模式的に示す図、また図3は、本発明に係る被印刷体圧着・移送用ローラの製造過程における断面構造を模式的に示す図である。なお、これらの図において縦横の縮尺比は誇張して描かれている。
【0023】
本発明の被印刷体圧着・移送用ローラを得るには、まず図3に示すように繊維強化樹脂製ロール基材10表面上に、セラミックス溶射層15を形成する。なお、この図に示す例においては、ロール基材10表面上には、セラミックス溶射層15の密着性を向上させるために、後述するような基層11と粗面化層12とからなる下地層14が形成され、その上にセラミック溶射層15が形成されている。なお、図中、符号13は粗面化層12中に配合された粒状固形有機高分子材料を示すものである。
【0024】
このようにして形成されたセラミックス溶射層15表面は、図示するように非常にシャープな突起を形成する短周期的な凹凸(ピッチ波状凹凸)と、さらにより長周期的な凹凸(うねり状凹凸)とが複合して形成した粗面、代表的に好ましくは、Rz20〜50μm程度の粗面であり、かつセラミックス溶射層15は多孔質、好ましくは0.1μm〜数十μmの微細な気孔を気孔率5〜20%で有するものである。
【0025】
ここで、このセラミックス溶射層15の上部から、例えばシリコーン系樹脂等の低表面エネルギー性樹脂を含浸コーティングして乾燥固化させると、図1および2に示すように、セラミックス溶射層の表面上および孔部内に低表面エネルギー性樹脂層16が形成される。低表面エネルギー性樹脂16は、前記したようにセラミックス溶射層15がピッチ波状凹凸を有することおよび多孔質であることから、これらの部位に入り込むことによるアンカー効果によってセラミックス溶射層15との密着性がよく複合皮膜化し、セラミックス溶射層15と低表面エネルギー性樹脂層16とで複合被覆皮膜17を構成する。
【0026】
さらに低表面エネルギー性樹脂16は、セラミックス溶射層15の表面を実質的に全面的に覆うが、そのピッチ波状凹部には厚く一方ピッチ波状凸部には薄く付着する。このため、セラミックス溶射層12のみを形成した状態と比較すると滑らかな表面性状となるが、セラミックス溶射層15に起因する凹凸が完全に埋没してしまうものではなく、前記うねり状凹凸は概ね維持され、滑らかな凹凸を有する粗面が形成できるものである。なお、最終的な表面粗度Rz は代表的には15〜40μm程度とすることが望ましい。また最終的な滑らかな凹凸における凸部(前記うねりの凸部)は、例えば30μm×30μm平方〜60μm×60μm平方当りに1ケ程度の割合で均一に分散して存在することが望ましい。なお、ここで言う凸部は、被測定物表面を長さ20mm×幅20mmにわたり2次元的に走査して測定し、この測定領域内における最高凸部の高さの70%以上の高さを有する凸部を指すものである。
【0027】
このため、本発明に係る被印刷体圧着・移送用ローラが、被印刷体と接触する際には、ローラ表面全体で接触することなく前記したような滑らかな突起においてのみ接触し、かつその表面には低表面エネルギー性樹脂が存在するために、被印刷体からのインキの移行は起りにくく、かつ移行したインキも、表面が低表面エネルギー性樹脂によるものであることと滑らかな凹凸のプロフィールを有することが相俟って、乾燥した布材等で軽く触れるだけで容易に除去できるものである。
【0028】
また、前記したように低表面エネルギー性樹脂層16はセラミックス溶射層15と複合化されて表面に付与されているために、極めて長期間使用されたとしても全体的に磨耗剥離してしまうといったことは生じず、前記うねり状凹凸の凸部という極めて小さな部位で磨耗が生じるのみである。このため長期間にわたってロール表面の低表面エネルギーが維持され、特性の劣化が生じにくいものである。なお、このうねり状凹凸は、より微細なピッチの凹凸との比較のために「うねり」と表現したが、目視的には全くわからない程度のものであり、従ってその凸部の表面の樹脂層16が磨耗してセラミックス溶射層15が露出し、この部位でインキの付着、逆転移が生じたとしても、印刷品質上全く問題とならないものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。
【0030】
本発明の被印刷体圧着・移送用ローラにおけるロール基材としては、繊維強化樹脂が用いられる。
【0031】
繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂としては、エポキシ樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;フェノール樹脂;アルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは各種ナイロンなどのアミド樹脂;ポリカーボネート;ウレタン樹脂;ポリアセタール;ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミドなどの非晶質系ポリエーテル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの飽和ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられ得る。このうち好ましくは、熱硬化性樹脂であり、特にエポキシ樹脂である。
【0032】
一方、繊維強化樹脂の補強繊維としては、炭素繊維、シリコンカーバイド繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、ガラス繊維などが例示でき、これらを単独あるいは複数組合せて用いることができるが、特に炭素繊維単独あるいは炭素繊維を主体としてその他の繊維を若干配合したものを使用することが望ましい。なお、本明細書において、「炭素繊維強化樹脂」とは、補強繊維として炭素繊維のみを用いたもののみならず、炭素繊維を主体とし(具体的には50%以上)、これに他の繊維を配合したものを用いたものを包含するものである。
【0033】
炭素繊維の種類としては特に限定されるものではなく、PAN系、ピッチ系あるいはこれらの混合物などといったものから、ローラに対し求められる特性等に応じて適宜選択され、例えば、より高い弾性率が求められる場合にはピッチ系のものを、またそれほど高い弾性率が必要でなくより経済性を優先する場合にはPAN系のものを用いることなどが適当である。また短フィラメントであるか長フィラメントであるかは、主に以下に述べるような成形方法により決定されてくるものであり、特に限定されるものではない。例えば、より高い弾性率が求められる場合には、長フィラメントを用いることが好ましい。
【0034】
このような繊維強化樹脂によるロール基材の成形方法としては、シートラッピング法、フィラメントワインディング法、引抜成形法、レジントランスファーモールディング法等種々の方法があり特に限定されるものではない。シートラッピング法およびフィラメントワインディング法で成形されるものは、金属製マンドレルにラッピングあるいはフィラメンドワインドした後加熱硬化あるいは加熱溶融して素管を形成する。引抜法により成形されるものはパイプ形状のダイスにて引抜成形し、素管を形成する。レジントランスファーモールディング法によって成形されるものは金属型あるいは樹脂型等によって成形される。
【0035】
このようにして成形された素管は、一般にロールの長さを決めるために丈決を行い、その後ヘッダないしジャーナルを取り付ける。ヘッダないしジャーナルの接合は機械的接合、接着接合あるいはこれらの組合せによって行なうことができる。その後ロール外周部の研磨、研削等および必要に応じてベアリング嵌合部、軸受部などの仕上げを行なう。あるいはまた、あるいはヘッダないしジャーナルの接合に先立ち、ロールの外周部の研磨を行い、その後にヘッダないしジャーナルを接合し、ベアリング嵌合部、軸受部の仕上を行ってもよい。なお、ロール基材は、研磨等により所定の径精度を有するものとされる必要がある。すなわち、本発明に係る被印刷体圧着・移送用ローラは、最終仕上としてこのような切削研磨が行なえないためである。
【0036】
このようにして、ロール外周部の研磨等により外径寸法の調整を行なった後、セラミックス溶射層を形成するが、繊維強化樹脂製ロール基材とセラミックス溶射層との密着強度を高めるために、セラミックス溶射に先立ち、前処理としてロール基材に下地層を形成することが望ましい。
【0037】
セラミックス溶射の前処理として、繊維強化樹脂製ロール基材表面をサンディング、リン酸亜鉛処理、ブラスト処理等により表面を粗面化する表面処理も考えられるが、このような粗面化は、処理基材が繊維質であるため表層部の繊維の切断と破壊が起り、繊維の毛羽立ちが助長されて、その表面への溶射に当って均質な被膜が形成されず、またその被膜形成作業に際しては、ブラスト材、被処理基材の微粉末が飛散して空気中に浮遊するという環境の悪化といった問題が生じるためあまり好ましくない。
【0038】
下地層としては、特に限定されるものではないが、ロール基材の繊維強化樹脂におけるマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料からなる基層被膜と、この基層被膜の表面に同じく炭素繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料からなる粗面化被膜とからなる構成とすることが望ましい。特に前記基層被膜の膜厚が30〜300μmで、また前記粗面化被膜の膜厚が50〜300μmであってかつ表面粗さ(Rz)が40〜130μmとすることが最も望ましい。
【0039】
なお、ここで粗面化被膜は、後述するようにマトリックスを構成する前記有機高分子材料と骨剤となる粒状固形有機高分子材料とから構成されるものであるが、粗面化層は、そのマトリックスを構成する前記有機高分子材料が、ロール基材の繊維強化樹脂におけるマトリックスを構成する合成樹脂と同種のものであれば、粗面化層に含まれる固形有機高分子材料までもロール基材の繊維強化樹脂におけるマトリックスを構成する合成樹脂と同種のものとする必要は必ずしもなく、当該マトリックス中に安定に分散され得る硬質のものであれば特に限定されない。もちろん、粗面化層のマトリックスを構成する有機高分子材料と熱膨脹率等の物性が近似するもの、さらには該有機高分子材料と同種のものとすることが好ましいものであることは確かである。
【0040】
このような構成において、基層被膜は、ロール基材表面の毛羽立ちや微細ボイドなどの欠陥を埋めてロール基材表面を補正して平滑性を付与し、また粗面化被膜はセラミックス溶射被膜との密着性の向上に寄与するように機能する。
【0041】
このような下地層は、例えば、繊維強化樹脂製ロール基材表面に、有機高分子材料に希釈剤5〜15重量%を配合した溶液を前記ロール基材の周面に略直交する方向からスプレー塗布し、乾燥して基層被膜を形成し、この基層被膜表面に、有機高分子材料に粒状、好ましくは粒径10〜45μmの固形有機高分子材料60〜80重量%と希釈剤30〜120重量%を配合した組成物をこのロールの周面に対し90°未満の方向からスプレー塗布し、乾燥して粗面化被膜を形成することにより行ない得る。
【0042】
上記手法における基層被膜の形成において、希釈剤が5重量%未満ではエアースプレー塗布した際に形成された基層内にエアーの巻き込みが生じ易くなり、一方15重量%を越えると平滑な被膜形成が困難となる。また基層被膜が30μm未満では繊維強化樹脂製ロール基材表面の補正被膜として不十分であり、そのため基材欠陥を解消し得ず、また300μmを越えるものであるとロールの最終寸法精度が不安定となる虞れがある。
【0043】
また粗面化層の形成において、粒状固形有機高分子材料の粒径が10μm未満では骨材としての機能が発揮されず、粒径が45μmを越えるものであるとエアースプレーノズルをロール基材の周面接線に対し90°未満となるよう対向配置しているため、形成される粗面化層に過剰な粒子の遮蔽現象が生じて、次工程で形成されるセラミックス溶射被膜との密着力を向上し得ない虞れが生じる。また粒状固形有機高分子材料の配合量が60重量%未満では樹脂分への食い込み、衝突等による粗面断面形状に対する複雑化の集積されず、80重量%を越えるものであると樹脂分による支持力が不足し、次工程で形成されるセラミックス溶射被膜との密着力を向上し得ない虞れが生じる。さらに希釈剤が30重量%未満では、樹脂分の粘度により、配合されている粒状固形有機高分子材料のエアースプレー塗布時の移動量が減少して複雑な断面形状の粗面を形成できず、120重量%を越えるものであると樹脂分が不足し、十分なアンカー効果を発揮し得ない。また、膜厚が50μm未満では適正な粗面粗さを有していても基層との密着力に乏しく、次工程で形成されるセラミックス溶射被膜の密着力が低下し、一方、300μmを越えるものであると平板な断面形状の粗面となって、次工程でのセラミックス溶射被膜との密着力が低下する虞れがある。
【0044】
さらに上記手法においては、下地層の上層である粗面化層は、ロール基材の周面接線に対し90°未満の方向からエアースプレー塗布しているが、これは円筒状物の周面接線に直交方向からエアースプレー塗布した際、霧状溶液は直交部で2分割され、周曲面に沿って流れ、直交部より漸次薄くなり、該円筒状物が1回転することで所要の厚みの塗布層が形成されるが、周面接線に対し90°未満の方向からエアースプレー塗布すると、直交部で2分割される際、周曲面の一方向側に沿って他方向側より多く流れ、これにより霧状溶液中の粒状固形有機高分子材料は粒子による遮蔽現象とともに塗布層形成途中の樹脂分に食い込んだり、擦過したり、相互の衝突、弾発等を生じて複雑な断面形状を有する粗面を形成し得るためである。
【0045】
なお、本発明に係る被印刷体圧着・移送用ローラにおいて、セラミックス溶射被膜形成のための下地処理方法としては、上記したような基層と粗面化層とをロール基材の繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料により形成する手法が最も望ましいが、これ以外の公知の方法、例えば、実公平4−7378号公報などに記載されるように、有機質材料と無機質材料とからなる下地層を形成することも、可能である。しかしながら、下地層としてこのように有機質材料と骨材となる無機質材料とからなる下地層を形成した場合、セラミックス溶射時の熱による下地層や繊維強化樹脂製ロール基材とセラミックス溶射被膜との熱膨脹差に起因するセラミックス溶射層の剥離の可能性があり、製品歩留りおよび製品耐久性などといった面から、上記したような基層と粗面化層とをロール基材の繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料により形成する手法を用いた場合と比較して、劣るものとなる可能性が大きい。
【0046】
そして、上記したような繊維強化樹脂製ロール基材表面または下地層表面上に、例えばプラズマジェット溶射法等の公知のセラミックス溶射法を用いることにより、セラミックス溶射層を形成する。セラミックス材料としては、Al2 3 、TiO2 、Al2 3 −TiO2 、Cr2 3 、ZrO2 、WC、WC−Co、Cr3 2 、TiC等あるいはこれらの混合物、さらには導電性をもたすためにセラミックスと金属を同時溶射した複合皮膜、サーメット類等が例示されるが、これらに限定されるものではない。セラミックス材料の選択は、ロール基材または下地層との密着強度、耐磨耗性、ならびに得られるセラミックス溶射層が数μm〜数十μmの微細な気孔(連続気孔)を気孔率5〜20%にて有しかつその表面粗度がRz20〜50μm程度となること等の点に、経済性を考慮して行なえば良い。一般的には、ホワイトアルミナ(W−Al2 3 )およびグレーアルミナ(G−Al2 3 )(Al2 3 −TiO2 )、クロミア(Cr2 3 )などが望ましい。
【0047】
なお、セラミックス溶射層が数μm〜数十μmの微細な気孔(連続気孔)を気孔率5〜20%で有することが望まれるのは、セラミックス溶射層に後述する低表面エネルギー性樹脂層を安定して複合形成可能とするためであり、気孔率が5%未満では表面活性樹脂がセラミックス溶射層内部に十分に入り込めず剥離性が高まる虞れがあり、一方気孔率が20%を越えるものであると複合皮膜の骨格構造となるセラミックス溶射層の強度が低下する虞れがあるためである。またその表面粗度がRz20〜50μm程度を有することが望まれるのは、セラミックス溶射層表面上に後述するような低表面エネルギー性樹脂を堆積した際に、該体表面エネルギー性樹脂が安定に付着しかつ最終的に必要かつ十分な大きさの滑らかな凹凸が形成され易い範囲であるからである。
【0048】
さらにこのセラミックス溶射層の厚さとしては、平均膜厚30〜200μm、より好ましくは40〜80μm程度であることが望まれる。すなわち、平均膜厚が30μm未満では均一でかつ密着性、強度および耐磨耗性等の特性が十分な溶射層を得ることができない虞れがあり、一方平均膜厚が200μmを越えるものであるとコスト面で不利となるからである。更に、ロールが圧胴の場合におけるように高い径精度を必要とされる態様においては、膜厚は150μm以下であることが望ましい。すなわち、圧胴の場合、最終的な仕上げ径をD±0.02mm以下、円筒度0.020以下に抑える必要があるためである。
【0049】
また、セラミックス溶射層の表面粗度は、前記したように一般にRz20〜50μm程度であることが望まれるが、最終製品として必要とされる最適な表面粗度は、ローラの種類によって異なり、例えばグラビア印刷機等の薄いフィルムを印刷する機械におけるガイドローラ等は、代表的なRz15〜40μm程度よりもより細かい最終表面粗度が望ましいものであるので、このような最終的な粗度が得られるように、必要に応じてセラミック溶射後に軽く表面研磨を行なうことも可能である。
【0050】
このようにしてセラミックス溶射層が形成されたら、その上部から低表面エネルギー性樹脂を例えば、スプレー、ディッピング、ハケ塗り、ローラ塗布等の方法で含浸、コーティングし、所定の温度で乾燥固化させ、セラミックス溶射層の表面上および孔部内に低表面エネルギー性樹脂層を形成する。低表面エネルギー性樹脂としては、使用されるインキに対する濡れ性が低くかつインキ組成中等に使用される薬剤に対し安定な皮膜、望ましくは高硬度皮膜を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、通常、シリコーン系樹脂およびフッ素原子含有樹脂が望ましく、さらにその硬度、施工性、化学的安定性等の面からシリコーン系樹脂が望ましい。
【0051】
シリコーン系樹脂としては、施工後に、高分子化、三次元化してSi−O−Si結合と有機基、望ましくはメチル基および/またはフェニル基、より望ましくはメチル基を主体とする骨格構造を有し、安定な硬化皮膜を形成できるものであればよい。側鎖としてのメチル基が多くなるほど、インキに対する濡れ性は低いものとなるが、その硬度の向上面からはフェニル基、あるいはビニル基などの官能基に起因する架橋構造の含有割合を高めることが望まれる。
【0052】
なお施工時の形態は特に限定されるものではなく、例えば、オリゴマー、モノマー等の液状のもの、あるいは樹脂状のものを適当な溶媒に溶解した溶液状のものなど、例えば、シリコーンワニス、シリコーンゴム等に分類され市販される公知の各種の組成のものを適宜選択して使用することができるが、例えば、ワニス系シリコーン離型剤として市販されている組成物、ないしこれに類似する組成物が、施工性および得られる皮膜特性の面から好ましいものが多い。シリコーン離型剤としては、例えば、一般式(I)で示されるような構造を有するシリコーンポリマーないしコポリマーを主成分とするものが市販品として入手できる。
【0053】
【化1】
Figure 0003676870
【0054】
(但し、式中、Rはそれぞれ独立に水酸基、アルキル、アリール、アルケニル、ハロゲン置換アルキル、ハロゲン置換アリール、ハロゲン置換アルケニル、好ましくはメチル基を表し、nは1〜30000である。)
しかしながら、もちろん使用されるシリコーン系樹脂組成物としては、このようなシリコーン離型剤に何ら限定されるものではない。
【0055】
またこのようなシリコーン系樹脂組成物中には、必要に応じて、皮膜硬度を高めるためのシリカ微粒子等の充填剤を配合することも可能であるが、セラミックス溶射層の空孔部および凹部に十分侵入し得る程度の粒径のものである必要がある。
【0056】
またフッ素原子含有樹脂としては、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等といった熱可塑性フッ素原子含有樹脂を用い、適当な溶剤に懸濁ないし膨潤させて塗布し、溶融温度以上に加熱して成膜するといったディスパージョン加工法を用いることも可能であるが、セラミックス溶射層の表面上および孔部内により確実に皮膜を形成するためには、分子鎖内に少量の水酸基、カルボン酸基等の官能基を有し、液状にて塗布可能でかつ常温または加熱して架橋硬化する熱硬化性フッ素原子含有樹脂の方が望ましく、例えば、フルオロエチレンとアクリル酸、メタアクリル酸との共重合体などが例示される。
【0057】
形成される低表面エネルギー性樹脂層のセラミックス溶射層表面上における厚さは、前記したようにセラミックス溶射層のピッチ波状凹部には厚く一方ピッチ波状凸部には薄く付着するため、平均膜厚として規定することは困難である。しかしながら、溶射層の表面を実質的に全面的に覆い、かつセラミックス溶射層のうねり状凹凸を維持したものとなるように、全体を通じて0.5〜20μm程度の厚さにおいて付着することが望ましい。
【0058】
このようにして得られる本発明の被印刷体圧着・移送用ローラは、最終的な表面性状が滑らかな凹凸を有するものとなり、代表的にはその表面粗度Rz が、15〜40μm程度であることが望ましく、また最終的な表面における滑らかな凹凸の凸部は、例えば20μm×20μm平方〜100μm×100μm平方当りに1ケ程度、より好ましくは30μm×30μm平方〜60μm×60μm平方当りに1ケ程度の割合で均一に分散して存在するものことが望ましい。そしてその全表面は、複合被覆皮膜として前記セラミック溶射層に保持された緻密な低表面エネルギー性樹脂層よって形成されており、使用されるインキに対する濡れ性の低いものである。
【0059】
このため本発明のローラは、各種の印刷機における被印刷体圧着・移送系に配される各種のローラとして好適に使用でき、具体的には例えば、オフセット印刷機における圧胴、あるいはオフセット輪転機(新聞輪転機、商業用オフセット輪転機、フォーム輪転機)、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、凸版新聞輪転機等の各種輪転機におけるガイドローラとして好適に使用できるものである。
【0060】
上記したような本発明のローラは、印刷機の分野のみならず、前記したような印刷物におけるインキと同様に、粘着移行性物質が表面に付与されたフィルム状体を処理するローラとして、同様にこれらの粘着移行性物質によるローラの汚染が生じにくくかつ耐久性の高いものとして好適に使用できることは明らかである。印刷機における被印刷体圧着・移送用ローラ以外の適用例としては、例えば、各種複写機における被印写体の圧着・移送系におけるローラ等が例示されるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
参考例1
フィラメントワインディング法により作成された炭素繊維強化エポキシ樹脂(CFRP)製の中空円筒状物の両端にローラの回転軸となる構成のフランジ軸を接着して取付けた後、研削等により外径寸法の調整、表面平滑化を行ないCFRP製ローラの素管(直径99.5mm×長さ1730mm)を製作した。
【0062】
このCFRP製ロール基材の表面をシンナーで洗浄した後、このCFRP製ロール基材のマトリックスと同種の有機高分子材料であるエポキシ樹脂(大日本塗料(株)製:商品名エポニックス#10)の主剤/硬化剤が100/100(重量比)に希釈剤であるシンナー10重量%を配合した溶液をこのCFRP製ロールの基材周面に直交方向からエアスプレー塗布し、80℃で3時間乾燥して膜厚60μmの基層を形成した。
【0063】
次いで、この基層を形成したCFRP製ロール基材の周面に、前記と同じエポキシ樹脂(エポニックス#10)に、粒度が45μm未満の粒状固形有機高分子材料((株)USテクロノジー・ファーイースト製:商品名ポリプラス)を80重量%とシンナー100重量%を配合した組成物を、前記CFRP製ロール基材の周面接線直交方向に対して30°傾けた方向からエアスプレー塗布し、80℃で3時間乾燥硬化させて、膜厚100μm、表面粗度Rz 80μmの粗面化層を形成した。
【0064】
その後、この粗面化層を形成したCFRP製ロール基材の周面に、プラズマ溶射機(メテコ(株)製:METECO 10MB)を用いて、続いて粉末粒径10〜44μmのG−Al2 3 (Al2 3 −2.3%TiO2 )をプラズマ溶射して膜厚100μm、表面粗度Rz50μmのセラミックス溶射層を形成した。
最後にこのセラミック溶射層表面を、サンドペーパー(#120)にて軽く表面研磨を行い、表面粗度Rz 40μmに仕上げた。
【0065】
このセラミックス溶射層の表面は、図3に図示するようにシャープな突起を有しながらうねる粗面であった。またセラミックス溶射層は0.1〜数十μmの大きさの空孔を有しており、空孔率は約16%であった。
このようにして得られたガイドローラを以下のような印刷試験に供した。
【0066】
実施例1
上記参考例1と同様の手順でCFRP製ロール上に基層、粗面化層およびセラミックス溶射層を形成した後、セラミックス溶射層の上から、シリコーン系樹脂離型剤(信越化学工業(株)製 KE1310−S)100部、トルエン400部および硬化触媒(信越化学工業(株)製 CAT−1310)10部、硬化触媒(信越化学工業(株)製 X93−405)1部を混合攪拌した溶液を、スプレー方式で含浸塗布した後、110℃の乾燥炉で30分間乾燥固化させてセラミックス溶射層の表面にシリコーン系樹脂皮膜を形成した。このシリコーン系樹脂皮膜は、セラミックス溶射層の連通空孔部を完全に閉塞し、かつ溶射層の表面において、ピッチ波状凹凸の凹部には厚くかつ凸部には薄く付着しその全面を完全に覆っているものであり、その膜厚は各部位によって相違するが2〜20μmの範囲にあった。そしてこのシリコーン系樹脂皮膜形成後における表面粗度Rz は約30μmであり、図1に図示するように滑らかな凹凸を有する粗面であった。
このようにして得られたガイドローラを参考例1と同様に以下のような印刷試験にに供した。
【0067】
印刷試験
上記参考例1および実施例1において作成したガイドローラを、それぞれ新聞輪転機(東京機械製B−Bタイプ)の印刷部直後の位置に取付け印刷試験を行った。
【0068】
その結果、参考例1は、ローラ表面のプロフィールが凹凸構造となっているものの、2時間程度の運転で凸部のみならず凹部にもインキが付着堆積し、一般に使用されているクロムメッキローラに比べ、インク付着防止効果が見られなかった。また石油系溶剤による洗浄でも凹部に入り込んだインキが落ちづらく、かえってクロムメッキ後、鏡面研磨したローラより作業性が悪いという結果となった。
【0069】
一方、実施例1のガイドローラの場合、朝刊、夕刊の印刷を毎日繰返しても表面の微細な凸部にわずかなインキが付着しているのみであり、しかもこのインキ付着量は1ケ月経過してもほどんど堆積せず、この間、途中でガイドローラを清掃することなく、良好な印刷品質の印刷物を得ることができた。
【0070】
なお1年間の長期間試験においても凸部のシリコーン離型剤が部分的に磨耗しているのみで凹部の離型剤はしっかり残っており、インキ付着防止効果は十分に維持されるものであった。
【0071】
実施例1のガイドローラを新聞輪転機のライン全体のガイドローラとして採用することにより、CFRP製ローラ使用による軽量化効果(鉄母材の約1/3)で、スピードへの追従性が良好なことから、微妙な張力コントロールを可能にするという本来のCFRP製ローラの使用目的を維持しつつ極めて優れたインキ離型性と耐久性が得られることができた。
【0072】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の被印刷体圧着・移送用ローラは、その表面性状が微細で比較的滑らかな凹凸を有するものであり、耐磨耗性に優れたセラミックス溶射層ないしは無機微粒子層と表面エネルギーの低いシリコーン系樹脂等の低表面エネルギー性樹脂層とからなる複合皮膜で基材表面を被覆しているものであるため、表面にインキが付着し難いものである。またロール基材として炭素繊維強化樹脂等の繊維強化樹脂を使用しているため軽量で剛性が高く、高速回転のもとでも、振動、騒音等の発生がなく、被印刷物に対する微妙な張力コントロールも可能である。このため各種の印刷機における被印刷体圧着・移送系に配される各種のローラ、例えば、オフセット輪転機(新聞輪転機、商業用オフセット輪転機、フォーム輪転機)、グラビア印刷機、フレキソ印刷機等の各種輪転機におけるガイドローラ、あるいはオフセット印刷機における圧胴などとして好適に使用でき、特に高速印刷機への適用が可能となるものであり、連続して多量ないし長持間の印刷操作を行なう場合に、洗浄操作を施す必要もなく、汚れのない良好な印刷品質の印刷物を提供できるものとなり、かつその耐久性も優れたものである。さらに、表面に付着したインキも乾式にてまたは石油系溶剤等にて容易に除去できるものであることから、従来、非常に危険でかつ重労働であったローラの洗浄操作も極めて容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る被印刷体圧着・移送用ローラの一実施態様における断面構造を模式的に示す図、
【図2】 本発明に係る被印刷体圧着・移送用ローラの断面構造をさらに拡大して模式的に示す図、
【図3】 本発明に係る被印刷体圧着・移送用ローラの製造過程における断面構造を模式的に示す図、
【図4】 オフセット印刷機(輪転機)における被印刷体の印刷および移送機構の概略的な構成を示す図。
【符号の説明】
1…版胴、 2…ゴム胴、
3…圧胴、 4…被印刷体、
5…インキ像、 6,8…転写インキ像、
7…ガイドローラ、
10…繊維強化樹脂製ローラ基材、
11…基層、12…粗面化層、
13…粒状固形有機物材料、
14…下地層、
15…セラミックス溶射層、
16…低表面エネルギー性樹脂層、
17…複合被覆皮膜。

Claims (4)

  1. 印刷装置において、印刷要素に対して被印刷体を圧着し、その後移送する被印刷体圧着・移送系に配される被印刷体圧着・移送用ローラであって、
    繊維強化樹脂製ロール基材上には、前記繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料からなり、膜厚が30〜300μmとなるようにロール基材の周囲に略直交する方向からエアースプレー塗布により形成されてなる基層被膜と、前記繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料からなり、膜厚が50〜300μmかつ表面粗さ(Rz)が40〜130μmとなるように、ロール基材の周面接線に対して90°未満の方向からエアースプレー塗布により形成されてなる粗面化被膜とからなる下地層が形成され、
    前記下地層上部に、多孔質のセラミックス溶射層と前記セラミックス溶射層の表面上および孔部内に形成された低表面エネルギー性樹脂層とからなる複合被覆皮膜が形成されていることを特徴とする被印刷体圧着・移送用ローラ。
  2. 前記繊維強化樹脂製ロール基材が炭素繊維強化樹脂製ロールである請求項1に記載の被印刷体圧着・移送用ローラ。
  3. ローラが輪転印刷機用のガイドローラである請求項1または2に記載の被印刷体圧着・移送用ローラ。
  4. 粘着移行性物質が表面に付与されたフィルム状体の処理用ローラであって、
    繊維強化樹脂製ロール基材上には、前記繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料からなり、膜厚が30〜300μmとなるようにロール基材の周囲に略直交する方向からエアースプレー塗布により形成されてなる基層被膜と、前記繊維強化樹脂のマトリックスを構成する合成樹脂と同種の有機高分子材料からなり、膜厚が50〜300μmかつ表面粗さ(Rz)が40〜130μmとなるように、ロール基材の周面接線に対して90°未満の方向からエアースプレー塗布により形成されてなる粗面化被膜とからなる下地層が形成され、
    前記下地層上部に、多孔質のセラミックス溶射層と前記セラミックス溶射層の表面上および孔部内に形成された低表面エネルギー性樹脂層とからなる複合被覆皮膜が形成されていることを特徴とするローラ。
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