JP3676597B2 - スプール弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスプール弁、例えば自動車用自動変速機における油圧制御回路に用いられるスプール弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスプール弁としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ガラス繊維および鉱物より構成されたものが知られている(特開平5−209690号公報参照)。合成樹脂成分としてポリフェニレンサルファイドを用いる理由は、そのポリフェニレンサルファイドが優れた耐熱性および耐油性を有すること、その熱膨脹係数が弁ケーシングを構成するアルミニウム合金のそれに近似していること等にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
スプール弁に求められる性能としては、良好な摺動特性を有すること、弁ケーシングの摺動孔との間隙(以下、円環間隙と言う)からの作動油の漏れが少ないこと等を挙げることができる。このような性能を満足するためには、スプール弁の摺動部において、その外径の最大値と最小値との差、つまり外径差が約10μm以下、好ましくは数μmであることが必要である。
【0004】
しかしながら従来のものは、射出成形後における前記外径差が数10μmであるため、前記性能を満足するためには精密な研磨加工を必要とし、これがスプール弁の生産能率を向上させる上で障害となっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、良好な生産性を有し、また要求性能を満足し得る前記スプール弁を提供することを目的とする。
【0006】
前記目的を達成するため本発明によれば、球状シリカ粉末Psの含有量がPs≦65wt%、球状アルミナ粉末Paの含有量が5wt%≦Pa<70wt%、球状シリカ粉末Psの含有量と球状アルミナ粉末Paの含有量の和が30wt%≦Ps+Pa≦70wt%、フッ素樹脂Rfの含有量が1wt%≦Rf≦10wt%、残部がポリフェニレンサルファイドであり、前記フッ素樹脂Rfの凝固開始温度T1 と前記ポリフェニレンサルファイドの凝固開始温度T2 との関係がT1 >T2 であるスプール弁が提供される。
【0007】
ポリフェニレンサルファイドは、前記のように優れた耐熱性および耐油性を有し、またその熱膨脹係数が弁ケーシングを構成するアルミニウム合金のそれに近似している、ということの外に強度および剛性が高く、寸法安定性も良い、といった諸特性を有する。またフッ素樹脂Rfは、優れた耐熱性、耐薬品性を有し、また粘着性および摩擦抵抗が低い、といった諸特性を有する。したがってポリフェニレンサルファイドおよびフッ素樹脂Rfはスプール弁の構成材料として好適である。
【0008】
このような諸特性を備えたフッ素樹脂Rfおよびポリフェニレンサルファイドにおいて、フッ素樹脂Rfの凝固開始温度T1 とポリフェニレンサルファイドの凝固開始温度T2 との関係をT1 >T2 に設定すると、射出成形により得られたスプール弁は高い寸法精度を有し、成形後の研磨加工は不要である。
【0009】
このような好結果が得られるのは、次のような理由に因るものと考えられる。即ち、射出成形において、前記のようなポリフェニレンサルファイドおよびフッ素樹脂Rfを含む溶融成形材料を金型のゲートを通じてスプール弁成形用キャビティに充填すると、ゲートがシールされる前にフッ素樹脂Rfが冷却固化を生じ、その冷却固化による収縮分がゲートを通じて補充され、また冷却固化したフッ素樹脂Rfが成核剤として機能することにより、キャビティ内におけるポリフェニレンサルファイドの各部位の結晶化が均一に行われるのである。
【0010】
ただし、フッ素樹脂Rfの含有量がRf<1wt%ではフッ素樹脂量が少なくなって前記効果を得ることができず、一方、Rf>10wt%ではフッ素樹脂量が多くなってスプール弁の剛性が低下する。
【0011】
無機充填材である球状シリカ粉末Psは、高温領域における作動油の円環間隙漏れ量の減少、高温作動油中における寸法変化の抑制等に寄与し、一方、球状アルミナ粉末Paは、球状シリカ粉末Psが持つ前記効果に加えて、スプール弁の摺動特性(耐摩耗性、応答性等を含む)を向上させる効果を有する。このような諸効果を得るためには両粉末Ps,Paが共に球状であることが必要であり、これは、スプール弁の摩耗に伴い脱落した両粉末Ps,Paによる悪影響、例えばスプール弁および摺動孔壁における擦りきずの発生等を回避する上からも必要である。
【0012】
両粉末Ps,Paの個々の含有量が前記範囲にあることを条件として、それら粉末Ps,Paの含有量の和Ps+PaがPs+Pa<30wt%では、高温領域における作動油の円環間隙漏れ量の増加および摺動特性の低下を招来し、一方、Ps+Pa>70wt%では成形材料の溶融粘度が高くなり過ぎるため、通常の条件では射出成形を行うことができなくなる。
【0013】
別のスプール弁においては、無機充填材として球状アルミナ粉末Paのみが用いられる。この場合、球状アルミナ粉末Paの含有量は30wt%≦Pa≦70wt%に設定される。このように球状アルミナ粉末Paの含有量を設定する理由は、前記Ps+Paの場合と同じである。フッ素樹脂Rfの含有量は、前記同様に、1wt%≦Rf≦10wt%であり、また残部はポリフェニレンサルファイドよりなる。さらにフッ素樹脂およびポリフェニレンサルファイドの両凝固開始温度T1 ,T2 の関係も、前記同様にT1 >T2 である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に示すスプール弁1は、自動車用自動変速機における油圧制御回路に用いられるもので、一端に開口2を、また他端に端壁3をそれぞれ備えた円筒形をなし、長手方向中央に存する小径部4の両側にそれぞれ大径の摺動部5を有する。
【0015】
スプール弁1は、球状シリカ粉末Psと球状アルミナ粉末Paと、フッ素樹脂Rfと、ポリフェニレンサルファイド(以下、PPSと言う)とより構成される。各成分の含有量は、Ps≦65wt%、5wt%≦Pa<70wt%、30wt%≦Ps+Pa≦70wt%、1wt%≦Rf≦10wt%および残部PPS(20wt%≦PPS≦69wt%)に設定される。この場合、フッ素樹脂Rfの凝固開始温度T1 とPPSの凝固開始温度T2 との関係はT1 >T2 に設定される。
【0016】
PPSは、実質的に図2に示す構造の繰り返し単位からなる重合体である。本発明で使用されるPPSは前記繰り返し単位を70モル%以上、好ましくは90モル%以上含むランダム共重合体またはブロック共重合体である。この繰り返し単位が70モル%未満ではスプール弁を構成し得るPPSを得にくくなる。図2に示した構造の繰り返し単位以外の共重合単位は、PPS中に30モル%未満、好ましくは10モル%未満の割合で存在するを可とし、重合体の結晶化度を低下させない範囲で、図3に示した各種のアリレーンサルファイド構造の単位を含んでいてもよい。
【0017】
PPSは公知の各種重合法により得られるが、硫化ナトリウムとp−ジクロルベンゼンとを、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中で反応させる方法が好適である。その際、重合度を調節するために酢酸ナトリウム、酢酸リチウム等のアルカリ金属カルボン酸を添加することは好ましい。
【0018】
PPSとしては、重合後において、洗浄したもの、塩酸、酢酸等の酸を含む水溶液または水−有機溶剤混合液で処理したもの、塩化アンモニウム等の塩溶液で処理したもの等も使用することができる。
【0019】
PPSの重合後、酸素存在下で熱処理を行い、架橋反応によって多少なりとも見かけ分子量を増大させることが望ましい。これは、重合のみで分子量を高めた成形材料を用いたスプール弁においては、高温時のオイル浸漬膨潤量が大きくなるおそれがあるからである。
【0020】
PPSの溶融粘度を、シリンダ温度:300℃、荷重:5kg、オリフィス:直径2.095mmおよび長さ8mmという測定条件のメルトインデックスMIで表すと、それは0.1≦MI≦500であり、好ましくは1≦MI≦300である。このメルトインデックスMIがMI<0.1では射出成形時の流動性が低下することがあり、一方、MI>500では、スプール弁としての強度が不十分となるおそれがある。
【0021】
フッ素樹脂Rfとしては、その凝固開始温度T1 がPPSの凝固開始温度T2 に対してT1 >T2 の関係をもつものが用いられ、例えば、所定の条件下で測定されたPPSの凝固開始温度T2 が237℃である場合、同一条件下におけるフッ素樹脂Rfの凝固開始温度T1 はT1 >237℃でなければならない。このようなフッ素樹脂Rfとしては、例えばテトラフロロエチレン(以下、TFEと言う)/パーフルオロアルコキシビニルエーテル(以下、PAVEと言う)共重合体およびTFE/ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPという)共重合体を挙げることができる。
【0022】
TFE/PAVE共重合体(以下、PFAと言う)としては、PAVEのアルキル基の炭素数が1〜6であると共にPAVEに基づく重合単位が1〜5モル%であるものが好ましい。市販されているPAVEとしては、ペルフルオロプロピルビニルエーテル、ペルフルオロエチルビニルエーテル、ペルフルオロメチルビニルエーテル等が用いられ、特にペルフルオロプロピルビニルエーテルが好ましい。PFAはこれらの2種以上に基づく重合単位を含んでいてもよい。
【0023】
TFE/HFP共重合体(以下、FEPと言う)としては、市販されているHFPに基づく重合単位が1〜20モル%であるものが好ましい。PFA,FEP以外のフッ素樹脂としては、PAVE/HFP/TFE共重合体を挙げることができる。この共重合体において、PAVEに基づく重合単位が5モル%以下、またHFPに基づく重合単位が20モル%以下であって、PAVEとHFPに基づく重合単位の合計が1〜20モル%のものが好適である。例えば、ペルフルオロプロピルビニルエーテルに基づく重合単位が0.5モル%、またHFPに基づく重合単位が7.0モル%である共重合体が用いられる。
【0024】
これらのフッ素樹脂Rfの溶融粘度は、例えば前記同様のメルトインデックスMIで表すと、MI≧0.1のものが容易に分散するため好ましい。これらのフッ素樹脂Rfは懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の公知の各種重合法により製造される。
【0025】
球状シリカ粉末Psの平均粒径d1 は、1μm≦d1 ≦30μm、好ましくは、5μm≦d1 ≦20μmである。ただし、平均粒径d1 がd1 <1μmでは、球状シリカ粉末の含有量を高めた場合、成形材料の溶融粘度が高くなり過ぎるため通常の条件では射出成形を行うことができなくなる。一方、d1 >30μmではスプール弁1の前記外径差が10μmを超えるおそれがある。
【0026】
球状アルミナ粉末Paの平均粒径d2 は0.1μm≦d2 ≦30μm、好ましくは0.5μm≦d2 ≦20μmである。ただし、平均粒径d2 がd2 <0.1μmまたはd2 >30μmの場合は、前記球状シリカ粉末Psの平均粒径d1 がd1 <1μmまたはd1 >30μmの場合とそれぞれ同じとなる。
【0027】
スプール弁用成形材料には、発明の目的を損なわない範囲で、その他の充填剤等を配合することができる。これには、熱硬化性樹脂粉末等の有機充填材;フェライト、マイカ、タルク、カオリン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、黒鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック等の無機充填材;チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等のウイスカ、ガラス繊維等の無機強化材;ポリイミド繊維等の有機強化材等が該当し、また必要に応じて、滑材、安定剤、顔料等を配合してもよい。
【0028】
成形材料の調製に当っては、多数の計量フィーダを使用した計量工程、押出混練機、タンブラ、V型混合機、ヘンシェルミキサ等を使用した予備混合工程、同方向または異方向の二軸押出混練機を使用した溶融混練工程およびペレット化工程が用いられる。スプール弁の成形には射出成形法が適用される。
【0029】
以下、具体例について説明する。
【0030】
表1,2は、スプール弁の実施例1〜7および比較例1〜5に関する成形材料の組成(スプール弁の組成)、スプール弁の外径差およびオイル浸漬膨潤量ならびにスプール弁および摺動孔壁の損傷程度を示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003676597
【0032】
【表2】
Figure 0003676597
【0033】
表1,2の成形材料において、PPS:東レ社製、商品名M−1900、凝固開始温度T2 237℃;PFA:旭硝子社製、商品名アフロンPFA、凝固開始温度T1 271℃;FEP樹脂:旭硝子社製、商品名アフロンFEP、凝固開始温度T1 241℃;球状シリカ粉末:電気化学工業社製、商品名FB−35、平均粒径d1 約10μm;球状アルミナ粉末:アドマテック社製、商品名AO−502、平均粒径d2 約1μm;ガラス繊維:旭ファイバーグラス社製、商品名03MAFT562;カーボン繊維:呉羽化学社製、商品名M−102Sである。凝固開始温度T1 ,T2 の測定に当っては、熱分析システムSSC(セイコー電子工業社製)を用い、PPS等を窒素雰囲気下で常温から330℃まで10℃/min で昇温し、次いで330℃で5分間保持し、その後330℃から100℃まで10℃/min で降温する、という方法を採用した。また球状シリカ粉末および球状アルミナ粉末には、それらの接着性を向上すべく、ヘンシェルミキサを使用して、アミノシラン0.5%処理を施した。
【0034】
先ず、実施例1に関する成形材料の予備混合物を調製し、次いでその予備混合物を、2箇所のニーディング部を有するスクリュを備え、且つシリンダ温度を320℃に設定された同方向二軸押出混練機のホッパに投入し、スクリュ回転数を100rpmとし、ベントから真空ポンプで吸引しながら予備混合物を混練し、吐出されたストランドを徐冷後ペレタイザで3mm長さに切断してペレット状成形材料を得た。同様の作業を繰返し行って実施例2〜7および比較例1〜5に関するペレット状成形材料を得た。
【0035】
次に、実施例1に関するペレット状成形材料を、型締力50トンの電動型射出成形機のホッパに投入し、シリンダ温度320℃、1点のピンポイントゲートを有する金型の温度180℃、射出速度30mm/sec 、保圧力140MPaの条件で射出成形を行ってスプール弁の実施例1を得た。同様の作業を繰返し行ってスプール弁の実施例2〜7および比較例1〜5を得た。
【0036】
その後、実施例1等について、外径差およびオイル浸漬膨潤量の測定ならびに作動後の損傷程度を調べた。その結果は表1,2に示されている。
【0037】
外径差の測定:スプール弁1の各摺動部5について3箇所、つまり合計6箇所の外径をレーザースキャンマイクロメータ(ミツトヨ社製)を用いて測定し、それらの最大値と最小値との差を求め、これを外径差とした。
【0038】
オイル浸漬膨潤量の測定:前記「外径差の測定」における6つの外径より平均外径D1 を求め、次いでスプール弁をATFオイル中に浸漬し、簡易密閉状態にて、150℃で1000時間の加熱を行い、その後、前記「外径差の測定」と同様の方法で6つの外径を測定してその平均外径D2 を求め、D2 −D1 をオイル浸漬膨潤量とした。
【0039】
作動後の損傷程度の調査:スプール弁1をAl合金(JIS ADC12)よりなるシリンダの摺動孔に摺動可能に嵌合し、これを簡易油圧制御回路に組込んで、油温120℃、1往復/sec のサイクルで100万回作動させた後、摺動孔壁およびスプール弁の損傷程度をそれぞれ調べた。そして、実用に供し得る損傷程度を「小」、実用に供し得ない損傷程度を「大」とした。
【0040】
表1,2から明らかなように、実施例1〜7は外径差およびオイル浸漬膨潤量が共に小さく、また優れた実用性を有し、その上、オイル漏れ量も僅少であることが判明した。
【0041】
比較例1はフッ素樹脂を含まないことから外径差が極めて大きく、寸法精度が低い。比較例2は球状アルミナ粉末を含まないことから、それ自体および摺動孔壁の損傷程度が大であった。比較例3,4は、公知および従来技術で用いられている強化用繊維を配合したものであり、このような構成においては特定のフッ素樹脂を配合しても寸法精度は低く、またそれ自体および摺動孔壁の損傷程度も大であった。さらに比較例4はオイル浸漬膨潤量も大であった。比較例5は、比較例2同様に、球状アルミナ粉末を含まないことからそれ自体および摺動孔壁の損傷程度が大であった。
【0042】
表3は、表2に示した実施例4〜7および比較例5に関する摩耗試験結果を示す。摩耗試験は、前記「作動後の損傷程度の調査」で述べた方法と同様の方法で行われた。そして、試験後に、前記「外径差の測定」と同様の方法で6つの外径を測定してその平均外径D3 を求め、前記「オイル浸漬膨潤量の測定」における平均外径D1 との差、つまりD1 −D3 を摩耗量とした。
【0043】
【表3】
Figure 0003676597
【0044】
図4は表3をグラフ化したものである。図4から明らかなように、球状アルミナ粉末を含まない比較例5の摩耗量が最も多く、球状アルミナ粉末の含有量が増すに従って摩耗量が減少する。この場合、摩耗量が10μm以下であれば、十分に実用に供し得る。
【0045】
表4は、スプール弁におけるフッ素樹脂含有量と外径差との関係を調べるために製造された、スプール弁の実施例8〜12および比較例6,7の組成ならびに外径差を示す。
【0046】
【表4】
Figure 0003676597
【0047】
表4におけるPPS等の各成分、スプール弁の製造方法および外径差の測定方法は前記実施例1等の場合と同じである。
【0048】
図5は、表4に基いてフッ素樹脂の含有量と外径差との関係をグラフ化したものである。図5から明らかなように、フッ素樹脂Rfの含有量を1wt%≦Rf≦10wt%に設定することにより、外径差を10μm以下にして、スプール弁の寸法精度を向上させることができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、前記のように構成することによって、良好な生産性を有し、また要求性能を満足し得るスプール弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スプール弁の断面図である。
【図2】ポリフェニレンサルファイドの構造式を示す。
【図3】各種アリレーンサルファイドの構造式を示す。
【図4】球状アルミナ粉末の含有量と摩耗量との関係を示すグラフである。
【図5】フッ素樹脂の含有量と外径差との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1………スプール弁
5………摺動部

Claims (2)

  1. 球状シリカ粉末Psの含有量がPs≦65wt%、球状アルミナ粉末Paの含有量が5wt%≦Pa<70wt%、球状シリカ粉末Psの含有量と球状アルミナ粉末Paの含有量の和が30wt%≦Ps+Pa≦70wt%、フッ素樹脂Rfの含有量が1wt%≦Rf≦10wt%、残部がポリフェニレンサルファイドであり、前記フッ素樹脂Rfの凝固開始温度T1 と前記ポリフェニレンサルファイドの凝固開始温度T2 との関係がT1 >T2 であることを特徴とするスプール弁。
  2. 球状アルミナ粉末Paの含有量が30wt%≦Pa≦70wt%、フッ素樹脂Rfの含有量が1wt%≦Rf≦10wt%、残部がポリフェニレンサルファイドであり、前記フッ素樹脂Rfの凝固開始温度T1 と前記ポリフェニレンサルファイドの凝固開始温度T2 との関係がT1 >T2 であることを特徴とするスプール弁。
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