JP3676450B2 - 樹脂製容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本体と蓋体からなり、内部に収納リセスを有する樹脂製容器であって、蓋体に一体の屈曲部を介して連設された係止具を備え、本体に蓋体側の係止具と係合する係止受け部を備えており、係止具を屈曲部で起倒して係止受け部に係脱する構成の樹脂製容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の樹脂製容器は、実公平5−23767号公報に記載されたものが知られている。その樹脂製容器は、図5に示すように、本体aと蓋体bからなり、蓋体b側にヒンジcにより連設されたラッチdの先端の係止凸部eを、指の操作で本体aの係止受け部fに係脱する構成をなしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記実公平5−23767号公報に記載された樹脂製容器は、ブロー成形されるものであるが、蓋体bと一体に連設されたラッチdは、比較的薄肉であり、かつその係合部が金型で成形するうえでアンダーカットとなることから、金型で樹脂を圧縮して成形している。このため、ラッチdには指を掛けやすい指掛け部を形成することが困難であり、ラッチdの係脱操作がしにくく、ことに本体aの係止受け部fに係合したラッチd外すにはその係合力に抗する操作力を要するので、ラッチを外す操作が甚だしにくいものであった。
【0004】
さらに、係止凸部eは、ラッチdの先端に形成され、金型上アンダーカットとなって、圧縮して成形した後の離型時に金型のキャビティ面が係止凸部eを強く削り落とすように接触するため、係止凸部eが損傷するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、従来の樹脂製容器における上記のごとき問題点を解消しようとするものであって、係止具の係止受け部と対応する部分を樹脂の圧縮により成形するのではなく、その部分を中空部をなすように係止受け部と係合する係合凸部を有する面と、指掛け部を有する面を成形することにより、指を掛けやすい指掛け部を有し、確実な係合ができる係止凸部を有する係止具を備えた樹脂製容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る樹脂製容器は、本体と蓋体からなり、内部に収納リセスを有し、蓋体に一体の屈曲部を介して連設された係止具を備え、本体に上記係止具と係合する係止受け部を備えており、係止具を屈曲部で起倒して係止受け部に係脱する構成の樹脂製容器であって、係止具は蓋体の端面の合わせ面側から離れた稜角部に屈曲部を介して蓋体に連設された板状部を有し、屈曲部と容器合わせ面との間の係止具の部分には蓋体と接触しないように空間部を有するとともに、係止具の係止受け部に係合する部分を、係止受け部と係合する係止凸部を有する面と、凹状の指掛け部を有する面とで中空部をなすように形成したことを特徴とするものである。
【0007】
なお、本発明において、本体および蓋体は、樹脂製容器を構成する一対の半体のことであるから、一方が本体であれば他方が蓋体となるものである。したがって、特許請求の範囲を含めて本明細書の当該記載は、容器の本体と蓋体とを何ら特定するものではない。
【0008】
【発明の実施の形態例】
図1および図2は、本発明に係る樹脂製容器を例示しており、図3および図4には本発明に係る樹脂製容器の製造方法を例示している。
【0009】
図1および図2において、1は本体、2は蓋体であり、本体1および蓋体2は中空二重壁構造をなしている。本体1と蓋体2はヒンジ3により連設されており、本体1に対し蓋体2はヒンジ3により開閉自在である。本体1と蓋体2の合わせ面には、互いに凹凸嵌合する嵌合凸部4および嵌合凹部5が形成されている。6,6は収納リセス、7,7はハンドルである。
【0010】
本体1と蓋体2のヒンジ3と反対側には、それぞれ係止受け部8および係止具9が備えられており、本体1に対して蓋体2を閉じて蓋体2側の係止具9を本体1側の係止受け部8に係合することにより、閉じた状態に保持される。
【0011】
係止具9は、蓋体2の端面の合わせ面側から離れた稜角部に屈曲部10を介して連設された板状部11を有しており、本体1の係止受け部8は本体1の合わせ面側から離れた稜角部に本体1の端面壁を中空部側に凹ませて形成されている。
【0012】
係止具9の板状部11の係止受け部8と対応する部分は、係止受け部8と係合する係止凸部12を有する面13と、凹状の指掛け部14を有する面15とで中空部16をなすように形成されている。本体1の係止受け部8は、本体1の端面壁を中空部側に凹ませて形成されており、係止受け部8から指掛け部14を有する面15に沿う傾斜面17が形成され、さらにその傾斜面17から指案内凹部18が形成されている。指案内凹部18は係止具9の指掛け部14に指を挿入しやすくするためのものである。
【0013】
図1および図2に示す樹脂製容器において、係止具9の係止受け部8に係合する部分は、中空部16を有しており、しかも、係止具9はその屈曲部10と係止具9の係止受け部8に係合する部分が大きく離れており、また、屈曲部10と容器合わせ面との間の係止具9の下方には蓋体2と接触しないように空間部2aを有するので、係止具9を係止受け部8に係脱する際の操作に明確な節度感が得られ、係止具9の係脱状態を指の感触により確認することができる。また、係止具9の係止受け部8に係合する部分は中空部16を成しているので、ブロー成形後の離型時に係止凸部12は金型のキャビティ面と接触して若干変形後復元し、従来の圧縮して成形される係止凸部のように損傷することがなく、係止具9の係止受け部8に対する弾力性が大であり、係合状態が強固であるにもかかわらず、係止具9の係脱操作が軽快である。
【0014】
図3および図4において、19,20は一対の金型であり、一対の金型19,20は、蓋体2を成形するキャビティ21,21、係止具9の屈曲部10を圧縮成形するキャビティ22,22、板状部11を圧縮成形するキャビティ23,23、係止具9の係止受け部8と係合する係止凸部12を有する面13と、凹状の指掛け部14を有する面15とで中空部16を形成するキャビティ24,24を有している。25は蓋体2の部分の吹き込みノズル、26は係止具9の中空部16の部分の吹き込みノズルである。なお、一対の金型19,20は本体1を成形するリセスおよびヒンジ3を成形するリセス等を有するが、図示は省略してある。
【0015】
樹脂製容器をブロー成形するには、図3に示すように、熱可塑性樹脂材料を可塑化した予備成形体27を押出ヘッド28から押し出すとともに、一対の金型19,20を型締めして、一対の金型19,20との間に予備成形体27を把持する。そして、図4に示すように、型締め完了後吹き込みノズル25,26から加圧流体を吹き込んでブロー成形し、図1および図2に示す樹脂製容器を得る。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、係止具の係止受け部と対応する部分を樹脂の圧縮により成形するのではなく、その部分を中空部をなすように係止受け部と係合する係止凸部を有する面と、指掛け部を有する面を成形することにより、指を掛けやすい指掛け部を有する係止具を備えた樹脂製容器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂製容器の一部の縦断側面図である。
【図2】本発明に係る樹脂製容器の全体斜視図である。
【図3】 本発明に係る樹脂製容器ブロー成形前の態様を示す断面図である。
【図4】図3の状態から型締めしてブロー成形を完了した状態を示す断面図である。
【図5】従来の樹脂製容器の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 本体
2 蓋体
3 ヒンジ
4 嵌合凸部
5 嵌合凹部
6,6 収納リセス
7,7 ハンドル
8 係止受け部
9 係止具
10 屈曲部
11 板状部
12 係止凸部
13 係止凸部を有する面
14 指掛け部
15 指掛け部を有する面
16 中空部
17 傾斜面
18 指案内凹部
19,20 一対の金型
21,21 キャビティ
22,22 キャビティ
23,23 キャビティ
24,24 キャビティ
25 吹き込みノズル
26 吹き込みノズル
27 予備成形体
28 押出ヘッド

Claims (1)

  1. 本体と蓋体からなり、内部に収納リセスを有し、蓋体に一体の屈曲部を介して連設された係止具を備え、本体に上記係止具と係合する係止受け部を備えており、係止具を屈曲部で起倒して係止受け部に係脱する構成の樹脂製容器であって、係止具は蓋体の端面の合わせ面側から離れた稜角部に屈曲部を介して蓋体に連設された板状部を有し、屈曲部と容器合わせ面との間の係止具の部分には蓋体と接触しないように空間部を有するとともに、係止具の係止受け部に係合する部分を、係止受け部と係合する係止凸部を有する面と、指掛け部を有する面とで中空部をなすように形成したことを特徴とする樹脂製容器。
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