JP3676391B2 - 頭部装着式映像表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、頭部装着式映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
観察者の眼前部に装着されるゴーグル型等の本体に組み込んだ光学系を通して液晶パネル等の表示映像を観察者の眼に与えるようにするディスプレイの技術は、特開平3−188777号公報(文献1)などによって提案されている。
【0003】
このような装置は、小型でありながら、大画面映像を提示することが可能で、一人で画像映像を楽しめるようにするなどの映像表示装置として、種々の用途への利用が期待されている。
【0004】
また、頭部装着式ディスプレイに位置検出器を設け、頭が動いたらその分だけ表示する映像をかえるようにする装置が、特開平4−168489号公報(文献2)に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、文献1に示されるような頭部装着式ディスプレイ装置では、観察者の頭や体が動いても、図11に示されるように、いつも、画面400が目の前に存在する。即ち、観察者は、この装置を頭に装着して使用している時、図の実線で示す観察状態では、虚像空間において、図示のように拡大された枠401をもつ画面400による像を虚像として見ている。
【0006】
ところが、破線で示すように頭の向きを変えても、その虚像画面400は、常に正面にあるようについてくる。つまり、この場合は、頭や体を動かしている感覚と視覚情報による感覚の矛盾が生じる。そして、これは、装着観察者に不自然感を与える。また、そのような状態が長時間続くと、船酔いと同じような不快感をもたらす。
【0007】
また、その画面400の枠401も、液晶パネル等の画像表示素子の表示面の矩形の外縁枠に対応した大きさや形に規定されるため、図11の実線の状態及び破線の状態でも、常に変わらず固定であり、変えることはできない。
【0008】
また、文献2の装置では、疑似的な3次元空間ができるので、前述の問題は軽減されるものの、観察者のまわりが3次元の表示画面であるかのような感じを実現するためには映像の枠が装着観察者にみえてはならず、従って、頭部装着型ディスプレイに光学系を内蔵させるにあたって、その組み込む光学系としては、視野角120°以上のものが必要となる。よって、本体全体が大きくなってしまう。
装置の大型化は、頭に装着して使用し、小型でありながら大画面映像を楽しめるようにしようとする、この種頭部装着式の映像表示装置にとっては大きな問題である。
【0009】
一方、液晶パネルやミラーやレンズ等を機械的に移動する方法も考えられるが、この方法では、その移動に要する部品を動かすための空間を本体に確保し、かつそのための移動機構をも本体に組み込む構成となり、装置が大型化してしまう。
【0010】
本発明は、画像表示素子の表示面の一部に画像を表示し、その表示領域自体を観察者の頭部の動きや傾きに応じて変えることができ、しかも本体に組み込む光学系等を大型化せずにこれを達成することのできる、改良された頭部装着式映像表示装置を提供しようとするものである。
また、他の目的は、使用時に、観察者の頭部が動いても、その動作の感覚と視覚情報による感覚の不一致に起因する不自然感や船酔いのような不快感を抑制し、自然感を出せるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の頭部装着式映像表示装置は、画像を表示可能な表示面を有する画像表示素子と、前記画像表示素子に表示される画像を観察者の眼に導く光学系と、前記画像表示素子および前記光学系を内部に配置する筺体と、前記筐体の空間的位置移動変化を検出する検出手段と、前記筺体の空間的位置移動変化の検出時の原点を決める原点記憶手段と、前記画像表示素子の表示面の一部に画像を表示し、表示面よりも小さく表示された画像が表示面上を移動するに際して、画像の移動量および移動方向を制御する表示領域制御手段とを備え、前記表示領域制御手段は、前記原点記憶手段により決定された原点と前記検出手段により検出された前記筺体の空間的位置との差分から前記筺体の移動量を算出し、画像を、算出された移動量に対応する量だけ前記筺体の移動方向と反対方向に移動させるように制御するとともに、算出された画像の移動量が、前記画像表示素子の表示面の範囲を越えると判断したときであっても、画像の移動の最大量を表示面の範囲内に制限することで、表示面から画像の一部が切れてしまうことを防止するように制御することを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
本発明においては、画像表示素子の表示面の一部に画像を表示する際には、画像表示素子および光学系を内部に配置する筺体の空間的位置移動変化を検出手段によって検出し、前記筺体の空間的位置移動変化の検出時の原点を原点記憶手段によって決め、前記画像表示素子の表示面の一部に画像を表示し、表示面よりも小さく表示された画像が表示面上を移動するに際して、表示領域制御手段によって画像の移動量および移動方向を制御するので、原点を基準として、前記筺体の空間的位置移動変化に応じて当該画像の表示領域を変えることができる。
【0013】
ここでは、画像表示素子の表示面に設定した表示領域は、画像表示素子の表示面より小さくて、この表示面上を動くことが可能であり、このため、任意に表示領域自体の移動や変形が、検出された前記筺体の空間的位置移動変化に応じた検出信号に基づいて行える。映像自体を変化させようとすることはできても、表示枠の移動・変形は行えないものであるところ、本発明の頭部装着式映像表示装置では、原点を基準として、表示面より小さな表示領域自体を前記筺体の空間的位置移動変化に応じて変えることができるものであり、かつまた、頭部に支持される本体筐体内に配置する光学系等も大型化せず、小型なものにすることが可能である。
【0014】
また、前記表示領域制御手段は、前記原点記憶手段により決定された原点と前記検出手段により検出された前記筺体の空間的位置との差分から前記筺体の移動量を算出し、画像を、算出された移動量に対応する量だけ前記筺体の移動方向と反対方向に移動させるように制御するとともに、算出された画像の移動量が、前記画像表示素子の表示面の範囲を越えると判断したときであっても、画像の移動の最大量を表示面の範囲内に制限することで、表示面から画像の一部が切れてしまうことを防止するように制御するから、観察者に、あたかも空間に固定されたスクリーンを見ているように感じさせることができる。よって、観察者は自然な状態で映像を見ることができ、観察者に不自然感や船酔いのような不快感をもたらすことはない。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1、図2、及び図3は、本発明の一実施例を示す。また、図4及び図5は、原理説明に供する図である。
図1は、本体部分の外観構造、及び自動画像表示コントロール用の制御系等を含めた装置全体のシステム構成を示す。
【0016】
全体の構成の概要を説明すると、図1中、100は観察者が頭部に装着するゴーグル型の本体を示し、これに、画像表示素子(例えば、液晶パネル(LCD)等)、光学系、及び後述する画像表示コントロール用の検出器等を内臓する。
このほか、システムは、画像を変化させる画像変化量を算出決定する計算部61と、画像変換部62とを有するとともに、表示画像ソースとなる映像元信号を与える映像再生装置65を組み合わせて使用する。
【0017】
これら計算部61と画像変換部62とを含んで、LCD表示面の一部に表示する画像の位置や大きさなどに関する制御(表示領域制御)を実行するコントローラ27が構成され、その計算部61及び画像変換部62は、コード201,202によりディスプレイ本体100と接続されている。
【0018】
本体100は、観察者の眼の前に位置させる眼前部101と、左右の耳の位置に配置される耳部装着部102と、支持用のバンド103とを備える。
耳部装着部102にはへッドフォンを組み込み、これによりコード202を通して送られてくる映像音声信号中の音声情報を観察者に与える。眼前部101は、筐体構造のものであり、該筐体内にLCD及び光学系等を配置するよう構成し、また、図示のように、頭部装着用の支持手段としての支持バンド103により観察者頭部に支持させる。
【0019】
眼前部101内には、図2に示す例では、LCD22と、ハーフミラープリズム51と、凹面鏡24と、バックライト52と、液晶シャッター25とを内蔵してる。また、本体100内には、LCD22を駆動するLCDドライバー53も収納され、このLCDドライバー53に図1の画像変換部62からの出力映像信号が供給される。
【0020】
LCD22がLCDドライバー53で駆動され、その表示面22aに映像が表示されるとき、そこから出射した光束は、ハーフミラープリズム51に入射し該ハーフミラープリズム51のハーフミラー面51aを透過し、かつ凹面鏡24で拡大反射され、その反射された光束が再びハーフミラー面51aに向かい、そこで今度は反射され、観察者の眼21に入射する。
LCD表示面22a中の一部の領域に表示される表示映像は、眼前部101内のこのような接眼拡大光学系による光路を経て観察者の眼に導かれる。
【0021】
また、シースルー機能を備える構成の場合は、この光学系のハーフミラープリズム51の前側、即ち本体眼前部101の前面側に位置するよう、液晶シャッター25が組み込まれる。従って、眼前部101を構成する筐体部の前面箇所には、このシースルーによる外界像観察のために外界光を採り入れる開口(図示せず)を有しており、外界光透過(シースルーON)、遮断(シースルーOFF)のため制御される液晶シャッター25は、この開口近傍に配置される。
液晶シャッター25を開けたとき(シースルーON時)には、外界光は、この開口を通して開状態の液晶シャッター25を透過し、更には上記ハーフミラープリズム51のハーフミラー面51aを透過してハーフミラープリズム51を出射し、そして表示映像光の場合と同じ光路となるような光路で眼21に導かれる。このとき、、観察者は外界を見ることができる。
図2に示した例の場合、外界光とLCD22からの光とを重ね合わせるコンバイナーは、上記のハーフミラープリズム51と凹面鏡24との組み合わせで構成される。
【0022】
両眼式の頭部装着式ディスプレイ本体の場合、上記の配置構成による同様の構成要素が、眼前部101内の左右それぞれに、観察者の左目用のもの(22L,24L,51L等)及び右目用のもの(22R,24R,51R等)として収納される。
【0023】
本実施例では、このように、表示面22aを有するLCD22と、ハーフミラープリズム51及び凹面鏡24により表示画像を観察者の眼に導く光学系とが眼前部101筐体内に配置され、また、LCD表示面22aにはその一部に画像を表示するようにして画像表示制御を行うが、更に、この場合に、たとえ本体100を装着使用している観察者の頭が動いても、観察者が見ることとなる虚像については、頭を動かしたにもかかわらず、あたかも電子画像の虚像は空間に固定されているかの如き状態で観察できるよう、コントローラ27によりLCD22に対する自動的な表示領域制御が行われていくようにするものである。
【0024】
このため、観察者の頭の動きに合わせた、そのような表示領域制御を行うための情報を検出する手段として、図1に示すように、本体100の左右と上下とローテーション方向への角度量を検出するジャイロ等の角度量検出器105,106,107の計3つの検出器を設けてある。
各検出器105,106,107を本体100に組み込むと、それぞれ、図1に矢印で示すような角度方向左右、角度方向上下、及び角度方向ローテーションの各方向で、頭部が動く場合の変化を検出することになる。これらの変化は、観察者が首(体自体を回す場合をも含み、この点は以下も同様である)を横に振ったような時の、または首を上下させたような時の、あるいは首を左右に曲げたような時の、その観察者の頭が動きに対応する。
また、眼前部100には、後述のように映像表示部を表示面22a中央に位置させるリセットスイッチ110も取り付けてある。
【0025】
上記の各検出器105,106,107からの信号、及びリセットスイッチ110からの信号は、コントローラ27の計算部61へ入力され、LCD22の表示領域の移動などの表示領域制御の用に供される。
この計算部61は、基本的には、観察者の頭部あるいは体が動くなどした場合の変化に応じて得られる検出信号に基づき、LCD22の表示面22a上で表示画像を縦横方向へシフトすべきこととする場合(図5(b),(c)参照)におけるその縦方向へのシフト量Δy,横方向へのシフト量Δxを算出する。また、表示画像を表示面22a上において回転させる場合(図5(d)参照)にあっては、その回転させるべき画像回転量Δφも算出する。
【0026】
画像変換部62は、LCD表示面22a上の一部に画像を表示することとなるように表示領域を設定するための映像信号処理を行い、かつまた、上記計算部61での演算結果を基に、要求される画像シフト等が行われるようにするため必要な映像信号処理を行う信号処理部である。画像変換部62は、映像再生装置65からの映像元信号を原信号とし、この映像元信号に対し変換処理を施して得られる映像信号を本体100へ出力する。
【0027】
ここで、観察者の頭の動きに応じてLCD表示面22aにおける像位置を変化させることによって、空間に固定された像(虚像)を作るようにするための方法の基本原理について説明する。これは、以下のような手法に基づいている。
図4は、この場合の原理説明図で、接眼光学系と、画像表示素子の実像面と、空間の虚像面との関係を示してある。レンズ55は頭部装着式ディスプレイの光学系を、また実像面56はLCD等の表示面22aを、それぞれ表している。
従来の頭部装着式ディスプレイでは、観察者の頭が角度θ動くと、虚像面Zにおける任意の点も角度θ動く。しかして、この任意の点が頭を動かしても虚像面Zにおいて固定であるようにするためには、逆の方向に角度θ動けばよい。
そこで、虚像面Zにおいて或る点が角度θ動くためには実像面56上の対応点をどのぐらい動かせばよいかを計算して、実像面56、従って表示面22a上で対応点を移動させるようにすればよい。
【0028】
例えば、図4において、虚像面Z上の任意の点O(0) が、点O(0) 位置から図示のように角度θ離れた他の点O(1) に動くと仮定する。
このとき、図に示すように、実像面56、つまり表示面22a上のそれぞれの対応点をP(0) ,P(1) とすれば、距離L離れた光学系(レンズ55)の主点をHとして、それら点P(0) ,点H,点P(1) がなす角∠P(0) HP(1) も、角度θとなる。
よって、点P(0) と点P(1) との表示面22a上での間隔Δは、Δ=L・tanθで与えられる。例えば、L=24mm、θ=20°のときなら、間隔Δは、Δ=8.7mmとなる。
従って、観察者の頭が角度θ動いた時に、表示面22a上の任意の点を逆方向へ距離Δシフトさせれば、虚像面Zにおけるその対応点は空間に固定されたように見えることになる。
【0029】
次に、上記方法に従って実際に表示すべき像をどのようなものにするかについて、その移動の方向性をも含めた具体的な表示手法を説明する。
図5は、LCD22等の表示素子の表示面22a(実像面56)上の映像の表示の様子を示している。同図(a)は表示態様の基本状態の例、(b)〜(d)は、それぞれ、観察者の頭の動きに対応して、像位置を変化させた場合の表示態様の例である。
図5(a)でもわかるように、映像は、表示面22aの全部に表示するのではなく、表示面22aよりも小さい領域に映像を出すことを基本とする。つまり、基本表示状態では、映像の表示部分57と、その表示部分57周りの非表示部分58とがある。映像表示部分57は、このような図(a)の基本状態から、(b),(c)のように、観察者の頭の動きにより、上記式に基づき、かつ、逆の方向性で、表示面22a上を動かすものとする。
【0030】
ここに、頭を回転させる方向としては、図1のように頭の上下の方向と左右の方向との2方向があり、それぞれ、以下の説明では、上下の方向の向きの場合の角度をαとし、左右の方向の向きの場合の角度をβとする。また、それら角度の符号については、頭の動く向きが下方向のときをマイナス(−)、上方向のときをプラス(+)とし、左右の方向の場合は、右方向をプラス(+)、左方向をマイナス(−)とする(図1)。
まず、移動させる場合の方向性についは、例えば、観察者が頭を下に向けたときは、図5(b)のように、表示部分57をy方向(同図中上下方向で、LCD表示面の縦の方向)に沿ってプラス(+)方向に動かすようにする。
また、例えば、右方向に頭を向けたときは、図5(c)のように、表示部分57をx方向(同図中左右方向で、LCD表示面の横の方向)に沿ってプラス(+)方向に動かすようにする。
【0031】
そして、これらの場合において、表示部分57をそれぞれ上記の方向で移動させるべき量は、前述した式から、次のようになる。
即ち、下向きの角度量αのとき、映像のy方向へのシフト量Δyは、
【数1】
Δy=L・tanα ・・・1
となる。
また、右方向への角度量βのとき、映像のx方向へのシフト量Δxは、
【数2】
Δx=L・tanβ ・・・2
となる。
【0032】
このようにして表示領域の移動を制御すると、観察者にとって、虚像空間では映像はあたかも固定しているように見える。
また、この場合、必要に応じて、更に、次のような制御を加味できる。
例えば図5(a)のように、LCD表示面22a中央に映像を表示するとしたときの非表示部分58の幅を、x方向でdx、y方向でdyとしたとき、
【数3】
dy≦L・tanαのとき Δy=dy ・・・3
【数4】
dx≦L・tanβのとき Δx=dx ・・・4
を満たす、角度α,βで観察者が頭を回転させたときには、映像のシフト量はdx,dyとするものである。
【0033】
これは、xyシフト量について、それぞれ、式3,4におけるリミット判断の結果で、一定の制限値を設けることを意味する。例えば、シフト量Δyの場合、これは基本的に前記式1のΔy=L・tanαで設定されるが、このL・tanαが、非表示部分58の幅dyを越えることとなるような場合にあっては、シフトさせるべき量Δyに上限を設定し、映像の移動の最大量は、上記式3のように非表示部分58の設定幅dyまでに制限しようというものである。シフト量Δxの方についても、これと同様である。こうすることで、たとえ、観察者が大きく頭を回転させても、映像表示部分57のシフトは、図5(b)等に示す状態までとなり、映像が切れてしまうことはない。
【0034】
なお、図5(a)中、dx,dyは、このような非表示部分58についての設定領域幅値を表すものであるが、基本表示状態におけるこれらの値dx,dyは、必要に応じ所望の値に設定することができる。例えば、後述の図3の画像変換部62中のROM332に予め非表示領域形成データとして、一種類以上格納しておくことができる。値dx,dyが大きければ、映像表示部分57の領域は面積が小さくなるよう変形され、値dx,dyが小さければ、この逆となる。
【0035】
また、観察者が首を傾けた場合には、図5(d)に示すように表示領域を変え、映像を表示面22a上で回転させるよう制御する。このときの回転量Δφは、図1に示すようなローテーション方向での首の傾け角度の量と一致させ、かつまた、その制御の方向性については、図5(b),(c)の場合の例に準じ、回転方向は逆になるようにすればよい。
【0036】
図1のコントローラ27における画像xyシフト量・回転量計算部61は、検出器105,106,107による本体100の上下方向角度量α、左右方向角度量β、及びローテーション方向への角度量の検出信号に基づき、上記式1,2に基づき演算処理を実行し、及び該当するときは式3,4に従うリミット判断処理を伴う演算処理を実行して、制御の方向性を含めた映像表示部のシフト量Δy,Δxや、回転量Δφを決定する演算処理部で構成されている。そして、このような計算部61から、画像変換部62に対し、画像シフトまたは回転のためのデータΔy,Δx,Δφを与える。
【0037】
図3は、画像変換部62の構成の一例を示すブロック図である。この画像変換部62は、図示のように、同期信号分離回路301とA/D変換器302とからなる入力処理系を備え、また、D/A変換器305と同期合成回路306とからなる出力処理系を備える。
更に、画像変換部62は、切換えスイッチ311,312を有するとともに、映像信号を記憶する2つのフレームメモリ303,304と、該フレームメモリ303,304に記憶する映像信号の記憶配列を指示する書き込み用アドレスデコーダ321と、書き込み時の記憶配列とは異なる配列で、映像信号をフレームメモリ303,304から読み出す指示を行う読み出し用アドレスデコーダ322と、読み出し用アドレスデコーダ322の読み出しアドレスを演算するアドレス演算部331とを有する。このアドレス演算部331に入力する外部情報として、前記データΔx,Δy,Δφが、ROM332からの予め定められた非表示部データdx,dyとともに適用される。
【0038】
上記構成の頭部装着式ディスプレイシステムは、次のようにして使用することができる。
図1の装着使用時において、映像再生装置65からはコントローラ27の画像変換部62に映像元信号が供給され、他方、本体100の各検出器105,106,107やリセットスイッチ110からの信号は、コード201によりコントローラ27の画像xyシフト量・回転量計算部61に入力される。
ここで、観察者は、映像の鑑賞に先立ち、まず、正視した状態(首を真っ直ぐに立てた姿勢)で、本体100に取り付けたリセットスイッチ110を一旦押す。この操作により、該スイッチ110からのリセット信号が入力された場合には、計算部61ではxyシフト量Δx,Δyと回転量Δφとを値0とする。このとき画像変換部65への出力データ、従って図3のアドレス演算部322への入力データΔx,Δy,Δφは0となり、このため、該演算部331によるアドレス演算には、ROM332からの予め定められた非表示部設定用データdx,dyがそのまま適用されることとなる。
この結果、画像変換部65は、図5(a)の如く、映像表示部分57が上下ともにdy、左右ともにdx分だけ小さなものとなるように入力映像信号を画像変換処理して出力するため、映像表示部分57をLCD表示面22a中央に持ち来すことができる。
【0039】
このように、リセットスイッチ110は、例えば本システムの使用開始の際、LCD表示面22aの一部に表示させための映像表示領域を、事前に予め定められた表示面22a中の基本位置に設定する場合などにおいて、リセット処理を行わせるようにするため観察者が使用することができる。
観察者は、上記正視状態では、図5(a)のようなLCD表示面22aの表示部分57に映出される電子映像により本体100内の前記接眼光学系を通して虚像空間でその映像を見ることができる。
【0040】
一方、観察者が頭を動かし、それに伴う角度量検出器105,106,107の検出信号が入力された場合には、計算部61は、演算により頭部の動きに対して逆方向に映像表示部分57の位置を移動または回転させるためのシフト量Δx,Δyや回転量Δφを求める。シフト量Δx,Δyについては、前述の式1〜式4に基づき演算を行って、Δx=L・tanβ(または、Δx=dx)、Δy=L・tanα(または、Δy=dy)として求めることになる。このΔx,Δy,Δφ信号は、画像変換部65に入力される。
画像変換部65では、映像再生装置65からの映像元信号を原信号として、前記のように、映像表示部57の領域がdy、dx分小さくするように映像信号を処理し出力しているが、上記Δx,Δy,Δφ信号が入力されると、図5(b),(c)のようにΔx,Δy分映像をシフトさせるように、また、図5(d)のようにΔφ分映像を回転させるように、映像信号を処理をして出力することにより表示領域制御を行う。即ち、このように変換した映像信号をコード202を通して本体100内のLCDドライバ53へ伝送し、LCD22を駆動するので、観察者の頭部が動けば、図5(a)の基本表示状態から、図5(b)〜(d)のように、その逆方向に映像表示部分57が動くよう、自動的に画像表示制御を行わせることができる。
【0041】
図3の構成の画像変換部65では、このような映像信号変換処理は、次のようにして行われる。同図において、映像再生装置からの映像信号と同期信号からなる映像元信号は、同期信号分離回路301によって映像信号と同期信号と分離され、映像信号は、A/D変換器302によりディジタル化される。分離された同期信号は、図示の如くに、書き込み用アドレスデコーダ321、読み出し用アドレスデコーダ322、及び同期合成回路306に供給され、また、第1及び第2のフレームメモリ303,304の入力側及び出力側の第1及び第2の切換えスイッチ311,312の切り換え制御にも用いられる。
A/D変換器302からの映像信号は、第1の切換えスイッチ311によって、フィールドごとに第1のフレームメモリ303と第2のフレームメモリ304とに交互に書き込まれる。この時の映像信号の書き込み処理では、書き込み用アドレスデコーダ321により、時間に対して順序よくメモリのアドレスに記憶させる。
【0042】
書き込まれた映像信号の読み出しは、第2の切換えスイッチ312切り換え制御によって書き込みと並行して行われ、第1のフレームメモリ303側と第2のフレームメモリ304側とで交互に行う。例えば、今、図示のように入力側切換えスイッチ311が第2のフレームメモリ側に切り換えられ、該フレームメモリ304に映像信号を書き込んでいる時は、出力側切換えスイッチ312は、図示のように第1のフレームメモリ303側を選択し、この状態で該フレームメモリ303側から映像信号(1フイールド前に記憶した映像信号)を読み出す。
【0043】
この読み出し処理において、読み出し側となったフレームメモリに書き込まれている映像信号を読み出す際、読み出し用アドレスデコーダ322により読み出し順を変え、図5(a)〜(d)のような画面の縮小や領域の設定等の画像変換のための信号読み出し処理を行う。アドレス演算部331は、この読み出し時のアドレス順番を、要求される画像変換のための入力情報から演算し決定する。このため、画像xyシフト量・回転量計算部61からのシフト量データΔx,Δy、及び回転量データΔφや、ROM332からの入力非表示部データdx,dyをこのアドレス演算部331に入力し、フレームメモリから記憶映像情報を読み出す際のアドレス順番を演算する。この結果は、読み出し用アドレスデコーダ322に入力され、演算したアドレス順番で読み出し側フレームメモリ側から映像信号を読み出す。そして、読み出された映像信号は、D/A変換器305でアナログ化され、同期合成回路306で同期信号と合成したのち、頭部装着式ディスプレイ本体100へ出力される。
このようにして、この構成によると、フレームメモリに一時的に映像信号を記憶させ、読み出す際に読み出す順を変えることで、映像表示領域の必要なシフトや回転のための画像変形処理を行うことができる。
【0044】
以上のようにして、本実施例システムでは、観察者は、正視した状態でリセットスイッチ110を押し、一部に小さく表示されている映像表示部分57をLCD表示面22a中央に位置させることができる。そして、このような状態で、頭を回転させると、その回転角度量に伴って、LCD表示面22a上で映像表示部57が逆方向にシフトするので、虚像空間では、映像は固定して見える。
従って、観察者に、あたかも空間に固定されたスクリーンを見ているように感じさせることができる。このため、自然な状態で映像を見ることができ、不自然感や船酔いのような不快感をもたらすこともない。また、このような仮想固定スクリーンの実現のために、使用光学系として視野角の大きな光学系が必要となることもなく、本体100がそのために大型化することもない。
【0045】
次に、本発明の他の実施例を図6乃至図8により説明する。
本実施例(第2実施例)は、観察者の頭の傾きだけでなく、頭の3次元的動きを検出して、画像を動かしたり、大きさを変えたり、形を歪ませるようにしようとするものである。
図6は、本実施例によるシステム構成を示す。システム全体の構成は、前記実施例と基本的に変わらないが、本実施例では、観察者の頭の傾きと動きを検出する手段として、例えば、特開昭59−218539号公報(特願昭59−95474号)に示されるような電磁結合方式の3次元ディジタイザーによる検出方式を採用する。ポヒマス社製の「スリー ディメンション ディジタイザー」は、本実施例による検出手段に利用できる。
このディジタイザーでは、直交コイルを有するソース側に交流を加え、所望の対象空間に磁界を発生させる一方、その磁界中にセンサ側の直交コイルを置くようにし、該センサに誘起される電流の大きさをコンピュータで処理して、その形成磁界中の空間内でのセンサの位置、角度データを得るようにする。
【0046】
本実施例では、このような検出方式を応用し、図6に示すように、磁界を発生させる磁界発生装置71と、この磁界を検出する磁界受信装置115とを組み合わせて使用し、磁界発生装置71の方は所要の位置に配設し、磁界受信装置115の方は、磁界が形成されている空間内での観察者の頭部の移動と傾きを測定するデータを得るため頭部装着式ディスプレイ本体100に取り付ける。また、この磁界受信装置115により受信した磁界の強さから本体100の3次元的動き、従って観察者の頭の移動量と傾き量とを演算することとなる移動量・傾き量演算装置72を備え、この移動量・傾き量演算装置72からの出力に基づき画像変化量を演算して画像変換部62へ入力する画像変換量演算装置73を有する。本実施例では、コントローラ27は、これら移動量・傾き量演算装置72と画像変換量演算装置73と画像変換部62とを含んで構成される。
なお、図中、205〜209は各部間の接続コードを示す。また、x軸、y軸、z軸は、観察者が居る3次元空間の各座標軸である。
他の構成部分については、前記実施例と同じであってよく、リセットスイッチ110や画像変換部62等の構成、機能、作用なども同様である。
【0047】
本実施例においては、磁界作用空間内での観察者の頭の移動及び傾きを検出し、映像表示領域をそれらに応じてより多様に制御可能である。
磁界受信装置115による受信信号は、移動量・傾き量演算装置72に入力され、この演算装置72で演算した結果得られる観察者の頭の移動量・傾き量についての情報が画像変換量演算装置73に入力され、ここで画像を変化させる量が決定される。この画像変換量演算装置73で得られる画像変化量の情報を、前記図3の画像変換部62に対し外部情報として与えれば、前記実施例と同じようにして、この画像変換部62で映像再生装置65からの映像元信号に加工を加えて本体100の映像信号を送出することができる。
【0048】
本実施例による画像表示制御の場合の画像の変換の例を、以下に示す。
図7は、画像を台形に歪ませた場合の例である。同図(b)に点線で示した観察者の頭の傾き、位置でリセットスイッチ110を操作し前述の如きリセット処理をした場合、観察者は、図示のような関係で仮想スクリーンZDを正面に見ることとなる。同図(a)のような表示映像は、このリセット位置に対して、図(b)の実線図示のように、頭が右(図6中でのx軸方向)に移動し、かつ左方向に角度θで頭を傾けたときに、本体100内の左目用と右目用のLCD22L,22Rの表示面22La,22Raに映像表示部分57L,57Rとして表示させるものである。
図8は、画像を縮小させた例である。これは、同図(b)に点線で示した上記のようなリセット位置から、実線図示のように、観察者が後ろ、即ち図6中でのz軸方向に沿って下がり、後方に頭が移動したときに、これに対応してLCD表示面22aの映像の表示部分57の大きさを小さくするよう、同図(a)のように表示させるものである。
この他、図6中、x軸方向に沿って頭を動かしたときは画像を横に動かし、y軸方向に頭を動かしたときは画像を縦に動かすように制御する。
また、各動きの組み合わせによって、それに応じて、表示すべき映像は変わるものである。
【0049】
本実施例によると、表示領域の移動の制御と表示領域の変形(面積制御は、変形制御に含まれる)の制御の双方を組み合わせて、あるいはそれらを単独で、行うことができ、また、このように頭の動きや傾きで映像を変えることによって、、前記実施例と同様に、観察者はあたかも空間に固定されたスクリーンを見ているように感じることができる。
更にまた、図7の例のように台形歪みを行う場合には、同図(a)にその一例を併せて示したように、右目用映像の歪みと左目用映像の歪みの程度を変えるようにすると、これにより視差が生じるので、立体的に奥行きのある仮想スクリーンを生成することができ、より効果的である。
また、図8の例のように、z軸方向の移動(頭の前後方向の移動)に対しては、同時に、光学的視度を変化させれば、より一層自然感が増す。
【0050】
次に、本発明の更に他の実施例を図9及び図10により説明する。
本実施例(第3実施例)は、前述した各実施例のいずれかによるLCDの表示領域制御に、更に、シースルー制御を組み合わせ、その移動及び/又は変形制御の対象となる映像表示部を除くLCD表示面の非表示部分については、外界が見えるようにしようというものである。
図9は、本実施例の要部の構成例を示す。同図に示すように、本例は、前記図1乃至図3による第1実施例構成を基本とし、その場合のコントローラ27に、更に液晶シャッタードライバ75を付加してある。本体内のLCD、光学系、及び液晶シャッターについては、図2に示した構成のものがそれぞれ左右に内蔵され、本体装着時、観察者の左眼21L、右眼21Rの前に位置する。
【0051】
本実施例においては、左右のLCD22L,22Rの表示面には、これまでの実施例と同様に、例えばジャイロや磁界受信装置のような位置検出器116からの信号に基づいて映像を動かして表示するよう、前記した通りの表示領域制御を行う。
一方、左右の液晶シャッター25L,25Rは、LCD22L,22Rの表示領域である映像表示部分57L,57Rに対応する領域部分については遮光し、非表示領域の非表示部分58L,58Rに対応する領域部分は透過とするよう、そのLCD側の表示面上での表示領域及び非表示領域の設定に合わせて、液晶シャッター側のその遮光、透過領域のそれぞれの設定を制御する。この遮光領域と透過領域の制御は、図1で説明した画像xyシフト量・回転量計算部61からの信号Δy,Δx,Δφに基づいて液晶シャッタードライバ75が行う。
【0052】
本実施例では、このような構成により、シースルーON時、観察者は、図10に例示するように、電子像dと外界像Sを同時に見ることができる。しかも、この場合、電子像d領域には外界像は映っていない。LCD22L,22Rに対する前記表示領域制御により、観察者の頭の動き等に応じたLCD表示面上の映像表示部分57L,57Rの移動や変形が行われるが、そのような電子像dの動きに対応して、液晶シャッタードライバ75の方でも、液晶シャッター25L,25Rの遮光領域を変えるようにするため、電子像dと外界像Sとを同時に見るときでも、常にダブらせないで見ることができる。
勿論、本実施例でも、前記各実施例と同様に、観察者は、外界に固定されたスクリーンを見ているように感じることができる。
【0053】
また、第1実施例では、映像再生装置65をソースとする映像が欠けることのないよう、前記式3、式4の条件を満たすように表示領域制御をしたが、これは本発明に必須の条件ではない。本実施例のような場合には、映像再生装置65をソースとする映像が切れたり(図9,10参照)、また場合によってはその映像が全く見えなくなるようにしてもよい。
例えば、映像表示部分57L,57Rの移動範囲に対し、式3、式4について述べたような制限を設けず、観察者が頭を大きく動かすのに伴って、LCD表示面上を逆方向に映像表示部分57L,57Rが移動し、ついには映像表示部分57L,57Rが表示面中から全くなくなってしまう状態(全面が非表示部分57L,57Rの状態)となるように領域制御を行うと、効果的な状態を作れる。即ち、外界像Sを背景とした状態で、観察者が頭を回したときに、相対的に、固定仮想スクリーンが自然とその背景中の端にいき、ついには、観察者がシースルー機能で見ている外界像S領域内から外れていってしまう、といったようなことも実現させることができる。
このようにした場合であっても、外界に固定されたスクリーンを見ているように観察者に感じることができるのであり、より自然な感じを出すことが可能となる。
【0054】
本発明は、図を参照して説明してきた以上の実施例、変形例等に限定されるものではない。
本発明の好適な実施の態様について例をあげておけば、次のようである。
(1)画像を表示する表示面を有する画像表示素子と、前記画像を観察者の目に導く光学系とを筐体内に配置し、該筐体を頭部に支持する支持手段を有した頭部装着式映像表示装置であって、
前記筐体の空間的位置移動及び/又は傾き変化を検出する検出手段と、
前記画像表示素子の表示面の一部に画像を表示し、前記検出手段からの信号に基づいてその表示領域の移動及び/又は表示領域の変形を制御する表示領域制御手段とを有するとともに、
前記筐体は、外界光を採り入れる開口を備え、該開口近傍に前記外界光を透過及び/又は遮断する外界光透過遮断手段を有し、
前記光学系は、前記外界光と前記画像表示素子からの光とを重ね合わせるコンバイナーを有し、
前記外界光透過遮断手段の透過により外界光を観察できるよう構成してなる 頭部装着式映像表示装置である。
この頭部装着式映像表示装置によると、外界光観察のためのシースルー機能を有する場合の頭部装着式映像表示装置に対し、上記の表示領域制御を組み込んで実施することができる。外界像の観察も可能であり、使い勝手がよく、多様性に富む頭部装着式映像表示装置が得られる。
【0055】
また、
(2) 上記(1)において、
前記外界光透過遮断手段には、該外界光透過遮断手段の一部の領域を遮断し、他の部分を透過させるよう外界光透過遮断手段を制御する外界光透過遮断制御手段を有する頭部装着式映像表示装置である。
(3)また、上記(1)または(2)において、
前記外界光透過遮断制御手段は、遮断及び透過の位置を制御する頭部装着式映像表示装置である。
これら上記(2)、(3)の頭部装着式映像表示装置の場合は、更に、外界光透過遮断手段における外界光の透過及び遮断についての選択的な領域制御ができ、この透過及び遮断領域制御と、上記の画像表示素子に対する表示領域制御との組み合わせ制御も可能となる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、画像表示素子の表示面の一部に画像を表示する際には、画像表示素子および光学系を内部に配置する筺体の空間的位置移動変化を検出手段によって検出し、前記筺体の空間的位置移動変化の検出時の原点を原点記憶手段によって決め、前記画像表示素子の表示面の一部に画像を表示し、表示面よりも小さく表示された画像が表示面上を移動するに際して、表示領域制御手段によって画像の移動量および移動方向を制御するので、原点を基準として、前記筺体の空間的位置移動変化に応じて当該画像の表示領域を変えることができ、しかも頭部に支持される本体筐体内に配置する光学系等も大型化せず、小型な頭部装着式映像表示装置が実現できる。
また、前記表示領域制御手段は、前記原点記憶手段により決定された原点と前記検出手段により検出された前記筺体の空間的位置との差分から前記筺体の移動量を算出し、画像を、算出された移動量に対応する量だけ前記筺体の移動方向と反対方向に移動させるように制御するとともに、算出された画像の移動量が、前記画像表示素子の表示面の範囲を越えると判断したときであっても、画像の移動の最大量を表示面の範囲内に制限することで、表示面から画像の一部が切れてしまうことを防止するように制御するから、観察者に、あたかも空間に固定されたスクリーンを見ているように感じさせることができる。このため、観察者は、自然な状態で映像を見ることができ、観察者に不自然感や船酔いのような不快感をもたらすのを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の頭部装着式映像表示装置の一実施例のシステム構成を示す図である。
【図2】頭部装着式ディスプレイ本体内の表示素子や光学要素等の配置、構成の一例を示す図である。
【図3】画像変換部の構成の一例を示す図である。
【図4】本頭部装着式映像表示装置の原理説明に供する図である。
【図5】同じく、原理説明に供する図であって、表示面上での画像表示態様の説明図である。
【図6】本発明の他の実施例のシステム構成を示す図である。
【図7】同例における画像表示態様の説明図である。
【図8】同じく、他の画像表示態様の説明図である。
【図9】本発明の更に他の実施例を示すもので、その要部に係る構成を示す図である。
【図10】同例におけるシースルーON時での外界像と電子像との同時観察の説明図である。
【図11】従来例による観察状態の説明図である。
【符号の説明】
21,21L,21R 眼
22,22L,22R LCD(液晶パネル)
22a,22La,22Ra LCD表示面
24,24L,24R 凹面鏡
25,25L,25R 液晶シャッター
27 コントローラ
51,51L,51R ハーフミラープリズム
52,52L,52R バックライト
53 LCDドライバー
55 レンズ(頭部装着式ディスプレイ光学系)
56 実像面(表示面)
57,57L,57R 映像表示部分
58,58L,58R 非表示部分
61 画像xyシフト量・回転量計算部
62 画像変換部
65 映像再生装置
71 磁界発生装置
72 移動量・傾き量演算装置
73 画像変換量演算装置
75 液晶シャッタードライバ
100 頭部装着式ディスプレイ本体
101 眼前部
102 耳部装着部
103 支持バンド
105 左右角度量検出器
106 上下角度量検出器
107 ローテーション角度量検出器
110 リセットスイッチ
115 磁界受信装置
116 位置検出器
201,202,205〜209 コード
301 同期信号分離回路
302 A/D変換器
303,304 フレームメモリ
305 D/A変換器
306 同期信号合成回路
311,312 切換えスイッチ
321 書き込み用アドレスレコーダ
322 読み出し用アドレスレコーダ
331 アドレス演算部
332 ROM

Claims (1)

  1. 画像を表示可能な表示面を有する画像表示素子と、
    前記画像表示素子に表示される画像を観察者の眼に導く光学系と、
    前記画像表示素子および前記光学系を内部に配置する筺体と、
    前記筐体の空間的位置移動変化を検出する検出手段と、
    前記筺体の空間的位置移動変化の検出時の原点を決める原点記憶手段と、
    前記画像表示素子の表示面の一部に画像を表示し、表示面よりも小さく表示された画像が表示面上を移動するに際して、画像の移動量および移動方向を制御する表示領域制御手段とを備え、
    前記表示領域制御手段は、
    前記原点記憶手段により決定された原点と前記検出手段により検出された前記筺体の空間的位置との差分から前記筺体の移動量を算出し、画像を、算出された移動量に対応する量だけ前記筺体の移動方向と反対方向に移動させるように制御するとともに、
    算出された画像の移動量が、前記画像表示素子の表示面の範囲を越えると判断したときであっても、画像の移動の最大量を表示面の範囲内に制限することで、表示面から画像の一部が切れてしまうことを防止するように制御する
    ことを特徴とする頭部装着式映像表示装置。
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