JP3674726B2 - 送信装置及び受信装置並びに送受信装置 - Google Patents
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Description
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
発明の属する技術分野
従来の技術(図7〜図10)
発明が解決しようとする課題(図11〜図21)
課題を解決するための手段
発明の実施の形態(図1〜図6)
(1)送信回路の構成(図1〜図3)
(2)受信回路の構成(図4〜図6)
(3)実施例の効果
(4)他の実施例
発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は送信装置及び受信装置並びに送受信装置に関し、例えばスタジオ機器の入出力端においてHDTV(高品位テレビジヨン)信号を多重化して伝送するものに適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
HDTV(High Definition Television ) ビデオ信号のシリアル・デイジタルインターフエース(HD-SDI,High Definition-Serial Digital Interface)には放送技術開発協議会による1125/60 方式HDTVビツト直列インターフエイスのBTA S-004 規格が設けられている。HDTVビデオ信号は、各々10ビツトにデイジタル化された輝度信号Y及び色差信号Pb/Prに対して、タイミング基準信号SAV(Start of Acive Video)/EAV(End of Acive Video)、ライン番号データ及び誤り検出符号データ等のコードが付加されたパラレル・デイジタル信号となつている。
【0004】
このパラレル・デイジタル信号は、Pb、Y、Pr、Yの順に並べられ、LSB(Least Significant Bit)先行でパラレル/シリアル変換された後、さらにスクランブルドNRZ-I(Non Return to Zero Inverted)信号に変換されて1.485 〔Gbit/sec〕のシリアル・デイジタルビデオ信号として伝送される。このようにHDビデオ信号は、HD-SDIによつて簡便にかつ、画質を劣化させることなく長距離伝送することができる。さらにこのHDビデオ信号をデイジタルVTR(Video Tape Recorder)等のデイジタルビデオ機器に用いることによつて、番組製作におけるビデオ画像の画質を格段に改善することができる。
【0005】
図7及び図8にHD-SDI信号のYデータ系列、Pb/Prデータ系列及び、ワード多重データ系列でなるデータ構造を示す。HD-SDI信号では、デイジタルビデオ信号のブランキング期間を「補助信号領域」とし、この領域を使つて制御信号等を「補助信号」として多重化伝送することができる。ここではBTA S-005 は、この補助信号データに関する放送技術開発協議会によるビツト直列インターフエイスの規格である。
【0006】
図9に示すように、補助信号領域において補助データパケツトはYデータ系列及びPb、Prデータ系列毎に独立に多重化する。補助データパケツトは、補助データ多重可能領域の内、各補助データブロツクの先頭のサンプル位置から多重する。補助データブロツクは、映像サンプル番号1928〜2195又は映像サンプル番号0 〜1919の領域からなる。一つの補助データパケツトは一つの補助データブロツク内で完結し、一つの補助データブロツク内に二つ以上の補助データパケツトを多重する場合は各パケツトを連続して多重する。また図10に示すように補助信号パケツトのデータ構造は、補助データフラグADF(Ancillary Data Flag)、データID(DID,Data Identification) 、ブロツクの連続番号DBN、ワード数DC、ユーザデータUD及びチエツクサムCSからなつている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで図11に補助信号を多重化して送信するものとして提案されているHD-SDI信号の送信回路1を示し、ビデオデータ系列のHDビデオ信号S0が入力されると、補助信号SAが多重される。多重化制御回路2は補助信号多重化回路3に対して、(1)Yデータ系列及びCデータ系列でなる多重データ系列、(2)水平補助信号領域(HANC)及び垂直補助信号領域(VANC)でなる多重領域、(3)多重ライン番号DBN、(4)データの種別を示すDID、(5)補助信号のデータ量DCを制御信号として書き込み、次にデータ量DC分だけ補助信号SAを書き込んだ後、多重化モードをオンにする。
【0008】
補助信号多重化回路3では指定された多重ライン番号DBNで、補助信号SAから補助信号パケツトを生成して、ビデオデータ系列に多重化した多重データをSDI符号化器4に送出する。SDI符号化器4ではEAV/SAVやライン番号データ、誤り訂正符号データを付加して図7及び図8に示すSDIデータを生成して、パラレル/シリアル変換回路5においてシリアル変換する。さらにスクランブルドNRZ-I 信号に変換した後、出力コネクタ6からHD-SDI信号S10として出力する。
【0009】
図12に補助信号多重化回路3の詳細を示し、その多重化手順を図13に示すタイミング図を用いて説明する。多重化制御回路2から制御信号を補助信号多重化回路3へ送出した後、多重化制御回路2から補助信号メモリ10へ、データ量DC分だけ補助信号SAを書き込み(tn1)、多重化モードModをオンにする。補助信号多重化回路3ではカウンタ回路11で指定された多重ライン番号DBNを検出して、そのタイミングで補助信号メモリ10から補助信号SAを読み出す。読み出された補助信号SAには、パケツト生成回路12において多重化制御回路2によつて予め指定されたDID、ADFさらにチエツクサムCS等の符号が付加されて、図10に示すような補助信号パケツトPAが生成される。
補助信号パケツトPAは、データ多重化回路13で多重化制御回路2によつて指定された多重データ系列、多重領域に従つてビデオデータ系列に多重化され、これにより多重データS1が生成される。
【0010】
ここで図14に多重化された多重データS10から補助信号SAを分離するものとして提案されているHD-SDI信号の受信回路20を示す。受信回路20では、まず入力コネクタ21から入力される1.485 〔Gbit/sec〕のHD-SDI信号S10が、入力コネクタ21を介して入力回路22に入力され、同軸ケーブル伝送路による高域損失を補償される。次にシリアル/パラレル変換回路23によつてシリアルクロツクを再生されて、シリアル信号が復元される。さらにシリアル/パラレル変換回路23では、スクランブルドNRZ-I の逆変換が行なわれ、タイミング基準信号EAV/SAVからワード同期が再生され、この結果、74.25 〔MHz 〕20ビツトのパラレルデータS11が再生される。
【0011】
パラレルデータS11からは補助信号受信回路24において多重化された補助信号SA(1)が取り出される。取り出された補助信号SA(1)は受信制御回路25で読み出されて、機器の制御や表示パネルの表示に用いられる。ここで図15に示す補助信号受信回路24について、その受信手順を図16に示す補助信号の受信タイミング図に従つて説明する。まずパラレルデータS11がヘツダ検出回路31に入力されると、パラレルデータS11から補助信号パケツトの開始を示す固定パターンのヘツダADFを検出する。さらに受信制御回路25はADFを検出した後、続くDIDが受信制御回路25から書き込まれた受信DIDと一致するかどうかを判断する。
【0012】
ここでヘツダADFとDIDとが一致するとその補助信号パケツトは受信制御回路25によつて、受信すべきパケツトであると判断されると、ヘツダ検出回路31はトリガのパルスをカウンタ32に送出する。続いてカウンタ32のカウンタ出力に基づいた書き込みアドレスADに従つて補助信号SAが補助信号メモリ33に書き込まれる(tn10)。受信制御回路25は、カウンタ32からADを読み出し、続いてそのADに従つて補助信号メモリ33から補助信号SAを読み出し(tn11)、その補助信号SAを解読してその内容に応じて適宜必要な処理を行なう。このときデータ量を示すデータカウントDCがDCレジスタ34にラツチされ、受信制御回路25にデータのワード数を送出する。
【0013】
ここで多重化信号の送信時、多重化制御回路2によつて指定された多重ライン番号DBNはビデオ信号の1フレーム内の1〜1125に割り当てられたライン番号を示す。このライン番号DBNはフレーム毎に繰り返す、従つて一度補助信号が多重化送信された後、新たに多重化制御回路2から多重化モードModをオフにしなければ、図17に示すように、続くフレームでも毎回同じライン番号で同じ補助信号SA(1)が繰り返し送出されてしまうという問題があつた(t1、t2)。
【0014】
また一方、図18に示すように複数の補助信号SA(1)及びSA(2)を扱う場合、補助信号SA(1)を書き込んだ後(t3)、その補助信号SA(1)が送出される以前に次の補助信号SA(2)を書き込むと(t4)、補助信号SA(2)は送出されるが(t5)、補助信号SA(1)は送出されないまま消失してしまうという問題があつた。従つて補助信号SA(1)及びSA(2)を短時間内に伝送するためには、図19に示すように、2個の補助信号多重化回路による処理が必要となる。すなわちこの場合はメモリを増設しなければならないという問題があつた。
【0015】
また多重化信号の受信時、補助信号受信回路24では受信DIDと一致する補助信号パケツトを検出した時だけ、その補助信号SAを補助信号メモリ33に書き込む。従つて一度補助信号SA(1)を受信した後、新たに補助信号SA(1)が多重化されてこない場合、図20に示すように受信制御回路25によつて、何度も同じ補助信号SA(1)の読み出しが繰り返されるという問題がある(t10 、t11)。
また図21に示すように複数の補助信号を扱う場合、補助信号受信回路24が補助信号SA(1)を補助信号メモリ33に書き込んだ後(t12)、その補助信号SA(1)が受信制御回路25に読み出される以前に新たな補助信号SA(2)を受信した場合(t13)、受信制御回路25によつて補助信号SA(2)は読み出されるが(t14)、補助信号SA(1)は読み出されないまま消失してしまうという問題がある。
【0016】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、複数の補助信号の各々を確実かつ、効率良く伝送することのできる送信装置及び、複数の補助信号を確実かつ、効率良く受信することのできる受信装置並びに上記送信装置及び上記受信装置の機能を備える送受信装置を提案しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、情報パケツトとデイジタル信号とを多重化して情報伝送路の送信端より送信する送信装置において、情報信号を書き込むメモリと、メモリから情報信号を読み出して情報パケツトを生成するパケツト生成回路と、デイジタル信号に対して情報パケツトを多重化する情報多重化回路と、メモリから情報信号を読み出している期間を示すタイミングフラグを生成するタイミングフラグ生成回路と、タイミングフラグに基づいてメモリに対する情報信号の書き込み及び情報多重化回路による多重化のタイミングを制御する多重化制御回路とを備え、タイミングフラグに基づいてメモリに対する情報信号の書き込み及び多重化のタイミングを制御することによつて、複数の情報パケツトを各々確実かつ、効率良く多重化し得る。
【0018】
さらに本発明においては、情報パケツトとデイジタル信号とが多重化された多重化信号を情報伝送路の受信端で受信する受信装置において、多重化信号から情報パケツトを分離する情報パケツト分離回路と、分離した情報パケツトを書き込むメモリと、メモリに情報パケツトを書き込んでいる期間を示すタイミングフラグを生成するタイミングフラグ生成回路と、タイミングフラグに基づいてメモリから情報パケツトを読み出すタイミングを制御する受信制御回路とを備え、タイミングフラグに基づいて情報パケツトを読み出すタイミングを制御することにより、複数の情報パケツトを各々確実かつ、効率良く受信し得る。
【0019】
さらに本発明においては、情報パケツトとデイジタル信号とを多重化して情報伝送路の送信端より送信すると共に、多重化された情報パケツトとデイジタル信号とを情報伝送路の受信端で受信する送受信装置において、情報信号を書き込む第1のメモリと、第1のメモリから情報信号を読み出して情報パケツトを生成するパケツト生成回路と、デイジタル信号に対して情報パケツトを多重化する情報多重化回路と、メモリから情報信号を読み出している期間を示す第1のタイミングフラグを生成する第1のタイミングフラグ生成回路と、第1のタイミングフラグに基づいて第1のメモリに対する情報信号の書き込み及び情報多重化回路による多重化のタイミングを制御する多重化制御回路と、多重化信号から情報パケツトを分離する情報パケツト分離回路と、分離した情報パケツトを書き込む第2のメモリと、第2のメモリに情報パケツトを書き込んでいる期間を示す第2のタイミングフラグを生成する第2のタイミングフラグ生成回路と、第2のタイミングフラグに基づいて第2のメモリから情報パケツトを読み出すタイミングを制御する受信制御回路とを備え、第1のタイミングフラグに基づいて第1のメモリに対する情報信号の書き込み及び多重化のタイミングを制御することによつて、複数の情報パケツトを各々確実かつ、効率良く多重化し得ると共に、第2のタイミングフラグに基づいて第2のメモリから情報パケツトを読み出すタイミングを制御することにより、複数の情報パケツトを各々確実かつ、効率良く受信し得る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明による一実施例を詳述する。
【0021】
(1)送信装置の構成
図11との対応部分に同一符号を付した図1において40は、本発明による送信装置を示し、ビデオデータ系列のHDビデオ信号S0に補助信号SAを多重化してシリアルデイジタル信号として同軸ケーブル(図示せず)を通じて送信するものである。多重化制御回路41は補助信号多重化回路42のメモリ(図示せず)に対して、(1)Yデータ系列及びCデータ系列でなる多重データ系列(Y/C)、(2)HANC領域及びVANC領域でなる多重領域、(3)多重ライン番号DBN、(4)データの種別を示すDID、(5)補助信号のデータ量DCを書き込む。
【0022】
送信回路40にHDビデオ信号S0が入力されると補助信号多重化回路42は、多重化制御回路41によつて指定された多重ライン番号DBNで、補助信号SAから補助信号パケツトPAを生成して、ビデオデータ系列に多重化した多重データをSDI符号化器4に送出する。SDI符号化器4ではEAV/SAVやライン番号データ、さらに誤り訂正符号データを付加して図7及び図8に示すようなSDIデータを生成する。そしてパラレル/シリアル変換回路5においてシリアル変換して、スクランブルドNRZ-I 信号に変換した後、出力コネクタ6からHD-SDI信号S1として出力する。この場合、パラレル/シリアル変換回路5によつてHD-SDI信号S1をシリアルデイジタル信号に変換することにより、同軸ケーブルによる信号伝送がなし得る。
【0023】
図2に示すように補助信号多重化回路42では、多重化制御回路41から補助信号メモリ43へデータ量の分だけ補助信号SAを書き込んだ後、多重化モードModをオンに設定することにより多重化を開始する。すなわち補助信号多重化回路42ではカウンタ回路44のカウント出力による書き込みアドレスADによつて多重化制御回路41で指定された多重ライン番号DBNをイネーブル信号によつて検出して、その検出タイミングで補助信号メモリ43から補助信号SAを読み出す。このとき多重化フラグ生成回路45では補助信号メモリ43から補助信号SAを読み出している期間だけ”H”となるような補助信号多重フラグFmを生成して多重化制御回路41へ送出する。この結果、読み出された補助信号SAに対してパケツト生成回路46において、指定されたDID、ヘツダADF及びチエツクサムCS等の符号が付加され、図10に示すような補助信号パケツトPAが生成される。
【0024】
補助信号パケツトPAは、データ多重化回路47において指定された多重データ系列及び多重領域に従つてビデオデータ系列に多重化され、これにより多重データS1が生成される。ここで多重化制御回路41が補助信号多重フラグFmを監視して、このフラグが立ち上がつて”H”となることによつて、補助信号が多重化されたことを確認する。さらに多重化制御回路41は、補助信号多重フラグFmの立ち下がりによつて補助信号SAの多重化完了を認識する。
【0025】
以上の構成において、多重化されたHD-SDI信号S1を生成する場合、図3に示すように、まず多重化制御回路41により補助信号多重化回路42に対して制御データを書き込む(t20)。次に多重化制御回路41から補助信号メモリ43へデータ量DCの分だけ補助信号SA(1)を書き込んだ後(t21)、多重化モードModをオンに設定する。そして補助信号多重化回路42ではカウンタ回路44によつて指定された多重ライン番号DBNをイネーブル信号によつて検出して、そのタイミングで補助信号メモリ43から補助信号SAを読み出す。このとき多重化フラグ生成回路45では補助信号メモリ43から補助信号SA(1)を読み出している期間だけ”H”となるような補助信号多重フラグFmを生成して多重化制御回路41へ送出する。このように補助信号多重フラグFmを用いることによつて、補助信号SAの送信毎に多重化モードModをオフした後、新たな補助信号SAを補助信号メモリ43に書き込むような手続きをとらなくても、多重ライン番号DBNに応じた補助信号SAの設定がなし得る。
【0026】
この場合、多重化制御回路41が補助信号SAに対する補助信号多重フラグFmの立ち下がりによつて補助信号SA(1)の多重化完了を確認した後(t22)、補助信号SA(2)を書き込むことにより(t23)、補助信号SA(2)が多重化されて送出される(t24)。同様にして補助信号SA(2)に対する補助信号多重フラグFmの立ち下がりによつて補助信号SA(2)の多重化完了を認識した後(t25)、次の補助信号SA(3)を補助信号メモリに書き込むことによつて補助信号SA(3)が多重化され送出される(t26)。
かくして補助信号多重フラグFmを用いて、補助信号の多重化を監視することによつて複数、連続する補助信号SA(1)、SA(2)、SA(3)、....の各々を漏れなく確実にかつ、効率良く送出することができる。
【0027】
(2)受信回路の構成
図14との対応部分に同一符号を付した図4において、50は本発明によるHI-SDI信号の受信回路を示し、入力コネクタ21から入力された1.485 〔Gbit/sec〕のHD-SDI信号S10は、入力回路22を介することによつて同軸ケーブル伝送路による高域損失を補償される。次にシリアル/パラレル変換回路23によつてシリアルクロツクを再生されて、シリアル信号が復元される。さらにシリアル/パラレル変換回路23では、スクランブルドNRZ-I の逆変換が行なわれ、タイミング基準信号EAV/SAVからワード同期が再生されて、74. 25 〔MHz 〕20ビツトのパラレルデータS11が再生される。このパラレルデータS11から補助信号受信回路51において多重化された補助信号SAが取り出される。このようにして取り出された補助信号SAは受信制御回路52で読み出され、機器の制御や表示パネルの表示に用いられる。
【0028】
次に図5に示す補助信号受信回路51について、補助信号の受信手順を図6に示すタイミング図に従つて説明する。まず受信制御回路52は、補助信号受信回路51に対して(1)Yデータ系列/Cデータ系列で形成される受信データ系列、(2)データの種別を示す受信DIDを書き込む。ヘツダ検出回路53では、パラレルデータS11から補助信号パケツトの開始を示すヘツダADFを検出し、さらに続いて受信されたDIDが受信制御回路52から書き込まれた受信DIDと一致するかどうかを判別する。
【0029】
ここでADF及びDIDが一致した場合、その補助信号パケツトPAが受信すべきパケツトであると判断され、ヘツダ検出回路53はトリガのパルスをカウンタ54に送出する。続いてカウンタ出力に基づいた書き込みアドレスADに従つて補助信号SAが補助信号メモリ55に書き込まれる。受信制御回路52は、カウンタ54からADを読み出し、続いてそのADに従つて補助信号メモリ55から補助信号SAを読み出し、その補助信号SAを解読してその内容に応じて適宜必要な処理を行なう。
【0030】
ここでデータ量を示すデータカウントDCがDCレジスタ56にラツチされ、受信制御回路52にデータのワード数を送出する。このとき受信フラグ生成回路57は、補助信号メモリ55に補助信号SAが書き込まれている期間だけ”H”となるような補助信号受信フラグFnを生成して、受信制御回路52へ送出する。受信制御回路52では、補助信号受信フラグFnを監視し、このフラグが”H”となることによつて、補助信号SAが多重化されてきたことを確認する。さらに補助信号受信フラグFnの立ち下がりによつて、補助信号SAの受信完了を認識する。
【0031】
以上の構成において、図6に示すように多重化されたHD-SDI信号S1を受信すると、受信制御回路52が補助信号SA(1)に対する補助信号受信フラグFnの立ち下がりによつて補助信号SAの受信完了を認識した後(t30)、補助信号SA(1)を補助信号メモリ55から読み出すことにより(t31)、新たな補助信号SA(2)を受信する以前に(t32)、補助信号SA(1)を確実に読み出すことができる。同じく補助信号SA(2)に対する補助信号受信フラグFnの立ち下がりによつて補助信号SA(2)の受信完了を認識した後(t33)、補助信号SA(2)を補助信号メモリ55から読み出すようにする(t34)。これにより受信制御回路52は、連続する補助信号SA(1)及びSA(2)を確実に読み出し、それぞれの補助信号の内容を解読して適宜必要な処理を実行し得る。かくして補助信号多重フラグFnを用いることよつて、複数、連続して伝送されてくる補助信号SA(1)、SA(2)、……を各々確実かつ、効率良く受信することができる。
【0032】
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、HDビデオ信号S0に補助信号SAを多重化して送信する場合、データカウントDCに基づいた多重化制御回路41の制御によつて、補助信号多重化回路42の多重化フラグ生成回路45において、補助信号メモリ43から補助信号SAを読み出している期間だけ”H”となるような補助信号多重フラグFmを生成し、多重化制御回路41によつてこの補助信号多重フラグFmの立ち下がりを検出して多重化完了を確認した後で続く補助信号SA(2)を書き込むようにしたことにより、複数、連続する補助信号SA(1)及びSA(2)を確実に送信することができる。かくして補助信号SAの多重化を補助信号多重フラグFmにより監視することによつて複数の補助信号SA(1)、SA(2)、……の各々を確実かつ、効率良く送信することができる。
【0033】
また多重化されたHD-SDI信号S1を受信する場合、補助信号受信回路51の受信フラグ生成回路57において、補助信号メモリ55に補助信号SAが書き込まれている期間だけ”H”となるような補助信号受信フラグFnを生成して、受信制御回路52によつてこの補助信号受信フラグFnの立ち下がりによつて第1の補助信号SA(1)の受信完了を確認した後、第1の補助信号SA(1)を補助信号メモリ55から読み出すことにより、新たな補助信号SA(2)を受信する以前に、補助信号SA(1)を確実に読み出すことができる。
【0034】
同じく補助信号SA(2)に対する補助信号受信フラグFnの立ち下がりによつて補助信号SA(2)の受信完了を確認した後、補助信号SA(2)を補助信号メモリ55から読み出すようにする。これにより受信制御回路52は、連続する複数の補助信号SA(1)及びSA(2)をそれぞれ確実に読み出して、補助信号の内容を解読して適宜必要な処理を実行し得る。かくして補助信号受信フラグFnを用いることよつて、複数の補助信号SA(1)、SA(2)、……を各々確実かつ、効率良く受信することができる。
【0035】
(4)他の実施例
なお上述の実施例においては、送信回路及び又は受信回路をBTA S002規格に準拠したHDTV信号のSDI に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、SMPTE 259Mによるコンポーネントビデオ信号やNTSC(National Television System Committee)、PAL(Phase Alternation by Line) 等のコンポジツトビデオ信号のSDI においても、全く同様に適用することができ、これにより上述した実施例と同様の効果が得られる。
【0036】
さらに上述の実施例においては、ビデオ信号のSDI に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、SDDI等のデータ伝送システムにも適用することができる。また上述の実施例においては、HD-SDI信号を同軸ケーブルを介して伝送するSDI システムに適用した場合ついて述べたが、本発明はこれに限らず、光フアイバや無線通信等、他の伝送システムにおいても適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、情報パケツトとデイジタル信号とを多重化して情報伝送路の送信端より送信する送信装置において、メモリから情報信号を読み出している期間を示すタイミングフラグに基づいてメモリに対する情報信号の書き込み多重化のタイミングを制御することにより、複数の情報パケツトを各々確実かつ、効率良く多重化し得る送信装置を実現し得る。
【0038】
さらに本発明によれば、情報パケツトとデイジタル信号とが多重化された多重化信号を情報伝送路の受信端で受信する受信装置において、分離した情報パケツトをメモリに書き込んでいる期間を示すタイミングフラグに基づいて、メモリから情報パケツトを読み出すタイミングを制御することにより、複数の情報パケツトを各々確実かつ、効率良く受信し得る受信装置を実現し得る。
【0039】
さらに本発明によれば、情報パケツトとデイジタル信号とを多重化して情報伝送路の送信端より送信すると共に、多重化された情報パケツトとデイジタル信号とを情報伝送路の受信端で受信する送受信装置において、第1のメモリから情報信号を読み出している期間を示す第1のタイミングフラグに基づいて第1のメモリに対する情報信号の書き込み及び多重化のタイミングを制御することにより、複数の情報パケツトを各々確実かつ、効率良く多重化し得ると共に、第2のメモリに情報パケツトを書き込んでいる期間を示す
第2のタイミングフラグに基づいて第2のメモリから情報パケツトを読み出すタイミングを制御することにより、複数の情報パケツトを各々確実かつ、効率良く受信し得る送受信装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による送信回路の全体構成を示す略線図である。
【図2】実施例による補助信号多重化回路の構成を示す略線図である。
【図3】補助信号の多重化の説明に供するタイミング図である。
【図4】実施例による受信回路の全体構成を示す略線図である。
【図5】実施例による補助信号受信回路の構成を示す略線図である。
【図6】補助信号の受信の説明に供するタイミング図である。
【図7】HDSDI信号のデータ構造の説明に供するデータ構造図である。
【図8】HDSDI信号のデータ構造の説明に供するデータ構造図である。
【図9】補助信号領域の説明に供するデータ構造図である。
【図10】補助信号パケツトのデータ構造の説明に供するデータ構造図である。
【図11】送信回路の構成を示す略線図である。
【図12】補助信号多重化回路の構成を示す略線図である。
【図13】補助信号の多重化の説明に供するタイミング図である。
【図14】受信回路の構成を示す略線図である。
【図15】補助信号受信回路の構成を示す略線図である。
【図16】補助信号の受信の説明に供するタイミング図である。
【図17】補助信号の重複の説明に供するタイミング図である。
【図18】補助信号の消失の説明に供するタイミング図である。
【図19】2つの補助信号多重化回路を用いた補助信号の多重化の説明に供するタイミング図である。
【図20】補助信号の重複の説明に供するタイミング図である。
【図21】補助信号の消失の説明に供するタイミング図である。
【符号の説明】
1、40……送信回路、2、41……多重化制御回路、3、42……補助信号多重化回路、4……SDI符号化回路、5……パラレル/シリアル変換回路、6……出力コネクタ、10、33、43、55……補助信号メモリ、11、44……カウンタ回路、12、46……パケツト生成回路、13、47……データ符号化回路、20、50……受信回路、21……入力コネクタ、22……入力回路、23……シリアル/パラレル回路、24、51……補助信号受信回路、25、52……受信制御回路、31、53……ヘツダ検出回路、32、54……カウンタ、34、56……DCレジスタ、57……受信フラグ生成回路。
Claims (3)
- 情報パケツトとデイジタル信号とを多重化して情報伝送路の送信端より送信する送信装置において、
情報信号を書き込むメモリと、
上記メモリから上記情報信号を読み出して情報パケツトを生成するパケツト生成回路と、
上記デイジタル信号に対して上記情報パケツトを多重化する情報多重化回路と、
上記メモリから上記情報信号を読み出している期間を示すタイミングフラグを生成するタイミングフラグ生成回路と、
上記タイミングフラグに基づいて、上記メモリに対する上記情報信号の書き込み及び上記情報多重化回路による多重化のタイミングを制御する多重化制御回路と
を具えることを特徴とする送信装置。 - 情報パケツトとデイジタル信号とが多重化された多重化信号を情報伝送路の受信端で受信する受信装置において、
上記多重化信号から上記情報パケツトを分離する情報パケツト分離回路と、
上記分離した情報パケツトを書き込むメモリと、
上記メモリに上記情報パケツトを書き込んでいる期間を示すタイミングフラグを生成するタイミングフラグ生成回路と、
上記タイミングフラグに基づいて、上記メモリから上記情報パケツトを読み出すタイミングを制御する受信制御回路と
を具えることを特徴とする受信装置。 - 情報パケツトとデイジタル信号とを多重化して情報伝送路の送信端より送信すると共に、多重化された情報パケツトとデイジタル信号とを情報伝送路の受信端で受信する送受信装置において、
情報信号を書き込む第1のメモリと、
上記第1のメモリから上記情報信号を読み出して情報パケツトを生成するパケツト生成回路と、
上記デイジタル信号に対して上記情報パケツトを多重化する情報多重化回路と、
上記メモリから上記情報信号を読み出している期間を示す第1のタイミングフラグを生成する第1のタイミングフラグ生成回路と、
上記第1のタイミングフラグに基づいて、上記第1のメモリに対する上記情報信号の書き込み及び上記情報多重化回路による多重化のタイミングを制御する多重化制御回路と、
上記多重化信号から上記情報パケツトを分離する情報パケツト分離回路と、
上記分離した情報パケツトを書き込む第2のメモリと、
上記第2のメモリに上記情報パケツトを書き込んでいる期間を示す第2のタイミングフラグを生成する第2のタイミングフラグ生成回路と、
上記タイミングフラグに基づいて、上記第2のメモリから上記情報パケツトを読み出すタイミングを制御する受信制御回路と
を具えることを特徴とする送受信装置。
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