JP3674592B2 - 信号伝送回路の駆動方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ、MOS型撮像装置を駆動するためのシフトレジスタに使用して、低電圧、低消費電力で駆動できる信号伝送回路の駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来の信号伝送回路の構成を示す一例である。出力トランジスタ1とブートストラップ用容量2とブートストラップ用容量充電トランジスタ3と放電トランジスタ4とVDD電源5とV1、V2の駆動パルス6とスタートパルスVST7により構成されている。信号伝送回路のスタートパルスVST7がブートストラップ用容量充電トランジスタT11のゲートに入力することでブートストラップ用容量C1がVDD電源5のプラス方向に充電され出力トランジスタT12がオンする。その後V1が出力トランジスタT12のドレインに入力すると、出力トランジスタT12のゲートには、V1電位とブートストラップ用容量C1両端の電位差がプラスされる形で印加されることとなり、出力トランジスタT12のゲート下の電位がV1より大きくできる場合、接点N12にV1パルスが出力できるようになる。この出力が信号伝送回路の出力OUT1として利用される。また同時に接点N12の電圧が、次段のブートストラップ用容量充電トランジスタT21のゲートに印加されブートストラップ用容量C2が充電され出力トランジスタT22がオンする。
【0003】
その後V2が出力トランジスタT22のドレインに入力すると、出力トランジスタT22のゲートには、V2電位とブートストラップ用容量C2両端の電位差がプラスされる形で印加されることとなり、出力トランジスタT22のゲート下の電位がV2より大きくできる場合、接点N22にV2パルスが出力できるようになる。この出力が信号伝送回路の出力OUT2として利用される。また同時に接点N22の電圧が、次段のブートストラップ用容量充電トランジスタT31のゲートに印加されブートストラップ用容量C3が充電され出力トランジスタT32がオンする。この時、同時に接点N22の電圧は、放電トランジスタT13、T14のゲートに加えられ前段のブートストラップ用容量C1が放電される。
【0004】
このような動作が繰り返されることで、信号伝送回路は、OUT3、OUT4など順次、出力を出す動作を可能にできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図4は、NMOSのみを用いた従来の駆動および出力である。この回路は5V系の回路であり、V1、V2の駆動パルス6の電圧振幅、スタートパルスVST7の電圧振幅およびVDD5電圧の全てが5Vの場合を示す。
【0006】
時刻t0の時、スタートパルスVST7の電圧5Vがブートストラップ用容量充電トランジスタT11のゲートに入力することでブートストラップ用容量C1がVDD5の5Vのプラス方向に充電されて行くが、ブートストラップ用容量充電トランジスタT11がエンハンスメント型のNMOSの場合には、T11の閾値電圧Vtの影響で、T11のゲート下の電位が5Vにならないため、C1はVDD5の5VからΔH0だけ低い電圧となり出力トランジスタT12がオンする。次に時刻t1の時、V1がトランジスタT12のドレインに入力すると、出力トランジスタT12のゲートには、V1電位とブートストラップ用容量C1両端の電位差(5V−ΔH0)がプラスされたHB1電圧が印加され、接点N12にH1の振幅のパルスが出力することとなる。また接点N12のパルス振幅H1を、次段のブートストラップ用容量充電トランジスタT21のゲートに入力することでブートストラップ用容量C2が(H1−ΔH1)に充電されることとなる。
【0007】
同様に、時刻t2、t3、t4の場合も時刻t1の動作を繰り返すこととなる。
【0008】
この回路の場合、ブートストラップ用容量充電トランジスタ3のゲートには最大でも5V未満の電圧しか加わらないため、ブートストラップ用容量2の充電電圧は電源VDD5の5Vより低い電圧にしか充電できないこととなる。したがって、N21、N31、N41の電位が次第に降下して信号伝送回路が何段か先では出力が出なくなる。
【0009】
特に回路の電源系の低電圧化、たとえば3V系の回路などになると動作がより難しくなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の信号伝達回路の駆動方法は、複数の単位回路で構成され、駆動パルスにしたがって前記単位回路からパルス電圧が順次出力される信号伝送回路の駆動方法であって、前記単位回路は、前記駆動パルスをドレインに入力して、前記パルス電圧としてソースから出力する出力トランジスタと、前記出力トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたブートストラップ容量と、前記ブートストラップ容量を充電するためにソースが前記出力トランジスタのゲートに接続され、ドレインが電源線または接地線あるいは充電パルス線に接続された充電トランジスタとを備え、N段目の単位回路の前々段の単位回路(N−2段目単位回路)の前記出力トランジスタのソースから前記パルス電圧が出ている期間は、各単位回路の充電トランジスタがN型トランジスタの場合は、前段の単位回路(N−1段目単位回路)の出力トランジスタのドレイン電圧がHighレベルで、前記N段目単位回路の出力トランジスタのドレイン電圧がLowレベル、各単位回路の充電トランジスタがP型トランジスタの場合は前記前段の単位回路(N−1段目単位回路)の出力トランジスタのドレイン電圧がLowレベル、前記N段目単位回路の出力トランジスタのドレインがHighレベルであることを特徴とする。
【0011】
したがって、ブートストラップ用容量のプラス側に接続された出力トランジスタのゲートの電位を次段のブートストラップ用容量充電トランジスタのゲートに接続することで、次段のブートストラップ用容量充電トランジスタのゲートには従来よりも高い電圧が加わることとなり、ブートストラップ用容量充電トランジスタのゲート下の電位をVDD電源電圧より高くすることができる。これにより次段のブートストラップ用容量にVDD電源電圧を充電することができ、容量への充電電圧の降下を防ぐことができる。そして伝送段数が増えることによるN21、N31、N41の出力の低下および出力が出なくなることを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態における信号伝送回路の構成図である。出力トランジスタ1と、ブートストラップ用容量2と、ブートストラップ用容量充電トランジスタ3と、放電トランジスタ4と、V1、V2、V3の駆動パルス6と、スタートパルスVST7とにより構成されている。信号伝送回路のスタートパルスVST7がブートストラップ用容量充電トランジスタT11のゲートに入力することで、ブートストラップ用容量C1がプラス方向に充電され出力トランジスタT12がオンする。その後、V1が出力トランジスタT12のドレインに入力すると、出力トランジスタT12のゲートには、V1電位とブートストラップ用容量C1両端の電位差がプラスされる形で印加されることとなり、出力トランジスタ12のゲート下の電位がV1より大きくできる場合、接点N12にV1パルスが出力できるようになる。この出力が信号伝送回路の出力OUT1として利用される。
【0013】
特に、この回路の利点は、ブートストラップ用容量C1のプラス側の端子である接点N11の電圧が、次段のブートストラップ用容量充電トランジスタT21のゲートに印加されているため、次段のブートストラップ用容量充電トランジスタT21のゲートに高い電圧が印加できる。したがって、次段のブートストラップ用容量充電トランジスタT21が、たとえエンハンスメント型のNMOSであっても、ブートストラップ用容量C2がVDD電源電圧に確実に充電でき、出力トランジスタT22をオンできることである。
【0014】
その後、V2が出力トランジスタT22のドレインに入力すると、出力トランジスタT22のゲートには、V2電位とブートストラップ用容量C2両端の電位差がプラスされる形で印加されることとなり、出力トランジスタT22のゲート下の電位がV2より大きくでき、接点N22にV2パルスが出力できるようになる。この出力が信号伝送回路の出力OUT2として利用される。
【0015】
また同時に、ブートストラップ用容量C2のプラス側の端子である接点N21の電圧が、次段のブートストラップ用容量充電トランジスタT31のゲートに印加され、ブートストラップ用容量C3がVDD電源電圧に確実に充電され出力トランジスタT32がオンする。
【0016】
このようにして全ての信号伝送段において、ブートストラップ用容量2のプラス側の端子電圧が次段のブートストラップ用容量充電トランジスタ3のゲートに加わるため、次段のブートストラップ用容量を確実にVDD電源電圧に充電できることとなり、電圧降下の無い、低電圧、低消費電力の信号伝送回路を実現できる。
【0017】
この回路においては、上記のように出力OUT1に出力トランジスタT12のドレイン電圧V1が出ている間は、次段のブートストラップ用容量C2がブートストラップ用容量充電トランジスタT21のドレイン電圧VDDの3Vに充電されるので、T31の閾値電圧が低い場合にはブートストラップ用容量充電トランジスタT31がオンする可能性がある。ブートストラップ用容量充電トランジスタT31がオンすると、ブートストラップ用容量C3は、VDD電源電圧のプラス電圧方向に充電される。ブートストラップ用容量C3が充電すると、出力トランジスタT32がオンして、出力OUT3に出力トランジスタT32のドレイン電圧V1の一部が出るという誤動作の可能性があるため、V3パルスはLowレベルにする必要がある。
【0018】
このとき、特にV3パルスのLowレベルを0Vにしておくと、素子外部からの入力電圧数を減らすことができ、回路規模の縮小もでき、安定する。
【0019】
したがって、信号伝送回路において、必要とされる出力OUT1に対し、次々段の出力OUT3に関係する出力トランジスタのドレインのパルスをLowレベルにすれば良い。同様に、信号伝送回路において、必要とされるN段目の出力が出ている間は、その出力より先の次々段(N+2段目)の出力に関係する出力トランジスタのドレインのパルスをLowレベルにすれば、信号伝送回路の(N+2段目)の出力の誤動作を防ぐことができる。
【0020】
このような手段を実現するために、出力トランジスタのドレインパルスの種類を最も少なくするためには、3種類のパルスがあれば良いため、出力トランジスタのドレインパルスは、3相駆動を行う場合が最も駆動回路を少なくすることができる。
【0021】
また、ブートストラップ用容量2に充電した電圧を放電する手段として、回路のトランジスタや電源を少なくする方法として、ブートストラップ用容量C1の場合は放電トランジスタT13のソース側をブートストラップ用容量C1のプラス側へ接続し、放電トランジスタT14のソース側をブートストラップ用容量C1のマイナス側へ接続し、放電トランジスタT13、T14のゲートに次段出力トランジスタのソース側の接点N22を接続することで、接点N22にV2パルスが出力された時にブートストラップ用容量C1が放電される。
【0022】
この構成により、放電トランジスタを2個追加するだけで放電ができ、他の外部入力パルスなどが無い規模の小さい回路構成で信号伝送回路を実現することができる。
【0023】
図2は、NMOSのみを用いた本発明の実施の形態における駆動および出力である。この回路はV1、V2、V3の駆動パルス6の電圧振幅およびVDD電源電圧が3Vで、スタートパルスVST7の電圧振幅が5Vの場合を示す。
【0024】
図1を見ると、スタートパルスVST7が入力するブートストラップ用容量充電トランジスタT11の場合のみブートストラップ用容量C11のプラス側の端子電圧が供給できないため、スタートパルスVST7のみV1、V2の駆動電圧より高い電圧の5Vで駆動することでブートストラップ用容量C1をVDD電源電圧の3Vに充電することができる。したがって、スタートパルスVST7の電圧をV1、V2の駆動電圧より高くすることでスタートパルスVST7の入力トランジスタでの電圧降下を防ぐことができる。
【0025】
時刻t0の時、スタートパルスVST7の電圧は、エンハンスメント型のNMOSであるブートストラップ用容量充電トランジスタT11の閾値電圧Vtがあった場合でもT11のゲート下の電圧が3V以上になるように5Vを印加した。これでブートストラップ用容量C1がVDD電源電圧の3Vに充電される。
【0026】
次に時刻t1の時、V1が出力トランジスタT12のドレインに入力すると、出力トランジスタT12のゲートには、V1電位3Vとブートストラップ用容量C1両端の電位差3Vがプラスされた高い電圧であるHB1電圧が印加されるため、接点N12に3V振幅のV1パルスが確実に出力することとなる。またブートストラップ用容量C1のプラス側の端子である接点N11のパルスHB1を、次段のブートストラップ用容量充電トランジスタT21のゲートに入力することでブートストラップ用容量C2が確実にVDD電源電圧の3Vに充電されることとなる。この時、ブートストラップ用容量C2の電圧が、次々段のブートストラップ用容量充電トランジスタT31のゲートに入力することでブートストラップ用容量C3がプラスに充電されるため、OUT3に出力がでる誤動作を防止するようにV3のLowレベルを0Vとしている。
【0027】
同様に、時刻t2、t3、t4の場合も時刻t1の動作を繰り返すこととなる。この図の場合、時刻t1ではV1がHighで、V3がLowであり、時刻t2ではV2がHighで、V1がLowであり、時刻t3ではV3がHighで、V2がLowであり、時刻t4では、時刻t1と同じでV1がHighで、V3がLowとして、誤動作を防止している。
【0028】
このように本実施の形態の場合、次段のブートストラップ用容量充電トランジスタ3のゲートには常にブートストラップ用容量2のプラス側の端子電圧が加わるため次段のブートストラップ用容量を確実に3Vに充電できることとなり、電圧降下の無い、3Vの低電圧で低消費電力の信号伝送回路を実現できる。
【0029】
また、上記の実施の形態では、N型MOSのトランジスタの場合を示したが、全てP型MOSの場合についても、同様な効果を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の信号伝送回路の駆動方法では、ブートストラップ用容量のプラス側が接続された出力トランジスタのゲートの電位を次段のブートストラップ用容量充電トランジスタのゲートに接続することで、次段のブートストラップ用容量充電トランジスタのゲートには、従来よりも高い電圧が加わることとなり、ブートストラップ用容量充電トランジスタのゲート下の電位をブートストラップ用容量充電トランジスタのドレイン電圧より高くすることができる。これにより次段のブートストラップ用容量に次段のブートストラップ用容量充電トランジスタのドレイン電圧を確実に充電することができ、容量への充電電圧の降下を防ぐことができる。したがって伝送段数が増えることによる出力の低下および出力が出なくなることを防止することができ低電圧駆動を実現することができる。
【0031】
また、ドレイン電圧を3相駆動のパルスで動作することで、回路の誤動作を防止できると同時に、駆動パルス数を最も少なくできる。
【0032】
本発明の信号伝送回路の駆動方法は、液晶ディスプレイ、MOS型撮像装置低電圧駆動実現の要請に沿いながら、信号伝送回路をシフトレジスタに使用して、低電圧化を実現するものであって、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における信号伝送回路を示す図
【図2】本発明の実施の形態における駆動および出力を説明する図
【図3】従来の信号伝送回路を示す図
【図4】従来の駆動および出力を説明する図
【符号の説明】
1 出力トランジスタ
2 ブートストラップ用容量
3 ブートストラップ用容量充電トランジスタ
4 放電トランジスタ
5 VDD電源
6 駆動パルス
7 スタートパルス

Claims (4)

  1. 複数の単位回路で構成され、駆動パルスに従って前記単位回路からパルス電圧が順次出力される信号伝送回路の駆動方法であって、前記単位回路は、前記駆動パルスをドレインに入力して、前記パルス電圧としてソースから出力する出力トランジスタと、前記出力トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたブートストラップ容量と、前記ブートストラップ容量を充電するためにソースが前記出力トランジスタのゲートに接続され、ドレインが電源線または接地線あるいは充電パルス線に接続された充電トランジスタとを備え、
    N段目の単位回路の前々段の単位回路(N−2段目単位回路)の前記出力トランジスタのソースから前記パルス電圧が出ている期間は、各単位回路の充電トランジスタがN型トランジスタの場合は、前段の単位回路(N−1段目単位回路)の出力トランジスタのドレイン電圧がHighレベルで、前記N段目単位回路の出力トランジスタのドレイン電圧がLowレベル、各単位回路の充電トランジスタがP型トランジスタの場合は前記前段の単位回路(N−1段目単位回路)の出力トランジスタのドレイン電圧がLowレベル、前記N段目単位回路の出力トランジスタのドレインがHighレベルであることを特徴とする信号伝送回路の駆動方法。
  2. 前記前々段の単位回路(N−2段目単位回路)の出力トランジスタのドレインには、次段の単位回路(N+1段目単位回路)の出力トランジスタのドレインと同一の電圧が加わることを特徴とする請求項1に記載の信号伝送回路の駆動方法。
  3. 前記前々段の単位回路(N−2段目単位回路)の出力トランジスタのドレイン電圧と前記次段の単位回路(N+1段目単位回路)の出力トランジスタのドレイン電圧とが同一の電圧Vaで、前記前段の単位回路(N−1段目単位回路)の出力トランジスタのドレイン電圧と次々段の単位回路(N+2段目単位回路)の出力トランジスタのドレイン電圧とが同一の電圧Vbで、前記N段目の単位回路の出力トランジスタのドレイン電圧と次々々段単位回路(N+3段目単位回路)の出力トランジスタのドレイン電圧とが同一の電圧Vcであり、出力トランジスタのドレインがVa,Vb,Vcの3相駆動である請求項1または請求項2に記載の信号伝送回路の駆動方法。
  4. 前記充電トランジスタのドレイン電圧がLowレベルの時、0Vである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の信号伝送回路の駆動方法。
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