JP3674545B2 - 検査用光ディスク及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、光ディスク装置に用いられる検査用光ディスク(記録媒体)及びその製造方法に係わり、特にDVD等においてディスク回転速度の高速化に伴って増大する垂直方向(面振れ)加速度に対するフォーカスサーボ検査用として好適な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CD、DVD等の光ディスクは、1枚のメディアに多くのデータを記録するために、トラック上にデータの要素となる“ピット”が1μm程度と極めて小さく形成される。
【0003】
プレーヤーやドライブ等と呼ばれる光ディスク装置では、上記ピットをレーザピックアップにて読み取るが、ピットが極めて小さいために、ピックアップは精度良くフォーカスサーボ(ディスクの上下垂直方向,すなわち焦点方向のサーボ)、トラッキングサーボ(ディスクの径方向のサーボ)をかけていく必要がある。
【0004】
フォーカスサーボに関して問題となるのが、ディスクの面振れ(垂直方向の大きなうねり)であり、トラキングサーボで問題となるのが、ディスクの偏心(ピットが形成されるトラックとディスク中心孔との芯ずれで、再生時、径方向のうねりが発生する)である。
【0005】
また、近年、CD−ROM、DVD−ROMドライブにおいては、高速読み出し化が進んでおり、CD−ROMドライブでは標準速度(音楽CDの読み出し速度)に対し、24倍〜40倍の回転速度相当にてデータを読み出し、DVD−ROMドライブでも8倍〜16倍の回転速度相当にて読み出すようになってきている。
【0006】
高速再生(読み出し)においては、標準速度では現れなかった問題が発生する。その問題の中に半径方向加速度(径方向ピットトラックの急激な変動)と垂直方向(面振れ)加速度(垂直方向の急激な変動)がある。
【0007】
特に、DVDでは、CDの板厚1.2mmに比べ、成形素材での板厚が0.6mmと薄く、反り,面振れ等が発生しやすくなっており、さらにDVDでは、その0.6mmの円板を2枚接着にて貼り合わせて1.2mmの厚さとするため、面振れがCDに比べ複雑な形となることが多く、垂直方向加速度が大きくなる傾向がある。
【0008】
DVDディスクが上記のように垂直方向加速度が発生しやすい上、さらにDVD−ROMドライブのピックアップは、CDのピックアップに比べ、データが高密度なため焦点深度が浅く、僅かなずれでフォーカス外れになってしまうため、ドライブ側で垂直方向加速度に十分な注意を払う必要がある。
【0009】
DVD−ROMドライブの設計や検査では、垂直方向加速度について、定量的な検査用ディスクが一般に商品化されておらず、市販ディスク等より垂直方向加速度の大きいものを見つけてきて、それを検査用に使用しているのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開平10−233040号公報には、光ディスクの製造工程にて、原盤としてのマスターまたはマザーの裏面から、尖った先端を有する部材を所定の押圧力で加圧することにより形成される凸部または凹部を有するスタンパと金型を用いた検査用標準光ディスク及びその製造方法が開示されている。
【0011】
また、特開2000−322782号公報には、裏面に凹部が形成されたスタンパと金型を用いて、射出成形法で製造するテスト用光ディスク記録媒体及びその製造方法が開示されている。
【0012】
ところが、これらの公報に開示されたものは、いずれも光ディスクを作成するためのスタンパに細工を施すため、大量の同一複製ディスクを作ることができる反面、異種のディスク毎にスタンパの製作が必要で、これは容易でないと共にコスト高となり、検査用として、少量品種の作成や多くのバリエーションを持たせることが難しいという課題があった。
【0013】
そこで、本願発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、成形後の光ディスクに後加工を行うことで、容易かつ低コストで、少量多品種に対応でき、後加工のパターンを変えることにより多くのバリエーションを持たせることができる検査用光ディスク及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本願発明に係る検査用光ディスクは、成形後の光ディスクにおけるデータ再生面の裏面側に形成される印刷面側から、加工用レーザを照射することにより前記光ディスクの印刷面側に生じる変形に対応して、データ再生面側の反射面に凸部が形成されて成ることを特徴とするものである。
【0015】
また、前記光ディスクが、DVDディスクであることを特徴とするものである。
【0016】
また、本願発明に係る検査用光ディスクの製造方法は、光ディスクの成形後の後加工として、当該光ディスクにおけるデータ再生面の裏面側に形成される印刷面側から、加工用レーザを照射して前記光ディスクの印刷面側に変形を加える工程により、データ再生面側の反射面に前記変形に対応した凸部を形成することを特徴とするものである。
【0017】
また、前記製造方法が適用される光ディスクが、DVDディスクであることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本願発明の一実施形態に係る検査用光ディスクとその製造方法を示す概念図であり、図2はその加工前と加工後の断面(拡大図)、面振れ変位、フォーカスエラー波形を示している。
【0020】
本実施形態において、本願発明が適用されるDVDディスク1は、図2(a)に示すように2枚の信号が形成されたPC(ポリカーボネート)基板1a,1bが、UV樹脂(紫外線硬化型樹脂)や両面接着光学テープ等で形成される中間接着層2で貼り合わされて形成されている。各基板1a,1bの厚さは約0.6mm、中間接着層2の厚さは60μmほどで、全体の厚さは約1.2mmになる。
【0021】
図2(a)では、基板1bと中間接着層2間に、トラック上のピットによりデータが記録される記録面となる反射面3が形成され、この基板1bの下面側がデータ再生面4となる。また、基板1aの上面側(データ再生面4の裏面側)には、図1に示すようにディスク中心孔1c周りを除き、当該DVDディスク1に記録された記録情報(コンテンツ)のタイトル等が印刷される印刷面5が形成されている。なお、この成形後のDVDディスク1には、記録情報として検査用のデータが記録されている。
【0022】
本実施形態では、上記DVDディスク1の印刷面5側に、図1に示すように、レーザ照射機6を用い加工用レーザとしてCO2レーザ(レーザマーカー)を照射することにより、印刷面5に所望のパターンの溝(ここでは半径方向に直線状に伸びる溝)7を形成するようにしている。これにより、図2(b)に示すように、印刷面5側に加工用レーザによって加えられたひずみや熱等が反射面3側に及んで、反射面3に上記溝7に対応した凸部8が形成される。
【0023】
なお、CO2レーザの他にも、YAGレーザやエキシマレーザ等の加工用の他のレーザでも、パワーを調整することにより実施可能である。
【0024】
上記は、本願発明者らが通常のDVDディスクの印刷面にレーザマーカーでマーキングを行っているときに、レーザのパワーを強くすると、印刷面へのマーキングが反射面に影響を与える不具合が生じる点に着目して、これを検査用ディスクに応用できないものかと考え、試行錯誤を重ねて実現したものである。
【0025】
上記のようにして加工用レーザによって反射面3に凸部8を形成することにより、例えば図2(c)に示すような緩やかな加工前面振れ変位に対して、図2(d)に示すようにレーザ照射部分に急峻な変位8aが生じる。
【0026】
図2(e)は加工前のフォーカスエラー波形を示し、図2(f)は上述した加工後のフォーカスエラー波形を示している。このフォーカスエラー波形は、この種の光ディスク装置で用いられる4分割光検知器等を用いて得られるものである。なお、加工前のフォーカスエラー波形に多少の加速度成分が含まれているのは、電気回路のノイズ等によるもので、このようなノイズ成分にはフォーカスサーボが反応しないように帯域が設定されている。また、加工後のフォーカスエラー波形には、上記レーザ照射部分の凸部8に対応して上下に大きく振れるフォーカスエラーが生じているが、これは図2(d)に示した急峻な面振れ変位8aに追従しようとして追従しきれず、またその反動で直ちには元に戻りきれなかった状態を示している。
【0027】
実際には、レーザ照射機6から照射される加工用レーザのパワーのレベルを段階的に変えて、レーザ照射部分の面振れ変位8aの大きさが異なる複数のバリエーションの検査用ディスクを作成して、DVD−ROMドライブ等のフォーカスサーボ追従性の設計や検査に使用される。
【0028】
本実施形態によれば、上記のような場合にも、成形後のDVDディスク1に加工用レーザで後加工を行うため、容易かつ低コストで対応できる。
【0029】
また、上記では、DVDディスク1の半径方向に直線状に伸びる1本の溝7を形成するパターンについて示したが、レーザ照射機6を制御することにより、図3に例として示すような各種のパターンに、容易かつ低コストで対応することができる。
【0030】
図3(a)は、上述したようにDVDディスク1の半径方向に直線状に伸びる1本の溝7を形成したもので、照射する加工用レーザのパワー等の調整により溝7の深さや幅等の調整が可能である。この変形例として、図3(b)に示すように、半径方向からずらしてトラックに対して斜めに交差するように形成することもできる。
【0031】
図3(c)は、DVDディスク1のほぼ半径方向に直線状に伸びる3本の溝7b〜7dを近接して形成したもので、図2(d)に示したような急峻な変位8aが連続して生じる場合のフォーカスサーボ追従性の設計や検査に有効である。なお、これらの3本の溝7b〜7dの深さや幅をそれぞれ異ならせることもできる。また、この変形例として、図3(d)に示すように間隔を空けて半径方向に直線状に伸びる3本の溝7e〜7gを形成するようにしてもよい。
【0032】
図3(e)は、円形の凹部7hを形成するようにしたもので、この円形の凹部7hを通る複数のトラック毎に幅が異なる変位を生じさせることができる。なお、この円形の凹部7hの大きさは、照射する加工用レーザの焦点をずらす等により調整可能である。この変形例として、図3(f)に示すように、大きさを変えた複数の凹部7i〜7kを形成することも有効である。
【0033】
図4は、本願発明による検査用光ディスクの製造方法を具体的に示したフローチャートである。
【0034】
まず、検査用のデータが記録された成形後の対象ディスクをセットし(ステップ101)、このディスクが検査用ディスクとして使えるかどうかを調べるため、その垂直方向(面振れ)加速度を測定する(ステップ102)。
【0035】
このディスクに、これから加工用レーザを照射することによって形成される変位相当あるいはそれ以上の大きな変位が初めからある場合は、加工用レーザ照射によって形成される変位と区別が付かなくなるので、測定した加速度が所定値以下でない場合は、使えないものとしてディスク不可とする(ステップ103のN→ステップ104)。この場合は、前記ステップ101で新たな対象ディスクをセットしてやり直す。
【0036】
測定した加速度が所定値以下であれば、検査用ディスクとして使えるので、レーザ照射機6のパワーを所定の値に設定すると共に、図3に示したようなレーザ照射パターン及び位置を設定し、レーザ照射を行う(ステップ103のY→ステップ105→ステップ106→ステップ107)。
【0037】
レーザ照射が終了したら、正しく形成されたか否かを確認するため、形成されたパターン及び位置を検査する(ステップ108)。パターン及び位置が正しく形成されていなければ、既に変形が加えられてしまっているのでディスク不可とすると共に、前記ステップ106の設定値に対してパターン及び位置の調整を行う(ステップ109のN→ステップ110→ステップ106)。この場合は、パターン及び位置の調整を行ってから、前記ステップ101で新たな対象ディスクをセットしてやり直す。
【0038】
上記パターン及び位置が正しく形成されておれば、その垂直方向加速度を測定する(ステップ109のY→ステップ111)。そして、測定された垂直方向加速度が想定した所定範囲内にあれば(ステップ112のY)、検査用光ディスクとして所望の製品ができたことになるので、1枚の検査用光ディスクの製造が終了する。なお、測定された垂直方向加速度が想定した所定範囲内になければ、既に変形が加えられてしまっているのでディスク不可とすると共に、前記ステップ105の設定値に対してパワーの調整を行う(ステップ112のN→ステップ113→ステップ105)。この場合も、パワーの調整を行ってから、前記ステップ101で新たな対象ディスクをセットしてやり直す。
【0039】
なお、上記実施形態では、本願発明をDVDディスクに適用した場合について述べてきたが、CDについても図5に示すような構成及び方法により垂直方向加速度の検査用ディスクが製作可能である。なお、前記実施形態と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0040】
すなわち、図5に示すように、CDディスク10は、透明なディスク基板11上のピットが形成される反射面12に厚さ10μm程度の保護膜13を被着して成るものであるので、このCDディスク10の印刷面14側に0.1〜0.5mm程度のシートを貼るか、樹脂膜を塗布して緩衝層15を形成し、その上から加工用レーザを照射するようにする。これを行わないと、CDディスク10の印刷面14側の保護膜13は上述したように厚さが約10μm程度と薄いため、加工用レーザがピットの形成される反射面12を焼き切ってしまうからである。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本願発明によれば、成形後の光ディスクの印刷面側に加工用レーザを用いて変形を加える後加工を行うことにより、データ再生面側の反射面に前記変形に対応した凸部が形成されて成る検査用ディスクを作成するようにしたので、容易かつ低コストで、少量多品種に対応でき、加工のパターン(レベルを含む)を変えることにより多くのバリエーションの検査用ディスクが作成できる。
【0042】
また、本願発明は、垂直方向加速度が大きくなる傾向があるDVDディスクに適用して、特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る検査用光ディスクとその製造方法を示す概念図。
【図2】上記実施形態における加工前と加工後の断面(拡大図)、面振れ変位、フォーカスエラー波形を示す図。
【図3】加工用レーザによって形成する溝や凹部の各種パターンを示す図。
【図4】上記実施形態における検査用光ディスクの製造方法を具体的に示したフローチャート。
【図5】本願発明をCDに適用する場合の構成及び方法を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 DVDディスク
1a,1b PC(ポリカーボネート)基板
1c ディスク中心孔
2 中間接着層
3 反射面
4 データ再生面
5 印刷面
6 レーザ照射機
7,7a〜7g 溝
7h〜7k 凹部
8 凸部
8a 急峻な面振れ変位
10 CDディスク
11 ディスク基板
12 反射面
13 保護膜
14 印刷面
15 緩衝層

Claims (4)

  1. 成形後の光ディスクにおけるデータ再生面の裏面側に形成される印刷面側から、加工用レーザを照射することにより前記光ディスクの印刷面側に生じる変形に対応して、データ再生面側の反射面に凸部が形成されて成ることを特徴とする検査用光ディスク。
  2. 前記光ディスクが、DVDディスクであることを特徴とする請求項1記載の検査用光ディスク。
  3. 光ディスクの成形後の後加工として、当該光ディスクにおけるデータ再生面の裏面側に形成される印刷面側から、加工用レーザを照射して前記光ディスクの印刷面側に変形を加える工程により、データ再生面側の反射面に前記変形に対応した凸部を形成することを特徴とする検査用ディスクの製造方法。
  4. 前記光ディスクが、DVDディスクであることを特徴とする請求項3記載の検査用光ディスクの製造方法。
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