JP3673586B2 - ドレッシング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超砥粒砥面の目立て、形状修正のためのドレッシングを行うドレッシング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
硝子面取り機の機上に設置した砥石を取り外すことなくドレッシングを行なう装置自体は、例えば、実公平6ー21652号公報に開示されている。この装置は、従来、手作業で行っていたドレッシングを自動化したもので、この装置は、硝子面取りにおけるドレッシングを定期的に行なっていなければ砥粒が目つぶれ等を起こし切れが悪くなり、硝子のチッピングや焼けの誘発を防止する点から有効なものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかるドレッシングにおいては、超砥粒ホイールの砥面の仕上り具合は重要で、これによって研削性能が左右されることになる。砥粒の突出量が高過ぎれば切れは良いがチッピング等がきわめて発生しやすい。また、脱粒も起こしやすく高切味は長く続かない。逆に低過ぎると切味が悪く焼けの原因となり、焼けが多発すればドレッシングを行っても回復しづらく研削砥石のライフを減少させることになる。この点から、この従来の自動ドレッシング装置は、ドレス量の調整機能を有するものではあっても、超砥粒砥面の仕上り具合を判断できる機能を有していない。
【0004】
また、砥粒突出量の調整に際しては、ドレッシング時の突出量を把握する必要がある。ところが、この突出量の把握は通常顕微鏡法や電気マイクロメーター法等が知られているが、これらの方法は、試験的レベルでは使用できるがラインでの実作業では、砥石、装置のセッティング及び測定時間が長くかかり使用するのが困難である。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ドレッシング装置に、超砥粒ホイール砥面のドレスによる仕上り状態を把握するために、手間を要することなく、短時間内に砥粒突出量を把握するための機能を持たせることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のドレッシング装置は、超砥粒ホイールを軸支する駆動機に超砥粒ホイールの回転作動中の負荷を計測する回転抵抗計を組み込み、この回転抵抗計によって得られた抵抗変動値に連動する砥石押圧手段を設けたドレッシング装置であって、超砥粒砥面が仕上げられる過程で得られた回転抵抗値と砥粒突出量との関係から、超砥粒砥面が仕上げられる過程で超砥粒が最も高性能となる砥粒突出量の時の回転抵抗値を記録し、この記録した回転抵抗値に基づいて砥石押圧手段の押圧量を自動制御手段を介して制御することを特徴とする。
【0007】
回転抵抗値は、一定のドレス条件下で砥粒突出量と反比例する。この関係から、回転抵抗値から、砥粒突出量が得られ、これによって超砥粒砥面の仕上り具合を把握できる。この超砥粒砥面が仕上げられる過程で、超砥粒が最も高性能となる砥粒突出量の時の回転抵抗値を記録して、CPUにインプットすることにより、理想的な仕上がりを常時再現することができる。
【0008】
このようにドレッシングした砥面の仕上りはばらつきが少なくなることはもちろん、常に、超砥粒ホイールによる研削の切味、耐用性が一定し、加工品質も優れたものが得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
駆動機とドレッシング砥石を押圧する手段との連動は、CPUのような自動制御機構を介して行なうことができ、砥粒突出量との関連によって砥石押圧手段の押圧量を制御する自動制御手段を介して超砥粒ホイールへのドレッシング量、ドレッシング送りを制御し、押圧量、送り速度の条件設定を行うことができる。
【0010】
【実施例】
図1は超砥粒ホイールを旋盤の駆動軸に回転抵抗計を組み込んだ例を示し、図2は、図1を上方から見た図である。
【0011】
図中、超砥粒ホイール1の研削面をドレッシングするドレッシング砥石2は、保持部3に保持されており、保持部3内でドレス方向に対して前後に滑動できるようになっている。ドレッシング砥石2の後縁端側には、この砥石を押し込むための前後往復移動可能なプレート4が設けられており、このプレート4は押圧手段6によって加圧されると前方へ水平移動し、ドレッシング砥石2を超砥粒ホイール1の研削面へ接圧する動作を行う。また、プレート4には、仕切り板5を挟んでバネ7を取り付けており、プレートの前方移動と共にバネ7は引張り伸ばされ、また、押圧手段6からの加圧が除去されれば、バネ弾性によりプレートは後方へ戻る仕組みになっている。8は、2、3、4、5、6、7より構成される押圧手段の位置決めを行うためのリニアガイドを示す。
【0012】
超砥粒ホイール1を回転させる回転駆動部11には、超砥粒ホイール1がドレッシングの際、受ける負荷を検出するための回転抵抗計12が組み込まれており、この回転抵抗計12による測定値は、CPU制御操作盤10を介して、押圧手段6と、リニアガイドの駆動源となるステッピングモーター9と連結されている。このステッピングモーター9はボールネジと直結していて、ステッピングモーターを作動させるとボールネジが回転し、リニアガイドを移動させる。ドレッシング前後の位置決め時にCPUでプログラムコントロールできる。その操作は、制御盤10によって行われる。
【0013】
以下に、このドレッシング装置の動作について説明する。
【0014】
最初に、ステッピングモーター9を作動させて、超砥粒ホイール1のドレッシングが可能なように位置決めを行う。次いで、押圧手段6のシリンダーを駆動して、プレート4を前方へ移動させて、保持部3に収容されているドレッシング砥石2を超砥粒ホイール1へ接圧させる。このとき超砥粒ホイール1は回転中であり、そのとき、回転抵抗計12も起動中でありドレッシング開始によって超砥粒ホイール1のドレッシングに際しての回転抵抗を計測する。図3は、ホイール仕様がSD140−25Mメタルホイールを使用して、ドレッシング部材送り速度8mm/min、ドレッシング砥石 WA 150HV、ホイール回転速度 1500m/minの条件下でのドレッシング量における砥粒突出量とドレス抵抗の関係を示す。同図に示すように、ドレッシングによる研削量の増大と共に、超砥粒ホイール1によるドレッシングは進行して、砥粒突出量の増大と共に回転抵抗値は減少する。
【0015】
このような条件下で、回転抵抗値が設定された値(最適砥粒突出量となる回転抵抗値)に達すると、CPUによってリミッタが働き押圧手段による加圧が止まりドレッシングは終了する。同時にプレート4は無負荷状態となり元の位置まで戻る。この場合、プレート4の往復運動によりドレッシング砥石を押し出すことができるが超砥粒ホイールの厚みが変わる場合はドレッシング砥石保持部等の寸法も変わることになる。
【0016】
図4は、図3に示す条件の下で、最適砥粒突出量 39.6μmに調整して得た超砥粒砥面を用いての研削結果を、砥粒突出量がそれぞれ、54μmのときと、28μmのときと対比して調べた結果を示す。この結果から、最適砥粒突出量の超砥粒ホイールは、終始安定した消費電力で切れ味を持続し、図5に示すように、最も研削比が高い結果となった。これに対して、他の条件の場合は、研削初期が不安定で研削比は低い。
【0017】
上記実施例の場合も、超砥粒ホイールが1枚の場合について説明したが、1枚に限らず、数枚セットの場合にも、保持部を並列に配置することで適用が可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明によって以下の効果を奏する。
【0019】
(1) 直接的に砥粒突出量を測定することなく、ドレス時の負荷を回転抵抗計によって読み取ることだけで、短時間内での砥粒突出量の制御が可能となる。
【0020】
(2) その結果、基礎データを基に、最適砥粒突出量に調整して、実研削において安定した切味とともに、高寿命を得ることができる。
【0021】
(3) ドレッシングは、被ドレッシング材を取り外すことなく機上で行うものであり、手間をかけずドレッシングが可能である。
【0022】
(4) 常に、簡単に最適砥粒突出量に調整してのドレッシングが可能であるので安定した切味、高寿命はもちろん不良率低下、ドレスインターバルの延長等に効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のドレッシング装置の実施例を側面から見た図を示す。
【図2】 同じくドレッシング装置の実施例を上方から見た図である。
【図3】 砥粒突出量とドレス抵抗の関係を示す。
【図4】 最適砥粒突出量の下での研削結果を他の例とともに示す。
【図5】 最適砥粒突出量の下での研削比を他の例とともに示す。
【符号の説明】
1 超砥粒ホイール 2 ドレッシング砥石 3 保持部 4プレート 5 仕切り板 6 押圧手段 7 バネ 8 リニアガイド 9 ステッピングモーター 10 制御盤 11 回転駆動部 12 回転抵抗計
Claims (1)
- 超砥粒ホイールを軸支する駆動機に超砥粒ホイールの回転作動中の負荷を計測する回転抵抗計を組み込み、この回転抵抗計によって得られた抵抗変動値に連動する砥石押圧手段を設けたドレッシング装置であって、
超砥粒砥面が仕上げられる過程で得られた回転抵抗値と砥粒突出量との関係から、超砥粒砥面が仕上げられる過程で超砥粒が最も高性能となる砥粒突出量の時の回転抵抗値を記録し、
この記録した回転抵抗値に基づいて砥石押圧手段の押圧量を自動制御手段を介して制御するドレッシング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02699396A JP3673586B2 (ja) | 1996-02-14 | 1996-02-14 | ドレッシング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02699396A JP3673586B2 (ja) | 1996-02-14 | 1996-02-14 | ドレッシング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09225825A JPH09225825A (ja) | 1997-09-02 |
JP3673586B2 true JP3673586B2 (ja) | 2005-07-20 |
Family
ID=12208693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02699396A Expired - Lifetime JP3673586B2 (ja) | 1996-02-14 | 1996-02-14 | ドレッシング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3673586B2 (ja) |
-
1996
- 1996-02-14 JP JP02699396A patent/JP3673586B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09225825A (ja) | 1997-09-02 |
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