JP3673006B2 - シラン系ガスの除害方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シラン系ガスの除害方法に関し、有害なシラン系ガスを含む排ガス、特に、モノシラン,ジシランの少なくとも一種を含む排ガスを固体処理剤に接触させて除害する乾式除害方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程では、シラン,アルシン,ホスフィン等の有害な揮発性無機水素化物が原料ガスとして使われており、製造工程から排出される排ガス中にも、これらの有害ガス成分が含まれる。このため、この排ガスを大気に排出する前に、排ガス中に含まれるこれら有害成分を除去乃至無害化する必要がある。
【0003】
一般に、前記有害成分に対して酸化銅が除害作用を示すことが知られており、従来、有害成分を除害する方法としては、前記排ガスを、酸化銅を反応主成分とする固体除害剤に接触させる方法が採用されていた。また、この固体除害剤としては、通常、酸化銅をアルミナ担体に担持させたものが多く使われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、揮発性無機水素化物を含む排ガスを、上述の酸化銅をアルミナ担体に担持させた通常の除害剤に接触させた場合、アルシンやホスフィンは効果的に除害することができるが、シランに対しては充分な除害効果が得られない。
【0005】
したがって、酸化銅を反応主成分とする除害剤でシランを含む排ガスを除害処理しようとすると、大量の除害剤を必要としたり、頻繁に除害剤の交換を行わなければならず、コストが嵩み、煩雑さを免れなかった。
【0006】
例えば、酸化銅をアルミナ担体に担持した除害剤に排ガスを接触させて除害する場合、除害剤1kg当たりの処理量が、アルシンに対しては100リットル程度、ホスフィンに対しては70リットル程度あるのに比べて、シランに対しては20リットル程度しかない。このように、酸化銅は、アルシンやホスフィンに対しては有効な除害能力を有するが、シランに対しては除害能力が低く実用性に乏しい。
【0007】
そこで、本発明者らは、酸化銅を反応主成分とする除害剤が、シランに対して処理能力が低いという欠点を克服し、シランに対しても有効に使用できる方法を開発することを目的として鋭意研究を重ねた。その結果、シラン系ガスの水素の一部又は全部がハロゲン原子に置換されたハロゲン化物に対しては、酸化第二銅が大きな除害能力を有していることを知見した。例えば、シラン分子の水素原子2個が塩素原子に置換したジクロロシランの場合、酸化第二銅をアルミナ担体に担持させた除害剤は、除害剤1kg当たり、ジクロロシラン70リットルの処理能力を有している。
【0008】
すなわち、酸化第二銅を除害剤として用いた場合、シランの一部の水素をハロゲンで置換することにより、シランを間接的に除害することが可能になる。さらに鋭意考究したところ、シラン系ガスの一部の水素をハロゲンで置換するための処理剤としては、塩化第二銅が効果的であることを見出した。
【0009】
また、除害効果をより高めるために他の処理剤との組合わせを検討したところ、特定の鉄化合物が、シラン系ガスの一部の水素をハロゲンで置換した化合物に対する処理能力が高く、これを組合わせることによってシラン系ガスの除害能力を更に高めることが可能であることを見出だした。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のシラン系ガスの除害方法は、上記知見に基づいてなされたもので、シラン系ガスを含む排ガスを、塩化第二銅を反応主成分とする処理剤に接触させた後、好ましくは酸化第二鉄,水酸化第二鉄,酸化水酸化第二鉄の少なくともいずれか一種を反応主成分とする処理剤に接触させてから、酸化第二銅を反応主成分とする除害剤に接触させることを特徴としている。
【0011】
上述のように、シラン系ガス、例えばシランを含む排ガスを酸化第二銅に接触させる前に、塩化第二銅を反応主成分とする処理剤に接触させてシラン分子の水素原子の一部又は全部を塩素に置換し、生成したジクロロシラン等の塩化物を酸化第二銅に接触させて除害処理することにより、結果的にシランの除害処理を行ったことになる。
【0012】
塩化第二銅を反応主成分とする処理剤は、例えば、アルミナ担体を塩化第二銅水溶液に含浸させ、該アルミナ担体に塩化第二銅を担持させたものが好適に使用できる。
【0013】
また、前記酸化第二鉄,水酸化第二鉄,酸化水酸化第二鉄は、前記塩化物に対する除害能力が優れているので、シランを含む排ガスを前記塩化第二銅を反応主成分とする処理剤に接触させてシラン分子の水素原子の一部又は全部を塩素に置換した後、これを酸化第二鉄,水酸化第二鉄,酸化水酸化第二鉄の少なくともいずれか一種を反応主成分とする処理剤に接触させることにより、シランから生成した塩化物の除害処理を行うことができる。
【0014】
したがって、シランを塩化第二銅に接触させた後に、上記鉄化合物に接触させることにより、次の酸化第二銅の負担を軽減することができ、トータルとしてより多くのシランを処理することが可能になる。
【0015】
さらに、上述の塩化第二銅や鉄化合物は、酸化第二銅に比べて安価であるから、これらの処理剤を組合わせて除害処理を行うことにより、処理能力の向上効果から総合的な処理コストを低減することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。
比較例1
酸化第二銅(CuO)73重量%及び酸化アルミニウム(Al2 O3 )27重量%からなる共沈物を焼結した後、粉砕・打錠して直径3mm、長さ5mmのペレットに成形し、酸化第二銅を反応主成分とする除害剤を得た。この除害剤を、内径43mmのカラムに200g充填し、該カラムにシラン類を含む試験ガスを流して除害挙動を調べた。
【0017】
試験ガスには、モノシラン,ジシラン,ジクロロシラン,トリクロロシラン,四塩化ケイ素を、それぞれ1容量%含む窒素ガスを使用し、空筒速度を毎秒1cmとして前記カラムに導入した。そして、カラム出口の各シラン類の濃度を隔膜電極式ガスモニターで測定し、破過濃度を5ppmとした。なお、前記ガスモニターには、モノシラン,ジシランに対してはバイオニクス社製TG−4000を、塩素化物に対しては同社製TG−3400を用いた。破過するまでの各シラン類の供給量から、除害剤1kg当たりの各シラン類の処理量(リットル)を求めた。その結果を次に示す。
【0018】
モノシラン 20
ジシラン 21
ジクロロシラン 70
トリクロロシラン 23
四塩化ケイ素 31
【0019】
このように、酸化第二銅を反応主成分とする除害剤は、シラン系ガスの処理量よりも塩素化物の処理量の方が大きかった。したがって、シラン系ガスを除害処理するにあたっては、シラン系ガスをあらかじめ塩素化物に転化できれば、処理量が向上すると推察した。
【0020】
実施例1
アルミナ担体を塩化第二銅(CuCl2 )水溶液に浸漬後乾燥して、塩化第二銅15%を含む処理剤を作成した。この処理剤を比較例1のカラム内の除害剤の上流側に200g充填した。このカラムに、モノシランを1容量%含む窒素ガスを、空筒速度毎秒1cmで流し、比較例1と同様にして除害剤1kg当たりのモノシランの処理量を求めた。その結果、処理量は40リットルになった。すなわち、除害剤1kg当たりのモノシランの処理量が、比較例1の除害剤のみでは20リットルであったものが、除害剤の上流に塩化第二銅を含む処理剤を配置したことにより、2倍の40リットルに向上した。
【0021】
実施例2及び比較例2
試験ガスとしてモノシランを1容量%含む水素ガスを用いた以外は、実施例1及び比較例1と同様の実験を行った。その結果、除害剤のみのときの処理量が22リットルであったのに対し、除害剤の上流に塩化第二銅を含む処理剤を配置した場合は、処理量が43リットルとなり、約2倍になった。
【0022】
実施例3
比較例1と同じカラムに、実施例1と同様の手順で作成した塩化第二銅を25%含む処理剤300gと、その下流に、比較例1と同様の酸化第二銅を反応主成分とする除害剤200gをそれぞれ充填し、ここにモノシランを1容量%含む窒素ガスを、空筒速度毎秒1cmで流し、比較例1と同様にして除害剤1kg当たりのモノシランの処理量を求めた。その結果、処理量は70リットルとなり、比較例1に比べて処理能力が3.5倍に向上した。
【0023】
実施例4
比較例1と同じカラムに、実施例1と同様の手順で作成した塩化第二銅を25%含む処理剤300gと、その下流に、酸化第二鉄を70%含む処理剤(残部は酸化ケイ素)70gと、さらにその下流に比較例1と同様の酸化第二銅を反応主成分とする除害剤200gをそれぞれ充填し、ここにモノシランを1容量%含む窒素ガスを、空筒速度毎秒1cmで流し、比較例1と同様にして除害剤1kg当たりのモノシランの処理量を求めた。その結果、処理量は100リットルとなり、比較例1に比べて処理能力が5倍に向上し、酸化第二鉄を使用しなかった実施例3に対しても、その処理能力が1.4倍に向上した。
【0024】
比較例3
比較例1と同じカラムに、実施例1と同様の手順で作成した塩化第二銅を25%含む処理剤300gと、その下流に、酸化第二鉄を70%含む処理剤(残部は酸化ケイ素)70gとをそれぞれ充填し、ここにモノシランを1容量%含む窒素ガスを、空筒速度毎秒1cmで流したところ、カラムから流出するガス中のモノシラン濃度が最初から5ppmを超えており、必要な除害能力を得ることができなかった。
【0025】
実施例5
試験ガスとしてジシランを1容量%含む窒素ガスを用いた以外は、実施例1と同様の実験を行った。その結果、除害剤のみのときの処理量が21リットルであったものが、除害剤の上流に塩化第二銅を含む処理剤を配置したことにより、処理量が約2倍の43リットルに向上した。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、酸化第二銅を反応主成分とする除害剤を、シラン系ガスに対しても有効に使用することができ、トータルとしての処理コストの低減も図れる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、シラン系ガスの除害方法に関し、有害なシラン系ガスを含む排ガス、特に、モノシラン,ジシランの少なくとも一種を含む排ガスを固体処理剤に接触させて除害する乾式除害方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程では、シラン,アルシン,ホスフィン等の有害な揮発性無機水素化物が原料ガスとして使われており、製造工程から排出される排ガス中にも、これらの有害ガス成分が含まれる。このため、この排ガスを大気に排出する前に、排ガス中に含まれるこれら有害成分を除去乃至無害化する必要がある。
【0003】
一般に、前記有害成分に対して酸化銅が除害作用を示すことが知られており、従来、有害成分を除害する方法としては、前記排ガスを、酸化銅を反応主成分とする固体除害剤に接触させる方法が採用されていた。また、この固体除害剤としては、通常、酸化銅をアルミナ担体に担持させたものが多く使われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、揮発性無機水素化物を含む排ガスを、上述の酸化銅をアルミナ担体に担持させた通常の除害剤に接触させた場合、アルシンやホスフィンは効果的に除害することができるが、シランに対しては充分な除害効果が得られない。
【0005】
したがって、酸化銅を反応主成分とする除害剤でシランを含む排ガスを除害処理しようとすると、大量の除害剤を必要としたり、頻繁に除害剤の交換を行わなければならず、コストが嵩み、煩雑さを免れなかった。
【0006】
例えば、酸化銅をアルミナ担体に担持した除害剤に排ガスを接触させて除害する場合、除害剤1kg当たりの処理量が、アルシンに対しては100リットル程度、ホスフィンに対しては70リットル程度あるのに比べて、シランに対しては20リットル程度しかない。このように、酸化銅は、アルシンやホスフィンに対しては有効な除害能力を有するが、シランに対しては除害能力が低く実用性に乏しい。
【0007】
そこで、本発明者らは、酸化銅を反応主成分とする除害剤が、シランに対して処理能力が低いという欠点を克服し、シランに対しても有効に使用できる方法を開発することを目的として鋭意研究を重ねた。その結果、シラン系ガスの水素の一部又は全部がハロゲン原子に置換されたハロゲン化物に対しては、酸化第二銅が大きな除害能力を有していることを知見した。例えば、シラン分子の水素原子2個が塩素原子に置換したジクロロシランの場合、酸化第二銅をアルミナ担体に担持させた除害剤は、除害剤1kg当たり、ジクロロシラン70リットルの処理能力を有している。
【0008】
すなわち、酸化第二銅を除害剤として用いた場合、シランの一部の水素をハロゲンで置換することにより、シランを間接的に除害することが可能になる。さらに鋭意考究したところ、シラン系ガスの一部の水素をハロゲンで置換するための処理剤としては、塩化第二銅が効果的であることを見出した。
【0009】
また、除害効果をより高めるために他の処理剤との組合わせを検討したところ、特定の鉄化合物が、シラン系ガスの一部の水素をハロゲンで置換した化合物に対する処理能力が高く、これを組合わせることによってシラン系ガスの除害能力を更に高めることが可能であることを見出だした。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のシラン系ガスの除害方法は、上記知見に基づいてなされたもので、シラン系ガスを含む排ガスを、塩化第二銅を反応主成分とする処理剤に接触させた後、好ましくは酸化第二鉄,水酸化第二鉄,酸化水酸化第二鉄の少なくともいずれか一種を反応主成分とする処理剤に接触させてから、酸化第二銅を反応主成分とする除害剤に接触させることを特徴としている。
【0011】
上述のように、シラン系ガス、例えばシランを含む排ガスを酸化第二銅に接触させる前に、塩化第二銅を反応主成分とする処理剤に接触させてシラン分子の水素原子の一部又は全部を塩素に置換し、生成したジクロロシラン等の塩化物を酸化第二銅に接触させて除害処理することにより、結果的にシランの除害処理を行ったことになる。
【0012】
塩化第二銅を反応主成分とする処理剤は、例えば、アルミナ担体を塩化第二銅水溶液に含浸させ、該アルミナ担体に塩化第二銅を担持させたものが好適に使用できる。
【0013】
また、前記酸化第二鉄,水酸化第二鉄,酸化水酸化第二鉄は、前記塩化物に対する除害能力が優れているので、シランを含む排ガスを前記塩化第二銅を反応主成分とする処理剤に接触させてシラン分子の水素原子の一部又は全部を塩素に置換した後、これを酸化第二鉄,水酸化第二鉄,酸化水酸化第二鉄の少なくともいずれか一種を反応主成分とする処理剤に接触させることにより、シランから生成した塩化物の除害処理を行うことができる。
【0014】
したがって、シランを塩化第二銅に接触させた後に、上記鉄化合物に接触させることにより、次の酸化第二銅の負担を軽減することができ、トータルとしてより多くのシランを処理することが可能になる。
【0015】
さらに、上述の塩化第二銅や鉄化合物は、酸化第二銅に比べて安価であるから、これらの処理剤を組合わせて除害処理を行うことにより、処理能力の向上効果から総合的な処理コストを低減することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。
比較例1
酸化第二銅(CuO)73重量%及び酸化アルミニウム(Al2 O3 )27重量%からなる共沈物を焼結した後、粉砕・打錠して直径3mm、長さ5mmのペレットに成形し、酸化第二銅を反応主成分とする除害剤を得た。この除害剤を、内径43mmのカラムに200g充填し、該カラムにシラン類を含む試験ガスを流して除害挙動を調べた。
【0017】
試験ガスには、モノシラン,ジシラン,ジクロロシラン,トリクロロシラン,四塩化ケイ素を、それぞれ1容量%含む窒素ガスを使用し、空筒速度を毎秒1cmとして前記カラムに導入した。そして、カラム出口の各シラン類の濃度を隔膜電極式ガスモニターで測定し、破過濃度を5ppmとした。なお、前記ガスモニターには、モノシラン,ジシランに対してはバイオニクス社製TG−4000を、塩素化物に対しては同社製TG−3400を用いた。破過するまでの各シラン類の供給量から、除害剤1kg当たりの各シラン類の処理量(リットル)を求めた。その結果を次に示す。
【0018】
モノシラン 20
ジシラン 21
ジクロロシラン 70
トリクロロシラン 23
四塩化ケイ素 31
【0019】
このように、酸化第二銅を反応主成分とする除害剤は、シラン系ガスの処理量よりも塩素化物の処理量の方が大きかった。したがって、シラン系ガスを除害処理するにあたっては、シラン系ガスをあらかじめ塩素化物に転化できれば、処理量が向上すると推察した。
【0020】
実施例1
アルミナ担体を塩化第二銅(CuCl2 )水溶液に浸漬後乾燥して、塩化第二銅15%を含む処理剤を作成した。この処理剤を比較例1のカラム内の除害剤の上流側に200g充填した。このカラムに、モノシランを1容量%含む窒素ガスを、空筒速度毎秒1cmで流し、比較例1と同様にして除害剤1kg当たりのモノシランの処理量を求めた。その結果、処理量は40リットルになった。すなわち、除害剤1kg当たりのモノシランの処理量が、比較例1の除害剤のみでは20リットルであったものが、除害剤の上流に塩化第二銅を含む処理剤を配置したことにより、2倍の40リットルに向上した。
【0021】
実施例2及び比較例2
試験ガスとしてモノシランを1容量%含む水素ガスを用いた以外は、実施例1及び比較例1と同様の実験を行った。その結果、除害剤のみのときの処理量が22リットルであったのに対し、除害剤の上流に塩化第二銅を含む処理剤を配置した場合は、処理量が43リットルとなり、約2倍になった。
【0022】
実施例3
比較例1と同じカラムに、実施例1と同様の手順で作成した塩化第二銅を25%含む処理剤300gと、その下流に、比較例1と同様の酸化第二銅を反応主成分とする除害剤200gをそれぞれ充填し、ここにモノシランを1容量%含む窒素ガスを、空筒速度毎秒1cmで流し、比較例1と同様にして除害剤1kg当たりのモノシランの処理量を求めた。その結果、処理量は70リットルとなり、比較例1に比べて処理能力が3.5倍に向上した。
【0023】
実施例4
比較例1と同じカラムに、実施例1と同様の手順で作成した塩化第二銅を25%含む処理剤300gと、その下流に、酸化第二鉄を70%含む処理剤(残部は酸化ケイ素)70gと、さらにその下流に比較例1と同様の酸化第二銅を反応主成分とする除害剤200gをそれぞれ充填し、ここにモノシランを1容量%含む窒素ガスを、空筒速度毎秒1cmで流し、比較例1と同様にして除害剤1kg当たりのモノシランの処理量を求めた。その結果、処理量は100リットルとなり、比較例1に比べて処理能力が5倍に向上し、酸化第二鉄を使用しなかった実施例3に対しても、その処理能力が1.4倍に向上した。
【0024】
比較例3
比較例1と同じカラムに、実施例1と同様の手順で作成した塩化第二銅を25%含む処理剤300gと、その下流に、酸化第二鉄を70%含む処理剤(残部は酸化ケイ素)70gとをそれぞれ充填し、ここにモノシランを1容量%含む窒素ガスを、空筒速度毎秒1cmで流したところ、カラムから流出するガス中のモノシラン濃度が最初から5ppmを超えており、必要な除害能力を得ることができなかった。
【0025】
実施例5
試験ガスとしてジシランを1容量%含む窒素ガスを用いた以外は、実施例1と同様の実験を行った。その結果、除害剤のみのときの処理量が21リットルであったものが、除害剤の上流に塩化第二銅を含む処理剤を配置したことにより、処理量が約2倍の43リットルに向上した。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、酸化第二銅を反応主成分とする除害剤を、シラン系ガスに対しても有効に使用することができ、トータルとしての処理コストの低減も図れる。
Claims (2)
- モノシラン,ジシラン等のシラン系ガスを含む排ガスを、塩化第二銅を反応主成分とする処理剤に接触させた後、酸化第二銅を反応主成分とする除害剤に接触させることを特徴とするシラン系ガスの除害方法。
- モノシラン,ジシラン等のシラン系ガスを含む排ガスを、塩化第二銅を反応主成分とする処理剤に接触させた後、酸化第二鉄,水酸化第二鉄,酸化水酸化第二鉄の少なくともいずれか一種を反応主成分とする処理剤に接触させ、次いで酸化第二銅を反応主成分とする除害剤に接触させることを特徴とするシラン系ガスの除害方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05295396A JP3673006B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | シラン系ガスの除害方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05295396A JP3673006B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | シラン系ガスの除害方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09239239A JPH09239239A (ja) | 1997-09-16 |
JP3673006B2 true JP3673006B2 (ja) | 2005-07-20 |
Family
ID=12929253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP05295396A Expired - Fee Related JP3673006B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | シラン系ガスの除害方法 |
Country Status (1)
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JP2010221097A (ja) * | 2009-03-19 | 2010-10-07 | Jx Nippon Oil & Energy Corp | 排ガス処理装置および排ガス処理方法 |
WO2011111403A1 (ja) | 2010-03-12 | 2011-09-15 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 排ガス処理システム |
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1996
- 1996-03-11 JP JP05295396A patent/JP3673006B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09239239A (ja) | 1997-09-16 |
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