JP3672984B2 - 弾性を有するコンクリートブロックおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性を有するコンクリートブロックおよびその製造方法に関し、また、特には使用済みのブチルチューブ等を再利用する新しい方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路、歩道等に使用されている舗装材としては、コンクリート製、ゴム製、プラスチック製、木製、石製の各舗装材があり、また、これらの舗装材を複合積層させたものもある。近年、舗装道路の景観美のために、これらの舗装材をカラー化し、組み合わせることにより、景観を良くすることが流行している。
【0003】
ゴム製の舗装材としては、粉末ゴムをウレタン等のバインダーで固めたものや、固型ゴムを原料として成形したものがある。しかし、これらの舗装材は、弾性は有しているものの、生産性が低く、コストが高いために、市場における競争力が乏しい。プラスチック製の舗装材や、木製の舗装材も、コストが高い。このため、ゴム製、プラスチック製、木製の舗装材の用途は、いずれも特殊な場所に限られている。これに対して、コンクリート製の舗装材は、生産性が高く、コストが低いために、現在のところ広く普及している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コンクリート製の舗装材は、弾性がなく、硬度が大きすぎる。このために、歩きにくく、歩行時に足に対して負担ないしショックがあるために、疲労が蓄積し易く、この点で良好な舗装材ではない。また、歩行時に路面で発生する騒音が大きい。更には、歩行者が転倒したときに怪我をする危険がある。
【0005】
本発明の課題は、製造が容易であって、製造コストの低いコンクリートブロックにおいて、この利点を維持しつつ、コンクリートブロックに対して弾性を付与することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セメント、水および骨材を含む混合物を硬化させてなるコンクリートの中に、加硫ブチルゴムの粉末を再生処理して得られた再生ブチルゴム粒子を含有していることを特徴とする、弾性を有するコンクリートブロックに係るものである。
【0007】
また、本発明は、加硫ブチルゴムの粉末を加圧下で熱処理することによって再生ブチルゴム粒子を得、この再生ブチルゴム粒子を、セメント、水および骨材を含む生コンクリートの中に混合および成形することを特徴とする、弾性を有するコンクリートブロックの製造方法に係るものである。
【0008】
本発明者は、加硫されたブチルゴムを粉砕し、それに圧力と熱を加え、再生して再生ブチルゴム粒子を製造した。そして、この再生ブチルゴム粒子を、セメント、水および骨材と共に攪拌して、ほぼ均一に混合し、この混合物を成形することによって、インターロッキングブロックを作成してみた。この結果、コンクリートブロックに思いがけず極めて良好な弾性が発現することを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
しかも、この製造方法は、従来の通常のインターロッキングブロック等の製造方法と同様にして、実施できるものであった。また、再生ブチルゴム粒子の原料も、タイヤチューブ等のリサイクル材料を使用できるものであって、コストが低い。従って、このコンクリートブロックのコストを低く維持することができる。
【0010】
そして、このコンクリートブロックの上を歩行したときに、ブロックの表層に弾力性があるため、歩きやすく、足に対する負担が軽減され、歩行による疲労感が軽減される。また、歩行時に路面で発生する騒音が、著しく軽減されたし、ゴム弾性があるために、舗装路上で歩行者が転倒しても、歩行者の安全性が確保される。更に、再生ブチルゴム粒子がコンクリートと一体化しているため、使用に際して、コンクリートブロックの表面から再生ブチルゴム粒子が離脱することもなかった。本発明によって、このような優れた特性を有するコンクリートブロックを低コストで提供できるようになった。こうしたインターロッキングコンクリートブロック3の1つの平面的形態を、図1に例示する。
【0011】
弾性が発現する機構は、次のように推定される。即ち、再生ブチルゴム粒子を生コンクリート中に配合し、混練すると、セメントが硬化する際に、再生ブチルゴム粒子が生モルタルに対して化学的に結合し、付着する。例えば、図2に模式的に示すように、コンクリートの粗骨材1の隙間に再生ブチルゴム粒子2が入り込み、この再生ブチルゴム粒子が粗骨材1と結合することによって、連鎖的結合の網目構造が形成される。このように多数の粗骨材が再生ブチルゴム粒子2によって連鎖的に結合されることによって、弾性が発現するものと考えられる。
【0012】
この化学的結合については、セメント中に含まれる金属酸化物(例えばCaO,SiO2 ,Al2 O3 、Fe2 O3 )が、混合物中の水の存在下で金属水酸化物に変わり、この金属水酸化物が、再生ブチルゴム粒子の活性基(例えばカルボキシル基およびヒドロペルオキシド基)とイオン反応を起こす。
【0013】
また、透水性配合に従って、生コンクリートを配合するのが好ましい。即ち、通常の生コンクリートの配合によると、生モルタル中に再生ブチルゴム粒子が入り込み、弾性効果が発現しにくくなることがある。しかし、透水性配合を採用することによって、骨材と骨材との接着部の間に再生ゴム粒子が入り易くなり、従って、コンクリートブロックの弾性が発現し易くなるためである。
【0014】
本発明においては、加硫ブチルゴム粉末を再生処理することによって、再生ブチルゴム粒子を製造する必要がある。ここで、「再生」とは、加硫ブチルゴム粉末から硫黄を除去する共に、ゴムを構成する高分子量物質を低分子量化することを言う。
【0015】
更に詳しく述べると、加硫ブチルゴムの成形体を、グラインダーロール等で粉砕して加硫ブチルゴム粉末を製造し、この粉末を、高温、高圧下に放置することによって、再生処理を行う。この際、使用する加硫ブチルゴムの物性に応じて、再生剤を使用するかしないかを決定する。再生剤を使用する場合には、再生剤の種類および使用量を決定する。また,これと同時に、再生の度合いを調整する。例えば、再生ブチルゴム粒子の表面のみを再生するか、あるいは再生ブチルゴム粒子の全体を再生するかを、決定する。
【0016】
再生を行う際の温度は、150〜200℃とすることが好ましく、160〜170℃とすることが一層好ましい。また、再生を行う際の圧力は、15〜20kg/cm2 とすることが好ましく、16〜18kg/cm2 とすることが一層好ましい。
【0017】
再生剤とは、加硫ブチルゴムの脱硫と低分子化とを促進する物質を意味しているが、特に、芳香族系のオイルが好ましい。こうした芳香族系のオイルとしては、例えば、「AH−10」「AH−12」芳香族系炭化水素を例示できる。また、この再生方法自体の詳細については、「再生ゴム」(日本ゴム協会編)に記載されている。
【0018】
また、再生ブチルゴム粒子に粘着剤等を加え、押し出し成形等することによって、粒形にすることも可能である。このようにして製造された再生ブチルゴム粒子を、セメント、砂および水と共に混合し、この混合物を、例えばインターロッキングブロック成形金型の中に充填し、圧力を加えて成形し、脱型後、養成をし、舗装材として使用する。着色に際しては、セメント業界で使用されている通常の顔料を使用することができる。
【0019】
本発明において、加硫されたブチルゴムとしては、例えば古タイヤの加硫ブチルゴムチューブを使用できる。
再生ブチルゴムの配合量は、セメント、砂および骨材の総重量を100重量部としたときに、1〜30重量部とすることが好ましい。これを1重量部以上とすることによって、弾性が顕著に増大する。また、これを30重量部以下とすることによって、通常のコンクリートブロックと同様に容易に成形できる。
【0020】
【実施例】
(実施例1)
使用済のトラック、バス等の古タイヤチューブを用意した。この古タイヤチーブは、加硫ブチルゴムからなる。
【0021】
このタイヤから金属部分を除去し、ゴム部分をグラインダーロールで細分化(粉砕)し、加硫ブチルゴム粉末を得た。この粉末の粒径は、使用目的によって選択できるが、本実施例においては、1〜10メッシュの粉末を作成した。次に、この粉末100重量部に対して、アロマ系オイル「AH−10」を5重量部加えて攪拌し、この混合物を加圧缶に入れ、15kgf/cm2 の圧力を加えつつ、3時間放置し、取り出した。取り出された混合物(再生ブチルゴム)は、粘着性があり、非常にくっつきやすかったので、再生ブチルゴムの表面にタルクの打粉をしておいた。次に、この再生ブチルゴム粒子をセメント、水、細骨材および粗骨材と混合した。この際、セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、再生ブチルゴム粒子を2重量部とした。
【0022】
この混合物を攪拌し、インターロッキングブロック成形用の型内に入れ、加圧して振動させ、取り出し、養成し、インターロッキングコンクリートブロックを得た。このブロックを敷設して舗装路を形成し、この舗装路について、歩行性、騒音、G(最大加速度)および磨耗性を測定した。G(最大加速度)の試験方法は、「JIS A 6519:体育館用鋼製床下地構成材」に従った。
【0023】
この結果、歩行が快適にでき、疲労感も少なかった。また、歩行時に騒音はほとんど生じなかった。G(最大加速度)は118であった。また、1年使用後においても、表面の剥離は生じなかった。
【0024】
(実施例2)
実施例1と同様にしてインターロッキングコンクリートブロックを作製し、前記の試験を行った。ただし、実施例1において、セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、再生ブチルゴム粒子を5重量部とした。この結果、歩行が快適にでき、疲労感も少なかった。また、歩行時に騒音はほとんど生じなかった。G(最大加速度)は115であった。また、1年使用後においても、表面の剥離は生じなかった。
【0025】
(実施例3)
実施例1と同様にしてインターロッキングコンクリートブロックを作製し、前記の試験を行った。ただし、実施例1において、セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、再生ブチルゴム粒子を10重量部とした。この結果、歩行が快適にでき、疲労感も少なかった。また、歩行時に騒音はほとんど生じなかった。G(最大加速度)は107であった。また、1年使用後においても、表面の剥離は生じなかった。
【0026】
(実施例4)
実施例1と同様にしてインターロッキングコンクリートブロックを作製し、前記の試験を行った。ただし、実施例1において、セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、再生ブチルゴム粒子を15重量部とした。この結果、歩行が快適にでき、疲労感も少なかった。また、歩行時に騒音はほとんど生じなかった。G(最大加速度)は99であった。また、1年使用後においても、表面の剥離は生じなかった。
【0027】
(実施例5)
実施例1と同様にして、再生ブチルゴムを製造した。この再生ブチルゴムに対して粘着剤を加え、押し出し機を用いて、直径5mm、長さ1cmの再生ブチルゴム粒子を製造した。セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、再生ブチルゴム粒子を2重量部とした。
【0028】
この結果、歩行が快適にでき、疲労感も少なかった。また、歩行時に騒音はほとんど生じなかった。G(最大加速度)は117であった。また、1年使用後においても、表面の剥離は生じなかった。
【0029】
(比較例1)
実施例1において、生コンクリート中に再生ブチルゴム粒を加えなかった。この結果、歩行時に靴の裏側に若干の衝撃があるために、長時間歩行すると疲労感が残った。また、歩行時に若干の騒音が生じた。また、G(最大加速度)は125と大きかった。
【0030】
(比較例2)
実施例1において、生コンクリート中に、粒径1〜3mmの加硫ブチルゴム粉末を混合した。ただし、この加硫ブチルゴム粉末を製造する際には、前記の古タイヤチューブを粉砕した。セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、加硫ブチルゴム粒子を10重量部とした。
【0031】
この結果、歩行時に靴の裏側に若干の衝撃があるために、長時間歩行すると疲労感が残った。また、歩行時に若干の騒音が生じた。また、1年間使用すると、表面からゴム粒子の磨耗が生じた。このように、再生していないゴムチップを用いたコンクリートブロックは、使用するに従って、表面が剥離するために、実際の使用に耐えうるものではなかった。
【0032】
これらの結果から明白なように、再生ブチルゴム粒を加えた本発明のコンクリートブロックを用いると、再生ブチルゴム粒を加えない従来のコンクリートブロックを用いた場合と比較して、弾性が付与され、歩行時の快適性が向上し、騒音も軽減された。
【0033】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明のコンクリートブロックによれば、コンクリートブロックの上を歩行したときに、ブロックの表層に弾力性があるため、歩きやすく、足に対する負担が軽減され、歩行による疲労感が軽減される。また、歩行時に路面で発生する騒音が、著しく軽減されたし、ゴム弾性があるために、舗装路上で歩行者が転倒しても、歩行者の安全性が確保される。更に、再生ブチルゴム粒子がコンクリートと一体化しているため、使用に際して、コンクリートブロックの表面から再生ブチルゴム粒子が離脱することもなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインターロッキングコンクリートブロックの平面図である。
【図2】本発明のコンクリートブロックの一部分を拡大して模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 粗骨材
2 再生ブチルゴム粒子
3 インターロッキングコンクリートブロック
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性を有するコンクリートブロックおよびその製造方法に関し、また、特には使用済みのブチルチューブ等を再利用する新しい方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路、歩道等に使用されている舗装材としては、コンクリート製、ゴム製、プラスチック製、木製、石製の各舗装材があり、また、これらの舗装材を複合積層させたものもある。近年、舗装道路の景観美のために、これらの舗装材をカラー化し、組み合わせることにより、景観を良くすることが流行している。
【0003】
ゴム製の舗装材としては、粉末ゴムをウレタン等のバインダーで固めたものや、固型ゴムを原料として成形したものがある。しかし、これらの舗装材は、弾性は有しているものの、生産性が低く、コストが高いために、市場における競争力が乏しい。プラスチック製の舗装材や、木製の舗装材も、コストが高い。このため、ゴム製、プラスチック製、木製の舗装材の用途は、いずれも特殊な場所に限られている。これに対して、コンクリート製の舗装材は、生産性が高く、コストが低いために、現在のところ広く普及している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コンクリート製の舗装材は、弾性がなく、硬度が大きすぎる。このために、歩きにくく、歩行時に足に対して負担ないしショックがあるために、疲労が蓄積し易く、この点で良好な舗装材ではない。また、歩行時に路面で発生する騒音が大きい。更には、歩行者が転倒したときに怪我をする危険がある。
【0005】
本発明の課題は、製造が容易であって、製造コストの低いコンクリートブロックにおいて、この利点を維持しつつ、コンクリートブロックに対して弾性を付与することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セメント、水および骨材を含む混合物を硬化させてなるコンクリートの中に、加硫ブチルゴムの粉末を再生処理して得られた再生ブチルゴム粒子を含有していることを特徴とする、弾性を有するコンクリートブロックに係るものである。
【0007】
また、本発明は、加硫ブチルゴムの粉末を加圧下で熱処理することによって再生ブチルゴム粒子を得、この再生ブチルゴム粒子を、セメント、水および骨材を含む生コンクリートの中に混合および成形することを特徴とする、弾性を有するコンクリートブロックの製造方法に係るものである。
【0008】
本発明者は、加硫されたブチルゴムを粉砕し、それに圧力と熱を加え、再生して再生ブチルゴム粒子を製造した。そして、この再生ブチルゴム粒子を、セメント、水および骨材と共に攪拌して、ほぼ均一に混合し、この混合物を成形することによって、インターロッキングブロックを作成してみた。この結果、コンクリートブロックに思いがけず極めて良好な弾性が発現することを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
しかも、この製造方法は、従来の通常のインターロッキングブロック等の製造方法と同様にして、実施できるものであった。また、再生ブチルゴム粒子の原料も、タイヤチューブ等のリサイクル材料を使用できるものであって、コストが低い。従って、このコンクリートブロックのコストを低く維持することができる。
【0010】
そして、このコンクリートブロックの上を歩行したときに、ブロックの表層に弾力性があるため、歩きやすく、足に対する負担が軽減され、歩行による疲労感が軽減される。また、歩行時に路面で発生する騒音が、著しく軽減されたし、ゴム弾性があるために、舗装路上で歩行者が転倒しても、歩行者の安全性が確保される。更に、再生ブチルゴム粒子がコンクリートと一体化しているため、使用に際して、コンクリートブロックの表面から再生ブチルゴム粒子が離脱することもなかった。本発明によって、このような優れた特性を有するコンクリートブロックを低コストで提供できるようになった。こうしたインターロッキングコンクリートブロック3の1つの平面的形態を、図1に例示する。
【0011】
弾性が発現する機構は、次のように推定される。即ち、再生ブチルゴム粒子を生コンクリート中に配合し、混練すると、セメントが硬化する際に、再生ブチルゴム粒子が生モルタルに対して化学的に結合し、付着する。例えば、図2に模式的に示すように、コンクリートの粗骨材1の隙間に再生ブチルゴム粒子2が入り込み、この再生ブチルゴム粒子が粗骨材1と結合することによって、連鎖的結合の網目構造が形成される。このように多数の粗骨材が再生ブチルゴム粒子2によって連鎖的に結合されることによって、弾性が発現するものと考えられる。
【0012】
この化学的結合については、セメント中に含まれる金属酸化物(例えばCaO,SiO2 ,Al2 O3 、Fe2 O3 )が、混合物中の水の存在下で金属水酸化物に変わり、この金属水酸化物が、再生ブチルゴム粒子の活性基(例えばカルボキシル基およびヒドロペルオキシド基)とイオン反応を起こす。
【0013】
また、透水性配合に従って、生コンクリートを配合するのが好ましい。即ち、通常の生コンクリートの配合によると、生モルタル中に再生ブチルゴム粒子が入り込み、弾性効果が発現しにくくなることがある。しかし、透水性配合を採用することによって、骨材と骨材との接着部の間に再生ゴム粒子が入り易くなり、従って、コンクリートブロックの弾性が発現し易くなるためである。
【0014】
本発明においては、加硫ブチルゴム粉末を再生処理することによって、再生ブチルゴム粒子を製造する必要がある。ここで、「再生」とは、加硫ブチルゴム粉末から硫黄を除去する共に、ゴムを構成する高分子量物質を低分子量化することを言う。
【0015】
更に詳しく述べると、加硫ブチルゴムの成形体を、グラインダーロール等で粉砕して加硫ブチルゴム粉末を製造し、この粉末を、高温、高圧下に放置することによって、再生処理を行う。この際、使用する加硫ブチルゴムの物性に応じて、再生剤を使用するかしないかを決定する。再生剤を使用する場合には、再生剤の種類および使用量を決定する。また,これと同時に、再生の度合いを調整する。例えば、再生ブチルゴム粒子の表面のみを再生するか、あるいは再生ブチルゴム粒子の全体を再生するかを、決定する。
【0016】
再生を行う際の温度は、150〜200℃とすることが好ましく、160〜170℃とすることが一層好ましい。また、再生を行う際の圧力は、15〜20kg/cm2 とすることが好ましく、16〜18kg/cm2 とすることが一層好ましい。
【0017】
再生剤とは、加硫ブチルゴムの脱硫と低分子化とを促進する物質を意味しているが、特に、芳香族系のオイルが好ましい。こうした芳香族系のオイルとしては、例えば、「AH−10」「AH−12」芳香族系炭化水素を例示できる。また、この再生方法自体の詳細については、「再生ゴム」(日本ゴム協会編)に記載されている。
【0018】
また、再生ブチルゴム粒子に粘着剤等を加え、押し出し成形等することによって、粒形にすることも可能である。このようにして製造された再生ブチルゴム粒子を、セメント、砂および水と共に混合し、この混合物を、例えばインターロッキングブロック成形金型の中に充填し、圧力を加えて成形し、脱型後、養成をし、舗装材として使用する。着色に際しては、セメント業界で使用されている通常の顔料を使用することができる。
【0019】
本発明において、加硫されたブチルゴムとしては、例えば古タイヤの加硫ブチルゴムチューブを使用できる。
再生ブチルゴムの配合量は、セメント、砂および骨材の総重量を100重量部としたときに、1〜30重量部とすることが好ましい。これを1重量部以上とすることによって、弾性が顕著に増大する。また、これを30重量部以下とすることによって、通常のコンクリートブロックと同様に容易に成形できる。
【0020】
【実施例】
(実施例1)
使用済のトラック、バス等の古タイヤチューブを用意した。この古タイヤチーブは、加硫ブチルゴムからなる。
【0021】
このタイヤから金属部分を除去し、ゴム部分をグラインダーロールで細分化(粉砕)し、加硫ブチルゴム粉末を得た。この粉末の粒径は、使用目的によって選択できるが、本実施例においては、1〜10メッシュの粉末を作成した。次に、この粉末100重量部に対して、アロマ系オイル「AH−10」を5重量部加えて攪拌し、この混合物を加圧缶に入れ、15kgf/cm2 の圧力を加えつつ、3時間放置し、取り出した。取り出された混合物(再生ブチルゴム)は、粘着性があり、非常にくっつきやすかったので、再生ブチルゴムの表面にタルクの打粉をしておいた。次に、この再生ブチルゴム粒子をセメント、水、細骨材および粗骨材と混合した。この際、セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、再生ブチルゴム粒子を2重量部とした。
【0022】
この混合物を攪拌し、インターロッキングブロック成形用の型内に入れ、加圧して振動させ、取り出し、養成し、インターロッキングコンクリートブロックを得た。このブロックを敷設して舗装路を形成し、この舗装路について、歩行性、騒音、G(最大加速度)および磨耗性を測定した。G(最大加速度)の試験方法は、「JIS A 6519:体育館用鋼製床下地構成材」に従った。
【0023】
この結果、歩行が快適にでき、疲労感も少なかった。また、歩行時に騒音はほとんど生じなかった。G(最大加速度)は118であった。また、1年使用後においても、表面の剥離は生じなかった。
【0024】
(実施例2)
実施例1と同様にしてインターロッキングコンクリートブロックを作製し、前記の試験を行った。ただし、実施例1において、セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、再生ブチルゴム粒子を5重量部とした。この結果、歩行が快適にでき、疲労感も少なかった。また、歩行時に騒音はほとんど生じなかった。G(最大加速度)は115であった。また、1年使用後においても、表面の剥離は生じなかった。
【0025】
(実施例3)
実施例1と同様にしてインターロッキングコンクリートブロックを作製し、前記の試験を行った。ただし、実施例1において、セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、再生ブチルゴム粒子を10重量部とした。この結果、歩行が快適にでき、疲労感も少なかった。また、歩行時に騒音はほとんど生じなかった。G(最大加速度)は107であった。また、1年使用後においても、表面の剥離は生じなかった。
【0026】
(実施例4)
実施例1と同様にしてインターロッキングコンクリートブロックを作製し、前記の試験を行った。ただし、実施例1において、セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、再生ブチルゴム粒子を15重量部とした。この結果、歩行が快適にでき、疲労感も少なかった。また、歩行時に騒音はほとんど生じなかった。G(最大加速度)は99であった。また、1年使用後においても、表面の剥離は生じなかった。
【0027】
(実施例5)
実施例1と同様にして、再生ブチルゴムを製造した。この再生ブチルゴムに対して粘着剤を加え、押し出し機を用いて、直径5mm、長さ1cmの再生ブチルゴム粒子を製造した。セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、再生ブチルゴム粒子を2重量部とした。
【0028】
この結果、歩行が快適にでき、疲労感も少なかった。また、歩行時に騒音はほとんど生じなかった。G(最大加速度)は117であった。また、1年使用後においても、表面の剥離は生じなかった。
【0029】
(比較例1)
実施例1において、生コンクリート中に再生ブチルゴム粒を加えなかった。この結果、歩行時に靴の裏側に若干の衝撃があるために、長時間歩行すると疲労感が残った。また、歩行時に若干の騒音が生じた。また、G(最大加速度)は125と大きかった。
【0030】
(比較例2)
実施例1において、生コンクリート中に、粒径1〜3mmの加硫ブチルゴム粉末を混合した。ただし、この加硫ブチルゴム粉末を製造する際には、前記の古タイヤチューブを粉砕した。セメントを3重量部とし、水を1重量部とし、細骨材を3重量部とし、粗骨材を12重量部とし、加硫ブチルゴム粒子を10重量部とした。
【0031】
この結果、歩行時に靴の裏側に若干の衝撃があるために、長時間歩行すると疲労感が残った。また、歩行時に若干の騒音が生じた。また、1年間使用すると、表面からゴム粒子の磨耗が生じた。このように、再生していないゴムチップを用いたコンクリートブロックは、使用するに従って、表面が剥離するために、実際の使用に耐えうるものではなかった。
【0032】
これらの結果から明白なように、再生ブチルゴム粒を加えた本発明のコンクリートブロックを用いると、再生ブチルゴム粒を加えない従来のコンクリートブロックを用いた場合と比較して、弾性が付与され、歩行時の快適性が向上し、騒音も軽減された。
【0033】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明のコンクリートブロックによれば、コンクリートブロックの上を歩行したときに、ブロックの表層に弾力性があるため、歩きやすく、足に対する負担が軽減され、歩行による疲労感が軽減される。また、歩行時に路面で発生する騒音が、著しく軽減されたし、ゴム弾性があるために、舗装路上で歩行者が転倒しても、歩行者の安全性が確保される。更に、再生ブチルゴム粒子がコンクリートと一体化しているため、使用に際して、コンクリートブロックの表面から再生ブチルゴム粒子が離脱することもなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインターロッキングコンクリートブロックの平面図である。
【図2】本発明のコンクリートブロックの一部分を拡大して模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 粗骨材
2 再生ブチルゴム粒子
3 インターロッキングコンクリートブロック
Claims (3)
- セメント、水および骨材を含む混合物を硬化させてなるコンクリートの中に、加硫ブチルゴムの粉末を再生処理して得られた再生ブチルゴム粒子を含有していることを特徴とする、弾性を有するコンクリートブロック。
- 加硫ブチルゴムの粉末を加圧下で熱処理することによって再生ブチルゴム粒子を得、この再生ブチルゴム粒子を、セメント、水および骨材を含む生コンクリートの中に混合し、成形することを特徴とする、弾性を有するコンクリートブロックの製造方法。
- 前記生コンクリートの配合が透水性配合であることを特徴とする、請求項2記載の弾性を有するコンクリートブロックの製造方法。
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