JP3671160B2 - ジャッキ装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジャッキ装置、詳しくは、重量物に挿入可能な爪部を備えるジャッキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、重量物に挿入可能な爪部を備えるジャッキ装置が知られている。このようなジャッキ装置は、たとえば、その爪部を重量物の底部に挿入した後、爪部を上昇させることによって重量物を持ち上げるように構成されており、基礎工事、橋梁工事、移設工事、あるいは、車両軌道の保守整備などの分野において、広く用いられている。
【0003】
このようなジャッキ装置には、たとえば、実開昭51−99310号公報や実公昭57−38402号公報などに記載されるように、爪部を昇降させるためのレバーが設けられており、そのレバーを上下方向に揺動させることによって、重量物の底部に挿入した爪部を上昇させるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなジャッキ装置では、レバーの揺動動作によって爪部を上昇させるので、爪部の上昇を微調整することができず、たとえば、各種の工事における芯出し作業やレベル調整作業などでは、高い精度が要求されるが、そのような精度を確保することができないという不具合がある。
【0005】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、簡易な構成で、重量物を精度よく昇降させることのできるジャッキ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ジャッキ装置であって、重量物に挿入可能な爪部、および前記爪部よりも上方に設けられ、重量物を支持可能な頭部を有する可動部材と、螺進および螺退可能な操作軸部が設けられ、前記可動部材を昇降させるための駆動部材前記可動部材を組み付け可能であり、台座部材および該台座部材の上部に取り付けられるカバー部材を有するベース部材とを備え、前記駆動部材は、前記操作軸部の螺進および螺退により上下動可能な当接部を備えており、前記可動部材には、前記駆動部材を着脱自在に受け入れて、前記当接部が当接される受入部が設けられており、前記カバー部材の上面には、前記駆動部材が前記受入部に受け入れられた状態において、前記駆動部材が設置され、前記カバー部材には、前記台座部材と該カバー部材とを取り付けるためのボルトを挿通させるための固定溝が形成されていることを特徴としている。
【0007】
このような構成によると、操作軸部を螺進および螺退させることにより、可動部材を微調整して昇降させることができる。そのため、簡易な構成によって、たとえば、各種の工事における芯出し作業やレベル調整作業などにおいて、精度良く重量物を昇降させて、確実な作業を達成することができる。
【0008】
しかも、この構成によると、爪部と頭部とによって重量物を昇降させることができるので、その目的および用途に応じて、爪部と頭部とを選択的に適用することによって、最適の態様での昇降作業を達成することができる。
また、駆動部材と可動部材とを別部材として構成して、駆動部材を可動部材の受入部に着脱自在に受け入れさせて、駆動部材の当接部を可動部材の受入部に当接させた状態で上下動させれば、簡易かつ確実に可動部材を昇降させることができる。そのため、たとえば、搬送時においては、駆動部材と可動部材とを別々にして搬送重量を軽減して搬送することができながら、かつ、設置時においては、駆動部材を可動部材の受入部に受け入れさせて、当接部を受入部に当接させるのみで、簡易かつ確実に設置することができる。
また、カバー部材には、ボルトを挿通させるための固定溝が形成されているので、駆動部材をカバー部材の上面に対して、障害なく装着できる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記カバー部材には、前記受入部を挿通するための挿通開口部が形成されており、該挿通開口部を挟んで一方側に前記固定溝が形成されており、他方側に前記台座部材と該カバー部材とを取り付けるためのボルトの頭部が突出していることを特徴としている。
【0010】
このような構成によると、駆動部材をその突出するボルトの頭部に当接させることによって位置決めすることができ、簡易かつ確実に配置することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のジャッキ装置の一実施形態を示す斜視図、図2は、そのジャッキ装置のベース部材および可動部材の分解斜視図、図3は、そのジャッキ装置の駆動部材の側断面図、図4は、そのジャッキ装置の使用状態(上昇前状態)を示す要部側断面図、図5は、そのジャッキ装置の使用状態(上昇後状態)を示す要部側断面図である。以下、これら図1ないし図5を参照して、ジャッキ装置を説明する。
【0014】
図1において、このジャッキ装置1は、ベース部材2、可動部材3および駆動部材4をそれぞれ別部材として備えている。
【0015】
ベース部材2は、図2に示すように、このジャッキ装置1を設置するための台座部材5と、その台座部材5の上部に取り付けられるカバー部材6とを備えている。台座部材5は、互いに所定の間隔を隔てて対向配置される側面視略L字状の1対の側板部7および8と、その側板部7および8の上部に形成される平面視矩形筒状の筒部9と、1対の側板部7および8の後部に形成されそれら1対の側板部7および8を連結する側面視略L字クランク状の後板部10とが一体的に形成されている。また、1対の側板部7および8における水平方向前方に延びる前脚部11および12の間には、それら前脚部11および12の間を連結する矩形板状の連結板13が形成されている。また、筒部9の上面には、後述するカバー部材6の4つの挿通孔17に対向する4つの螺着孔19がそれぞれ形成されている。
【0016】
また、カバー部材6は、平面視略矩形板状をなし、そのほぼ中央部に、後述する枠部20を挿通するための矩形状の挿通開口部14が形成されている。また、カバー部材6の上面側には、挿通開口部14と直交する方向において、互いに所定の間隔を隔てて平行状に、2つの固定溝15および16がそれぞれ形成されている。各固定溝15および16には、挿通開口部14を挟んで、後述するボルト32を挿通させるための4つの挿通孔17がそれぞれ形成されている。また、このカバー部材6の下面側には、後述する可動部材3の前側角部28および後側角部29を受け入れるための略矩形状の規制溝18が形成されている。
【0017】
可動部材3は、図2に示すように、受入部としての枠部20および爪脚部21を一体的に備えている。枠部20は、上杆22、下杆23および両側杆24および25を一体的に備える略矩形環状をなし、その内側が後述する駆動部材4のピストン筒部41を受け入れ可能な空間として形成されるとともに、その上杆22が頭部として形成されている。
【0018】
また、爪脚部21は、厚みのある側面視略L字状をなし、枠部20における下杆23の長手方向に対する直交方向に沿って形成されている。より具体的には、この爪脚部21は、枠部20の下杆23から下方に向かって延びる縦部26と、その縦部26の下端から略直角前方に向かって延びる爪部27とが一体的に形成されている。縦部26の上端部は、枠部20における下杆22に対して直交方向の後側に膨出するように形成されており、これによって、平面視において、下杆22に対する直交方向の前後には、規制溝18に受け入れられる前側角部28および後側角部29がそれぞれ形成されている。なお、この縦部26には、上下方向に沿って、矩形状の肉抜凹部30がその両側面にそれぞれ形成されている。また、爪部27は、平面視略矩形板状に形成されており、その下面には、台座部材5の連結板13に嵌め込み可能な下面嵌合溝31が、その爪部27の幅方向に沿って形成されている。
【0019】
そして、このベース部材2および可動部材3は、図2に示すように、まず、台座部材5の筒部9内に、可動部材3の爪脚部21を挿入して、側板部7および8の間に縦部26を配置するとともに、前脚部11および12の間に爪部27を配置して、その爪部27の下面嵌合溝31を、前脚部11および12の間を連結する連結板13に嵌合させ、次いで、カバー部材6を、その挿通開口部14を可動部材3の枠部20の上方から挿通して台座部材5の上面に設置し、4つのボルト32を、カバー部材6の各挿通孔17から挿通して、筒部9の各螺着孔19に螺着することによって、組み付けられている。
【0020】
このようにして組み付けられたベース部材2および可動部材3では、後述するが、可動部材4が、爪部27の下面嵌合溝31が台座部材5の連結板13に嵌合される下降位置(図4参照)と、前側角部28および後側角部29がカバー部材6の規制溝18に受け入れられ、その上昇が規制される上昇位置(図5参照)との間において、上下方向に昇降可能に構成されている。
【0021】
また、駆動部材4は、図3に示すように、1つのユニットとして、小型の油圧式昇降装置として構成されている。すなわち、この駆動部材4は、略L字状をなし、有底円筒状のピストン筒部41と、このピストン筒部41の下端部から直交する方向に延びる有底円筒状のプランジャ筒部42とが一体的に形成されるボディ本体43を備えている。なお、ボディ本体43には、後述するピストン筒部41のシリンダ室44とプランジャ筒部42のプランジャ室57とを連通するための連通路64が形成されており、この連通路64を介して連通しているシリンダ室44およびプランジャ室57には、オイルが充填されている。
【0022】
ピストン筒部41には、その内部にシリンダ室44が設けられており、そのシリンダ室44には、上下方向に移動自在とされるピストン部材45が挿入されている。このピストン部材45は、シリンダ室44に挿嵌されるピストン本体46と、ピストン本体46の上面から上方に向かって延びる、より小径の当接部としてのピストンロッド47と、ピストン本体46の下面から下方に向かって突出する、より小径のボス部48とが一体として形成されている。
【0023】
このボス部48には、バックアップリング49およびオイルシール50が順次外嵌されるとともに、そのボス部48の下端部には、パッキングカバー51がボルト52を介して固定されている。このパッキングカバー51によって、オイルシール50およびバックアップリング49が、ボス部48から抜け外れないようにされている。
【0024】
そして、ピストン部材45は、ピストン本体46をシリンダ室44に挿嵌するとともに、ピストン本体46の上面において、ピストンロッド47の周りに、コイル状のリターンスプリング53を配置し、環状のシリンダカバー54の貫通孔55をピストンロッド47の上方から挿入して、そのシリンダカバー54をボルト56によって、ピストン筒部41の上端部に固定することにより、ボディ本体43に組み付けられている。これによって、シリンダカバー54とピストン本体46との間には、リターンスプリング53が介在されるとともに、シリンダカバー54の貫通孔55からピストンロッド47の先端部が突出するように構成される。
【0025】
プランジャ筒部42には、その内部にプラジャ室57が設けられており、そのプラジャ室57には、水平方向に移動自在とされるプランジャ部材58が挿入されている。プランジャ室57は、その前端部が、連通路64を介してシリンダ室44に連通されるとともに、その後端部には、やや大径に形成される内周面に、めねじ59が周設されており、そのめねじ59に、スリーブ60が螺着されている。このスリーブ60は、その内径がプランジャ室57の内径よりも小径であって、このスリーブ60の外周面に、プランシャ室57に周設されるめねじ59に螺合されるおねじ61が周設されるとともに、その内周面にも、後述するプランジャロッド66のおねじ77と螺合するめねじ62が形成されている。なお、これらおねじ61のピッチとめねじ62のピッチとは、互いに異なるように形成されている。
【0026】
また、このプランジャ室57の後端部には、スリーブ60よりも前側に、その内径がスリーブ60と同径とされたリング状の座金63が設けられている。このような座金63を設けておけば、後述するプランジャロッド66の螺退時において、この座金63がスリーブ60のめねじ62よりも、必ず先に後述するリング部材78と当接するので、めねじ62およびプランジャ本体65の損傷を防止することができる。より具体的には、この座金63は、スリーブ60とは別部材として、回転可能なフリー状態として設けられているので、当接時には、螺退するプランジャロッド66の周方向への回転力が、軸方向への押圧力へと変換された状態で、座金63とリング部材78とが互いに押圧される状態となるので、リング部材78のそれ以上螺退を確実に規制することができる。
【0027】
プランジャ部材58は、プランジャ室57に挿嵌されるプランジャ本体65と、このプランジャ本体65が連結される操作軸部としてのプランジャロッド66とを備えている。プランジャ本体65には、その前面から前方に向かって延びる、より小径のボス部79と、その後部に形成される嵌合凹所71とが一体として形成されており、その嵌合凹所71の内周面には、環状の嵌合溝72が形成されている。
【0028】
ボス部79には、バックアップリング67およびオイルシール68が順次外嵌されるとともに、そのボス部79の前端部には、パッキングカバー69がボルト70を介して固定されている。このパッキングカバー69によって、オイルシール68およびバックアップリング67が、ボス部79から抜け外れないようにされている。
【0029】
また、プランジャロッド66は、その軸方向前端部に、さらに軸方向前方に向かって延びる小径軸部73が突設され、この小径軸部73の外周面には、環状の嵌合溝74が形成されている。そして、プランジャロッド66は、この嵌合溝74の周りに止め輪75を嵌め込んで、プランジャロッド66の小径軸部73を、プランジャ本体65の嵌合凹所71内に圧入して、止め輪75をプランジャ本体65の嵌合溝72にも嵌合させることにより、止め輪75を介してプランジャ本体65に組み付けられている。
【0030】
また、プランジャロッド66には、その軸方向後端部に、六角柱状の操作部76が設けられるとともに、その外周面には、スリーブ60のめねじ62に螺着されるおねじ77が、その長手方向にわたって周設されている。
【0031】
また、この駆動部材4では、プランジャロッド66がプランジャ本体65から離脱することを防止するためのリング部材78が設けられている。このリング部材78は、略C字形状をなし、プランジャロッド66における小径軸部73よりもやや軸方向後側において、このプランジャロッド66の外周面に形成されているおねじ77のねじ溝に嵌め込まれ、そのリング部材78の外周縁部が、おねじ77のねじ山よりも径方向外方に突出するような状態で組み付けられている。
【0032】
そして、プランジャ部材58のプランジャ筒部42に対する組み付けは、まず、プランジャロッド66のおねじ77に、スリーブ60を螺着するとともに、座金63を外嵌した後、プランジャロッド66のおねじ77の前端部のねじ溝にリング部材78を嵌め込む。その後、上記したように、プランジャロッド66の嵌合溝72に、止め輪75を嵌め込んだ後、プランジャロッド66の小径軸部73を、プランジャ本体65の嵌合凹所71内に圧入して、止め輪75をプランジャ本体65の嵌合溝72にも嵌合させることで、プランジャロッド66の小径軸部73を、止め輪75を介してプランジャ本体65に組み付ける。
【0033】
次いで、プランジャ本体65のボス部79に、バックアップリング67およびオイルシール68を順次外嵌した後、ボス部79の先端部に、パッキングカバー69をボルト70によって固定する。
【0034】
その後、プランジャ室42内に、その後端の開口部から、プランジャ本体65およびプランジャロッド66を挿入し、プランジャロッド66に螺合しているスリーブ60のおねじ61をプランジャ筒部42のめねじ59に螺着することによって、プランジャ部材58がプランジャ筒部42に組み付けられる。
【0035】
そして、このように構成される駆動部材4では、まず、レンチなどの工具により、プランジャロッド66の操作部76を正転方向に回転させて、プランジャ部材58を、前方向に螺進させれば、プランジャ室42内のオイルが連通路64を介してシリンダ室44に圧送され、これにより、リターンスプリング53のばね力に抗して、ピストン部材45が上昇する。一方、レンチなどの工具により、プランジャロッド66の操作部76を逆転方向に回転させて、プランジャ部材58を、後方向に螺退させれば、リターンスプリング53のばね力により、ピストン部材45が降下する。
【0036】
したがって、このような駆動部材4では、操作部76を正逆回転させれば、プランジャロッド66の螺進または螺退によって、ピストンロッド47を上下動させることができる。
【0037】
なお、この駆動部材4では、プランジャロッド66の1回転に対して、ピストンロッド47の上面が1mm以内、好ましくは、0.1〜1mmの範囲における特定の移動距離で上下動するように設計されており、後述するように、ピストンロッド47を確実に微調整して昇降できるように構成されている。
【0038】
また、この駆動部材4では、プランジャ部材58を螺退させる時に、操作部76を逆転方向に回転させ過ぎた場合には、プランジャ本体65よりも先に、リング部材78が座金63に当接するので、プランジャロッド66のそれ以上螺退が規制される。そのため、プランジャ本体65の座金63への当接が阻止されるので、プランジャロッド66がプランジャ本体65から離脱されることが有効に防止される。その結果、プランジャロッド66がプランジャ本体65から抜け外れたり、プランジャ本体65とプランジャロッド66との連結部位が破損することが有効に防止されている。
【0039】
そして、このジャッキ装置1において、駆動部材4は、図1に示すように、駆動部材4のピストン筒部41を、ベース部材2に組み付けられた可動部材3の枠部20内に挿入して、ピストンロッド47の上面が枠部20の上杆22の下面に当接するように、カバー部材6の上面に設置することによって、ベース部材2および可動部材3に着脱自在に組み付けられている。
【0040】
これによって、駆動部材4は、カバー部材6の上面において、矢印で示すように、水平方向に略90°回動可能な状態で組み付けられるので、たとえば、作業時において、プランジャ筒部42の延びる特定の方向に障害物があっても、駆動部材4を回動させてプランジャ筒部42の向きを変更すれば、その障害物を回避して作業することができ、良好な作業性を確保することができる。
【0041】
次に、図4および図5を参照して、このジャッキ装置1の昇降動作について説明する。まず、このジャッキ装置1を上昇動作させるには、図4に示すように、駆動部材4の操作部76を正転方向に回転させる。そうすると、図5に示すように、ピストンロッド47が上昇して、そのピストンロッド47が当接している上杆22が持ち上げられ、その結果、可動部材3が全体として上昇され、爪部27や上杆22が同時に上昇される。これによって、たとえば、爪部27を重量物の底部に挿入しておくか、あるいは、上杆22の上に重量物を支持しておけば、その重量物を持ち上げることができる。なお、この可動部材3の上昇は、その前側角部28および後側角部29がカバー部材6の規制溝18に当接することによって規制されている。
【0042】
また、このジャッキ装置1を降下動作させるには、上記とは逆に、駆動部材4の操作部76を逆転方向に回転させればよい。そうすると、ピストンロッド47が降下して、そのピストンロッド47が当接している上杆22が、重量物の重量あるいは自重によって持ち下げられ、その結果、可動部材3が全体として降下され、爪部27や上杆22が同時に降下される。これによって、たとえば、爪部27を重量物の底部に挿入しておくか、あるいは、上杆22の上に重量物を支持しておけば、その重量物を持ち下げることができる。
【0043】
そして、このようなジャッキ装置1によれば、操作部76の1回転では、プランジャロッド66は、そのおねじ77のリード分のみの距離しか螺進または螺退しないので、操作部76を正逆回転させることにより、プランジャロッド66を少しずつ螺進および螺退させ、それによって、たとえば、μmオーダでピストンロッド47を昇降動作させることができるなど、ピストンロッド47を微調整して昇降させることができる。そのため、簡易な構成によって、広く重量物の昇降作業に用いることができ、たとえば、各種の工事における芯出し作業やレベル調整作業などにおいて、精度良く重量物を昇降させて、確実な作業を達成することができる。
【0044】
より具体的には、このジャッキ装置1は、たとえば、図6および図7に示すような建築現場の基礎工事に用いられる。すなわち、図6および図7に示すように、建築現場の基礎工事では、たとえば、モルタルまんじゅう81上にベースプレート82を設置して、基礎コンクリート83に埋設されている4つのアンカーボルト84を、そのベースプレート82の四隅に挿通した上で、ボルト85によってそれぞれ固定し、各ボルト85を各アンカーボルト84に対して、適宜調整して締め付けることによって、ベースプレート82の水平レベル調整を行なっている。このような調整作業において、このジャッキ装置1をベースプレート82の四辺にそれぞれ配置して、各爪部27をベースプレート82の裏面側に挿入して、各ジャッキ装置1によって、ベースプレート82の各辺を、適宜、微調整しながら昇降させれば、ベースプレート82の水平レベルを、簡易かつ確実に調整することができる。
【0045】
また、このジャッキ装置1では、爪部27のみならず、上杆22の上面に重量物を支持すれば、その上杆22によっても、重量物を昇降させることができるので、その目的および用途に応じて、爪部27と上杆22とを選択的に適用することによって、最適の態様での昇降作業を達成することができる。
【0046】
すなわち、たとえば、図8に示すように、鉄道などの車両軌道の保守整備においては、ジャッキ装置1の爪部27をレール86の底面に挿入して、そのレール86を持ち上げれば、敷石や枕木などの整備を良好に行なうことができ、また、図9に示すように、設置面からある程度の高さを有する支持面87が形成されている構造物88を持ち上げる場合には、その支持面87にジャッキ装置1の上杆22を対向支持させて、その支持面87を持ち上げればよい。
【0047】
また、このジャッキ装置1では、ベース部材2に昇降自在に組み付けられる可動部材3と、駆動部材4とが別部材として構成され、ユニットとして構成される駆動部材4のピストン筒部41を、その可動部材3の枠部20に着脱自在に装着させることができるので、たとえば、搬送時においては、駆動部材4のみを取り外して、それぞれ別々にして搬送することができ、搬送重量を軽減して搬送することができる。そして、設置時においては、駆動部材4のピストン筒部41を、可動部材3の枠部20内に挿入するのみで、簡易かつ確実に設置することができる。
【0048】
さらに、このジャッキ装置1では、可動部材3に、爪部27、上杆22および枠部20が一体的に形成されているので、可動部材3を簡易に形成して部品点数を低減し、生産性の向上によるコストの低減化が図られている。
【0049】
なお、上記の説明においては、カバー部材6の各固定溝15および16を、挿通開口部14を挟んで両側に形成し、4つのボルト32を各固定溝15および16内に収容して、駆動部材4をカバー部材6の上面に対して、障害なく装着できるようにしているが、たとえば、図10に示すように、駆動部材4が挿入される一方側のみに、固定溝15および16を形成して、その固定溝15および16内に2つのボルト32を収容する一方で、挿通開口部14を挟む他方側には、固定溝15および16を形成せず、2つのボルト32の頭部がカバー部材6の上面から突出するように構成してもよい。
【0050】
このように、挿通開口部14を挟む駆動部材4の挿入側と反対側において、カバー部材6の上面から各ボルト32の頭部を突出させておけば、駆動部材4の枠部20に対する挿入時において、ピストン筒部41をその突出する頭部に当接させることによって位置決めすることができ、簡易かつ確実に、ピストンロッド47の上面を枠部20の上杆22の下面と対向するように配置することができる。
【0051】
また、このジャッキ装置1においては、使用時に、ベース部材2の台座部材5の底面に、適宜、所定の厚みのベースプレートを設置して、ジャッキ装置1の高さを全体的として調節するようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、簡易な構成によって、たとえば、各種の工事における芯出し作業やレベル調整作業などにおいて、精度良く重量物を昇降させて、確実な作業を達成することができる。しかも、その目的および用途に応じて、爪部と頭部とを選択的に適用することによって、最適の態様での昇降作業を達成することができる。さらに、たとえば、搬送時においては、駆動部材と可動部材とを別々にして搬送重量を軽減して搬送することができながら、かつ、設置時においては、駆動部材を可動部材の受入部に受け入れさせて、当接部を受入部に当接させるのみで、簡易かつ確実に設置することができる。また、駆動部材をカバー部材の上面に対して、障害なく装着できる。
【0053】
請求項2に記載の発明によれば、駆動部材をその突出するボルトの頭部に当接させることによって位置決めすることができ、簡易かつ確実に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジャッキ装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すジャッキ装置のベース部材および可動部材の分解斜視図である。
【図3】図1に示すジャッキ装置の駆動部材の側断面図である。
【図4】図1に示すジャッキ装置の使用状態(上昇前状態)を示す要部側断面図である。
【図5】図1に示すジャッキ装置の使用状態(上昇後状態)を示す要部側断面図である。
【図6】図1に示すジャッキ装置の使用状態(建築現場の基礎工事での使用)を示す要部側断面図である。
【図7】図6に示すジャッキ装置の使用状態(建築現場の基礎工事での使用)を示す要部平断面図である。
【図8】図1に示すジャッキ装置の使用状態(車両軌道の保守整備での使用)を示す要部側断面図である。
【図9】図1に示すジャッキ装置の使用状態(構造物の持ち上げ)を示す要部側断面図である。
【図10】本発明のジャッキ装置の他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ジャッキ装置
3 可動部材
4 駆動部材
20 枠部
22 上杆
27 爪部
47 ピストンロッド
66 プランジャロッド

Claims (2)

  1. 重量物に挿入可能な爪部、および前記爪部よりも上方に設けられ、重量物を支持可能な頭部を有する可動部材と、
    螺進および螺退可能な操作軸部が設けられ、前記可動部材を昇降させるための駆動部材
    前記可動部材を組み付け可能であり、台座部材および該台座部材の上部に取り付けられるカバー部材を有するベース部材とを備え、
    前記駆動部材は、前記操作軸部の螺進および螺退により上下動可能な当接部を備えており、
    前記可動部材には、前記駆動部材を着脱自在に受け入れて、前記当接部が当接される受入部が設けられており、
    前記カバー部材の上面には、前記駆動部材が前記受入部に受け入れられた状態において、前記駆動部材が設置され、前記カバー部材には、前記台座部材と該カバー部材とを取り付けるためのボルトを挿通させるための固定溝が形成されていることを特徴とする、ジャッキ装置。
  2. 前記カバー部材には、前記受入部を挿通するための挿通開口部が形成されており、該挿通開口部を挟んで一方側に前記固定溝が形成されており、他方側に前記台座部材と該カバー部材とを取り付けるためのボルトの頭部が突出していることを特徴とする、請求項1に記載のジャッキ装置
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