JP3670898B2 - 内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡に組み込まれるチャンネルチューブの外周に螺旋溝を成形加工する内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内視鏡用チャンネルチューブには、内視鏡挿入部の湾曲に伴う変形力を受けても折れたり、座屈したりしない腰の強さや、可撓性が均一であることが要求される。このため、従来、図4に示すように、熱可塑性樹脂チューブ105の外周に螺旋溝106を形成し、その螺旋溝106に沿って硬質線の巻き線材107を巻き付けた内視鏡用ガイドチューブ(内視鏡用チャンネルチューブ)が、実公昭59−40002号公報所載の技術(従来技術1)として開示されている。
【0003】
また、上記内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝を形成する手段として、特開平5−228106号公報所載の技術(従来技術2)が開示されている。図5は、この内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置を示し、芯金201を挿通したチャンネルチューブ素材202を保持するコレットチャック203を有した回転駆動装置204、溝付け線材205を繰り出す線材供給装置206、芯金201を挿通した長いチャンネルチューブ素材202の回転中の振れを防止する芯金受け治具207、芯金201を支える心出し治具208を有している。線材供給装置206には、繰り出す溝付け線材205を案内する溝付きのワイヤガイド209が設けられている。また、コレットチャック203には、線材供給装置206から繰り出した溝付け線材205の先端を固定する止めねじ210が設けられている。211は加熱用のヒートガンである。
【0004】
つぎに、上記内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置を用いた、螺旋溝加工方法について、作業順番に説明する。
【0005】
(1)テフロン(フッ素樹脂)製チューブを仕様寸法に切断してチャンネルチューブ素材202を得る。
【0006】
(2)このチャンネルチューブ素材202の内腔に、その内径に合う外径の芯金201を挿入する。
【0007】
(3)そのチャンネルチューブ素材202をコレットチャック203で挟持するが、この際、その挟み込むチャンネルチューブ素材202の部分の外周にテープを巻くか、コレットチャック203側に軟質材等を固定してチャンネルチューブ素材202に傷が付かないようにする。
【0008】
(4)心出し治具208を芯金201の先端に当て心出しを行う。
【0009】
(5)線材供給装置206から溝付け線材205を繰り出し、この溝付け線材205の先端をワイヤガイド209に通し、この溝付け線材205の先端をコレットチャック203の止めねじ210に巻き付けて固定する。溝付け線材205に張力を与えるためのすべり止め手段の図示しない調節ねじを操作して溝付け線材205に与える張力を調整する。
【0010】
(6)回転駆動装置204を駆動してチャンネルチューブ素材202を回転することによっりそのチャンネルチューブ素材202の外周に溝付け線材205を巻き付ける。このとき、回転駆動装置204によりチャンネルチューブ素材202の回転量に比例する速度で、ワイヤガイド209の固定ヘッド部分をチャンネルチューブ素材202に比例する速度で、ワイヤガイド209の固定ヘッド部分をチャンネルチューブ素材202の長手軸方向へ沿う図5中A方向へ移動させる。したがって、溝付け線材205が所定のピッチで巻き付けられる。なお、ワイヤガイド209内には、引き出される溝付け線材205に張力を与えるためのすべり止め手段が設けられている。このため、溝付け線材205に張力でチャンネルチューブ素材202の外周に巻き付けられる。
【0011】
(7)前記(6)の巻き付け作業において、チャンネルチューブ素材202にヒートガン211で熱を加えながら、その軟化した周面部分に溝付け線材205を巻き付ける。このため、溝付け線材205を巻き付けたチャンネルチューブ素材205の周面部分は加熱変形を起こし、溝付け線材205に押されて螺旋溝212が形成される。
【0012】
(8)チャンネルチューブ素材202の所定範囲に溝付け線材205を巻き付け終わったら、その溝付け線材205をワイヤガイド209の繰出し口で切断し、コレットチャック203の止めねじ210を緩めて溝付け線材5を切り離す。
【0013】
(9)チャンネルチューブ素材202に巻き付いた溝付け線材205の、前記止めねじ210側にあった端に張力を加えながら巻いたのと同じ向きに回転させることにより、その巻き付いた溝付け線材205をチャンネルチューブ素材202から外す。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来技術による内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置には、張力変化を検知し、微妙な調整をする手段がないので、螺旋溝の深さを一定に維持できず、品質の安定した製品が得られないという問題点があった。
【0015】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、請求項1または2に係る発明の目的は、チャンネルチューブ素材に螺旋溝を形成する際に、所定の溝深さに安定して加工することのできる内視鏡チャンネルチューブの螺旋溝加工装置を提供することである。
【0017】
請求項1に係る発明は、芯金を挿通したチャンネルチューブ素材を保持するコレットチャックを有した回転駆動装置と、溝付け線材を繰り出す線材供給装置と、前記芯金を支持する心出し治具とを備え、前記チャンネルチューブ素材の表面を加熱しつつ回転させて、前記溝付け線材を巻き付け、前記チャンネルチューブ素材の外周表面に螺旋溝を形成する内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置において、前記線材供給装置に、前記溝付け線材を卷回した供給リールと、該供給リールを回転駆動する回転装置と、該供給リールと前記チャンネルチューブ素材との間の前記溝付け線材に懸吊したプーリと、該プーリを支持しかつ該プーリを介して前記溝付け線材に一定の張力を付与する押圧手段と、前記プーリの位置を非接触で検出するセンサと、該センサと前記押圧手段とを接続した制御装置とを設け、前記センサによって前記プーリの位置を検出することにより螺旋溝加工の状況をモニタし、前記制御装置によって前記押圧手段による押圧力を一定に保つ一方、螺旋溝加工の状況に応じた押圧力となるよう、前記制御装置によって前記押圧手段を制御するように構成したことを特徴とする。
【0019】
請求項1に係る発明の作用では、線材供給装置に、溝付け線材を卷回した供給リールと、該供給リールを回転駆動する回転装置と、該供給リールとチャンネルチューブ素材との間の前記溝付け線材に懸吊したプーリと、該プーリを支持しかつ該プーリを介して溝付け線材に一定の張力を付与する押圧手段とを設けたことにより、チャンネルチューブ素材に巻き付く溝付け線材の張力が安定し、溝の深さが均一になる。更に、プーリの位置を非接触で検出するセンサと、該センサと前記押圧手段とを接続した制御装置とを設け、前記センサによって前記プーリの位置を検出することにより螺旋溝加工の状況をモニタし、前記制御装置によって前記押圧手段による押圧力を一定に保つ一方、螺旋溝加工の状況に応じた押圧力となるよう、前記制御装置によって前記押圧手段を制御するように構成したので、センサによって検出したプーリの位置、すなわち、供給リールより供給される線材の量とチャンネルチューブ素材に巻かれる溝付け線材の量とのバランスから、加工している溝の深さを判断し、適宜、適切な螺旋溝加工を行い得るよう張力を制御し、螺旋溝加工を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1を示し、内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置(以下本装置とよぶ)の斜視図である。図1において、本装置は概ね、チャンネルチューブ素材22に螺旋溝を形成する加工部1と、溝付け線材26をチャンネルチューブ素材22に供給・巻き戻しする線材貯留部2と、溝付け線材26の張力を調整する張力調整部3とから構成される。本実施の形態では、線材供給装置は線材貯留部2と張力調整部3とからなっている。
【0021】
まず、加工部1について説明する。コレットチャック23は、芯金21を挿通したチャンネルチューブ素材22を保持している。このコレットチャック23を回転駆動する回転装置24と、芯金21の端部を支持する心出し治具25とは、一直線になるようにベース台47の上に配設されている。また、芯金21を挿通したチャンネルチューブ素材22の中心軸に対して平行なガイド29がベース台上に設けられ、ガイド29上には、移動自在なテーブル28が配設され、ボールネジ49を介して回転装置48に連結されている。テーブル28上には、溝付け線材26が通過する糸口27が突設されている。一方、コレットチャック23の外周には、溝付け線材26の先端を固定するための引掛けピン31が配設されている。また、テーブル28の移動と連動するように、ヒータ30が配設され、チャンネルチューブ素材22を加熱軟化させる。
【0022】
つぎに、線材貯留部2について説明する。ベース台47の上面に、支柱50が立設され、この支柱50の上端に、リール32を連設して一定のトルクで回転駆動する回転装置33を配設している。リール32の外周には、溝付け線材26が卷回されており、リール32の端部から溝付け線材26が下方に導かれている。この溝付け線材26に接する位置にプーリ34が配設され、プーリ34は回転装置35に回転駆動されることにより、溝付け線材26の供給・巻き戻しを行う。
【0023】
ついで、張力調整部3について説明する。ベース台47の側面に、ガイド42が垂直方向に固設され、重り載置台41を上下移動自在に嵌装している。重り載置台41には、重り39が載置自在であるとともに、溝付け線材26に懸吊するプーリ40が枢着されている。さらに、重り載置台41には、遮蔽板45が付設され、重り載置台41の上下移動の上限、下限で、遮蔽板45を検出できる位置に、光電センサ43、44が配設されている。本実施の形態における押圧手段は、プーリ40を枢着した重り載置台41と重り39とから構成される。
【0024】
溝付け線材26に、摩擦などの余分な力が働かないように、要所にプーリ36、37、38、46が配設されている。このうち、プーリ36は、その回動中心をベース台47に固着し、線材貯留部2から張力調整部3への溝付け線材26のガイドの役割をする。プーリ37もまた、プーリ36と同様に、ベース台47に固着され、張力調整部3から加工部1へのガイドの役割をしている。プーリ38も、その回動中心をベース台47に固着され、プーリ46はその回動中心をテーブル28に固着されている。プーリ38、46は、螺旋溝加工時に、テーブル28がどの位置にあっても溝付け線材26が切断されたり、余分な力を受けないように、溝付け線材をガイドしている。
【0025】
つぎに、本実施の形態の作用を説明する。芯金21を挿通したチャンネルチューブ素材22をコレットチャック23と心出し治具25とで支持した後、コレットチャック23に設けた引掛けピン31に溝付け線材26の先端を固定する。溝付け線材26に一定の張力を与えながら供給するとともに、回転装置24でコレットチャック23を回転させ、チャンネルチューブ素材22の回転を行う。この回転に比例する速度で糸口27を突設したテーブル28をチャンネルチューブ素材22の長手方向と平行(矢印Xの方向)にボールネジ49を介して、回転装置48により、ガイド29に沿って移動させる。これにより、溝付け線材26がチャンネルチューブ素材22の外周に長手方向に沿って螺旋状に巻き付き、その巻き付き動作時にヒータ30にてチャンネルチューブ素材22を加熱軟化させることによりチャンネルチューブ素材22の外周に螺旋溝が形成される。巻き付き動作終了後、溝付け線材26を取り外し、螺旋溝を外周に設けたチャンネルチューブを得る。
【0026】
溝付け線材26は、一定トルクで回転駆動可能な回転装置33に連設したリール32に卷回され、常備されている。リール32に常備されている溝付け線材26が、重り39を載置した重り載置台41およびプーリ40の重力に負けて解けないように、回転装置33はリール32に線材26を巻き付ける方向に前記重力と釣り合うような一定トルクで回転する。リール32に常備されている溝付け線材26は、溝付け線材26の供給、巻き戻しを行うための回転装置35に連動するプーリ34に、プーリ34上で滑ることがないように数回巻き付けられ、プーリ36を通り張力調整部3に通じている。
【0027】
続いて、溝付け線材26の供給、巻き戻しの作用を説明する。溝付け線材26の供給、巻き戻しのどちらも、回転装置33のトルクと重り39を載置した重り載置装置41およびプーリ40の重力が釣り合っている状態を崩すことによって行う。溝付け線材26の供給は、回転装置35によってプーリ34をリール32に常備されている溝付け線材26を解く方向に回転させ、その回転のトルクが重り39を載置した重り載置装置41およびプーリ40の重力に加わって、回転装置33のトルクに勝ることによって可能となる。
【0028】
溝付け線材26の巻き戻しは、回転装置35によってプーリ34をリール32に常備されている溝付け線材26を巻き付ける方向に回転させ、その回転トルクが回転装置33のトルクに加わって、重り39を載置した重り載置装置41およびプーリ40の重力に勝ることで可能となる。張力調整部において、溝付け線材26は、重り39を載置した重り載置装置41上のプーリ40を懸吊することで、重り39を載置した重り載置装置41およびプーリ40の重力による一定張力を付与されている。従って、重り39の重量を変更することにより、張力を調整することができる。
【0029】
また、螺旋溝加工時に、重り載置台41上の遮蔽板45を光電センサ43が検出すると、通常より溝付け線材26が不足していることであり、チャンネルチューブ素材22に通常より多くの溝付け線材26が巻かれていることになる。ゆえに、「溝深さが浅い」という異常が確認される。光電センサ44が遮蔽板45を検出すると、通常より溝付け線材26が余ることであり、チャンネルチューブ素材22に通常より少ない溝付け線材26が巻かれていることになる。ゆえに、「溝深さが深い」という異常が確認される。異常が確認されたチャンネルチューブは不良として廃棄される。異常が確認された場合には、光電センサ43、44の上限、下限の位置ともに、張力調整機構3の重り39の重量を変更して、チャンネルチューブが良品となるように、重量調整される。
【0030】
張力調整部3で、一定の張力を付与された溝付け線材26は、重り載置台41に枢着されたプーリ40を通り、プーリ37、38、46を介し糸口27を挿通して、チャンネルチューブ素材22に供給または巻き戻しされる。
【0031】
チャンネルチューブ素材22に形成する螺旋溝のピッチおよび巻き数は、回転装置24によって駆動されるチャンネルチューブ素材22の回転速度と、回転装置48によって駆動されるテーブル28の移動量とによって相対的に決定される。従って、加工前に、それぞれ回転装置24、48の回転速度が所定の値に設定される。
【0032】
また、チャンネルチューブ素材22に形成される溝の深さは、チャンネルチューブ素材22に供給される線材の張力と、ヒータ30によるチャンネルチューブ素材26の加熱軟化の程度とによって決定される。また、ヒータ30の加熱温度は、図示を省略したヒータ制御部により設定される。
【0033】
本実施の形態によれば、チャンネルチューブ素材に螺旋溝を形成する際に、所定の溝深さに安定して加工することができ、品質の安定した内視鏡用チャンネルチューブを得ることができる。また、溝付け線材の張力調整機構が重力を利用したものであるため、装置の構造を簡易にすることができる。
【0034】
(実施の形態2)
図2は実施の形態2を示し、内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置(以下本装置とよぶ)の斜視図である。本実施の形態は、本装置の張力調整部の構成が実施の形態1と異なるのみで、他の構成は同一のため同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0035】
図2において、張力調整部3は、電空比例弁54によって一定の圧力となるように制御されるエアシリンダ50と、これに連結した押し台51と、押し台51に枢着されたプーリ52とから構成されている。実施の形態1と同様に、プーリ52は溝付け線材26に懸吊されている。押し台51は、ベース台47の側面に垂直方向に固設されたガイド53に、上下移動自在に嵌装している。さらに、押し台51には、実施の形態1と同様に、遮蔽板45が固着され、押し台51の上下移動の上限、下限で遮蔽板45を検出できるような位置に、光電センサ43、44が配設されている。実施の形態1と同様に、溝付け線材26に摩擦などの余分な力が掛からない対策として、要所にプーリ36、37、38、46が配設されている。本実施の形態における溝付け線材26に一定の張力を付与する押圧手段は、プーリ52を枢着した押し台51を押圧するエアシリンダ50である。
【0036】
本実施の形態の作用は、実施の形態1と比べ、張力調整部の作用が異なるのみなので、この点について説明する。溝付け線材26は、エアシリンダ50に連結された押し台51に枢着されているプーリ52を吊り上げることで、エアシリンダ50の押圧力によって、一定の張力が付与されている。エアシリンダ50に接続した電空比例弁54に印加する電圧を変更することにより、溝付け線材26に作用する押圧力が変化し、張力を調整することができる。
【0037】
実施の形態1と同様に、螺旋溝加工時に、押し台51上の遮蔽板45を光電センサ43が検出すると、チャンネルチューブ素材22の溝深さが浅い上限が確認でき、光電センサ44が検出すると溝深さが深い下限が確認される。溝深さの上限、下限が検出される場合には、電空比例弁54の電圧を変更し、張力を調整する。
【0038】
張力調整部3で、一定の張力を付与された溝付け線材26は、重り載置台41に枢着されたプーリ40を通り、プーリ37、38、46を介し糸口27を挿通して、チャンネルチューブ素材22に供給または巻き戻しされる。
【0039】
溝付け線材26の張力は、リール32の回転装置33およびチャンネルチューブ素材22の回転装置24のトルク、並びに電空比例弁54にて一定圧に保持されるエアシリンダ50の圧力によって決定される。リール32の回転装置33およびチャンネルチューブ素材22の回転装置24のトルクは、各々別個に、所定のトルクに設定される。所定のトルクとは、チャンネルチューブ素材22の螺旋溝加工において、設定通りの溝深さが得られる値である。
【0040】
本実施の形態によれば、チャンネルチューブ素材に螺旋溝を形成する際に、所定の溝深さに安定して加工することができ、品質の安定した内視鏡用チャンネルチューブを得ることができるほか、張力調整機構に電空比例制御弁とエアシリンダとを用いたので、溝付け線材の張力の調整を容易に行うことができる。
【0041】
(実施の形態3)
図3は実施の形態3を示し、内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置の斜視図である。本実施の形態は、実施の形態2の張力調整部にモニタ機構を付加したものであり、その部分のみ説明し、他の構成は実施の形態2と同一のため、同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0042】
図3において、プーリ52を枢着した押し台51の上下方向の位置を検出するための位置センサ56を、押し台51の下方に配設している。プーリ52の押圧手段であるエアシリンダ50内の圧力を制御する電空比例制御弁54と、プーリ52の位置を検出する位置センサ56とを制御装置55に接続している。位置センサ56は、押し台51の上下移動を検出するように、非接触式の光センサであり、具体的には、レーザ光を出射し、その反射光を受光することで、被検物体(押し台51)との相対的な距離を測定するレーザ式の位置センサである。なお、実施の形態2の構成中で存在した光電センサ43、44および遮蔽板45は、本実施の形態では除去されている。
【0043】
本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態は、リール32より供給される溝付け線材26と、チャンネルチューブ22に卷き付けられる溝付け線材26との量(加工に仕様された溝付け線材26の量)を、螺旋溝加工を行いながら随時検出するものである。溝付け線材26の供給状態は、リール32とチャンネルチューブ素材22との間にあるプーリ52を枢着した押し台51の上下方向の位置を、位置センサ56によって検出することによって判断する。
【0044】
たとえば、螺旋溝加工中、押し台51が上方に移動する場合、これは所定以上の量の溝付け線材26がチャンネルチューブ素材22に巻かれている状態、つまり、溝付け線材26が所定量以下の浅さでチャンネルチューブ素材22に巻かれている状態を示す。プーリ52が上方に移動するのを、位置センサ56が検出したとき、その情報は制御装置55に伝達される。この情報によって、電空比例弁54を介してエアシリンダ50を加圧するように制御することによってプーリ52を下方に押し、適正な螺旋溝加工に不足する張力を補う。
【0045】
一方、螺旋溝加工中、押し台51が下方に移動する場合、これは、所定以下の量の溝付け線材26しかチャンネルチューブ素材22に巻かれていない状態、つまり、溝付け線材26が所定量以上の深さでチャンネルチューブ22に巻かれている状態を示す。プーリ52が下方に移動するのを、位置センサ56が検出したとき、その情報は制御装置55に伝達される。この情報によって、電空比例弁54を介してエアシリンダ50を減圧するように制御することによってプーリ52を上方に戻し、適正な螺旋溝加工に過剰な張力を削減する。
【0046】
溝付け線材26の供給と加工に利用された溝付け線材26とが設定通りであれば、つまり、等しければ、プーリ52の上下方向の位置は変化しないため、電空比例制御弁54およびエアシリンダ50の働きによって張力は設定のまま一定に保たれる。本実施の形態の他の作用は実施の形態1および2と同様なので、説明を省略する。
【0047】
本実施の形態によれば、チャンネルチューブ素材に螺旋溝を形成する際に、所定の溝深さに安定して加工することができ、品質の安定した内視鏡用チャンネルチューブを得ることができるほか、溝付け線材に加わる張力をモニタし、これが常に適正なものとなるように、エアシリンダ内の圧力を制御する電空比例制御弁にフィードバック制御することにより、張力を自動的に調整し、溝が深すぎたり、浅くなりすぎるという不具合を防ぐことができる。
【0048】
なお、本発明において、本実施の形態の位置センサを実施の形態1または2の光電センサに替えて用いてもよい。
【0050】
請求項1に係る発明によれば、チャンネルチューブ素材に螺旋溝を形成する際に、溝付け線材に掛かる張力を自動的に調整して螺旋溝を所定の溝深さに安定して加工することができ、品質の安定した内視鏡用チャンネルチューブを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置の斜視図である。
【図2】実施の形態2の内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置の斜視図である。
【図3】実施の形態3の内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置の斜視図である。
【図4】従来技術1の内視鏡用ガイドチューブの半断面図である。
【図5】従来技術2の内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 加工部
2 線材貯留部
3 張力調整部
21 芯金
22 チャンネルチューブ素材
23 コレットチャック
24 回転駆動装置
25 心出し治具
26 溝付け線材
32 リール
39 重り
40 プーリ
41 重り載置台
Claims (1)
- 芯金を挿通したチャンネルチューブ素材を保持するコレットチャックを有した回転駆動装置と、溝付け線材を繰り出す線材供給装置と、前記芯金を支持する心出し治具とを備え、前記チャンネルチューブ素材の表面を加熱しつつ回転させて、前記溝付け線材を巻き付け、前記チャンネルチューブ素材の外周表面に螺旋溝を形成する内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置において、
前記線材供給装置に、前記溝付け線材を卷回した供給リールと、該供給リールを回転駆動する回転装置と、該供給リールと前記チャンネルチューブ素材との間の前記溝付け線材に懸吊したプーリと、該プーリを支持しかつ該プーリを介して前記溝付け線材に一定の張力を付与する押圧手段と、前記プーリの位置を非接触で検出するセンサと、該センサと前記押圧手段とを接続した制御装置とを設け、前記センサによって前記プーリの位置を検出することにより螺旋溝加工の状況をモニタし、前記制御装置によって前記押圧手段による押圧力を一定に保つ一方、螺旋溝加工の状況に応じた押圧力となるよう、前記制御装置によって前記押圧手段を制御するように構成したことを特徴とする内視鏡用チャンネルチューブの螺旋溝加工装置。
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