JP3669764B2 - 含ハロゲン樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、含ハロゲン樹脂組成物に関し、詳しくは、特定のポリエステル可塑剤を配合することで、低温特性、熱老化物性、非移行性等に優れた含ハロゲン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ポリ塩化ビニルなどの含ハロゲン樹脂は、安価で可塑剤を配合することで自由にその硬さを変化させることが可能であるため、種々の用途において汎用されている。
【0003】
ここで使用される可塑剤としては、フタレート系等の芳香族多塩基酸エステル可塑剤、アジペート系等の脂肪族多塩基酸エステル可塑剤、ポリエステル可塑剤、ホスフェート可塑剤、塩素化パラフィンなどの種々のものがあげられる。
【0004】
これらの種々の可塑剤の中でもポリエステル可塑剤は、耐揮発性、耐油性、非移行性に優れた可塑剤であることが知られている。
【0005】
このポリエステル可塑剤は、主に多価アルコール成分および多塩基酸成分からなり、これらの各成分を変えることでより優れた性能の含ハロゲン樹脂組成物を得るために検討されてきた。しかし、現時点において、低温特性、熱老化物性、非移行性などの各種特性において未だ満足できるものは得られていない。
【0006】
従って、本発明の目的は、低温特性、耐熱老化物性に優れ、移行性の小さい含ハロゲン樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、含ハロゲン樹脂にポリエステル可塑剤を配合してなる含ハロゲン樹脂組成物の中で、該ポリエステル可塑剤が特定の多価アルコール成分と特定の多塩基酸成分とを必須成分としてなることを特徴とする含ハロゲン樹脂組成物が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0008】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、(イ)含ハロゲン樹脂100重量部および(ロ)ポリエステル可塑剤10〜300重量部からなる含ハロゲン樹脂組成物において、上記(ロ)成分が、反応成分として3−メチル−1,5−ペンタンジオールを含む多価アルコール成分およびダイマー酸を含む多塩基酸成分を使用したポリエステル可塑剤であり、該ダイマー酸が上記〔化1〕で示される化合物であることを特徴とする含ハロゲン樹脂組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の含ハロゲン樹脂組成物について詳細に説明する。
【0010】
本発明に使用される(イ)成分である含ハロゲン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、後塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−アルキル、シクロアルキル又はアリールマレイミド共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ臭化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどを挙げることができる。
【0011】
本発明に使用される(ロ)成分であるポリエステル可塑剤は、多価アルコール成分、多塩基酸成分および必要に応じて末端停止成分から形成されるものであり、該多価アルコール成分として少なくとも3−メチル−1,5−ペンタンジオールを使用し、該多塩基酸成分として少なくともダイマー酸を使用すること以外は通常のポリエステル可塑剤と同様なものである。
【0012】
ここで使用される上記ダイマー酸としては、市販品を用いることができ、例えば、ハリマ化成製の「ハリダイマー」シリーズがあげられる。
【0014】
上記ダイマー酸の使用量は全多塩基酸成分中好ましくは0.5モル%以上、より好ましくは1〜50モル%である。該使用量が0.5モル%未満では使用による効果が得られないおそれがあるため好ましくなく、さらに、50モル%より多い場合には加工性が低下する傾向があるため注意が必要である。
また、上記3−メチル−1,5−ペンタンジオールの使用量は、全多価アルコール成分中好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上である。該使用量が10モル%未満の使用では、要求される性能のものができないおそれがあるため好ましくない。
【0015】
また、上記3−メチル−1,5−ペンタンジオールと共に使用できる上記多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールなどの直鎖グリコール;1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの分岐アルコールがあげられる。また、その他、小割合のグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールを用いることもできる。
【0016】
また、上記ダイマー酸と共に使用できる上記多塩基酸成分としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸を主成分とするものであり、この他に、少割合の、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多塩基酸、あるいは、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、トリカルバリル酸、クエン酸等の脂肪族多塩基酸を用いることもできる。
【0017】
また、上記多価アルコール成分および上記多塩基酸成分の一部を、12−ヒドロキシステアリン酸、カプロラクトンなどで代替することもできる。
【0018】
また、上記末端停止成分としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、tert−ブタノール、ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert−アミルアルコール、ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−メチル−1−ヘキサノール、3−メチル−1−ヘキサノール、4−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、イソノナノール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、セロソルブ、カルビトール、フェノール、ノニルフェノール、ベンジルアルコール等の一価アルコール、及び酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、2−メチルペンタノイック酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、安息香酸等の一塩基酸があげられる。
【0019】
上記の各成分(多価アルコール成分、多塩基酸成分および末端停止成分)の使用量の比は、用いる成分の種類及び目的とするポリエステル可塑剤の特性、分子量等により変化するが、一般には、該各成分の合計に対して、多価アルコール成分10〜80重量%、多塩基酸成分10〜80重量%、末端停止成分10〜50重量%の比率で用いられる。
【0020】
上記の各成分を使用して得られた上記(ロ)成分であるポリエステル可塑剤は、その数平均分子量が500〜8000、特に1000〜5000のものが好ましく、また、酸価が1以下、水酸基価が30以下のものが好ましい。
【0021】
上記の各成分を使用して上記ポリエステル可塑剤を製造することは周知であり、例えば、ジブチル錫オキサイド、テトラアルキルチタネート等の触媒の存在下に反応させることにより容易に製造することができる。次に、該ポリエステル可塑剤の合成例を示す。
【0022】
(合成例)
アジピン酸352.4g、ダイマー酸〔ハリマ化成(株)製 ハリダイマー 300〕72.5g、3−メチル−1,5−ペンタンジオール291.6g、2−エチルヘキサノール134.8g、テトライソプロピルチタネート0.127gおよびリン酸硼素0.043gを仕込み、徐々に昇温しながら窒素雰囲気下にて脱水反応を行ない、最終的に220℃まで昇温して4時間反応した。その後、220℃、30mmHgで30分の減圧脱水反応を行ない、液状のサンプルNo.1(下記〔表1〕に示す、分子量、酸価、水酸基価のポリエステル可塑剤)を得た。
【0023】
さらに、上記合成例に準じて、反応成分である多塩基酸成分、多価アルコール成分、末端停止成分の種類や配合比率等を下記〔表1〕に示すように変化させて、サンプルNo.2〜No.5(下記〔表1〕に示す、分子量、酸価、水酸基価のポリエステル可塑剤)を合成した。
【0024】
【表1】
【0025】
上記ポリエステル可塑剤の配合量は、含ハロゲン樹脂100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは20〜200重量部であり、この範囲において用途に応じて適宜使用される。ここで、該配合量が10重量部未満では、十分な柔軟性を付与することができず、300重量部を超えると、ブリードを生じたり、加工性に悪影響を与えるなどの欠点を生じるおそれがある。
【0026】
また、本発明の組成物には、上記ポリエステル可塑剤とともに通常の含ハロゲン樹脂に使用される他の可塑剤を必要に応じて併用することができる。該他の可塑剤としては、通常の含ハロゲン樹脂に使用される可塑剤であれば何れも使用でき、例えば、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレートなどのフタレート系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペートなどのアジペート系可塑剤、ホスフェート系可塑剤、他のポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィン系可塑剤、トリメリテート系可塑剤、ピロメリテート系可塑剤、ビフェニレンテトラエステル可塑剤、エポキシ化植物油などがあげられる。
【0027】
上記の他の可塑剤は、含ハロゲン樹脂100重量部に対し、本発明に係る上記(ロ)成分であるポリエステル可塑剤と合わせて300重量部を越えない範囲で使用される。
【0028】
また、本発明の組成物に、無機安定剤を併用することで熱老化物性はさらに改善される。該無機安定剤としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、錫、鉛などの酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩、リン酸塩、亜燐酸塩、硼酸塩などで、これらの酸性塩、中性塩、塩基性塩が包含され、さらにゼオライト、ハイドロタルサイト化合物などの複合塩化合物であってもよいが、これらの中でも、特にハイドロタルサイト化合物が好ましい。
【0029】
ここで、上記ハイドロタルサイト化合物とは、下記一般式(I)で表される様に、マグネシウムとアルミニウム、または亜鉛、マグネシウム及びアルミニウムからなる複塩化合物であり、結晶水を脱水したものであってもよい。
【0030】
Mgx1Znx2Al2・(OH)2x1+2x2+4・(CO3)1-y/2(ClO4)y ・mH2O (I)
(式中、x1 、x2 及びyは各々下記式で表される条件を満足する数を示し、mは0または任意の正数を示す。0≦x2 /x1 <10、2≦x1 +x2 <20、0≦y≦2)
【0031】
上記ハイドロタルサイト化合物は、天然物であってもよく、また合成品であってもよい。上記合成品の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129号公報、特公平3−36839号公報、特開昭61−174270号公報などに記載の公知の方法を例示することができる。また、上記ハイドロタルサイト化合物は、その結晶構造、結晶粒子径などに制限されることなく使用することが可能である。
【0032】
また、上記ハイドロタルサイト化合物としては、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックスなどで被覆したものも使用できる。
【0033】
上記無機安定剤の添加量は、含ハロゲン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜5重量部である。該添加量が0.01よりも少ない場合には効果がほとんど見られず、10重量部より多く使用した場合には増量効果がないばかりでなく、大きな着色を与えるなどの欠点を生じるおそれがあるため好ましくない。
【0034】
また、本発明の組成物には、有機Sn系、金属せっけん系等、通常の含ハロゲン樹脂に使用される安定剤を使用することができる。
【0035】
また、本発明の組成物には、さらに通常含ハロゲン樹脂用の添加剤として用いられている各種の添加剤、例えば、アミン系、フェノール系、硫黄系、リン系等の抗酸化剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の光安定剤またはエポキシ化合物等を配合することもできる。
【0036】
その他、本発明の組成物には、必要に応じて、通常含ハロゲン樹脂に使用される添加剤、例えば、架橋剤、充填剤、帯電防止剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、顔料、加工助剤等を配合することができる。
【0037】
また、本発明の組成物は、含ハロゲン樹脂の加工方法には無関係に使用することが可能であり、例えば、カレンダー加工、ロール加工、押出成型加工、溶融流延法、加圧成型加工、ペースト加工、粉体成型等に好適に使用することができる。
【0038】
本発明の組成物は、壁材、床材、窓枠、壁紙等の建材;自動車用内装材;電線用被覆材;ハウス、トンネル等の農業用資材;ラップ、トレー等の食品包装材;鉄等の金属、木材、異種プラスチック保護および化粧のための被覆資材;塗料;レザー、シート、ホース、玩具等の雑貨として好適に使用することができる。
【0039】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例によって制限を受けるものではない。
【0040】
実施例1
下記配合物をロール混練後プレス加工を行ない0.5mmのシートを作成した。このシートより所定の試験片を作成し、JIS K 7113に従って引張試験を行ない、引張強度と伸びを求め、柔軟温度を測定した。また、試験片を158℃のギヤオーブン中に336時間入れたもの(熱老化後)についても同様に引張試験を行ない、引張強度と伸びを求めた。(ここではオリジナルと比較してその残率を示した。)
【0041】
また、上記シートをABS樹脂に接触させ、72℃で72時間放置後の移行性を目視により評価した。評価基準はまったく移行の見られないものを1として10段階で数値の増大に伴い移行の大きい状態を表す。
【0042】
それらの結果を下記〔表3〕に示す。尚、試験化合物として用いたNo.1〜No.5は、前記合成例で合成したポリエステル可塑剤である。また、比較サンプルとして、下記〔表2〕に示す反応成分としての多塩基酸成分、多価アルコール成分、末端停止成分を用いて合成したサンプル比1〜比3(下記〔表2〕に示す、分子量、酸価、水酸基価のポリエステル可塑剤)を使用した。
【0043】
【表2】
【0044】
*2:協和化学株式会社製ハイドロタルサイト
組成式:Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O
【0045】
【表3】
【0046】
実施例2
下記の配合物にて、柔軟温度を測定しない以外は実施例1と同様の試験を行なった。さらに、オリジナルシートを70℃、98%RHに2週間曝した後の、シート表面への吹き出し物(ブリード)を観察した。評価は目視による10段階評価で、1が全く吹き出しの見られない状態を表し、数値の増大に伴い吹き出し物が増加することを表す。それらの結果を下記〔表4〕に示す。
【0047】
*3:協和化学株式会社製ハイドロタルサイト
組成式:Mg4Al2(OH)12CO3・3H2O
【0048】
【表4】
【0049】
以上の結果から、次のことが明らかである。
多塩基酸成分としてダイマー酸を用いず、多価アルコール成分として3−メチル−1,5−ペンタンジオールを用いていないポリエステル可塑剤(比1)、あるいはそれぞれの成分の内一方のみを用いてなるポリエステル可塑剤(比2,比3)を使用した場合(比較例 1-1〜1-3, 2-1〜2-3 )には、耐寒性に劣り、熱老化物性の低下が大きく、さらに非移行性に劣る。
【0050】
これに対し、多塩基酸成分としてダイマー酸を用い、かつ多価アルコール成分として3−メチル−1,5−ペンタンジオールを用いてなるポリエステル可塑剤用いることによって、耐寒性、熱老化物性、非移行性に優れた含ハロゲン樹脂組成物が得られ、さらに、本発明に係る上記ポリエステル可塑剤と共にハイドロタルサイト化合物などの無機安定剤を併用することで、さらにその熱老化物性を改善することができる(実施例 1-1〜1-5, 2-1〜2-5 )。
【0051】
【発明の効果】
本発明の含ハロゲン樹脂組成物は、低温特性、熱老化物性、非移行性に優れ、種々に用途に好適に使用することができる。

Claims (2)

  1. (イ)含ハロゲン樹脂100重量部および(ロ)ポリエステル可塑剤10〜300重量部からなる含ハロゲン樹脂組成物において、上記(ロ)成分が、反応成分として3−メチル−1,5−ペンタンジオールを含む多価アルコール成分およびダイマー酸を含む多塩基酸成分を使用したポリエステル可塑剤であり、該ダイマー酸が下記〔化1〕で示される化合物であることを特徴とする含ハロゲン樹脂組成物。
  2. 上記(ロ)成分を形成する、上記3−メチル−1,5−ペンタンジオールの使用量が全多価アルコール成分中10モル%以上であり、上記ダイマー酸の使用量が全多塩基酸成分中0.5モル%以上である請求項1記載の含ハロゲン樹脂組成物。
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