JP3669116B2 - パリソンの肉厚制御方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイヘッドに設けられたダイとコアの間の隙間を通って押出し形成され、形成後直ちに回転式ブロー成形機によって容器等の中空成形体に成形されるパリソンの肉厚制御方法及び装置に関し、特に、擬似肉厚パターンを用いて、パリソンの肉厚制御を行なう方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック容器等の中空成形体は、通常パリソン(筒状の熱可塑性予備成形体)からブロー成形することによって形成されるが、形成の際の膨出率や製品の肉厚が高さ方向に差があるため、長さ方向肉厚分布が所定のものになるようにパリソンを形成することが望ましい。
【0003】
パリソンは、ダイヘッドに設けられたダイとコアの間の隙間を通って熱可塑性樹脂を押し出すことによって形成されるが、従来押出時間又はパリソン長さにもとづいて上記の隙間量を調節してパリソンの肉厚分布の制御を行なっていた(例えば、特開昭55−69422号、特開平7−88945号)。
【0004】
しかし、パリソンを形成後直ちに回転式ブロー成形機によってブロー成形する場合、ブロー成形金型は連続公転するものであるが、比較的単重が大きい(例えば30〜50kg)金型が開閉する際の慣性モーメントの変動や開閉抵抗の差等によって開閉の際に公転速度が若干変化する(例えば10%程度)。また金型間の間隔も取付け具合によって若干異なる。そのため、上記の方法では時間軸又は長さ軸にずれが生じて、ブロー成形との精密なタイミングでのパリソン肉厚制御が困難であった。
【0005】
そこで、本出願人は、特願平9−31476号において、ダイヘッドに設けられたダイとコアの間の隙間を通って押し出されることによって形成され、形成後直ちに連続公転するブロー成形金型によって中空成形体にブロー形成されるパリソンの長さ方向肉厚を、ブロー成形金型の公転速度に変動があっても、ブロー成形との精密なタイミングで制御することが可能な方法および装置を提供している。
【0006】
まず、特願平9−31476号に係るパリソン肉厚制御装置について簡単に説明する。
図7は、特願平9−31476号に係る装置のダイヘッド及びブロー成形機の概略構成図であり、図8は、同じく制御機構及び制御回路を示すブロック構成図である。
図7において、10は回転式ブロー成形機であり、矢印A方向に連続回転する垂直な円盤11の周縁部に沿って等間隔に設けられた複数個(図では16)の取付ステーション11sに備えられる取付具(図示せず)の各々にブロー成形金型12が着設されている。金型12は二つ割りの開閉式割り型である。
円盤11は、開いた状態で下降して、パリソン8を把持する直前の金型12の頭端面12aにおけるキャビティ入口中心12a’が、ダイヘッド3のコア5のやや左側(すなわちコア5に対して回転軸13の反対側)下方に位置するように配設されている。
【0007】
金型12は、その中心12cが、円盤11の中心軸oを透る水平面11xに対して僅か上方に傾いたダイヘッド3側の平面11y(例えば、水平面11xに対してなす角度θが5度)を通過する時点でカム機構(図示せず)により閉鎖を開始し、水平面11xに達した時点で閉鎖を終了する。
金型12は、中心12cが、水平面11xに対してやや上方に傾いた、中心軸oに対してダイヘッド3と反対側の平面11z(例えば、水平面11xに対してなす角度δが10度)に達するまでA方向に公転する間、閉状態にあり、以降中心12cが平面11yに達するまで公転する間は、開状態にあるようになっている。
【0008】
キャビティ12bが見える金型12aは、開状態にあるものを示す。パリソン8は金型12の閉状態で互いに繋っており、閉鎖直後のブロー成形金型12により、だれない程度に僅かに引っ張られながらやや左側に傾いて垂下する。樹脂の流量は、パリソン8の平均断面積や金型12の周速度との関連において、このようなことが可能のように定められる。円盤11の頂部より僅かに右側上方に送出ターレット18が配設されている。
【0009】
金型閉鎖の際に円盤11の回転速度は若干(10%程度)変化する。閉鎖後エア(図示せず)がパリソン8内に送入され、キャビティ12b内のパリソン部分はブロー成形され、冷却固化した後金型12は開く。この際にも円盤11の回転速度は若干(10%程度)変化する。ブロー成形された容器17は、金型12から取り出され送出ターレット18に移送され、次工程に送られる。
【0010】
円盤11の回転軸13は、モータ(図示されない)によって一定平均回転速度(例えば毎分4回)で連続駆動される。回転軸13のギヤ(図示せず)には、ギヤ14、ギヤ14と同軸のプーリ14a、タイミングベルト15およびプーリ16aを介してロータリ・エンコーダ16が係合している。エンコーダ16とプーリ16aは同軸である。
エンコーダ16としては、3600パルス/回転などの1000〜5000パルス/回転を発生するのが好ましく用いられる。
19は、定位置にある金型検出センサ、例えば近接スイッチである。各金型12の検出センサ19に対向すべき面の先端部に検出子20が着設されている。
【0011】
また、図8に示すように、制御回路は、1取付ステーションに対する公転角α、又は公転角αより僅かに小さい角を複数(m)個に等分割して(m+1)個の序数よりなる公転角ポイントを設定し、かつ各公転角ポイントに対するパリソンの目標の肉厚に対応するダイとコアとの相対変位量を設定することにより得られた公転角ポイントと上記相対変位量との関係データを記憶格納するパターン設定器35を有している。
【0012】
また、制御回路は、ロータリ・エンコーダ16より出力されるパルスの数を倍周器27を介してカウントするカウンタ回路29と、このカウンタ回路29でカウントしたパルス数が、パルス数設定器30に設定してある上記等分割する数(m)で割った値のパルス数に達する毎に公転角ポイントを順次指定する公転角ポイント指定回路33と、指定された公転角ポイントに対する肉厚に対応するダイとコアの相対変位量を電圧に変換してサーボアンプ25に出力するパターン電圧変換器34と、サーボアンプ25の出力信号に基づいてダイとコアの間の隙間の量を調節するサーボ弁24、油圧シリンダ23、及び金型の検出センサ19と接続する遅延回路36を備えている。
【0013】
そして、公転角ポイントと各公転角ポイントに対応するパリソンの肉厚データにもとづいて、ダイ4とコア5の間の隙間7を調整してパリソンの肉厚制御を行なっている。
具体的には、図8に示すように、押し出される熱可塑性樹脂9の流量を一定にするためのギヤポンプ2が押出機1とダイヘッド3との間に設けられている。ダイヘド3の下端のダイ4と、垂直なコアロッド6の下端に着設された円錐台形状のコア5との間に隙間7が形成されており、隙間7を通って流出する樹脂9によってほぼ鉛直方向にパリソン8が形成される。そして、サーボアンプ25,サーボ弁24,油圧シリンダ23,中央に水平軸21の位置するレバー22からなるサーボ機構によりコアロッド6を上下に変位させて隙間7の量、すなわち隙間幅を変えることによりパリソン8の長さ方向肉厚が調節される。
【0014】
ここで、熱可塑性樹脂9の流量が一定の場合パリソン8の長さ方向にある位置における肉厚tは当該位置に対応する隙間量の関数である。隙間量は、コアロット6の上下位置、すなわちコアロッドの変位量cの関数である。変位量cは、変位率c’%すなわち変位量c*100/最大変位量cmax・%に比例する。最大変位量cmaxは決められた一定値である。
したがって、t=f(c’)の関係が成り立つ。よってc’=f(t)の関係が成り立つ。
f及びf’は関係式を示す。よって、コアロッド変位率c’%を肉厚tとみなして、コアロッド変位率c’%を制御することによってパリソンの肉厚を制御することができる。
【0015】
これにより、特願平9−31476号のパリソンの肉厚制御装置は、連続公転する金型によってブロー成形されるパリソンの肉厚を、公転速度に変動があってもブロー成形との精密なタイミングで制御することが可能となるといった優れた効果を奏する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特願平9−31476号のパリソンの肉厚制御装置にあっては、ダイ4とコア5の隙間7を調整する油圧シリンダ23がサーボアンプ25からの信号で駆動するサーボ弁24によって制御されている。そして、サーボアンプ25には、油圧シリンダ23のピストンロッド23aの上下による変位量を検出する線状変位計(差動変圧計,ポテンショメータ等)26からの出力がフィードバックされている。
【0017】
このため、サーボアンプ25,サーボ弁24,油圧シリンダ23及び線状変位計26からなるサーボ機構(サーボ系)に遅れを生じ、図9に示すように、パターン電圧変換器35から指示されたパリソンの目標肉厚パターンと実際のパリソンの肉厚パターンとの間に誤差を生じていた。換言すれば、このサーボ機構によって生じる応答遅れに起因してパリソンの肉厚、ひいてはブロー成形された容器17の肉厚が高さ方向においてばらついてしまい設計通りとならなかった。
【0018】
本発明は、上記事情にかんがみなされたものであり、サーボ機構の遅れに起因して目標肉厚パターンとの間に生じるパリソンの肉厚誤差をなくし、長手方向(高さ方向)における肉厚ばらつきのないパリソン(容器)の成形を可能ならしめたパリソンの肉厚制御方法及び装置の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成させるため、請求項1記載のパリソンの肉厚制御方法は、パリソンの目標肉厚パターンにもとづいてサーボ機構を作動させ、ダイヘッドに設けられたダイとコアの間の隙間を調整することによって、ブロー成形金型に押し出される樹脂の流量(肉厚)制御を行ない、パリソンの長さ方向肉厚を制御する方法であって、前記ダイとコアの間の隙間を調整するサーボ機構の応答遅れによって生じるパリソンの肉厚差を、目標肉厚パターンと実際の肉厚パターンとの差から求め、この肉厚差を、前記目標肉厚パターンに加算することによりパリソンの擬似肉厚パターンを求め、この擬似肉厚パターンにもとづいて前記サーボ機構を作動させることによりブロー成形金型に送られる樹脂の流量制御を行なうようにしてある。
【0020】
また、請求項2に記載のパリソンの肉厚制御方法は、前記擬似肉厚パターンと実際の肉厚パターンとの差からパリソンの肉厚差を求め、かつ、この肉厚差を前記目標肉厚パターンに加算することによって、新たな擬似肉厚パターンを作成する方法としてある。
【0021】
請求項1及び2のパリソンの肉厚制御方法によれば、サーボ機構の遅れによって発生するパリソンの目標肉厚パターン又は前の擬似肉厚パターンに対する実際のパリソンの肉厚差(過不足分)を、あらかじめ補償することが可能となる。
【0022】
請求項3に記載の方法にあっては、前記ブロー成形金型が、複数の取付ステーションにそれぞれ装着され公転するものであり、前記パリソンの目標肉厚パターン,擬似肉厚パターンのそれぞれが、前記取付ステーションの1ステーションについての公転角α又はこの公転角αより僅かに小さい角を複数(m)個に等分割して得た複数(m+1)の序数よりなる公転角ポイントごとに求めた肉厚を連続させたものとしてある。
このパリソンの肉厚制御方法によれば、上記目標肉厚パターン,擬似肉厚パターンに対し、複数(m)個に等分割して得た複数の公転角ポイントごとに肉厚不足分を加算しているので擬似肉厚パターンの作成が容易となる。
【0023】
請求項4に記載の方法は、前記パリソンの肉厚に関する目標肉厚パターン,擬似肉厚パターンのそれぞれが、前記公転角ポイント間をさらにn個に等分割して得た複数の序数よりなるポイント(m×n+1)ごとに求めた肉厚を連続させたものとしてある。このパリソンの肉厚制御方法によれば、サーボ機構に送る制御信号として、公転角ポイント間をさらに細分化して得たポイントごとの肉厚データを用いているので、制御をきめ細かく正確に行なう。
【0024】
さらに、請求項5に記載の方法は、前記目標肉厚パターンを、基本設計された肉厚パターンに修正を加えて作成するようにしている。このパリソンの肉厚制御方法によれば、基本肉厚パターン自体を変更することなく目標肉厚パターンを作成でき、設計に手数を要する基本肉厚パターン自体は残しておくことができる。
【0025】
請求項6に記載のパリソンの肉厚制御装置は、サーボ機構によって、ダイヘッドに設けられたダイとコアの間の隙間を調整し、ブロー成形金型に押し出される樹脂の肉厚制御を行ないパリソンの長さ方向肉厚を制御する装置であって、パリソンの目標肉厚パターンを記憶する第1メモリと、この第1メモリからのパリソンの目標肉厚パターンを記憶する第2メモリと、この第2メモリからの信号にもとづいて前記サーボ機構が作動したときに、前記サーボ機構からパリソンの実際の肉厚に関する信号を入力して、前記目標肉厚パターンとの肉厚差を求める演算器と、この演算器で求めた肉厚差を前記目標肉厚パターンに加算して擬似肉厚パターンを作成し、前記第2メモリに記憶させる加算器とを具備した構成としてある。
【0026】
請求項7に記載の装置では、前記演算器が、前記第2メモリからの擬似肉厚パターンとサーボ機構からの実際の肉厚パターンを比較してパリソンの肉厚差を求め、前記加算器が、前記演算器で求めた肉厚差を前記擬似肉厚パターンに加算して新たな擬似肉厚パターンを作成し、前記第2メモリに記憶させる構成としてある。
【0027】
また、請求項8に記載の装置では、前記第1メモリにパリソンの基本肉厚パターンを出力するパターン設定器と、第1メモリに記憶された基本肉厚パターンに修正を加えて目標肉厚パターンを作成するパターン変更器を備えた構成としてある。これら請求項6〜8に記載のパリソンの肉厚制御装置によれば、上記制御方法の実施を、簡単な装置を用いて容易に行なうことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるパリソンの肉厚制御装置のブロック構成図を示す。
同図において、押出機1,ギヤポンプ2,ダイヘッド3,コア5及びブロー成形金型12等からなる回転式ブロー成形機10,並びに、油圧シリンダ23,サーボ弁24,アンプ25及び線状変位計26からなり、コア5の位置を調節するサーボ機構は、図7に示す従来のものと同様の構成としてある。
【0029】
エンコーダ16(ギヤ14,タイミングベルト15等を含む)及び倍周器27,並びに検出センサ及び遅延回路36等も、図7,8に示すものと同様の構成となっている。
【0030】
ここで、遅延回路36で遅延される時間(q)は次のようにして設定される。すなわち、金型検出センサ19の配設位置が、当該金型検出センサ19によってある金型12のある部位を検出したときにダイヘッド3の隙間7を通過する樹脂部分が当該金型12の上記検出部位によって把持されるまでの時間(p)と、当該金型12の検出から閉鎖までの時間(v)が実質的に等しくなるように定められているときは、遅延時間(q)を0に設定する。
また、上記のように定められていないときは、時間(q)を、時間(p)と時間(v)との差が0になるように設定する。
【0031】
なお、スイッチ51は、ブロー成形を開始するときにオンとしてゲート52を開き、倍周器27からのパルス信号をプリセットカウンタ53に送るためのものである。プリセットカウンタ53は遅延回路36からの信号を入力したときに、後記する分周器106及び電圧発生器107に送るパルス信号のカウントを開始する。
【0032】
図1において、パターン設定器101には、設計されたパリソンの肉厚パターン、たとえば、図2に示すような取付けステーションの各公転角に対するパリソンの目標肉厚を連続的なパターン線図で設定してある。
このパターン設定器101に設定されているパターンは、基本肉厚パターンとして、パリソンの基本設計が変更されない限り不変となっている。
【0033】
第1メモリ102は、分周器106からの信号を入力したときにパターン設定器101から基本肉厚パターンを読み出して記憶する。パターン変更器103は、成形条件、容器仕様などに応じ、基本肉厚パターンに小さな変更を加える必要があるときに修正信号を出力し、第1メモリ102に記憶してある基本肉厚パターンに変更を加え目標肉厚パターンを作成する。
【0034】
ゲート104は、遅延回路36から出力される信号のうち、最初の信号を入力したときに開いて、第1メモリ102に記憶されている目標肉厚パターンを第2メモリ105に送る。
【0035】
第2メモリ105は、第1メモリ102から入力した目標肉厚パターンを、分周器106からのパルス信号にもとづいて33等分する。すなわち、一取付けステーションに対する公転角をm(33)個に等分割してm+1(34)個の序数からなる公転角のポイントを設定し、この公転角ポイントに対応する肉厚(電圧)を記憶する。
【0036】
電圧発生器107は、第2メモリ105からの目標肉厚パターンをプリセットカウンタからの信号で各公転角ポイント間ごとにさらにn(8)等分し、目標肉厚パターン全体を33×n(264)等分する。そして、この33×nの序数からなる33×n+1(265)の各ポイントごとに、その肉厚に相当する電圧を発生しサーボアンプ25に出力する(図4参照:図4では一部を省略して図示している)。
【0037】
減算器108は、線状変位計26からパリソンの実際の肉厚に相当する信号を入力するとともに、第1メモリ102から目標肉厚パターンの信号を入力する。ここで、線状変位計26からの実際の肉厚パターン信号は、前記したようにサーボ機構の遅れにより目標肉厚パターンとは同じとはならず、図5(a)に示すように、ずれた状態(肉厚不足状態)となっているので、減算器108では、目標肉厚パターンと実際の肉厚パターンの肉厚の差を求める。
【0038】
加算器109は、減算器108から出力される信号(目標肉厚パターンと実際の肉厚パターンの差)を入力するとともに、第2メモリ105から出力される目標肉厚パターンを入力し、両者を加算する。すなわち、第2メモリ105から出力している目標肉厚パターンの肉厚に、サーボ機構の応答遅れによって生じる肉厚の不足分を34の各ポイントごとに加算し、全体として擬似肉厚パターンを求める(第5図(b)参照)。
なお、本実施形態では、減算器108と加算器109によって、演算器を構成している。
【0039】
このように、本実施形態によれば、まず、第1メモリ102において、パターン設定101から読み込んだ基本肉厚パターンに修正を加え、設計仕様に応じた目標肉厚パターンを作成する。次いで、第2メモリ105に第1メモリ102からの目標肉厚パターンを読み込み、金型を取り付けている取付けステーションの公転角ポイント(34箇所)ごとに肉厚を求める。
【0040】
そして、この第2メモリ105で、公転角ポイントごとに求められた肉厚信号は電圧発生器107と加算器109に出力される。電圧発生器107では、さらに公転角ポイント間を(8)等分して、目標肉厚パターンの多数(265箇所)のポイントにおける肉厚相当分の電圧を発生し、この電圧をサーボアンプ25に出力し、サーボ機構を制御している。
【0041】
サーボ機構によってコア5の位置を調節し、ダイヘッド3から押し出されるパリソン8の肉厚を制御する間、線状変位計26から実際のパリソンの肉厚に相当する信号が出力されサーボアンプ25にフィードバックされるとともに、減算器108に入力される。
減算器108では、パリソンの目標肉厚パターンから実際のパリソンの肉厚パターンを減算し、肉厚不足分を求め、加算器109に出力する。
【0042】
加算器109では、入力した減算器108からの肉厚不足分を、第2メモリ105から出力された目標肉厚パターンに加算する。具体的には、先に等分して求めた公転角ポイント(34箇所)ごとに、対応する肉厚不足分を加算して擬似肉厚パターンを作成する。
【0043】
このようにして作成された擬似肉厚パターンは、加算器109から第2メモリ105に送られ、第2メモリ105において目標肉厚パターンと書き換えられて新たに記憶される。この擬似肉厚パターンは、上記と同様に、加算器109に出力されるとともに、電圧発生器107で265箇所における電圧信号としてサーボ機構(アンプ25)に出力される。
サーボ機構では、この信号にもとづいてパリソンの成形を行なうが、この擬似肉厚パターンは、サーボ機構の応答遅れにより生じる肉厚不足分を補償した状態となっているので、この擬似肉厚パターン信号にもとづいて成形された第二サイクル目のパリソンの実際の肉厚は、図5(b)に示すように目標肉厚パターンと同じ肉厚パターン(肉厚)となる。
【0044】
第二サイクル目以降においても種々の要因で、目標肉厚パターンと実際の肉厚パターンとの間には小さなずれ(肉厚の過不足)を生じることがあるが、この場合にも、上記と同様にしてずれ(肉厚差)を補償した新たな擬似肉厚パターンが作成され、この新たな擬似肉厚パターンによってパリソンの成形が行なわれるので、サイクルごとに修正が加えられることになる。
【0045】
ここで、擬似肉厚パターンの作成は、本実施形態の場合、目標肉厚パターン又は擬似肉厚パターンの34箇所のポイントで肉厚の過不足分を修正して行なっているので、擬似肉厚パターンの作成が容易である。
一方、制御信号としては、265箇所のポイントにおける肉厚を制御することになるので、パリソンの肉厚の正確さを確保することができる。
【0046】
なお、肉厚の過不足分修正ポイント及び肉厚を制御するポイントの数は、パリソンの仕様、成形条件などによって適宜変更することができる。
また、目標肉厚パターン及び擬似肉厚パターンの作成はデジタル的に行なうことも可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ブロー成形金型に押し出される樹脂の肉厚を、目標の肉厚とほぼ同じとなるように制御することが可能となる。
これにより、パリソンの長手方向の肉厚分布ひいては製品としてのボトルの肉厚分布にばらつきをなくすことができる。
【0048】
また、簡単な構成の装置を用い、容易な操作でパリソンの長手方向の肉厚制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパリソンの肉厚制御装置における一実施形態例を示すブロック図である。
【図2】パリソンの目標肉厚パターンの一例を示す図である。
【図3】パリソンの目標肉厚パターンと34箇所の公転角ポイントの関係を示す図である。
【図4】パリソンの目標肉厚パターンの公転角ポイント間を等分する状態の説明図である。
【図5】(a)及び(b)は、パリソンの肉厚制御方法を説明するための図である。
【図6】各部の信号を示すタイムチャートである。
【図7】回転式ブロー成形機の概略構成図である。
【図8】従来のパリソンの肉厚制御装置を示すブロック図である。
【図9】従来のパリソンの肉厚制御方法を説明するための図である。
【符号の説明】
101 パターン設定器
102 第1メモリ
103 パターン変更器
105 第2メモリ
107 電圧発生器
108 減算器
109 加算器
24 サーボ弁
25 サーボアンプ
26 線状変位計
Claims (8)
- パリソンの目標肉厚パターンにもとづいてサーボ機構を作動させ、ダイヘッドに設けられたダイとコアの間の隙間を調整することによってブロー成形金型に押し出される樹脂の肉厚制御を行ない、パリソンの長さ方向肉厚を制御する方法であって、
前記ダイとコアの間の隙間を調整するサーボ機構の応答遅れによって生じるパリソンの肉厚差を、目標肉厚パターンと実際の肉厚パターンとの差から求め、
この肉厚差を、前記目標肉厚パターンに加算することによりパリソンの擬似肉厚パターンを求め、
この擬似肉厚パターンにもとづいて前記サーボ機構を作動させることによりブロー成形金型に送られる樹脂の肉厚制御を行なうことを特徴としたパリソンの肉厚制御方法。 - 前記擬似肉厚パターンと実際の肉厚パターンとの差からパリソンの肉厚差を求め、かつ、この肉厚差を前記目標肉厚パターンに加算することによって、新たな擬似肉厚パターンを作成することを特徴とした請求項1記載のパリソンの肉厚制御方法。
- 前記ブロー成形金型が、複数の取付ステーションにそれぞれ装着され公転するものであり、前記パリソンの目標肉厚パターン,擬似肉厚パターンのそれぞれが、前記取付ステーションの1ステーションについての公転角α又はこの公転角αより僅かに小さい角を複数(m)個に等分割して得た複数(m+1)の序数よりなる公転角ポイントごとに求めた肉厚を連続させたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のパリソンの肉厚制御方法。
- 前記パリソンの目標肉厚パターン,擬似肉厚パターンのそれぞれが、前記公転角ポイント間をさらにn個に等分割して得た複数の序数よりなるポイント(m×n+1)ごとに求めた肉厚を連続させたものであることを特徴とする請求項3記載のパリソンの肉厚制御方法。
- 前記目標肉厚パターンが、基本設計された肉厚パターンに修正を加えて作成したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパリソンの肉厚制御方法。
- サーボ機構によって、ダイヘッドに設けられたダイとコアの間の隙間を調整し、ブロー成形金型に押し出される樹脂の肉厚制御を行ない、パリソンの長さ方向肉厚を制御する装置であって、
パリソンの目標肉厚パターンを記憶する第1メモリと、
この第1メモリからのパリソンの目標肉厚パターンを記憶する第2メモリと、
この第2メモリからの信号にもとづいて前記サーボ機構が作動したときに、前記サーボ機構からパリソンの実際の肉厚に関する信号を入力して、前記目標肉厚パターンとの肉厚差を求める演算器と、
この演算器で求めた肉厚差を前記目標肉厚パターンに加算して擬似肉厚パターンを作成し、前記第2メモリに記憶させる加算器とを具備したことを特徴とするパリソンの肉厚制御装置。 - 前記演算器が、前記第2メモリからの擬似肉厚パターンとサーボ機構からの実際の肉厚パターンを比較してパリソンの肉厚差を求め、
前記加算器が、前記演算器で求めた肉厚差を前記擬似肉厚パターンに加算して新たな擬似肉厚パターンを作成し、前記第2メモリに記憶させることを特徴とする請求項6記載のパリソンの肉厚制御装置。 - 前記第1メモリにパリソンの基本肉厚パターンを出力するパターン設定器と、第1メモリに記憶された基本肉厚パターンに修正を加えて目標肉厚パターンを作成するパターン変更器を備えたことを特徴とする請求項6又は7記載のパリソンの肉厚制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16830297A JP3669116B2 (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | パリソンの肉厚制御方法および装置 |
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JP16830297A JP3669116B2 (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | パリソンの肉厚制御方法および装置 |
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