JP3668771B2 - 分離膜及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分離膜及び分離膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学工業、医薬品工業、食品工業等の製造工業においては、物質を製造した後に目的とする物質を分離する工程は、必要不可欠である。また、水処理や気体を処理するために、分離することが必要とされる。
このような分離技術では、分離対象成分と分離媒体(膜)との分子間力の差等を直接利用して分離を行う技術であるため、原理的には、分離媒体の分離特性を高度に機能化することが可能であり、また一般には蒸留法など従来の分離技術に比べて省エネルギー的であるため、次世代の分離技術としてその重要性が深く認識されている。
【0003】
このような膜分離技術の歴史は、透析法に始まり、電気透析法、逆浸透法、限外ろ過法と発展し、すでに30年以上になる。現在では、逆浸透法、限外ろ過法等の水溶液系における膜分離技術はすでに完全に実用化されており、脱塩、有価物の回収、排水処理、食品加工などの多くの応用分野で利用されている。特に、近年、超LSI製造工程で利用されている超純水の製造及び利用技術では、この限外ろ過膜、逆浸透膜を駆使する膜分離システムは必要不可欠であり、日本の超LSI工業が競争力を有している要素の一つには超純水の製造利用技術の中で膜分離技術が優れていることが挙げられている。
【0004】
気体に含まれる気体を分離する際には、膜により処理しようとする気体の供給側を加圧するタイプと、逆に透過側を減圧にするタイプがある。このような気体分離を行う具体例としては、石油精製水素回収、アンモニウム合成排ガスからの水素回収、炭化水素回収などにおける水素の回収などに見られるように、専ら、水素回収を目的として利用されている。最近では、二酸化炭素等の地球温暖化ガスの原因となるガスの回収や炭化水素精製における水素回収用などの目的のための分離膜の開発が活発である。また、処理対象ガスが高温であることから、より高温で使用可能な膜の開発に対する要求も高く、具体的な膜として無機膜の開発も盛んであり、そのためのゼオライト膜エレメントの開発も行われている。
【0005】
共沸混合物の成分分離や水溶液中に希薄成分の分離に利用される方法として、浸透気化法がある。この方法は、膜の片側(混合液の供給側)に液体混合物を置き、反対側(透過側)を減圧に保ち、膜内を透過してきた液体の蒸気化を容易にして、その蒸気を冷却、液化して取り出す方法である。また、蒸留による分離が困難な系、例えば、エタノール水溶液の脱水等への応用が期待されている。
【0006】
このような分野に使われる高分子分離膜は、一般に、高分子を溶剤に溶解させた溶液を一定の厚さにキャストし、水等のゲル化浴に浸漬させて作製する。このような方法を相転換法と呼び、酢酸セルロース膜等の逆浸透膜や、ポリスルホン、ポリアクリルニトリル膜等の限外ろ過膜の作製に用いられている。この相転換法で作られた膜は、非対称膜といい、表面緻密層と多孔層が同一素材であり、一般に同時に形成された膜である。表面緻密層が分離機能を有し、多孔層は単に物理的に表面緻密層を支持していると考えられている。
【0007】
高分子分離膜としての膜性能の目標は、高い選択分離性を維持したまま透過性能を向上させることである。すなわち、選択分離性が高い膜素材が見つかると、薄膜化が膜性能向上のための要点となる。この考えに基づいて、分離膜の分離機能を高める表面の超薄膜層を別の方法で作製した膜が複合膜である。
つまり、複合膜は膜の分離機能を司る膜部分(非対称膜の緻密層に相当する部分)と支持層(多孔層に相当する部分)が基本的に異種素材で構成されている膜である。
【0008】
複合膜の作製方法としては、乾式と湿式の2種類があり、さらに、製膜方法としては、高分子を支持膜上で薄膜化する方法(薄膜化法)と支持膜上で直接重合薄膜を形成させる方法(その場重合法)に大別される。また、その膜断面の形態としては、超薄膜が支持層上に乗っている型、この超薄膜と支持層の間に干渉層(ゲル層)が存在する型、超薄膜素材が支持層の上及び孔内に浸透した型、支持層の表面を物理的あるいは化学的に閉塞する型がある。
【0009】
高分子膜に直接モノマーをグラフトする方法としては、光、プラズマ、電子線、放射線等を照射後、各種のモノマー水溶液に浸漬させて反応を起こして行う方法が提案されており、このようなグラフト処理を施した膜を分離膜に応用することが行われている。
【0010】
東京大学の山口らは、重合開始にプラズマを用い、液相で基膜にモノマーを重合させて基膜の細孔を塞ぐことを目的としたフィリンググラフト重合膜の研究を報告した。その結果、ポリエチレン製の精密ろ過膜にメチルアクリレートをグラフト重合させた膜は、25℃で、50.2wt%のベンゼン/シクロヘキサン溶液に対して膜透過流束0.02kg/mh、ベンゼンの透過液濃度93.7wt%の性能を示した。
【0011】
また、ウルブリヒトらは、基膜のダメージが少ない光を反応の開始に用い、ポリアクリロニトリル製限外ろ過膜表面に気体状態でアクリル酸を供給することで膜表面でグラフト重合を行い、分離膜の細孔径を減少させることを検討した。その結果、重合量の増加と共に、水の膜透過流束が減少し、デキストランの阻止率を増加させることができたものである。
【0012】
光を利用する方法は、空気中でかつ、操作が安易で各分野で利用されている。
しかし、光を用いるためには、高分子自体に光を吸収する分子構造を有している必要があるために、一般には、ベンゾフェノン等の光開始剤が必要であり、これらの光開始剤の毒性も危惧されている。さらに、エネルギーが十数eVであるために、基材への浸透が浅く、処理に時間がかかるという問題もある。
一方、プラズマは、真空中で行わなければならないために、その工程が複雑になるという欠点はもつ。
【0013】
電子線、放射線を照射して高分子膜を改質する方法は、装置が高価であり、取り扱いが光と比べて複雑であるので、以下のような実験報告はあるものの、あまり、実際には利用されていなかった。
Apptelらは、放射線を用いてテフロン膜の上でグラフト重合を行い、作製した膜を用いて、水〜エタノール系混合物を処理して、浸透気化性能の評価を行っている。
Ellinghostらは、電子線を用いてのグラフト重合法の研究を行い、水〜エタノール系やベンゼン〜シクロヘキサン系で浸透気化性能の評価を行っている。
【0014】
ここで、電子線は、放射線の仲間であり、電子を加速器で加速し束となったものである。電子線は、テレビや電子顕微鏡等に利用されている。この電子線を高分子化合物に対する処理の利用は、ポリエチレンの架橋から始まり、表面処理等による高分子の表面改質に利用することが可能である。
この電子線は、エネルギーが大きいので短時間での処理が可能であることと、膜内への浸透が深く進むこと、光開始剤を用いることのような前処理がいらないことの利点がる。
【0015】
しかし、電子線は、粒子線の束であり、エネルギーが100〜300eVと光の数十倍の強さがあり、局部的な温度の上昇等により膜表面に対して大きなダメージを与えることが考えられ、電子線を利用することに無理があると考えることが一般的であった。
一般に、高分子分離膜は、膜表面に0.1〜0.3μm分離活性層を有しているために、エネルギーが大きい電子線では、この分離活性層を壊し、分離性能の低下が起こるために、現在まで利用されていなかったものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、膜の表面を特定の範囲の電子線照射処理を施すことによる改質の結果、従来の膜と比較して高い性能を有する、新規な分離膜及びその製造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
従来の高分子分離膜の電子線処理では、電子線の出力が大きい装置を用いており、高分子分離膜に電子線照射を行った場合には、格別の効果が得られていない。その理由は、高分子分離膜を構成する高分子鎖の一部が切断され、膜表面が破壊され、膜性能の向上が見られなかったと考え、そこで、電子線加速電圧が35keV〜50keVの条件下に、電子線照射量を常圧下で、0.05MRad以上1MRad以下とし、その際に照射時間を短い条件により処理したところ、従来の結果は相違して、分離能などの点で良好な結果を得ることができたことを見出したものである。すなわち、従来の照射処理条件を緩和して、穏やかな処理をした結果、膜の表面にダメージを与えずに、膜を改質することができ、その結果、良好なガス分離が可能となる良好な高分子分離膜が得られることを見出した。また、このように電子線照射線処理を施すことにより、膜の表面の物質としての物理的な変化は、明確には観察することができなった。しかしながら、前記のように、処理特性そのものには大きな変化が見られ、その点から、見ると、物質に変化を与えることなく、表面に改質操作を施すことができたものと考えられる。さらに、このように改質処理を施した後に、ビニル化合物によりグラフト重合を施すと、施さないものに比較して良好にグラフト重合を行うことができることを、新たに見出した。この改質により、分解ガス(多くは水素ガス)が表面から逃げ、高分子化合物の架橋反応を引き起こし、残った状態のものが、膜の表面を形成しており、この電子線照射の結果、グラフト重合を良好に行うことができるようになるものと考えられる。このグラフト重合により,膜の表面が、粘着性を帯びた状態とすることができるようにすることができるようになったものと考えられる。すなわち、本発明は、特定の条件下に膜を電子線処理操作することにより、分離能を改善することができ、また、グラフト重合の前処理操作として重要な前処理を完成させたものである。この高分子分離膜は、膜表面温度の上昇することが可能な、耐熱性の高い高分子、言い換えると、高分子が有するガラス転移点が80℃以上、望ましくは150℃以上、あるいは、無機材料や金属材料から作られているものである。
【0018】
すなわち、以下の発明が提供される。
(1)分離膜を製造後、照射線量が、常圧下で、35keV〜50keVの加速電圧を用い、
0.05MRad以上 1 MRad以下の電子線照射処理を施すことにより得られるものであることを特徴とする分離膜
2)分離膜が、ポリイミド 、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミドから選ばれる高分子化合物であることを特徴とする(1)記載の分離膜。
(3)分離膜が、セラミックス又は金属から選ばれることを特徴とする(1)記載の分離膜。
4)分離膜が気体分離膜、浸透気化膜、又は限外ろ過膜であることを特徴とする(1)乃至(3)記載のいずれかである分離膜。
5)分離膜を製造後、照射線量が、常圧下、5keV〜50keVの加速電圧を用い 35keV 50keV の加速電圧を用い、0.05MRad以上1MRad以下の電子線照射処理を施すことにより製造することを特徴とする分離膜の製造方法。
(6)分離膜が、ポリイミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミドから選ばれる高分子化合物であることを特徴とする(5)記載の分離膜の製造法。
(7)分離膜が、セラミックス又は金属から選ばれることを特徴とする(5)記載の分離膜の製造方法。
(8)分離膜が気体分離膜、浸透気化膜、又は限外ろ過膜であることを特徴とする(5)乃至(7)記載のいずれかである分離膜の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の膜に用いられる材料は、高分子化合物、無機系物質及び金属系物質が用いられる。
高分子化合物は、耐熱性の高い高分子であることが必要である。これは本発明には電子線照射処理を行うものであり、膜表面の温度が上昇することに耐える必要があり、具体的には、その高分子が有するガラス転移点が80℃以上、望ましくは150℃以上であることが好ましい。このような高分子材料としては、具体的には、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド等の高分子化合物であり、これらの高分子物からなる膜を、本発明では用いるものである。
また、無機系物質も用いることができる。無機系物質としては、具体的には、ゼオライト、カーボン、アルミナ等の無機物質であり、これらにより構成される膜である。
また、金属系物質も用いることができる。金属系物質としては、具体的には、パラジウム、ステンレス鋼等の金属であり、これらにより構成される膜である。
【0020】
前記高分子化合物の材料からなる膜の製造方法としては、従来知られている各種の方法が採用される。その中の相分離法について説明する。形成される膜自体は、膜の製造方法が相違してもモノマーを重合させて製造するものであるから、最終的に形成される膜物質としては、それらの製造方法に依存するものではなく、各種の製法により膜に対しても、本発明は同様に適用させることができる。
相分離法による場合は以下のとおりである。
膜素材であるモノマーと良溶媒と添加剤からなる組成液から製膜液を作製する。作製した製膜液を、不織布上に一定の幅及び流速のもとに、膜厚を一定に維持しつつ流延し、不織布を巻き取りながら水中で、ゲル化させて、モノマーによる高分子物からなる基膜を作製する。その後、溶媒置換を行い、乾燥する。
モノマーとしてアクリロニトリルを用いたポリアクリルニトリル膜による相分離法では、まず、水中で膜の内部の溶媒を完全に抜き去り、不織布上に一定の幅及び流速のもとに、膜厚を一定に維持しつつ流延し、不織布を巻き取りながら水中で、ゲル化させて、モノマーによる高分子物からなる基膜を作製する。次に、溶媒置換を行う。溶媒には、水からエタノール→2-プロパノール→n-ヘキサンの順に溶媒置換を行い、風乾し、その後、真空乾燥する。
モノマーとしてイミドを用いたポリイミド膜による相分離法では、良溶媒、例えば、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、モルホリン、ジオキサン等及び添加剤からなる製膜液を作製する。製膜液を不織布上に、一定の幅及び流速のもとに、膜厚を一定に維持しつつ流延し、不織布を巻き取りながら水中で、ゲル化させて、モノマーによる高分子物からなる基膜を作製する。作製した製膜液を、不織布上に一定の幅及び流速のもとに、膜厚を一定に維持しつつ流延し、不織布を巻き取りながら水中で、ゲル化させて、モノマーによる高分子物からなる基膜を作製する。ポリイミド膜は、まず、水中で膜の内部の溶媒を完全に抜き去り、水からエタノール→2-プロパノール→n-ヘキサンの順に溶媒置換して、風乾し、その後、真空乾燥する。
ポリスルホン膜の相分離法による製法では、良溶媒、例えば、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、モルホリン、ジオキサン等及び添加剤からなる製膜液を作製する。製膜液を不織布上に、一定の幅及び流速のもとに、膜厚を一定に維持しつつ流延し、不織布を巻き取りながら水中で、ゲル化させて、モノマーによる高分子物からなる基膜を作製する。作製した製膜液を、不織布上に一定の幅及び流速のもとに、膜厚を一定に維持しつつ流延し、不織布を巻き取りながら水中で、ゲル化させて、モノマーによる高分子物からなる基膜を作製する。ポリスルホン膜は、まず、水中で膜の内部の溶媒を完全に抜き去り、水からエタノール→2-プロパノール→n-ヘキサンの順に溶媒置換して、風乾し、その後、真空乾燥する。
ポリアミドイミド膜の相分離法では、ポリアミドイミド及びそれと相溶性を有する非水性添加剤(例えば、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート等)を、これらの共通溶媒であるジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、モルホリン、ジオキサンに溶解させ、製膜液を作製する。製膜液を基板の上に、一定の幅及び流速のもとに、膜厚を一定に維持しつつ流延し、乾燥させ、凝固浴中に浸漬する。基板には、ガラス、金属板が用いられる。凝固浴には水が用いられる。水からエタノール→n-ヘキサンの順に溶媒置換して、風乾し、その後、真空乾燥する。
このようにして得られた膜状物を熱処理する。通常、この温度は、300〜480℃、好ましくは、320〜380℃、3〜120時間、好ましくは、5〜48時間である。
【0021】
金属或いはセラミックスの分離膜については、以下のようにして製造される。金属、セラミックス又はそれらを混合した原料粉と、有機物との混合物を、射出成形又は押し出し成形法により管状或いは板状に成形し、得られた成形体から前記の有機物を除去し、加熱焼結する。セラミックス粉や金属粉は、その平均粒径が20μm以下であることが望ましい。有機物は粉末に流動性を与えるために添加し、成形体を形作るために用いられる。この有機物は、例えば、パラフインワックス、ポリエチレン、ステアリン酸を混合したものであり、バインダーとして成形に用いられる。成形体を形成後、加熱によって有機物を除去する。加熱温度は一般に300〜400℃の温度が用いられる。次に、粉末同士の拡散が生じる温度まで加熱し、焼結処理を行う。高い温度で焼結すると焼結の進行とともに、気孔率が減少する。気孔率が20%以下になると、圧力損出が急減に大きくなるので、好ましくない。このようなことから気孔率は20%以上とされる。また、60%を超える場合には、機械的強度が急激に低下する。このようなことから、60%以下となるようにする。焼結には、真空条件下に1000から1200℃程度の温度が採用される。
【0022】
本発明では、前記の膜に対して、電子線照射を行う。
本発明の電子線照射の条件は以下の通りである。
電子線加速電圧は35keV〜50keVである。
照射線量が、常圧下で0.05〜1MRadである。
これらの装置は、このような処理を行うことができる装置を組み立てて利用することもできるが、市販の装置を購入して用いることができる。例えば、ウシオ電機株式会社製、超小型電子線照射装置、「Min−EBlaboSCAN」を用いることができる。
【0023】
前記の本発明に用いられる条件は、従来の高分子化合物に対して電子線照射されている線量に比較して、低い値を採用した点に特徴がある。このような電子照射によっては、表面の高分子物質の物質変化は明確に観察されない。
後に記載する実施例2に述べるが、電子線を照射した後の、窒素透過速度の変化について計測した結果を、図1に示す。ここで、ポリイミド膜としては、窒素の透過速度が大きい膜(ポリイミド:DMAc:ジオキサン、25:75:0)と窒素の透過速度が小さい膜(ポリイミド:DMAc:ジオキサン、25:18.7:56.3)の2種類を用いた場合に、窒素の透過速度が小さい緻密な膜では、照射線量の変化に応じて透過速度を大きくすることができることがわかる。
窒素の透過速度が小さい膜(ポリイミド:DMAc:ジオキサン、25:18.7:56.3)を用いて、ベンゼン/シクロヘキサン系での浸透気化性能を測定した。その結果を図2に示す。照射量が0.24MRad以上では、ベンゼン選択性、透過量ともに向上させることができる。
【0024】
本発明に用いられる電子線照射は、被処理物である膜を載置する搬送台を移動させて、照射装置の下に導き、照射を行う。照射に際しては、照射時間が十分でないときには往復運動させて複数回照射することもできる。照射経路を長くして、必要量の照射を行うことができる(図3)。
照射時間は、電子線の出力に応じて適宜決定される。低出力で行う場合には、長めの時間を、高出力で行うときには短めの時間が設定される。
電子線照射装置内の雰囲気は低酸素濃度であることが望ましく、200ppm以下にすることが望ましい。窒素雰囲気下に保持し、低酸素濃度に保つことが行われる。
【0025】
この電子線照射の結果、次の処理であるグラフト重合を行う際に、膜の表面が、粘着性を帯びた状態となり、グラフト重合を良好に行うことができる。照射線量を前記の場合り多くする場合には、分子鎖が切断されて、表面の緻密な構造が破壊され、透過物質の選択性などに好ましくない影響を及ぼすものと考えられる。
【0026】
無機化合物又は金属化合物からなる膜に、前記の条件による電子線照射を行った場合には、電子線照射を行った表面は、グラフト重合によりモノマーが付着されやすくなり、グラフト反応が進行しやすくなる。前記の条件を超える場合には、モノマーがグラフト重合により膜の表面に付着する付着量は増加しない結果となる。
【0027】
次に、前記の電子線処理を施された膜の表面に、各種ビニル化合物モノマーをグラフト重合させる。具体的には、モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、4−ビニルピリジン、スチレンなどを挙げることができる。
アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの具体例には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどを挙げることができる。
グラフト重合させるモノマーとしては、酢酸ビニル、4−ビニルピリジン、スチレンなどを挙げることができる。
【0028】
このようにして得られる本発明の分離膜は、気体分離膜、浸透気化膜、又は限外ろ過膜として用いることができる圧浸透膜ある。
【0029】
【実施例】
以下に実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、この実施例に限定されるものではない。
【0030】
実施例1(ポリイミド膜の製法。)
ポリイミド基膜を、相転換法により、作製した。膜素材であるポリイミドは、Aldlich Chemical Company製のポリイミド樹脂Poly[N,N’-(1,4-phenylene)-3,3’,4,4’-benzophenonetetracarboxylic imide /amic acid] (BTDA-p-PDA imide)を用いた。このポリイミドと良溶媒であるN,N’-ジメチルアセトアミド及び添加剤である1,4-ジオキサンを各々の組成(例えば25:75:0、25:18.7:56.3)の溶液で製膜液を作製した。作製した製膜液を不織布(ポリエステル製、厚さ100μm、幅30cm)上に幅26.5cm、速さ2m/min、膜厚250μmで流延し、不織布を巻き取りながら水中でゲル化させることでポリイミド基膜を作製した。作製したポリイミド膜は、まず、水中で膜の内部の溶媒を完全に抜き去り、水からエタノール→2-プロパノール→n-ヘキサンの順に溶媒置換してから3日間風乾し、その後真空乾燥した。
【0031】
実施例2
前記実施例1で得られたポリイミド分離膜の改質を行った。
各条件下に電子線を照射した後の、窒素透過速度の変化について計測したところ以下の結果を得た。その結果を図1に示す。ここで、ポリイミド膜としては、窒素の透過速度が大きい膜(ポリイミド:DMAc:ジオキサン、25:75:0)と窒素の透過速度が小さい膜(ポリイミド:DMAc:ジオキサン、25:18.7:56.3)の2種類を用いた。
窒素の透過速度が大きい膜においては、電子線照射線量を変化させても、窒素の透過速度に変化は見られなかったが、窒素の透過速度が小さい緻密な膜においては、3Mrad以下で幾分、窒素の透過速度の減少が見られ、膜が架橋されることによると考えられるが、その後、電子線の照射量が増加することにより、窒素の透過速度も増加する傾向が見られた。
【0032】
窒素の透過速度が小さい膜(ポリイミド:DMAc:ジオキサン、25:18.7:56.3)を用いて、ベンゼン/シクロヘキサン系での浸透気化性能を測定した。その結果を図2に示す。照射量が0.5MRradまででは、電子線照射により、膜表面が架橋されるために、分離性能が向上し、透過速度が減少する傾向が見られた。しかし、照射量が多くなると、分離性能の低下がみられた。一回あたりの照射線量が0.24MRadでは、ポリイミド膜末端のアミド基のプロトンが切断されてラジカルが生成され、その部分が架橋して膜表面が緻密になるためベンゼンの選択性が増加し、性能が向上することがわかった。しかし、0.24MRadを超えると、分子鎖が切断されるため、ベンゼンによる選択性が低下するものであると考えられる。
【0033】
実施例3
ポリアクリルニトリル膜を、相転換法により製造した。
膜素材であるポリアクリルニトリルと良溶媒であるN,N’-ジメチルアセトアミド及び添加剤であるポリビニルピロリドンを各々の組成(例えば10:86:4)の溶液で製膜液を作製した。作製した製膜液を不織布(ポリエステル製、厚さ100μm、幅30cm)上に幅26.5cm、速さ2m/min、膜厚250μmで流延し、不織布を巻き取りながら水中でゲル化させることでポリアクリルニトリル基膜を作製した。作製したポリアクリルニトリル膜は、まず、水中で膜の内部の溶媒を完全に抜き去り、水からエタノール→2-プロパノール→n-ヘキサンの順に溶媒置換してから3日間風乾し、その後、真空乾燥した。
【0034】
上記で作製したポリアクリルニトリル分離膜の膜表面に電子線を照射した。電子線照射装置(ウシオ電機(株)製Min-EB labo SCAN)を用いて、35keV〜50keVの加速電圧で、一回の照射線量が0.15MRadに出力が押さえられたものであり、約0.5MRad(照射線量)照射した。次に、所定濃度のアクリル酸水溶液に浸漬して、アクリル酸を膜の表面にグラフト重合を行った。表1に作製した分離膜の圧浸透性能(限外ろ過性能)を示した。アクリル酸濃度の上昇とともに、水の透過速度が上昇する傾向が見られた。これは、アクリル酸が膜表面で反応をおこして、膜にグラフト化され、それに伴い、膜が親水化された結果である。
【0035】
【表1】
Figure 0003668771
Dextran:1wt%水溶液
【0036】
実施例4
ポリイミド基膜を、相転換法により、作製した。
膜素材であるポリイミドは、Aldlich Chemical Company製のポリイミド樹脂Poly[N,N’-(1,4-phenylene)-3,3’,4,4’-benzophenonetetracarboxylic imide / amic acid] (BTDA-p-PDA imide)を用いた。
このポリイミドと良溶媒であるN,N’-ジメチルアセトアミド及び添加剤である1,4-ジオキサンを各々の組成(例えば25:75:0、25:18.7:56.3)の溶液で製膜液を作製した。作製した製膜液を不織布(ポリエステル製、厚さ100μm、幅30cm)上に幅26.5cm、速さ2m/min、膜厚250μmで流延し、不織布を巻き取りながら水中でゲル化させることでポリイミド基膜を作製した。作製したポリイミド膜は、まず、水中で膜の内部の溶媒を完全に抜き去り、水からエタノール→2-プロパノール→n-ヘキサンの順に溶媒置換してから3日間風乾し、その後、真空乾燥した。
【0037】
上記で作製したポリイミド基膜の膜表面に電子線を照射し、その後、5%のモノマーのエタノール水溶液に浸漬した。なお、用いた小型電子線照射装置(ウシオ電機(株)製Min-EB labo SCAN)で、35keV〜50keVの加速電圧で、一回の照射線量が0.15MRadと出力が押さえられた装置を用い、約0.48MRad(照射線量)照射した。
【0038】
電子線を照射しただけの膜による、 ベンゼン/シクロヘキサン溶液を用いた浸透気化性能を測定したが、全く分離性能を示さなかった。
【0039】
次に、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、4−ビニルピリジン、スチレンのモノマー溶液に電子線処理を施した膜を浸漬し、グラフト重合を施した。このようにして作製した膜を、ベンゼン/シクロヘキサン溶液を用いて、前記と同じく浸透気化性能を測定した結果を表2に示す。、これらの作製した膜では、ベンゼンの透過性を示し、本発明の膜が有効であることを確認した。
【0040】
【表2】
Figure 0003668771
【0041】
実施例5前記実施例4で製造したポリイミド基膜の膜表面に電子線を照射した。用いた小型電子線照射装置(ウシオ電機(株)製Min-EB labo SCAN)を用いた。この装置の性能は、35keV〜50keVの加速電圧で、一回の照射線量が0.15MRadと出力が押さえられるものであり、約0.24MRad(照射線量)照射した。次に、所定の4-ビニルピリジンのエタノール水溶液に浸漬し、グラフト重合を行った。
【0042】
作製した膜を、ベンゼン/シクロヘキサン溶液を用いて浸透気化性能を測定した結果を表3に示す。エタノール水溶液中の4-ビニルピリジン濃度の上昇とともに、グラフト量は増加した。それに伴い、膜透過流束は減少し、逆に、分離係数は増加した。なお、分離性能は、3vol%以上では一定の値を示した。
比較のために、グラフト重合を行わなかった膜を用いて浸透気化性能を測定したが、電子線を照射しただけの膜では、全く分離性能を示さなかった。
【0043】
【表3】
Figure 0003668771
【0044】
【発明の効果】
本発明により得られる分離膜は、特定の電子線照射を行うものであり、膜の性能を向上できるものであり、また、この膜を用いるとにより、ビニルモノマーをグラフト重合することができるものである。
水の限外ろ過膜として用いた場合には、透過速度を上昇させることができた。また、複合膜の浸透気化性能では、透過速度、透過濃度、選択透過性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】相違する透過性能のポリイミド膜に電子線照射の照射量の相違による窒素透過速度の相違を示す図
【図2】電子線照射量の相違による浸透気化性能の相違を示す図
【図3】電子線照射装置の一例を示す図である。

Claims (8)

  1. 分離膜を製造後、照射線量が、常圧下で、35keV〜50keVの加速電圧を用い、
    0.05MRad以上 1 MRad以下の電子線照射処理を施すことにより得られるものであることを特徴とする分離膜
  2. 分離膜が、ポリイミド 、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミドから選ばれる高分子化合物であることを特徴とする請求項1記載の分離膜。
  3. 分離膜が、セラミックス又は金属から選ばれることを特徴とする請求項1記載の分離膜。
  4. 分離膜が気体分離膜、浸透気化膜、又は限外ろ過膜であることを特徴とする請求項1乃至記載のいずれかである分離膜。
  5. 分離膜を製造後、照射線量が、常圧下、5keV〜50keVの加速電圧を用い 35keV 50keV の加速電圧を用い、0.05MRad以上1MRad以下の電子線照射処理を施すことにより製造することを特徴とする分離膜の製造方法。
  6. 分離膜が、ポリイミド 、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミドから選ばれる高分子化合物であることを特徴とする請求項5記載の分離膜の製造法。
  7. 分離膜が、セラミックス又は金属から選ばれることを特徴とする請求項5記載の分離膜の製造方法。
  8. 分離膜が気体分離膜、浸透気化膜、又は限外ろ過膜であることを特徴とする請求項5乃至7記載のいずれかである分離膜の製造方法。
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