JP2014159023A - 浸透気化膜およびフェノール濃縮方法 - Google Patents

浸透気化膜およびフェノール濃縮方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れた浸透気化膜、およびかかる浸透気化膜を用いてフェノールを効率よく濃縮するフェノール濃縮方法を提供すること。
【解決手段】浸透気化分離装置100は、被処理液タンク110と、浸透気化膜モジュール120と、透過物回収タンク130と、不透過物貯留タンク140と、を有している。このうち浸透気化膜モジュール120は、ポリアミド含有樹脂で構成された膜に電子線照射処理を施してなる浸透気化膜1を備えている。本発明のフェノール濃縮方法は、被処理液タンク110に貯留されたフェノール水溶液を前処理する前処理工程と、浸透気化膜モジュール120において浸透気化法によりフェノール水溶液を処理する浸透気化工程と、浸透気化膜1を透過した透過物を凝縮し、濃縮されたフェノール水溶液を得る凝縮工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、浸透気化膜およびフェノール濃縮方法に関するものである。
フェノール樹脂は、代表的な熱硬化性樹脂であり、耐熱性が要求される部品や絶縁体等として多くの分野に使用されている。
フェノール樹脂を製造すると、フェノール類を含んだ廃液が発生する。フェノール類は、河川等の水質汚濁を引き起こす原因物質の1つとして取り上げられていることから、工場から河川等に流入する排水中においてフェノール類の濃度は法令等によって厳しく制限されている。
そこで、フェノール類を含む廃液からフェノール類を除去し、濃度を低下させることにより、環境負荷を低減する方法が提案されている。特許文献1には、フェノール含有排水を浸透気化膜を備えた分離装置に供給し、減圧側の透過液からフェノールを分離、回収することを特徴とするフェノール含有排水の処理方法が開示されている。
このような処理において用いる浸透気化膜は、フェノールを優先的に浸透させ、さらに透過させることによって濃縮を図る。ところが、フェノールが浸透気化膜を透過する際に、浸透気化膜に劣化を引き起こす。そして、この劣化が蓄積することにより、膜が破れたり、フェノール透過率の低下を招いたりして、経時的にフェノールの濃縮効率が低下するという問題を抱えている。
特開平6−296831号公報
本発明の目的は、耐久性に優れた浸透気化膜、およびかかる浸透気化膜を用いてフェノールを効率よく濃縮するフェノール濃縮方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1) ポリアミド含有樹脂で構成された膜に、電子線照射処理を施してなるものであることを特徴とする浸透気化膜。
(2) 前記ポリアミド含有樹脂は、ポリアミドセグメントを含む共重合体である上記(1)に記載の浸透気化膜。
(3) 前記共重合体は、さらにポリエーテルセグメントを含むものである上記(2)に記載の浸透気化膜。
(4) 前記共重合体は、前記ポリアミドセグメントを10〜90モル%の割合で含むブロック共重合体である上記(2)または(3)に記載の浸透気化膜。
(5) 上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の浸透気化膜を用いた浸透気化法により、フェノールと水とを含む液体中の前記フェノールを濃縮することを特徴とするフェノール濃縮方法。
本発明によれば、浸透気化法において有機物を分離する際の耐久性に優れた浸透気化膜が得られる。
また、本発明によれば、上記浸透気化膜を用いることにより、浸透気化膜を頻繁に交換しなくても、フェノールを効率よく分離して濃縮することができる。
本発明の浸透気化膜を備えた浸透気化分離装置の一例を示す図である。 図1に示す浸透気化分離装置のうち、浸透気化膜モジュールを拡大した図である。 本実施形態に係るフェノール濃縮方法の工程図である。
以下、本発明の浸透気化膜およびフェノール濃縮方法について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<浸透気化分離装置>
本発明のフェノール濃縮方法は、本発明の浸透気化膜を用いた浸透気化法により、フェノールと水とを含む液体中のフェノールを濃縮するものであるが、この浸透気化法とは、例えば、液相と気相とが浸透気化膜により隔てられた状態で、液相側の溶質の分圧を駆動力として、溶質について優先的に浸透気化膜を透過させ、溶質を濃縮する方法である。このような浸透気化法は、浸透気化膜を備えた浸透気化分離装置により行う。
図1は、本発明の浸透気化膜を備えた浸透気化分離装置の一例を示す図、図2は、図1に示す浸透気化分離装置のうち、浸透気化膜モジュールを拡大した図である。
図1に示す浸透気化分離装置100は、被処理液タンク110と、浸透気化膜モジュール120と、透過物回収タンク130と、不透過物貯留タンク140と、を有している。
このうち、被処理液タンク110と浸透気化膜モジュール120との間は、供給管路115により接続されている。また、供給管路115の途中には、前処理モジュール150が設けられている。前処理モジュール150としては、例えば、凝集剤を用いた沈降処理、濾過処理、逆浸透膜処理、共沸処理、蒸留処理等を行うモジュールが挙げられる。
一方、浸透気化膜モジュール120の透過側(二次側)と透過物回収タンク130との間は、透過管路125により接続されており、また、浸透気化膜モジュール120の供給側(一次側)と不透過物貯留タンク140との間は、排出管路126により接続されている。
また、浸透気化膜モジュール120は、図2に示すように、筐体121と、筐体121の内部空間を隔てるよう設けられた浸透気化膜1と、を備えている。筐体121の内部空間のうち、浸透気化膜1の一次側が供給側空間122であり、浸透気化膜1の二次側が透過側空間123である。
浸透気化分離装置100で処理される被処理液としては、例えば、有機物が溶解または分散した液体(溶液または分散液)が挙げられる。浸透気化分離装置100では、このような被処理液から浸透気化法によって有機物を優先的に分離することで、被処理液における有機物の濃度を高める「濃縮」を行うことができる。これにより、濃縮後の被処理液は工業原料等として利用し易くなり、被処理液の利用価値を高めることにつながる。また、有害物質を含む被処理液の場合、濃縮によって減容化を図り、廃棄や無害化処理の効率を高めることができる。
浸透気化分離装置100において濃縮可能な有機物としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールのようなアルコール類、フェノール、ピリジン、クロロホルム、テトラクロロエチレン等が挙げられる。また、例えば、内分泌撹乱物質(環境ホルモン)に分類されるn−ブチルベンゼンのようなディスプレイ用液晶物質、1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン、2−ブチルフェニルメチルカルバメート、ベンダイオカルブのような各種農薬、ジエチルフタレートのような可塑剤、コプラナーPCB、ジベンゾ−p−ダイオキシン等についても濃縮可能である。
一方、有機物を溶解または分散する溶媒または分散媒としては、例えば水が挙げられる。
また、被処理液には、有機物や水以外のもの、例えば無機塩やその溶解物(無機イオン性不純物)等が含まれていてもよい。具体的には、ナトリウムイオン、カリウムイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、アンモニウムイオンのような無機イオン等が挙げられる。
次いで、浸透気化分離装置100の動作例について説明する。なお、ここでは、被処理液として有機物が溶解した水を用いた場合を例にして説明する。
まず、浸透気化膜モジュール120の透過側を、透過管路125に接続された減圧ポンプ(図示せず)により減圧する。
次いで、被処理液タンク110中に貯留された被処理液が、供給管路115を経て前処理モジュール150に送られると、そこで前処理が行われる。前処理では、被処理液中の異物を除去したり、被処理液の減容化を図る。
次いで、被処理液は、供給管路115を経て浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に送られる。浸透気化膜モジュール120では、上述したように、透過側空間123を減圧することにより、被処理液中の有機物が優先的に浸透気化膜1を透過する。その結果、透過側では被処理液中の有機物の濃度が高まり、被処理液が濃縮される。
濃縮された被処理液は、透過管路125を経て透過物回収タンク130に送られ、回収される。一方、浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に残った被処理液は、排出管路126を経て不透過物貯留タンク140に送られる。
なお、必要に応じて、不透過物貯留タンク140と被処理液タンク110との間を配管で接続し、不透過物貯留タンク140に貯留されている被処理液を、再び被処理液タンク110に戻すようにしてもよい。これにより、同じ被処理液を繰り返し浸透気化膜モジュール120に送ることができるので、1回の処理では分離し切れなかった有機物を、より確実に分離して、回収率を高めることができる。
<浸透気化膜>
次いで、本発明の浸透気化膜の実施形態について説明する。
図2に示す浸透気化膜1は、上述したように、浸透気化膜モジュール120の筐体121の内部空間を供給側空間122と透過側空間123とに隔てるよう設けられている。浸透気化膜1の形態としては、特に限定されず、例えば平膜型、中空糸型、管状型、袋状型、スパイラル型等の形状をなす緻密質膜を採用することができる。
浸透気化膜1は、ポリアミド含有樹脂で構成された膜に、電子線照射処理を施してなるものである。このような浸透気化膜1は、有機物に対して優れた親和性を有するため、被処理液中の有機物を優先的に透過させる。このため、被処理物の有機物を効率よく分離し濃縮することができる。また、電子線照射処理により、有機物の透過性を大きく阻害することなく、浸透気化膜1の機械的特性の向上を図ることができる。このため、有機物の分離特性と耐久性とを両立させた浸透気化膜1が得られる。
(ポリアミド含有樹脂)
ポリアミド含有樹脂は、アミド結合を含む繰り返し単位を有する重合体であれば特に限定されない。このようなポリアミド含有樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド樹脂であってもよく、これらのポリアミド樹脂を含むポリマーアロイまたはポリマーブレンドであってもよいが、好ましくはアミド結合を含む繰り返し単位を有する共重合体とされる。具体的には、アミド結合を含む繰り返し単位で構成されるポリアミドセグメントと、このポリアミドセグメントと共重合可能な他のセグメントと、を有する共重合体が好ましく用いられる。このような共重合体からなる浸透気化膜1は、主にポリアミドセグメントによって、被処理液中の有機物に対する親和性を発現するとともに浸透気化膜1の機械的特性を高める一方、他のセグメントを適宜選択することによって、被処理液中の有機物に対する親和性を阻害することなく有機物の透過性を確保することができる。このため、ポリアミドセグメントを有する共重合体を用いることにより、被処理液中の有機物に対する優れた親和性と透過性を高めるとともに、浸透気化膜1の高い耐久性を確保することができる。
特に浸透気化法では、有機物を浸透気化膜1に浸透させ、浸透気化膜1が膨潤しつつ有機物を透過させる。このため、膨潤が繰り返されることにより、浸透気化膜1が劣化して、破れが生じたり、分離特性が低下することがある。共重合体からなる浸透気化膜1では、ポリアミドセグメントがこの膨潤に伴う機械的特性の低下を抑制し、他のセグメントが有機物の透過性を高めることで、かえって有機物の浸透、膨潤に伴う劣化が抑制され、耐久性が高められていると考えられる。
ポリアミドセグメントと共重合可能な他のセグメントとしては、例えば、エーテル結合を含む繰り返し単位で構成されるポリエーテルセグメント、エステル結合を含む繰り返し単位で構成されるポリエステルセグメント、エチレン構造を含む繰り返し単位で構成されるポリエチレンセグメント、プロピレン構造を含む繰り返し単位で構成されるポリプロピレンセグメント、シロキサン結合を含む繰り返し単位で構成されるポリシロキサンセグメント等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このうち、ポリアミドセグメントと共重合可能な他のセグメントは、ポリエーテルセグメントを含むことが好ましい。ポリエーテルセグメントは、ポリアミドセグメントに対して共重合し易く、また、ポリアミドセグメントに比べて柔軟性が高い。このため、浸透気化膜1に対して大きな外力が加わった場合でも、浸透気化膜1が簡単に破れてしまうのを防止することができる。また、ポリエーテルセグメントは、多くの有機物に対する親和性が低く、このため、浸透気化膜1中における有機物の浸透、膨潤に伴う浸透気化膜1の著しい劣化を抑制することができる。その結果、有機物の分離特性と耐久性とをより高度に両立させた浸透気化膜1が得られる。
さらに、ポリエーテルセグメントは、親水性を有しているため、被処理液が水系の液体である場合、ポリエーテルセグメントを含む浸透気化膜1は、被処理液との接触性の高いものとなる。一方、前述したポリアミドセグメントは、親油性を有している。このため、被処理液が浸透気化膜1に対して滞りなく接触し、被処理液中の有機物については浸透気化膜1に効率よく浸透する。その結果、有機物の分離特性がより高められることとなる。なお、かかる観点から、ポリアミドセグメントと共重合可能な他のセグメントについても、親水性を有するものが好ましく用いられる。
下記式(1)は、ポリアミドセグメントの構造式の一例である。
Figure 2014159023
[式(1)中、nは1〜8の整数である。]
また、下記式(2)は、ポリエーテルセグメントの構造式の一例である。
Figure 2014159023
[式(2)中、mは1〜8の整数である。]
また、ポリアミドセグメントと他のセグメントとを含む共重合体は、ポリアミドセグメントを10〜90モル%の割合で含むものが好ましく、20〜80モル%の割合で含むものがより好ましく、30〜75モル%の割合で含むものがさらに好ましく、45〜75モル%の割合で含むものが特に好ましい。このような共重合体では、主にポリアミドセグメントによって発現する有機物に対する高い親和性および浸透気化膜1に付与される高い機械的特性と、主に他のセグメントによって確保される有機成分に対する高い透過性が、それぞれほとんど埋没することなく発現する。このため、ポリアミドセグメントと他のセグメントの比率を前記範囲内に設定することにより、有機物の分離特性と耐久性とを確実に両立させた浸透気化膜1が得られる。特に、他のセグメントとしてポリエーテルセグメントを用いた場合には、有機物の透過性が向上するため、有機物が浸透気化膜1中に滞在する時間が短縮され、膨潤し難くなるとともに、分離特性をより高めることができると考えられる。
なお、ポリアミドセグメントを含む共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体および交互共重合体のうちのいずれであってもよいが、ブロック共重合体であるのが好ましい。これにより、ポリアミドセグメントが担う特性と他のセグメントが担う特性が、互いに打ち消し合うことなく発現し、有機物の分離特性と耐久性とを確実に両立させた浸透気化膜1が得られる。
また、ポリアミド樹脂を含むポリマーアロイまたはポリマーブレンドとしては、例えばポリアミド樹脂に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリジメチルシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン等を添加したものが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。これらは、いずれも電子線照射処理によってポリアミドとの間に架橋を生じさせるため、浸透気化膜1の機械的特性を高め、耐久性のさらなる向上を図り得るという点で有用である。また、これらの中でも特に、耐薬品性、長期安定性、機械的強度の観点からポリエチレンが好ましく用いられる。
このような浸透気化膜1の平均厚さは、液相と気相とを隔てるのに必要な機械的強度を持ちうる厚さであれば、特に限定されないが、10〜500μm程度であるのが好ましく、20〜400μm程度であるのがより好ましい。浸透気化膜1の平均厚さを前記範囲内に設定することにより、供給側空間122と透過側空間123とを確実に隔てつつ、有機物の分離特性を十分に確保することができる。
また、ポリアミド含有樹脂の硬化物のショアD硬度は、15〜85程度であるのが好ましく、20〜75程度であるのがより好ましい。ショアD硬度を前記範囲内に設定することにより、浸透気化法による分離の際に、浸透気化膜1が破れたり伸び切ってしまうのを抑制しつつ、十分な分離特性を確保することができる。なお、ポリアミド含有樹脂のショアD硬度は、ISO 868に規定された測定方法により測定される。
さらに、ポリアミド含有樹脂の硬化物の曲げ弾性率は、10〜550MPa程度であるのが好ましく、25〜400MPa程度であるのがより好ましく、40〜300MPa程度であるのがさらに好ましい。曲げ弾性率を前記範囲内に設定することにより、浸透気化膜1が破れたり伸び切ってしまうのを抑制しつつ、十分な分離特性を確保することができる。なお、ポリアミド含有樹脂の曲げ弾性率は、ISO 178に規定された測定方法により測定される。なお、試験片の厚さは100μm、試験片の幅は10mm、支点間距離は50mmとする。
また、ポリアミド含有樹脂の硬化物の融点は、110〜185℃程度であるのが好ましく、130〜175℃程度であるのがより好ましい。ポリアミド含有樹脂の融点を前記範囲内に設定することにより、有機物の分離特性と耐久性とをより高度に両立させた浸透気化膜1が得られる。なお、ポリアミド含有樹脂の融点は、ASTM D3418に規定された測定方法により測定される。
また、ポリアミド含有樹脂の硬化物の熱変形温度は、35〜140℃程度であるのが好ましく、40〜130℃程度であるのがより好ましい。ポリアミド樹脂の熱変形温度を前記範囲内に設定することにより、浸透気化法による分離の際に、分離特性が低下するのを抑制することができる。すなわち、熱変形温度が前記下限値を下回る場合、浸透気化を促進すべく被処理液の温度を上げた際に、浸透気化膜1の機械的強度が低下するおそれがあり、一方、熱変形温度が前記上限値を上回る場合、有機物の膨潤に対して影響を受け易くなり、浸透気化膜1の耐久性が低下するおそれがある。なお、ポリアミド含有樹脂の熱変形温度は、ISO 75に規定された測定方法により測定され、試験片に加える圧力は0.46MPaとする。
なお、例えばポリアミドセグメントとポリエーテルセグメントとを含む共重合体は、既知の合成方法により製造することができる。合成方法としては、例えば、末端にアミノ基を有するポリアルキレンエーテルまたはその有機酸塩の存在下で、例えばラクタム類、ω−アミノ酸類、またはジアミンとジカルボン酸のようなポリアミド形成用モノマーを重縮合させる方法、末端にカルボキシル基を有するポリアルキレンエーテルまたはその有機アミン塩の存在下で、前述したポリアミド形成用モノマーを重縮合させる方法、末端にアミノ基、カルボキシル基、またはアミノ基とカルボキシル基の双方を有するポリアルキレンエーテルの存在下で、前述したポリアミド形成用モノマーを重縮合させる方法等が挙げられる。
また、浸透気化膜1の形成にあたっては、ポリアミド含有樹脂を成膜後、所定の凹凸形状を有する成形型を押圧することにより、浸透気化膜1の表面にその形状を転写するようにしてもよい。これにより、浸透気化膜1の表面積が増加し、浸透気化膜1の透過流束を高めることができる。
また、浸透気化膜1の表面には、必要に応じて、電子線照射処理とは異なる表面処理を施すようにしてもよい。かかる表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、アーク放電処理、エキシマ光の照射処理、プラズマ処理、エッチング処理、コーティング処理等が挙げられる。なお、コーティング処理では、例えばコーティングによって分離対象の有機物の親和性の高い官能基を導入する処理等が挙げられる。
ここで、浸透気化分離装置100で処理される被処理液としては、有機物の濃度が非常に希薄なものが多く、これを濃縮して工業的に利用可能なものにすることが、本発明に係る浸透気化膜を用いた浸透気化法には期待されている。
例えば、被処理液がフェノール水溶液である場合、その濃度は通常1〜2質量%という低濃度であり、工業的な利用には適さない。また、被処理液は、フェノールや水の他に無機塩やポリマー等の不純物も含んでいる場合が多い。フェノール水溶液を工業的に利用するためには一般的にフェノール濃度が70質量%以上である必要があるとされているため、浸透気化法といった分離、濃縮方法が欠かせない。
従来、浸透気化膜としては、ゼオライト製のものが知られていた。実用化が進んでいるA型のゼオライト膜は、水透過性の多孔質膜であり、本発明に係る浸透気化膜とは異なり、フェノール水溶液中から水を優先的に透過するよう働く(本発明に係る浸透気化膜は、有機物を優先的に透過するよう働く。)ところが、前述したようにフェノールや水以外にポリマー等を含んでいると、このポリマーが膜表面を閉塞してしまい、分離特性が低下する。さらに、フェノール水溶液中に含まれる無機塩とゼオライト膜表面との間でイオン交換が生じ、やはり分離特性が低下する。加えて、フェノール濃度が希薄である場合、その分、ゼオライト膜を透過する水の量が多くなり、エネルギー効率の著しい低下を招く。また、ゼオライト膜以外の膜、例えばポリビニルアルコールで構成された高分子膜においても、フェノール濃度が希薄である場合、エネルギー効率が低い上に、耐久性に乏しい。
一方、ZSM−5型ゼオライトやシリカライトで構成された浸透気化膜は、本発明に係る浸透気化膜と同様、有機物を透過させる膜であるが、これらは多孔質膜であり、緻密質膜である本発明とは異なる。多孔質膜は、無機塩やポリマー等の不純物による閉塞が起こり易く、それによる分離特性の低下が避けられないという問題を抱えていた。
また、ポリジメチルシロキサンで構成された浸透気化膜は、有機物透過膜であり、かつ緻密質膜であるため、上述した閉塞は生じないが、有機物の分離特性が低いという問題を抱えていた。
これに対し、上述したような浸透気化膜(本発明の浸透気化膜)1は、緻密質膜であり、かつ電子線照射処理を施したポリアミド含有樹脂膜であることから、被処理液として無機塩やポリマー等の不純物を含んでいる場合であっても、有機物の分離特性と耐久性とを高度に両立させることができる。
(電子線照射処理)
浸透気化膜1は、上述したように、ポリアミド含有樹脂で構成された膜に電子線照射処理を施してなるものである。電子線照射処理は、膜に対して電子線を照射することにより改質する処理である。前述したようなポリアミド含有樹脂で構成された膜に対して電子線を照射すると、電子線のエネルギーによって膜表面はもとより膜内にも改質が及ぶ。そして、膜中のポリマーの架橋密度を高め、機械的強度を向上させる。その結果、膨潤しても劣化し難くなる等、浸透気化膜1の耐久性をより高めることができる。さらに、電子線照射によって、膜の表面に官能基が導入され、被処理液との接触性が良好になる。その結果、有機物と膜との接触性も良好となり、有機物の分離特性が高められる。
また、電子線照射処理によれば、有機物との親和性を担っているアミド結合等の官能基や化学結合が消失したり変性を受けたりし難いと考えられる。このため、上述したようにして機械的強度の向上が図られる一方、有機物の分離特性はほとんど低下しない。特に長期間にわたって浸透気化のプロセスに供された場合であっても、有機物の分離特性が低下し難く、かつ破れ難いという点で、浸透気化膜1は有用である。したがって、ポリアミド含有樹脂で構成された膜に電子線照射処理を施すことにより、有機物の分離特性と耐久性とをとりわけ高度に両立させた浸透気化膜1が得られる。
電子線は、放射線の一種であり、電子を加速器等で加速して束にしたものである。一般に電子線は指向性が高いので、電子線照射処理にあたっては、ポリアミド含有樹脂で構成された膜に対して電子線を走査することにより、被処理面に対して均等な積算照射量にすることができる。なお、電子線の走査パターンは、特に限定されず、積算照射量が均等でなくてもよい。
また、電子線の積算照射量(吸収線量)は、特に限定されないが、25〜300kGy程度であるのが好ましく、30〜200kGy程度であるのがより好ましい。積算照射量を前記範囲内に設定することにより、有機物との親和性を担っている官能基や化学結合が消失したり変性を受けたりするのを確実に抑制しつつ、膜の機械的強度の向上を図ることができる。また、このような効果を長期にわたって維持し得る浸透気化膜1が得られる。
また、電子線を得るために電子を加速する際の加速電圧は、10〜200kV程度であるのが好ましく、20〜150kV程度であるのがより好ましい。加速電圧は、電子線の膜に対する浸透深さを左右する。したがって、加速電圧を前記範囲内に設定することにより、膜の厚さ方向の全体に対して必要かつ十分な処理を施すことができる。その結果、分離特性と耐久性との両立をより高度化することができる。
なお、ポリアミド含有樹脂がポリアミドセグメントとポリエーテルセグメントとを有する共重合体である場合、電子線照射処理は膜の分離特性と耐久性との両立において特に効果を発揮する。すなわち、ポリエーテルセグメントは、高い有機成分の透過性を有するものの、電子線照射処理によって膜構造が適度に強化され易い。このため、有機成分の透過性が高いというポリエーテルセグメントの特長を維持しつつ、有機物の膨潤に対する耐久性の向上も図るという、単に有機成分の透過性を高めるだけでは奏し得ない2つの効果を同時に奏する浸透気化膜1が得られることとなる。
また、その条件やポリアミド含有樹脂の組成によっては、電子線照射処理により、照射面の表面に凹凸構造を形成することができる。これにより、表面と被処理液との接触面積を増やすことができ、浸透気化法による処理効率をより高めることができる。したがって、浸透気化膜1を上述した浸透気化膜モジュール120に設置する際には、電子線の照射面が供給側空間122に臨むよう設置するのが好ましい。
また、電子線照射処理は、不活性ガス存在下で行うのが好ましい。これにより、電子線照射部に酸素が影響するのを抑制し、有機物との親和性を担っている官能基や化学結合が消失するのを防止することができる。この場合、酸素濃度を質量比で500ppm以下にするのが好ましい。不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
以上、浸透気化膜1について説明したが、本発明の浸透気化膜は、上述したような浸透気化膜1を複数枚積層した積層膜や、浸透気化膜1と他の膜とを積層した積層膜等であってもよい。この場合でも、上述した浸透気化膜1と同様の効果を奏する。
続いて、浸透気化膜1の製造方法について説明する。浸透気化膜1は、前述したように様々な形態をとり得るが、ここでは平膜型のものを製造する場合について説明する。
平膜型の浸透気化膜1は、例えば、原材料を180〜230℃程度の温度で溶融し、得られた溶融物を押出法、射出成形法、プレス法等の成形方法で平膜状に成形することによって製造される。原材料は、必要に応じて溶媒等で希釈したりしてもよい。
(フィラー)
また、浸透気化膜1は、必要に応じてフィラーを含んでいてもよい。フィラーとは、ポリアミド含有樹脂中に分散する粒子であり、浸透気化膜1の各種特性、例えば機械的特性を高めるよう作用する。
フィラーの形状としては、例えば、球状、板状(鱗片状)、針状等が挙げられる。
また、フィラーの平均粒径は、0.01〜20μm程度であるのが好ましく、0.05〜10μm程度であるのがより好ましい。なお、フィラーの平均粒径は、レーザー回折式粒径測定法により得られた粒度分布において、質量基準で累積50%となるときの粒径である。
また、フィラーの構成材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マイカ、クレー、ゼオライト等の無機材料、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の有機材料等が挙げられる。これらの中でも、フェノールの分離効率の観点からゼオライトが好ましく用いられ、疎水性ゼオライトがより好ましく用いられる。
また、浸透気化膜1中におけるフィラーの占有率は、特に限定されないが、5〜90体積%程度であるのが好ましく、10〜80体積%程度であるのがより好ましい。これにより、ポリアミド含有樹脂による分離特性を阻害することなく、浸透気化膜1の機械的特性をより高めることができる。
なお、フィラーの表面には、必要に応じて、ポリアミド含有樹脂との密着性を高めるための表面処理を施すようにしてもよい。かかる表面処理としては、例えばカップリング剤処理、プラズマ処理等が挙げられる。
(支持体)
また、浸透気化膜1は、必要に応じて支持体を備えていてもよい。支持体とは、浸透気化膜1の内部または表面に設けられ、膜構造を補強して全体の機械的強度を高めるものである。
支持体の形状としては、例えば、不織布、織布のような布帛、パンチング材、網材等が挙げられる。
また、支持体の構成材料としては、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、金属繊維のような無機繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、レーヨン繊維のような合成繊維、麻、コットン、ケナフ、ジュートのような天然繊維といった有機繊維等が挙げられ、これらのうちの1種また2種以上の複合繊維が用いられる。これらのうち、ナイロン繊維およびアラミド繊維のうちの少なくとも一方を含む支持体が好ましく用いられる。これらは、構成材料中にアミド結合を含んでいるため、ポリアミド含有樹脂に対して密着性の高い支持体が得られる。このため、浸透気化膜1中に隙間や空孔が生じ難く、液漏れの発生をより確実に抑え得る浸透気化膜1が得られる。なお、このような効果は、ナイロン繊維やアラミド繊維に限らず、アミド結合を含むその他の繊維を用いた場合であっても得られる。
また、浸透気化膜1中における支持体の占有率は、特に限定されないが、20〜90体積%程度であるのが好ましく、30〜80体積%程度であるのがより好ましい。これにより、ポリアミド含有樹脂による分離特性を阻害することなく、浸透気化膜1の機械的特性をより高めることができる。
このような支持体に対し、上述したポリアミド含有樹脂を含浸させたり、流延させたりした後、必要に応じてロール等で押圧することにより、支持体を含む浸透気化膜1が得られる。ポリアミド含有樹脂は、溶融され、必要に応じて有機溶媒等で希釈される。流延にあたっては、ドクターブレードの塗布装置が好ましく用いられる。
なお、支持体の表面には、必要に応じて、ポリアミド含有樹脂との密着性を高めるための表面処理を施すようにしてもよい。かかる表面処理としては、例えばカップリング剤処理、プラズマ処理等が挙げられる。
また、支持体を備えることにより、浸透気化膜1の表面(被覆層の表面)には、支持体の形状に由来する凹凸形状が生じ易い。このような凹凸形状が生じることにより、浸透気化膜1の表面積が増大するため、有機物が浸透し易くなり、分離効率の向上が図られる。一方、凹凸形状の程度によっては、凹部等を起点にして浸透気化膜1に破れ等が発生するおそれもある。このような観点から浸透気化膜1の表面粗さは、供給側空間122に臨む面(接液側の面)では、算術平均粗さRaが0.005〜40μm程度であるのが好ましく、0.01〜30μm程度であるのがより好ましい。一方、透過側空間123に臨む面(脱離側の面)では、0.005〜80μm程度であるのが好ましく、0.01〜70μm程度であるのがより好ましい。各面の表面粗さをこのように規定することにより、有機物の分離効率を十分に高めることができる。また、それとともに、浸透気化膜1の機械的特性が低下するのを防止して、例えば破れ等が発生するのを抑えることができる。
また、浸透気化膜1のうち、透過側空間123に臨む面の算術平均粗さRaは、供給側空間122に臨む面の算術平均粗さRaより大きいのが好ましく、具体的には1.01〜10000倍程度であるのが好ましく、1.05〜5000倍程度であるのがより好ましい。各面の表面粗さをこのように規定することにより、供給側空間122に臨む面における有機物の浸透効率と、透過側空間123に臨む面における有機物の脱離効率とを、それぞれ最適化することができる。すなわち、浸透速度は脱離速度に律速するため、脱離速度が浸透速度に比べて適度に高くなるよう各面の表面粗さを規定することによって、浸透効率と脱離効率とをそれぞれ最適化するとともに、機械的特性の低下を抑制することができる。
なお、支持体の形状に由来する凹凸形状を形成するためには、浸透気化膜1の製造時、比較的柔軟性の高い当接面を備えた押圧部材によってポリアミド含有樹脂からなる膜と支持体とを加圧するようにすればよい。これにより、膜の表面に支持体に由来する形状が反映され易い。なお、比較的柔軟性の高い当接面としては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴムのようなゴム材料や、各種エラストマー材料等で構成された部材の面等が挙げられる。
また、このような凹凸形状は、支持体の有無にかかわらず、設けられていてもよい。
<フェノール濃縮方法>
次いで、本発明のフェノール濃縮方法の実施形態について説明する。上述した本発明の浸透気化膜は、各種有機物を含む液体を処理対象(被処理液)としているが、以下の説明では、フェノール水溶液が被処理液である場合について説明する。
図3は、本実施形態に係るフェノール濃縮方法の工程図である。
図3に示すフェノール濃縮方法は、被処理液A1に前処理を施す前処理工程S1と、前処理が施された被処理液A2を浸透気化膜1を用いた浸透気化法に供し、被処理液A2中のフェノールを優先的に気化させる浸透気化工程S2と、気体状態の透過物A3を凝縮し、液体または固体状態の凝縮物A4を得る凝縮工程S3と、を有する。これらの工程を経ることにより、フェノールを濃縮した凝縮物A4を得ることができる。以下、各工程について詳述する。
[1]前処理工程S1
前処理工程S1では、前述したように凝集剤を用いた沈降処理、濾過処理、逆浸透膜処理、共沸処理、蒸留処理等を行うことにより、被処理液A1中の異物を除去したり、被処理液A1の減容化を図る。このうち、逆浸透膜処理では、逆浸透膜(RO膜)を用いて被処理液A1中に含まれる水を除去し、フェノール濃度を高める。その結果、被処理液A1の減容化が図られることとなる。このような前処理を経て被処理液A2が得られる。
なお、前処理工程S1は必要に応じて行えばよく、被処理液A1の量や含まれる有機物の組成、濃度等によっては省略されてもよい。
[2]浸透気化工程S2
浸透気化工程S2では、被処理液A2を図2に示す浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に供給する。この際、浸透気化膜モジュール120の透過側空間123を減圧する。これにより、被処理液A2中のフェノールが浸透気化膜1を優先的に透過する。この際、フェノールや水は気体状態になって透過し、気体状態の透過物A3が得られる。
透過側空間123の圧力は、10〜7000Pa程度であるのが好ましく、50〜5000Pa程度であるのがより好ましい。透過側空間123の圧力を前記範囲内に設定することにより、フェノールを効率よく濃縮することができる。
また、被処理液A2の温度は、30〜95℃程度であるのが好ましく、40〜80℃程度であるのがより好ましい。被処理液A2の温度を前記範囲内に設定することにより、被処理液A2中の処理効率を高めることができる。
ここで、浸透気化膜1は、有機物を含む被処理液について有機物を分離し濃縮することができるが、特にフェノールの分離、濃縮において有用である。これは、フェノールの分子構造と浸透気化膜1の組成との関係によるものであり、具体的にはフェノールがポリアミド中の構造に対して高い親和性を有しているからであると考えられる。また、浸透気化膜1は、フェノールについて高い分離性能を有する一方、フェノールが浸透することによる膜の劣化を最小限に抑えられるものである。これは、ポリアミド含有樹脂で構成された膜に電子線照射処理を施したことによるものであり、電子線照射がポリアミドの特性を損なうことなく、膜の耐久性を高めているからであると考えられる。
したがって、本実施形態に係るフェノール濃縮方法によれば、フェノールを長期にわたって効率よく分離し濃縮することができる。
[3]凝縮工程S3
凝縮工程S3では、気体状態の透過物A3を凝縮する。これにより、透過物A3が液化し、液体状態の凝縮物A4が得られる。また、凝縮条件によっては、固体状態の凝縮物A4が得られる。
透過物A3を凝縮させるには、一般的な凝縮方法を用いればよく、例えば透過物A3を加圧したり(常圧に戻したり)冷却したりすればよい。このうち、冷却には、各種冷却器や液体窒素のような冷却剤を用いればよい。
なお、凝縮工程S3は、必要に応じて設けられればよく、例えば、気体状態の透過物A3から、固体状態または液体状態のフェノールを選択的に析出させる工程で代替するようにしてもよい。この析出は、フェノールと水との間において、状態変化が生じる温度や圧力に差があることを利用したものである。すなわち、フェノールと水の状態図を比較したとき、両者の間で気液平衡線や固気平衡線が通る温度や圧力にずれがあるため、この差を利用し、気体状態の透過物A3からフェノールを選択的に状態変化させることによってフェノールの析出が可能になる。例えば、フェノールの固気平衡線のみを横切るように、換言すれば水の固気平衡線は横切らないように、温度および圧力の少なくとも一方を変化させることにより、気体状態の透過物A3から固体状態のフェノールを選択的に析出させることができる。また、液体状態のフェノールを析出させる場合も同様である。
一方、フェノール析出後、水は気体状態のまま残るため、フェノールと水の状態が相違することとなり、固体状態のフェノールを高い収率で分離、回収することができる。このようにしてフェノールを固体状態で回収することにより、凝縮物A4を得る場合に比べて、より高濃度のフェノールが得られることとなる。その結果、回収されたフェノールの取り扱いも容易になり、工業的な利用がさらに促進される。
以上、本発明の浸透気化膜およびフェノール濃縮方法について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、フェノール濃縮方法では、任意の目的の工程が付加されていてもよい。
また、上記フェノール濃縮方法は、フェノール以外の有機物に対しても適用可能である。
次に、本発明の実施例について説明する。
1.フェノール水溶液の濃縮
以下、各実施例および各比較例のようにして浸透気化膜を形成するとともに、フェノール水溶液を濃縮した。なお、各実施例および各比較例で得られた浸透気化膜の条件について、表1、2に示す。
(実施例1)
(1)平膜の形成
まず、膜材料M1を200℃で加熱溶融し、得られた溶融物を押出法により平膜状に成膜した。これにより平膜を得た。なお、膜材料M1は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(2)平膜に対する電子線照射処理
次いで、得られた平膜に対し、電子線を照射した。この電子線照射処理では、ライン状に電子線が発生する電子源を用い、電子源の下において平膜を一定速度で搬送し、平膜全体で一定の吸収線量になるよう電子線を照射した。この際、電子線の加速電圧を150kVとし、吸収線量が100kGyとなるよう、窒素雰囲気下で照射した。以上のようにして浸透気化膜を得た。得られた浸透気化膜の平均厚さは100μmであった。なお、浸透気化膜の平均厚さは、接触式のデジマチックインジケーターを用いて測定した。
(3)フェノール水溶液の浸透気化処理
次いで、製造した浸透気化膜を図1に示す浸透気化膜モジュールに取り付けた。そして、浸透気化膜モジュールの供給側空間にフェノール水溶液を供給した。なお、供給したフェノール水溶液は、フェノール濃度2質量%、無機イオン性不純物濃度1質量%の水溶液(pH8.5)とした。また、液温を60℃とした。
一方、浸透気化膜モジュールの透過側空間を減圧ポンプにより133Paまで減圧した。そして、浸透気化膜を透過した気相成分を、液体窒素で冷却したガラストラップにより液化して回収した。これにより濃縮液を得た。また、浸透気化膜モジュールで浸透気化膜を透過せず排出されたフェノール水溶液は、再び供給側空間に供給されるよう循環経路を構築した。
(実施例2)
(1)平膜の形成
まず、膜材料M2を200℃で加熱溶融し、得られた溶融物を押出法により平膜状に成膜した。これにより平膜を得た。なお、膜材料M2は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(2)平膜に対する電子線照射処理
次いで、実施例1と同様にして平膜に電子線照射処理を施した。これにより、平均厚さ100μmの浸透気化膜を得た。
(3)フェノール水溶液の浸透気化処理
次いで、得られた浸透気化膜を用い、実施例1と同様にしてフェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
(実施例3)
フェノール水溶液としてフェノール濃度7質量%、無機イオン性不純物濃度1質量%の水溶液(pH8.0)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にしてフェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
(実施例4)
膜材料M1を膜材料M3に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M3は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(実施例5)
膜材料M1を膜材料M4に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M4は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(実施例6)
膜材料M1を膜材料M5に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M5は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(実施例7)
膜材料M1を膜材料M6に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M6は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(実施例8)
膜材料M1を膜材料M7に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M7は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(実施例9)
膜材料M1を膜材料M8に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M8は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(実施例10)
膜材料M1を膜材料M9に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M9は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(実施例11)
電子線照射処理の条件を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
<電子線照射処理の条件>
・電子線の加速電圧:100kV
・吸収線量 :200kGy
(実施例12)
電子線照射処理の条件を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
<電子線照射処理の条件>
・電子線の加速電圧:200kV
・吸収線量 :150kGy
(実施例13)
膜材料M1を膜材料M10に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M10は、ナイロン12(40モル%)とポリエチレン(60モル%)とのブレンド材である。
(実施例14)
膜材料M1を膜材料M11に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M11は、膜材料M1に対して疎水性ゼオライトのフィラー(平均粒径3μm)を添加したものである。また、浸透気化膜におけるポリアミド含有樹脂の体積分率は95%(フィラーの体積分率は5%)であった。
(実施例15)
(1)平膜の形成
まず、実施例1と同様にして平膜を得た。
(2)平膜に対する電子線照射処理
次いで、支持体としてガラスクロス(日東紡社製、WEA116E、質量105g/m)を用意し、得られた平膜と積層し、積層体を得た。そして、得られた積層体を、平板上の金型でプレスし、平膜と支持体とを圧着した。
次いで、実施例1と同様にして平膜に電子線照射処理を施した。これにより、浸透気化膜を得た。なお、プレスの際には、積層体と金型との間にシリコーンゴム製の当て板(厚さ500μm)を挟んだ。そして、プレス圧力を50kgf/cm、プレス時間を5分間とした。また、得られた浸透気化膜の厚さは130μm、浸透気化膜中のポリアミド含有樹脂の体積分率は36%(支持体の体積分率は64%)であった。
(3)フェノール水溶液の浸透気化処理
次いで、得られた浸透気化膜を用い、実施例1と同様にしてフェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
(実施例16)
支持体としてポリエステル製不織布(日本バイリーン社製、MF90、質量90g/m)を用いるようにした以外は、実施例15と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、得られた浸透気化膜の厚さは130μm、浸透気化膜中のポリアミド含有樹脂の体積分率は46%(支持体の体積分率は54%)であった。
(比較例1)
電子線照射処理を省略した平膜を浸透気化膜として用いるようにした以外は、実施例1と同様にしてフェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
(比較例2)
電子線照射処理を省略した平膜を浸透気化膜として用いるようにした以外は、実施例2と同様にしてフェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
(比較例3)
電子線照射処理を省略した平膜を浸透気化膜として用いるようにした以外は、実施例3と同様にしてフェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
(比較例4)
ポリジメチルシロキサン(PDMS)で構成された平均厚さ100μmの平膜を浸透気化膜として用いるようにした以外は、比較例1と同様にしてフェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
(比較例5)
ポリジメチルシロキサン(PDMS)で構成された平均厚さ100μmの平膜に電子線照射処理を施してなるものを浸透気化膜として用いるようにした以外は、実施例1と同様にしてフェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
2.ポリアミド含有樹脂の物性の評価
2.1 ショアD硬度
各実施例および各比較例で用いたポリアミド含有樹脂の硬化物について、ショアD硬度を測定した。なお、ポリアミド含有樹脂のショアD硬度は、ISO 868に規定された測定方法により測定した。測定したショアD硬度を表1、2に示す。
2.2 曲げ弾性率
各実施例および各比較例で用いたポリアミド含有樹脂の硬化物について、曲げ弾性率を測定した。なお、ポリアミド含有樹脂の曲げ弾性率は、ISO 178に規定された測定方法により測定した。また、試験片の厚さは100μm、試験片の幅は10mm、支点間距離は50mmとした。測定した曲げ弾性率を表1、2に示す。
2.3 融点
各実施例および各比較例で用いたポリアミド含有樹脂の硬化物について、融点を測定した。なお、ポリアミド含有樹脂の融点は、ASTM D3418に規定された測定方法により測定した。測定した融点を表1、2に示す。
2.4 熱変形温度
各実施例および各比較例で用いたポリアミド含有樹脂の硬化物について、熱変形温度を測定した。なお、ポリアミド含有樹脂の熱変形温度は、ISO 75に規定された測定方法により測定し、試験片に加える圧力は0.46MPaとした。測定した熱変形温度を表1、2に示す。
3.浸透気化膜の分離特性の評価
24時間の浸透気化処理により得られた濃縮液について、フェノール濃度を測定するとともに、分離係数および全透過流束を算出した。測定結果および算出結果を表1、2に示す。なお、24時間の浸透気化処理においては、6時間ごとに被処理液であるフェノール水溶液を交換するようにした。
なお、浸透気化処理前のフェノール濃度(以下、「供給フェノール濃度」という。)および浸透気化処理後のフェノール濃度(以下、「透過フェノール濃度」という。)は、それぞれ島津製作所製、キャピラリガスクロマトグラフシステムGC−2014を用いて測定した。
また、浸透気化処理前の水濃度(以下、「供給水濃度」という。)および浸透気化処理後の水濃度(以下、「透過水濃度」という。)を測定した。そして、以下の関係式から浸透気化処理における分離係数を求めた。
分離係数 = (透過フェノール濃度/透過水濃度)/(供給フェノール濃度/供給水濃度)
また、全透過流束は、以下の関係式から求めた。
全透過流束 = 透過量/浸透気化膜の有効面積
4.浸透気化膜の耐久性の評価
24時間の浸透気化処理に供された浸透気化膜について、その外観を目視により観察した。そして、以下の基準に基づき、観察結果を評価した。評価結果を表1、2に示す。
<評価基準>
◎:浸透気化膜の外観に全く変化(シワ、撓み等)が認められなかった
○:浸透気化膜の面積率10%以下の範囲に変化(シワ、撓み等)が認められた
△:浸透気化膜の面積率10%超の範囲に変化(シワ、撓み等)が認められた
×:浸透気化膜の面積率50%超の範囲にシワ、撓み等が認められるか、浸透気化膜に破れが生じた
また、各実施例および各比較例で得られた浸透気化膜について、そのまま96時間、さらに384時間の浸透気化処理に供した。そして、その後の浸透気化膜の外観を目視により観察し、上記の基準に基づいて観察結果を評価した。評価結果を表1、2に示す。
Figure 2014159023
Figure 2014159023
表1、2から明らかなように、各実施例で得られた浸透気化膜を用いることによって、フェノールを効率よく濃縮し得ることが認められた。また、各実施例で得られた浸透気化膜には、24時間経過後であっても、分離特性を低下させるような形状変化を生じなかった。また、一部の実施例で得られた浸透気化膜については、384時間経過後であっても、分離特性を低下させるような形状変化を生じなかった。特に、フィラーや支持体を用いた、実施例14〜16で得られた浸透気化膜については、その傾向が顕著であった。
一方、各比較例で得られた浸透気化膜では、濃縮率が低いことが認められた。また、各比較例で得られた浸透気化膜には、浸透気化処理後、大きな形状変化や破れが生じた。なお、全透過流束の高いものについては、これらの形状変化に伴って浸透気化膜に液漏れが発生していることが推察される。
1 浸透気化膜
100 浸透気化分離装置
110 被処理液タンク
115 供給管路
120 浸透気化膜モジュール
121 筐体
122 供給側空間
123 透過側空間
125 透過管路
126 排出管路
130 透過物回収タンク
140 不透過物貯留タンク
150 前処理モジュール
S1 前処理工程
S2 浸透気化工程
S3 凝縮工程
A1、A2 被処理液
A3 透過物
A4 凝縮物

Claims (5)

  1. ポリアミド含有樹脂で構成された膜に、電子線照射処理を施してなるものであることを特徴とする浸透気化膜。
  2. 前記ポリアミド含有樹脂は、ポリアミドセグメントを含む共重合体である請求項1に記載の浸透気化膜。
  3. 前記共重合体は、さらにポリエーテルセグメントを含むものである請求項2に記載の浸透気化膜。
  4. 前記共重合体は、前記ポリアミドセグメントを10〜90モル%の割合で含むブロック共重合体である請求項2または3に記載の浸透気化膜。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の浸透気化膜を用いた浸透気化法により、フェノールと水とを含む液体中の前記フェノールを濃縮することを特徴とするフェノール濃縮方法。
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