JP2015013256A - 浸透気化膜およびフェノール濃縮方法 - Google Patents

浸透気化膜およびフェノール濃縮方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機物を分離する際の分離効率に優れた浸透気化膜、および該浸透気化膜を用いてフェノールを効率よく濃縮するフェノール濃縮方法を提供すること。
【解決手段】浸透気化分離装置は、被処理液タンク、浸透気化膜モジュール、透過物回収タンク、不透過物貯留タンクとを有し、このうち浸透気化膜モジュールは、浸透気化膜モジュールの供給側空間に臨む面である一次側表面の算術平均表面粗さRaが0.005〜40μmであり、浸透気化膜モジュールの透過側空間に臨む面である二次側表面の算術平均表面粗さRaが0.005〜80μmである浸透気化膜を備えている。フェノール濃縮方法は、被処理液タンクに貯留されたフェノール水溶液を前処理する前処理工程と、浸透気化膜モジュールにおいて浸透気化法によりフェノール水溶液を処理する浸透気化工程と、浸透気化膜を透過した透過物を凝縮し、濃縮されたフェノール水溶液を得る凝縮工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、浸透気化膜およびフェノール濃縮方法に関するものである。
フェノール樹脂は、代表的な熱硬化性樹脂であり、耐熱性が要求される部品や絶縁体等として多くの分野に使用されている。
フェノール樹脂を製造すると、フェノール類を含んだ廃液が発生する。フェノール類は、河川等の水質汚濁を引き起こす原因物質の1つとして取り上げられていることから、工場から河川等に流入する排水中においてフェノール類の濃度は法令等によって厳しく制限されている。
そこで、フェノール類を含む廃液からフェノール類を除去し、濃度を低下させることにより、環境負荷を低減する方法が提案されている。特許文献1には、フェノール含有排水を浸透気化膜を備えた分離装置に供給し、減圧側の透過液からフェノールを分離、回収することを特徴とするフェノール含有排水の処理方法が開示されている。
このような処理において用いる浸透気化膜は、フェノールを優先的に浸透させ、透過させることによって濃縮を図る。この際、フェノールは、浸透気化膜へ浸透するとともに気化し、その後、気体として浸透気化膜から脱離することにより、浸透気化膜を透過する。その結果、廃液からフェノール類を分離することができる。
ところが、従来の浸透気化膜は、この一連の透過プロセスの効率が低いという問題を抱えている。このため、浸透気化膜においてフェノール類をはじめとする有機物の分離効率をさらに高めることが課題となっている。
特開平6−296831号公報
本発明の目的は、有機物の分離効率に優れた浸透気化膜、およびかかる浸透気化膜を用いてフェノールを効率よく濃縮するフェノール濃縮方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
(1)一次側表面の算術平均表面粗さRaが0.005〜40μmであり、二次側表面の算術平均表面粗さRaが0.005〜80μmであることを特徴とする浸透気化膜。
(2)一次側表面の算術平均表面粗さRaをRa1とし、二次側表面の算術平均表面粗さRaをRa2としたとき、Ra1<Ra2の関係を満足する(1)に記載の浸透気化膜。(3)ポリアミド含有樹脂で構成されている(1)または(2)に記載の浸透気化膜。
(4)前記ポリアミド含有樹脂は、ポリアミドセグメントを含む共重合体である(3)に記載の浸透気化膜。
(5)前記共重合体は、さらにポリエーテルセグメントを含むものである(4)に記載の浸透気化膜。
(6)前記共重合体は、前記ポリアミドセグメントを10〜90モル%の割合で含むブロック共重合体である(5)に記載の浸透気化膜。
(7)(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の浸透気化膜を用いた浸透気化法により、フェノールと水とを含む液体中のフェノールを濃縮することを特徴とするフェノール濃縮方法。
本発明によれば、浸透気化法において有機物を分離する際の分離効率に優れた浸透気化膜が得られる。
また、本発明によれば、上記浸透気化膜を用いることにより、フェノールを効率よく分離して濃縮することができる。
本発明の浸透気化膜を備えた浸透気化分離装置の一例を示す図である。 図1に示す浸透気化分離装置のうち、浸透気化膜モジュールを拡大した図である。 本実施形態に係るフェノール濃縮方法の工程図である。
以下、本発明の浸透気化膜およびフェノール濃縮方法について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<浸透気化分離装置>
本発明のフェノール濃縮方法は、本発明の浸透気化膜を用いた浸透気化法により、フェノールと水とを含む液体中のフェノールを濃縮するものであるが、この浸透気化法とは、例えば、液相と気相とが浸透気化膜により隔てられた状態で、液相側の溶質の分圧を駆動力として、溶質について優先的に浸透気化膜を透過させ、溶質を濃縮する方法である。このような浸透気化法は、浸透気化膜を備えた浸透気化分離装置により行う。
図1は、本発明の浸透気化膜を備えた浸透気化分離装置の一例を示す図、図2は、図1に示す浸透気化分離装置のうち、浸透気化膜モジュールを拡大した図である。
図1に示す浸透気化分離装置100は、被処理液タンク110と、浸透気化膜モジュール120と、透過物回収タンク130と、不透過物貯留タンク140と、を有している。
このうち、被処理液タンク110と浸透気化膜モジュール120との間は、供給管路115により接続されている。また、供給管路115の途中には、前処理モジュール150が設けられている。前処理モジュール150としては、例えば、凝集剤を用いた沈降処理、濾過処理、逆浸透膜処理、共沸処理、蒸留処理等を行うモジュールが挙げられる。
一方、浸透気化膜モジュール120の透過側(二次)と透過物回収タンク130との間は、透過管路125により接続されており、また、浸透気化膜モジュール120の供給側(一次側)と不透過物貯留タンク140との間は、排出管路126により接続されている。
また、浸透気化膜モジュール120は、図2に示すように、筐体121と、筐体121の内部空間を隔てるよう設けられた浸透気化膜1と、を備えている。筐体121の内部空間のうち、浸透気化膜1の一次側が供給側空間122であり、浸透気化膜1の二次側が透
過側空間123である。
浸透気化分離装置100で処理される被処理液としては、例えば、有機物が溶解または分散した液体(溶液または分散液)が挙げられる。浸透気化分離装置100では、このような被処理液から浸透気化法によって有機物を優先的に分離することで、被処理液における有機物の濃度を高める「濃縮」を行うことができる。これにより、濃縮後の被処理液は工業原料等として利用し易くなり、被処理液の利用価値を高めることにつながる。また、有害物質を含む被処理液の場合、濃縮によって減容化を図り、廃棄や無害化処理の効率を高めることができる。
浸透気化分離装置100において濃縮可能な有機物としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールのようなアルコール類、フェノール、ピリジン、クロロホルム、テトラクロロエチレン等が挙げられる。また、例えば、内分泌撹乱物質(環境ホルモン)に分類されるn−ブチルベンゼンのようなディスプレイ用液晶物質、1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン、2−ブチルフェニルメチルカルバメート、ベンダイオカルブのような各種農薬、ジエチルフタレートのような可塑剤、コプラナーPCB、ジベンゾ−p−ダイオキシン等についても濃縮可能である。
一方、有機物を溶解または分散する溶媒または分散媒としては、例えば水が挙げられる。
また、被処理液には、有機物や水以外のもの、例えば無機塩やその溶解物(無機イオン性不純物)等が含まれていてもよい。具体的には、ナトリウムイオン、カリウムイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、アンモニウムイオンのような無機イオン等が挙げられる。
次いで、浸透気化分離装置100の動作例について説明する。なお、ここでは、被処理液として有機物が溶解した水を用いた場合を例にして説明する。
まず、浸透気化膜モジュール120の透過側を、透過管路125に接続された減圧ポンプ(図示せず)により減圧する。
次いで、被処理液タンク110中に貯留された被処理液が、供給管路115を経て前処理モジュール150に送られると、そこで前処理が行われる。前処理では、被処理液中の異物を除去したり、被処理液の減容化を図る。
次いで、被処理液は、供給管路115を経て浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に送られる。浸透気化膜モジュール120では、上述したように、透過側空間123を減圧することにより、被処理液中の有機物が優先的に浸透気化膜1を透過する。その結果、透過側では被処理液中の有機物の濃度が高まり、被処理液が濃縮される。
濃縮された被処理液は、透過管路125を経て透過物回収タンク130に送られ、回収される。一方、浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に残った被処理液は、排出管路126を経て不透過物貯留タンク140に送られる。
なお、必要に応じて、不透過物貯留タンク140と被処理液タンク110との間を配管で接続し、不透過物貯留タンク140に貯留されている被処理液を、再び被処理液タンク110に戻すようにしてもよい。これにより、同じ被処理液を繰り返し浸透気化膜モジュール120に送ることができるので、1回の処理では分離し切れなかった有機物を、より確実に分離して、回収率を高めることができる。
<浸透気化膜>
次いで、本発明の浸透気化膜の実施形態について説明する。
図2に示す浸透気化膜1は、上述したように、浸透気化膜モジュール120の筐体121の内部空間を供給側空間122と透過側空間123とに隔てるよう設けられている。浸透気化膜1の形態としては、特に限定されず、例えば平膜型、中空糸型、管状型、袋状型、スパイラル型等の形状をなす緻密質膜を採用することができる。
浸透気化膜1は、浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に臨む面(接液側の面)である一次側表面128の算術平均表面粗さRaが0.005〜40μmであり、浸透気化膜モジュール120の透過側空間123に臨む面(脱離側の面)である二次側表面129の算術平均表面粗さRaが0.005〜80μmであることを特徴とする。
特に、浸透気化膜1は、浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に臨む面(接液側の面)である一次側表面128の算術平均表面粗さRaが0.01〜30μmであり、浸透気化膜モジュール120の透過側空間123に臨む面(脱離側の面)である二次側表面129の算術平均表面粗さRaが0.01〜70μmであることがより好ましく、浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に臨む面(接液側の面)である一次側表面の算術平均表面粗さRaが0.05〜20μmであり、浸透気化膜モジュール120の透過側空間123に臨む面(脱離側の面)である二次側表面129の算術平均表面粗さRaが0.05〜60μmであることがさらに好ましい。各面の表面粗さをこのように規定することにより、有機物の分離効率を十分に高めることができる。
これに対し、浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に臨む面(接液側の面)である一次側表面128の算術平均表面粗さRaが前記範囲よりも大きい場合、膜表面の凹部等を起点にして浸透気化膜1に破れ等が発生するおそれがある。一方で、浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に臨む面(接液側の面)である一次側表面128の算術平均表面粗さRaが前記範囲よりも小さい場合、浸透気化膜1の一次側表面128の表面積が減少するために、有機物が浸透しにくくなり、分離効率が低下する場合がある。
また、浸透気化膜モジュール120の透過側空間123に臨む面(脱離側の面)である二次側表面129の算術平均表面粗さRaが前記範囲よりも大きい場合、浸透気化膜1の二次側表面129における圧力損失が増大し、有機物の脱離効率が低下する場合がある。一方で、浸透気化膜モジュール120の透過側空間123に臨む面(脱離側の面)である二次側表面129の算術平均表面粗さRaが前記範囲よりも小さい場合、浸透気化膜1の二次側表面129の表面積が減少するために、有機物の脱離効率が低下する場合がある。
また、浸透気化膜1のうち、浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に臨む面(接液側の面)である一次側表面128の算術平均表面粗さRaをRa1とし、浸透気化膜モジュール120の透過側空間123に臨む面(脱離側の面)である二次側表面129の算術平均表面粗さRaをRa2としたとき、Ra1<Ra2の関係を満足することが好ましい。具体的には、Ra2はRa1と比較して、1.01〜10000倍程度であるのが好ましく、1.05〜5000倍程度であるのがより好ましい。各面の表面粗さをこのように規定することにより、供給側空間122に臨む面における有機物の浸透効率と、透過側空間123に臨む面における有機物の脱離効率とを、それぞれ最適化することができる。すなわち、浸透速度は脱離速度に律速するため、脱離速度が浸透速度に比べて適度に高くなるよう各面の表面粗さを調整することによって、浸透効率と脱離効率とをそれぞれ最適化することができる。
なお、浸透化膜1の各面の表面粗さの形成にあたっては、所定の表面粗さの形状を有する成形型を押圧することにより、浸透気化膜1の表面にその表面粗さの形状を転写するようにすればよい。また、後に詳述するが、浸透気化膜1は、必要に応じて支持体を備えていることが好ましく、支持体とは、浸透気化膜1の内部または表面に設けられ、この支持
体の形状に由来する表面粗さを形成することもできる。具体的には、浸透気化膜1の製造時、比較的柔軟性の高い当接面を備えた押圧部材によって浸透気化膜1を加圧するようにすればよい。これにより、浸透気化膜1の表面に支持体に由来する形状が反映され易い。なお、比較的柔軟性の高い当接面としては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴムのようなゴム材料や、各種エラストマー材料等で構成された部材の面等が挙げられる。
<ポリアミド含有樹脂>
浸透気化膜1は、ポリアミド含有樹脂で構成されており、かかるポリアミド含有樹脂としては、アミド結合を含む繰り返し単位を有する重合体であれば特に限定されず用いられる。なお、詳細は不明であるが、アミド結合は、有機物に対する高い親和性を有しているため、ポリアミド含有樹脂で構成された浸透気化膜1は、有機物を効率よく吸着、浸透させ、優先的に透過させると考えられ、とりわけ分離特性に優れたものとなる。
ポリアミド含有樹脂は、アミド結合を含む繰り返し単位を有する重合体であれば特に限定されない。このようなポリアミド含有樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド樹脂であってもよく、これらのポリアミド樹脂を含むポリマーアロイまたはポリマーブレンドであってもよいが、好ましくはアミド結合を含む繰り返し単位を有する共重合体とされる。具体的には、アミド結合を含む繰り返し単位で構成されるポリアミドセグメントと、このポリアミドセグメントと共重合可能な他のセグメントと、を有する共重合体が好ましく用いられる。このような共重合体からなる浸透気化膜1は、主にポリアミドセグメントによって、被処理液中の有機物に対する親和性を発現するとともに浸透気化膜1の機械的特性を高める一方、他のセグメントを適宜選択することによって、被処理液中の有機物に対する親和性を阻害することなく有機物の透過性を確保することができる。このため、ポリアミドセグメントを有する共重合体を用いることにより、被処理液中の有機物に対する優れた親和性と透過性を高めるとともに、浸透気化膜1の高い耐久性を確保することができる。
特に浸透気化法では、有機物を浸透気化膜1に浸透させ、浸透気化膜1が膨潤しつつ有機物を透過させる。このため、膨潤が繰り返されることにより、浸透気化膜1が劣化して、破れが生じたり、分離特性が低下することがある。共重合体からなる浸透気化膜1では、ポリアミドセグメントがこの膨潤に伴う機械的特性の低下を抑制し、他のセグメントが有機物の透過性を高めることで、かえって有機物の浸透、膨潤に伴う劣化が抑制され、耐久性が高められていると考えられる。
ポリアミドセグメントと共重合可能な他のセグメントとしては、例えば、エーテル結合を含む繰り返し単位で構成されるポリエーテルセグメント、エステル結合を含む繰り返し単位で構成されるポリエステルセグメント、エチレン構造を含む繰り返し単位で構成されるポリエチレンセグメント、プロピレン構造を含む繰り返し単位で構成されるポリプロピレンセグメント、シロキサン結合を含む繰り返し単位で構成されるポリシロキサンセグメント等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このうち、ポリアミドセグメントと共重合可能な他のセグメントは、ポリエーテルセグメントを含むことが好ましい。ポリエーテルセグメントは、ポリアミドセグメントに対して共重合し易く、また、ポリアミドセグメントに比べて柔軟性が高い。このため、浸透気化膜1に対して大きな外力が加わった場合でも、浸透気化膜1が簡単に破れてしまうのを防止することができる。また、ポリエーテルセグメントは、多くの有機物に対する親和性が低く、このため、浸透気化膜1中における有機物の浸透、膨潤に伴う浸透気化膜1の著しい劣化を抑制することができる。その結果、有機物の分離特性と耐久性とをより高度に両立させた浸透気化膜1が得られる。
さらに、ポリエーテルセグメントは、親水性を有しているため、被処理液が水系の液体である場合、ポリエーテルセグメントを含む浸透気化膜1は、被処理液との接触性の高いものとなる。一方、前述したポリアミドセグメントは、親油性を有している。このため、被処理液が浸透気化膜1に対して滞りなく接触し、被処理液中の有機物については浸透気化膜1に効率よく浸透する。その結果、有機物の分離特性がより高められることとなる。なお、かかる観点から、ポリアミドセグメントと共重合可能な他のセグメントについても、親水性を有するものが好ましく用いられる。
下記式(1)は、ポリアミドセグメントの構造式の一例である。

[式(1)中、nは1〜8の整数である。]
また、下記式(2)は、ポリエーテルセグメントの構造式の一例である。

[式(2)中、mは1〜8の整数である。]
また、ポリアミドセグメントと他のセグメントとを含む共重合体は、ポリアミドセグメントを10〜90モル%の割合で含むものが好ましく、20〜80モル%の割合で含むものがより好ましく、30〜75モル%の割合で含むものがさらに好ましく、45〜75モル%の割合で含むものが特に好ましい。このような共重合体では、主にポリアミドセグメントによって発現する有機物に対する高い親和性および浸透気化膜1に付与される高い機械的特性と、主に他のセグメントによって確保される有機成分に対する高い透過性が、それぞれほとんど埋没することなく発現する。このため、ポリアミドセグメントと他のセグメントの比率を前記範囲内に設定することにより、有機物の分離特性と耐久性とを確実に両立させた浸透気化膜1が得られる。特に、他のセグメントとしてポリエーテルセグメントを用いた場合には、有機物の透過性が向上するため、有機物が浸透気化膜1中に滞在する時間が短縮され、膨潤し難くなるとともに、分離特性をより高めることができると考えられる。
なお、ポリアミドセグメントを含む共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体および交互共重合体のうちのいずれであってもよいが、ブロック共重合体であるのが好ましい。これにより、ポリアミドセグメントが担う特性と他のセグメントが担う特性が、互いに打ち消し合うことなく発現し、有機物の分離特性と耐久性とを確実に両立させた浸透気化膜1が得られる。
また、ポリアミド樹脂を含むポリマーアロイまたはポリマーブレンドとしては、例えばポリアミド樹脂に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリジメチルシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン等を添加したものが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。これらは、いずれもポリアミド樹脂による有機物の吸着、浸透を阻害することなく、ポリ
アミド樹脂の補強に寄与すると考えられる。したがって、浸透気化膜1の分離特性と耐久性との両立を可能にするという観点から、これらの樹脂成分を含むポリマーアロイやポリマーブレンドは有用である。また、後に詳述するが、浸透気化膜1に電子線を照射することにより、耐久性のさらなる向上が図られる。これは、電子線照射処理によってこれらの樹脂とポリアミドとの間に架橋が生じるためであると考えられる。なお、これらの樹脂の中でも特に、耐薬品性、長期安定性、機械的強度の観点からポリエチレンが好ましく用いられる。
このような浸透気化膜1の平均厚さは、液相と気相とを隔てるのに必要な機械的強度を持ちうる厚さであれば、特に限定されないが、10〜500μm程度であるのが好ましく、20〜400μm程度であるのがより好ましい。浸透気化膜1の平均厚さを前記範囲内に設定することにより、供給側空間122と透過側空間123とを確実に隔てつつ、有機物の分離特性を十分に確保することができる。
また、ポリアミド含有樹脂の硬化物のショアD硬度は、15〜85程度であるのが好ましく、20〜75程度であるのがより好ましい。ショアD硬度を前記範囲内に設定することにより、浸透気化法による分離の際に、浸透気化膜1が破れたり伸び切ってしまうのを抑制しつつ、十分な分離特性を確保することができる。なお、ポリアミド含有樹脂のショアD硬度は、ISO 868に規定された測定方法により測定される。
さらに、ポリアミド含有樹脂の硬化物の曲げ弾性率は、10〜550MPa程度であるのが好ましく、25〜400MPa程度であるのがより好ましく、40〜300MPa程度であるのがさらに好ましい。曲げ弾性率を前記範囲内に設定することにより、浸透気化膜1が破れたり伸び切ってしまうのを抑制しつつ、十分な分離特性を確保することができる。なお、ポリアミド含有樹脂の曲げ弾性率は、ISO 178に規定された測定方法により測定される。なお、試験片の厚さは100μm、試験片の幅は10mm、支点間距離は50mmとする。
また、ポリアミド含有樹脂の硬化物の融点は、110〜185℃程度であるのが好ましく、130〜175℃程度であるのがより好ましい。ポリアミド含有樹脂の融点を前記範囲内に設定することにより、有機物の分離特性と耐久性とをより高度に両立させた浸透気化膜1が得られる。なお、ポリアミド含有樹脂の融点は、ASTM D3418に規定された測定方法により測定される。
また、ポリアミド含有樹脂の硬化物の熱変形温度は、35〜140℃程度であるのが好ましく、40〜130℃程度であるのがより好ましい。ポリアミド樹脂の熱変形温度を前記範囲内に設定することにより、浸透気化法による分離の際に、分離特性が低下するのを抑制することができる。すなわち、熱変形温度が前記下限値を下回る場合、浸透気化を促進すべく被処理液の温度を上げた際に、浸透気化膜1の機械的強度が低下するおそれがあり、一方、熱変形温度が前記上限値を上回る場合、有機物の膨潤に対して影響を受け易くなり、浸透気化膜1の耐久性が低下するおそれがある。なお、ポリアミド含有樹脂の熱変形温度は、ISO 75に規定された測定方法により測定され、試験片に加える圧力は0.46MPaとする。
なお、例えばポリアミドセグメントとポリエーテルセグメントとを含む共重合体は、既知の合成方法により製造することができる。合成方法としては、例えば、末端にアミノ基を有するポリアルキレンエーテルまたはその有機酸塩の存在下で、例えばラクタム類、ω−アミノ酸類、またはジアミンとジカルボン酸のようなポリアミド形成用モノマーを重縮合させる方法、末端にカルボキシル基を有するポリアルキレンエーテルまたはその有機アミン塩の存在下で、前述したポリアミド形成用モノマーを重縮合させる方法、末端にアミノ基、カルボキシル基、またはアミノ基とカルボキシル基の双方を有するポリアルキレン
エーテルの存在下で、前述したポリアミド形成用モノマーを重縮合させる方法等が挙げられる。
ここで、浸透気化分離装置100で処理される被処理液としては、有機物の濃度が非常に希薄なものが多い。このため、これを濃縮して工業的に利用可能にしたり、廃棄処理や無害化処理に供する被処理液の減容化を図ったりすることが、本発明に係る浸透気化膜を用いた浸透気化法には期待されている。
例えば、被処理液がフェノール水溶液である場合、その濃度は通常1〜2質量%という低濃度であり、工業的な利用には適さない。また、フェノールや水の他に無機塩やポリマー等の不純物も含んでいる場合が多い。フェノール水溶液を工業的に利用するためには一般的にフェノール濃度が70質量%以上である必要があるとされているため、浸透気化法といった分離、濃縮方法が欠かせない。
従来、浸透気化膜としては、ゼオライト製のものが知られていた。実用化が進んでいるA型のゼオライト膜は、水透過性の多孔質膜であり、本発明に係る浸透気化膜とは異なり、フェノール水溶液中から水を優先的に透過するよう働く(本発明に係る浸透気化膜は、有機物を優先的に透過するよう働く。)ところが、前述したようにフェノールや水以外にポリマー等を含んでいると、このポリマーが膜表面を閉塞してしまい、分離特性が低下する。さらに、フェノール水溶液中に含まれる無機塩とゼオライト膜表面との間でイオン交換が生じ、やはり分離特性が低下する。加えて、フェノール濃度が希薄である場合、その分、ゼオライト膜を透過する水の量が多くなり、エネルギー効率の著しい低下を招く。また、ゼオライト膜以外の膜、例えばポリビニルアルコールで構成された高分子膜においても、フェノール濃度が希薄である場合、エネルギー効率が低い上に、耐久性に乏しい。
一方、ZSM−5型ゼオライトやシリカライトで構成された浸透気化膜は、本発明に係る浸透気化膜と同様、有機物を透過させる膜であるが、これらは多孔質膜であり、緻密質膜である本発明とは異なる。多孔質膜は、無機塩やポリマー等の不純物による閉塞が起こり易く、それによる分離特性の低下が避けられないという問題を抱えていた。
また、ポリジメチルシロキサンで構成された浸透気化膜は、有機物透過膜であり、かつ緻密質膜であるため、上述した閉塞は生じ難いが、有機物の分離特性が低いという問題を抱えていた。
これに対し、本発明に係る浸透気化膜1は、緻密質膜であり、かつ浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に臨む面(接液側の面)である一次側表面128の算術平均表面粗さRaと、浸透気化膜モジュール120の透過側空間123に臨む面(脱離側の面)である二次側表面129の算術平均表面粗さRaの、各面の表面粗さが規定されたポリアミド含有樹脂膜であることから、被処理液として無機塩やポリマー等の不純物を含んでいる場合であっても、優れた有機物の分離特性を有する。
<支持体>
また、浸透気化膜1は、必要に応じて支持体を備えていてもよく、支持体とは、浸透気化膜1の内部または表面に設けられ、膜構造を補強して全体の機械的強度を高めるものである。特に浸透気化処理において、浸透気化膜1は減圧化にさらされるため、圧力による形状の変化などを抑制するためにも、支持体を備えていることが好ましい。
支持体の形状としては、例えば、不織布、織布のような布帛、パンチング材、網材等が挙げられる。
また、支持体の構成材料としては、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、
金属繊維のような無機繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、レーヨン繊維のような合成繊維、麻、コットン、ケナフ、ジュートのような天然繊維といった有機繊維等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の複合繊維が用いられる。このうち、ガラス繊維または有機繊維で構成された支持体が好ましく用いられる。このような支持体は、優れた可撓性と機械的特性とを両立しているため、長期間にわたって圧力を受け続ける浸透気化膜1を支持するものとして有用である。すなわち、圧力を受けても破れたり孔が開いたりし難いので、耐久性に優れた浸透気化膜1が得られる。
また、有機繊維の中でも特にナイロン繊維およびアラミド繊維のうちの少なくとも一方を含むものが好ましく用いられる。これらは、構成材料中にアミド結合を含んでいるため、ポリアミド含有樹脂に対して密着性の高い支持体が得られる。このため、浸透気化膜1中に隙間や空孔が生じ難く、液漏れの発生をより確実に抑え得る浸透気化膜1が得られる。なお、このような効果は、ナイロン繊維やアラミド繊維に限らず、アミド結合を含むその他の繊維を用いた場合であっても得られる。
また、浸透気化膜1中における支持体の占有率(体積分率)は、特に限定されないが、20〜90体積%程度であるのが好ましく、30〜80体積%程度であるのがより好ましい。これにより、ポリアミド含有樹脂による分離特性を阻害することなく、浸透気化膜1の機械的特性をより高めることができる。
一方、浸透気化膜1を平面視したとき、支持体の占有率(面積分率)は、特に限定されないが、10〜95%程度であるのが好ましく、20〜90%程度であるのがより好ましい。これにより、十分な機械的特性が確保されるとともに、支持体によって浸透気化膜1の分離特性が著しく阻害されてしまうのを防止することができる。換言すれば、浸透気化膜1の機械的特性と開口率とのバランスを最適化し、双方を両立させることができる。
このような支持体に対し、上述したポリアミド含有樹脂を含浸させたり、流延させたりした後、必要に応じてロール等で押圧することにより、支持体を含む浸透気化膜1が得られる。ポリアミド含有樹脂は、溶融され、必要に応じて有機溶媒等で希釈される。流延にあたっては、ドクターブレード等の塗布装置が好ましく用いられる。
なお、支持体の表面には、必要に応じて、ポリアミド含有樹脂との密着性を高めるための表面処理を施すようにしてもよい。かかる表面処理としては、例えばカップリング剤処理、プラズマ処理等が挙げられる。
<フィラー>
また、浸透気化膜1は、必要に応じてフィラーを含んでいてもよい。フィラーとは、ポリアミド含有樹脂中に分散する粒子であり、浸透気化膜1の各種特性、例えば機械的特性を高めるよう作用する。
フィラーの形状としては、例えば、球状、板状(鱗片状)、針状等が挙げられる。
また、フィラーの平均粒径は、0.01〜20μm程度であるのが好ましく、0.05〜10μm程度であるのがより好ましい。なお、フィラーの平均粒径は、レーザー回折式粒径測定法により得られた粒度分布において、質量基準で累積50%となるときの粒径である。
また、フィラーの構成材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マイカ、クレー、ゼオライト等の無機材料、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の有機材
料等が挙げられる。これらの中でも、フェノールの分離効率の観点からゼオライトが好ましく用いられ、疎水性ゼオライトがより好ましく用いられる。
また、浸透気化膜1中におけるフィラーの占有率は、特に限定されないが、支持体の占有率より小さいのが好ましく、具体的には2〜40体積%程度であるのが好ましく、10〜35体積%程度であるのがより好ましい。これにより、ポリアミド含有樹脂による分離特性を阻害することなく、浸透気化膜1の機械的特性をより高めることができる。
なお、フィラーの表面には、必要に応じて、ポリアミド含有樹脂との密着性を高めるための表面処理を施すようにしてもよい。かかる表面処理としては、例えばカップリング剤処理、プラズマ処理等が挙げられる。
<電子線照射処理>
浸透気化膜1には、必要に応じて、電子線照射処理が施されていてもよい。電子線照射処理は、膜に対して電子線を照射することにより改質する処理である。前述したようなポリアミド含有樹脂で構成された膜に対して電子線を照射すると、電子線のエネルギーによって膜表面はもとより膜内にも改質が及ぶ。そして、膜中のポリマーの架橋密度を高め、機械的強度を向上させる。その結果、膨潤しても劣化し難くなる等、浸透気化膜1の耐久性をより高めることができる。さらに、電子線照射によって、膜の表面に官能基が導入され、被処理液との接触性が良好になる。その結果、有機物と膜との接触性も良好となり、有機物の分離特性が高められる。
また、電子線照射処理によれば、有機物との親和性を担っているアミド結合等の官能基や化学結合が消失したり変性を受けたりし難いと考えられる。このため、上述したようにして機械的強度の向上が図られる一方、有機物の分離特性はほとんど低下しない。特に長期間にわたって浸透気化のプロセスに供された場合であっても、有機物の分離特性が低下し難く、かつ破れ難いという点で、浸透気化膜1は有用である。したがって、ポリアミド含有樹脂で構成された膜に電子線照射処理を施すことにより、有機物の分離特性と耐久性とをとりわけ高度に両立させた浸透気化膜1が得られる。
電子線は、放射線の一種であり、電子を加速器等で加速して束にしたものである。一般に電子線は指向性が高いので、電子線照射処理にあたっては、ポリアミド含有樹脂で構成された膜に対して電子線を走査することにより、被処理面に対して均等な積算照射量にすることができる。なお、電子線の走査パターンは、特に限定されず、積算照射量が均等でなくてもよい。
また、電子線の積算照射量(吸収線量)は、特に限定されないが、25〜300kGy程度であるのが好ましく、30〜200kGy程度であるのがより好ましい。積算照射量を前記範囲内に設定することにより、有機物との親和性を担っている官能基や化学結合が消失したり変性を受けたりするのを確実に抑制しつつ、膜の機械的強度の向上を図ることができる。また、このような効果を長期にわたって維持し得る浸透気化膜1が得られる。
また、電子線を得るために電子を加速する際の加速電圧は、10〜200kV程度であるのが好ましく、20〜150kV程度であるのがより好ましい。加速電圧は、電子線の膜に対する浸透深さを左右する。したがって、加速電圧を前記範囲内に設定することにより、膜の厚さ方向の全体に対して必要かつ十分な処理を施すことができる。その結果、分離特性と耐久性との両立をより高度化することができる。
なお、ポリアミド含有樹脂がポリアミドセグメントとポリエーテルセグメントとを有する共重合体である場合、電子線照射処理は膜の分離特性と耐久性との両立において特に効果を発揮する。すなわち、ポリエーテルセグメントは、高い有機成分の透過性を有するも
のの、電子線照射処理によって膜構造が適度に強化され易い。このため、有機成分の透過性が高いというポリエーテルセグメントの特長を維持しつつ、有機物の膨潤に対する耐久性の向上も図るという、単に有機成分の透過性を高めるだけでは奏し得ない2つの効果を同時に奏する浸透気化膜1が得られることとなる。
また、その条件やポリアミド含有樹脂の組成によっては、電子線照射処理により、照射面の表面に凹凸構造を形成することができる。これにより、表面と被処理液との接触面積を増やすことができ、浸透気化法による処理効率をより高めることができる。したがって、浸透気化膜1を上述した浸透気化膜モジュール120に設置する際には、電子線の照射面が供給側空間122に臨むよう設置するのが好ましい。
また、電子線照射処理は、不活性ガス存在下で行うのが好ましい。これにより、電子線照射部に酸素が影響するのを抑制し、有機物との親和性を担っている官能基や化学結合が消失するのを防止することができる。この場合、酸素濃度を質量比で500ppm以下にするのが好ましい。不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
以上、浸透気化膜1について説明したが、本発明の浸透気化膜は、上述したような浸透気化膜1を複数枚積層した積層膜や、浸透気化膜1と他の膜とを積層した積層膜等であってもよい。この場合でも、上述した浸透気化膜1と同様の効果を奏する。
続いて、浸透気化膜1の製造方法について説明する。浸透気化膜1は、前述したように様々な形態をとり得るが、ここでは平膜型のものを製造する場合について説明する。
平膜型の浸透気化膜1は、例えば、原材料を180〜230℃程度の温度で溶融し、得られた溶融物を押出法、射出成形法、プレス法等の成形方法で平膜状に成形することによって製造される。原材料は、必要に応じて溶媒等で希釈したりしてもよい。
また、浸透気化膜1の表面には、必要に応じて、電子線照射処理とは異なる表面処理を施すようにしてもよい。かかる表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、アーク放電処理、エキシマ光の照射処理、プラズマ処理、エッチング処理、コーティング処理等が挙げられる。なお、コーティング処理では、例えばコーティングによって分離対象の有機物の親和性の高い官能基を導入する処理等が挙げられる。
<フェノール濃縮方法>
次いで、本発明のフェノール濃縮方法の実施形態について説明する。上述した本発明の浸透気化膜は、各種有機物を含む液体を処理対象(被処理液)としているが、以下の説明では、フェノール水溶液が被処理液である場合について説明する。
図3は、本実施形態に係るフェノール濃縮方法の工程図である。
図3に示すフェノール濃縮方法は、被処理液A1に前処理を施す前処理工程S1と、前処理が施された被処理液A2を浸透気化膜1を用いた浸透気化法に供し、被処理液A2中のフェノールを優先的に気化させる浸透気化工程S2と、気体状態の透過物A3を凝縮し、液体または固体状態の凝縮物A4を得る凝縮工程S3と、を有する。これらの工程を経ることにより、フェノールを濃縮した凝縮物A4を得ることができる。以下、各工程について詳述する。
[1]前処理工程S1
前処理工程S1では、前述したように凝集剤を用いた沈降処理、濾過処理、逆浸透膜処理、共沸処理、蒸留処理等を行うことにより、被処理液A1中の異物を除去したり、被処理液A1の減容化を図る。このうち、逆浸透膜処理では、逆浸透膜(RO膜)を用いて被
処理液A1中に含まれる水を除去し、フェノール濃度を高める。その結果、被処理液A1の減容化が図られることとなる。このような前処理を経て被処理液A2が得られる。
なお、前処理工程S1は必要に応じて行えばよく、被処理液A1の量や含まれる有機物の組成、濃度等によっては省略されてもよい。
[2]浸透気化工程S2
浸透気化工程S2では、被処理液A2を図2に示す浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に供給する。この際、浸透気化膜モジュール120の透過側空間123を減圧する。これにより、被処理液A2中のフェノールが浸透気化膜1を優先的に透過する。この際、フェノールや水は気体状態になって透過し、気体状態の透過物A3が得られる。
透過側空間123の圧力は、10〜7000Pa程度であるのが好ましく、50〜5000Pa程度であるのがより好ましい。透過側空間123の圧力を前記範囲内に設定することにより、フェノールを効率よく濃縮することができる。
また、被処理液A2の温度は、30〜95℃程度であるのが好ましく、40〜80℃程度であるのがより好ましい。被処理液A2の温度を前記範囲内に設定することにより、被処理液A2中の処理効率を高めることができる。
ここで、浸透気化膜1は、有機物を含む被処理液について有機物を分離し濃縮することができるが、特にフェノールの分離、濃縮において有用である。これは、フェノールの分子構造と浸透気化膜1の組成との関係によるものであり、具体的にはフェノールがポリアミド中の構造に対して高い親和性を有しているからであると考えられる。また、浸透気化膜1は、特に分離効率の優れたものである。これは、浸透気化膜1が、浸透気化膜モジュール120の供給側空間122に臨む面(接液側の面)である一次側表面128の算術平均表面粗さRaが0.005〜40μmであり、浸透気化膜モジュール120の透過側空間123に臨む面(脱離側の面)である二次側表面129の算術平均表面粗さRaが0.005〜80μmであることによるものであり、各面の表面粗さをこのように規定することにより、有機物の分離効率を十分に高めていると考えられる。
[3]凝縮工程S3
凝縮工程S3では、気体状態の透過物A3を凝縮する。これにより、透過物A3が液化し、液体状態の凝縮物A4が得られる。また、凝縮条件によっては、固体状態の凝縮物A4が得られる。
透過物A3を凝縮させるには、一般的な凝縮方法を用いればよく、例えば透過物A3を加圧したり(常圧に戻したり)冷却したりすればよい。このうち、冷却には、各種冷却器や液体窒素のような冷却剤を用いればよい。
なお、凝縮工程S3は、必要に応じて設けられればよく、例えば、気体状態の透過物A3から、固体状態または液体状態のフェノールを選択的に析出させる工程で代替するようにしてもよい。この析出は、フェノールと水との間において、状態変化が生じる温度や圧力に差があることを利用したものである。すなわち、フェノールと水の状態図を比較したとき、両者の間で気液平衡線や固気平衡線が通る温度や圧力にずれがあるため、この差を利用し、気体状態の透過物A3からフェノールを選択的に状態変化させることによってフェノールの析出が可能になる。例えば、フェノールの固気平衡線のみを横切るように、換言すれば水の固気平衡線は横切らないように、温度および圧力の少なくとも一方を変化させることにより、気体状態の透過物A3から固体状態のフェノールを選択的に析出させることができる。また、液体状態のフェノールを析出させる場合も同様である。
一方、フェノール析出後、水は気体状態のまま残るため、フェノールと水の状態が相違することとなり、固体状態のフェノールを高い収率で分離、回収することができる。このようにしてフェノールを固体状態で回収することにより、凝縮物A4を得る場合に比べて、より高濃度のフェノールが得られることとなる。その結果、回収されたフェノールの取
り扱いも容易になり、工業的な利用がさらに促進される。
以上、本発明の浸透気化膜およびフェノール濃縮方法について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、フェノール濃縮方法では、任意の目的の工程が付加されていてもよい。
また、上記フェノール濃縮方法は、フェノール以外の有機物に対しても適用可能である。
次に、本発明の実施例について説明する。
1.フェノール水溶液の濃縮
以下、各実施例および各比較例のようにして浸透気化膜を形成するとともに、フェノール水溶液を濃縮した。なお、各実施例および各比較例で得られた浸透気化膜の条件について、表1、2に示す。
(実施例1)
(1)平膜の形成
まず、膜材料M1を200℃で加熱溶融し、得られた溶融物を押出法により平膜状に成膜した。これにより平膜を得た。なお、膜材料M1は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(2)支持体と平膜との積層
次いで、支持体としてガラスクロス(日東紡社製、WEA116E、質量105g/m)を用意した。この支持体と前述の平膜とを重ね、プレス機にセットした。なお、プレス機において、浸透気化膜の一次側の面(接液側の面)となる平膜側に当接する当て板、および浸透気化膜の二次側の面(脱離側の面)となる支持体側に当接する当て板には、それぞれシリコーンゴムシート(厚さ500μm)を用いた。そして、プレス機で、50kg/cmの圧力で5分間加圧することにより、支持体と平膜とを圧着し、浸透気化膜を得た。得られた浸透気化膜の平均厚さは130μmであった。なお、浸透気化膜の平均厚さは、接触式のデジマチックインジケーターを用いて測定した。また、浸透気化膜においてポリアミド含有樹脂が占める占有率は36体積%であった。
(3)フェノール水溶液の浸透気化処理
次いで、製造した浸透気化膜を図1に示す浸透気化膜モジュールに取り付けた。そして、浸透気化膜モジュールの供給側空間にフェノール水溶液を供給した。なお、供給したフェノール水溶液は、フェノール濃度2質量%、無機イオン性不純物濃度1質量%の水溶液(pH8.5)とした。また、液温を60℃とした。
一方、浸透気化膜モジュールの透過側空間を減圧ポンプにより133Paまで減圧した。そして、浸透気化膜を透過した気相成分を、液体窒素で冷却したガラストラップにより液化して回収した。これにより濃縮液を得た。また、浸透気化膜モジュールで浸透気化膜を透過せず排出されたフェノール水溶液は、再び供給側空間に供給されるよう循環経路を構築した。
(実施例2)
プレス機において、浸透気化膜の一次側の面(接液側の面)となる平膜側に当接する当て板として、鏡面処理を施したプレート(ステンレス鋼製)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得た。得られた浸透気化膜の平均厚さは130μmであった。
(実施例3)
プレス機において、浸透気化膜の一次側の面(接液側の面)となる平膜側に当接する当て板、および浸透気化膜の二次側の面(脱離側の面)となる支持体側に当接する当て板として、それぞれ鏡面処理を施したプレート(ステンレス鋼製)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得た。得られた浸透気化膜の平均厚さは130μmであった。
(実施例4)
支持体を以下のものに変更した以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
支持体としてポリエステル不織布(日本バイリーン社製、MF90、質量90g/m)を用いた。なお、得られた浸透気化膜の平均厚さは130μmであった。また、浸透気化膜においてポリアミド含有樹脂が占める占有率は46体積%であった。
(実施例5)
プレス機において、浸透気化膜の一次側の面(接液側の面)となる平膜側に当接する当て板として、鏡面処理を施したプレート(ステンレス鋼製)を用いるようにした以外は、実施例4と同様にして浸透気化膜を得た。得られた浸透気化膜の平均厚さは130μmであった。
(実施例6)
膜材料M1を膜材料M2に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M2は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(実施例7)
膜材料M1を膜材料M3に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M3は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(実施例8)
膜材料M1を膜材料M4に変更するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M4は、表1に示すセグメントを含むブロック共重合体である。
(実施例9)
支持体の占有率(体積分率)が表1に示す値になるよう変更した以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
(実施例10)
支持体の占有率(体積分率)が表1に示す値になるよう変更した以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
(実施例11)
膜材料M1を膜材料M5に変更するとともに、支持体の占有率を変更するようにした以外は、実施例4と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M5は、膜材料M1に対して疎水性ゼオライトのフィラー(平均粒径3μm)を添加したものである。また、浸透気化膜におけるフィラーの体積分率は10%であった。
(実施例12)
膜材料M1を膜材料M6に変更するとともに、支持体の占有率を変更するようにした以外は、実施例4と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M6は、膜材料M1に対して疎水性ゼオライトのフィラー(平均粒径3μm)を添加したものである。また、浸透気化膜におけるフィラーの体積分率は5%であった。
(実施例13)
膜材料M1を膜材料M7に変更するとともに、支持体の占有率を変更するようにした以外は、実施例4と同様にして浸透気化膜を得るとともに、フェノール水溶液に浸透気化処理を施した。なお、膜材料M7は、膜材料M1に対して疎水性ゼオライトのフィラー(平均粒径3μm)を添加したものである。また、浸透気化膜におけるフィラーの体積分率は2%であった。
(実施例14)
実施例1と同様にして製造した浸透気化膜に対して以下の条件で電子線を照射するようにした以外は、実施例1と同様にしてフェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
<電子線照射処理の条件>
・電子線の加速電圧:150kV
・吸収線量 :100kGy
(比較例1)
プレス機において、浸透気化膜の一次側の面(接液側の面)となる平膜側に当接する当て板、および浸透気化膜の二次側の面(脱離側の面)となる支持体側に当接する当て板として、それぞれ液晶用途のガラス板を用い、1kg/cm以下の圧力で加圧するようにした以外は、実施例1と同様にして浸透気化膜を得た。得られた浸透気化膜の平均厚さは130μmであった。
(比較例2)
平膜の形成において、膜材料M1を230℃で加熱溶融し、プレス機において、200kg/cmの圧力で加圧するようにした以外、実施例1と同様にして浸透気化膜を得た。得られた浸透気化膜の平均厚さは110μmであった。
(比較例3)
膜材料M1をポリジメチルシロキサン(PDMS)に変更し、実施例1で用いた支持体を埋め込むことにより得られたものを浸透気化膜として用いるようにした以外は、実施例1と同様にしてフェノール水溶液に浸透気化処理を施した。
2.ポリアミド含有樹脂の物性の評価
2.1 ショアD硬度
各実施例および各比較例で用いたポリアミド含有樹脂の硬化物について、ショアD硬度を測定した。なお、ポリアミド含有樹脂のショアD硬度は、ISO 868に規定された測定方法により測定した。測定したショアD硬度を表1、2に示す。
2.2 曲げ弾性率
各実施例および各比較例で用いたポリアミド含有樹脂の硬化物について、曲げ弾性率を測定した。なお、ポリアミド含有樹脂の曲げ弾性率は、ISO 178に規定された測定方法により測定した。また、試験片の厚さは100μm、試験片の幅は10mm、支点間距離は50mmとした。測定した曲げ弾性率を表1、2に示す。
2.3 融点
各実施例および各比較例で用いたポリアミド含有樹脂の硬化物について、融点を測定した。なお、ポリアミド含有樹脂の融点は、ASTM D3418に規定された測定方法により測定した。測定した融点を表1、2に示す。
2.4 熱変形温度
各実施例および各比較例で用いたポリアミド含有樹脂の硬化物について、熱変形温度を測定した。なお、ポリアミド含有樹脂の熱変形温度は、ISO 75に規定された測定方法により測定し、試験片に加える圧力は0.46MPaとした。測定した熱変形温度を表1、2に示す。
2.5 算術表面粗さRa
各実施例および各比較例で用いた浸透気化膜について、一次側算術表面粗さRa1および二次側算術表面粗さRa2を測定した。なお、一次側算術表面粗さRa1および二次側算術表面粗さRa2は、0.05μm未満の場合はZYGO社製、非接触表面形状測定機NewViewTM7200、0.05μm以上10μm未満の場合はキーエンス社製、カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9710、10μm以上の場合はカトーテック社製、自動化表面試験機KESFB4−AUTO−Aを用いて測定した。
3.浸透気化膜の分離特性の評価
24時間の浸透気化処理により得られた濃縮液について、フェノール濃度を測定するとともに、分離係数および全透過流束を算出した。測定結果および算出結果を表1、2に示す。なお、24時間の浸透気化処理においては、6時間ごとに被処理液であるフェノール水溶液を交換するようにした。
なお、浸透気化処理前のフェノール濃度(以下、「供給フェノール濃度」という。)および浸透気化処理後のフェノール濃度(以下、「透過フェノール濃度」という。)は、それぞれ島津製作所製、キャピラリガスクロマトグラフシステムGC−2014を用いて測定した。
また、浸透気化処理前の水濃度(以下、「供給水濃度」という。)および浸透気化処理後の水濃度(以下、「透過水濃度」という。)を測定した。そして、以下の関係式から浸透気化処理における分離係数を求めた。
分離係数 = (透過フェノール濃度/透過水濃度)/(供給フェノール濃度/供給水濃度)
また、全透過流束は、以下の関係式から求めた。
全透過流束 = 透過量/浸透気化膜の有効面積
表1、2から明らかなように、各実施例で得られた浸透気化膜を用いることによって、
フェノールを効率よく濃縮し得ることが認められた。特に、各実施例で得られた浸透気化膜は、濃縮率および透過流束が双方とも高いものであった。
一方、比較例1で得られた浸透気化膜について、透過流束が減少し、フェノールの濃縮効率が低下した。また、比較例2で得られた浸透気化膜については、液漏れが発生したことから、浸透気化膜に破れなどの欠陥部が存在していることが推察される。また、比較例3で得られた浸透気化膜については、濃縮率が低いことが認められた。
1 浸透気化膜
100 浸透気化分離装置
110 被処理液タンク
115 供給管路
120 浸透気化膜モジュール
121 筐体
122 供給側空間
123 透過側空間
125 透過管路
126 排出管路
128 一次側表面
129 二次側表面
130 透過物回収タンク
140 不透過物貯留タンク
150 前処理モジュール
S1 前処理工程
S2 浸透気化工程
S3 凝縮工程
A1、A2 被処理液
A3 透過物
A4 凝縮物

Claims (7)

  1. 一次側表面の算術平均表面粗さRaが0.005〜40μmであり、二次側表面の算術平均表面粗さRaが0.005〜80μmであることを特徴とする浸透気化膜。
  2. 一次側表面の算術平均表面粗さRaをRa1とし、二次側表面の算術平均表面粗さRaをRa2としたとき、Ra1<Ra2の関係を満足する請求項1に記載の浸透気化膜。
  3. ポリアミド含有樹脂で構成されている請求項1または2に記載の浸透気化膜。
  4. 前記ポリアミド含有樹脂は、ポリアミドセグメントを含む共重合体である請求項3に記載の浸透気化膜。
  5. 前記共重合体は、さらにポリエーテルセグメントを含むものである請求項4に記載の浸透気化膜。
  6. 前記共重合体は、前記ポリアミドセグメントを10〜90モル%の割合で含むブロック共重合体である請求項5に記載の浸透気化膜。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の浸透気化膜を用いた浸透気化法により、フェノールと水とを含む液体中のフェノールを濃縮することを特徴とするフェノール濃縮方法。
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