JP3668382B2 - 成分測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成分測定装置、特に、例えば血液や組織間液のような体液の検査に際し、指先のような生体表面に穿刺針を穿刺して検体(血液)を採取するとともに、その検体中の例えばブドウ糖のような特定成分の量を測定する成分測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、糖尿病患者の増加に伴い、日常の血糖値の変動を患者自身がモニターする自己血糖測定が推奨されてきている。
【0003】
この血糖値の測定は、血中のブドウ糖量に応じて呈色する試験紙を装着し、該試験紙に血液を供給、展開して呈色させ、その呈色の度合いを光学的に測定(測色)して血糖値を定量化する血糖測定装置を用いて行われる。
【0004】
この測定に先立ち、患者が自分の血液を採取する方法としては、穿刺針や小刀を備えた成分測定装置を用いて指先の皮膚を穿刺した後、その穿刺部周辺を指等で圧迫して血液を絞り出すことが行われる。
【0005】
しかしながら、指先は毛細血管が集中しており血液の採取に適している反面、神経も集中しており痛みが伴うことから、患者へ与える苦痛、負担が大きく、また、穿刺することによる恐怖感を伴うことから、自己血糖測定が続けられなくなる患者も多い。
【0006】
また、従来では、成分測定装置と血糖測定装置とが別々であったため、成分測定装置による穿刺後、指先が出血した状態で血糖測定装置に持ち替えなければならず、操作性が悪く、衛生面から見ても不利であった。
【0007】
そこで、成分測定装置と血糖測定装置とが一体となっているものが特開平6−339473号に開示されている。当該公報に開示されている血糖測定装置は、ハウジング内に、穿刺手段と、血液を血液用化学試薬に移送する手段と、該血液用化学試薬の光学的な測定を行い、その結果を表示する表示手段を有している。
【0008】
しかしながら、この血糖測定装置は、血液を採取する部位を覆っている蓋体を開く操作や穿刺針による穿刺の準備、穿刺の操作をそれぞれ別個に行わねばならず、しかも、穿刺を行っても出血量が不十分なため、穿刺後に指等で圧迫して血液を絞り出す必要があり、操作性が劣るものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡単な操作で、穿刺、体液(血液)の採取、測定を連続的に行うことができ、また、体液の飛散も生じず衛生的で、安全性が高い成分測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(17)の本発明により達成される。
【0011】
(1) 試験紙を用いて検体中の所定成分の量を測定する成分測定装置であって、
前記試験紙を備えるチップを装着するチップ装着部を有する本体と、
前記本体に対し回動自在に設置され、閉じた状態のときに前記チップ装着部を覆う蓋体と、
穿刺針を装着可能であり、装着された前記穿刺針により検体採取部位を穿刺する穿刺手段と、
前記穿刺針による穿刺部位を減圧状態とすることができる減圧手段と、
試験紙に展開された検体中の所定成分の量を測定する測定手段とを有し、
前記蓋体を開く動作に伴って、前記減圧手段の作動の準備がなされるよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。
【0012】
(2) 測定結果を表示する表示部を有し、前記蓋体が閉じた状態のときに前記表示部を覆う上記(1)に記載の成分測定装置。
【0013】
(3) 前記減圧手段の作動と前記穿刺手段の作動とが連動して行われる上記(1)または(2)に記載の成分測定装置。
【0014】
(4) 前記減圧手段および前記穿刺手段の作動をほぼ同時にまたは所定の順序で行わせる操作手段を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0015】
(5) 前記穿刺手段は、穿刺深さを調節する調節機構を備えている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0016】
(6) 前記穿刺手段は、穿刺用プランジャと、前記穿刺用プランジャを付勢する第1付勢手段とを有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0017】
(7) 前記穿刺用プランジャは、その先端方向への移動を規制する第1係止部を有し、前記第1付勢手段により付勢された状態で前記第1係止部の係止を解除することにより先端方向へ移動し、穿刺針による穿刺を行う上記(6)に記載の成分測定装置。
【0018】
(8) 前記穿刺用プランジャを作動させて穿刺を行わせる操作の方向と、前記穿刺用プランジャの移動方向とが異なる方向である上記(6)または(7)に記載の成分測定装置。
【0019】
(9) 前記減圧手段は、気密性を有する封止部材を備えた減圧用プランジャと、前記減圧用プランジャを付勢する第2付勢手段とを有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0020】
(10) 前記減圧用プランジャは、その基端方向への移動を規制する第2係止部を有し、前記第2付勢手段により付勢された状態で前記第2係止部の係止を解除することにより基端方向へ移動し、前記減圧状態を生ぜしめる上記(9)に記載の成分測定装置。
【0021】
(11) 前記減圧手段は、気密性を有する封止部材を備えた減圧用プランジャと、前記減圧用プランジャを付勢する第2付勢手段とを有し、
前記減圧用プランジャは、その基端方向への移動を規制する第2係止部を有し、前記第2付勢手段により付勢された状態で前記第2係止部の係止を解除することにより基端方向へ移動し、前記減圧状態を生ぜしめるとともに、前記第1係止部の係止を解除する上記(7)に記載の成分測定装置。
【0022】
(12) 前記減圧手段は、一方向弁を有する上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0023】
(13) 前記蓋体の回転軸に連結され、前記回転軸の回転力を前記減圧手段に伝達する伝達機構を有する上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0024】
(14) 前記減圧手段による減圧状態を解除する減圧解除手段を有する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0025】
(15) 前記穿刺手段に装着された穿刺針は、前記チップ装着部を通過して検体採取部位を穿刺する上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0026】
(16) 前記チップ装着部は、装着されたチップとの気密性を保持する封止部材を有する上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0027】
(17) 電源スイッチを有し、前記蓋体を開くと前記電源スイッチがオンするよう構成されている上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の成分測定装置を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の成分測定装置の実施例を示す斜視図、図2〜図10は、それぞれ、図1に示す成分測定装置の内部構造および作動状態を示す断面平面図である。なお、図2〜図10中、右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
【0030】
図1〜図10に示すように、成分測定装置(血液成分測定装置)1Aは、本体2と、該本体2に対し回動自在(開閉自在)に設置された蓋体27と、穿刺針により生体表面を穿刺する穿刺手段3と、穿刺針による穿刺部位を減圧状態とすることができる減圧手段5と、リンク機構6と、減圧手段5による減圧状態を解除する減圧解除手段7と、操作手段8と、測定手段13とを有している。以下、これらの各構成について説明する。
【0031】
本体2は、ハウジング21を有し、ハウジング21の先端部には、後述するチップ9を着脱自在に装着するチップ装着部22が設けられている。このチップ装着部22には、穿刺針12が通過可能な開口221が形成されている。
【0032】
また、チップ装着部22には、チップ9を装着したとき、チップ9との間で気密性を保持するシールリング(封止部材)23が設置されている。
【0033】
また、本体2の上面には、液晶表示素子(LCD)等で構成される表示部14が形成されている。この表示部14では、例えば、電源のオン/オフ、電源電圧(電池残量)、測定値、測定日時、エラー表示、操作ガイダンス等を表示することができる。
【0034】
本体2の基端部には、板状の蓋体27が軸(回転軸)29により回動自在に支持されている。また、蓋体27の先端は、ほぼ直角に折り曲げられ、この折り曲げられた部分は、蓋体27を閉じたときチップ装着部22を覆う遮蔽部28を構成している。
【0035】
ハウジング21内には、ハウジング21の内面および壁部24、25により画成された空間261、262を有し、これらの空間261、262には、それぞれ、穿刺手段3と減圧手段5とが収納されている。
【0036】
穿刺手段3は、穿刺用プランジャ30と、穿刺用プランジャ30を先端方向へ付勢するコイルバネ(第1付勢手段)35とを有する。
【0037】
穿刺用プランジャ30の先端部には、穿刺針12を有するランセット11を装着(嵌合)するカップ状の針ホルダ31が設けられている。この針ホルダ31には、ランセット11が着脱自在に装着される。また、穿刺用プランジャ30の基端部には、先端に突起状の第1係止部33を有する弾性変形可能な弾性片32が設けられている。
【0038】
第1係止部33は、弾性片32の弾性力により図2中上方向へ付勢されて壁部24に当接しているが、壁部24に形成された開口241の位置にくると、開口241内に挿入され、空間262側へ突出する。これにより、穿刺用プランジャ30の先端方向への移動が規制される。なお、空間261と空間262とは、開口241を介して連通している。
【0039】
また、穿刺用プランジャ30の側部には、一対の突部34が形成されている。両突部34は、後述する固定部材41に形成されたガイド溝42に挿入されている。これにより、穿刺用プランジャ30は、ガイド溝42に沿って移動する。
【0040】
このような穿刺手段3は、穿刺針12による穿刺深さを調節する調節機構4を備えている。この調節機構4は、主に、空間261内に挿入され、ハウジング21に対し固定された固定部材41と、穿刺用プランジャ30の基端に固定的に連結され、固定部材41に挿通されたシャフト45と、固定部材41に対し軸方向に移動可能な可動部材47とで構成されている。
【0041】
シャフト45の先端側外周には、コイルバネ35が設置され、コイルバネ35の基端は、スペーサ43を介して固定部材41に当接し、コイルバネ35の先端は、穿刺用プランジャ30の基端に当接している。
【0042】
なお、スペーサ43は、シャフト45を固定部材41に対し円滑かつ確実に摺動させる機能を有している。
【0043】
第1係止部33が開口241に係止している状態では、コイルバネ35は、圧縮状態とされ、穿刺用プランジャ30を先端方向へ付勢する。このコイルバネ35は、伸長して穿刺用プランジャ30を先端方向へ移動させ、穿刺針12が生体表面を穿刺後、減衰運動をしている間に再度生体表面を穿刺することがないような弾性係数とされるのが好ましい。
【0044】
固定部材41の基端部外周および可動部材47の先端部内周には、それぞれ螺子が形成され、これらは螺合している。この場合、固定部材41の基端部外周面に形成された突起44が、可動部材47の先端部内周面に周方向に沿って間欠的に形成された複数の凹部48に選択的に挿入されることにより、固定部材41に対する可動部材47の位置決めを行うことができる。
【0045】
シャフト45の基端には、笠状の係止部46が形成されている。一方、可動部材47の内周面には、内側に突出するストッパ49が形成され、係止部46がストッパ49に係止することにより、シャフト45およびこれに連結されている穿刺用プランジャ30の先端方向への移動が規制される。
【0046】
ここで、固定部材41の先端部に螺合している可動部材47を所定方向に回転すると、可動部材47は固定部材41に対し軸方向に移動する。この可動部材47の回転方向および回転量を調節することにより、プランジャ30の先端方向への停止位置を定めるストッパ49の位置が調節され、穿刺針12の開口221からの最大突出長さ、すなわち穿刺針12による検体採取部位への穿刺深さを調節することができる。
【0047】
可動部材47の基端部外周には、シールリング(封止部材)521が嵌合されている。これにより、可動部材47の軸方向に位置にかかわらず、空間261の気密性が保持され、空間261を減圧状態とすることができる。
【0048】
減圧手段(吸引手段)5は、主に、減圧用プランジャ50と、該減圧用プランジャ50を基端方向へ付勢するコイルバネ56と、遮蔽部材57と、一方向弁59とで構成されている。
【0049】
減圧用プランジャ50は、棒状の部材であって、その先端にガスケット51を備えている。ガスケット51は、その外周部に弾性材料で構成されたシールリング(封止部材)52を有している。
【0050】
このシールリング52は、壁部24および25の内面に気密的に密着しており、減圧用プランジャ50がその軸方向に移動すると、シールリング52は、気密性を保持しつつ壁部24および25の内面に沿って同方向に摺動する。この場合、シールリング52は、コイルバネ56の伸縮を妨げない程度の摺動抵抗を有しているのが好ましい。
【0051】
壁部24、25間には、鍔状のフランジ55が架設されており、フランジ55の中心開口に減圧用プランジャ50が挿通されている。このフランジ55は、ガスケット51の基端方向への移動を規制する機能を有するとともに、コイルバネ56のバネ座としての機能も有している。
【0052】
減圧用プランジャ50の基端には、係止部材53が固着されている。係止部材53の側端部には、減圧用プランジャ50の基端方向への移動を規制する第2係止部54が形成されている。なお、係止部材53は、コイルバネ56のバネ座としての機能も有している。
【0053】
コイルバネ56は、減圧用プランジャ50の外周部に設置され、その両端は、それぞれ、フランジ55および係止部材53に当接し、その弾性力により減圧用プランジャ50を基端方向へ付勢している。
【0054】
空間262の先端は、遮蔽部材57により遮蔽されている。この遮蔽部材57には、通気孔58が形成され、通気孔58を塞ぐように、笠状の一方向弁59が設置されている。一方向弁59は、空間262内の空気を通気孔58から外部へ排出することは可能であるが、逆に、外部から空間262内に通気孔58を経て空気を導入することは阻止する機能を有するものである。
【0055】
蓋体27の軸29には、軸29の回転力を減圧用プランジャ50に伝達するリンク機構(伝達機構)6が連結されている。
【0056】
このリンク機構6は、主に、第1リンク61と、第2リンク62と、ピン63、64とで構成されている。第1リンク61の一端部は軸29に固定され、第1リンクの他端は、第2リンク62の一端とピン63により回動自在に支持されている。第2リンクの他端は、係止部材53の基端側に設置されたピストン65に対しピン64により回動自在に支持されている。
【0057】
ピストン65には、減圧用プランジャ50の軸方向に移動可能に設置されており、蓋体27が閉じた状態では、最も基端側に位置している(図2参照)。蓋体27の開閉動作により軸29が回転すると、その回転力は、リンク機構6の作用により、ピストン65の直線運動に変換される。
【0058】
また、第1リンク61の回転半径内には、成分測定装置1Aの電源スイッチ104が設置されている。この電源スイッチ104は、タッチスイッチで構成されており、図5に示すように、蓋体27をある程度開いた状態(閉じた状態から例えば90〜180°程度回動した状態)とすると、それに応じて第1リンク61が所定角度回動し、その他端部が電源スイッチ104のトリガーに接触し、電源スイッチ104がオンする。これにより、測定可能な状態となる。
【0059】
このように、蓋体27を開く動作が電源スイッチ104に連動し、電源スイッチ104をオンさせるので、別途電源をオンする操作を行う必要がなく、操作性に優れる。
【0060】
以上のようなリンク機構6は、その構造が簡易であり、装置の小型化にとっても有利であるとともに、力の伝達効率が良く、誤作動が極めて少ない点でも有利である。なお、本発明では、このようなリンク機構6に代えて、カム機構、またはリンク機構とカム機構の複合構造、その他任意の機構を用いることができることは、言うまでもない。
【0061】
減圧手段5は、操作手段8の操作により作動する。操作手段8は、ハウジング21に対し支点84を中心に回動可能に設置されたレバー81と、レバー81を図2中時計方向に付勢するバネ85とで構成されている。レバー81の先端には、ハウジング21外に突出する操作ボタン83が形成され、レバー81の基端には、第2係止部54に係止する爪82が形成されている。
【0062】
操作ボタン83に手を触れていない状態では、バネ85の付勢力により、爪82は、壁部25に形成された開口251より内側(減圧用プランジャ50に接近する側)に挿入され、第2係止部54と係止しているかまたは係止可能な状態となっている。図6に示す状態で、操作ボタン83を指等で押圧すると、バネ85の付勢力に抗してレバー81が反時計方向に回動し、爪82が開口251から退避して、第2係止部54との係止が外れ、減圧用プランジャ50が基端方向へ移動し、空間262およびこれに連通する空間261を減圧状態とする。
【0063】
この操作手段8は、減圧手段5の作動を行わせるとともに、これに連動して(ほぼ同時に)穿刺手段3の作動も行わせるものである。すなわち、図7に示すように、爪82と第2係止部54との係止が外れて、減圧用プランジャ50が基端方向へ移動すると、開口241に係止し、空間262内に突出していた第1係止部33がガスケット51の基端縁部に押圧されて空間261側へ押し戻され、開口241への係止が外れる。これにより、穿刺用プランジャ30が先端方向へ移動し、穿刺針12が生体表面を穿刺する。
【0064】
成分測定装置1Aでは、操作ボタン83の押圧方向、すなわち穿刺用プランジャ30を作動させて穿刺を行わせる操作の方向と、穿刺用プランジャ30の移動方向(穿刺方向)とが異なる方向(ほぼ直交する方向)である。そのため、穿刺の恐怖感が軽減されるとともに、穿刺の際、操作ボタン83の押圧力によりチップ9の突出部91の先端の生体表面に対する接触圧が変化せず、よって、設定どおりの穿刺深さが実現される。
【0065】
減圧手段5の作動により生じた空間261、262の減圧状態は、減圧解除手段7により解除することができる。減圧解除手段7は、ハウジング21に対し支点74を中心に回動可能に設置されたレバー71と、レバー71を図2中反時計方向に付勢するバネ75と、牽引ワイヤ76とで構成されている。
【0066】
レバー71の基端には、ハウジング21外に突出する操作ボタン72が形成され、レバー71の先端には、フック73が形成されている。牽引ワイヤ76の一端は、フック73に引っ掛けられ、他端は、一方向弁59の縁部に固定されている。
【0067】
操作ボタン72に手を触れていない状態では、バネ75の付勢力により、牽引ワイヤ76には張力はほとんど作用しておらず、一方向弁59は、前述した機能を有している。図10に示すように、空間261、262が減圧状態で、操作ボタン72を指等で押圧すると、バネ75の付勢力に抗してレバー71が時計方向に回動し、牽引ワイヤ76に張力が作用して、一方向弁59の縁部が先端方向へ牽引され変形する。これにより、外気が通気孔58を介して空間261、262内に流入し、空間261、262内は大気圧に復帰する。
【0068】
シールリング23、52、521および一方向弁59は、それぞれ、弾性体で構成されている。このような弾性体としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、フッ素ゴム系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0069】
チップ9は、好ましくは樹脂成形体で構成され、円環状に突出した突出部91を有している。この突出部91の先端は、例えば指先、上腕、腹部、大腿部、耳たぶのような生体表面(検体採取部位)に当接する部位であり、先端開口92が形成されている。
【0070】
突出部91の先端外周縁は、生体表面(皮膚)に押し当てたときに穿刺部周辺を刺激し穿刺時の痛みを和らげる効果を発揮するのに適した形状をなしている。また、減圧手段5により減圧状態となったときに、突出部91の先端と生体表面との間から空気が流入することを極力抑制し得るような形状となっている。
【0071】
このようなチップ9は、内部の視認性を確保するため、特に穿刺後の出血状態を目視確認できるようにするために、透明または着色透明な材料で構成されているのが好ましい。
【0072】
このようなチップ9の裏面側であって、突出部91の図1中上部には、試験紙93が設置されている。試験紙93は、検体(血液)を吸収・展開可能な担体に、試薬を担持させたものである。
【0073】
担体としては、例えば、不織布、織布、延伸処理したシート等のシート状多孔質体が挙げられる。この多孔質体は、親水性を有するものが好ましい。
【0074】
担体に担持される試薬は、検体中の測定すべき成分により、適宜決定される。例えば、血糖値測定用の場合、グルコースオキシターゼ(GOD)と、ペルオキシターゼ(POD)と、例えば4−アミノアンチピリン、N−エチルN−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジンのような発色剤(発色試薬)とが挙げられ、その他、測定成分に応じて、例えばアスコルビン酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ等の血液成分と反応するものと、前記と同様の発色剤(発色試薬)とが挙げられる。また、さらにリン酸緩衝液のような緩衝剤が含まれていてもよい。なお、試薬の種類、成分については、これらに限定されないことは言うまでもない。
【0075】
本体2内には、プリント基板(図示せず)が設置され、このプリント基板上には、マイクロコンピュータで構成される制御手段10が搭載されており、成分測定装置1Aの諸動作を制御する(図11参照)。この制御手段10には、測光手段13からの信号に基づいて検体中の測定すべき成分(例えばブドウ糖)の量を算出する演算部が内蔵されている。
【0076】
測定手段13は、試験紙93に展開された検体中の所定成分の量(本実施例では、血中の糖量)を光学的に測定するものである。この測光手段13は、チップ装着部22の裏面側に位置し、発光素子131と、受光素子42とを有している(図1参照)。
【0077】
発光素子131は制御手段10と電気的に接続され、受光素子132は、図示しない増幅器およびA/D変換器100を介して制御手段10と電気的に接続されている。
【0078】
発光素子131は、制御手段10からの信号により作動し、光を発する。この光は、所定の時間間隔で間欠的に発光するパルス光であるのが好ましい。このパルス光は、例えば、その周期が0.5〜5.0msec程度、1パルスの発光時間が0.05〜0.3msec程度とされる。また、このパルス光の波長は、好ましくは500〜720nm程度、より好ましくは570〜660nm程度とされる。
【0079】
チップ9をチップ装着部22に装着した状態で、発光素子131を点灯させると、発光素子131から発せられた光は試験紙93に照射され、その反射光は、受光素子132に受光され、光電変換される。受光素子132からは、その受光光量に応じたアナログ信号が出力され、所望に増幅された後、A/D変換器100にてデジタル信号に変換され、制御手段10に入力される。
【0080】
制御手段10では、入力された信号に基づき、所定の演算処理を行い、また、必要に応じ補正計算を行って、検体中の測定すべき成分の量(以下「血糖値」で代表する)血糖値を求める。求められた血糖値は、表示部14に表示される。
【0081】
また、成分測定装置1Aは、電源部101、電源電圧検出部102、スイッチ回路103、制御発振部105、時計発振部106、データ記憶部107、ブザー出力部108、外部出力部109、温度測定部110を有している(図11参照)。
【0082】
電源部101には、電池が装填される。電源電圧検出部102は、この電池の電圧を検出し、該検出値を制御手段10へ出力する。これにより、電池の残量をチェックすることができる。この電池残量は、表示部14に表示される。
【0083】
スイッチ回路103は、以下のような種々のスイッチの入力を検出し、その信号を制御手段10へ入力する。スイッチの種類としては、前述した電源スイッチ104の他、記憶データ読出スイッチ、時刻設定・変更スイッチ、リセットスイッチ、ブザー作動/不作動選択スイッチ、50Hz/60Hz商用電源周波数選択スイッチ等が挙げられる。
【0084】
前述したように、電源スイッチ104は、蓋体27の開閉に伴ってオン/オフする。また、その他のスイッチは、図示しない複数の操作ボタンのうちのいずれか1つまたは2つ以上を組み合わせて操作することにより作動させることができる。
【0085】
制御発振部105は、タイマーを構成するもので、一定時間間隔のクロックパルスを発振し、制御手段10のマイクロコンピューター(マイクロプロセッシングユニット:MPU)の動作用基準信号の供給を行う。
【0086】
時計発振部106は、絶対時間(日時)を特定する時計を構成するもので、一定時間間隔のクロックパルスを発振し、制御手段10が内蔵する時計制御回路の動作用基準信号の供給を行う。
【0087】
データ記憶部107は、第1メモリー(RAM)、第2メモリー(ROM)および第3メモリー(不揮発性RAM)を備えている。測光手段13より入力された測光値(測光データ)は、所定のフォーマットに従って第1メモリーに記憶される。
【0088】
また、第2メモリーには、測光値から求められた吸光度と血糖値との関係(検量線)が記憶されている。
【0089】
第3メモリーには、個々の装置ごとに固有の校正値が予め記憶されている。ここで言う固有の校正値には、反射光量の規定値、最終吸光度計算の補正係数等がある。
【0090】
ブザー出力部108は、制御手段10からの信号に基づいて、ブザーを作動させ、音を発する。ブザーは、例えば測定が終了した時に鳴る。
【0091】
外部出力部109は、求められた血糖値等のデータを例えばパソコンのような外部装置へ出力するためのものである。この場合、外部出力部109は、例えばRS232Cのような通信ドライバーを内蔵している。また、赤外線通信を行う場合には、外部出力部109は、赤外線発光素子およびその駆動回路を内蔵している。
【0092】
温度測定部110は、環境温度を測定し得る温度センサー(サーミスタ)を備えている。温度測定部110では、随時温度測定がなされ、その温度情報は、データ記憶部13の第1メモリーに記憶される。また、第1メモリーから読み出された温度情報は、制御手段10へ入力され、血糖値の温度補正計算に利用される。
【0093】
次に、成分測定装置1Aを用いて穿刺、検体の採取、展開および血糖値測定を行う場合の各部の動作について、図2ないし図10を参照しつつ説明する。
【0094】
[1] 閉じた状態の蓋体27(図2に示す状態)を時計方向に回動させて徐々に開いて行くと、軸29が同方向に回動し、リンク機構6の作用により、ピストン65が先端方向へ移動する(図3参照)。これにより、係止部材53がピストン65に押圧され、減圧用プランジャ50が先端方向へ移動する。この移動により、コイルバネ56は、徐々に圧縮されて行く。
【0095】
また、この減圧用プランジャ50の先端方向への移動に伴い、壁部24、25、ガスケット51および遮蔽部材57で囲まれる空間262内の空気は、開口241、空間261および開口221を経て本体2外へ排出され、ガスケット51が開口241を通過した後は、通気孔58を経て排出される。
[2] ガスケット51が遮蔽部材57に接触または最接近すると、係止部材53の第2係止部54は、爪82を越えて爪82より先端側に位置する(図4参照)。このとき、第1リンク61と第2リンク62とは、直線状を成している。
【0096】
[3] 図4に示す状態から、蓋体27の時計方向への回動がさらに進むと、ピストン65は、基端方向へ戻り始める。また、圧縮されたコイルバネ56の弾性力により、減圧用プランジャ50も基端方向へ移動しようとするが、第2係止部54が爪82に係止し、その位置で停止する(図5参照)。このとき、ガスケット51は、開口241より先端側に位置している。この状態で、減圧手段5の作動の準備が完了する。
【0097】
[4] 蓋体27を開く動作がほぼ完了すると、第1リンク61の端部が電源スイッチ104のトリガーに接触し、電源スイッチ104がオンする(図5参照)。これにより、成分測定装置1Aの各部が起動し、測定可能な状態となる。
【0098】
また、この状態では、表示部14は、蓋体27で覆われることなく、そのほぼ全面を視認することができる。
【0099】
[5] 次に、穿刺針12を有するランセット11を針ホルダ31に装着する。まず、所定の器具を用いる等して、ランセット11をチップ装着部22の開口221より本体2内に挿入し、ランセット11の基端部を針ホルダ31に嵌合する(図6参照)。
【0100】
さらに、ランセット11を基端方向へ押し込むと、コイルバネ35の付勢力に抗して、穿刺用プランジャ30が基端方向へ移動する。第1係止部33は、弾性片32の弾性力により付勢されて壁部24に当接しているが、第1係止部33が開口241の位置にくると、開口241内に挿入され、空間262側へ突出する(図6参照)。これにより、ランセット11による基端方向の押圧力を解除しても、第1係止部33が開口241に係止し、穿刺用プランジャ30は先端方向への移動が規制される。このとき、コイルバネ35は、圧縮状態とされている。この状態で、穿刺手段3による穿刺の準備が完了する。
【0101】
なお、可動部材47の固定部材41に対する回転方向および回転量の調節により、穿刺針12の開口221からの最大突出長さ、すなわち穿刺針12による検体採取部位への穿刺深さが予め設定されている。
【0102】
[6] 次に、チップ装着部22にチップ9を装着する(図6参照)。これにより、血液(検体)採取の準備が完了する。
【0103】
[7] 装着されたチップ9の突出部91に指先(検体採取部位)15に圧着する。このとき、空気の漏れができるだけ少なくなるように、突出部91の先端開口92を指先15で塞ぐようにする(図7参照)。
【0104】
[8] 操作ボタン83を押す。これにより、バネ85の付勢力に抗してレバー81が反時計方向に回動し、爪82が第2係止部54から外れ、コイルバネ56の弾性力により減圧用プランジャ50が基端方向へ移動し始める(図7参照)。空間262およびこれに連通する空間261は、シールリング52、521、23および指先15で封止されまたは覆われており、また、一方向弁59の作用により通気孔58からの空気の流入が阻止されているので、減圧用プランジャ50の基端方向への移動に伴い、空間262および261は、その圧力が低下し、減圧状態とされる。
【0105】
なお、このような減圧用プランジャ50の作動により生じる空間261内の最低圧力は、大気圧より、例えば300mmHg程度低い圧力であるのが好ましい。これにより、短時間で必要量の血液を出血させることができる。
【0106】
また、減圧用プランジャ50の基端方向への移動(減圧手段5による減圧動作)が開始した直後、ガスケット51が開口241を通過する際に、ガスケット51の基端縁部が開口241に係止している第1係止部33に当接し、これを空間261側へ押し戻す(図7参照)。これにより、第1係止部33の係止が外れ、圧縮されていたコイルバネ35の弾性力により、穿刺用プランジャ30が先端方向に移動し、穿刺針12がチップ9の内部を通り、突出部91の先端開口92より突出し、指先15の表面を穿刺する(図8参照)。穿刺針12による穿刺部位からは、出血が生じる。
【0107】
このとき、係止部46がストッパ49に当接することにより穿刺用プランジャ30の先端方向への移動が規制されるため、穿刺針12による指先15の穿刺深さは、一定に保たれる。
【0108】
[9] 穿刺針12が指先15を穿刺した後は、コイルバネ35は減衰運動を経て自然長に戻り、指先15の表面から穿刺針12が抜け、チップの先端開口92および開口221より内側のハウジング21内に格納される(図9参照)。このように、穿刺針12は、穿刺時以外は先端開口92および開口221から突出しないようになっており、誤って皮膚等を傷つけることが無く、また、感染も防止することができ、安全性が高い。
【0109】
[10] 前述したように、空間261は、減圧状態とされているため、チップ9の先端開口92の内側に位置する指先15の穿刺針12による穿刺部位も減圧状態となっており、この穿刺部位から血液16が吸い出される。すなわち、このような吸引を行わない場合に比べて出血が促進され、必要な血液量を短時間で確保することができる。
【0110】
以上のように、成分測定装置1Aでは、1回の操作ボタン83の押圧により、減圧動作と穿刺動作とがほぼ同時に行われるので、その操作性が極めて良い。
【0111】
[11] 穿刺針12による指先15の穿刺後、チップ9を介して適量の出血を確認したら、チップ9の突出部91の先端を指先15に接触させた状態のままで、操作ボタン72を押す。これにより、バネ75の付勢力に抗してレバー71が時計方向に回動し、牽引ワイヤ76を介して一方向弁59の縁部が先端方向へ牽引されて変形し、外気が通気孔58を介して空間261、262内に流入し、空間261、262内は大気圧に復帰する(図10参照)。
【0112】
このとき、外気の流入部位は、穿刺部位上の血液16から相当離間しており、かつ、外気の流入が急激ではないため、穿刺部位上の血液16が空気流によって飛散することはない。
【0113】
指先15の穿刺部位周辺の吸引感がなくなり、大気圧に戻ったことが確認されたら、チップ9の突出部91を指先15から離す。
【0114】
[12] また、前記[11]の減圧状態の解除と前後して、穿刺部位上に粒状に隆起した血液16は、例えばチップ9の内部に形成された溝(図示せず)を介して試験紙93へ移送され、試験紙93上に展開される。
【0115】
試験紙93は、担持された試薬の作用により、血液16中に含まれる糖(測定すべき成分)の量に応じて呈色する。この呈色の度合いを前述した測定手段132より測定し、得られたデータに基づき制御手段10にて演算処理し、温度補正計算、ヘマトクリット値補正計算等の補正を行い、血糖値を定量化する。そして、その結果を表示部14に表示する。
【0116】
図12は、本発明の成分測定装置の他の実施例を示す斜視図である。同図に示す成分測定装置1Bは、箱状の本体200と、本体200に対しヒンジ202を介して回動自在に支持された蓋体201とを有している。
【0117】
本体200の上面中央部には、円形の凹部206が形成され、該凹部206内にチップ装着部203が形成されている。このチップ装着部203には、突出部301を有するチップ300が着脱自在に装着される。
【0118】
また、本体200には、複数のチップ300を収納し得る凹部で構成されたチップ収納部204が形成されている。チップ収納部204の側部には、蓋体201を閉じた状態で、チップ収納部204内に収納されたチップ300の数等を視認することができる小窓205が形成されている。
【0119】
また、図12中には示されていないが、本体200には、成分測定装置1Aで説明したのと同様の、穿刺手段3、調節機構4、減圧手段5、リンク機構6(またはこれと同等の機能を発揮する機構)、減圧解除手段7、操作手段8、制御手段10、測定手段13等が設置されている。
【0120】
操作手段8の操作ボタン83および減圧解除手段7の操作ボタン72は、それぞれ、本体200の上面に形成された凹部207内に突出している。
【0121】
蓋体201の内面には、液晶表示素子(LCD)等で構成される表示部208が設置されている。
【0122】
この成分測定装置1Bでは、蓋体201を閉じると、チップ装着部203が蓋体201で覆われるとともに、表示部208も覆われる。蓋体201を開くと、その動作に伴い、前記と同様に、減圧手段5の作動の準備がなされる。
【0123】
そして、操作手段8の操作ボタン83を押すことにより、減圧手段5の作動と穿刺手段3の作動とが連動して(ほぼ同時にまたは所定の順序で)行われる。
【0124】
以上、本発明の成分測定装置を図示の各実施例に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成と置換することができる。
【0125】
また、以上の実施例では、検体として血液を挙げて説明したが、検体はこれに限らず、その他、例えば尿、リンパ液、髄液、唾液等の組織間液、体液であってもよい。
【0126】
また、測定目的とする成分は、ブドウ糖(血糖値)に限らず、例えば、タンパク、コレステロール、尿酸、クレアチニン、アルコール、ナトリウム等の無機イオン、ヘモグロビン(潜血)等であってもよい。
【0127】
また、本発明の成分測定装置は、前述したような検体中の成分と試薬との反応により呈色した試験紙の呈色強度を光学的に測定(測色)し、測定値へ換算、表示するものの他に、検体中の成分の量に応じて生じる電位変化を電気的に測定し、測定値へ換算、表示するものでもよい。
【0128】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、穿刺、体液(血液等)の採取および試験紙への展開、測定(成分の定量化)を連続的に行うことができ、成分測定を容易かつ短時間で行うことができる。この場合、操作性に優れており、特に、蓋体を開く動作に起因して、減圧手段の作動の準備や電源スイッチのオンがなされるので、便利である。
【0129】
また、使用に際しての準備操作が容易であるため、定期的に使用する場合や繰り返し使用する場合にも有利である。
【0130】
また、減圧手段により、穿刺部位周辺の吸引を行うことができるので、体液の流出(出血)を促進するとともに、苦痛の少ない浅い穿刺でも、迅速に検査等に必要な量の体液を確保することができる。
【0131】
また、減圧解除手段を設けた場合には、穿刺部位の近傍で空気が急激に流入することによる体液の飛散(汚染)を防止することができ、衛生的である。
【0132】
また、一旦穿刺した後、誤って再度生体表面を穿刺する等の事故が防止され、安全性が高い。しかも、穿刺針が直接見えないので、穿刺の際の恐怖感も軽減される。
【0133】
また、穿刺針による穿刺深さが適正となるので、最小限の苦痛で必要量の体液を確保することができる。特に、穿刺深さを調節する機構を設けた場合には、個人差や穿刺部位等の諸条件に応じて穿刺深さを適宜調節することができ、また、体液採取(採血)の度に、一定の穿刺深さを実現することができる。
【0134】
また、穿刺針による穿刺方向とその穿刺のための操作の操作方向とを異なるようにした場合には、操作による力が穿刺される生体表面に作用せず、よって、より安定した穿刺ができ、設定どおりの穿刺深さが実現されるとともに、穿刺の恐怖感も軽減される。
【0135】
以上のことから、本発明の成分測定装置は、患者自身が自己の血糖値等を測定する際に使用するのに適している。
【0136】
また、本発明の成分測定装置は、構成が簡単であり、安価で、量産にも適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成分測定装置の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す本発明の成分測定装置の内部構造および作動状態を示す断面平面図である。
【図3】図1に示す本発明の成分測定装置の内部構造および作動状態を示す断面平面図である。
【図4】図1に示す本発明の成分測定装置の内部構造および作動状態を示す断面平面図である。
【図5】図1に示す本発明の成分測定装置の内部構造および作動状態を示す断面平面図である。
【図6】図1に示す本発明の成分測定装置の内部構造および作動状態を示す断面平面図である。
【図7】図1に示す本発明の成分測定装置の内部構造および作動状態を示す断面平面図である。
【図8】図1に示す本発明の成分測定装置の内部構造および作動状態を示す断面平面図である。
【図9】図1に示す本発明の成分測定装置の内部構造および作動状態を示す断面平面図である。
【図10】図1に示す本発明の成分測定装置の内部構造および作動状態を示す断面平面図である。
【図11】図1に示す本発明の成分測定装置の回路構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の成分測定装置の他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1A、1B 成分測定装置
2 本体
21 ハウジング
22 チップ装着部
221 開口
23 シールリング
24 壁部
241 開口
25 壁部
251 開口
261 空間
262 空間
27 蓋体
28 遮蔽部
29 軸
3 穿刺手段
30 穿刺用プランジャ
31 針ホルダ
32 弾性片
33 第1係止部
34 突部
35 コイルバネ
4 調節機構
41 固定部材
42 ガイド溝
43 スペーサ
44 突起
45 シャフト
46 係止部
47 可動部材
48 凹部
49 ストッパ
5 減圧手段
50 減圧用プランジャ
51 ガスケット
52 シールリング
521 シールリング
53 係止部材
54 第2係止部
55 フランジ
56 コイルバネ
57 遮蔽部材
58 通気孔
59 一方向弁
6 リンク機構
61 第1リンク
62 第2リンク
63 ピン
64 ピン
65 ピストン
7 減圧解除手段
71 レバー
72 操作ボタン
73 フック
74 支点
75 バネ
76 牽引ワイヤ
8 操作手段
81 レバー
82 爪
83 操作ボタン
84 支点
85 バネ
9 チップ
91 突出部
92 先端開口
93 試験紙
10 制御手段
100 A/D変換器
101 電源部
102 電源電圧検出部
103 スイッチ回路
104 電源スイッチ
105 制御発振部
106 時計発振部
107 データ記憶部
108 ブザー出力部
109 外部出力部
110 温度測定部
11 ランセット
12 穿刺針
13 測定手段
131 発光素子
132 受光素子
14 表示部
15 指先
16 血液
200 本体
201 蓋体
202 ヒンジ
203 チップ装着部
204 チップ収納部
205 小窓
206 凹部
207 凹部
208 表示部
300 チップ
301 突出部

Claims (8)

  1. 試験紙を用いて検体中の所定成分の量を測定する成分測定装置であって、
    前記試験紙を備えるチップを装着するチップ装着部を有する本体と、
    前記本体に対し回動自在に設置され、閉じた状態のときに前記チップ装着部を覆う蓋体と、
    穿刺針を装着可能であり、装着された前記穿刺針により検体採取部位を穿刺する穿刺手段と、
    前記穿刺針による穿刺部位を減圧状態とすることができる減圧手段と、
    試験紙に展開された検体中の所定成分の量を測定する測定手段とを有し、
    前記蓋体を開く動作に伴って、前記減圧手段の作動の準備がなされるよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。
  2. 測定結果を表示する表示部を有し、前記蓋体が閉じた状態のときに前記表示部を覆う請求項1に記載の成分測定装置。
  3. 前記減圧手段の作動と前記穿刺手段の作動とが連動して行われる請求項1または2に記載の成分測定装置。
  4. 前記減圧手段および前記穿刺手段の作動をほぼ同時にまたは所定の順序で行わせる操作手段を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の成分測定装置。
  5. 前記減圧手段は、気密性を有する封止部材を備えた減圧用プランジャと、前記減圧用プランジャを付勢する第2付勢手段とを有する請求項1ないし4のいずれかに記載の成分測定装置。
  6. 前記減圧用プランジャは、その基端方向への移動を規制する第2係止部を有し、前記第2付勢手段により付勢された状態で前記第2係止部の係止を解除することにより基端方向へ移動し、前記減圧状態を生ぜしめる請求項5に記載の成分測定装置。
  7. 前記蓋体の回転軸に連結され、前記回転軸の回転力を前記減圧手段に伝達する伝達機構を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の成分測定装置。
  8. 電源スイッチを有し、前記蓋体を開くと前記電源スイッチがオンするよう構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の成分測定装置。
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