JP4493180B2 - 成分測定装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、成分測定装置、特に、血液の検査に際し、指先を穿刺針で穿刺して血液を採取するとともに、その血液中の例えばブドウ糖のような特定成分の量を測定する成分測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、糖尿病患者の増加に伴い、日常の血糖値の変動を患者自身がモニターする自己血糖測定が推奨されてきている。
【0003】
この血糖値の測定は、血中のブドウ糖量に応じて呈色する試験紙を装着し、該試験紙に血液を供給、展開して呈色させ、その呈色の度合いを光学的に測定(測色)して血糖値を定量化する血糖測定装置を用いて行われる。
【0004】
この測定に先立ち、患者が自分の血液を採取する方法としては、穿刺針や小刀を備えた穿刺装置を用いて指先の皮膚を穿刺した後、その穿刺部周辺を指等で圧迫して血液を絞り出すことが行われる。
【0005】
しかしながら、指先は毛細血管が集中しており血液の採取に適している反面、神経も集中しており痛みが伴うことから、患者へ与える苦痛、負担が大きく、また、穿刺することによる恐怖感を伴うことから、自己血糖測定が続けられなくなる患者も多い。
【0006】
また、従来の血糖測定では、穿刺操作と、血液採取操作と、測定操作とを別々に行うため、操作性にも劣っている。
【0007】
このような問題点を解決し得る装置として、穿刺装置と測定装置とを一体化し、かつ、血液を絞り出すための吸引手段を備えた血糖測定装置が知られている(特願平10−183794号、特願平10−330057号)。
【0008】
これらの血糖測定装置では、まず、チップ先端に指先を押し当て、この先端開口を気密性を保持するように封止する。
【0009】
次に、先端開口から突出する穿刺針で指先を穿刺した後、この状態で吸引手段を作動させ(減圧状態とし)、穿刺部位から血液を吸い出し、その血液を採取する。そして、測定装置により、採取された血液の血糖値を測定する。
【0010】
しかしながら、前記血糖測定装置では、押し当てられた指の位置等によっては、その指とチップ先端との間に隙間ができ、吸引手段を作動させても十分に減圧することができず、これにより、血糖値の測定に必要な血液量が得られないか、または、十分な血液量を得るのに比較的長い時間を要する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、短時間で、確実に体液中の所定成分の測定を行うことができる成分測定装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(16)の本発明により達成される。
【0013】
(1) 表皮を介し体液を採取して該体液の成分を測定する成分測定装置であって、
表皮を当てがう当て部と、
前記当て部に表皮を当てがうことにより気密に密閉される空間と、
前記空間を減圧状態にする減圧手段と、
前記空間内に採取された体液中の所定成分の量および/または性質を測定する測定手段と、
前記空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
所定の情報を報知する報知手段とを有し、
前記減圧手段により前記空間の減圧を試み、前記圧力検出手段からの情報に基づいて、前記報知手段により報知を行うよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。
【0014】
(2) 穿刺針を備えるチップを装着して使用する成分測定装置であって、
穿刺する表皮を当てがう当て部と、
前記当て部に当てがわれた表皮を穿刺するよう前記穿刺針を作動させる穿刺手段と、
前記穿刺針の収納空間とともに、前記穿刺針による表皮の穿刺部位を減圧状態にする減圧手段と、
前記収納空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記穿刺部位より採取された血液中の所定成分の量を測定する測定手段と、
所定の情報を報知する報知手段とを有し、
前記減圧手段により前記収納空間の減圧を試み、前記圧力検出手段からの情報に基づいて、前記報知手段により報知を行うよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。
【0015】
(3) 穿刺針を備えるチップを装着して使用する成分測定装置であって、
穿刺する表皮を当てがう当て部と、
前記当て部に当てがわれた表皮を穿刺するよう前記穿刺針を作動させる穿刺手段と、
前記穿刺針の収納空間とともに、前記穿刺針による表皮の穿刺部位を減圧状態にする減圧手段と、
前記収納空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記穿刺部位より採取された血液中の所定成分の量を測定する測定手段と、
所定の情報を報知する報知手段とを有し、
前記減圧手段により前記収納空間の減圧を試み、前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出されない場合には、前記報知手段によりエラーであることを報知するよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。
【0016】
(4) 穿刺針を備えるチップを装着して使用する成分測定装置であって、
穿刺する表皮を当てがう当て部と、
前記当て部に当てがわれた表皮を穿刺するよう前記穿刺針を作動させる穿刺手段と、
前記穿刺針の収納空間とともに、前記穿刺針による表皮の穿刺部位を減圧状態にする減圧手段と、
前記収納空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記穿刺部位より採取された血液中の所定成分の量を測定する測定手段と、
所定の情報を報知する報知手段とを有し、
前記減圧手段により前記収納空間の減圧を試み、前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出されない場合には、前記報知手段により前記当て部に当てがわれた表皮の位置を修正すべきであることを報知するとともに、所定時間経過しても前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出されないときは、前記報知手段によりエラーであることを報知するよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。
【0017】
(5) 前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出された場合には、前記穿刺手段により前記穿刺針を作動させるよう構成されている上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0018】
(6) 穿刺針を備えるチップを装着して使用する成分測定装置であって、
穿刺する表皮を当てがう当て部と、
前記当て部に当てがわれた表皮を穿刺するよう前記穿刺針を作動させる穿刺手段と、
前記穿刺針の収納空間とともに、前記穿刺針による表皮の穿刺部位を減圧状態にする減圧手段と、
前記収納空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記穿刺部位より採取された血液中の所定成分の量を測定する測定手段とを有し、
前記減圧手段により前記収納空間の減圧を試み、前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出された場合には、前記穿刺手段により前記穿刺針を作動させるよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。
【0019】
(7) 電気的に駆動する駆動源を備え、該駆動源の駆動により前記穿刺手段の作動を開始させる作動開始手段を有し、
前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出された場合には、前記作動開始手段により前記穿刺手段の作動が開始され、該穿刺手段により前記穿刺針が作動するよう構成されている上記(5)または(6)に記載の成分測定装置。
【0020】
(8) 前記穿刺手段は、プランジャと、前記プランジャを先端方向へ付勢する付勢部材とを有する上記(2)ないし(6)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0021】
(9) 前記プランジャは、その先端方向への移動を規制する係止部を有し、前記付勢部材により付勢された状態で前記係止部の係止を解除することにより先端方向へ移動し、前記穿刺針による穿刺を行う上記(8)に記載の成分測定装置。
【0022】
(10) 電気的に駆動する駆動源を備え、該駆動源の駆動により前記係止部の係止を解除する作動開始手段を有し、
前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出された場合には、前記作動開始手段により前記係止部の係止が解除される上記(9)に記載の成分測定装置。
【0023】
(11) 前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出された場合には、一旦、前記減圧状態を解除し、この後、前記穿刺を行うとともに、前記減圧手段により前記穿刺針の収納空間とともに前記穿刺針による指の穿刺部位を減圧状態にする上記(2)ないし(10)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0024】
(12) 前記成分測定装置は、前記チップを保持し、前記穿刺手段を内蔵するハウジングを有し、
前記減圧手段は、前記ハウジング内の前記収納空間を減圧状態とする上記(2)ないし(11)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0025】
(13) 前記圧力検出手段は、前記ハウジング内の前記収納空間の圧力を検出する上記(12)に記載の成分測定装置。
【0026】
(14) 前記チップは、表皮に当接する当接部を有し、該当接部の内側に形成される開口を表皮で塞ぐようにして使用される上記(2)ないし(13)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0027】
(15) 前記チップは、試験紙と、該試験紙に血液を供給する血液通路とを有する上記(2)ないし(14)のいずれかに記載の成分測定装置。
【0028】
(16) 前記試験紙は、血糖測定用の試験紙である上記(15)に記載の成分測定装置。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の成分測定装置を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0030】
本発明の成分測定装置は、表皮(皮膚)を介し体液(以下、本実施形態では、血液を代表として説明する。)を採取して、その体液の所定成分を測定する装置である。
【0031】
表皮の前記体液の採取に関与する部位(本実施形態では、穿刺部位)は、好ましくは、指であるが、この他、例えば、手の平、手の裏、手の側部、腕、太腿等が挙げられる。
【0032】
下記の実施形態では、指先(指)を穿刺する形態の成分測定装置を代表として説明する。
【0033】
図1は、本発明の成分測定装置の第1実施形態を模式的に示す斜視図、図2は、本発明において使用するチップの構成例を示す縦断面図、図3および図4は、それぞれ、第1実施形態の成分測定装置が有する穿刺手段および穿刺手段を内蔵するハウジングの構成例を示す縦断面図、図5〜図11は、それぞれ、第1実施形態の成分測定装置における主要部の構成例を示す縦断面図、図12は、第1実施形態の成分測定装置の回路構成を示すブロック図、図13は、第1実施形態の成分測定装置の制御手段の制御動作を示すフローチャートである。なお、図1〜図11中、右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
【0034】
図1、図5および図12に示すように、第1実施形態の成分測定装置(血液成分測定装置)1は、本体2と、本体2に設置された指当て部3と、ハウジング5内に収納された穿刺手段4と、ハウジング5の基端側に設けられたチップ退避機構6と、血液(体液)の採取を検出するとともに採取された血液(体液)中の所定成分を測定する測定手段7と、ハウジング5内を減圧状態とするポンプ8と、ハウジング5内の減圧状態を解除、緩和または保持する電磁弁26と、ハウジング5内の圧力を検出する圧力センサ(圧力検出手段)27と、ソレノイド(駆動源)28と、スイッチ29と、電池(電源)9と、回路基板10上に設けられた制御手段11およびメモリ33と、表示部(報知手段)12と、音声出力部(報知手段)32と、外部出力部34とを備えている。
【0035】
この成分測定装置1は、チップ13を装着して使用される。以下、各構成要素について説明する。
【0036】
本体2は、対向する筐体21と蓋体22とで構成されている。この本体2は、その内部に収納空間23が形成されており、この収納空間23内には、前記穿刺手段4、ハウジング5、チップ退避機構6、測定手段7、ポンプ8、電磁弁26、ソレノイド28、スイッチ29、電池9、回路基板10、制御手段11、メモリ33、表示部12、音声出力部32および外部出力部34が、それぞれ収納されている。また、ハウジング5内には、圧力センサ27が設置されている。
【0037】
筐体21の先端側の壁部211には、筐体21の内外を貫通し、横断面での形状が円形の開口212が形成されている。この開口212を介して後述のハウジング5にチップ13が装着(保持)される。
【0038】
また、壁部211の先端側の面には、開口212の外周を囲んで、指先(指)の形状に対応して形成された指当て部(表皮を当てがう当て部)3が設置されている。この指当て部3の先端側には、指当て面31が形成されている。指当て部3(指当て面31)に指先を当接させつつ、成分測定装置1を作動させる。これにより、指先が穿刺され、採取された血液中の所定成分(以下、本実施形態では、ブドウ糖を代表として説明する。)の量が測定される。
【0039】
蓋体22の上面には、蓋体22の内外を貫通する表示窓(開口)221が形成されており、その表示窓221は、透明な材料で構成される板状部材で塞がれている。
【0040】
この表示窓221に対応する収納空間23内の位置には、表示部12が設置されている。したがって、表示窓221を介して、表示部12で表示される各種情報を確認することができる。
【0041】
表示部12は、例えば、液晶表示素子(LCD)等で構成されている。この表示部12には、例えば、電源のオン/オフ、電源電圧(電池残量)、測定値、測定日時、エラー表示、位置修正表示、操作ガイダンス等を表示することができる。
【0042】
また、音声出力部32は、例えば、ブザー(一定の音やメロディー等を発する装置)、言葉を発する装置等で構成される。
【0043】
なお、報知手段は、前記のものに限らず、この他、例えば、発光ダイオード(LED)やEL素子等の発光素子、ランプ、EL表示素子等が挙げられる。
【0044】
また、外部出力部34は、求められた血糖値等そのデータを例えばパーソナルコンピュータのような外部装置へ出力するためのものである。
【0045】
また、蓋体22の上面には、操作ボタン222が設置されている。成分測定装置1では、この操作ボタン222を押圧することにより、それに連動してスイッチ29がオンし、その信号がスイッチ29から制御手段11に入力されるように構成されている。
【0046】
表示部12の図1中下側には、回路基板10が設置され、この回路基板10上には、マイクロコンピュータで構成される制御手段11と、メモリ33とが搭載されている。制御手段11は、例えば、血液が採取されたか否かの判別、減圧状態か否かの判別等、成分測定装置1の諸動作を制御する。また、この制御手段11は、測定手段7からの信号に基づいて血液中のブドウ糖量(血糖値)を算出する演算部を内蔵している。
【0047】
回路基板10の図1中左下側には、減圧手段(吸引手段)として、ポンプ8が設置されている。このポンプ8は、電力により作動するものであり、後述のハウジング5に形成された通気路54とチューブ81を介して連結されている。このチューブ81は、可撓性を有しており、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、シリコーンゴム、ポリウレタン等の高分子材料で構成されている。
【0048】
このポンプ8は、ハウジング5の内腔部52内の空気を吸引、排出することにより、ハウジング5の内腔部52を減圧状態とする。特に、この成分測定装置1は、後述のチップ13の針体141による穿刺に先立って、または穿刺と同時に、または穿刺後に、このポンプ8によりハウジング5の内腔部52の減圧を試みるようになっている。
【0049】
また、ポンプ8は、指先の穿刺部位から血液を吸い出すことができる程度(例えば、100〜400mmHg程度)に、ハウジング5の内腔部52および指先の穿刺部位を減圧状態とすることができるようなものであればよい。
【0050】
回路基板10の図1中右下側には、電源として電池9が設置されている。この電池9は、ポンプ8、電磁弁26、ソレノイド28、制御手段11、表示部12、音声出力部32等と電気的に接続され、これらの作動に必要な電力を供給する。
【0051】
ポンプ8の図1中手前側には、測定手段7が設置されている。この測定手段7は、後述のチップ13が備える試験紙18に血液が供給(採取)されるのを光学的に検出するとともに、試験紙18に展開された血液中のブドウ糖量を光学的に測定するものであり、その設置位置は、チップ13をハウジング5に装着、保持した状態で、試験紙18が位置する側位近傍とされる。
【0052】
このように、測定手段7は、血液の採取を検出する機能と、試験紙18に展開された血液中のブドウ糖(所定成分)の量を測定する機能とを兼ね備えているので、これらの手段をそれぞれ別個に設ける場合に比べ、部品点数を削減することができ、構成を簡素化することができ、また、装置の組立工数を減少させることができる。
【0053】
この測定手段7は、発光素子(発光ダイオード)71と受光素子(フォトダイオード)72とを有している。
【0054】
発光素子71は制御手段11と電気的に接続され、受光素子72は、増幅器24およびA/D変換器25を介して制御手段11と電気的に接続されている。
【0055】
発光素子71は、制御手段11からの信号により作動し、光を発する。この光は、所定の時間間隔で間欠的に発光するパルス光であるのが好ましい。
【0056】
チップ13をハウジング5に装着した状態で、発光素子71を点灯させると、発光素子71から発せられた光は試験紙18に照射され、その反射光は、受光素子72に受光され、光電変換される。受光素子72からは、その受光光量に応じたアナログ信号が出力され、その信号は、増幅器24で所望に増幅された後、A/D変換器25にてデジタル信号に変換され、制御手段11に入力される。
【0057】
制御手段11では、入力された信号に基づいて、血液が採取されたか否か、すなわち、血液がチップ13の試験紙18に展開されたか否かを判別する。
【0058】
また、制御手段11では、入力された信号に基づき、所定の演算処理を行い、また、必要に応じ補正計算を行って、血液中のブドウ糖の量(血糖値)を求める。求められた血糖値は、表示部12に表示される。
【0059】
測定手段7の図1中手前側には、穿刺手段4を内蔵するハウジング5とハウジング5の基端側に連結して設けられたチップ退避機構6とが設置されている。
【0060】
チップ退避機構6は、筐体21に固着され、一方、ハウジング5は、筐体21には、固着されず、チップ退避機構6により、その軸方向(図1中左右の方向)に移動し得るように設置されている。
【0061】
前述したように、この成分測定装置1は、ハウジング5にチップ13を装着して使用される。このチップ13は、図2に示すように、穿刺針14と、穿刺針14を摺動可能に収納する第1のハウジング15と、第1のハウジング15の外周部に設置された第2のハウジング16と、第2のハウジング16の外周部に設置された試験紙固定部17と、試験紙固定部17に固定された試験紙18とで構成されている。
【0062】
穿刺針14は、針体141と、針体141の基端側に固着されたハブ142とで構成され、第1のハウジング15の内腔部152内に収納されている。
【0063】
針体141は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料よりなる中空部材または中実部材で構成され、その先端には、鋭利な刃先(針先)が形成されている。この刃先により、指先の表面(皮膚)が穿刺される。
【0064】
また、ハブ142は、ほぼ円柱状の部材で構成され、その外周部が第1のハウジング15の内周面151に当接しつつ摺動する。
【0065】
このハブ142の基端部には、縮径した縮径部143が形成されている。この縮径部143は、後述の穿刺手段4を構成するプランジャ41の針ホルダ411と嵌合する。
【0066】
第1のハウジング15は、壁部153を底部とする有底筒状の部材で構成され、その内部には内腔部152が形成されている。
【0067】
壁部153のほぼ中央部には、横断面での形状が円形の孔154が形成されている。この孔154には、指先(指)の穿刺に際し、針体141が通過する。また、孔154の孔径は、ハブ142の先端外径より小さく設定されている。このため、穿刺針14が内腔部152の先端方向へ移動し、ハブ142の先端と壁部153の基端とが当接すると、それ以上、穿刺針14が先端方向へ移動することが防止される。したがって、針体141は、指先の穿刺に際し、チップ13の先端からの突出長さが一定に保たれる。このため、針体141の刃先が指先を必要以上に深く穿刺してしまうことをより確実に防止することができる。
【0068】
また、後述のプランジャ41の移動距離を調節する機構を設け、これにより、針体141の刃先による指先の穿刺深さを調節するようにしてもよい。
【0069】
第1のハウジング15の外周部には、第2のハウジング16が固着されている。
【0070】
第2のハウジング16は、ほぼ円筒状の部材で構成され、その内部には、内腔部161が形成されている。
【0071】
また、第2のハウジング16の先端には、リング状に突出した当接部163が形成されている。この当接部163は、指先を押し当る部位であり、その内側には、内腔部161が開放する先端開口(開口)162が形成されている。当接部163の先端外周縁は、指先に押し当られたときに穿刺周辺部を刺激し穿刺時の痛みを和らげる効果を発揮するのに適した形状をなしている。また、ポンプ8により減圧状態となったとき、当接部163の先端と指先の表面との間から空気が流入することを極力抑制し得るような形状となっている。なお、第2のハウジング16の先端には、当接部163が設けられず、第2のハウジング16の先端面が平坦な面を構成してもよい。
【0072】
第2のハウジング16には、当接部163の基端付近の外周部に、外側に向かって突出するリング状のフランジ164が形成されている。このフランジ164は、後述のハウジング5に装着した状態で、その基端がハウジング5の先端に当接し、ハウジング5に対する位置を規定する。
【0073】
第2のハウジング16の外周部には、凹部165が形成され、この凹部165には、円盤状の試験紙18が設置された試験紙固定部17が装着されている。
【0074】
また、第2のハウジング16の内周面には、内腔部161に向かって突出する血液導入ガイド166が形成されている。この血液導入ガイド166は、指先の穿刺後、先端開口162から内腔部161に流入した血液(検体)を、受け止める機能を有するものである。
【0075】
このようなチップ13では、第2のハウジング16、試験紙固定部17を経て、第2のハウジング16の内腔部161と外部とを連通する血液通路19が形成されている。この血液通路19は、穿刺により得られた血液を試験紙18へ導くための流路であり、内腔部161へ開放する通路開口191とチップ13の外部へ開放する通路開口192とを有している。なお、通路開口192は、試験紙18の中心部に位置している。
【0076】
また、血液導入ガイド166は、通路開口191付近に形成されている。このため、血液導入ガイド166で受け止められた血液は、効率よく通路開口191から血液通路19に導かれる。この血液は、毛細管現象により通路開口192まで到達し、通路開口192を塞ぐように設置された試験紙18の中心部に供給され、放射状に展開する。
【0077】
この試験紙18は、血液を吸収・展開可能な担体に、試薬を担持させたものである。
【0078】
担体としては、例えば、不織布、織布、延伸処理したシート等のシート状多孔質体が挙げられる。この多孔質体は、親水性を有するものが好ましい。
【0079】
担体に担持される試薬は、血液(検体)中の測定すべき成分により、適宜決定される。例えば、血糖値測定用の場合、グルコースオキシターゼ(GOD)と、ペルオキシターゼ(POD)と、例えば4−アミノアンチピリン、N−エチルN−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジンのような発色剤(発色試薬)とが挙げられ、その他、測定成分に応じて、例えばアスコルビン酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ等の血液成分と反応するものと、前記と同様の発色剤(発色試薬)とが挙げられる。また、さらにリン酸緩衝液のような緩衝剤が含まれていてもよい。なお、試薬の種類、成分については、これらに限定されないことは言うまでもない。
【0080】
このようなチップ13は、前述した筐体21の開口212を介してハウジング5(嵌合部53)に着脱自在に装着(嵌合)される。
【0081】
ハウジング5は、図3および図4に示すように、壁部51を底部とする有底筒状の部材で構成され、その内部には、内腔部(収納空間)52が形成されている。また、ハウジング5の先端側は、その内径がチップ13の外周の形状に対応して縮径した嵌合部53が形成されている。この嵌合部53にチップ13が挿入され、嵌合(固定)される。なお、図3および図4では、説明の理解を容易にするために、チップ13の構造を簡略化して示した。
【0082】
ハウジング5の側部には、内腔部52と外部とを連通する通気路54が形成され、この通気路54は、チューブ81を介してポンプ8に接続されている。内腔部52内の空気は、通気路54およびチューブ81を介してポンプ8により吸引され、内腔部52(チップ13内を含む)は、減圧状態とされる。
【0083】
また、図5に示すように、チューブ81の途中には、チューブ82の一端が接続され、そのチューブ82の他端は、本体2の外部に開放している。このチューブ82は、可撓性を有しており、例えば、前記チューブ81と同様の材料で構成することができる。
【0084】
チューブ82の途中には、その流路を開閉(開放/閉鎖)する電磁弁26が設置されている。
【0085】
電磁弁26が閉じているとき(閉状態のとき)は、前記内腔部52(チップ13内を含む)の減圧状態が保持され、電磁弁26が開くと(開状態になると)、前記減圧状態の内腔部52内に、チューブ82、81および通気路54を介して、外部から空気(大気)が導入され、その減圧状態が解除または緩和される。
【0086】
したがって、前記チューブ(流路)81、82および電磁弁26により、減圧解除手段が構成される。
【0087】
図3および図4に示すように、ハウジング5の壁部51には、そのほぼ中央部に孔511が形成されている。この孔511には、内部にオリフィス(通路)651が形成された細管65が設置されている。このオリフィス651を介して、細管65の両側に設けられた内腔部52と後述の容積可変室631との間を空気が流通する。
【0088】
ハウジング5の先端には、リング状のシールリング(封止部材)55が嵌合されている。これにより、チップ13をハウジング5に装着すると、チップ13のフランジ164の基端とシールリング55とが当接し、内腔部52の気密性が保持される。
【0089】
このシールリング55は、弾性体で構成されている。このような弾性体としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、フッ素ゴム系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0090】
ハウジング5は、その基端部外周に、外側に向かって突出するリング状のフランジ56が形成され、また、その基端には、円筒状の凸部59が形成されている。
【0091】
このようなハウジング5の嵌合部53より基端側の内腔部52内には、穿刺手段4が収納されている。この穿刺手段4は、それに装着される穿刺針14を先端方向へ移動させ、針体141の刃先により指先の表面を穿刺する。
【0092】
穿刺手段4は、プランジャ41と、プランジャ41を先端方向へ付勢するコイルバネ(付勢部材)42と、プランジャ41を基端方向へ付勢するコイルバネ(付勢部材)43とを有している。
【0093】
プランジャ41の先端部には、カップ状の針ホルダ411が設けられている。この針ホルダ411には、穿刺針14の縮径部143が着脱自在に嵌合される。また、プランジャ41の基端部には、先端に突起状の係止部413を有する弾性変形可能な弾性片412が設けられている。
【0094】
チップ13をハウジング5に装着する前の状態、すなわち、穿刺針14をプランジャ41に装着する前の状態(図3参照)では、係止部413は、弾性片412の弾性力により図3中上方向へ付勢されてハウジング5の内周面に当接している。一方、チップ13をハウジング5に装着した状態、すなわち、穿刺針14をプランジャ41に装着した状態(図4参照)では、係止部413は、ハウジング5の内外を貫通するように形成された開口57内に挿入され、その縁部に係止する。これにより、プランジャ41の先端方向への移動が規制される。なお、開口57は、平板状のシール部材(封止部材)58で塞がれ、内腔部52の気密性が保持されている。このシール部材58は、前記シールリング55と同様の材料で構成することができる。
【0095】
コイルバネ(穿刺用バネ)42は、プランジャ41の基端側に設置され、その両端は、それぞれ、プランジャ41および壁部51に当接している。一方、コイルバネ(押し戻し用バネ)43は、プランジャ41の先端側に設置され、その両端は、それぞれ、プランジャ41および嵌合部53に当接している。
【0096】
また、図12に示すように、ハウジング5内には、圧力センサ27が設置されており、この圧力センサ27により、ハウジング5の内腔部52(チップ13内を含む)の圧力を検出する。圧力センサ27からの情報、すなわち、圧力センサ27により検出された圧力(データ)は、制御手段11に入力される。
【0097】
また、図3および図4に示すように、ハウジング5の外部には、電気的に駆動する駆動源として、ソレノイド28が設けられている。このソレノイド28は、そのプランジャ281により、係止部413を内腔部52内に向かって(図中矢印方向へ)移動させることができるように配置されている。
【0098】
係止部413が開口57に係止している状態では、コイルバネ42は、圧縮状態とされ、プランジャ41を先端方向へ付勢する。ソレノイド28のプランジャ281が図中矢印方向へ移動し、そのプランジャ281により係止部413の係止状態が解除されると、コイルバネ42は、伸張してプランジャ41を先端方向へ移動させ、針体141の刃先が指先の表面(皮膚)を穿刺する。したがって、前記ソレノイド28により、穿刺手段4の作動を開始させる作動開始手段が構成される。
【0099】
一方、このとき、コイルバネ43は、圧縮され、プランジャ41を基端方向へ付勢、すなわち、プランジャ41を基端方向へ押し戻そうとする。その後、プランジャ41は、減衰運動し、コイルバネ42の弾性力とコイルバネ43の弾性力とが釣り合う位置で静止する。
【0100】
なお、プランジャ41が静止した状態では、針体141の刃先は、チップ13内に収納されている。
【0101】
ハウジング5の基端側には、チップ退避機構6が設けられている。
チップ退避機構6は、ハウジング5およびそれに装着されたチップ13を指先200から離間する方向(基端方向)へ移動させるものである。
【0102】
このチップ退避機構6は、図5〜図11に示すように、本体部61と、シールリング64と、細管65とを有している。
【0103】
本体部61は、壁部62を底部とする有底筒状の部材で構成され、その内部には、内腔部63が形成されている。この内腔部63には、ハウジング5の基端側が挿入されている。
【0104】
本体部61の先端には、その中心方向に向かって突出するリング状の凸部611が形成されている。チップ退避機構6の作動前の状態では、凸部611の基端とフランジ56の先端とが当接している。これにより、ハウジング5は、先端方向への移動が規制される。すなわち、ハウジング5が本体部61から抜けてしまうのを防止することができる。
【0105】
また、このとき、当接部163の先端は、指当て面31とほぼ同じ位置か、もしくは、指当て面31から若干突出している(図5参照)。これにより、指当て部3に指先200を当接すると、指先200の表面は、確実に当接部163に当接し、先端開口162を塞ぐことができる。
【0106】
壁部62には、そのほぼ中央部に、横断面での形状が円形の凹部621が形成されている。この凹部621の径は、凸部59の外径とほぼ等しく設定され、この凹部621に凸部59が挿入されている。また、フランジ56の外径は、本体部61の内径とほぼ等しく設定されている。このような構成とすることにより、ハウジング5の軸方向の位置にかかわらず、例えば、図中上下方向のズレ(ハウジング5と本体部61との中心のズレ)をより確実に防止することができる。
【0107】
凸部59の外周、すなわち、ハウジング5の基端と壁部62の先端側の面622との間には、リング状のシールリング64が設置されている。このシールリング64は、ハウジング5の基端と面622とのそれぞれに気密的に密着している。これにより、シールリング64とハウジング5の基端と面622と凹部621の内面とで囲まれる領域には、気密性を有する容積可変室(減圧室)631が画成されている。
【0108】
また、シールリング64は、弾性体で構成され、チップ退避機構6の作動状態(図8に示す状態)では、その弾性力によりハウジング5を先端方向へ付勢している。すなわち、このシールリング64は、付勢手段としても機能するものである。このような弾性体としては、前記のシールリング55等と同様の材料を用いることができる。
【0109】
細管65は、円筒状の部材で構成され、その内部には、オリフィス(通路)651が形成されている。このオリフィス651は、ハウジング5の内腔部52と容積可変室631とを連通する通路であり、細径なので空気の通過抵抗が大きい。このようなオリフィス651の径は、特に限定されないが、例えば、0.01〜0.3mm程度であるのが好ましい。オリフィス651の径を前記の範囲内とすることにより、必要かつ十分な空気の通過(流通)抵抗が得られる。
【0110】
また、オリフィス651の径を調節することにより、ポンプ8の作動とチップ退避機構6の作動との開始のタイミングを調節することができる。
【0111】
なお、細管65は、図示のものに限定されるものではなく、また、その設置数も、必要に応じて、複数としてもよい。
【0112】
このようなチップ退避機構6では、当接部163に指先200を当接し、先端開口162を封止した状態でポンプ8を作動させると、まず、内腔部52(チップ13内を含む)が減圧状態とされ、オリフィス651を介して、容積可変室631内の空気が内腔部52内へ流入し、容積可変室631の減圧が開始される。オリフィス651の空気の通過抵抗が高いことから、容積可変室631の容積は徐々に減少し、ハウジング5およびそれに装着されたチップ13が指先200から離間する方向へ徐々に移動する。
【0113】
やがて、凸部59の基端591と凹部621の底面とが当接すると、ハウジング5およびそれに装着されたチップ13の基端方向への移動が停止する(図9参照)。よって、この凸部59の軸方向の長さを調節することにより、チップ13が指先200から必要以上に離間するのを防止することができる。すなわち、凸部59とこれに当接する凹部621の底面とで、チップ13の指先200からの移動距離(最大退避距離)を規定する手段(移動距離規定手段)が構成される。
【0114】
このようなチップ13と指先200との離間距離(チップ13の最大退避距離)は、特に限定されないが、例えば、0.2〜3mm程度とするのが好ましく、0.5〜2.5mm程度とするのがより好ましい。離間距離を前記の範囲内とすることにより、より確実かつ短時間で、十分な血液量を確保することができる。また、指先200が先端開口162から外れてしまうことをより確実に防止することができる。
【0115】
また、チップ退避機構6は、ポンプ8の作動に続いて作動する。すなわち、このチップ退避機構6は、ポンプ8により内腔部52を減圧して、先端開口162で指先200を吸着してから、チップ13を徐々に基端方向へ退避(移動)させるよう構成されている。このため、チップ退避機構6は、指先200の穿刺部位210を減圧状態に維持しつつ、チップ13を指先200から離間することができる。
【0116】
このようなチップ退避機構6は、ポンプ8により生じる減圧力を利用して作動するものである。つまり、ポンプ(減圧手段)8は、チップ退避機構6の構成要素の一つとも言うことができる。
【0117】
また、このようなチップ退避機構6は、他の駆動源の追加を必要としないため、成分測定装置1の小型化、軽量化や製造コストの削減に有利である。
【0118】
また、この成分測定装置1では、図6に示すように、指当て部3に指先200を押し当てると、指先200の表面は、当接部163の先端に当接し、この当接部163の先端により穿刺部位210の周辺部位の毛細血管は、圧迫されるが、図9に示すように、指先200の穿刺部位210を減圧状態に維持しつつ、チップ13を指先200から離間することができるので、当接部163の先端で圧迫されていた穿刺部位210の周辺部位の毛細血管が開放され、血液220がより確実にしかも短時間で穿刺部位210から吸い出され、ブドウ糖量の測定に必要かつ十分な血液量を確保することができる。
【0119】
また、チップ退避機構6の作動状態(図9に示す状態)では、ハウジング5が基端方向へ移動し、シールリング64が圧縮状態とされる。前述したように、シールリング64は、弾性体で構成されているため、図9に示す状態では、ハウジング5を先端方向に付勢している。よって、電磁弁26を開いてこの減圧状態を解除すると、シールリング64は、自らの弾性力によりほぼ元の形状に戻り、ハウジング5を先端方向へ移動する(図10、図11参照)。このとき、ハウジング5のフランジ56の先端は、本体部61の凸部611の基端と当接し、それ以上、先端方向へ移動することが規制される(図11参照)。すなわち、ハウジング5およびそれに装着されたチップ13は、チップ退避機構6の作動前の位置に戻る。
【0120】
次に、成分測定装置1を用いて穿刺、血液の採取、展開および血糖値測定を行う場合の各部の動作および制御手段の制御動作について、図2〜図11および図13に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0121】
[1] まず、チップ13を筐体21の開口212を介して、ハウジング5の嵌合部53に挿入し、穿刺針14の縮径部143を針ホルダ411に嵌合する(図4参照)。
【0122】
さらに、チップ13を基端方向へ押し込むと、コイルバネ42の付勢力に抗して、プランジャ41が基端方向へ移動する。係止部413は、弾性片412の弾性力により付勢されて内腔部52の内周面に当接しているが、係止部413が開口57の位置にくると、開口57内に挿入される(図4参照)。これにより、チップ13による基端方向の押圧力を解除しても、係止部413が開口57に係止し、プランジャ41は先端方向への移動が規制される。このとき、コイルバネ42は、圧縮状態とされている。この状態で、穿刺手段4による穿刺の準備および血液(検体)採取の準備が完了する。
【0123】
[2] 次に、図示しない電源スイッチをオンとする。これにより、成分測定装置1の各部が起動し、測定可能な状態となる。なお、電磁弁26は、閉じている。
【0124】
[3] 次に、指当て部3に指先(指)200を押し当てる。これにより、チップ13の当接部163に指先200が圧着される。このとき、空気の漏れができるだけ少なくなるように、先端開口162を指先200で塞ぐようにする(図5参照)。
【0125】
[4] 次に、操作ボタン222を押圧操作し、成分測定装置1を作動させる。これにより、図13に示すプログラムが実行される。
【0126】
まず、制御手段11は、穿刺に先立って、ポンプ8を作動させ、ハウジング5の内腔部52(チップ13内を含む)内の空気の吸引を開始する(図13のステップS101)。
【0127】
これにより、何ら問題がない場合には、内腔部52(チップ13内を含む)は、その圧力が低下し、減圧状態とされる(図6参照)。このとき、指先200の針体141による穿刺部位210も減圧状態となっている。ただし、この状態では、当接部163の内側(先端開口162)に位置する指先200は、丘陵状にチップ13の内部に向かって盛り上がり、当接部163の先端が当接している穿刺部位210の周辺部位では、毛細血管が圧迫されている。
【0128】
次いで、圧力センサ27により、ハウジング5の内腔部52(チップ13内を含む)内の圧力を検出する(図13のステップS102)。
【0129】
次いで、制御手段11は、圧力センサ27からの情報に基づいて、内腔部52(チップ13内を含む)が減圧状態とされたか否か、すなわち、予め設定された所定の圧力まで減圧された(圧力OK)か否かを判断する(図13のステップS103)。
【0130】
前記ステップS103において、圧力OKではないと判断した場合には、タイムアップか否かを判断する(図13のステップS104)。
【0131】
前記ステップS104において、タイムアップではないと判断した場合には、位置修正報知を行う(図13のステップS105)。
【0132】
このステップS105では、指当て部3に当てがわれた指の位置を修正すべきであることを、例えば、表示部12に表示、または、音声出力部32により音声で報知する。なお、これを表示部12と音声出力部32の両方で行ってもよいことは、言うまでもない。
【0133】
操作者(使用者)は、この位置修正報知により、事情を把握することができ、空気の漏れができるだけ少なくなるように、指の位置を適正な位置に移動させるとともに、指の姿勢を適正な姿勢にする。
【0134】
前記ステップS105を実行した後、ステップS102に戻り、再度、ステップS102以降を実行し、前記ステップS104において、タイムアップと判断した場合には、エラー報知を行い(図13のステップS106)、また、ポンプ8を停止し、電磁弁26を一旦開いて再び閉じる。
【0135】
このステップS106では、エラーであることを、例えば、表示部12に表示、または、音声出力部32により音声で報知する。なお、これを表示部12と音声出力部32の両方で行ってもよいことは、言うまでもない。
【0136】
操作者(使用者)は、このエラー報知により、エラーであること(何らかのトラブルがあったこと)を把握することができる。
【0137】
[5] 前記ステップS103において、圧力OKと判断した場合には、指先200の表面を穿刺する(図13のステップS107)。
【0138】
すなわち、制御手段11は、ソレノイド28のコイルに通電する。これにより、ソレノイド28のプランジャ281は、図4中矢印方向へ移動し、係止部413に当接し、これを内腔部52側へ押し戻す。これにより、係止部413の係止が外れ、圧縮されていたコイルバネ42の弾性力により、プランジャ41が先端方向に移動し、針体141が先端開口162より突出し、指先200の表面を穿刺する(図7参照)。針体141による穿刺部位210からは、出血が生じる。
【0139】
針体141が指先200を穿刺した後は、コイルバネ43がプランジャ41を基端方向へ押し戻す。プランジャ41は減衰運動を経て、コイルバネ42の弾性力とコイルバネ43の弾性力とが釣り合う位置で静止する(図8参照)。このとき、針体141の刃先は、チップ13内に収納されている。このように、針体141の刃先は、穿刺時以外は先端開口162から突出しないようになっており、誤って皮膚等を傷つけることが無く、また、感染も防止することができ、安全性が高い。
【0140】
[6] ポンプ8による前記内腔部52内の空気の吸引が継続され、容積可変室631内の空気は、オリフィス651を介して徐々に内腔部52内へ流出し、容積可変室631は、徐々にその容積が減少する。これにより、ハウジング5およびそれに装着されたチップ13は、基端方向へ向かって、すなわち、指先200から離間する方向に向かって、徐々に移動を開始する。
【0141】
このとき、内腔部52および指先200の穿刺部位210の減圧状態は、維持されているため、先端開口162から指先200が外れることはない。また、チップ13が指先200から離間する方向へ移動しても、指先200は、指当て部3に当接しているのでチップ13に追従して移動することがない。このため、チップ13は、指先200から確実に離間する。
【0142】
チップ13が指先200から離間することにより、当接部163の先端で圧迫されていた穿刺部位210の周辺部位の毛細血管は、徐々に開放され、穿刺部位210から血液220が吸い出される(図9参照)。すなわち、指先200とチップ13との離間を行わない場合に比べて出血が促進され、必要な血液量を短時間で確保することができる。
【0143】
なお、このようなポンプ8により生じる最低圧力は、例えば100〜400mmHg程度であるのが好ましい。
【0144】
やがて、凸部59の基端591と凹部621の底面とが当接する。これにより、ハウジング5およびそれに装着されたチップ13の基端方向への移動が停止する。このように、チップ13は、指先200から適度な距離離間したところで停止するので、指先200が先端開口162から外れてしまうことがない。このため、穿刺部位210から吸い出された血液220が飛散し、周囲を汚染するのをより確実に防止することができ、安全性が高い。
【0145】
以上のように、成分測定装置1では、1回の操作ボタン222の押圧により、穿刺動作と減圧動作とが行われ、また、チップ13の退避動作は、ポンプ8による減圧力を利用して行なわれ、また、後述する減圧解除動作も自動的に開始されるため、その操作性が極めて良い。
【0146】
[7] 前記[6]の操作で、穿刺部位210上に粒状に隆起した血液220は、チップ13内に吸引され、その内部に形成された血液導入ガイド166に接触し、血液通路19を介して試験紙18へ導かれ、試験紙18の中心部に供給され、放射状に展開される(図2参照)。
【0147】
試験紙18上への血液220の供給、展開に伴い、血液220中のブドウ糖(測定すべき成分)と試験紙18に担持された試薬とが反応し、試験紙18は、ブドウ糖量に応じて呈色する。
【0148】
一方、制御手段11は、図13に示すステップS107を実行した後、測定手段7を駆動し、その測定手段7を介して試験紙18の呈色を監視(モニタ)し、血液が採取されたか否かを判断する(図13のステップS108)。
【0149】
このステップS108では、測定手段7の受光素子72から入力される信号の電圧レベルが予め設定されているしいき値を超えた場合には、血液が採取されたと判断し、前記信号の電圧レベルがそのしいき値以下である場合には、血液が採取されていないと判断する。
【0150】
なお、前記しきい値は、試験紙18が呈色する前の前記信号の電圧レベルより十分大きく、かつ、呈色したときの前記信号の電圧レベルより十分小さい値に設定される。
【0151】
前記ステップS108において、血液が採取されていないと判断した場合には、タイムアップか否かを判断する(図13のステップS109)。
【0152】
前記ステップS104において、タイムアップではないと判断した場合には、ステップS108に戻り、再度、ステップS108以降を実行し、タイムアップと判断した場合には、エラー報知を行ない(図13のステップS110)、また、ポンプ8を停止し、電磁弁26を一旦開いて前記減圧状態を解除し、その電磁弁26を再び閉じる。
【0153】
このステップS106では、エラーであることを、例えば、表示部12に表示、または、音声出力部32により音声で報知する。なお、これを表示部12と音声出力部32の両方で行ってもよいことは、言うまでもない。
【0154】
操作者(使用者)は、このエラー報知により、エラーであること(何らかのトラブルがあったこと)を把握することができる。
【0155】
また、前記ステップS108において、血液が採取されたと判断した場合には、ポンプ8を停止、すなわち、ポンプ8による前記内腔部52内の空気の吸引を停止する(図13のステップS111)。
【0156】
次いで、電磁弁26を開いて、前記減圧状態を解除する(図13のステップS112)。
【0157】
電磁弁26が開くと、チューブ82、81および通気路54を介して、内腔部52(チップ13内を含む)および穿刺部位210に外気(大気)が流入し、内腔部52(チップ13内を含む)および穿刺部位210は、大気圧に復帰する(図10参照)。
【0158】
また、シールリング64は、自らの弾性力によりほぼ元の形状に戻り、ハウジング5を先端方向へ移動する(図10、11参照)。このとき、ハウジング5のフランジ56の先端は、本体部61の凸部611の基端と当接し、それ以上、先端方向へ移動することが規制される(図11参照)。
【0159】
指先200の穿刺部位210の周辺部位の吸引感がなくなり、大気圧に戻ったことが確認されたら、チップ13の当接部163を指先200から離す。
【0160】
[8] 制御手段11は、図13に示すステップS112を実行した後、前記試験紙18の呈色の度合いを測定手段7により測定し、得られたデータに基づき演算処理し、温度補正計算、ヘマトクリット値補正計算等の補正を行い、血糖値を定量化する(図13のステップS113)。
【0161】
この場合、内腔部52(チップ13内を含む)の減圧状態、すなわち、試験紙18の収納空間の減圧状態が解除されているので、前記血液220中のブドウ糖(測定すべき成分)と試験紙18に担持された試薬との反応に必要な大気中の成分(例えば、酸素、二酸化炭素、水蒸気等)が十分に供給され、これにより血糖値を正確に測定することができる。
【0162】
次いで、前記算出された血糖値を表示部12に表示する(図13のステップS114)。
【0163】
これにより、血糖値を把握することができる。
なお、前記ステップS112において減圧状態が解除された後、次回の測定に備え、電磁弁26を再び閉じる。
【0164】
以上説明したように、この成分測定装置1によれば、短時間で、確実に、測定に必要かつ十分な量の血液を採取することができるとともに、血糖値(血液中の所定成分の量)を正確かつ確実に測定することができる。
【0165】
そして、穿刺に先立って、減圧を試み、減圧状態が確認された場合にのみ、穿刺手段4を作動させて穿刺を行うので、指を無駄に穿刺してしまうのを防止することができ、これにより、患者の負担を軽減することができる。
【0166】
また、チップ13に試験紙18が設けられているので、穿刺、血液の採取および試験紙18への展開、測定(成分の定量化)を連続的に行うことができ、血糖値測定(成分測定)を容易かつ短時間で行うことができる。
【0167】
また、使用に際しての準備操作が容易であり、このため、定期的に使用する場合や繰り返し使用する場合にも有利である。
【0168】
また、一旦穿刺した後、誤って再度生体表面を穿刺する等の事故が防止され、安全性が高い。しかも、穿刺針14が直接見えないので、穿刺の際の恐怖感も軽減される。
【0169】
以上のことから、この成分測定装置1は、患者自身が自己の血糖値等を測定する際に使用するのに適している。
【0170】
また、この成分測定装置1は、構成が簡単、小型、軽量であり、安価で、量産にも適する。
【0171】
次に、本発明の成分測定装置の第2実施形態を説明する。
図14は、本発明の成分測定装置の第2実施形態における制御手段の制御動作を示すフローチャートである。なお、前述した第1実施形態の成分測定装置1との共通点については、説明を省略し、主な相違点を説明する。
【0172】
この第2実施形態の成分測定装置1の構造は、前述した第1実施形態の成分測定装置1と同様であるので説明を省略し、その動作について、図14に示すフローチャートに基づいて、前述した第1実施形態の成分測定装置1との相違点を中心に説明する。
【0173】
この成分測定装置1では、操作ボタン222を押圧操作すると、図14に示すプログラムが実行される。
【0174】
まず、制御手段11は、穿刺に先立って、ポンプ8を作動させ、ハウジング5の内腔部52(チップ13内を含む)内の空気の吸引を開始する(図14のステップS201)。
【0175】
次いで、圧力センサ27により、ハウジング5の内腔部52(チップ13内を含む)内の圧力を検出する(図14のステップS202)。
【0176】
次いで、制御手段11は、圧力センサ27からの情報に基づいて、内腔部52(チップ13内を含む)が減圧状態とされたか否か、すなわち、予め設定された所定の圧力まで減圧された(圧力OK)か否かを判断する(図14のステップS203)。
【0177】
前記ステップS203において、圧力OKではないと判断した場合には、エラー報知を行い(図14のステップS204)、また、ポンプ8を停止し、電磁弁26を一旦開いて再び閉じる。
【0178】
このステップS204では、エラーであることを、例えば、表示部12に表示、または、音声出力部32により音声で報知する。なお、これを表示部12と音声出力部32の両方で行ってもよいことは、言うまでもない。
【0179】
操作者(使用者)は、このエラー報知により、エラーであること(何らかのトラブルがあったこと)を把握することができる。
【0180】
前記ステップS103において、圧力OKと判断した場合には、指先200の表面を穿刺する(図14のステップS205)。
【0181】
次いで、制御手段11は、測定手段7を駆動し、その測定手段7を介して試験紙18の呈色を監視(モニタ)し、血液が採取されたか否かを判断する(図14のステップS206)。
【0182】
前記ステップS206において、血液が採取されていないと判断した場合には、タイムアップか否かを判断する(図14のステップS207)。
【0183】
前記ステップS207において、タイムアップではないと判断した場合には、ステップS206に戻り、再度、ステップS206以降を実行し、タイムアップと判断した場合には、エラー報知を行ない(図14のステップS208)、また、ポンプ8を停止し、電磁弁26を一旦開いて前記減圧状態を解除し、その電磁弁26を再び閉じる。
【0184】
このステップS208では、エラーであることを、例えば、表示部12に表示、または、音声出力部32により音声で報知する。なお、これを表示部12と音声出力部32の両方で行ってもよいことは、言うまでもない。
【0185】
操作者(使用者)は、このエラー報知により、エラーであること(何らかのトラブルがあったこと)を把握することができる。
【0186】
また、前記ステップS206において、血液が採取されたと判断した場合には、ポンプ8を停止、すなわち、ポンプ8による前記内腔部52内の空気の吸引を停止する(図14のステップS209)。
【0187】
次いで、電磁弁26を開いて、前記減圧状態を解除する(図14のステップS210)。
【0188】
次いで、前記試験紙18の呈色の度合いを測定手段7により測定し、得られたデータに基づき演算処理し、温度補正計算、ヘマトクリット値補正計算等の補正を行い、血糖値を定量化する(図14のステップS211)。
【0189】
次いで、前記算出された血糖値を表示部12に表示する(図14のステップS212)。
【0190】
これにより、血糖値を把握することができる。
なお、前記ステップS210において減圧状態が解除された後、次回の測定に備え、電磁弁26を再び閉じる。
【0191】
この成分測定装置1によれば、前述した第1実施形態の成分測定装置1と同様の効果が得られる。
【0192】
次に、本発明の成分測定装置の第3実施形態を説明する。
図15は、本発明の成分測定装置の第2実施形態における制御手段の制御動作を示すフローチャートである。なお、前述した第1実施形態の成分測定装置1との共通点については、説明を省略し、主な相違点を説明する。
【0193】
この第3実施形態の成分測定装置1の構造は、前述した第1実施形態の成分測定装置1と同様であるので説明を省略し、その動作について、図15に示すフローチャートに基づいて、前述した第1実施形態の成分測定装置1との相違点を中心に説明する。
【0194】
この成分測定装置1では、操作ボタン222を押圧操作すると、図15に示すプログラムが実行される。
【0195】
まず、制御手段11は、穿刺に先立って、ポンプ8を作動させ、ハウジング5の内腔部52(チップ13内を含む)内の空気の吸引を開始する(図15のステップS301)。
【0196】
次いで、圧力センサ27により、ハウジング5の内腔部52(チップ13内を含む)内の圧力を検出する(図15のステップS302)。
【0197】
次いで、制御手段11は、圧力センサ27からの情報に基づいて、内腔部52(チップ13内を含む)が減圧状態とされたか否か、すなわち、予め設定された所定の圧力まで減圧された(圧力OK)か否かを判断する(図15のステップS303)。
【0198】
前記ステップS203において、圧力OKではないと判断した場合には、タイムアップか否かを判断する(図15のステップS304)。
【0199】
前記ステップS304において、タイムアップではないと判断した場合には、位置修正報知を行う(図15のステップS305)。
【0200】
このステップS305では、指当て部3に当てがわれた指の位置を修正すべきであることを、例えば、表示部12に表示、または、音声出力部32により音声で報知する。なお、これを表示部12と音声出力部32の両方で行ってもよいことは、言うまでもない。
【0201】
操作者(使用者)は、この位置修正報知により、事情を把握することができ、空気の漏れができるだけ少なくなるように、指の位置を適正な位置に移動させるとともに、指の姿勢を適正な姿勢にする。
【0202】
前記ステップS305を実行した後、ステップS302に戻り、再度、ステップS302以降を実行し、前記ステップS304において、タイムアップと判断した場合には、エラー報知を行い(図15のステップS306)、また、ポンプ8を停止し、電磁弁26を一旦開いて再び閉じる。
【0203】
このステップS306では、エラーであることを、例えば、表示部12に表示、または、音声出力部32により音声で報知する。なお、これを表示部12と音声出力部32の両方で行ってもよいことは、言うまでもない。
【0204】
操作者(使用者)は、このエラー報知により、エラーであること(何らかのトラブルがあったこと)を把握することができる。
【0205】
前記ステップS303において、圧力OKと判断した場合には、ポンプ8を停止、すなわち、ポンプ8による前記内腔部52内の空気の吸引を停止する(図15のステップS307)。
【0206】
次いで、一旦、電磁弁26を開いて、前記減圧状態を解除する(図15のステップS308)。なお、このステップS308において減圧状態が解除された後、電磁弁26を再び閉じる。
【0207】
次いで、指先200の表面を穿刺する(図15のステップS309)。
次いで、ポンプ8を作動させ、ハウジング5の内腔部52(チップ13内を含む)内の空気の吸引を開始する(図15のステップS310)。
【0208】
次いで、制御手段11は、測定手段7を駆動し、その測定手段7を介して試験紙18の呈色を監視(モニタ)し、血液が採取されたか否かを判断する(図15のステップS311)。
【0209】
前記ステップS311において、血液が採取されていないと判断した場合には、タイムアップか否かを判断する(図15のステップS312)。
【0210】
前記ステップS312において、タイムアップではないと判断した場合には、ステップS311に戻り、再度、ステップS311以降を実行し、タイムアップと判断した場合には、エラー報知を行ない(図15のステップS313)、また、ポンプ8を停止し、電磁弁26を一旦開いて前記減圧状態を解除し、その電磁弁26を再び閉じる。
【0211】
このステップS313では、エラーであることを、例えば、表示部12に表示、または、音声出力部32により音声で報知する。なお、これを表示部12と音声出力部32の両方で行ってもよいことは、言うまでもない。
【0212】
操作者(使用者)は、このエラー報知により、エラーであること(何らかのトラブルがあったこと)を把握することができる。
【0213】
また、前記ステップS311において、血液が採取されたと判断した場合には、ポンプ8を停止、すなわち、ポンプ8による前記内腔部52内の空気の吸引を停止する(図15のステップS314)。
【0214】
次いで、電磁弁26を開いて、前記減圧状態を解除する(図15のステップS315)。
【0215】
次いで、前記試験紙18の呈色の度合いを測定手段7により測定し、得られたデータに基づき演算処理し、温度補正計算、ヘマトクリット値補正計算等の補正を行い、血糖値を定量化する(図15のステップS316)。
【0216】
次いで、前記算出された血糖値を表示部12に表示する(図15のステップS317)。
【0217】
これにより、血糖値を把握することができる。
なお、前記ステップS315において減圧状態が解除された後、次回の測定に備え、電磁弁26を再び閉じる。
【0218】
この成分測定装置1によれば、前述した第1実施形態の成分測定装置1と同様の効果が得られる。
【0219】
そして、この成分測定装置1では、減圧状態が検出された場合には、一旦、前記減圧状態を解除し、この後、穿刺を行うので、個人差の大きい指先皮膚の堅さから、圧力により膨らむ皮膚の量変化を少なくすることができるので、穿刺深さに関し、より精度の高い穿刺を行うことができる。
【0220】
なお、本発明では、例えば、前記ステップS304およびステップS305が省略されていてもよい。
【0221】
次に、本発明の成分測定装置の第4実施形態を説明する。
図16は、本発明の成分測定装置の第4実施形態における主要部の構成例を示す縦断面図である。なお、前述した第1〜第3実施形態の成分測定装置1との共通点については、説明を省略し、主な相違点を説明する。また、図16中、右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
【0222】
この第4実施形態の成分測定装置1と、前述した第1〜第3実施形態の成分測定装置1とは、減圧解除手段の構成が異なる。
【0223】
すなわち、この成分測定装置1では、図16に示すように、前述した第1〜第3実施形態の成分測定装置1の電磁弁26の代わりに、細管83が設けられている。
【0224】
細管83は、円筒状の部材で構成され、その内部には、オリフィス(流路)831が形成されている。この細管83は、チューブ82の端部に接合(接続)されており、細管83(オリフィス831)の先端は、本体2の外部に開放している。
【0225】
この細管83のオリフィス831は、細径なので空気の通過抵抗が大きい。このようなオリフィス831の径は、特に限定されないが、例えば、0.01〜0.3mm程度であるのが好ましい。また、オリフィス831の長さは、特に限定されないが、例えば、5〜15mm程度であるのが好ましい。オリフィス831の径を前記の範囲内とすることにより、必要かつ十分な空気の通過(流通)抵抗が得られる。
【0226】
前記チューブ(流路)81、82および細管83により、減圧解除手段が構成される。
【0227】
なお、細管83は、図示のものに限定されるものではなく、また、その設置数やオリフィスの数は、必要に応じて、複数としてもよい。
【0228】
この成分測定装置1では、細管83のオリフィス831から流入する外気(大気)の流量より、ポンプ8の作動により吸引される空気の流量の方が大きい(多い)ので、ポンプ8が作動すると、ハウジング5の内腔部52内の空気の吸引がなされ、これにより、内腔部52(チップ13内を含む)は、その圧力が低下し、減圧状態とされる。
【0229】
そして、ポンプ8が停止すると、細管83のオリフィス831、チューブ82、81および通気路54を介して、内腔部52(チップ13内を含む)および穿刺部位210に外気(大気)が流入し、内腔部52(チップ13内を含む)および穿刺部位210の減圧状態が解除される。すなわち、内腔部52(チップ13内を含む)および穿刺部位210は、大気圧に復帰する。
【0230】
この成分測定装置1によれば、前述した第1〜第3実施形態の成分測定装置1と同様の効果が得られる。
【0231】
以上、本発明の成分測定装置を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものに置換することができる。
【0232】
また、前記実施形態では、採取する体液として、血液を代表として説明したが、本発明では、採取する体液は、これに限らず、例えば、汗、リンパ液、髄液等であってもよい。
【0233】
また、前記実施形態では、測定目的とする成分として、ブドウ糖(血糖値)を代表として説明したが、本発明では、測定目的の成分は、これに限らず、例えば、タンパク、コレステロール、尿酸、クレアチニン、アルコール、ナトリウム等の無機イオン等であってもよい。
【0234】
また、前記実施形態では、測定手段は、所定成分の量を測定するものであるが、本発明では、測定手段は、所定成分の性質を測定するものであってもよく、また、所定成分の量および性質を測定するものであってもよい。
【0235】
また、本発明では、血液を採取する際のポンプ8の吸引力、すなわち、穿刺針の収納空間(内腔部52)内の圧力を一定にしてもよく、また、変化(経時的に変化)させてもよい。
【0236】
図17および図18に、血液を採取する際の穿刺針の収納空間(内腔部52)内の圧力パターンを示す。
【0237】
本発明では、例えば、図17に示すように、穿刺針の収納空間(内腔部52)内の圧力を低圧と高圧とに交互に切り替えてもよく、また、図18に示すように、穿刺針の収納空間(内腔部52)内の圧力を漸増させてもよい。この場合、穿刺のタイミングは、特に限定されない。
【0238】
収納空間(内腔部52)内の圧力を変化させることにより、より短時間で、より確実に、測定に必要かつ十分な量の血液を採取することができる。
【0239】
また、前記実施形態では、圧力検出手段として、圧力センサを用いているが、本発明では、これに限らず、この他、例えば、位置センサ等を用いてもよい。
【0240】
圧力検出手段として位置センサを用いる場合には、例えば、ハウジング5に目印を付けておき、本体2の筐体21にフォトインタラプタ等の位置センサを設置することにより、圧力が変化し、ハウジング5がチップ退避機構6に引き込まれると、それを位置センサで検出することができる。
【0241】
また、前記実施形態では、血液の採取を検出する血液採取検出手段と、血液中の所定成分の量を測定する測定手段とを兼用する手段(実施形態では、この手段を「測定手段」と呼んでいる)を設けているが、本発明では、血液採取検出手段と、測定手段とをそれぞれ別個に設けてもよい。
【0242】
また、前記実施形態では、血液採取検出手段として、血液の採取を光学的に検出する手段を用いているが、本発明では、これに限らず、この他、例えば、電気的に検出する手段を用いてもよい。
【0243】
また、本発明では、血液の採取を光学的に検出する血液採取検出手段を用いる場合、前述したような血液中の成分と試薬との反応による試験紙の呈色(発色)を検出するものに限らず、この他、例えば、チップの試験紙に血液を供給する血液通路(血液流路)への血液の導入を検出するものでもよい。
【0244】
この血液通路への血液の導入を検出する場合には、例えば、チップのうちの少なくとも血液通路の近傍を光透過性を有する(透明な)部材で形成し、血液採取検出手段により、その血液通路へ向けて光を照射し、その反射光または透過光を受光し、光電変換し、制御手段により、前記血液採取検出手段からの出力電圧をモニタするように構成する。前記血液通路へ血液が導入されると、その部位の色が略赤黒色に変化し、これにより、その部位からの反射光または透過光の光量が変化し、前記血液採取検出手段からの出力電圧が変化するので、この出力電圧(光量)の変化の検出をもって、血液の採取の検出とする。
【0245】
また、前記血液の採取を電気的に検出する血液採取検出手段としては、例えば、チップの血液通路等のインピーダンスを検出(測定)するセンサ(電極)、バイオセンサ等が挙げられる。
【0246】
前記バイオセンサを用いる場合には、例えば、前記血液通路へ血液が導入されると、そのバイオセンサからの出力電流が変化するので、この出力電流(電流値)の変化の検出をもって、血液の採取の検出とする。
【0247】
また、前記インピーダンスを検出するセンサを用いる場合には、例えば、前記血液通路へ血液が導入されると、そのセンサの電極間のインピーダンスが変化するので、このインピーダンスの変化の検出をもって、血液の採取の検出とする。
【0248】
また、本発明の成分測定装置は、前述したような血液中の成分と試薬との反応により呈色した試験紙の呈色強度を光学的に測定(測色)し、測定値へ換算、表示するものに限らず、例えば、検体中の成分の量に応じて生じる電位変化を電気的に測定し、測定値へ換算、表示するものでもよい。
【0249】
また、前記実施形態では、測定に先立って減圧状態を解除するように構成されているが、本発明では、測定に先立って減圧状態を緩和するように構成されていてもよい。
【0250】
また、本発明では、減圧手段、穿刺手段およびチップ退避機構の作動は、ぞれぞれ、手動で開始するようにしてもよいし、自動で開始するようにしてもよい。
【0251】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、短時間で、体液(例えば、血液等)中の所定成分の測定を確実に行うことができる。
【0252】
特に、表皮を無駄に穿刺してしまうのを防止することができ、これにより、患者の負担を軽減することができる。
【0253】
また、チップに試験紙を設けた場合には、穿刺、血液の採取および試験紙への展開、測定(成分の定量化)を連続的に行うことができ、成分測定を容易かつ短時間で行うことができる。
【0254】
また、使用に際しての準備操作が容易であるため、定期的に使用する場合や繰り返し使用する場合にも有利である。
【0255】
また、一旦穿刺した後、誤って再度生体表面を穿刺する等の事故が防止され、安全性が高い。しかも、穿刺針が直接見えないので、穿刺の際の恐怖感も軽減される。
【0256】
以上のことから、本発明の成分測定装置は、患者自身が自己の血糖値等を測定する際に使用するのに適している。
【0257】
また、本発明の成分測定装置は、構成が簡単、小型、軽量であり、安価で、量産にも適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成分測定装置の第1実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明において使用するチップの構成例を示す縦断面図である。
【図3】第1実施形態の成分測定装置が有する穿刺手段および穿刺手段を内蔵するハウジングの構成例を示す縦断面図(チップをハウジングに装着する前の状態)である。
【図4】第1実施形態の成分測定装置が有する穿刺手段および穿刺手段を内蔵するハウジングの構成例を示す縦断面図(チップをハウジングに装着した状態)である。
【図5】第1実施形態の成分測定装置における主要部の構成例を示す縦断面図(減圧手段および穿刺手段の作動前の状態)である。
【図6】第1実施形態の成分測定装置における主要部の構成例を示す縦断面図(減圧手段の作動時の状態)である。
【図7】第1実施形態の成分測定装置における主要部の構成例を示す縦断面図(穿刺手段の作動時の状態)である。
【図8】第1実施形態の成分測定装置における主要部の構成例を示す縦断面図(穿刺後で、かつ減圧手段の作動時の状態)である。
【図9】第1実施形態の成分測定装置における主要部の構成例を示す縦断面図(チップ退避機構の作動時の状態)である。
【図10】第1実施形態の成分測定装置における主要部の構成例を示す縦断面図(減圧解除手段の作動時の状態)である。
【図11】第1実施形態の成分測定装置における主要部の構成例を示す縦断面図(最終状態)である。
【図12】第1実施形態の成分測定装置の回路構成を示すブロック図である。
【図13】第1実施形態の成分測定装置の制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の成分測定装置の第2実施形態における制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の成分測定装置の第3実施形態における制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の成分測定装置の第4実施形態における主要部を示す縦斜視図である。
【図17】本発明における血液を採取する際の穿刺針の収納空間(内腔部52)内の圧力パターンを示すグラフである。
【図18】本発明における血液を採取する際の穿刺針の収納空間(内腔部52)内の圧力パターンを示すグラフである。
【符号の説明】
1 成分測定装置
2 本体
21 筐体
211 壁部
212 開口
22 蓋体
221 表示窓
222 操作ボタン
223 係止解除部材
23 収納空間
3 指当て部
31 指当て面
4 穿刺手段
41 プランジャ
411 針ホルダ
412 弾性片
413 係止部
42 コイルバネ
43 コイルバネ
5 ハウジング
51 壁部
511 孔
52 内腔部
53 嵌合部
54 通気路
55 シールリング
56 フランジ
57 開口
58 シール部材
59 凸部
591 基端
6 チップ退避機構
61 本体部
611 凸部
62 壁部
621 凹部
622 面
63 内腔部
631 容積可変室
64 シールリング
65 細管
651 オリフィス
7 測定手段
71 発光素子
72 受光素子
8 ポンプ
81、82 チューブ
83 細管
831 オリフィス
9 電池
10 回路基板
11 制御手段
12 表示部
13 チップ
14 穿刺針
141 針体
142 ハブ
143 縮径部
15 第1のハウジング
151 内周面
152 内腔部
153 壁部
154 孔
16 第2のハウジング
161 内腔部
162 先端開口
163 当接部
164 フランジ
165 凹部
166 血液導入ガイド
17 試験紙固定部
18 試験紙
19 血液通路
191 通路開口
192 通路開口
24 増幅器
25 A/D変換器
26 電磁弁
27 圧力センサ
28 ソレノイド
281 プランジャ
29 スイッチ
32 音声出力部
33 メモリ
34 外部出力部
200 指先
210 穿刺部位
220 血液
S101〜S114 ステップ
S201〜S212 ステップ
S301〜S317 ステップ
Claims (11)
- 表皮を介し体液を採取して該体液の成分を測定する成分測定装置であって、
表皮を当てがう当て部と、
前記当て部に表皮を当てがうことにより気密に密閉される空間と、
前記空間を減圧状態にする減圧手段と、
前記空間内に採取された体液中の所定成分の量および/または性質を測定する測定手段と、
前記空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
所定の情報を報知する報知手段とを有し、
前記減圧手段により前記空間の減圧を試み、前記圧力検出手段からの情報に基づいて、前記報知手段により報知を行うよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。 - 穿刺針を備えるチップを装着して使用する成分測定装置であって、
穿刺する表皮を当てがう当て部と、
前記当て部に当てがわれた表皮を穿刺するよう前記穿刺針を作動させる穿刺手段と、
前記穿刺針の収納空間とともに、前記穿刺針による表皮の穿刺部位を減圧状態にする減圧手段と、
前記収納空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記穿刺部位より採取された血液中の所定成分の量を測定する測定手段と、
所定の情報を報知する報知手段とを有し、
前記減圧手段により前記収納空間の減圧を試み、前記圧力検出手段からの情報に基づいて、前記報知手段により報知を行うよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。 - 穿刺針を備えるチップを装着して使用する成分測定装置であって、
穿刺する表皮を当てがう当て部と、
前記当て部に当てがわれた表皮を穿刺するよう前記穿刺針を作動させる穿刺手段と、
前記穿刺針の収納空間とともに、前記穿刺針による表皮の穿刺部位を減圧状態にする減圧手段と、
前記収納空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記穿刺部位より採取された血液中の所定成分の量を測定する測定手段と、
所定の情報を報知する報知手段とを有し、
前記減圧手段により前記収納空間の減圧を試み、前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出されない場合には、前記報知手段によりエラーであることを報知するよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。 - 穿刺針を備えるチップを装着して使用する成分測定装置であって、
穿刺する表皮を当てがう当て部と、
前記当て部に当てがわれた表皮を穿刺するよう前記穿刺針を作動させる穿刺手段と、
前記穿刺針の収納空間とともに、前記穿刺針による表皮の穿刺部位を減圧状態にする減圧手段と、
前記収納空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記穿刺部位より採取された血液中の所定成分の量を測定する測定手段と、
所定の情報を報知する報知手段とを有し、
前記減圧手段により前記収納空間の減圧を試み、前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出されない場合には、前記報知手段により前記当て部に当てがわれた表皮の位置を修正すべきであることを報知するとともに、所定時間経過しても前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出されないときは、前記報知手段によりエラーであることを報知するよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。 - 前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出された場合には、前記穿刺手段により前記穿刺針を作動させるよう構成されている請求項2ないし4のいずれかに記載の成分測定装置。
- 穿刺針を備えるチップを装着して使用する成分測定装置であって、
穿刺する表皮を当てがう当て部と、
前記当て部に当てがわれた表皮を穿刺するよう前記穿刺針を作動させる穿刺手段と、
前記穿刺針の収納空間とともに、前記穿刺針による表皮の穿刺部位を減圧状態にする減圧手段と、
前記収納空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記穿刺部位より採取された血液中の所定成分の量を測定する測定手段とを有し、
前記減圧手段により前記収納空間の減圧を試み、前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出された場合には、前記穿刺手段により前記穿刺針を作動させるよう構成されていることを特徴とする成分測定装置。 - 電気的に駆動する駆動源を備え、該駆動源の駆動により前記穿刺手段の作動を開始させる作動開始手段を有し、
前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出された場合には、前記作動開始手段により前記穿刺手段の作動が開始され、該穿刺手段により前記穿刺針が作動するよう構成されている請求項5または6に記載の成分測定装置。 - 前記穿刺手段は、プランジャと、前記プランジャを先端方向へ付勢する付勢部材とを有する請求項2ないし6のいずれかに記載の成分測定装置。
- 前記プランジャは、その先端方向への移動を規制する係止部を有し、前記付勢部材により付勢された状態で前記係止部の係止を解除することにより先端方向へ移動し、前記穿刺針による穿刺を行う請求項8に記載の成分測定装置。
- 電気的に駆動する駆動源を備え、該駆動源の駆動により前記係止部の係止を解除する作動開始手段を有し、
前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出された場合には、前記作動開始手段により前記係止部の係止が解除される請求項9に記載の成分測定装置。 - 前記圧力検出手段により前記収納空間の減圧状態が検出された場合には、一旦、前記減圧状態を解除し、この後、前記穿刺を行うとともに、前記減圧手段により前記穿刺針の収納空間とともに前記穿刺針による指の穿刺部位を減圧状態にする請求項2ないし10のいずれかに記載の成分測定装置。
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