JP3667581B2 - 車両用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等の車両に装備されるエアバッグ装置の改良に関し、特にエアバッグの展開圧力で開くエアバッグドアの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両運転時に乗員の安全を確保するために、シートベルト装着時の補助拘束装置としてエアバッグ装置が注目されている。このエアバッグ装置は、車両衝突による衝撃をセンサが検出するとインフレータからガスが発生し、エアバッグ収納部に折り畳まれて収納されたエアバッグがガス圧により展開して乗員の身体を受け止め、この時の反力でエアバッグが押されて内部のガスが排出孔から排出され、これによりエアバッグが収縮することで乗員の衝撃を吸収緩和して乗員を保護するようになっている。
【0003】
上記エアバッグは、衝突事故が発生していない非作動状態では、エアバッグドアで覆い隠されて外部から見えないようになっている。このエアバッグドアとして、見栄えを良くする観点から、ドアラインがパネル表面に現れず、エアバッグドアの所在を外部から判らないようにしているいわゆるシームレスタイプのエアバッグドアがある。
【0004】
このようなシームレスタイプのエアバッグドアを備えたエアバッグ装置として、例えば特開平10−203287号公報に開示されているように、インストルメントパネルのコア材にエアバッグ収納部に対応して開口部を形成し、この開口部に独立したコア材を嵌合して補い、当該嵌合コア材部分をエアバッグドアとしてその表面に表皮材側に突出する突条部をドアラインに沿って形成し、車両衝突時に展開するエアバッグの展開圧力を上記嵌合コア材に作用させ、インストルメントパネルの表皮材を上記突条部で破断してエアバッグドアを速やかに開くようにしたエアバッグ装置が知られている。
【0005】
また、別のエアバッグ装置として、例えば特開平10−273005号公報に開示されているように、インストルメントパネルの一部で構成するエアバッグドア裏面にティアラインをドアラインに沿って略H型に凹設して当該ティアラインのパネル部分を薄肉に形成し、車両衝突時に展開するエアバッグの展開圧力でインストルメントパネルを上記ティアラインから破断し易くしたエアバッグ装置も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の両公報例では、突条部の突出量やティアラインの深さについては言及されておらず、エアバッグの展開圧力がエアバッグドア全体に均等に分散されて掛かることになる。エアバッグドアを開け易くするには、同じ展開圧力の場合、展開圧力を上述の如くエアバッグドア全体に均等に分散して掛けるよりも、ある特定の箇所に集中して掛ける方が破断力が強くなって好ましい。特にエアバッグドアを開け易くすることは人命に関わることであることから、万が一の事態を想定して万全を期すことが肝要である。
【0007】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シームレスタイプのエアバッグドアにおいて、ドア部分のパネルをドアラインに沿って瞬時に破断してエアバッグドアを確実にしかも迅速に開かせようとすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、パネル又はそのコア材破断用のティアラインの深さや表皮材破断用の突条部の突出量をドアラインの箇所に応じて変化させたことを特徴とする。
【0009】
具体的には、この発明は、車室内のパネル裏面のエアバッグ収納部に折り畳まれて収納されたエアバッグを車両衝突時に展開させ、上記パネルのエアバッグ収納部を覆う平面視略矩形のパネル部分をエアバッグドアとして当該エアバッグドアを一辺のヒンジ部を支点として上記エアバッグの展開圧力で開き、上記展開したエアバッグで乗員の身体を受け止めて乗員を保護する車両用エアバッグ装置を前提とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記エアバッグドアのパネル裏面には、上記ヒンジ部と略平行な第1ティアラインと、この第1ティアライン両端と上記ヒンジ部両端とに連続する一対の略平行な第2ティアラインとからなるパネル破断用のティアラインが平面視略コ字状に凹設されて当該ティアラインのパネル部分が薄肉に形成され、かつ上記第1ティアラインの略中央部及び両端部では、パネルの厚みが当該第1ティアラインの他の部分のパネルの厚みよりも薄く、上記両第2ティアラインでは、パネルの厚みが上記ヒンジ部側に近づくに従って厚くなっていることを特徴とする。
【0011】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、車両衝突時にエアバッグが展開し、その展開圧力がエアバッグドアに作用する。これにより、ティアライン(第1ティアライン及び両第2ティアライン)に対応するパネルの薄肉部分が破断し、エアバッグドアがパネルから分離する。この際、第1ティアラインの略中央部及び両端部のパネルの厚みは他の部分よりも薄くなっているため、当該部分にエアバッグの展開圧力が強く掛かって当該部分が他の部分に先立って破断し、この破断箇所が破断開始点となって他の部分の破断が促される。したがって、パネルの破断がスムーズにかつ瞬時に行われ、エアバッグドアが確実にしかも迅速に開く。また、両第2ティアラインのパネルの厚みはヒンジ部側に近づくに従って厚くなり、ヒンジ部のところで最も厚くなっているため、非作動時のエアバッグドアの強度を確保することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、上記前提において、上記パネルは、表皮材の裏面側にコア材が設けられてなり、上記エアバッグドアのコア材裏面には、上記ヒンジ部と略平行な第1ティアラインと、この第1ティアライン両端と上記ヒンジ部両端とに連続する一対の略平行な第2ティアラインとからなるコア材破断用のティアラインが平面視略コ字状に凹設されて当該ティアラインのコア材部分が薄肉に形成され、上記エアバッグドアのコア材表面には、上記ヒンジ部と略平行でかつ上記第1ティアラインに近接する第1突条部と、この第1突条部両端と上記ヒンジ部両端とに連続しかつ上記両第2ティアラインに近接する一対の略平行な第2突条部とからなる表皮材破断用の突条部が平面視略コ字状に一体的に立設されて当該突条部先端がパネル表面に接近して配置され、かつ上記第1突条部の略中央部及び両端部では、突出量が当該第1突条部の他の部分の突出量よりも多く、上記両第2突条部では、突出量が上記ヒンジ部側に近づくに従って少なくなっていることを特徴とする。
【0013】
上記の構成により、請求項2に記載の発明では、車両衝突時にエアバッグが展開し、その展開圧力がエアバッグドアに作用する。これにより、ティアライン(第1ティアライン及び両第2ティアライン)に対応するパネルの薄肉コア材部分が破断し、エアバッグドアのコア材がパネルのコア材から分離する。これとほぼ同時に、第1突条部及び第2突条部が表皮材を破断するが、第1突条部の略中央部及び両端部は他の部分よりも高くなっているため、表皮材の厚みが薄く、当該部分にエアバッグの展開圧力が強く掛かって当該部分が他の部分に先立って破断し、この破断箇所が破断開始点となって他の部分の破断が促される。しかも、両第2突条部の突出量はヒンジ部側に近づくに従って少なくなっている。したがって、コア材が破断するや否や表皮材の破断がスムーズにかつ瞬時に行われ、エアバッグドアがバランス良く確実にしかも迅速に開く。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、第1ティアラインの略中央部及び両端部では、コア材の厚みが当該第1ティアラインの他の部分のコア材の厚みよりも薄く、上記両第2ティアラインでは、コア材の厚みが上記ヒンジ部側に近づくに従って厚くなっていることを特徴とする。
【0015】
上記の構成により、請求項3に記載の発明では、第1ティアラインの略中央部及び両端部のコア材の厚みは他の部分よりも薄くなっているため、当該部分にエアバッグの展開圧力が強く掛かって当該部分が他の部分に先立って破断し、この破断箇所が破断開始点となって他の部分の破断が促される。また、これとほぼ同時に、第1突条部及び第2突条部が表皮材を破断するが、第1突条部の略中央部及び両端部は他の部分よりも高くなっているため、表皮材の厚みが薄く、当該部分にエアバッグの展開圧力が強く掛かって当該部分が他の部分に先立って破断し、この破断箇所が破断開始点となって他の部分の破断が促される。したがって、コア材が破断するや否や表皮材の破断がスムーズにかつ瞬時に行われ、しかも、コア材及び表皮材の両破断による相乗効果によってエアバッグドアが一層確実にしかも迅速に開く。また、両第2ティアラインのコア材の厚みはヒンジ部側に近づくに従って厚くなり、ヒンジ部のところで最も厚くなっているため、非作動時のエアバッグドアの強度を確保することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、第1突条部及び両第2突条部は、エアバッグドアのコア材に設けられた金属部材からなることを特徴とする。
【0017】
上記の構成により、請求項4に記載の発明では、金属製の第1突条部及び両第2突条部により、表皮材の破断がより一層確実にかつ迅速に行われる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、エアバッグ収納部は、パネルのコア材とは別部材で当該コア材の開口部に嵌合して取り付けられるエアバッグ収納体からなり、上記エアバッグ収納体は、上記パネルのコア材に取り付けられた状態でその一部を兼ねる嵌合コア材を有し、上記パネルのコア材表面及びエアバッグ収納体の嵌合コア材表面には、表皮材が連続して設けられていることを特徴とする。
【0019】
上記の構成により、請求項5に記載の発明では、エアバッグ収納部がパネルのコア材とは別部材のエアバッグ収納体であるため、エアバッグ収納部がパネルのコア材と一体物である場合に比べて成形型の型構造が簡素になるとともに、エアバッグ収納部をパネルのコア材と異なった材料で成形することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、エアバッグ収納体は、エアバッグが収納される筒部を備え、嵌合コア材は上記筒部上端を覆うように設けられ、上記嵌合コア材の筒部外側方に延出する延出部には、上記コア材の開口部周縁に係止する複数の係止爪が上記筒部に接近して設けられ、ティアラインは、上記嵌合コア材の筒部内側で筒部との境目に凹設れていることを特徴とする。
【0021】
上記の構成により、請求項6に記載の発明では、エアバッグドアが開くとき、ティアラインに作用する力が係止爪と筒部との2点で支持され、支持力が強くなって嵌合コア材のティアラインからの破断が安定して行われる
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0023】
図5〜7はこの発明の一実施形態に係る車両用エアバッグ装置1が適用された車両のインストルメントパネル3を示す。この実施形態では、運転席側方の助手席前方に配置されたフロントエアバッグ装置であり、エアバッグ装置1が車体前方からの衝撃から乗員を保護するようになっているが、車体側方からの衝撃から乗員を保護するためのサイドエアバッグ装置にも適用することができるものである。
【0024】
上記インストルメントパネル3は、オレフィン系樹脂等からなる表皮層5及びその裏面に一体的に接合されたウレタンフォーム等からなるフォーム層7で構成された表皮材4と、この表皮材4の裏面に一体的に接合されたサーモプラスチックオレフィン(TPO)等からなるコア材9とで形成されている。
【0025】
上記インストルメントパネル3の助手席前方に対応する箇所の裏面には、上記エアバッグ装置1が装着されているが、その装着箇所は外部から判らないようになっている。つまり、後述するように、エアバッグ装置1のエアバッグドア21はインストルメントパネル3の一部を構成しており、衝突事故が発生していない非作動状態では、インストルメントパネル3との境界が判らないようになっている。図7中、破線と仮想線とで囲む領域がエアバッグドア21に相当する箇所であり、上記破線はエアバッグドア21のドアラインに沿って形成されたティアライン35、上記仮想線はヒンジ部37であり、ドアラインがパネル表面に出ず、外部から判らないいわゆるシームレスタイプのエアバッグドア21である。
【0026】
上記コア材9のエアバッグ装置1装着箇所には、開口部11が形成され、この開口部11には、上記コア材9とは別部材ではあるが、同じ材質からなるエアバッグ収納部としての筒状のエアバッグ収納体13が、筒部14上端に設けられた複数の係止爪15を開口部11周縁に係止させることで開口部11に嵌合して取り付けられている。上記エアバッグ収納体13の係止爪15側には、エアバッグ収納体13をインストルメントパネル3のコア材9に嵌合して取り付けた状態でその一部を兼ねる嵌合コア材17が筒部14上端を覆うように一体に設けられ、その外側方に延出する延出部17aに上記係止爪15が筒部14に接近して形成されている。上記エアバッグ収納体13は、インストルメントパネル3の成形時に予め成形された上記表皮層5及びコア材9と共に成形型にセットされ、ウレタン発泡原料をキャビティに注入することでインストルメントパネル3と一体的に成形される。図5中、19は、成形時に原料漏れを防止するために開口部11周縁とエアバッグ収納体13の嵌合コア材17(延出部17a)周縁とに跨って貼着されたシールテープである。これにより、エアバッグ収納体13の嵌合コア材17表面には、インストルメントパネル3の表皮層5及びフォーム層7からなる表皮材4が一体的に接合され、インストルメントパネル3のコア材9表面及びエアバッグ収納体13の嵌合コア材17表面には、表皮層5及びフォーム層7からなる表皮材4が連続して設けられている。そして、上記インストルメントパネル3のエアバッグ収納体13を覆う平面視略矩形のパネル部分、つまり、上記嵌合コア材17の延出部17aを除く筒部14内側部分の上記表皮材4及び嵌合コア材17をエアバッグドア21としている。
【0027】
上記エアバッグ収納体13の筒部14下端寄りには、エアバッグケース23が嵌合コア材17との間に空間を形成するように複数の取付具25によって取り付けられ、エアバッグ27が上記エアバッグケース23に折り畳まれて収納され、このエアバッグ27は、上記エアバッグケース23に装着されているインフレータ29の作動によって展開するようになっている。また、上記各各取付具25は、上端の掛合片25aを上記筒部14の長孔14aに筒部中心線方向に移動可能に掛合させている。
【0028】
図1〜3及び図7に示すように、上記エアバッグドア21の嵌合コア材17裏面において筒部14内側で筒部14との境目には、第1ティアライン31と一対の第2ティアライン33とからなるコア材破断用のティアライン35が平面視略コ字状に凹設されて当該ティアライン35の嵌合コア材17部分が薄肉に形成されて脆弱部を構成している。図7中、ティアライン35が描かれておらず仮想線にて示す部分は、エアバッグドア21の前辺であり、当該前辺はエアバッグドア21のヒンジ部37を構成し、エアバッグドア21は当該ヒンジ部37を支点としてエアバッグ27の展開圧力で上方に回動して開くようになっている。上記第1ティアライン31は上記ヒンジ部37と略平行に形成され、上記両第2ティアライン33は第1ティアライン31の両端と上記ヒンジ部37両端とに連続するように形成されている。
【0029】
この発明の特徴の1つとして、上記第1ティアライン31は車幅方向略中央部と、破断方向が変化するコーナー部である両端部とで深く形成され、当該部分の嵌合コア材17の厚みt1が第1ティアライン31の他の部分及び両第2ティアライン33の嵌合コア材17の厚みt2,t3よりも薄くなっている(図1〜3参照)。これにより、第1ティアライン31の車幅方向略中央部及び両端部に対応する嵌合コア材17箇所を他の箇所よりも破断し易くし、かつエアバッグドア21が乗員に対し正面から左右にバランス良く開くようになっている。また、上記第2ティアライン33はヒンジ部37側に近づくに従って浅く形成され、つまり、第2ティアライン33の嵌合コア材17の厚みがヒンジ部37側に近づくに従って厚くなり、ヒンジ部37のところで第2ティアライン33の嵌合コア材17の厚みt3が最も厚くなって非作動時のエアバッグドア21の強度を確保している。さらに、上記嵌合コア材17表面のヒンジ部37両端には、比較的浅い凹部43が形成されてアールが付けられ、エアバッグドア21を開き易くしている(図3参照)。
【0030】
図4にも示すように、この発明の今1つの特徴として、上記エアバッグドア21の嵌合コア材17表面には、上記第1ティアライン31に近接する先端鋭角の第1突条部39と、上記両第2ティアライン33に近接する先端鋭角の一対の第2突条部41とからなる表皮材4破断用の突条部42が平面視略コ字状に一体的に立設されている。上記第1突条部39の車幅方向略中央部と、破断方向が変化するコーナー部である両端部は、その高さh1が当該第1突条部39の他の部分の高さh2及び両第2突条部41の高さよりも高くなって表皮材4に接近し、第1突条部39の車幅方向略中央部及び両端部に対応するフォーム層7が薄くなって第1突条部39と表皮層5との距離が短くなっている(図1〜3参照)。また、上記両第2突条部41はヒンジ部37側に近づくに従って低く形成され、当該部分のフォーム層7の厚みが厚くなっている。これにより、第1突条部39の車幅方向略中央部及び両端部に対応する表皮材5箇所を他の箇所よりも破断し易くし、かつエアバッグドア21が乗員に対し正面から左右にバランス良く開くようになっている。さらに、上記第1突条部39及び両第2突条部41は、フォーム層7の厚みが変わることによりインストルメントパネル3表面にヒケが発生しないように嵌合コア材17表面に対して傾斜角度θが30°未満に設定されている。
【0031】
上述の如く構成されたエアバッグ装置1では、車両の衝突により展開するエアバッグ27の展開圧力を嵌合コア材17の薄肉部分である第1ティアライン31の車幅方向略中央部及び両端部に強く掛けて当該部分を他の部分に先立って破断させ、この破断箇所を破断開始点として他の部分の破断を促すとともに、上記エアバッグ27の展開圧力を薄肉のフォーム層7部分である第1突条部39の車幅方向略中央部及び両端部に強く掛けて当該部分を他の部分に先立って破断させ、この破断箇所を破断開始点として他の部分の破断を促すようにしている。したがって、嵌合コア材17及び表皮材4の破断を共にスムーズにかつ瞬時に行い、エアバッグドア21をヒンジ部37を支点として上方に回動させて確実にしかも迅速に開き、展開したエアバッグ27で乗員の身体を受け止めて乗員を保護することができる。この場合、上記嵌合コア材17及び表皮材5の両破断による相乗効果によってエアバッグドア21が一層確実にしかも迅速に開くことになる。
【0032】
さらに、エアバッグドア21が開くとき、ティアライン35に作用する力を係止爪15と筒部14との2点で支持するので、強い支持力で嵌合コア材17のティアライン35からの破断を安定させることができる。
【0033】
また、筒部14と取付具25との取付箇所に製作誤差や寸法公差のバラツキ等があっても、このこれら製作誤差や寸法公差のバラツキ等を上記筒部14の長孔14aで吸収することができるので、エアバッグケース23を筒部14に適正に取り付けることができる。さらに、嵌合コア材17端部を係止爪15で開口部11周縁に係止させているので、エアバッグドア21が開くとき、嵌合コア材17と延出部17aとをティアライン35を中心にして「く」の字形に折れ曲げ、これにより、取付具25の掛合片25aを筒部14の14a長孔端部に当接させてエアバッグドア反開方向の力を筒部に作用させ、その結果、エアバッグドア開方向の引張り力をティアライン35に急激に作用させ、嵌合コア材17のティアライン35からの破断を一層安定させることができる。
【0034】
加えて、エアバッグ収納部をインストルメントパネル3のコア材9とは別部材のエアバッグ収納体13で構成したので、エアバッグ収納部がインストルメントパネル3のコア材9と一体物である場合に比べて成形型の型構造を簡素なものにすることができ、また、エアバッグ収納体13、コア材9のいずれかを安価な材料で成形することができ経済的である。
【0035】
なお、図8に示すように、横倒しL字形の金属部材45を嵌合コア材17の第1突条部39及び第2突条部41箇所にインサートし、表皮材4を破断し易くしてもよい。図8中、47は、金属部材45を第1突条部39にインサートする際の位置決め用のピン孔である。
【0036】
さらに、図9に示すように、ヒンジ部37を左右両側の2箇所に設け、この両ヒンジ部37間の中央に1本の第1ティアライン31を略平行に設けるとともに、一対の第2ティアライン33を上記第1ティアライン31の両端と上記ヒンジ部37両端とに連続させてティアライン35を形成し、突条部42(第1突条部39及び第2突条部41)を上記ティアライン35(第1ティアライン31及び第2ティアライン33)に沿うように形成して、いわゆる観音開きのエアバッグドア21としてもよい。
【0037】
また、上記第1ティアライン31部におけるパネル又はコア材の厚みは、第1ティアライン31の車幅方向略中央部を最も薄く、その次に両端部(コーナ部)を薄くし、上記車幅方向略中央部と両端部との間が徐々に厚くなるように形成してもよく、あるいは上記第1突条部39の突出量は、車幅方向略中央部を最も高く、その次に両端部(コーナ部)を高くし、上記車幅方向略中央部と両端部との間が徐々に低くなるように形成してもよい。このように形成することにより、エアバッグドア27の展開時に、第1ティアライン31の車幅方向略中央部のパネル(又はコア材)、あるいは第1突条部39の車幅方向略中央部に対応した表皮材4が最も速く破断し、順次両端部へと破断するため、エアバッグドア21をさらに迅速に開くことができる。
【0038】
さらに、上記の実施の形態では、嵌合コア材17にティアライン35と突条部42の双方を設け、各々の深さや突出量を変えて両者の相乗効果により局所的な破断効果を高めるようにしたが、パネルの構造やその全体の厚み、あるいはコア材の厚み等によっては、例えば突条部42の突出量だけを上記実施の形態の如く変え、ティアライン35の深さは全体に亘って均等にするようにしてもよい。また、パネルが上記の実施の形態の三層構造とは異なり、単層構造である場合には、ティアライン35だけでもよい。
【0039】
さらにまた、表皮材4は、上記の実施の形態の二層構造と異なり、単層あるいは三層以上の構造であってもよい。
【0040】
加えて、上記の実施の形態では、エアバッグ収納体13をインストルメントパネル3のコア材9に係止爪15で取り付けるようにしたが、リベット止めやボルト止め等であってもよく、さらには、エアバッグ収納部をインストルメントパネル3のコア材9と一体にしたものであってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、エアバッグドアのパネル裏面又はコア材裏面にヒンジ部と略平行な第1ティアラインと、この第1ティアラインの両端と上記ヒンジ部両端とに連続する一対の略平行な第2ティアラインとからなるティアラインを平面視略コ字状に凹設し、その際、上記第1ティアラインの略中央部及び両端部のパネル又はコア材の厚みを他の部分よりも薄くするか、パネルに表皮材がある場合には、このことに加えて、コア材表面に上記第1ティアラインに近接する第1突条部と、両第2ティアラインに近接する一対の第2突条部とからなる表皮材破断用の突条部を一体的に立設し、第1突条部の略中央部及び両端部を第1突条部の他の部分よりも高くするか、あるいは、上記ティアラインはあるが、それに対応するコア材部分の厚みは均等で、上記突条部の突出量だけ変えるようにした。したがって、第1ティアラインや第1突条部の略中央部及び両端部にエアバッグの展開圧力を集中させて当該箇所を確実に破断し、この破断の影響を他の部分に及ぼしてエアバッグドアを確実にしかも迅速に開くことができる。また、上記両第2ティアラインのパネル又はコア材の厚みをヒンジ部側に近づくに従って厚くしたり、あるいは両第2突条部の突出量をヒンジ部側に近づくに従って少なくすることで、非作動時のエアバッグドアの強度を確保するとともに、エアバッグドアをバランス良く開けることができる。
【0042】
また、エアバッグ収納体の筒部上端を覆う嵌合コア材をパネルの開口部に嵌合させた状態で、筒部外側方に接近した係止爪を開口部周縁に係止させ、上記嵌合コア材の筒部内側で筒部との境目に薄肉のティアラインを形成したので、エアバッグドアが開くとき、ティアラインに作用する力を係止爪と筒部との2点で支持して、強い支持力で嵌合コア材のティアラインからの破断を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図4のA−A線及びB−B線における断面図である。
【図2】 図4のC−C線における断面図である。
【図3】 図4のD−D線における断面図である。
【図4】 エアバッグ収納部の嵌合コア材を表皮材側から見た斜視図である。
【図5】 図6のE部拡大図である。
【図6】 図7のF−F線における断面図である。
【図7】 インストルメントパネルのエアバッグドア部分を示す斜視図である。
【図8】 第1突条部の変形例を示す図1相当図である。
【図9】 ティアラインの変形例をインストルメントパネル表面側から見た正面図である。
【符号の説明】
1 エアバッグ装置
3 インストルメントパネル
4 表皮材
9 コア材
11 開口部
13 エアバッグ収納体(エアバッグ収納部)
14 筒部
14a 長孔
15 係止爪
17 嵌合コア材
17a 延出部
21 エアバッグドア
23 エアバッグケース
25 取付具
25a 掛合片
27 エアバッグ
31 第1ティアライン
33 第2ティアライン
35 ティアライン
37 ヒンジ部
39 第1突条部
41 第2突条部
42 突条部

Claims (6)

  1. 車室内のパネル裏面のエアバッグ収納部に折り畳まれて収納されたエアバッグを車両衝突時に展開させ、上記パネルのエアバッグ収納部を覆う平面視略矩形のパネル部分をエアバッグドアとして当該エアバッグドアを一辺のヒンジ部を支点として上記エアバッグの展開圧力で開き、上記展開したエアバッグで乗員の身体を受け止めて乗員を保護する車両用エアバッグ装置であって、
    上記エアバッグドアのパネル裏面には、上記ヒンジ部と略平行な第1ティアラインと、この第1ティアライン両端と上記ヒンジ部両端とに連続する一対の略平行な第2ティアラインとからなるパネル破断用のティアラインが平面視略コ字状に凹設されて当該ティアラインのパネル部分が薄肉に形成され、
    かつ上記第1ティアラインの略中央部及び両端部では、パネルの厚みが当該第1ティアラインの他の部分のパネルの厚みよりも薄く、上記両第2ティアラインでは、パネルの厚みが上記ヒンジ部側に近づくに従って厚くなっていることを特徴とする車両用エアバッグ装置。
  2. 車室内のパネル裏面のエアバッグ収納部に折り畳まれて収納されたエアバッグを車両衝突時に展開させ、上記パネルのエアバッグ収納部を覆う平面視略矩形のパネル部分をエアバッグドアとして当該エアバッグドアを一辺のヒンジ部を支点として上記エアバッグの展開圧力で開き、上記展開したエアバッグで乗員の身体を受け止めて乗員を保護する車両用エアバッグ装置であって、
    上記パネルは、表皮材の裏面側にコア材が設けられてなり、
    上記エアバッグドアのコア材裏面には、上記ヒンジ部と略平行な第1ティアラインと、この第1ティアライン両端と上記ヒンジ部両端とに連続する一対の略平行な第2ティアラインとからなるコア材破断用のティアラインが平面視略コ字状に凹設されて当該ティアラインのコア材部分が薄肉に形成され、
    上記エアバッグドアのコア材表面には、上記ヒンジ部と略平行でかつ上記第1ティアラインに近接する第1突条部と、この第1突条部両端と上記ヒンジ部両端とに連続しかつ上記両第2ティアラインに近接する一対の略平行な第2突条部とからなる表皮材破断用の突条部が平面視略コ字状に一体的に立設されて当該突条部先端がパネル表面に接近して配置され、
    かつ上記第1突条部の略中央部及び両端部では、突出量が当該第1突条部の他の部分の突出量よりも多く、上記両第2突条部では、突出量が上記ヒンジ部側に近づくに従って少なくなっていることを特徴とする車両用エアバッグ装置。
  3. 請求項2記載の車両用エアバッグ装置において、
    第1ティアラインの略中央部及び両端部では、コア材の厚みが当該第1ティアラインの他の部分のコア材の厚みよりも薄く、上記両第2ティアラインでは、コア材の厚みが上記ヒンジ部側に近づくに従って厚くなっていることを特徴とする車両用エアバッグ装置。
  4. 請求項2記載の車両用エアバッグ装置において、
    第1突条部及び両第2突条部は、エアバッグドアのコア材に設けられた金属部材からなることを特徴とする車両用エアバッグ装置。
  5. 請求項2記載の車両用エアバッグ装置において、
    エアバッグ収納部は、パネルのコア材とは別部材で当該コア材の開口部に嵌合して取り付けられるエアバッグ収納体からなり、
    上記エアバッグ収納体は、上記パネルのコア材に取り付けられた状態でその一部を兼ねる嵌合コア材を有し、
    上記パネルのコア材表面及びエアバッグ収納体の嵌合コア材表面には、表皮材が連続して設けられていることを特徴とする車両用エアバッグ装置。
  6. 請求項5記載の車両用エアバッグ装置において、
    エアバッグ収納体は、エアバッグが収納される筒部を備え、
    嵌合コア材は上記筒部上端を覆うように設けられ
    記嵌合コア材の筒部外側方に延出する延出部には、上記コア材の開口部周縁に係止する複数の係止爪が上記筒部に接近して設けられ、
    ティアラインは、上記嵌合コア材の筒部内側で筒部との境目に凹設れていることを特徴とする車両用エアバッグ装置
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