JP3667407B2 - 遠心成形機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真装置等の転写,搬送などに用いられるエンドレスベルト向け等の環状皮膜を成形する遠心成形機に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置や複写機,プリンタ等の事務機器などには、継ぎ目なしのエンドレスベルトが専ら使われている。
このエンドレスベルト用環状皮膜を造る装置の一つに遠心成形機がある。遠心成形機による製法は、通常、回転駆動軸に取付けられた円筒状の成形型内に液状原料を注入し、その後、該成形型を回転させ、遠心力で成形型内壁に均一な環状皮膜を成形する方法である。
ここで、従来の遠心成形機は、一般に、有底筒状した成形型の底部分を回転駆動軸端に固定して、電動モータで該回転駆動軸を動かし成形型を回転させる構成がとられていた。そして、成形型を加熱炉内に置き、所定温度にコントロールできるようにしていた(特開平5−8237号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来の遠心成形機のように回転駆動軸が成形型を片持ち支持する構造では、成形型の回転フレが問題となりやすく、回転駆動軸と成形型を組み付けた状態で回転フレを一定限度以下(通常±0.005mm以下)にするのに苦労した。
そして、環状皮膜を成形した後、これを取出す際、成形型が加熱炉内にあるので作業がはかどらず、また、危険でもあった。
更に、成形型を取替える場合、回転駆動軸と一緒に取外し交換しなければならず、手間どっていた。
こうした不具合を改善する遠心成形機として、例えば特公平7−10534号公報記載の開示技術がある。ただ、この技術は、回転駆動軸に成形型たるシリンダが一体化されておらず、シリンダを受ける一対の受けロール、加えて、シリンダを押えるシリンダ押えが前後方向に間隔をおいて複数配設しなければならないなど、構造が複雑であった。また、シリンダが受けロール上を滑動することも考えられ、シリンダの回転速度を精度よくコントロールするには不十分であった。
【0004】
本発明は前記問題点を解決するもので、継ぎ目なしのエンドレスベルト用環状皮膜の成形で、シンプルな構造にして、成形型の回転フレをなくすのみならず、成形型の取付け,取外しがすこぶる簡単で、更に、環状皮膜を高精度に仕上げられる遠心成形機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本第一発明の要旨は、継ぎ目なしのエンドレスベルト用環状皮膜を成形する遠心成形機において、軸心を互いに一致させ且つ先端に設けた保持具を相対向させてフレーム上にそれぞれ回転可能に軸支される二つのロータ(1,2)と、該ロータの少なくとも一方を回転駆動させるモータ(3)と、前記ロータの少なくとも一方を進退動可能にする移動手段(4)と、該移動手段で前記ロータ間距離を設定して、二つのロータに係る前記保持具に挟着保持される筒状にして筒内面が成形面となる成形型(5)と、前記ロータ内に挿通し、先端の吐出ノズルを、保持具に挟着保持される該成形型内に配設できる液状原料用配管(6)と、該成形型及び前記保持具を収納してフレーム上に載置され、炉内を加温調節できる加熱炉(8)と、を具備し、前記二つのロータ(1,2)が共に筒体で形成され、一方のロータ内へ送り込んだ気体が成形型内を経由して他方のロータ内を通って排出されるようにし、さらに前記成形型の両端にフランジが出っ張り且つ該フランジ面に成形型の筒内に向かって突き出す鍔が設けられる一方、前記両ロータの先端にラッパ状に口を大きく拡開した前記保持具が一体形成されて、該保持具による挟着状況下で保持具が成形型を包み込むようにして支えることを特徴とする遠心成形機にある。
【0006】
ここで、「吐出ノズル」は液状原料の吐出口を有するものであればよく、液状原料用配管と別体品でも液状原料用配管に兼用させたもののいずれであってもよい。「一方のロータ内へ送り込んだ気体が、成形型内を経由して他方のロータ内を通って排出される」とは、全ての気体が他方のロータ内を通って排出されることまでは要求されず、該気体の半分以上が通過すれば足りる。「液状原料」は、環状皮膜の成形段階で、流動化し成形型に係る型面に展開できるものをいい、注入段階においては液体,固体を問わない。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、移動手段によってロータが進退動し、ロータ先端の保持具で、両サイドから成形型を挟着保持するので、回転フレが起こらない。そして、モータでロータが回転すると、保持具に挟着された成形型も連動して回転するので、その遠心力により成形型内に注入した液状原料を成形型内壁に展開して順当に環状皮膜に成形することができる。更に、環状皮膜の成形後、移動手段を後退させると、成形型が保持具から難なく離れるので、成形型を簡単に加熱炉外へ持ち運びでき、環状皮膜の取外し作業が楽になる。
また、液状原料用配管の吐出ノズルが挟着保持された成形型内に位置するので、成形型の保持具へのセット後、所望の液状原料注入が可能になる。
吐出ノズルを成形型の軸方向に移動可能とすると、その軸方向に液状原料を均等に分配注入できるので、短時間で、成形型内壁に液状原料を展開し易く、膜厚精度の高い環状皮膜を成形できる。
更に、二つのロータを共に筒体で形成し、一方のロータ内へ気体を送り込み、その気体が成形型内を経由して他方のロータ内を通って排出されるようにすると、成形時に発生する樹脂反応ガスを効率よく取除くことができ、製品たる環状皮膜の品質向上に貢献する。また、成形型の加熱,冷却を上記気体を使って効率良く行なえるようにもなる。
一方、成形型を両サイドから保持具で挟着保持するので、回転フレが起こらない。そして、成形型は挟着保持される方法であるので、成形型の取付け,取外しが簡単となる。
成形型及び前記保持具を収納してフレーム上に載置され、炉内を加温調節できる加熱炉を備えると、加熱炉内を所定温度にコントロールして、成形型内に注入した液状原料を成形型回転の遠心力により成形型内壁に展開して環状皮膜に成形できる。さらに、環状皮膜の成形時に樹脂反応ガスが発生し、この樹脂反応ガスが成形段階でそのまま停滞すると、環状皮膜に品質面から悪影響を及ぼすが、二つのロータが共に筒体で形成され、一方のロータ内へ送り込んだ気体が、成形型内を経由して他方のロータ内を通って排出されるようにすると、成形段階で発生した反応ガスを系外へ追い払うように排気できる。樹脂反応ガスは迅速に排除される。
【0009】
さらに、保持具による挟着状況下で保持具が成形型を包み込むようにして支えると、万一挟着力が弱まっても保持具が成形型5を包み込んでおりこれを落とさない。成形型内壁に展開して環状皮膜を成形することになるが、フランジ面に成形型の筒内に向かって突き出す鍔が設けられると、成形型内に液状原料を注入して、鍔は展開した液状原料が型外へ出るのを阻止し、所定膜厚のある環状皮膜を形成する手助けをする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遠心成形機および遠心成形方法の実施形態について詳述する。
図1〜図5は本発明の遠心成形機および遠心成形方法の一形態で、図1は遠心成形機の概略構成断面図、図2は図1の部分拡大断面図、図3は図1のVI−VI線矢視図、図4は図1の右側面図、図5は成形型の拡大断面図である。尚、図1は成形型を取外した状態になっているが、図3では成形型を受け治具に載置した図にしている。
【0011】
(1)遠心成形機の構成
遠心成形機は、ロータ1,2とモータ3と移動手段4と成形型5と液状原料用配管6とを主構成要素とする。符号71は遠心成形機のフレームで、鋳造等で製造されたものである。このフレーム71上に成形型5が収納される加熱炉8を載置する(図1)。加熱炉8の内壁には遠赤外線ヒータ等のヒータ81が取付けられ、炉内を200℃程度まで加温調節できるようにしている。該加熱炉8は、上蓋8aが蝶番82で開閉自在とし、成形型5の収納,取出しを可能にする(図3)。
【0012】
上記加熱炉8の一側壁に接するようにして支持台72がフレーム71上に設置され、ロータ1は、該支持台72に設けた貫通孔にベアリングBを介して回転自在に軸支される(図2)。
ロータ1は筒体からなり、後述する液状原料用配管6が該筒体内を通過できるようにしている。ロータ1先端にはラッパ状に口を大きく拡開した保持具11が一体形成されている。保持具部分は加熱炉8内に配設する。
【0013】
上記ロータ1(以下、「従ロータ」という。)に対し、互いに軸心を一致させ且つ先端に設けた保持具21を保持具11に相対向させた別のロータ2(以下、「主ロータ」という。)が、同じくフレーム71上に回転可能に設けられる。
具体的には、フレーム71上にガイドレール73が敷かれ、該ガイドレール73に支持台74が摺動自在な状態で載り、そして、この支持台74にベアリングBを介して軸心を従ロータ1に一致させた主ロータ2が軸支される(図1)。主ロータ2も筒体からなり、従ロータ1と同様、ラッパ状に口を大きく拡開した保持具21がその先端に一体的に設けられている。該保持具部分も加熱炉内に配設されるようにする。
【0014】
ところで、上記主ロータ2は、基端部が支持台74の背面側に突き出しており、その端部に歯付きプーリ22が固着される。支持台74にはモータ3が載置され、モータ3の軸にも歯付きプーリ31が固着される(図4)。両歯付きプーリ22,31間に歯付きベルトTを掛けることで、主ロータ2を回転駆動させる。ここでは、モータ3にサーボモータを採用し、更に、主ロータ2へサーボモータ3の回転を正確に伝達できるようにしている。尚、図1,図2では、移動手段4を判り易くするため、モータ3周りの図示を省略する。
【0015】
一方、上記歯付きプーリ22を被うようにして、支持台74にカバー体75が固着される。そして、図1に示すように、カバー体75の背面に移動手段4を取付ける。
本実施形態の移動手段4では、該カバー体背面にエアシリンダ41を取付け、更に、エアシリンダ41の背面に送りねじ42を固定し、これに螺合するハンドル43で主ロータ2を進退動可能にする。送りねじ42に雌ねじ部431が螺合するハンドル43は、フレーム71から延設したブラケット76に支持されており、ハンドル43を回せば、送りねじ42が移動し、エアシリンダ41、更に支持台74に載った主ロータ2,サーボモータ3も一緒に移動する構成である。ハンドル操作,エアシリンダ41作動で、支持台74のスライダ741がガイドレール73上を摺動して、主ロータ2は、従ロータ1の軸心に一致させながら進退動する。
尚、上記移動手段4には、図示を省略するが、ハンドル操作を終えた後にハンドル43の動きをロックするラチェット機構がある。
移動手段4たるハンドル操作でロータ間距離Sを設定して、両保持具11,21で成形型5を挟着保持することになるが、ここでは、保持具11,21が成形型5を挟着セットした後、更に、エアシリンダ41を作動させ、ロータ間距離Sを挟めようとする付勢力を働かせて成形型保持の確実化を図っている。そのため、成形型5を取り残して主ロータ2だけが空回りするようなことは生じない。
移動手段4は上記構成に限らず、単にエアシリンダ41等のアクチュエータで主ロータ2を進退動させることもできる。また、前記付勢力を働かせる機構として、バネ等に依存させることも可能である。
【0016】
成形型5は、図5に示すような両端開放の筒状体である。成形型5の筒内面が成形面となる。成形を終えた環状皮膜Rを型面から剥し易いように、成形型内壁5aには例えばテフロン(登録商標)コーティング等が施されている。
成形型5の両端はフランジ51が出っ張り、フランジ外縁は図示のごとくテーパカットされている。テーパカットの角度αは、前述したラッパ形状の保持具11,21の逆テーパ角度βと等しい(図2,図5)。保持具11,21による挟着状況の下、万一挟着力が弱まっても、保持具11,21が成形型5を包み込むようにして成形型5を支え、これを落とさないようにする。
符号53は、フランジ51面に固着され、筒内に向って突き出した円孔板で造られた鍔を示す。成形型5内に液状原料9を注入して、成形型内壁5aに展開して環状皮膜Rを成形することになるが、鍔53は展開した液状原料9が型外へ出るのを阻止し、所定膜厚のある環状皮膜Rを形成する手助けをする。
成形型5の長さLは、主ロータ2の進退動で両保持具11,21に挟着され得る長さであれば、制限がない。また、成形型5の筒径Dはフランジ51面(具体的には、テーパ面)を保持具11,21で挟着でき、且つ、成形型5が加熱炉8内に収納できる範囲内であれば制限がない。
符号77は、フレーム71に取付けられて、成形型5の位置セットに使用する受け治具を示す。成形型5が保持具11,21に挟着されるに先立ち、受け治具77が成形型5を受け支える。受け治具77は支軸771のボルトがフレーム71に固着された止めナット772に螺合して高さ調整できる(図3)。尚、成形型5が回転する時、受け治具77は成形型5から離れた状態になる。
【0017】
液状原料用配管6は、管内に液状原料9が流れる配管である。ここでは、成形時に、従ロータ1の筒体内を縦通し、保持具11の口から出て、炉内にその先端の吐出ノズル61が現われるようにしている。
吐出ノズル61は、単独部品を構成することなく、液状原料用配管6の先端部に代用させてもよい。該吐出ノズル61は、液状原料用配管6を進退動させることによって、保持具11,21に挟着された成形型5内を軸方向に自在移動できる。
【0018】
本実施形態では、更に、カバー体75にエアノズル78が取付けられ、エアノズル78の口は主ロータ2の筒体内に向けられている。成形型5を保持具11,21で挟着した状態で、エアノズル78から空気(気体)を吹込めば、大部分の空気が主ロータ2内,成形型5内を通り、更に従ロータ1の筒体内を通って排出される構成である。
環状皮膜Rの成形時には一般に樹脂反応ガスが発生するが、斯る構成をとることによって、エアノズル78から主ロータ2内にフレッシュエアを送り込み、上記樹脂反応ガスを同伴させて効率よく系外へ排出し得るようになる。
ところで、エアノズル78からの気体はフレッシュエアに限定されず、不活性ガスであってもよい。また、加熱気体にして、ヒータ81の代りに又は併用で成形時温度を高めるのに役立ててもよいし、或いは、冷却気体として、成形後の冷却促進に役立ててもよい。
【0019】
(2)遠心成形方法
次に、上記遠心成形機を使用した遠心成形方法について述べる。
まず、加熱炉8の上蓋8aを開け、受け治具77上に所定の成形型5を載せる(図3参照)。そして、受け治具77で成形型5の高さを調整した後、ハンドル43を回して支持台74がガイドレール73上を摺動するようにし、主ロータ2に係る保持具21を前進させる(図1の鎖線)。保持具21と従ロータ1の保持具11とで成形型5を挟着したら、続いて、エアシリンダ41を作動させ、ロッド411が伸長しようとする付勢力で成形型5を押圧保持して、成形型5,主ロータ2,従ロータ1の一体化を図る(図2参照)。上記受け治具77は、この時点で成形型5から切り離される。
【0020】
次いで、従ロータ1内に液状原料用配管6を侵入させ、その先端の吐出ノズル61を成形型5内に配設する。そうして、成形型内壁5aに吐出ノズル61から液状原料9を所定量注入する(図2)。液状原料9の注入後は、液状原料用配管6は系外へ戻し、且つ、吐出ノズル周りを洗浄し樹脂硬化を防止する。尚、液状原料用配管6は、初めから成形型内に配されるよう、保持具11から炉内に突き出し状態とすることもできる。
本発明に使用する液状原料9は、環状皮膜Rを成形する段階で、ペースト状,ゾル状態を含め液状化したものであればよい。成形型5内に液状原料9が注入される段階においては、液状に限定されず粉末,塊状の固体であってもよい。液状原料9の成分は、遠心成形ができれば特に制限がなく、ポリウレタン樹脂を初めとする熱硬化性樹脂、或いは、熱可塑性樹脂,ゴム等及びこれらの一又は二以上のものと別化合物とを複合したもの全てが対象になる。
上記液状原料9の注入に際しては、吐出ノズル61を成形型5の軸方向に対して自動走行させ均等分配すれば、製品の膜厚精度が上がる環状皮膜Rを得るので、一層好ましくなる。
【0021】
続いて、モータ3を起動させる(図4)。歯付きプーリ22,31,歯付きベルトTを介して主ロータ2が回転駆動し、主ロータ2と一体化した成形型5,従ロータ1も連動回転する。
モータ3の回転条件としては、成形される環状皮膜Rの外径,膜厚及び長さによって異なるが、本遠心成形機ではモータ3としてACサーボモータを搭載しているので、所定条件に自由に適合させ得る。ACサーボモータ3の最高回転数は4500rpmとしている。
【0022】
前記モータ3の起動と相前後して、ヒータ81のスイッチを入れ、加熱炉8内を所定温度にコントロールする。コントロール温度は、通常、150℃〜170℃であるが、液状原料9の種類によっては40℃〜60℃程度のものもある。
こうして、成形型5内に注入された液状原料9が、成形型回転の遠心力により成形型内壁5aに展開して環状皮膜Rに成形されていく(図3)。成形に要する回転,加温時間としては、3分〜10分程度である。
【0023】
ところで、環状皮膜Rの成形時には、一般に樹脂反応ガスが発生する。この樹脂反応ガスが成形段階でそのまま停滞すると、環状皮膜Rに品質面から悪影響を及ぼす。
本実施形態では、成形過程で、エアノズル78からフレッシュエアを送り込んでいる。フレッシュエアは、主ロータ2内を通って成形型5内に入り込み、成形段階で発生した反応ガスを従ロータ1から系外へ追い払うように排気する(図2中の矢印)。
【0024】
こうして、所定の加熱雰囲気の下、液状原料9を硬化促進を図る。そして、環状皮膜Rを成形した段階で、ヒータ81を切り、降温する。また、モータ3を止め、成形型5を静止させる。
降温に対しては、前記エアノズル78から冷却風を送ると、熱移動が円滑に進み成形サイクルを短縮でき、より好ましい状態になる。
【0025】
その後、上蓋8aを開け、エアシリンダ41,ハンドル43を解除し、成形型5を保持具11から取外す(図3)。しかる後、成形型内壁5aに成形された所望の環状皮膜Rが取出されることになる。
【0026】
(3)実施形態の効果
上記実施形態の遠心成形機及び遠心成形方法によれば、移動手段4たるエアシリンダ41,ハンドル43でもって主ロータ2が前進し、成形型5を両サイドから保持具11,21で挟着保持するので、成形型5が回転しても回転フレが起こり難くなる。この回転フレが抑えられることによって、環状皮膜Rの膜厚分布が一様になり品質的に優れた製品に仕上がる。
そして、主従ロータ1,2、移動手段4を使って、成形型5をその両サイドで挟着保持する構成であるので、特段の固定具を用せず、シンプルな構造にして成形型5の取付け,取外しが簡単になる。また、成形を終えた後、加熱炉外へ成形型5を出してから、環状皮膜Rを剥ぎ取ることができるので、従来の加熱炉内と違って、作業が行ない易く且つ安全でもある。
もちろん、成形型5は、従来のごとく回転駆動軸に固定されているのではなく、主従ロータ1,2に着脱自在であるので、成形型5の種類交換はいとも簡単に達成できる。しかも、駆動モータ3にサーボモータを採用しているので、回転数を変え、様々な環状皮膜Rの製造に対応可能となる。こうした型替えの時間短縮も加わって、作業性は格段に向上する。
【0027】
また、液状原料用配管6は、従ロータ1内を経由して、セットされた成形型内に配設できるので、保持具11,21に成形型5が挟着保持された後に液状原料9を成形型内に注入できる。更に、斯る構成であるので、保持具11,21に成形型5が挟着保持されたままで、一の液状原料9の成形後、液状原料用配管6から別異の液状原料9を注入し、二層成形等(積層成形)を円滑になし得るなどの優れた効果もある。
そして、吐出ノズル61を成形型5内で軸方向に移動可能にすれば、成形型5内に液状原料9を均等分配できるので、環状皮膜Rの膜厚精度向上を果たす。もちろん、成形型回転の遠心力による液状原料9の展開にかかる所要時間が少なくて済み、成形時間の短縮にも役立つ。
【0028】
更に、成形時にエアノズル78から主ロータ2内にフレッシュエアを吹込むようにすれば、成形時に発生する樹脂反応ガスを効率よく取除くことができるので、斯る点からも環状皮膜Rの品質向上に貢献する。回転駆動軸の端部で成形型の底部を片持ち支持した従来の遠心成形機にあっては、成形時に開口部から型内にフレッシュエアを送っても、成形型の片面が封鎖されているため、型内の空気置換が容易でなかった。これに対し、本発明では、フレッシュエアがプラークフローのごとく型内を通過していくので、樹脂反応ガスは迅速に排除される。
加えて、前記エアノズル78からは、成形過程で加熱気体を送り込んだり、或いは、成形後の降温過程で冷却気体を送り込んだりして、熱移動に効果的な働きを担わすこともできるなど有益になっている。
【0029】
尚、本発明においては、前記実施例に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。従ロータ1,主ロータ2,モータ3,移動手段4,成形型5,液状原料用配管6,加熱炉8の形状,大きさ,材質等は適宜選択できる。例えば、エアノズル78から成形型5内にフレッシュエアを送り込まなければ、主ロータ21は筒体にするに及ばず、中実形状を採用できる。保持具11,21は成形型5の両サイドを把持する構成にすることもできる。
【0030】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明の遠心成形機は、簡単な構造ながら、成形型の回転フレを抑制するのみならず、成形型の取付け,取外しが簡単で、しかも、高品質の環状皮膜を製造できるなど、生産性向上,品質向上等に多大な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態たる遠心成形機の概略構成断面図である。
【図2】 図1の要部拡大断面図である。
【図3】 図1のVI−VI線の縦断面図である。
【図4】 図1の右側面図である。
【図5】 図1の遠心成形機内に組込まれる成形型の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 主ロータ(ロータ)
2 従ロータ(ロータ)
11,21 保持具
3 サーボモータ(モータ)
4 移動手段
5 成形型
5a 内壁
6 液状原料用配管
61 吐出ノズル
71 フレーム
8 加熱炉
9 液状原料
R 環状皮膜
S ロータ間距離
Claims (1)
- 継ぎ目なしのエンドレスベルト用環状皮膜を成形する遠心成形機において、
軸心を互いに一致させ且つ先端に設けた保持具を相対向させてフレーム上にそれぞれ回転可能に軸支される二つのロータ(1,2)と、該ロータの少なくとも一方を回転駆動させるモータ(3)と、前記ロータの少なくとも一方を進退動可能にする移動手段(4)と、該移動手段で前記ロータ間距離を設定して、二つのロータに係る前記保持具に挟着保持される筒状にして筒内面が成形面となる成形型(5)と、前記ロータ内に挿通し、先端の吐出ノズルを、保持具に挟着保持される該成形型内に配設できる液状原料用配管(6)と、該成形型及び前記保持具を収納してフレーム上に載置され、炉内を加温調節できる加熱炉(8)と、を具備し、前記二つのロータ(1,2)が共に筒体で形成され、一方のロータ内へ送り込んだ気体が成形型内を経由して他方のロータ内を通って排出されるようにし、さらに前記成形型の両端にフランジが出っ張り且つ該フランジ面に成形型の筒内に向かって突き出す鍔が設けられる一方、前記両ロータの先端にラッパ状に口を大きく拡開した前記保持具が一体形成されて、該保持具による挟着状況下で保持具が成形型を包み込むようにして支えることを特徴とする遠心成形機。
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JPH09123194A (ja) | 1997-05-13 |
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