JP3666747B2 - コンベヤ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に建設工事現場に土砂搬送用等として設置するのに適したコンベヤ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設工事現場では、土砂搬送用として無端状のコンベヤベルトを走行させて搬送を行うコンベヤ装置が広く用いられている。
而して従来の通常のコンベヤ装置の場合、搬送方向にフレームを連続的に構成して、その剛構造のフレーム構造体に受ローラを短いピッチ、例えば1mピッチで多数回転可能に取り付け、その受ローラにてコンベヤベルトを支持して走行させる定置(常設)式のものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで建設工事現場では、一定期間して工事が終了するとコンベヤ装置を撤去することが必要であり、更にまた新たな建設工事現場にコンベヤ装置を再び据え付けることが必要である。
しかしながら従来の定置式のコンベヤ装置の場合、もともと一旦据え付けたらそのまま使い続けることを前提として構成されていることから、これを現場に据え付けたり、また一旦据え付けたものをばらして撤去するといったことがなかなか大変であって、その際に多大な手間と時間とを要してしまう。
【0004】
またこの種定置式のコンベヤ装置は、設置場所に不陸があったりすると据付けが困難であるが、建設工事現場は様々な地形をなしていて、不陸があるなどコンベヤ設置の条件も悪く、そのような場所に定置式のコンベヤ装置を据え付けることについては様々な困難を伴っていた。
【0005】
このようなことから、ヘッド部とテール部との間において、例えば10mピッチで中間支柱を立てて、その中間支柱によりコンベヤベルトを要所で部分的に支持してこれを走行させる方式のコンベヤ装置が提案されている。
【0006】
図8はその一例を示したものである。
図中200はヘッド部、202はテール部で、それらの間において中間支柱204が所定間隔ごとに立ててあり、それら中間支柱204によってコンベヤベルト206が懸架式に支持され、そしてそれら中間支柱204に設けられた後述の受ローラ216によって、コンベヤベルト206が支持されつつ図中左右方向に走行するようになっている。
【0007】
この図8に示すコンベヤ装置の場合、搬送方向に連続したフレームを構築してその剛構造体を据え付ける従来の定置式のコンベヤ装置と異なって、据付け及び撤去が容易であり、更にまた据付場所に不陸があっても支障なく据え付けることができ、或いはまた据付場所が様々な地形をなしていても据付けが可能であるといった利点があり、建設工事現場等への仮設用として適したものである。
【0008】
但しこの形態のコンベヤ装置の場合、図9(A)に示すような通常のコンベヤベルト、即ち上カバーゴム210と、下カバーゴム212と、ベルト全幅に亘って内部に埋設された芯体帆布214とを有する通常のコンベヤベルト208を用いると、中間支柱204にて支持される部分、具体的には図9(B)に示しているようにその中間支柱204に備えられた受ローラ216にて支持される部分についてトラフ形状を保ち得るものの(216aは水平ローラ,216bは傾斜ローラ)、中間支柱204と204との間の部分ではコンベヤベルト208が下から支持されないため、図9(C)に示しているようにそれら中間支柱204と204との間の部分でコンベヤベルト208がフラットになってしまい、土砂等を良好に運搬できないといった問題が生ずる。
【0009】
そこでこの形式のコンベヤ装置では、図10(A)に示しているようにコンベヤベルト208の幅方向両端部にワイヤロープ218を締結具220で締結し、中間支柱204と204との間の部分でそれらワイヤロープ218によりコンベヤベルト208の両端部を吊り下げ、これによって中間支柱204と204との間の部分においてもコンベヤベルト208をトラフ形状に保持するようになしている。
【0010】
ところがこのようなワイヤプル式のコンベヤ装置の場合、図10(C)に示しているようにワイヤロープ218が受ローラ216上でコンベヤベルト208の幅方向中心側に滑って下がってしまい、これによりコンベヤベルト208が変形を生じてしまって土砂等の運搬に支障を来すといった問題が内在している。
【0011】
更にまた上記形式のコンベヤ装置の場合、コンベヤベルト208におけるワイヤロープ218との締結部分に局部的に大きな荷重が作用し、このためその連結部分でコンベヤベルト208が早期に損傷し、切断してしまうといった問題も生じていた。
【0012】
またワイヤプル式のコンベヤ装置の場合、ワイヤ付きのコンベヤベルト208の現場での扱いに難点があり、更にまたこのワイヤプル式のコンベヤ装置の場合、コンベヤベルト208の幅方向両端部に設けられるワイヤロープ218を編込みで繋ぐが、その際編み込んだワイヤ長さの精度確保に苦労する問題があった。
またワイヤロープ218によってコンベヤベルト208の屈曲径が制限されるため、可変長ベルトコンベヤ装置に必要なベルトストレージが実際上設置できない問題が生じていた。
【0013】
その他このコンベヤ装置にあっては、コンベヤベルト208が、大きく離れた位置に立てられた中間支柱204で支えられるだけであるため、また各中間支柱204のセンターが必ずしも同一直線上にある訳ではないため、コンベヤベルト208の走行時に左右の無理な力が働くことにより、蛇行を生じ易いといった問題を有していた。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のコンベヤ装置はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、ヘッド部とテール部との間に中間支柱を、該中間支柱同士及び該中間支柱とそれらヘッド部,テール部とを搬送方向に剛構造のフレームで互いに連結することなく独立した形態で立てて、該ヘッド部とテール部とに無端状に巻き掛けたコンベヤベルトを、それらヘッド部とテール部との間の要所において該中間支柱により支持するコンベヤ装置であって、前記コンベヤベルトを上カバーゴムと、下カバーゴムと、内部に埋設された補強用の芯体帆布とを有するものとなすとともに、該芯体帆布の積層数を、該ベルトの幅方向中央部から幅方向両端部にかけて少なくとも3段階に多くして、該コンベヤベルトの剛性をベルトの幅方向中央部から幅方向端部にかけて段階的に高めるとともに、前記中間支柱には該コンベヤベルトをトラフ状に支持する受ローラの保持フレームと、該保持フレームを回動可能に支持する縦の支持軸とを設けて、該保持フレームに、前記コンベヤベルトの進行方向において前記支持軸の後側位置から前側位置にまたがって該コンベヤベルトを幅方向に横切る前記受ローラを、該コンベヤベルトの進行方向の前後方向に複数列に列設し、それら複数列の受ローラ及び保持フレームの前記支持軸周りの一体回動運動に基づく自動調芯機能を該受ローラに備えてあることを特徴とする。
【0015】
請求項のものは、請求項1において、前記受ローラは前記コンベヤベルトの側面に当ってガイドする側面ローラを有しており、該側面ローラごと該受ローラが前記支持軸回りに回動可能となしてあることを特徴とする。
【0016】
【作用及び発明の効果】
上記のように請求項1は、コンベヤベルト(以下単にベルトとする)を、幅方向中央部の剛性に対し幅方向両端部の剛性を大とするように芯体帆布を構成したもので、このようなベルトをコンベヤ装置、即ちヘッド部とテール部との間に中間支柱を立てて、その中間支柱によりヘッド部とテール部との間の要所においてベルトを支持する形式のコンベヤ装置に用いた場合、中間支柱と中間支柱との間において下側から支持されていない部分においてもベルトを良好にトラフ形状に保持することができる。
【0017】
従って本発明によれば、中間支柱と中間支柱との間においてトラフ形状を保持するためにベルトの幅方向両端部にワイヤロープを連結しておかなくても良く、従ってそのワイヤロープとベルトとの連結部分でベルトが損傷ないし破断するといった問題を解決することができる。
【0018】
更にまたワイヤロープを用いる必要がないので、受ローラ上でワイヤロープがベルトの幅方向中心側に滑って寄って(下がって)しまい、これによってベルトが変形を生じてしまうといった問題も解決することができる。
【0019】
加えてワイヤロープを用いる必要がないことから、その他前記した各種問題を解決することができる。
即ち、本発明によればワイヤロープを用いる必要がないことから、従来の通常一般のベルトと同じ簡便さで取扱いを行うことができ、しかもその機能はワイヤプルコンベヤと同等ないしそれ以上に向上することができる。
つまり本発明におけるベルトは、従来の通常一般のベルトを扱う容易さで、一般の定置式のフレームコンベヤ装置に比べ優れた機能を有するワイヤプル式のコンベヤ装置の利点を確保できるものである。
【0020】
また本発明においては、従来の通常一般のベルトと同様に繋ぎを簡便に行うことができる。
更にまた本発明では、一般のベルトと同様にベルトストレージを設けることが可能であり、可変長ベルトコンベヤ装置への展開が容易になる利点が得られる。
【0021】
ここでベルトは、内部に埋設された芯体帆布の積層数をベルトの幅方向中央部よりも幅方向両端部にかけて少なくとも3段階に多くする。これによってベルトの幅方向の剛性を中央部から両端部にかけて段階的に高剛性化することができ
このようにすれば芯体帆布の積層数を変えるだけで容易にベルトの幅方向中央部と両端部とで剛性を異ならせ、幅方向中央部の柔軟性を両端部のそれに比べて高めることができる。そしてこれによりコンベヤベルトのトラフ形状をより良好に保持させ得るようになる。
【0022】
本発明ではまた、コンベヤ装置において、ベルトを幅方向に横切る向きに列設された受ローラを、列ごと縦向きの支持軸回りに回動可能となし、その回動運動に基づく調芯機能を受ローラに備えている
【0023】
この種コンベヤ装置の場合、即ち中間支柱と中間支柱とでその間のベルトを支持する形式のコンベヤ装置の場合、ベルトが走行する際に蛇行運動を起し易く、その程度が激しいとベルトが受ローラから外れてしまう恐れが生ずる。
【0024】
しかしながら本発明のコンベヤ装置の場合、ベルトが受ローラ上で幅方向に移動しようとすると、その移動の力で受ローラ自身が支持軸回りに回動運動し、これを元の位置へと寄せようとする。即ちベルトが移動しようとする方向とは逆方向に受ローラがベルトを戻すように作用する。
【0025】
従ってこのコンベヤ装置によれば、ヘッド部とテール部との間に大きなピッチで中間支柱を立てて、ベルトを要所で支持しただけであっても、ベルトが走行時に蛇行運動するのを良好に抑制することができ、ひいてはベルトによって土砂等の運搬物を良好に搬送できるようになる。
【0026】
ここで受ローラはベルトの進行方向に複数列をなすように中間支柱に設けてお
このようになした場合、幅方向に移動しようとするベルトに対し、これを元に戻そうとする力をより大きく働かせることができる。
即ちベルトの走行軌道の修正力ないし調芯の力をより効果的に発揮させることができ、ベルトの蛇行を更に効果的に抑制することができる。
【0027】
本発明のものはまた、ベルトの進行方向において、回動の中心となる縦向きの支持軸に対し受ローラを前後に隔たった位置に列設しており、ベルトが設定した軌道から外れようとしたときに、これを元に戻そうとする力をより効果的に発揮させることができる。
【0028】
上記受ローラにはベルトの側面に当ってガイドする側面ローラを備えておき、その側面ローラごと受けローラを上記支持軸回りに回動させるようになすことができる(請求項2)。
【0029】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は本例の仮設コンベヤ装置で、12はヘッド部、14はテール部、16はそれらヘッド部12とテール部14とに巻掛状態に架け渡された無端状のコンベヤベルト(以下単にベルトとする)である。
尚16A,16Bはそれぞれベルト16における搬送部,返送部を表している。
【0030】
18はヘッド部12とテール部14との間においてピッチP(ここではピッチP=10m)で立てられた中間支柱で、ベルト16はヘッド部12とテール部14との間において、これら中間支柱18によって要所ごとに支持されて走行する。
尚この例のコンベヤ装置10にあっては、ヘッド部12とテール部14とは約100mの間隔で設置されている。
【0031】
図2にヘッド部12,テール部14及び中間支柱18の具体的構成が示してある。
図2(A)に示しているように、ヘッド部12はフレーム20とベース22とを有している。
フレーム20には駆動ドラム24とモータ26とが取り付けられていて、それらが作動的に連結され、駆動ドラム24がモータ26により回転駆動されるようになっている。
ベルト16はその一端側が駆動ドラム24に巻き掛けられており、その駆動ドラム24の回転により搬送部16Aが図中左方向に、また返送部16Bが図中右方向に走行するようになっている。
【0032】
一方図2(C)に示しているように、テール部14はフレーム28とベース30とを有しており、そのフレーム28にテールドラム32が取り付けられている。
そしてそのテールドラム32に、ベルト16のヘッド部12とは反対側の端部が巻き掛けられている。
このテール部14にはまた、ベルト16上に搬送物を積載するための積載部が設けられていて、その積載部にシュート34と複数の受ローラ36とが短いピッチで多数列設けられている。
【0033】
図2(B)に示しているように、中間支柱18は下部フレーム38と上部フレーム(保持フレーム)40とを有している。
下部フレーム38にはベース42と、ベルト16の返送部16Bに対する押えローラ44とが設けられており、また上部フレーム40には受ローラ36がベルト16の進行方向において3列に設けられている。
【0034】
ここで上部フレーム40は、これに取り付けられた受ローラ36ごと下部フレーム38に対し回動運動可能とされている。
即ち上部フレーム40は、図3及び図4に示しているように縦向きの支持軸46によって、その支持軸46回りに回動可能に支持されている。
【0035】
この上部フレーム40には、ベルト16詳しくは搬送部16Aの下面を支持する受ローラ36がベルト16の進行方向において3列に列設されている。
ここで真ん中の受ローラ36は支持軸46上に位置しており、また前後(図3中左右)の受ローラ36は、これより前後方向に所定距離離隔して位置している。
【0036】
中間支柱18における各受ローラ36は、図4に示しているように中央部の水平ローラ36aと左右一対の傾斜ローラ36bとの3つのローラから成っており、それらローラによってベルト16の搬送部16Aをトラフ形状に保持するようになっている。
【0037】
尚真ん中の受ローラ36については、ベルト16における搬送部16Aの側面に当接してこれをガイドする側面ローラ36cが備えられており、それら側面ローラ36cが、水平ローラ36a及び傾斜ローラ36bとともに支持軸46回りに上部フレーム40と一体に回動運動するようになっている。
尚、図3(B)に示しているように3列の受ローラ36のうち真ん中の受ローラ36は、前後の受ローラ36に対し若干高く配置されている。
【0038】
この中間支柱18における受ローラ36は、それら全体が上部フレーム40とともに支持軸46回りに回動可能である結果、ベルト16がその幅方向に移動しようとしたとき、その回動運動に基づいてこれを元の位置へと押し戻し軌道修正する機能、即ち調芯機能を備えている。
【0039】
即ちベルト16の進行方向が例えば図5において下から上であり且つベルト16が幅方向の右側に移動しようとしたとき、その右向きの力に押されて前後3列の受ローラ36全体が上部フレーム40とともに支持軸46回りに図中左向きに回動運動し、これによってベルト16を図中左方向に押し戻す作用をなして、その軌道を修正する。
【0040】
図6にベルト16の断面構造が具体的に示してある。
同図に示しているようにベルト16は、上カバーゴム48と、下カバーゴム50と、内部に埋設された補強用の芯体帆布52とを有している。
ここで芯体帆布52は、幅方向中央部と両端部とで積層数が異ならせてある。
【0041】
即ちベルト16の中央部(X)には芯体帆布52A,52Bが2層積層状態でベルト全幅に亘って埋設されており、また両端部(Z)においては更に芯体帆布52C,52Dが芯体帆布52A,52Bとともに4層に積層されている。
更に中央部(X)と両端部(Z)との間の中間部(Y)においては、芯体帆布52Cが芯体帆布52A及び52Bとともに3層に積層されている。
【0042】
つまりベルト16の幅方向中央部(X)においては芯体帆布52が2層に、また中央部(X)と両端部(Z)との間の中間部(Y)においては芯体帆布52が3層に、更に両端部(Z)においては芯体帆布52が4層に積層され、芯体帆布52の積層数が中央部の(X)から中間部の(Y)に、更に両端部(Z)にかけて段階的に多くなっている。
【0043】
その結果としてベルト16は、これをトラフ状に曲げ変形する際の剛性が中央部(X)において最も軟らかく、そして中間部(Y)から両端部(Z)にかけて段階的に大となっている。
【0044】
尚この例において、ベルト16は全幅が500mm、上カバーゴム48の厚みが6mm、下カバーゴム50の厚みが3mm、中央部(X)の幅が200mm、中間部(Y)の幅が50mm、両端部(Z)の幅が100mmである。
【0045】
またこの例において上カバーゴム48及び下カバーゴム50としてSBRが用いられており、更に芯体帆布52A,52B,52C,52Dとして、ポリエステルから成る縦糸とポリアミドから成る横糸とを織った帆布1枚当りの引張り強度が125N/mmのものが用いられている(ベルト16全体では400N/mm)。
尚帆布の構成は下記である。
【0046】
【数1】
Figure 0003666747
【0047】
即ちこの芯体帆布52は、撚り本数1本の太さ1670dtex(デシテックス)の縦糸と、撚り本数1本の太さ1400dtexの横糸とを、5cm当り縦糸を84本、横糸を32本打ち込んで成る組織の帆布を用いている。
【0048】
以上のように構成された本例のベルト16は、図7(A)に示しているように中間支柱18の部分で受ローラ36によりトラフ形状に変形させられると、中間支柱18と18との間の部分においても受ローラ36による支持及び拘束がないにも拘わらず良好にトラフ形状を保持する(図7(B)参照)。
【0049】
本例のベルト16の場合、両端部(Z)に比べて中央部(X)が柔軟であり、更にまた中央部(X)から中間部(Y),両端部(Z)にかけて段階的にその剛性が大となっているため、中間支柱18の部分でトラフ形状に変形させられるだけで、中間支柱18と18との間の部分においても良好にそのトラフ形状を保持するのである。
【0050】
そして本例のベルト16の場合、中間支柱18と18との間においてトラフ形状を良好に保持するため、ベルト16の幅方向両端部にワイヤロープを連結しておかなくても良く、従ってそのワイヤロープとベルト16との連結部分でベルト16が損傷ないし破断する問題を生じない。
またワイヤロープを用いる必要がないので、受ローラ36上でワイヤロープがベルト16の幅方向中心側に滑って寄ってしまい、これによってベルト16が変形を生じてしまう問題も生じない。
【0051】
また本例では芯体帆布52の積層数を変えることでベルト16の剛性を幅方向において異ならせているため、幅方向の中央部が柔軟なベルト16を簡単に構成することができる。
加えてその芯体帆布52の積層数は、中央部(X)から両端部(Z)に向って2段階に段階的に異なっていることから、ベルト16を幅方向において全体的に良好な形状のトラフ形状となすことができる。
【0052】
また本例のコンベヤ装置10の場合、ベルト16が蛇行しようとしたときに受ローラ36がその軌道を修正する働きを有しているため、ベルト16を大きく離れた要所でのみ支えた場合であっても、即ち中間支柱18の設置箇所でのみで支えた場合であっても、ベルト16を安定して走行させることができる。
【0053】
しかも中間支柱18において受ローラ36は前後3列に設けられており、特に前列と後列の受ローラ36はそれらの回転中心となる支持軸46に対し前後に距離を隔てた位置に列設してあるため、その支持軸46回りの回動運動に基づいて、ベルト16を正しい軌道方向に戻すための大きな修正力を発揮する特長がある。
【0054】
また受ローラ36、特に前後方向の真ん中位置にある受ローラ36には、ベルト16の側面に当ってガイドする側面ローラ36cが備えてあり、その側面ローラ36cもまた支持軸46回りに回転運動するため、それら側面ローラ36cがベルト16の側面に当ってこれを元の正しい位置へと戻すように強く作用する特長も有している。
【0055】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である仮設コンベヤ装置の全体図である。
【図2】 図1におけるヘッド部,テール部及び中間支柱の構成を具体的に表した図である。
【図3】 同実施例のコンベヤ装置における中間支柱に設けた受ローラをその周辺部とともに示す平面図及び正面図である。
【図4】 図3の受ローラを周辺部とともに示す側面図である。
【図5】 図3に示す受ローラの作用説明図である。
【図6】 図1のコンベヤ装置に用いられているベルトの横断面図である。
【図7】 図6に示すベルトの作用説明図である。
【図8】 従来の仮設コンベヤ装置の一例を示す図である。
【図9】 通常のベルトの横断面構成とその不具合の説明図である。
【図10】 両端部にワイヤロープを連結したベルトをその連結構造とともに示す図及びその不具合の説明図である。
【符号の説明】
10 コンベヤ装置
12 ヘッド部
14 テール部
16 コンベヤベルト
18 中間支柱
36 受ローラ
36c 側面ローラ
40 上部フレーム
46 支持軸
48 上カバーゴム
50 下カバーゴム
52,52A,52B,52C,52D 芯体帆布
(X) 中央部
(Y) 両端部

Claims (2)

  1. ヘッド部とテール部との間に中間支柱を、該中間支柱同士及び該中間支柱とそれらヘッド部,テール部とを搬送方向に剛構造のフレームで互いに連結することなく独立した形態で立てて、該ヘッド部とテール部とに無端状に巻き掛けたコンベヤベルトを、それらヘッド部とテール部との間の要所において該中間支柱により支持するコンベヤ装置であって、
    前記コンベヤベルトを上カバーゴムと、下カバーゴムと、内部に埋設された補強用の芯体帆布とを有するものとなすとともに、該芯体帆布の積層数を、該ベルトの幅方向中央部から幅方向両端部にかけて少なくとも3段階に多くして、該コンベヤベルトの剛性をベルトの幅方向中央部から幅方向端部にかけて段階的に高めるとともに、
    前記中間支柱には該コンベヤベルトをトラフ状に支持する受ローラの保持フレームと、該保持フレームを回動可能に支持する縦の支持軸とを設けて、該保持フレームに、前記コンベヤベルトの進行方向において前記支持軸の後側位置から前側位置にまたがって該コンベヤベルトを幅方向に横切る前記受ローラを、該コンベヤベルトの進行方向の前後方向に複数列に列設し、それら複数列の受ローラ及び保持フレームの前記支持軸周りの一体回動運動に基づく自動調芯機能を該受ローラに備えてあることを特徴とするコンベヤ装置。
  2. 請求項1において、前記受ローラは前記コンベヤベルトの側面に当ってガイドする側面ローラを有しており、該側面ローラごと該受ローラが前記支持軸回りに回動可能となしてあることを特徴とするコンベヤ装置。
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