JP3666490B2 - 電気調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、電気調理器に関し、さらに詳しくは発芽玄米入りの白米を美味しく炊き上げることができる電気調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、精白前の胚芽を有する玄米などを水につけておくと発芽が促進され、γ−アミノ酸という成分が多く含まれるようになることが知られている。このγ−アミノ酸は、脳の血流や高血圧を改善する効果や腎機能や肝機能を改善する効果があることが分かっている。
【0003】
最近の健康志向の高まりから、健康増進に優れた発芽した玄米あるいは分づき米などを発芽させた発芽玄米を食することが行われるようになってきている。
【0004】
上記した発芽玄米は、通常白米に混ぜて炊飯されることが多く、発芽玄米モードを設定した電気調理器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、炊飯工程に先立って胚芽米を発芽させる発芽工程を設け、その後、一定の加熱制御により炊飯を実行することとなっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−245786号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1に開示されている電気調理器の場合、発芽玄米と白米との混合比率に関係なく、一定の加熱制御により炊飯を実行することとなっているため、ユーザは指定された混合比率に従うよりなかった。
【0007】
ところで、ユーザの好みは多様であり、混合比率を自由に選択したいという要求があるが、このような要求は、上記構成の電気調理器では達成できない。
【0008】
本願発明者は、発芽玄米が白米に比べて比重が小さいことから、発芽玄米の混合比率が増大するに従って加熱時における飯器内における対流が促進され、その結果飯器温度の温度変化に違いが生ずることに着目して本願発明をするに至った。
【0009】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、発芽玄米と白米との混合比率を自動的に判定できるようにし、該判定に基づいて炊飯を実行できるようにすることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、お米を収納する飯器と、該飯器を加熱する加熱手段と、前記飯器の温度を検出する温度検出手段とを備え、白米を炊飯する白米炊飯モードと発芽玄米入りの白米を炊飯する発芽玄米炊飯モードとを選択できるように構成した電気調理器において、前記発芽玄米炊飯モードが選択された時には、発芽玄米と白米との混合比率を自動的に判定する比率判定手段と、該比率判定手段により判定された混合比率に応じてその後の前記加熱手段による加熱力を制御する制御手段とを付設している。
【0011】
上記のように構成したことにより、発芽玄米炊飯モードが選択されると、比率判定手段により発芽玄米と白米との混合比率が自動的に判定され、その後の加熱手段による加熱力が制御手段により判定された混合比率に応じて制御されることとなる。従って、発芽玄米と白米との混合比率に応じた加熱力で炊飯を行うことができることとなり、混合比率に応じた美味しいご飯を炊き上げることができる。
【0012】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えた電気調理器において、吸水工程中において炊飯量を判定する合数判定手段を付設するとともに、前記比率判定手段による混合比率の判定を、前記炊飯量とその後の昇温工程初期における前記温度検出手段による検出温度の変化度合いとに基づいて行うこともでき、そのようにした場合、吸水工程で得られた炊飯量とその後の昇温工程初期における検出温度の変化度合いとに基づいて発芽玄米と白米との混合比率を判定できることとなり、より正確な混合比率が得られるし、その後の昇温工程における加熱制御を得られた混合比率に基づいて行うことができる。
【0013】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第2の手段を備えた電気調理器において、前記検出温度の変化度合いを、昇温工程における前記加熱手段の通電時間あるいは通電停止時間の積算値により規定することもでき、そのようにした場合、昇温工程中の所定時間内における加熱手段の通電時間あるいは通電停止時間の積算値を検出することにより、温度検出手段による検出温度の変化度合いを反映することがてきることとなり、発芽玄米と白米との混合比率判定を容易に行うことができる。
【0014】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第4の手段として、上記第1、第2又は第3の手段を備えた電気調理器において、前記制御手段を、前記混合比率における発芽玄米の比率が多い場合には前記加熱手段による加熱力を下げるものとすることもでき、そのようにした場合、発芽玄米の比率が多い炊飯時には、加熱手段による加熱力を下げることにより、じっくりと発芽玄米を炊き上げることができる。
【0015】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第5の手段として、上記第1、第2、第3又は第4の手段を備えた電気調理器において、前記比率判定手段により発芽玄米の比率が所定値以下と判定された場合には、白米炊飯モードによる炊飯に強制的に移行させることもでき、そのようにした場合、発芽玄米の比率が所定値以下の場合(換言すれば、白米のみに近い場合)には、白米炊飯モードにより炊飯実行されることとなり、制御を簡略化することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器について詳述する。
【0017】
この電気炊飯器は、内部に炊飯用の飯器3を収納し得るように構成され且つ空間部4を有する二重構造の炊飯器本体1と、該炊飯器本体1の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体2とを備えている。
【0018】
前記炊飯器本体1は、外側壁となる胴部5aと底壁となる底部5bとを有する合成樹脂の一体成形品からなる外ケース5と、内周壁となる合成樹脂製の有底筒状の保護枠6と、該保護枠6の上端と前記外ケース5の上端とを結合する合成樹脂製の肩部材7とによって構成されており、前記外ケース5、保護枠6および肩部材7に囲まれて前記空間部4が形成されている。なお、前記保護枠6内には、前記飯器3が取り出し可能に収納されることとなっている。
【0019】
前記保護枠6の底面中央部には、飯器温度を検出するための温度検出手段として作用するセンタセンサー8を臨ませるためのセンサー穴9が形成されている。
【0020】
前記センサー穴9を包囲するように炊飯時における加熱手段として作用する環状の電磁誘導コイル(以下、IHコイルという)10が前記保護枠6の底面および該底面から側周面に至る間の湾曲部に対応して配設されている。該IHコイル10は、交番磁界(換言すれば、電磁波)を発生するものであり、該交番磁界の電磁誘導により前記飯器3に誘導渦電流を発生させ、該誘導渦電流の抵抗熱を利用して加熱するものとされている。なお、飯器3は、IHコイル10により誘導渦電流を発生させることのできる材質(例えば、磁性体材料)により構成される。
【0021】
前記IHコイル10は、前記保護枠6の底面に対して固定されたコイルダイ11と前記保護枠6の底面との間に挟持されている。符号12はフェライトコアであり、IHコイル10による磁気が下方に存在する機器に対して影響を及ぼさないように遮閉する作用をなす。
【0022】
前記センサー穴9内には、前記飯器3の底部に対して接触するようにしてセンタセンサー8が設けられている。また、前記保護枠6の側周面には、保温時における加熱手段として作用する保温ヒータ13が取り付けられている。
【0023】
前記炊飯器本体1の底部(即ち、外ケース5の底部5b)には、前記IHコイル10の通電制御を行うためのパワートランジスタおよび整流用ダイオードブリッジ(図示省略)等の電子部品へ冷却風を圧送する電子部品冷却ファン14が配設されている。また、前記炊飯器本体1の底壁(具体的には、外ケース5の底部5b)には、前記電子部品冷却ファン14に対向して空気入口15が形成されている。
【0024】
一方、前記蓋体2は、外面を構成する合成樹脂製の上板16と、内面を構成する合成樹脂製の下板17とによって構成されており、前記上下板16,17に囲まれた空間部18には、断熱材19が配設されている。
【0025】
この蓋体2は、前記肩部材7の一側に形成されたヒンジユニット20を介して炊飯器本体1に対して弧回動自在且つ着脱自在に取り付けられている。
【0026】
そして、前記蓋体2の中央部には、前記上板16から垂設された筒部21が形成されており、該筒部21内には、炊飯時に発生する水蒸気を外部へ排出するための蒸気排出通路22を有するスチームキャップ23が着脱自在に取り付けられている。該スチームキャップ23内には、調圧弁として作用するボール弁24が配設されている。前記スチームキャップ23の下端には、前記蓋体2の閉止時に前記飯器3の開口部3aを密閉するための熱良導体(例えば、アルミ合金)からなる放熱板25が取り付けられている。符号26はスチームキャップ23への蒸気入口、27はスチームキャップ24からの蒸気出口、28は放熱板25に形成された蒸気口、29は放熱板25の周縁と飯器3の開口部3aとの間をシールするシールパッキン、30は放熱板25と蓋体下板17との間をシールするシールパッキンである。
【0027】
前記肩部材7には、肩ヒータ31が設けられており、該肩ヒータ31に対しては、前記蓋体2の閉止時に放熱板25の外周縁が圧接され、放熱板25は肩ヒータ31からの熱伝導により加熱されることとなっている。この肩ヒータ31は、断面逆U字状のヒータリング32と、該ヒータリング32内に配設された発熱体33とからなっている。
【0028】
また、前記蓋体2には、前記放熱板25の内方に位置し、該放熱板25との間に空間部を介在させた状態で前記飯器3の開口部3aより内方に臨ませ且つその外周を前記飯器3の内周面に近接させて支持された熱良導体からなる内蓋34が設けられている。該内蓋34は、前記スチームキャップ23の中心部に下向きに突設された支持軸35に対して着脱自在に嵌着されるシールパッキン36に取り付けられている。
【0029】
前記炊飯器本体1内の側方部位(例えば、ヒンジユニット20側)おける空間部4には、送風ファン37が前記肩部材7に取り付けられた状態で配置されている。該送風ファン37は、スクロールタイプのファンケーシングを有する遠心ファンとされている。
【0030】
前記送風ファン37の吐出口37aには、ダクト38が接続されており、該ダクト38の上端は、前記肩部材7に形成された環状通路39の入口39aに臨まされている。また、前記肩部材7には、前記環状通路39と前記飯器3と前記保護枠6との間に形成される環状の隙間Cの上部とを連通する複数の連通口40が形成されている。つまり、前記送風ファン37からの送風は、前記ダクト38、環状通路39および連通口40を介して前記隙間Cの上部へ供給されることとなっているのである。符号41は前記外ケース5の胴部5aの下部に形成された空気取り入れ口である。
【0031】
前記炊飯器本体1の反ヒンジ側(即ち、蓋体2をロックするロック機構42が設けられている側)における空間部4には、IHコイル10、保温ヒータ13および肩ヒータ31等への通電制御を司る制御ユニットが組み込まれた制御基板43が配設される一方、前記肩部材7における反ヒンジ側(即ち、蓋体2をロックするロック機構42が設けられている側)には、各種操作スイッチ類(例えば、炊飯スイッチ、予約スイッチ等)および表示装置として作用する液晶表示装置を備えた操作パネル部44が設けられている。
【0032】
前記操作パネル部44には、図2に示すように、炊飯キー46、予約キー47、取消キー48、保温キー49、再加熱キー50、メニューキー51、時刻合わせ用の時キー52、時刻合わせ用の分キー53および液晶表示装置54が設けられている。該液晶表示装置54の周辺には、メニュースイッチ51の操作に応じて液晶表示装置54の矢印54aが移動して表示される各種メニュー(「白米」、「早炊き」、「玄米」、「発芽玄米」、「炊込み」、「おこわ」および「おかゆ」)が表示されている。また、この液晶表示装置54には、現在時刻を表示する時刻表示部54bと前記センタセンサー8により検出された飯器温度を表示する温度表示部54cとを備えている。ここで、前記保温スイッチ49は、1回の押圧操作により通常保温が選択され、2回の押圧操作により低温保温が選択されることとなっている。
【0033】
ついで、図3に示す電気回路図に基づいて、本実施の形態にかかる電気炊飯器における電気的構成を説明する。なお、図1および図2に示された各部に対応する部分には同一の参照符号を付して示す。
【0034】
商用交流電源55からの電力は、飯器3の異常加熱を検知して溶断する温度ヒューズ56および整流回路57を経てIHコイル10に供給されるとともに、保温ヒータ13および肩ヒータ31にも供給されることとなっている。符号58は平滑コンデンサ、59は共振コンデンサ、60,61はヒータ駆動回路、62は交流電源55の非接続時に作動する補助電源として作用するバックアップ電池である。
【0035】
前記IHコイル10には、マイクロコンピュータユニット(以下、マイコンと略称する)63からIGBTドライブ回路64を経た指令によりON/OFF制御されるパワートランジスタ65からの制御信号が与えられることとなっている。
【0036】
前記マイコン63は、所定のプログラムに従ってパワートランジスタ65の制御を行い、これによりIHコイル10への通電を制御する。この通電制御は、前記センターセンサ8(図1参照)内に内蔵されたサーミスタ66からの出力信号に基づいて行なわれる。
【0037】
ついで、図4および図5に示すフローチャートを参照して、本実施の形態にかかる電気炊飯器における白米炊飯時および発芽玄米入り炊飯時の炊飯制御について詳述する。
(I) 白米炊飯制御
図4に示すフローチャートを参照して、白米炊飯制御について説明する。
【0038】
ステップS1においてメニューキー51の操作により「白米」がセットされ、炊飯キー46のON操作によりIHコイル10による炊飯がスタートされると、ステップS2において温度センサー8の検出温度Tがマイコン63に入力される。ステップS3において検出温度Tが吸水温度である50℃に達したと判定されると、ステップ4において吸水工程が実行され、その後ステップS5において昇温工程1が実行されるが、該昇温工程1においては同時にステップS6において合数判定(換言すれば、炊飯量判定)が実行される。合数判定は、従来公知の方法(例えば、検出温度が所定温度上昇する間におけるIHコイル10のOFF時間の積算値の大小により「小」、「中」、「大」と判定する方法)により行われる。
【0039】
合数判定が終わると、ステップS7において昇温工程2が実行され、ステップS8において炊上げ工程が実行され、ステップS9においてむらし工程が実行され、その後ステップS10において保温工程に移行する。
【0040】
(II) 発芽玄米炊飯制御
図5に示すフローチャートを参照して、発芽玄米炊飯制御について説明する。
【0041】
ステップS1においてメニューキー51の操作により「発芽玄米」がセットされ、炊飯キー46のON操作によりIHコイル10による炊飯がスタートされると、ステップS2において温度センサー8の検出温度Tがマイコン63に入力される。ステップS3において検出温度Tが吸水温度である50℃に達したと判定されると、ステップ4において吸水工程が実行され、ステップS5において合数判定(換言すれば、炊飯量判定)がなされる。この合数判定は、公知の方法(即ち、吸水工程中における温度調節時の所定時間内のIHコイル10のOFF時間の積算値の大小により合数を「小」、「中」、「大」と判定する方法)により行われる。
【0042】
吸水工程が終了すると、ステップS6において昇温工程1が実行されるが、該昇温工程1の初期においては同時にステップS7において白米と発芽玄米との混合比率判定(後に詳述する)が実行される。
【0043】
比率判定が終わると、ステップS8において昇温工程2が実行され、ステップS9において炊上げ工程が実行され、ステップS10においてむらし工程が実行され、その後ステップS11において保温工程に移行する。
【0044】
上記した発芽玄米炊飯制御時における温度変化、工程変化、IHコイル10の出力制御、保温ヒータ13の出力制御および肩ヒータ31の出力制御は、図6のタイムチャートに示す通りである。
(III) 比率判定制御
図7に示すフローチャートを参照して、比率判定制御について説明する。
【0045】
ステップS1において前回求められたOFF時間積算値TG(即ち、温度センサー8の検出温度が所定時間内におけるIHコイル10のOFF時間積算値)がクリアされ、ステップS2においてm←1とされ、ステップS3において比率判定タイマがスタートされ、ステップS4において1秒タイマがスタートされる。
【0046】
ステップS5において1秒タイマの時限が経過したと判定されると、ステップS6において温度センサー8の検出温度Tと所定温度Tmとの比較がなされ、ここでT<Tmと判定された場合には、ステップS7に進み、IHコイル10がONされるが、T≧Tmと判定された場合には、ステップS8に進み、IHコイル10がOFFされ、ステップS9においてOFF時間が積算される(即ち、TG←TG+1とされる)。この制御は、ステップS10において比較判定タイマの時限が経過したと判定されるまで繰り返される。
【0047】
ステップS10において比率判定タイマの時限が経過したと判定されると、ステップS11においてm←m+1とされる。上記制御は、ステップS12においてm>nと判定されるまで繰り返される。
【0048】
ステップS12においてm>nと判定されると、ステップS13において比率判定区分(後に詳述する)が実行される。つまり、昇温工程初期の所定時間(換言すれば、比率判定タイマの時限)内におけるIHコイル10のOFF時間(即ち、通電停止時間)の積算値(換言すれば、検出温度Tの変化度合い)に基づいて比率判定区分を決定するようになっているのである。なお、昇温工程中の所定時間(換言すれば、比率判定タイマの時限)内におけるIHコイル10のON時間(即ち、通電時間)の積算値あるいは所定時間内における検出温度Tの温度上昇度に基づいて比率判定区分を決定するようにしてもよい。
(IV) 比率判定区分制御
図8に示すフローチャートを参照して、比率判定区分制御について説明する。
【0049】
ステップS1において前述した合数判定により炊飯量(換言すれば、合数)が「大」と判定されたか否かの判定がなされ、ここで肯定判定された場合には、ステップS2、ステップS3およびステップS4において前述した比率判定制御において求められたOFF時間積算値TGとシキイ値C1,C2およびC3との比較がなされる。
【0050】
ところで、前記OFF時間積算値TGは、炊飯量Gおよび発芽玄米の混合比率によって相異することが実験により判明している。例えば、図9に示すように、発芽玄米の混合比率が高くなると、OFF時間積算値TGが小さくなる。このことは、発芽玄米が白米に比べて比重が軽いため、発芽玄米の混合比率が多くなると、飯器3内の対流が促進されることによると考えられる。そこで、炊飯量Gが「小」、「中」、「大」である時それぞれにおいて、シキイ値A1,A2,A3、B1,B2,B3、C1,C2,C3を決定しておくこととしている。
【0051】
ステップS2においてTG<C1と判定された場合には、ステップS5において発芽玄米が多く、白米が少ない混合比率区分とされ、ステップS3においてC1≦TG<C2と判定された場合には、ステップS6において発芽玄米および白米がほぼ等しい混合比率区分とされ、ステップS4においてC2≦TG<C3と判定された場合には、ステップS7において発芽玄米が少なく、白米が多い混合比率区分とされ、その後比率区分制御は終了するが、ステップS4においてTG≧C3と判定された場合には、ステップS8において発芽玄米の混合比率が2割以下(換言すれば、白米のみに極めて近い比率)の混合比率区分とされ、その後白米コース(換言すれば、白米炊飯制御)に移行する。このようにすると、発芽玄米の比率が所定値以下の場合(換言すれば、白米のみに近い場合)には、白米炊飯モードにより炊飯実行されることとなり、制御を簡略化することができる。ステップS2〜ステップS8までは、比率判定区分フローとされる。
【0052】
ステップS1において否定判定された場合には、ステップS9に進み、前述した合数判定により炊飯量(換言すれば、合数)が「中」と判定されたか否かの判定がなされ、ここで肯定判定された場合には、炊飯量が「中」の時のシキイ値B1,B2,B3を用いた比率判定区分フローが実行され、その後比率区分制御は終了する。
【0053】
ステップS9において否定判定された場合(即ち、前述した合数判定により炊飯量が「小」と判定された場合)には、炊飯量が「小」の時のシキイ値A1,A2,A3を用いた比率判定区分フローが実行され、その後比率区分制御は終了する。
(V) 発芽玄米炊飯時の昇温工程2における加熱制御
図10に示すフローチャートを参照して、発芽玄米炊飯時の昇温工程2における加熱制御について説明する。
【0054】
ステップS1において初回か否かの判定がなされ、ここで肯定判定された場合には、ステップS2において前述の合数判定制御で判定された合数判定ランクデータ(即ち、炊飯量「大」、「中」、「小」)がセットされ、ステップS3において前述の比率判定制御で判定された比率判定ランクデータ(即ち、混合比率「多」、「中」、「少」)がセットされ、ステップS4において昇温工程2タイマがスタートされ、ステップS5においてIHコイル10が、X%の出力でONされ、ステップS6において保温ヒータ13がOFFされ、ステップS7において肩ヒータ31がデューティ比=6/16でONされる。ここで、X%とは、図6における昇温工程中のマトリックスにおけるX(a1〜a3)、X(b1〜b3)およびX(c1〜c2)のいずれかである。なお、Xa1<Xa2<Xa3、Xb1<Xb2<Xb3、Xc1<Xc2<Xc3とされる。
【0055】
ステップS1において否定判定された場合には、ステップS5に直接進み、以後の制御が実行される。
【0056】
ついで、ステップS8において昇温工程2タイマの時限が経過しと判定されるか、ステップS9において昇温工程2の到達温度である100℃に到達したと判定された場合には、ステップS10において炊上げ工程がセットされるが、ステップS8およびステップS9において否定判定された場合には、ステップS1へリターンして以下の制御が繰り返される。
【0057】
上記したように、昇温工程2においては、炊飯量および混合比率に対応した加熱力で炊飯実行され、発芽玄米の比率が多い炊飯時には、IHコイル10による加熱力を下げることとなっており、じっくりと発芽玄米を昇温させることができるのである。
(VI) 発芽玄米炊飯時の炊上げ工程における加熱制御
図11に示すフローチャートを参照して、発芽玄米炊飯時の炊上げ工程における加熱制御について説明する。
【0058】
ステップS1において初回か否かの判定がなされ、ここで肯定判定された場合には、ステップS2において前述の合数判定制御で判定された合数判定ランクデータ(即ち、炊飯量「大」、「中」、「小」)がセットされ、ステップS3において前述の比率判定制御で判定された比率判定ランクデータ(即ち、混合比率「多」、「中」、「少」)がセットされ、ステップS4においてIHコイル10が、Y%の出力で且つデューティ比=Z/16でONされ、ステップS5において保温ヒータ13がデューティ比=10/16でONされ、ステップS6において肩ヒータ31がデューティ比=6/16でONされる。ここで、Y%とは、図6における炊上げ工程中のマトリックスにおけるY(a1〜a3)、Y(b1〜b3)およびY(c1〜c2)のいずれかであり、Z/16は、10/16〜8/16、12/16〜10/16あるいは13/16〜12/16のいずれかである。なお、Ya1<Ya2<Ya3、Yb1<Yb2<Yb3、Yc1<Yc2<Yc3とされる。
【0059】
ステップS1において否定判定された場合には、ステップS4に直接進み、以後の制御が実行される。
【0060】
ついで、ステップS7において炊上げ工程の到達温度である130℃に到達したと判定された場合には、むらし工程へ移行されるが、ステップS7において否定判定された場合には、ステップS1へリターンして以下の制御が繰り返される。
【0061】
上記したように、炊上げ工程においては、炊飯量および混合比率に対応した加熱力で炊飯実行され、発芽玄米の比率が多い炊飯時には、IHコイル10による加熱力を下げることとなっており、じっくりと発芽玄米を炊上げることができるのである。
【0062】
上記説明においては、電気炊飯器を実施の形態としているが、本願発明は、電気炊飯器以外の電気調理器であって炊飯が可能なものにも適用可能なことは勿論である。
【0063】
また、上記実施の形態においては、加熱手段としてIHコイルを採用しているが、加熱手段としては電気ヒータ等を採用することもできる。
【0064】
【発明の効果】
本願発明の第1の手段によれば、お米を収納する飯器と、該飯器を加熱する加熱手段と、前記飯器の温度を検出する温度検出手段とを備え、白米を炊飯する白米炊飯モードと発芽玄米入りの白米を炊飯する発芽玄米炊飯モードとを選択できるように構成した電気調理器において、前記発芽玄米炊飯モードが選択された時には、発芽玄米と白米との混合比率を自動的に判定する比率判定手段と、該比率判定手段により判定された混合比率に応じてその後の前記加熱手段による加熱力を制御する制御手段とを付設して、発芽玄米炊飯モードが選択されると、比率判定手段により発芽玄米と白米との混合比率が自動的に判定され、その後の加熱手段による加熱力が制御手段により判定された混合比率に応じて制御されるようにしたので、発芽玄米と白米との混合比率に応じた加熱力で炊飯を行うことができることとなり、混合比率に応じた美味しいご飯を炊き上げることができるという効果がある。
【0065】
本願発明の第2の手段におけるように、上記第1の手段を備えた電気調理器において、吸水工程中において炊飯量を判定する合数判定手段を付設するとともに、前記比率判定手段による混合比率の判定を、前記炊飯量とその後の昇温工程初期における前記温度検出手段による検出温度の変化度合いとに基づいて行うこともでき、そのようにした場合、吸水工程で得られた炊飯量とその後の昇温工程初期における検出温度の変化度合いとに基づいて発芽玄米と白米との混合比率を判定できることとなり、より正確な混合比率が得られるし、その後の昇温工程における加熱制御を得られた混合比率に基づいて行うことができる。
【0066】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第2の手段を備えた電気調理器において、前記検出温度の変化度合いを、昇温工程における前記加熱手段の通電時間あるいは通電停止時間の積算値により規定することもでき、そのようにした場合、昇温工程中の所定時間内における加熱手段の通電時間あるいは通電停止時間の積算値を検出することにより、温度検出手段による検出温度の変化度合いを反映することがてきることとなり、発芽玄米と白米との混合比率判定を容易に行うことができる。
【0067】
本願発明の第4の手段におけるように、上記第1、第2又は第3の手段を備えた電気調理器において、前記制御手段を、前記混合比率における発芽玄米の比率が多い場合には前記加熱手段による加熱力を下げるものとすることもでき、そのようにした場合、発芽玄米の比率が多い炊飯時には、加熱手段による加熱力を下げることにより、じっくりと発芽玄米を炊き上げることができる。
【0068】
本願発明の第5の手段におけるように、上記第1、第2、第3又は第4の手段を備えた電気調理器において、前記比率判定手段により発芽玄米の比率が所定値以下と判定された場合には、白米炊飯モードによる炊飯に強制的に移行させることもでき、そのようにした場合、発芽玄米の比率が所定値以下の場合(換言すれば、白米のみに近い場合)には、白米炊飯モードにより炊飯実行されることとなり、制御を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器の縦断面図である。
【図2】本願発明の実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器における操作パネル部の正面図である。
【図3】本願発明の実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器における制御回路部の結線図である。
【図4】本願発明の実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器における白米炊飯制御のフローチャートである。
【図5】本願発明の実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器における発芽玄米炊飯制御のフローチャートである。
【図6】本願発明の実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器における発芽玄米炊飯時の検出温度変化、工程変化等を示すタイムチャートである。
【図7】本願発明の実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器における発芽玄米の混合比率を判定するための比率判定制御のフローチャートである。
【図8】本願発明の実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器における発芽玄米の混合比率判定区分を判定する比率判定区分制御のフローチャートである。
【図9】本願発明の実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器における昇温工程時の炊飯量に対応したOFF時間積算値の変化およびシキイ値を示す特性図である。
【図10】本願発明の実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器における昇温工程2時の加熱制御のフローチャートである。
【図11】本願発明の実施の形態にかかる電気調理器である電気炊飯器における炊上げ工程時の加熱制御のフローチャートである。
【符号の説明】
3は飯器、8は温度検出手段(温度センサー)、10は電磁誘導コイル(IHコイル)、51はメニューキー、63はマイクロコンピュータユニット(マイコン)。

Claims (5)

  1. お米を収納する飯器と、該飯器を加熱する加熱手段と、前記飯器の温度を検出する温度検出手段とを備え、白米を炊飯する白米炊飯モードと発芽玄米入りの白米を炊飯する発芽玄米炊飯モードとを選択できるように構成した電気調理器であって、前記発芽玄米炊飯モードが選択された時には、発芽玄米と白米との混合比率を自動的に判定する比率判定手段と、該比率判定手段により判定された混合比率に応じてその後の前記加熱手段による加熱力を制御する制御手段とを付設したことを特徴とする電気調理器。
  2. 吸水工程中において炊飯量を判定する合数判定手段を付設するとともに、前記比率判定手段による混合比率の判定を、前記炊飯量とその後の昇温工程初期における前記温度検出手段による検出温度の変化度合いとに基づいて行うことを特徴とする前記請求項1記載の電気調理器。
  3. 前記検出温度の変化度合いを、昇温工程中の所定時間内における前記加熱手段の通電時間あるいは通電停止時間の積算値により規定することを特徴とする前記請求項2記載の電気調理器。
  4. 前記制御手段を、前記混合比率における発芽玄米の比率が多い場合には前記加熱手段による加熱力を下げるものとしたことを特徴とする前記請求項1、2および3のいずれか一項記載の電気調理器。
  5. 前記比率判定手段により発芽玄米の比率が所定値以下と判定された場合には、白米炊飯モードによる炊飯に強制的に移行させることを特徴とする前記請求項1、2、3および4のいずれか一項記載の電気調理器。
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