JP3665524B2 - 光学素子の製造装置および光学素子の製造方法 - Google Patents
光学素子の製造装置および光学素子の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板に光学パターンを一括的に形成するようにした光学素子の製造装置および製造方法に関する。この発明が対象とする光学素子はその表裏両面に何らかの光学パターンを有するものであれば何でもよいが、特には、CD(コンパクトディスク),CD−R(コンパクトディスク-レコーダブル),CD−ROM(リードオンリメモリ),LD(レーザディスク),MD(ミニディスク),DVD(デジタルビデオディスク),DVD−ROM,DVD−RAM(ランダムアクセスメモリ)などの光ディスク/光磁気ディスクに記録されている光情報を光学的に読み取ると共に、フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を生成する光ピックアップに用いられるホログラムが発明の対象となる。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク用の光ピックアップの部品として使用されるホログラム素子は、通常数mm角の大きさのものであり、大型の透明基板上に一括して複数個の光学パターンを形成した後に分断することによって、大量かつ安価に製造される。
【0003】
このホログラム素子には、ホログラムや回折格子(グレーティング)を構成する極めて微細なパターンが精密に形成されている。
【0004】
この微細パターンを形成する方法としては、未公開であるが本出願人によって提案されている2P(フォトポリマ)法を適用した方法がある(特願平11−055281)。この方法は、まず、図7(a)に示すように、透明な下スタンパ340の上に紫外線硬化樹脂302bを塗布する。また、透明基板301の上に紫外線硬化樹脂302aを塗布し、この透明基板301を、下スタンパ340と上スタンパ341の間に挿入する。この上スタンパ341には転写用表光学パターン341aが形成されており、下スタンパ340には転写用裏光学パターン340aが形成されている。
【0005】
次に、図7(b)に示すように、透明基板301を、透明上スタンパ341と透明下スタンパ342とで挟み込んで加圧し、紫外線硬化樹脂302aおよび302bを透明基板301の表面301aと裏面301bに広げる。次に、図7(c)に示すように、上スタンパ341の上方から紫外線を照射して、上記紫外線硬化樹脂302aおよび302bを硬化させる。次に、図7(d)に示すように、上スタンパ341と下スタンパ340を透明基板301から離型させる。
【0006】
これにより、透明基板301の表裏両面に上、下スタンパ341,340の表,裏光学パターン341a,340aが形成される。この光学素子製造方法によれば、透明基板301の表面301aと裏面301bに密着させた紫外線硬化樹脂302aおよび302bに表,裏光学パターン341a,340aを同時に形成でき、短い生産時間と高い生産効率を達成できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記2P法で用いる透明基板301は、矩形形状である必要がある。その理由は、2P成形装置へ基板301を挿入した場合に、基板301が矩形であれば、X,Y,θ方向の位置決めが可能となるからである。また、2P成形後の離型時も、この離型のための基板ハンドリングを容易にするために、基板を矩形形状にする必要がある。
【0008】
しかし、その後の工程であるAR(アンチリフレクション)コート時には、矩形基板の状態では、蒸着槽への投入可能枚数が少なくなるという問題がある。また、蒸着槽内では、ARコート膜を均一化するために、基板のセット方向を蒸着槽の中心に対して放射線状に配置する必要があるので、投入枚数がますます少なくなる問題がある。
【0009】
そこで、この発明の目的は、蒸着槽への基板の投入可能枚数を多くでき、歩留まりの向上とコスト低減を図れる光学素子の製造装置および製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の光学素子の製造方法は、有効領域の周囲に無効領域を設けた多角形基板から、複数の光学素子を一括して製造する光学素子の製造方法であり、
上下動可能な水平円環形状の打ち抜き刃物を、上記多角形基板の表面から所定の非貫通深さだけ貫入させて、円形の非貫通深さの溝を形成し、
上記円形の非貫通深さの溝から深さ方向にクラックを伝播させて上記多角形基板を打抜いた状態とすることで、上記多角形基板から円形の有効領域を、この有効領域と上記無効領域とが隙間なく組み合わさった状態で打抜くことを特徴としている。
【0011】
この発明の製造方法では、多角形基板の有効領域の周囲に無効領域を設けたので、この無効領域を製造工程におけるハンドリング部とすることで、有効領域に対して非接触で光学素子を製造でき、高効率,高品質で光学素子を製造できる。例えば、蒸着槽の中心に対して、有効領域を放射線状に配置する場合に、円形の有効領域であれば、任意の方向にセットでき、かつ、どのような方向にセットしたとしても蒸着槽への投入枚数が変わらないという利点がある。
【0012】
また、一実施形態の光学素子の製造方法は、上記矩形基板の有効領域を円形としている。
【0013】
この一実施形態では、上記矩形基板の有効領域を円形としたから、配置に関する方向性をなくすることができ、製造がやり易くなる。
【0014】
また、他の実施形態の光学素子の製造方法は、上記矩形基板の有効領域を円形に打抜いて、この円形に打ち抜いた有効領域に光学素子を作製する。
【0015】
この実施形態では、矩形基板を打抜いて、上記矩形基板の有効領域を、この有効領域よりも小さな円形の有効領域に打ち抜いて、この円形有効領域に光学素子を作製するので、打抜き作業を効率よく行えるとともに、打抜き用の刃物が円形になるから、有効領域に対する位置合せが容易になる。
【0016】
また、一実施形態の光学素子の製造方法は、打ち抜き刃物を、上記矩形基板の表面から所定の非貫通深さだけ貫入させて、円形の非貫通深さの溝を形成し、
上記円形の非貫通深さの溝からクラックを伝播させて、上記矩形基板から円形の有効領域を打抜く。
【0017】
この実施形態では、矩形基板から円形有効領域を打抜くに際し、円形の非貫通深さの溝からクラックを伝播させることによって、矩形基板から円形有効領域を打ち抜いているので、円形の有効領域は、その周囲の無効領域に対して上記クラックを境として密接に組合わさることとなる。したがって、この打ち抜き状態においても、円形の有効領域が無効領域から外れてしまうことなく、無効領域をハンドリング部として、有効領域をキズ付けることなく、矩形基板を搬送できる。
【0018】
また、他の実施形態の製造装置は、有効領域の周囲に無効領域を設けた複数の矩形基板から、複数の光学素子を一括して製造する光学素子の製造装置であって、上記矩形基板の上下面に配置される上下動可能な円形刃物を駆動して、上記矩形基板から円形の有効領域を打ち抜くこと。
【0019】
この実施形態の製造装置では、上記矩形基板の上下に配置された円形刃物で、上記矩形基板を噛むことによって、矩形基板の上下両面から円形刃物を食い込ませるから、上下面における円形有効領域の輪郭を合致させることができる。その上、上記上下両面から略均一な力が加わることとなるので、打抜きによる歪やバリも最小限にすることができる。
【0020】
また、一実施形態の光学素子の製造方法は、上記矩形基板の外周から上記円形の非貫通深さの溝に達する分離用溝を形成し、上記分離用溝を開くように、上記分離用溝の両側の無効領域を開いて、上記矩形基板から上記円形の有効領域を分離する。
【0021】
この実施形態では、上記分離用溝を形成するから、上記分離用溝の両側の無効領域を開いて、分離用溝を広げることで、矩形基板から円形有効領域を容易に取り出すことができる。
【0022】
また、他の実施形態は、有効領域の周囲に無効領域を設けた複数の矩形基板から、複数の光学素子を一括して製造する光学素子の製造装置であって、上記矩形基板の上下面に配置され、上記矩形基板に円形の非貫通溝を形成する上下動可能な円形刃物と、上記円形刃物の外側に配置され、上記矩形基板の外周から上記円形の非貫通深さの溝に達する分離用溝を形成する上下動可能な分離用刃物とを備える。
【0023】
この実施形態では、上下動可能な円形刃物で円形の非貫通溝を形成すると同時に、上下動可能な分離用刃物で分離用の溝を形成することができるので、製造効率の向上を図れる。
【0024】
また、一実施形態の光学素子の製造方法は、上記有効領域と上記無効領域の境界に段差を形成して、この段差を、上記矩形基板の有効領域を円形に打ち抜くときの位置決めの基準とする。
【0025】
この実施形態では、上記有効領域と上記無効領域の境界に段差を形成するから、有効領域と無効領域の境界を認識し易くなり、かつ、この段差を打抜きの位置決め基準とすることで、打抜き作業がやり易くなる。
【0026】
また、他の実施形態は、有効領域の周囲に無効領域を設けた複数の矩形基板から、複数の光学素子を一括して製造する光学素子の製造装置であって、
上記有効領域と上記無効領域の境界に段差を形成し、
この段差を、認識手段で認識して位置決めの基準とし、上記矩形基板の上下面に配置される上下動可能な円形刃物を駆動して、上記矩形基板から円形の有効領域を打ち抜く。
【0027】
この実施形態の製造装置は、有効領域と無効領域の境界に段差を形成し、この段差を、認識手段で認識して位置決めの基準とするから、その後の打抜き位置を正確にできる。
【0028】
また、一実施形態の光学素子の製造装置は、基材の表側と裏側に配置した樹脂を、この基材の上下に配置したスタンパで挟んで押し広げ、上記樹脂と上記基材からなる有効領域と、上記基材だけからなる無効領域と、この無効領域と上記有効領域との境となる段差とを形成する。
【0029】
この実施形態では、基材の上下に配置したスタンパで、基材の表と裏に配置した樹脂を挟んで押し広げることで、有効領域と無効領域の境となる段差を容易に形成できる。
【0030】
また、他の実施形態の光学素子の製造方法は、有効領域の周囲に無効領域を設けた複数の多角形基板から、複数の光学素子を一括して製造する。
【0031】
この実施形態では、多角形基板の有効領域の周囲に無効領域を設けたので、この無効領域を製造工程におけるハンドリング部とすることで、有効領域に対して非接触で光学素子を製造でき、高効率,高品質で光学素子を製造できる。この多角形基板は、四角形基板であってもよく、六角形基板や八角形基板であってもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態に基いて詳細に説明する。
【0033】
図1に示す矩形基板10は、円形の有効パターン部11と、この有効パターン部11の周囲の無効パターン部12とからなる。この矩形基板10は、上記無効パターン部12をハンドリング部とすることができる。
【0034】
したがって、図7に示すように、上スタンパ341と下スタンパ340とを備えた2P装置を用いて、矩形基板10に2P法で微細パターンを形成する際に、有効パターン11にキズを付けること無く2P装置内に基板10を搬入できる。また、有効パターン11にキズを付けること無く2P装置外に基板10を搬出できる。つまり、上記2P法でのパターニングにおいて、2P装置への基板10の供給から、パターニングを完了した基板10の2P装置外への排出までの一連の作業の間、有効パターン11に接触すること無く、光学素子を製造できる。
【0035】
また、上記矩形基板10から有効パターン部11を打ち抜く作業(後述)時にも、上記無効パターン部12をハンドリング部として扱えるので、円形の有効パターン部11に対して非接触で矩形基板10を搬送でき、打ち抜き作業によって円形の有効パターン部11にキズを付けることがない。
【0036】
上記矩形基板10から有効パターン部11を打ち抜くには、図3に示す打抜き装置100を用いる。この打抜き装置100は、搬送部103に矢印Z方向にスライド自在に載置されたダイセット下ベース42とこのダイセット下ベース42上に取り付けた下刃物部102を備える。また、この打ち抜き装置100は、上記下刃物部102をまたぐように土台109に取り付けられた加圧部105を備える。この加圧部105は、上下(矢印X)方向に昇降自在になっている。この加圧部105の下側には上刃物部101が取り付けられている。この上刃物部101は上記下刃物部102に向かい合っている。この下刃物部102は基板吸着板45を有し、この基板吸着板45上に上記矩形の光学基板10が載置される。この基板吸着板45に載置された矩形基板10は、加圧部105が下方へ降下したときに、上下両側から上刃物部101の上刃物と下刃物部102の下刃物とで挟まれることとなる。
【0037】
また、この打ち抜き装置100は、上記搬送部103のスライド端付近の上方に配置されたCCDカメラ50を有し、このCCDカメラ50に画像処理装置51が接続されている。このCCDカメラ50と画像処理装置51が画像認識部104を構成している。この画像認識部104は、図3において仮想線で示す位置までスライドした打抜き対象基板10と下刃物部102の位置を計測する。
【0038】
図4(a),(c)に示すように、上刃物部101は、ダイセット上ベース41と4本のダイセットポール43と上刃物ブロック31から構成されている。上刃物ブロック31は、矩形の刃物ベース23上に配置された円形刃物20と基板分割刃物22を有する。この基板分割刃物22は、刃物ベース23の外周縁の1辺から円形刃物20に達する真っ直ぐな刃物である。
【0039】
一方、図4(b),(d)に示すように、下刃物部102は、ダイセット下ベース42上に固定された下刃物ブロック32を有する。この下刃物ブロック32はXYZステージ46を有し、このXYZステージ46はZ方向に対向して配置された1対の基板吸着板45,45を、図に示すX,Y,Z方向に移動させることができる。また、このダイセット下ベース42の四隅には4本のダイセットポール43用ブッシュ44が固定されている。また、下刃物ブロック32は、上刃物ブロック31と同様に、矩形の刃物ベース25上に配置された円形刃物21と基板分割刃物24を有する。図4(a),(c)と図4(b),(d)を参照すれば分かるように、上刃物ブロック31の円形刃物20,分割刃物22は、下刃物ブロック32の円形刃物21,分割刃物24に対向して配置されるようになっている。
【0040】
次に、上記打ち抜き装置100を用いて、上記矩形基板10を打ち抜く方法を説明する。
【0041】
図1に示す矩形の光学基板10の無効パターン部12をハンドリングして、図3に示すように、下刃物部102のXYZステージ46上に配置した吸着板45上に光学基板10を搭載し、図示しない真空源により吸着固定する。
【0042】
この搭載した矩形基板10は、図3の仮想線位置に搬送されて、画像処理部104のCCDカメラ50で円形刃物21と基板10とが撮像される。そして、円形刃物21の円形部の重心位置と搭載した矩形基板10の円形の有効パターン部11の重心位置を画像処理装置51によって計測し、この2つの重心位置の位置ずれ量を算出する。そして、この位置ずれ量に基いて、XYZステージ46のZ,Y軸を駆動することで、基板吸着板45を矩形の刃物ベース25に対してスライドさせ、矩形基板10の有効パターン部11の重心位置を円形刃物21の重心位置に一致させる。次に、XYZステージ46のX軸を駆動して、基板吸着板45と一緒に矩形基板10を降下させ、矩形基板10を円形刃物21に接触させる。
【0043】
次に、下刃物部102を、図示しない駆動源によって、搬送部103に沿って、Z方向に移動させ、下刃物部102を上刃物部101の下方に位置させる。
【0044】
次に、加圧部105の駆動源(図示せず)によって、上刃物部101を下降させ、ポール(ストッパ)43で停止させる。この上刃物部101の下降停止位置は、矩形基板10に円形刃物20,21が上下から所定の寸法だけ食込み、かつ、基板分割刃物22,24も矩形基板10に所定寸法だけ食い込む位置にする。この動作によって、図5(a),図5(b)に示すように、矩形基板10に、上,下の円形刃物20,21による円形の非貫通溝71,72および分割刃物22,24による直線の非貫通溝73,74が形成される。さらには、上,下の円形刃物20,21および分割刃物22,24の先端を起点として、深さ方向にクラックが伝播する。これにより、矩形基板10から有効パターン部11の有効領域11aが打ち抜かれたことになる。
【0045】
次に、上刃物部101が図示しない駆動源によって上昇させられ、下刃物部102が、搬送部103によって、図3において右手(Z方向)に移動して打抜き動作を完了する。
【0046】
この打抜き装置100は、図5(a)に示すように、矩形基板10の有効パターン部11を、この有効パターン部11よりも小さな円形領域11aに打ち抜いて、この円形領域11aから光学素子を作製するので、打抜き作業を効率よく行える。また、打抜き用の刃物20,21が円形であるから、有効パターン部11に対する位置合せが容易になる。また、この打抜き装置100は、上記矩形基板10の上下に配置された円形刃物20,21で、矩形基板10を噛むことによって、矩形基板10の上下両面から円形刃物20,21を食い込ませるから、上下面における円形有効パターン部11の円形領域11aの輪郭を合致させることができる。その上、上記上下両面から略均一な力が加わることとなるので、打抜きに起因する歪やバリも最小限にすることができる。
【0047】
また、この光学素子の製造方法では、図5に示すように、有効パターン部11と無効パターン部12の境界に段差81,82が形成されているので、有効パターン部11と無効パターン部12との境界をCCDカメラ50で認識し易くなり、かつ、この段差81,82を打抜きの位置決め基準とすることで、打抜き作業がやり易くなる。図5(a)に示すような段差81,82は、たとえば、基材90の表と裏に配置した樹脂を、図7に示すような上,下スタンパ341,340で挟んで押し広げることで形成した樹脂槽91,92と基材90との段差として形成できる。
【0048】
そして、上記矩形基板10の無効パターン部12をハンドリングして、矩形基板10を、上記基板打抜き装置100の外へ排出する。このとき、図5(a),(b)に示すように、基板10の有効パターン部11は無効パターン部12からクラック伝播で打ち抜かれた状態になっているが、このクラックを境として隙間なく組み合わさっている。したがって、無効パターン部12をハンドリングしても有効パターン部11の円形領域11aが無効パターン部12から外れてしまうことがない。
【0049】
次に、円形の有効パターン部11の領域11aがクラックを境として無効パターン部12に組合わさった基板10において、図6(a),(b),(c)に示すようにして、円形の有効パターン部11の円形領域11aを取り出す作業が行われる。すなわち、図6(a)に示すように、無効パターン部12の直線溝73(74)を挟んで対向する1対の隅部12A,12Bを左右の手でつまみ、白抜き矢印で示すように、左右方向に引張ることによって、無効パターン部12の隅部12Aと隅部12Bを開き、図6(b)に示す無効パターン部12から図6(c)に示す有効パターン部11aを取り出すことができる。
【0050】
このように、有効パターン部11の円形領域11aを一度もハンドリングすること無く、矩形の光学基板10から有効パターン部11の円形領域11aだけを取り出すことが可能となる。
【0051】
次に、図2(b)に示すように、この光学基板10から取り出した円形の有効パターン部11の円形領域11aを、円形ドーム1のドーム中心2に関して放射線状に複数個配置し、この複数個の円形有効パターン部11,11…の円形領域11a,11a…に反射防止膜であるAR(アンチリフレクション)コートを蒸着して、円形有効パターン部11の円形領域11aを光学素子として製品化する。上記放射線状配置は、蒸着膜厚の均一性を確保するために必要である。
【0052】
この実施形態では、ハンドリングでキズ付けられることなく形成された円形の有効パターン部11の円形領域11aを、図2(b)に示すように、蒸着用円形ドーム1内に周方向に密に配置できるから、蒸着ドーム1内での取れ数がアップし、製造コストの低減につながる。また、矩形基板10から円形の有効パターン部11だけを取り出すから、蒸着の無駄がなく、製造コストを低減できる。
【0053】
これに対し、図2(a)に示すように、矩形基板10のままで、蒸着を行う場合には、蒸着ドーム1内への配置個数が少なくなる上に、無効パターン部12にも蒸着を行うことになるから、取れ数が少ない上に、蒸着の無駄が発生し、製造コストがアップする。
【0054】
尚、上記実施の形態では、光学基板10を矩形としたが、五角形以上の多角形の基板としてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の光学素子の製造方法は、有効領域の周囲に無効領域を設けた多角形基板から、光学素子を製造する。この発明の製造方法では、多角形基板の有効領域の周囲に無効領域を設けたので、この無効領域を製造工程におけるハンドリング部とすることで、有効領域に対して非接触で光学素子を製造でき、高効率,高品質で光学素子を製造できる。例えば、蒸着槽の中心に対して、有効領域を放射線状に配置する場合に、円形の有効領域であれば、任意の方向にセットでき、かつ、どのような方向にセットしたとしても蒸着槽への投入枚数が変わらないという利点がある。
【0056】
また、一実施形態の光学素子の製造方法は、上記矩形基板の有効領域を円形としたから、配置に関する方向性をなくすることができ、製造がやり易くなる。
【0057】
また、他の実施形態の光学素子の製造方法は、上記矩形基板の有効領域を円形に打抜いて、この円形に打ち抜いた有効領域に光学素子を作製するので、打抜き作業を効率よく行えるとともに、打抜き用の刃物が円形になるから、有効領域に対する位置合せが容易になる。
【0058】
また、一実施形態の光学素子の製造方法は、矩形基板から円形有効領域を打抜くに際し、円形の非貫通深さの溝からクラックを伝播させることによって、矩形基板から円形有効領域を打ち抜いているので、円形の有効領域は、その周囲の無効領域に対して上記クラックを境として密接に組合わさることとなる。したがって、この打ち抜き状態においても、円形の有効領域が無効領域から外れてしまうことなく、無効領域をハンドリング部として、有効領域をキズ付けることなく、矩形基板を搬送できる。
【0059】
また、他の実施形態の製造装置は、上記矩形基板の上下に配置された円形刃物で、上記矩形基板を噛むことによって、矩形基板の上下両面から円形刃物を食い込ませるから、上下面における円形有効領域の輪郭を合致させることができる。その上、上記上下両面から略均一な力が加わることとなるので、打抜きによる歪やバリも最小限にすることができる。
【0060】
また、一実施形態の製造方法は、矩形基板の外周から上記円形の非貫通深さの溝に達する分離用溝を形成し、この分離用溝を開くように、分離用溝の両側の無効領域を開いて、矩形基板から円形有効領域を容易に取り出すことができる。
【0061】
また、他の実施形態の製造装置は、矩形基板の上下面に配置され、矩形基板に円形の非貫通溝を形成する上下動可能な円形刃物と、この円形刃物の外側に配置され、矩形基板の外周から円形の非貫通深さの溝に達する分離用溝を形成する上下動可能な分離用刃物とを備える。したがって、上下動可能な円形刃物で円形の非貫通溝を形成すると同時に、上下動可能な分離用刃物で分離用の溝を形成することができるので、製造効率の向上を図れる。
【0062】
また、一実施形態の光学素子の製造方法は、上記有効領域と上記無効領域の境界に段差を形成するから、有効領域と無効領域の境界を認識し易くなり、かつ、この段差を打抜きの位置決め基準とすることで、打抜き作業がやり易くなる。
【0063】
また、他の実施形態の製造装置は、矩形基板の有効領域と無効領域の境界に段差を形成し、この段差を、認識手段で認識して位置決めの基準とするから、その後の打抜き位置を正確にできる。
【0064】
また、一実施形態の製造装置は、基材の上下に配置したスタンパで、基材の表と裏に配置した樹脂を挟んで押し広げることで、有効領域と無効領域の境となる段差を容易に形成できる。
【0065】
また、他の実施形態の光学素子の製造方法は、多角形基板の有効領域の周囲に無効領域を設けたので、この無効領域を製造工程におけるハンドリング部とすることで、有効領域に対して非接触で光学素子を製造でき、高効率,高品質で光学素子を製造できる。この多角形基板は、四角形基板であってもよく、六角形基板や八角形基板であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、この発明の光学素子の製造方法の実施の形態で作製されるホログラム素子基板の外観形状図である。
【図2】 図2(a)は比較例におけるARコート時の基板配置図であり、図2(b)は本発明の実施形態におけるARコート時の基板配置図である。
【図3】 図3は、この発明の光学素子の製造装置の実施形態としての基板打抜き装置100の全体構成図である。
【図4】 図4(a)は上記基板打抜き装置100の上刃物部101の側面図であり、図4(b)は上記打抜き装置100の下刃物部102の上面図であり、図4(c)は上刃物部101の下面図であり、図4(d)は下刃物部102の側面図である。
【図5】 図5(a)は、上記実施形態における基板打抜き時の基板分割状態を示す断面図であり、図5(b)は上記基板分割状態を示す平面図である。
【図6】 図6(a)は、基板打抜き作業後の有効パターン部の取り出し方法を説明する図であり、図6(b),(c)は取りだし後の無効パターン部,有効パターン部を示す図である。
【図7】 図7(a)〜(d)は、参照例としての2P法を用いた光学素子製造方法を順に示す工程図である。
【符号の説明】
1…円形の蒸着ドーム、2…ドーム中心、
10…2P成形法で製作されたホログラム素子基板である矩形基板、
11…有効パターン部、12…無効パターン部、12A,12B…隅部、
20…円形刃物、21…円形刃物、22…基板分割刃物、
23,25…刃物ベース、24…分割刃物、31…上刃物ブロック、
32…下刃物ブロック、41…ダイセット上ベース、
42…ダイセット下ベース、43…ダイセットポール、45…基板吸着板、
46…XYZステージ、50…CCDカメラ、51…画像処理装置、
71,72…円形の非貫通溝、73,74…直線の非貫通溝、
100…打抜き装置、101…上刃物部、102…下刃物部、
103…搬送部、105…加圧部、109…土台、104…画像認識部。
Claims (9)
- 有効領域の周囲に無効領域を設けた多角形基板から、複数の光学素子を一括して製造する光学素子の製造方法であり、
上下動可能な水平円環形状の打ち抜き刃物を、上記多角形基板の表面から所定の非貫通深さだけ貫入させて、円形の非貫通深さの溝を形成し、
上記円形の非貫通深さの溝から深さ方向にクラックを伝播させて上記多角形基板を打抜いた状態とすることで、上記多角形基板から円形の有効領域を、この有効領域と上記無効領域とが隙間なく組み合わさった状態で打抜くことを特徴とする光学素子の製造方法。 - 請求項1に記載の光学素子の製造方法において、
上記多角形基板を矩形基板としたことを特徴とする光学素子の製造方法。 - 請求項2に記載の光学素子の製造方法において、
上記矩形基板の有効領域を円形に打抜いて、この円形に打ち抜いた有効領域に光学素子を作製することを特徴とする光学素子の製造方法。 - 請求項2または3に記載の光学素子の製造方法において、
上記矩形基板の外周から上記円形の非貫通深さの溝に達する分離用溝を形成し、
上記分離用溝を開くように、上記分離用溝の両側の無効領域を開いて、上記矩形基板から上記円形の有効領域を分離することを特徴とする光学素子の製造方法。 - 請求項2または3に記載の光学素子の製造方法において、
上記有効領域と上記無効領域の境界に段差を形成して、この段差を、上記矩形基板の有効領域を円形に打ち抜くときの位置決めの基準とすることを特徴とする光学素子の製造方法。 - 有効領域の周囲に無効領域を設けた複数の矩形基板から、複数の光学素子を一括して製造する光学素子の製造装置であって、
上記矩形基板の上下面に配置される上下動可能な水平円環形刃物を駆動して、
上記水平円環形刃物を、上記矩形基板の表面から所定の非貫通深さだけ貫入させて、円形の非貫通深さの溝を形成し、上記円形の非貫通深さの溝から深さ方向にクラックを伝播させて上記矩形基板を打抜いた状態とすることで、上記矩形基板から円形の有効領域を、この有効領域と上記無効領域とが隙間なく組み合わさった状態で打ち抜くことを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項6に記載の光学素子の製造装置において、
上記矩形基板の上下面に配置され、上記矩形基板に円形の非貫通溝を形成する上下動可能な水平円環形刃物と、
上記水平円環形刃物の外側に配置され、上記矩形基板の外周から上記円形の非貫通深さの溝に達する分離用溝を形成する上下動可能な分離用刃物とを備えることを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項6に記載の光学素子の製造装置において、
上記有効領域と上記無効領域の境界に段差を形成し、
この段差を、認識手段で認識して位置決めの基準とし、上記矩形基板の上下面に配置される上下動可能な水平円環形刃物を駆動して、上記矩形基板から円形の有効領域を打ち抜くことを特徴とする光学素子の製造装置。 - 請求項8に記載の光学素子の製造装置において、
基材の表側と裏側に配置した樹脂を、この基材の上下に配置したスタンパで挟んで押し広げ、上記樹脂と上記基材からなる有効領域と、上記基材だけからなる無効領域と、この無効領域と上記有効領域との境となる段差とを形成することを特徴とする光学素子の製造装置。
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