JP3664579B2 - 建設機械におけるキャビン用前面ガード部材 - Google Patents
建設機械におけるキャビン用前面ガード部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3664579B2 JP3664579B2 JP03994498A JP3994498A JP3664579B2 JP 3664579 B2 JP3664579 B2 JP 3664579B2 JP 03994498 A JP03994498 A JP 03994498A JP 3994498 A JP3994498 A JP 3994498A JP 3664579 B2 JP3664579 B2 JP 3664579B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cabin
- guard member
- front guard
- plate
- plastic plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Component Parts Of Construction Machinery (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として建設機械の運転者を保護するとともに、作業時の視認性と外部からの飛来物に対しての安全性を確保し、安全快適に運転操作ができるようにする機能を備えた建設機械のキャビン用前面ガード部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧ショベル,ブレーカーなどの建設機械では、キャビンの前面窓に強化ガラスまたは合わせガラスが採用されている。しかし、解体作業、ブレーカー作業などで、破砕された比較的小さな岩石など破砕片が飛び散って運転席に向かって飛んでくるような作業では、キャビンの前面ガラスが割れる危険性があるので、これを防止する手段として、前面窓の前方にガードを設けて運転者を保護するような対策が講じられている。
【0003】
このようなキャビンの前面を保護する手段としてガードを設けるには、例えばキャビンの前面全体を覆うようにして金属メッシュやパンチングメタルのような金属製の穴明き板をガードとして前面ガラスから少し間隔を取って配置し、破砕片が前面ガラスに衝突することがないように防護する方式が多く採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のようなガードを前面窓の前方に設けることは、そのガードの開口面積が少なくて視界を遮って視認性を悪くすることになる。そのために、運転者はガードの僅かな隙間から外部を覗きながら作業を行わねばならず、非常に作業が行い難く、作業性が著しく低下するという問題点がある。しかも、キャビンの背後側から太陽光を受けるときその太陽光が穴明き板面で反射して、運転者が前面を確認することが非常に困難となるという大きな欠点が生じ、必ずしも安全であるとは言い切れないという問題点がある。その結果、危険性はあるがガードを外して視認性を良くし、作業を行うというような状況にある。
【0005】
また、前述のようなガードを取り付けることによる問題点を解決する他の手段として、キャビンの前面窓にプラスチックを使用する試みもあるが、運転席前面にプラスチックを使用することは基本的に法規によって規制されている。また、仮に耐衝撃性のあるプラスチックが使用できたとしても、前述のような解体作業やブレーカー作業では破砕片や粉塵の飛来が避け難く、プラスチックの場合、この破砕片や粉塵の飛来物が表面に衝突したり付着すると、衝突傷や擦り傷が生じ易くて長期使用中に視認性を劣化させるという問題点がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、建設機械のキャビンにおける前面窓の前方位置に、ガラスとプラスチックとからなる積層透明材にてなるガードを配置して、安全で視認性のよいキャビン用前面ガード部材を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前述された目的を達成するために、本発明による建設機械におけるキャビン用前面ガード部材は、
プラスチック板の少なくとも片面にガラス板が配置され、プラスチック板の厚さがガラス板の厚さよりも大きくされた積層透明体であり、前記プラスチック板の端部を前記ガラス板の端部よりも張り出させてその張り出し部の箇所でキャビンに取り付けられることを特徴とするものである。
【0008】
このように構成される本発明のキャビン用前面ガード部材によれば、ガラス板に一体に積層するプラスチック板に透明で耐衝撃性が高く機械的強度の高いものを使用し、この透明積層体を運転席の前面窓から適宜寸法離れた位置にガード部材として配置することにより、ガード部材全体が透明であるから視認性が全く損なわれず、しかも作業時に破砕片などの飛来物に対する耐衝撃性・耐貫通性が確保でき、運転者を飛来物から保護することができるので安全性が確保でき、作業性が向上するという作用効果を奏するのである。また、透明体であるから背後からの光を受けても視認性が損なわれることなく作業ができる利点がある。また、ガード部材を構成する一方のガラス板側を外面にしてキャビンに装着することにより、飛来物による外面に対しての耐擦傷性を高めて視認性の低下を防止できるという効果を奏するのである。さらに、プラスチック板とガラス板とを複合させることによって、前述の作用効果を発揮させるとともにプラスチック特有の耐候性,耐紫外線の劣る分を表面ガラスで保護するため耐久性を高めることができるという効果を奏するのである。また、プラスチック板の端部の張り出し部の箇所でキャビンに取り付けられるように構成されているので、キャビンへの取付けのための工作性が容易になる。
【0009】
本発明では、前記プラスチック板はポリカーボネートよりなるのが好ましい。あるいはメタクリレートであっても良い。こうすると、透明性を維持できて耐衝撃性、耐貫通性が確保でき、小さな鋭角を持った破砕片が激しくガード面に衝突しても破壊することなく、飛来物からキャビン内を保護できることになる。しかも、このガード部材は軽量化できるので、キャビンに対する取付構造も簡単にできるという作用効果を奏するのである。
【0010】
また、前記積層透明体はガラス板とプラスチック板との間に中間接着層を有しているのが好ましい。透明な積層体を構成するに際して両者の界面に接着層を介在させることにより性質の異なる2層が一体化され中間に空隙が生じないので光の乱反射を防止できて透明度の低下を防止できるとともに全体の強化が図られ、かつ、ガラスとプラスチックとの物性の異なる材料が雰囲気により個々に変動するのを阻止する効果を得ることができる。また、前記積層透明体はガラス板−プラスチック板−ガラス板の組み合わせであり、ガラス板−プラスチック板間にはそれぞれ中間接着層を有している構成とするのがよい。こうすれば、内外両面がガラス板によって構成されて耐擦傷性が高まり粉塵の多い場所での使用に対してより有効となる。しかも、プラスチック板がガラス板によって閉じ込められるので外的影響を少なくして耐久性を高め得る効果が得られることになる。
【0011】
また、前記中間接着層が熱可塑性ポリウレタン樹脂であることが好ましい。このような樹脂を用いて接合することにより透明性を維持してガラス板とプラスチック板との密接した積層体が得られることになる。しかも、低温時の耐衝撃性に優れるので、低温時の作業で破砕小片などの飛来物に対する耐貫通性を向上させることができる。また、前記積層透明体を構成する積層複合材のプラスチック板には光線の一部を遮る着色が施されているのが好ましい。このように複合されるプラスチック板には着色することが可能であるので、例えば透過光線を吸収できる着色を施しておけば逆光を受けて作業する場合の防眩効果が得られて作業の低下を防止するのに役立て得る。
【0012】
さらに、前記積層透明体には雨滴付着防止手段が付設されるようにするのがよい。この雨滴付着防止手段としてワイパーのような表面付着水滴を拭き取る装置を付設しておくとよい。こうすれば、雨天での作業時に付着水滴をキャビン内から操作して拭き取ることができるので、視界不良となるのを簡単に防止できて作業性を向上させるのに効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による建設機械におけるキャビン用前面ガード部材の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1に本発明に係るキャビン用前面ガード部材が取り付けられたキャビンを表わす一実施例の全体斜視図が、図2に本発明に係る前面ガード部材の一実施例一部拡大断面図が、それぞれ示されている。
【0015】
これらの図で示される前面ガード部材1は、所要厚みのガラス板2にプラスチック板3を積層してなる積層透明体である。この前面ガード部材1は、圧縮成形型においてガラス板2とプラスチック板3とを重ねて挿入されたものに、その両者間の間隙部に透明な熱可塑性樹脂を加圧注入して圧縮成形することにより、その熱可塑性樹脂が接着層4(中間接着層)となって一体化され、積層透明体として形成される。
【0016】
ここで用いられる前記プラスチック板3にはポリカーボネート板(以下、説明上プラスチック板としての符号3を付す)が採用されている。そして、このポリカーボネート板3とガラス板2を一体に接合する接着層4となる熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリウレタン樹脂が用いられる。
【0017】
このようにして形成される前面ガード部材1は、いずれも透明な材料を用いられ、しかも熱可塑性ポリウレタン樹脂による接着層4によってガラス板2とポリカーボネート板3とが全面にわたり密着成形されるので、三者はその透明度を維持した積層体として構成される。また、接着層4に低温時の耐衝撃性に優れる熱可塑性ポリウレタンを使用することで、低温時の飛来物耐貫通性を向上させる。なお、積層透明体としての構成各材料の厚みについて一例を挙げると、ガラス板2には約2〜3mm厚のものが、またポリカーボネート板3には約6〜8mm厚のものが用いられ、接着層4は1mm程度に仕上げられる。
【0018】
こうして得られた前面ガード部材1は、例えば油圧ショベルやブレーカーなどの建設機械(主に建設車両)におけるキャビン10の前面窓11の前方位置に、適宜間隔を置いてその全体を覆うようにして取り付けられる。この際、ガラス板2側を表面にしてキャビン10の前面縦部材12に取付ステー14を介して装着される。こうしておけば、前面ガード部材1が透明体であるからキャビン10内の運転者は前面窓11に取り付く窓ガラスからその前面ガード部材1を通して前方でのショベルなど作業機器の動きを何ら遮るものなく容易に視認することができ、従来のガードを備える場合に比べて格段の差で作業性が向上することになる。しかも、背後から光を受けた場合でも反射することなく視認性を損なわれない。また、作業中に破砕して飛散する破砕岩石の鋭利な角を持つ小片などが前面窓11に向かって飛来してガード部材1に直撃するようなことが生じても、表層のガラス板2が破損しても、内側層のポリカーボネート板3が一時的に内側に変位する状態から速やかに復元して衝撃に耐え、キャビン10の前面窓11を傷めることはなく、もちろん、キャビン10内の運転者に危害が及ぶことはなく安全に保護することができる。
【0019】
特に、前面ガード部材1を構成するガラス板2の片側に積層されるポリカーボネート板3は、耐衝撃性並びに耐貫通性に優れているので、外部からの大きな衝撃エネルギーが加わっても破壊することなく安定状態を保ってガードとしての役割を果たすことができる。また、前面ガード部材1は、前述のようにガラス板2とポリカーボネート板3との間に中間接着層4として熱可塑性ポリウレタン樹脂が圧縮成形により挿入されて密着一体化されているので、物性の異なるガラスとプラスチックとの積層体であるが外気温など外的影響を受けてもその中間接着層4によって吸収され、障害が発生するのを防止して安定状態を保つのである。
【0020】
このような本実施例における前面ガード部材1を構成するプラスチック板3については、前記ポリカーボネートに代えてメタクリレート(PMMAアクリル樹脂)を用いても前記のものと同様の作用効果を奏することができる。
【0021】
なお、この前面ガード部材1にワイパー15を取り付けて、キャビン10内から操作できるようにしておけば、キャビン10の前面窓11の前方に透明体にてなる前面ガード部材1を配設しても、雨天の場合、水滴の付着による視認性の低下をキャビン10内から運転者がワイパー15を操作してガラス板2面に付着する水滴を拭き取ることで、雨天時における視認性の低下を防止することが容易になり、雨中での作業も快適に行うことができ、作業性の低下を防止できる。そのワイパー15については、例えば電動式にすることも可能で、こうすると操作も容易になって便利である。
【0022】
また、本発明の前面ガード部材1Aとしては,図3によって示されるように、二枚のガラス板2,2の間にプラスチック板3(例えば、ポリカーボネート、またはメタクリレート(PMMAアクリル樹脂)の板)を介在させ、それぞれの接合部に透明性を備える熱可塑性樹脂、例えば熱可塑性ポリウレタン樹脂による接着層4を圧縮成形によって注入形成して一体に積層した構成とすることができる。
【0023】
このようにされた前面ガード部材1Aでは、内外両面がガラス板2であるから、作業状態によって粉塵の発生量が多く、前面ガード部材1全体が粉塵に覆われる状態を呈して、内外表面を形成するガラス板2に粉塵などが付着しても擦り傷が付きにくく、透光性が失われないので粉塵などの多い場所で使用される建設車両に使用して有効である。また、中間層として耐衝撃性・耐貫通性を有するプラスチック板3が介在されているので、外部からの衝撃を受けても全体が破損して砕け散ることがなく、キャビン10の前面窓11を確実に保護でき、運転者など人員に傷害が及ぶのを未然に防止できる効果を奏するのである。
【0024】
また、このような三層構造の前面ガード部材1Aでは、プラスチック板3を内外両面でガラス板2によって覆われているから、そのプラスチック板3特有の耐候性、耐紫外線性の劣る分をガラスによって保護されて耐久性が優れたものになる。しかも、そのプラスチック板3には着色可能であるから、光線の透過率を下げる機能が簡単に付加できて、防眩効果なども得られる。
【0025】
なお、この前面ガード部材1Aは、前述のように表裏両面がガラス板2であるから、ワイパー15を表裏両面に付設して粉塵などの拭き取りができるように構成することができる。したがって、内外両面を同時に拭き取るようなワイパーを設けることにより、雨水による水滴以外に粉塵の付着に対してその拭き取りが確実にできて、ガード取付による種々の障害を排除でき、全く支障なく便利に使用できる効果がある。
【0026】
以上の実施例における説明では前面ガード部材が平面タイプのものについて記載したが、このほかに、周知の手段でガラス板2を所要の曲率で緩やかな曲面にして、このガラス板2の曲面に沿わせるようにしてプラスチック板3を接着層4にて一体に積層することで、例えば図4に示されるように、キャビン10Aの前面が曲面にされた窓11′を備える形状に合わせて前面ガード部材1Bを取り付けるようにすることも可能である。なお、細部については前記実施例の構成と同一であるので、その詳細な説明を省略して、同一部分については前述のものと同じ符号を付している。
【0027】
また、前面ガード部材としては、図5(a)および(b)で示されるように、前述の積層構造で、キャビン10Aの前面窓11′から天井部の天窓部16までを一体的に覆うように形成した前面ガード部材1Cを用いることができる。この場合、前面ガード部材1Cは,前面部から天窓部上への彎曲部10aにおいてカーブが急になる個所ではガラス板の曲げが困難であるので、当該部分を継ぎ合せるようにして一体に積層してもよい。こうした前面ガード部材1Cによれば、作業時の飛び石や破砕片から前面窓11′のみならず天窓16までガードできて安全性が向上する。
【0028】
また、本発明の前面ガード部材にあっては、前述のように少なくとも片面にガラス板を配して耐衝撃性を備えて機械的強度の高いプラスチック板とで複合させた積層板であるから、構成時にそのプラスチック板側をガラス板の幅より両側に広くして、この両側に食み出す部分にてキャビンに対する取付部を設けるようにすれば、ガード板として取付けのための工作性が容易になる。
【0029】
前述のように構成される前面ガード部材1,1A,1B,1Cをキャビン10(10A)に対して装着するための手段としては、図6〜図8で例示すような種々の方式が採用できる。それらは、いずれもプラスチック板3をガラス板2の幅より両側に食み出させ、そのプラスチック板3の食み出し部を利用するのがよい。まず、図6(a)に示されるのは、前面ガード部材1を構成するプラスチック板3の端部3aをキャビンの前面縦部材12に取付けるに必要な寸法ガラス板2よりも長く張り出させて、この端部3aの所定位置に取付孔6をあけ、前面窓11(11′)(図1,図4,図5参照)と所要の間隔を取れるように取付ステー(スぺーサー)14を介在させて、キャビンの前面縦部材12にボルト17にて定着される。このような取付手段が最も簡単である。なお、ボルト17による締結に際しプラスチック板3の面には座金17′を配して傷まないようにされる。
【0030】
図6(a′)に示されるのは、三枚構造の前面ガード部材1Aに対しての取付要領であり、表裏両面のガラス板2,2とプラスチック板3の端部3aにおける関係が前述の実施例と同様にされるので、基本的には前記二枚構造の前面ガード部材1の取付要領と同じである。したがって、同一部分について同じ符号を付して具体的な説明は省略する。また、前面ガード部材1B,1Cについては、その積層構造が前述の二枚構造あるいは三枚構造のいずれも採用できるので、その説明については前記前面ガード部材1によって代表する。(以下、各具体例においても同様である。)。
【0031】
図6(b)および(b′)に示されるのは、前面ガード部材1(1A)の積層時にプラスチック板3として、その端部3bを厚肉に形成したものを使用してなるもので、このプラスチック板3の厚肉の端部3bに取付孔6を設けて、取付ステー(スぺーサー)14により所要の間隔を置いてキャビンの前面縦部材12にボルト17にて定着する方式である。
【0032】
次に、図6(c)および(c′)に示されるのは、前面ガード部材1(1A)をキャビンの前面縦部材12に取付けるに際して、左右の取付部における一方にヒンジ20を設ける場合の具体例である。この場合は、前記プラスチック板3の厚肉の端部3bにおける所要位置にて金属製のヒンジ金具21をその端部3b裏面とキャビンの前面縦部材12に取付ける取付ステー(スぺーサー)14の前面とに小ネジ22にて取付けられ、その前面ガード部材1(1A)の反対端部は前述のようにボルト17によりキャビンの前面縦部材12に取付けるようにされる。なお、取付ステー(スぺーサー)14はキャビンの前面縦部材12内部側からボルト18にて定着されるようになっている。このようなヒンジ20を用いて前面ガード部材1(1A)を装着すれば、点検あるいは清掃時に片方のボルトによる固定を解けば、ヒンジ20を基準にして内側を開いて処理することが可能になる。
【0033】
図7(a)および(a′)に示されるのは、前面ガード部材1(1A)をキャビンの前面縦部材12に取付けるのにヒンジ20を設ける場合の別例であって、この場合は、プラスチック板3の端部3aは他の部分と同じ厚みのままで金属製のヒンジ金具21を取付けるようにした状態を表わしている。このようにすれば、前記実施例のように端部を厚肉にすることなく板材をそのまま使用できるので安価に仕上げることが可能になる。
【0034】
図7(b)および(b′)に示されるのは、前面ガード部材1(1A)の積層時にプラスチック板3として、その端部3cを表裏両面に厚肉にして、取付ステー(スぺーサー)相当分を省略するようにしたものである。このような構造にすれば、スぺーサーが不用になって部品点数を少なくすることができるとともに、前面ガード部材1(1A)の剛性を高めることができる。なお、図中符号については、前記図6(b)および(b′)に記載のものと同一のものに同じ符号を付して説明を省略している。
【0035】
さらに、別の実施例として図8に、サッシを用いて前面ガード部材をキャビン本体に取付ける方式の具体例を示している。
【0036】
これらの実施例のうち、図8(a)および(a′)に示されるのは、前面ガード部材1(1A)におけるプラスチック板3の端部3aを積層されるガラス板2よりも所要量突き出させて構成されたものを用い、そのプラスチック板3の端部3aをクッション材26(例えばゴムクッション、プラスチック製クッション材)を介在させてサッシ25に嵌め合わせ、そのサッシ25をスぺーサーを介してキャビンの前面縦部材12に取付ける方式のものである。
【0037】
図8(b)および(b′)に示されるのは、前面ガード部材1(1A)におけるプラスチック板3の端部3aをサッシ25に嵌め合わせてキャビン本体に装着する方式の他の実施例であり、前述のようにプラスチック板3の端部3aをサッシ25に嵌め合わせた状態で、キャビン本体の前面窓11′が取付けられているサッシ13の前面に直接的に取付けるようにされる。このようにすると、キャビンの前面窓11′と前面ガード部材1(1A)との間を狭めて両者間に生じる空間を少なくすることで粉塵などの空間部への侵入を抑え、粉塵の発生が激しい作業状態での視認性の低下を低減できる。
【0038】
また、前記前面ガード部材1(1A)におけるプラスチック板3の端部3aをサッシ25に嵌め合わせて、そのサッシ25によりキャビン本体の前面に装着させる方式に代わるものとして、例えば図8(c)および(c′)に示されるように、キャビン本体の前面にウエザーストリップ30を用いて取付けることも可能である。この場合は、キャビン本体に装着されている前面窓11′のサッシ13に取付くウエザーストリップ30をその前側に延長して取付けるようにされ、そのウエザーストリップ30により前面ガード部材1(1A)におけるプラスチック板3の端部3aを嵌め合わせて保持されるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るキャビン用前面ガード部材が取り付けられたキャビンを表わす一実施例の全体斜視図である。
【図2】図2は、本発明に係る前面ガード部材の一実施例一部拡大断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る前面ガード部材の他の実施例における一部拡大断面図である。
【図4】図4は、彎曲した前面ガード部材をキャビンの前部に取り付けた別途実施例を示す図である。
【図5】図5は、彎曲した前面ガード部材をキャビンの前部に取り付けた別途実施例を示す図である。
【図6】図6は、キャビンに対する前面ガード部材の取付手段の要部を示す取付要領図であって、(a)〜(c)はガラス板とプラスチックとの二枚構成のものを、(a′)〜(c′)は三枚構成のものを、それぞれ表わしている。
【図7】図7は、キャビンに対する前面ガード部材の取付手段の要部を示す取付要領図であって、(a)〜(b)はガラス板とプラスチックとの二枚構成のものを、(a′)〜(b′)は三枚構成のものを、それぞれ表わしている。
【図8】図8は、キャビンに対する前面ガード部材の取付手段の要部を示す取付要領図であって、(a)〜(c)はガラス板とプラスチックとの二枚構成のものを、(a′)〜(c′)は三枚構成のものを、それぞれ表わしている。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C 前面ガード部材
2 ガラス板
3 ポリカーボネート板
3a ポリカーボネート板の端部
4 接着層(中間接着層)
10,10A キャビン
11,11´ キャビンの前面窓
13 前面窓のサッシ
14 取付ステー
15 ワイパー
17,18 ボルト
20 ヒンジ
25 サッシ
27 スぺーサー
30 ウエザーストリップ
Claims (8)
- プラスチック板の少なくとも片面にガラス板が配置され、プラスチック板の厚さがガラス板の厚さよりも大きくされた積層透明体であり、前記プラスチック板の端部を前記ガラス板の端部よりも張り出させてその張り出し部の箇所でキャビンに取り付けられることを特徴とする建設機械におけるキャビン用前面ガード部材。
- 前記プラスチック板はポリカーボネートよりなることを特徴とする請求項1に記載の建設機械におけるキャビン用前面ガード部材。
- 前記プラスチック板はメタクリレートよりなることを特徴とする請求項1に記載の建設機械におけるキャビン用前面ガード部材。
- 前記積層透明体はガラス板とプラスチック板との間に中間接着層を有している請求項1に記載の建設機械におけるキャビン用前面ガード部材。
- 前記積層透明体はガラス板−プラスチック板−ガラス板の組み合わせであり、ガラス板−プラスチック板間にはそれぞれ中間接着層を有している請求項1に記載の建設機械におけるキャビン用前面ガード部材。
- 前記中間接着層が熱可塑性ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項4または5に記載の建設機械におけるキャビン用前面ガード部材。
- 前記積層透明体のプラスチック板には光線の一部を遮る着色が施されている請求項1〜6のいずれかに記載の建設機械におけるキャビン用前面ガード部材。
- 前記積層透明体には雨滴付着防止手段が付設されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の建設機械におけるキャビン用前面ガード部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03994498A JP3664579B2 (ja) | 1998-02-23 | 1998-02-23 | 建設機械におけるキャビン用前面ガード部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03994498A JP3664579B2 (ja) | 1998-02-23 | 1998-02-23 | 建設機械におけるキャビン用前面ガード部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11235786A JPH11235786A (ja) | 1999-08-31 |
JP3664579B2 true JP3664579B2 (ja) | 2005-06-29 |
Family
ID=12567075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03994498A Expired - Fee Related JP3664579B2 (ja) | 1998-02-23 | 1998-02-23 | 建設機械におけるキャビン用前面ガード部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3664579B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101363193B1 (ko) * | 2007-11-29 | 2014-02-14 | 두산인프라코어 주식회사 | 건설기계의 캐빈 보호장치 |
JP5771171B2 (ja) * | 2012-09-13 | 2015-08-26 | 日立建機株式会社 | 前窓用ワイパー装置 |
JP2015196998A (ja) * | 2014-04-01 | 2015-11-09 | 尼崎重機株式会社 | モジュール化運転室防護システム、作業機械、及び、運転室防護システムのモジュール化方法 |
-
1998
- 1998-02-23 JP JP03994498A patent/JP3664579B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11235786A (ja) | 1999-08-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4857376A (en) | Motor vehicle glass pane | |
US5820201A (en) | High impact barrier for automobile body exterior components | |
US3375626A (en) | Glazings for vehicles | |
CA2316798A1 (en) | Cab enclosure panels | |
KR101021864B1 (ko) | 복합 창유리 | |
US20110285164A1 (en) | Windshield cover and protector | |
JP3664579B2 (ja) | 建設機械におけるキャビン用前面ガード部材 | |
JP7261380B2 (ja) | Aピラー用ガラス板 | |
US20220314765A1 (en) | Transparent protective coating | |
JPH11280116A (ja) | 運転室の保護装置 | |
KR20070090994A (ko) | 자동차 도어용 보강 요소 및 자동차 도어 구조 | |
EP1068969B1 (en) | Glass roof with an impact resistant protection | |
EP1547871B1 (en) | Flushly mounted door edge bumper strip | |
JPH11291754A (ja) | 建設機械におけるキャビン等の透光部構成部材 | |
JP2001097250A (ja) | 運転室の保護装置 | |
US20210155089A1 (en) | Vehicle Glass Protective Cover | |
CN211000865U (zh) | 一种具有夹层结构的防辐射式汽车挡风玻璃 | |
KR200307511Y1 (ko) | 자동차용 출입문 보호대 | |
JPH069848Y2 (ja) | ウィンドウパネル構造 | |
JPH0616158U (ja) | 建設機械のキャブガード | |
JP3648445B2 (ja) | 旋回作業車 | |
JP3072393U (ja) | 産業車両用キャビンパネル | |
JP2001205727A (ja) | 弾性表面透明部材 | |
KR100552436B1 (ko) | 자동차용 뒷유리의 후방시야 확보구조 | |
KR200245127Y1 (ko) | 도로 교차로 충돌방지용 경계석구조 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040929 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041019 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041130 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041221 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050216 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050329 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050329 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080408 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090408 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090408 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100408 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110408 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |