JP3664546B2 - 家具扉の開き止め金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具扉の開き止め金具、より詳細には、地震による家具(リビングボード,ダイニングボード,キッチンボード等)開き扉の開きを防止する止め金具に関し、特に、小型でシンプル(部品点数が少なく、かつ、構造が簡単)で、しかも、強度もあり、ほとんどの家具に取り付けが可能な家具扉の開き止め金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の家具扉の開き止め金具の一使用例を説明するための概略構成図で、図中、11,12は家具の扉で、両扉11,12の開口側に相対して一対の止め金具本体21,22が取り付けられ、一方の止め金具本体(例えば)21には、他方の止め金具本体22との間を結ぶ懸架部材23(例えば、紐,鎖等)が一体的に設けられている。図4には、参考のために、この懸架部材23を止め金具本体22から外した状態を鎖線にて示してある。常時は、この懸架部材23の先端部に設けられた止めバー24を止め金具本体22に設けられた孔等に差し込んで、図4に実線にて示すように、該懸架部材23にて止め金具本体21,22間を連結して、地震時等に扉11,12が開かないようにしておき、扉開閉時に、該止めバー24を止め金具本体22から外して、扉11,12を開閉するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図示例の止め金具本体21,22の場合、該止め金具本体21,22を扉11,22に固定するために、ビス25等を用いて、該止め金具本体21,22を扉11,22に固定するようにしているが、扉11,12がガラス入り扉等の場合に、取り付けスペースWが狭い場合がしばしばあり、そのような場合に止め金具を取り付けることができない等の問題があった。また、懸架部材23の長さが予め決められており、それによって、止め金具本体22,23間の間隔が予め決まってしまう等の問題があった。
【0004】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、取り付けスペースの狭いガラス入り扉でも簡単に取り付けでき、止め金具本体間を連結する懸架部材をペンチ等で切断して長さ調整し、素人でもキリとドライバーで好きなように取り付けできる、家具扉の開き止め金具を提供するものである。
また、本発明は、誰でも大切な家具には傷をつけたくない、美観を損ねるような大きな金具は付けたくないという心情に応え、できるだけ小型にし、家具の美観を妨げないようにした止め金具を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、開き扉の開口側に相対して取りけられる一対の止め金具本体と、該一対の止め金具本体間に着脱自在に係止される数珠とから成り、前記止め金具は、基台と、該基台と一体で該基台上を上下方向に延長し、かつ、中心部に上下方向に延長する貫通孔を具備し、かつ、該貫通孔の一方の側壁又は両方の側壁に上方が開口したスリットが形成されており、該スリットを通して数珠の糸は、前記貫通孔を通して前記数珠の珠が、上方より挿脱自在に挿入されることを特徴としたものである。
【0006】
請求項2の発明は、開き扉の開口側に相対して取りけられる一対の止め金具本体と、該一対の止め金具本体間に着脱自在に係止される数珠とから成り、前記止め金具は、基台と、該基台と一体で該基台上を上下方向に延長する板状部材を有し、該板状部材は上方より下方に向って延長するスリットを具備するとともに該スリットの幅を珠間の間隔より狭く構成して、該スリットに前記数珠の糸部を挿脱自在に挿通するようにしたことを特徴としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による家具扉の開き止め金具の一例を説明するための図(図1(A)は正面斜め上方から見た斜視図、図1(B)は上方から見た図)で、図中、1,2は止め金具本体で、これら止め金具本体1,2は、図4に示した従来技術と同様、開閉扉11,12のそれぞれの開閉側近傍に、該止め金具1,2の上下方向に設けられたビス穴11,12;21,22(ただし下側のビス穴12,22は図示せず)を利用して取り付けられるようになっている。なお、必ずしもビス穴を設ける必要はなく、例えば、両面接着テープ或いは接着剤等で取り付けるようにしてもよい。これら止め金具本体1,2は、それぞれ基台1a,2a、及び、該基台に一体に上下方向に延長して設けられた支柱1b,2bからなり、それぞれの支柱1b,2bは、上下方向に向って貫通孔1b1,2b1が設けられ、該貫通孔1b1,2b1の相対する側の側方には、上方に開口したスリット1b2,2b2が設けられている。3は数珠で、該数珠3は、周知のように、多数の珠3aと、これらの珠を連結する糸3bとよりなっており、該珠3aの径は、前述の貫通孔1b1,2b2の径より小さく、従って、該数珠の珠3aをこれら貫通孔1b1,2b2の上方より、これら貫通孔1b1,2b1に入れることができる。また、前記スリット1b2,2b2の間隙は、前記数珠の糸3bの径より大きく、珠3aの径より小さくなっている。従って、図1に示すように、前記止め金具本体1,2を開閉扉11,12のそれぞれの開口側近辺に取り付け、数珠3の両端の珠をそれぞれの止め金具本体1,2の貫通孔1a1,2a1に挿通すると、扉11,12は開くことができない。開くときは、どちらか一方又は両方の貫通孔から珠を引き出せばよい。
【0009】
而して、本発明によれば、止め金具本体1,2の上下方向に取り付け用の孔11,12;21,22を設けることができるので、水平方向の取り付けスペース(図4に示したW)の狭いガラス入り扉でも(縦方向(上下方向)の取り付けスペースは十分にあるので)、簡単に取り付けることができる。また、止め金具本体同志を結ぶ懸架部材として数珠3を用いているので、ペンチ等で適当な長さで切断することにより、長さ調整も簡単にでき、素人でも、キリとドライバーとペンチさえあれば、簡単に取り付けることができる。換言すれば、大切な家具を傷つけることなく、また、美観を損ねるような大きな金具を使用することなく、小型で家具の美観を妨げない止め金具を提供することができる。
【0010】
図2は、本発明の他の実施例を説明するための図で、同図は、片開き扉(扉12のみ開閉可能)の実施例を示し、この実施例は、図示のように、それぞれの貫通孔1b1,2b1の両側にスリット1b2,1b3;2b2,2b3を設けたもの(図1に示した実施例において、更に、スリット1b3,2b3を付加したもの)で、このようにすると、数珠3の長さを少し長めにしておくことができ、この長めの部分の両端を持って、珠3aを貫通孔1b1,2b1に挿入することができ、数珠3の長さをある程度余裕をもって適当な長さに切断することができ、また、数珠を貫通孔1b1,2b1に挿入する作業も非常にしやすくなる。しかも、この場合、止め金具本体1と2は、全く同じ構造なので、止め金具本体の製作コストを格好的に下げることができ、しかも、左右の区別がないので、該止め金具本体の取り付け作業が非常に楽になる。
【0011】
図3は、本発明の他の実施例を説明するための図で、この実施例は、図1,図2に示した実施例における貫通孔を不要にし、支柱1b,2bに単にスリット1b4,2b4を設けたもので、このようにすれば、止め金具本体の製作が非常に簡単になる。また、スリットの幅mは、基本的には珠間の間隔Mより狭ければよいので、支柱1b,2bの幅を極く薄いものにすることができる(地震時に扉を開こうと働く力以上の強さであればよい)ので、止め金具本体を更に小型化することができる。
【0013】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、止め金具本体1,2の上下方向に取り付け用の孔11,12;21,22を設けることができるので、水平方向の取り付けスペース(図4に示したW)の狭いガラス入り扉でも(縦方向(上下方向)の取り付けスペースは十分にあるので)、簡単に取り付けることができる。また、止め金具本体同志を結ぶ懸架部材として数珠3を用いているので、ペンチ等で適当な長さで切断することにより、長さ調整も簡単にでき、素人でも、キリとドライバーとペンチさえあれば、簡単に取り付けることができる。換言すれば、大切な家具を傷つけることなく、また、美観を損ねるような大きな金具を使用することなく、小型で家具の美観を妨げない止め金具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による家具扉の開き防止金具の一実施例を説明するための図である。
【図2】 本発明による家具扉の開き防止金具の他の実施例を説明するための図である。
【図3】 本発明による家具扉の開き防止金具の他の実施例を説明するための図である。
【図4】 従来の家具扉の開き防止金具の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1,2…止め金具本体、11,12;21,22…止め穴、1a,2a…基台、1b,2b…支柱、1b1,2b1…貫通孔、1b2,1b3,1b4;2b2,2b3,2b4…スリット、3…数珠、11,12…扉。
Claims (2)
- 開き扉の開口側に相対して取りけられる一対の止め金具本体と、該一対の止め金具本体間に着脱自在に係止される数珠とから成り、前記止め金具は、基台と、該基台と一体で該基台上を上下方向に延長し、かつ、中心部に上下方向に延長する貫通孔を具備し、かつ、該貫通孔の一方の側壁又は両方の側壁に上方が開口したスリットが形成されており、該スリットを通して数珠の糸は、前記貫通孔を通して前記数珠の珠が、上方より挿脱自在に挿入されることを特徴とする家具扉の開き止め金具。
- 開き扉の開口側に相対して取りけられる一対の止め金具本体と、該一対の止め金具本体間に着脱自在に係止される数珠とから成り、前記止め金具は、基台と、該基台と一体で該基台上を上下方向に延長する板状部材を有し、該板状部材は上方より下方に向って延長するスリットを具備するとともに該スリットの幅を珠間の間隔より狭く構成して、該スリットに前記数珠の糸部を挿脱自在に挿通するようにしたことを特徴とする家具扉の開き止め金具。
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1996
- 1996-08-01 JP JP20385296A patent/JP3664546B2/ja not_active Expired - Fee Related
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