JP3664356B2 - 鋼帯の通電加熱時の蛇行防止方法および蛇行防止装置 - Google Patents

鋼帯の通電加熱時の蛇行防止方法および蛇行防止装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は鋼帯の連続熱処理ラインで加熱手段として通電加熱を用いる場合において、通電加熱中における鋼帯の蛇行を防止する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、鋼帯の連続熱処理ラインでは、加熱手段として通電加熱装置が用いられている。
この通電加熱装置として、例えば、特開平1−142032号公報に開示されたものがある。この通電加熱装置は、概念的には図6に示すように、押さえロール4aと対をなす入側通電ロール3aと、押さえロール4bと対をなす出側通電ロール3bを前後に一定間隔をおいて配置し、案内ロール2で導かれた鋼帯1を入側通電ロール3aと出側通電ロール3b間で挟持して、電源5から入側通電ロール3aと出側通電ロール3bを介して鋼帯1に通電し、ジュール熱により鋼帯1を加熱するように構成された、ピンチロールタイプの通電加熱装置である。
【0003】
ピンチロールタイプの通電加熱装置においては、鋼帯1を押さえロールで通電ロールに押し付けて挟持することによって鋼帯1と通電ロールとの密着性を高め、通電特性を確保するようにしているが、鋼帯1の幅方向における平坦度が必ずしも一定ではない。そのため、鋼帯1の表面と通電ロール3a,3bの表面の接触が不均一になり、スパークが発生して鋼帯1や通電ロール3a,3bの表面が損傷し鋼帯1にロールマークなどの表面疵が発生したり、形状の不均一やその他の外乱も作用して蛇行が発生し、鋼帯1に絞りなどの形状不良も生じて鋼帯1の品質が低下することが知られている。
そのため、鋼帯1と通電ロール3a,3bとの接触状態を改善する方法や、通電加熱中の鋼帯の蛇行防止方法が種々提案されている。
【0004】
例えば、通電加熱中の鋼帯の蛇行防止方法としては、通電ロールスタンドに、CPC機構を設置して、図7に示すように鋼帯1の形状に合わせて、鋼帯1に対する通電ロール3a,3bの向き、角度θを微調整する方法、あるいは、入側通電ロール3aと出側通電ロール3b間の張力を上げる方法などがある。
【0005】
また、特開平6−306452号公報に開示されているように、あらかじめ鋼帯の通過する位置を検出し、CPC機構で鋼帯の幅方向中心が通電ロールの設定位置を通過させることにより鋼帯1の蛇行を防止する方法もある。
【0006】
しかし、前記したCPC機構を用いて通電ロールの向きや角度θを微調整する方法では、通電ロールを組み込むスタンドに、高価なCPC機構の設置が必要であり、設備コストの増大を伴う。
【0007】
また、張力を上げる方法では、特に鋼帯1が電磁鋼帯の場合には、張力を上昇することにより磁性特性が損なわれるため、付与する張力範囲が小さく、従ってこの方法では蛇行を十分に防止することは難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題点を解消するものであって、鋼帯の連続熱処理ラインにおいて、通電加熱中の鋼帯の蛇行を防止できる、安価な蛇行防止方法と蛇行防止装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を要旨とする。
(1) 鋼帯の連続熱処理ラインに、押さえロールと対をなす通電ロールを前後に配置して通板中の鋼帯を加熱する通電加熱方法において、鋼帯を導く案内ロールと入側通電ロール間に、通板中の鋼帯を押し込むデフレクターロールを配置し、該デフレクターロールの径を案内ロールの径と通電ロールの径の間の径の範囲内で設定し、このデフレクターロールの押付位置を調整することにより、デフレクターロールの入側での鋼帯の巻付角度と出側での鋼帯の巻付角度を、デフレクターロールによる押付方向と鋼帯の交点を分岐点とする入側の鋼帯巻付角度(β)を15〜70度、出側での鋼帯巻付角度(θ)を30〜90度に決定することにより、ライン加減速時デフレクターロールと鋼帯間でスリップを発生させない角度に調整して通板しながら通電加熱することを特徴とする鋼帯の通電加熱時の蛇行防止方法。
【0010】
) 鋼帯の連続熱処理ラインに押さえロールと対をなす通電ロールを前後に配置して鋼帯を加熱する通電加熱装置において、入側通電ロールとその前方に設けた案内ロールとの間に、通板する鋼帯に対する巻付角度を調整する位置調整機構を備えたデフレクターロールを配設し、該デフレクターロールによる押付方向と鋼帯の交点を分岐点とする入側の鋼帯巻付角度(β)を15〜70度、出側での鋼帯巻付角度(θ)を30〜90度に調整したことを特徴とする、鋼帯の通電加熱時の蛇行防止装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、鋼帯の連続熱処理ラインに、ピンチロールタイプの通電加熱装置を配置して、オンラインで鋼帯の熱処理を行う場合において、高価なCPC機構を用いたり、張力付与などで鋼帯の品質を低下させない、簡易で、かつ低コストで蛇行を防止する手段について検討を行った。
【0012】
その結果、入側通電ロールの直前で鋼帯幅方向に拘束力を付与することにより、鋼帯の蛇行を防止できることに着目し、入側通電ロールとその手前の案内ロールとの間に、鋼帯に対して押込力を付与する位置調整可能な簡易なデフレクターロールを介在させ、このデフレクターロールの入側での鋼帯巻付角度と出側での鋼帯巻付角度を所定の角度にすることにより、鋼帯の蛇行を確実に防止でき、また、鋼帯をより近い距離でデフレクターロールと入側通電ロールに巻き付けるため、鋼帯の座屈抗力を高め鋼帯に絞りなどの発生も防止できることを確認するに至った。
【0013】
本発明者等の実験によれば、通板中の鋼帯の蛇行は、鋼帯がライン加減速時にライン方向でスリップした場合に、幅方向にもスリップしてウオークすることにより発生することが判明している。
【0014】
そこで、本発明者等は、ライン加減速時にスリップが発生しないようにすれば、蛇行の発生を防止できるとの認識に立ち、案内ロール2と入側通電ロール3a間にデフレクターロール8を図5に示すように配置した場合において、ライン加減速時に鋼帯との間でスリップを発生させない条件について検討した。
【0015】
その結果、ライン加減速時に鋼帯1との間でスリップを発生させないためには、下記 (1)式で求められるデフレクターロール8を回そうとするトルク
D/2×μR ×[T2 (cosθ−cosβ)2 +{W−T(sinθ +sinβ)}2 1/2 ・・・・・・・・・・・・・(1)
ここで、
D :デフレクターロールの直径(m)
μR :鋼帯とロールの摩擦係数
T :鋼帯張力(kg)
W :デフレクターロール重量(kg)
θ :巻付角度(出側)
β :巻付角度(入側)
と、下記(2)式で求められる加減速抵抗トルクと(3)式で求められるベアリング抵抗トルクの和
(GD2 /4g)×(α/30D)・・・・・・・・(2)
(d/2)×μB [T2 (cosθ+cosβ)2 +{W−T(sinθ +sinβ)}2 1/2 ・・・・・・・・・・・・・(3)
ここで、
D :デフレクターロールの直径(m)
GD2 :デフレクターロールのGD2 (Kgf・m2
g :重力加速度(9.8m/s2
T :鋼帯張力(kg)
W :デフレクターロール重量(kg)
θ :巻付角度(出側)
β :巻付角度(入側)
d :ベアリング直径(m)
μB :ベアリングとの摩擦係数
α :加減速度レート(mpm/s)
との関係が、
デフレクターロールを回そうとするトルク>加減速抵抗トルクとベアリング抵抗トル クの和・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
の関係を満足するように、デフレクターロールによる押付方向と鋼帯の交点を分岐点とする入側の鋼帯巻付角度β、出側での鋼帯巻付角度θを決定することによって、蛇行の発生につながるスリップの発生を防止できることを確認するに至った。
【0016】
この(4)式は、図5のようなロール配置の場合では、デフレクターロール8は、入側通電ロール3aと案内ロール2間(距離L)において、入側通電ロール3aに近い位置 (a>b)に配設し、出側の鋼帯巻付角度θを、入側の鋼帯巻付角度βより大きくして出側での鋼帯拘束力を大きくすればスリップの発生をより確実に防止できることを示している。
【0017】
このデフレクターロールは、鋼帯に対する押込量(距離)yを小さくして十分な鋼帯巻付角度β,θを確保できることから大径のものがよいと言えるが、張力を大きくしなければならないし、設備規模も大きくなるので、このような問題を生じない範囲内で設定することが好ましい。通常の場合、案内ロールの径と通電ロールの径の間の径の範囲内で設定する。
【0018】
このデフレクターロールでの出側の鋼帯巻付角度θ、入側の鋼帯巻付角度βは、鋼帯のサイズ、形状特性、張力、各ロールの直径、摩擦係数等によって差が出るため、蛇行防止をさらに確実にするために、予め、実績に基づき、鋼帯のサイズ、形状特性、張力、各ロール(案内ロール、デフレクターロール、通電ロール)の直径、摩擦係数等に応じて設定すればよい。
【0019】
デフレクターロールの押込量、張力を適度に押さえて蛇行の発生を十分に防止することを前提とすれば、出側の鋼帯巻付角度θは30〜90度、入側の鋼帯巻付角度βは15〜70度程度に設定することが好ましい。
【0020】
このデフレクターロールでの鋼帯巻付角度θ,βは、案内ロールと入側通電ロール間において、デフレクターロールの径を固定した場合には、押込位置、押込角度、押込量を調整することによって調整することができる。
【0021】
したがって、このデフレクターロールは、このような調整ができる機構をすべて備えたものであることが好ましいが、対象が特定される場合には、案内ロールと入側通電ロールとデフレクターロールの位置関係を固定してデフレクターロールを単純構造することも考慮する。
【0022】
以下に本発明を、熱処理ラインで本発明を適用した場合の設備配置例を示す図1〜図4に基づいて具体的に説明する。
図1において、1は鋼帯であり、案内ロール2、デフレクターロール3を経て通電加熱装置に導入される。
この通電加熱装置は、入側通電ロール3aと押さえロール4a、通電ロール3bと押さえロール4b、この2つの通電ロール間に接続された、例えば、交流電源5からなり、通電ロール3aと通電ロール3b間に通板される鋼帯1に、電源5から通電ロール3aと通電ロール3bを介して通電することによって、鋼帯1を順次加熱して冷却工程や巻取工程などの次工程に送りだすように構成されている。
【0023】
本発明では、前記の案内ロール2と入側通電ロール3a間において、通板中の鋼帯1を押し込むデフレクターロール8を、架台9に油圧シリンダー10を介して上下位置を可変に配設し、その位置を調整することによって案内ロール2からの鋼帯1を、所定の巻付角度θ,βで巻き付けて入側通電ロール3aの上側周面と押さえロール4a間と出側通電ロール3bの上側周面と押さえロール4b間に導入し、入側通電ロール3aと出側通電ロール3b間において通電加熱する。
【0024】
このようなピンチロールタイプの通電加熱装置において通電加熱される鋼帯1は、その形状によっては通板中に蛇行しようとするが、ここでは、案内ロール2と入側通電ロール3a間において、入側通電ロール3aに近いところにデフレクターロール8が配設されており、鋼帯1がデフレクターロール8に所定の巻付角度θ,βで巻き付けられ幅方向に拘束されているため、スリップすることがなく蛇行の発生が防止される。
【0025】
特に、ここでは、案内ロール2と入側通電ロール3a間において入側通電ロール3aに近いところにデフレクターロール8が配設されているため、入側通電ロール3aと押さえロール3bによるピンチ効果との相乗効果によって、鋼帯1の幅方向の拘束の強化と共に座屈抗力が上がり、鋼帯絞りが起り難くなる。
すなわち、上記のようにして、鋼帯1のデフレクターロール8入側の巻付角度βと出側での巻付角度θを設定することによって蛇行の発生を防止できる。
【0026】
デフレクターロール8は、通板中、当初設定位置に固定するが、必要あれば、通板状況に応じて、垂直(斜めを含む)方向または水平(斜めを含む)方向に移動可能な構造にすることができる。
【0027】
また、入側通電ロール3aと案内ロール2は例えば図3に示すように、垂直線上または図4に示すように、傾斜線上で軸心が一致するように配置してもよく、この場合も、デフレクターロール8は、その入側での巻付角度βと出側での巻付角度θが所定の角度になるよう案内ロール2と入側通電ロール3a間に配設する。
【0028】
なお、デフレクターロール8の構造、配置等は、上記の例に限定されるものではなく、対象の鋼帯のサイズ、設備配置、設置スペース等の条件に応じて、請求項の範囲内で設計変更されるものである。
【0029】
【実施例1】
図1〜4に示すように、案内ロール2と通電加熱装置の入側通電ロール3a間にデフレクターロール8を配設し、冷間圧延して得られた幅1000mm、厚み0.22mmの鋼帯を通電加熱装置に通板し、800〜880℃に通電加熱して連続熱処理(焼鈍)実験を行った。なお、ここでは通板速度は61m/min、張力は1Kgf/mm2 とした。
【0030】
この実験では、デフレクターロール8の入側での鋼帯巻付角度β、出側での鋼帯巻付角度θを変化させ、通電加熱装置の出側での鋼帯1の蛇行量の変化と熱処理(焼鈍)後の鋼帯の品質を調査した。実験条件と実験結果を比較例の場合と共に以下に説明する。
【0031】
(実験条件)
通電加熱装置
通電ロール径 :300mmφ
押さえロール径:300mmφ
デフレクターロール径:250mm
案内ロール径 :200mm
ロール軸間距離
案内ロールと入側通電ロール間 :810mm
入側通電ロールとデフレクターロール間:300〜500mm
案内ロールとデフレクターロール間 :510〜310mm
【0032】
(1) 図1において、水平方向に平行配置した入側通電ロール3aと案内ロール2の中間に配設したデフレクターロール8の上下位置を変えて鋼帯1の押込量(図5のy)を調整し、デフレクターロール8での鋼帯巻付角度を、前記(4)式の条件を満足するように、入側での巻付角度βを15〜40度、出側での巻付角度θを30〜50度の範囲にした本発明の実験例では、ライン加減速時にスリップの発生がなく、通電加熱装置の出側での蛇行量は、±1%以下で極めて高い蛇行防止効果が得られ、通電加熱による熱処理後の鋼帯に、絞りなどの形状不良や、表面疵の発生は認められず品質上に全く問題はなかった。
【0033】
また、設備コスト面では、従来のCPC機構を別設したり、通電ロールにCPC機構を組み込んで、蛇行を検出して蛇行量に応じて蛇行修正した従来例に比較して、蛇行対策費を1/3〜1/5に節減することができた。
【0034】
(2) デフレクターロール8による押付量を小さくし、デフレクターロール8での鋼帯巻付角度を、入側での巻付角度βを0〜15度、出側での巻付角度θを0〜20度にし、前記(4)式の条件を満足する実験例では、ラインの加減速時に軽度のスリップの発生が認められ、通電加熱装置の出側での蛇行量は、±5%で、通電加熱による熱処理後の鋼帯に、極く軽度ではあるが、絞りによる形状不良や表面疵の発生が認められた。
【0035】
(3) デフレクターロール8を入側通電ロール3aから遠ざけ、デフレクターロール8での鋼帯巻付角度を、入側での巻付角度βを0〜20度、出側での巻付角度θを0〜15度にした前記(4)式の条件を満足しない比較例では、ラインの加減速時にスリップの発生が認められ、通電加熱装置の出側での蛇行量は、±10%で、通電加熱による熱処理後の鋼帯に、軽度であるが絞りによる形状不良や表面疵の発生が認められた。
【0036】
【実施例2】
雰囲気調整可能な加熱室内に、図1に示すように、案内ロール2と通電加熱装置の入側通電ロール3a間にデフレクターロール8を配設し、冷間圧延して得られた幅1200mm、厚み1mmの方向性電磁鋼帯を通電加熱装置に通板し、650〜700℃に通電加熱して、引き続き、脱炭と一次再結晶させるための熱処理実験を行った。
なお、ここでは通板速度は61m/min、張力は1Kgf/mm2 とした。脱炭焼鈍後は通常の方法で処理した。
【0037】
この実験では、デフレクターロール8の入側での鋼帯巻付角度βと出側での鋼帯巻付角度θを変化させ、通電加熱装置の出側での鋼帯1の蛇行量と熱処理(焼鈍)後の鋼帯の品質を調査した。実験条件と実験結果を比較例の場合と共に以下に説明する。
なお、通電加熱装置、デフレクターロール、案内ロール、ロール間距離等の条件は前記実施例1の場合と概ね同じにした。
【0038】
(1) 水平方向に平行配置した入側通電ロール3aと案内ロール2間にデフレクターロール8を配置し、デフレクターロールの入側での鋼帯巻付角度βを15〜40度、出側での鋼帯巻付角度θを30〜50度にした前記(4)式の条件を満足する本発明の実験例では、ライン加減速時にスリップの発生はなく、通電加熱装置の出側での蛇行量は、±1%で極めて高い蛇行防止効果が得られ、表面および形状欠陥のない良好な電磁鋼帯を得ることができた。
【0039】
(2) デフレクターロール8による押付量を小さくし、デフレクターロール8での鋼帯巻付角度を、入側での巻付角度βを0〜15度、出側での巻付角度θを0〜20度にし、前記(4)式の条件を満足する実験例では、ラインの加減速時に軽度のスリップの発生が認められ、通電加熱装置の出側での蛇行量は、±5%で、通電加熱による熱処理後の鋼帯に、極く軽度ではあるが、絞りによる形状不良や表面疵の発生が認められた。
【0040】
(3) デフレクターロール8の位置を入側通電ロール3aから遠ざけ、デフレクターロール8の入側での鋼帯巻付角度βを0〜20度と大きくし、出側での鋼帯巻付角度θを0〜15度と小さくした前記(4)式の条件を満足しない比較例では、ラインの加減速時にスリップの発生が認められ、通電加熱装置の出側での蛇行量は、±10%で、通電加熱による熱処理後の鋼帯に、絞りによる形状不良や表面疵の発生が認められた。
そこで、張力を10%大きくして、蛇行の発生を防止した。その結果、所定の磁性特性(磁束密度、鉄損値)が得られなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明においては、鋼帯の熱処理ラインに配設した通電加熱装置の入側通電ロールと案内ロール間にデフレクターロールを配設して、このデフレクターロールに鋼帯を巻き付け、このデフレクターロールの入側と出側での巻付角度を所定の範囲にして通板させることにより、鋼帯の幅方向の拘束性を確保して、通電加熱中の鋼帯の蛇行を安価にかつ確実に防止することができ、通電特性を安定確保して、欠陥のない品質の良好な鋼帯を低コストで安定確保することができる。
本発明は、特に蛇行防止のために張力を上げられない電磁鋼帯の脱炭焼鈍工程で適用する通電加熱時の蛇行防止方法として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する装置例を示す側面概念説明図。
【図2】 本発明のデフレクターロールの構造例を示す正面概念説明図。
【図3】 本発明を実施する他の装置例を示す側面概念説明図。
【図4】 本発明を実施する他の装置例を示す側面概念説明図。
【図5】 本発明の蛇行装置列におけるデフレクターロール配置説明図。
【図6】 従来例の通電加熱装置例を示す側面概念説明図。
【図7】 従来例の通電加熱装置における蛇行防止(修正)装置例を示す側面概念説明図。
【符号の説明】
1 :鋼帯(電磁鋼帯)
2 :案内ロール
3a:入側通電ロール
3b:出側通電ロール
4a,4b:押さえロール
5 :電源
8 :デフレクターロール
9 :架台
10 :油圧シリンダー

Claims (2)

  1. 鋼帯の連続熱処理ラインに、押さえロールと対をなす通電ロールを前後に配置して通板中の鋼帯を加熱する通電加熱方法において、鋼帯を導く案内ロールと入側通電ロール間に、通板中の鋼帯を押し込むデフレクターロールを配置し、該デフレクターロールの径を案内ロールの径と通電ロールの径の間の径の範囲内で設定し、このデフレクターロールの押付位置を調整することにより、デフレクターロールの入側での鋼帯の巻付角度と出側での鋼帯の巻付角度を、デフレクターロールによる押付方向と鋼帯の交点を分岐点とする入側の鋼帯巻付角度(β)を15〜70度、出側での鋼帯巻付角度(θ)を30〜90度に決定することにより、ライン加減速時デフレクターロールと鋼帯間でスリップを発生させない角度に調整して通板しながら通電加熱することを特徴とする鋼帯の通電加熱時の蛇行防止方法。
  2. 鋼帯の連続熱処理ラインに押さえロールと対をなす通電ロールを前後に配置して鋼帯を加熱する通電加熱装置において、入側通電ロールとその前方に設けた案内ロールとの間に、通板する鋼帯に対する巻付角度を調整する位置調整機構を備えたデフレクターロールを配設し、該デフレクターロールによる押付方向と鋼帯の交点を分岐点とする入側の鋼帯巻付角度(β)を15〜70度、出側での鋼帯巻付角度(θ)を30〜90度に調整したことを特徴とする、鋼帯の通電加熱時の蛇行防止装置。
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