JPH11106831A - 帯状体の連続焼鈍設備 - Google Patents

帯状体の連続焼鈍設備

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JPH11106831A
JPH11106831A JP28108597A JP28108597A JPH11106831A JP H11106831 A JPH11106831 A JP H11106831A JP 28108597 A JP28108597 A JP 28108597A JP 28108597 A JP28108597 A JP 28108597A JP H11106831 A JPH11106831 A JP H11106831A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯状体の連続焼鈍設備において、ブライドル
ロール及びハースロールのスリップを防止して焼鈍設備
の安定操業を図る。 【解決手段】 ブライドルロール又はハースロールのロ
ール入側(押しつけロールで押しつけられている時は押
しつけロール出側)での帯状体の単位張力をσ1、ロー
ル出側(押しつけロールで押しつけられている時は押し
つけロール入側)での帯状体の単位張力をσ2、帯状体
の厚みをh、該ロールの直径をD、該ロール表面と帯状
体の摩擦係数をμとし、f=μh(σ1+σ2)/Dで
表されるロール接触面の単位摩擦力fが750pa(パ
スカル)以上となるような直径D、摩擦係数μのロール
を備えた帯状体の連続焼鈍設備。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に冷間圧延後の
帯状体の連続焼鈍設備に関し、高品質な焼鈍製品の安定
した生産を図るものである。尚、ここで帯状体とは、連
続焼鈍後必要に応じて錫メッキ、亜鉛メッキ、表面塗覆
装等を施し、最終的には缶類、鋼製家具、自動車、電気
製品の製造等に使われるものを言う。
【0002】
【従来の技術】一般に、連続焼鈍設備における冷延鋼帯
の張力は、ウォークやフラッタリング防止の目的からは
大きい程良く、高温部でのヒートバックル防止や板幅の
減少防止の目的からは小さい程良い。また、冷延磁性鋼
帯の焼鈍においては、磁性劣化防止の目的からもこの張
力は小さい程良い。
【0003】この相反する要求のため、通常の操業では
帯状体が高温となる加熱炉や均熱炉では帯状体の張力を
小さくし、炉外及び帯状体の温度が比較的低い冷却帯や
過時効帯では張力を大きくする対策がとられている。
【0004】このような張力分布は、ハースロールの速
度を細かく調整、制御することにより得られる。更に、
張力をある点で急激に変化させたいときは、ブライドル
ロールを設けるのが一般的である。
【0005】図2は、この一例を示す冷延鋼帯の連続焼
鈍設備の側面図であり、炉内にブライドルロール2が設
けられている。各炉4〜8内に供給される帯状体1を入
側から出側へと案内するように各炉4〜7内に配置され
たハースロール3からなるロール群と、加熱炉4、均熱
炉5を通過した帯状体1が高速度のガス噴流にさらされ
る急冷炉6に入る直前にブライドルロール2とが設けら
れており、帯状体1の張力はブライドルロール2通過後
に大きな値となって、後続の急冷炉6、過時効炉7、最
終冷却炉8を通過する。
【0006】このような目的のために設けられたブライ
ドルロール2及びハースロール3は、当然帯状体1を確
実に拘束し、スリップを生じてはならない。しかしなが
ら、現実には、特に帯状体1の厚みが薄くなると、この
ブライドルロール2及びハースロール3はしばしばスリ
ップを起こし、本来の機能を発揮しない事実が見い出さ
れた。
【0007】この改善策としては、再公表特許公報WO
093/24664号に開示された、ロールの面圧を1
0kpa(キロパスカル)とする対策がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】帯状体1の張力の比較
的大きい連続焼鈍設備では、ブライドルロール2及びハ
ースロール3のロ─ル面圧を10kpa(キロパスカ
ル)以上とし、帯状体1を確実に拘束すればスリップは
解消する。しかし、帯状体1の張力の低い連続焼鈍設備
でのスリップは改善出来ず、ブライドルロール2及びハ
ースロール3はしばしばスリップを起こし、本来の機能
を発揮しないことが新たに見い出された。
【0009】本発明は、かかる問題点を解決し、ブライ
ドルロール及びハースロールの機能を充分に発揮して焼
鈍炉の安定操業が可能な帯状体の連続焼鈍設備の提供を
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者らは、ブライドルロール及びハースロールの
面圧、並びに、ロール表面と帯状体との摩擦係数とスリ
ップの関係を調査し、創意工夫を重ねた結果、下記
(1)〜(5)の本発明により前記問題点を解決し、ブ
ライドルロール及びハースロールの機能を充分に発揮し
て焼鈍炉の安定操業を可能にした。
【0011】(1) 焼鈍設備に供給される帯状体を入
側から出側へと案内する如く焼鈍設備に配設されたロー
ル群を有する帯状体の連続焼鈍設備において、該ロール
群中の少なくとも1本のロールのロール入側(押しつけ
ロールで押しつけられている時は押しつけロール出側)
での帯状体の単位張力をσ1、ロール出側(押しつけロ
ールで押しつけられている時は押しつけロール入側)で
の帯状体の単位張力をσ2、帯状体の厚みをh、該ロー
ルの直径をD、該ロール表面と帯状体の摩擦係数をμと
するとき、数4式(I)で表されるロール接触面の単位
摩擦力fが750pa(パスカル)以上となるような直
径D、摩擦係数μのロールを備えたことを特徴とする帯
状体の連続焼鈍設備。
【0012】
【数4】 f=μh(σ1+σ2)/D (I)
【0013】(2) 前記ロール群中の少なくとも1本
のロールがブライドルロールであることを特徴とする前
記(1)の帯状体の連続焼鈍設備。
【0014】(3) 前記ロール群中の少なくとも1本
のロールがハースロールであることを特徴とする前記
(1)または(2)の帯状体の連続焼鈍設備。
【0015】(4) 焼鈍設備に供給される帯状体を入
側から出側へと案内する如く焼鈍設備に配設されたロー
ル群を有する帯状体の連続焼鈍設備において、該ロール
群中のブライドルロール入側(押しつけロールで押しつ
けられている時は押しつけロール出側)での帯状体の単
位張力をσ1、ロール出側(押しつけロールで押しつけ
られている時は押しつけロール入側)での帯状体の単位
張力をσ2、帯状体の厚みをh、該ロールの直径をD、
該ロール表面と帯状体の摩擦係数をμとするとき、数5
式(I)で表されるロール接触面の単位摩擦力fが75
0pa(パスカル)以上となるような直径D、摩擦係数
μのブライドルロールを備えたことを特徴とする帯状体
の連続焼鈍設備。
【0016】
【数5】 f=μh(σ1+σ2)/D (I)
【0017】(5) 焼鈍設備に供給される帯状体を入
側から出側へと案内する如く焼鈍設備に配設されたロー
ル群を有する帯状体の連続焼鈍設備において、該ロール
群中のハースロール入側(押しつけロールで押しつけら
れている時は押しつけロール出側)での帯状体の単位張
力をσ1、ロール出側(押しつけロールで押しつけられ
ている時は押しつけロール入側)での帯状体の単位張力
をσ2、帯状体の厚みをh、該ロールの直径をD、該ロ
ール表面と帯状体の摩擦係数をμとするとき、数6式
(I)で表されるロール接触面の単位摩擦力fが750
pa(パスカル)以上となるような直径D、摩擦係数μ
のハースロールを備えたことを特徴とする帯状体の連続
焼鈍設備。
【0018】
【数6】 f=μh(σ1+σ2)/D (I)
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0020】本発明者は、様々の帯状体を使用し、その
帯状体の張力を様々に変え、種々の材質、ロール径のブ
ライドルロールにおけるスリップの発生限界を調査する
ことから始めた。
【0021】工学的には、図4に示すようにブライドル
ロール2a〜cの入側張力をT1、出側張力をT2、帯
状体1のブライドルロール2a〜cへの巻き付き角をθ
(=θ1+θ2+θ3)、ロール2a〜c表面と帯状体
1の摩擦係数をμとすると、スリップを発生させない最
大張力T2は数7式(II)で表される。
【0022】
【数7】 T2=T1・exp(μθ) (II)
【0023】また、図5に押しつけロール11a、cで
押しつけられているブライドルロール2a〜cの例を示
す。このとき、T1は入側のブライドルロール2aの押
しつけロール11a出側での張力、T2は出側のブライ
ドルロール2cの押しつけロール11c入側での張力と
なる。ブライドルロール2a〜cの入・出側のうちの片
方が押しつけロールで押しつけられている場合も同様で
ある。
【0024】いずれの場合にも、換言すれば、張力倍率
T2/T1はパラメータμによって一義的に決まり、張
力の絶対値には関係しない。しかし、現実のブライドル
ロールにおいては、この張力倍率は同じでも、張力の絶
対値が小さくなるとスリップを生じやすくなる。即ち、
摩擦係数μは張力の影響をうけると考えられる。
【0025】尚、ブライドルロールの本数に制限はな
く、1本でもよい。本数は式(II)を逆算したθから
決まる。
【0026】実際の連続焼鈍炉にて、径、摩擦係数μの
異なるハースロールやブライドルロールについて、Dを
ブライドルロール径、Wを帯状体の幅とすると、そのス
リップ発生限界は、数8式(III)で定義される面圧
と摩擦係数μの積であるロール接触面の単位摩擦力f
(数9式(IV))で定義されていることが判った。
【0027】
【数8】 p=(T1+T2)/(DW) (III)
【0028】
【数9】 f=pμ=μ(T1+T2)/(DW) (IV)
【0029】尚、図1に示すデータは、滑らかな鋼製の
ブライドルロール、ハースロール、及び、ゴム製、不織
布製のブライドルロールからなるロールと冷延鋼帯、冷
延珪素鋼帯からなる帯状体のものであり、ライン速度5
0〜600mpmの条件において得られたものである。
また、摩擦係数は、ロールと帯状体のそれぞれの組み合
わせにおけるスリップ限界においての測定値である。
【0030】重要な事実として、図1から明らかなよう
に、ロール接触面の単位摩擦力f=750pa(パスカ
ル)付近に遷移点がある(以下この遷移点におけるロー
ル接触面の単位摩擦力fをロール接触面の限界単位摩擦
力fcと呼ぶこととする)。ロール接触面の単位摩擦力
fがfc以上の領域ではブライドルロール及びハースロ
ールは帯状体を正常に拘束した状態にあり、fc以下の
領域ではスリップ状態、即ち摩擦は動摩擦状態にある。
ブライドルロール及びハースロールを正常に機能させる
ためには、このロール接触面の単位摩擦力fがfc以上
となるようにそのロール材質(表面)及び径を定めなけ
ればならない。また、図1からロール材質(表面)を最
適化することにより、ロール面圧が10kpa(パスカ
ル)未満でも、ブライドルロール及びハースロールが帯
状体を正常に拘束することは可能であることが判る。
【0031】尚、ハースロールは一般的に帯状体の張力
を変化させることなく搬送することを目的とする。しか
し、図1から判るようにロール接触面の単位摩擦力f=
750pa(パスカル)以下では動摩擦状態となってお
り、ハースロール前後の僅少な張力差によっても滑りを
発生している。張力差がほとんど無いのに滑ると言う現
象は一見不思議であるが、ハースロールを駆動するモー
ターの制御装置は帯状体の真の速度を知る手段を一般的
に持たないためロール周速を指令値(ブライドルロール
に同じ)に制御するためこのような現象が起こる。ま
た、ロール周速も高温の炉内で熱膨張したハースロール
径が正確に分からないため指令通りにならないことがこ
の現象を助長する。このような滑りの存在は帯状体への
疵の発生、或いは永続的な滑りによりハースロール表面
へのビルドアップ(鉄分のイボ状の固着、これも帯状体
の疵原因となる。)の発生となるが、本発明によりロー
ル接触面の限界単位摩擦力以上となるような適正なロー
ルの材質(表面)及び径を選定して、この問題を解決す
ることが出来る。
【0032】通常の操業は、帯状体の単位張力σが一定
となるように行われるので、張力T=σhWの関係を用
いて式(IV)を書き直すと数10式(V)のようにな
る。
【0033】
【数10】 f=μh(σ1+σ2)/D (V)
【0034】ブライドルロール又はハースロールの表面
仕上げ状況(粗度等)が使用により経時変化するものに
ついては、使用限度内の下限値(ロール交換前)の数値
で設計する必要がある。
【0035】ライン速度、ロール表面と帯状体の摩擦係
数が大きく異なれば、図1により定まるロール接触面の
限界単位摩擦力fcは変わる可能性があるが、ブライド
ルロールまたはハースロールをロール接触面の限界単位
摩擦力以上となるように定めるという基本的な考え方に
変わりはない。
【0036】尚、ロール接触面の限界単位摩擦力fc
を、スリップを発生させない限界値とするような摩擦係
数、径のロールを選ぶという考え方は、上述のようにブ
ライドルロールのみならず全てのハースロールにも適用
できるものである。
【0037】ラジアントチューブを備えた加熱炉のよう
に、設備の制約上ハースロール径を小さく出来ない場合
は、品質障害を生じない範囲で、ロール表面の摩擦係数
を高くすることが有効である。
【0038】また、止むなく適当な摩擦係数のロールが
ない場合には、該ハースロールの帯状体の搬送に必要な
トルク以上の過剰な駆動力を加えないようハースロール
の駆動系の設計及び調整に配慮する、例えば、炉共通の
速度指令に対して、一定値(数mpm)以上の速度誤差
を生じないようリミットをかける、または適正な垂下特
性をもたせる等も有効である。
【0039】尚、本発明は、冷延鋼帯、冷延珪素鋼帯の
焼鈍設備に限定されるものではなく、あらゆる帯状体の
処理設備について適用される。
【0040】
【実施例】以下に実施例を示す。
【0041】
【実施例1】本発明による冷延鋼帯の連続焼鈍設備の炉
内のブライドルロールの設計例を以下に示す。
【0042】ブライドルロール入側における帯状体の単
位張力σ1=0.7kg/mm2 、出側の単位張力σ2
=1.2kg/mm2 、帯状体の厚みh=0.25mm
とした。各ロールは製品品質上鋼製の滑らかに仕上げら
れたものであり、また帯状体も滑らかに仕上げられた冷
延鋼帯であり、各ロール表面と帯状体の摩擦係数は測定
実績である0.09とした。式(II)及び設備レイア
ウトよりロール数=3本、各ロールにおける巻き付け角
=180度とし、各ロールにおける張力倍率は一定値=
σ2/σ1=1.3とした。式(V)にロール接触面の
限界単位摩擦力fc=750paを代入して、それぞれ
のロール径D1、D2、D3を求めると、D1=460
mm、D2=550mm、D3=660mmとなる。
【0043】実際には、それぞれのロール径が異なるの
は製作上も保守上も面倒であるので、安全側をみてすべ
てのロール径を460mm以下とする。
【0044】
【実施例2】本発明による冷延鋼帯の連続焼鈍設備の炉
内のハースロールの設計例を以下に示す。スリップ発生
防止の条件は実施例1のブライドルロールと同じであ
る。
【0045】ハースロールではその前後の帯状体の単位
張力は一般に同一(σ1=σ2)であり、σ1=σ2=
0.7kg/mm2 、h=0.25mmとした。各ロー
ルは鋼製の滑らかに仕上げられたものであり、また帯状
体も滑らかに仕上げられた冷延鋼帯であり、各ロール表
面と帯状体の摩擦係数を測定実績である0.09とし
た。式(V)に代入してロール径D=単位摩擦力fc=
750paを適用することが出来る。式(V)にロール
接触面の限界単位摩擦力fc=750paを代入して、
それぞれのロール径D1、D2、D3を求めると、42
0mm以下となる。
【0046】
【実施例3】本発明による方向性冷延珪素鋼帯の連続脱
炭焼鈍設備の炉〜出側ルーパー間のブライドルロールの
設計の一例を以下に示す。図3に本発明を適用する方向
性珪素鋼帯の連続脱炭焼鈍設備の炉前後の図面を示す。
【0047】ブライドルロール入側における帯状体の単
位張力σ1=0.5kg/mm2 、出側の単位張力σ2
=1.1kg/mm2 、帯状体の厚みh=0.23mm
とした。各ロールはゴム製であり、その表面はロール交
換前の経時変化により滑らかにされたものである。ま
た、帯状体は脱炭焼鈍板であり、その表面は酸化されて
いる。各ロールと帯状体表面の摩擦係数は測定実績であ
る0.105とした。式(II)及び設備レイアウトよ
りロール数=2本、各ロールにおける巻き付け角=22
0度とし、各ロールにおける張力倍率は一定値=σ2/
σ1=1.5とした。式(V)にロール接触面の限界単
位摩擦力fc=750paを代入して、それぞれのロー
ル径D1、D2を求めると、D1=400mm、D2=
600mmとなる。
【0048】実際には、それぞれのロール径が異なるの
は製作上も保守上も面倒であるので、安全側をみてすべ
てのロール径を400mm以下とする。
【0049】
【実施例4】本発明による方向性珪素鋼帯の連続脱炭焼
鈍設備の炉〜出側ルーパー間のブライドルロールの設計
の別の一例を以下に示す。
【0050】ブライドルロール入側における帯状体の単
位張力σ1=0.3kg/mm2 、出側の単位張力σ2
=1.5kg/mm2 、帯状体の厚みh=0.15mm
とした。各ロールは不織布の積層構造であり、その表面
は長期時間使用後も粗い。また、帯状体は脱炭焼鈍板で
あり、その表面は酸化されている。各ロールと帯状体表
面の摩擦係数は測定実績である0.28とした。式(I
I)及び設備レイアウトよりロール数=2本、各ロール
における巻き付け角=220度とし、各ロールにおける
張力倍率は一定値=σ2/σ1=2.2とした。式
(V)にロール接触面の限界単位摩擦力fc=750p
aを代入して、それぞれのロール径D1、D2を求める
と、D1=530mm、D2=1180mmとなる。
【0051】実際には、それぞれのロール径が異なるの
は製作上も保守上も面倒であるので、安全側をみてすべ
てのロール径を530mm以下とする。
【0052】
【発明の効果】本発明により、連続焼鈍設備に設けられ
たブライドルロール及びハースロールにその本来の機能
である帯状体の張力増幅作用を確実に発揮させることが
出来、帯状体の連続焼鈍設備の高度安定操業が達成出来
る。また、帯状体とロールのスリップによる疵発生とい
う重大な欠陥も防止することが出来、工業上の価値は絶
大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブライドルロール及びハースロールのロール面
圧及び摩擦係数とスリップの関係を求めた実測値を示す
図である。
【図2】冷延鋼帯の連続焼鈍設備の炉内ブライドルロー
ル及びハースロールの配置例を示す略側面図である。
【図3】冷延珪素鋼帯の連続脱炭焼鈍設備のブライドル
ロール及びハースロールの配置例を示す略側面図であ
る。
【図4】ブライドルロールへの帯状体の巻き付け角と張
力との関係の一般例を示す図である。
【図5】ブライドルロールへの帯状体の巻き付け角と張
力との関係の別の例を示す図である。
【符号の説明】
1 帯状体 2、2a、2b、2c ブライドルロール 3 ハースロール 4 加熱炉 5 均熱炉 6 急冷炉 7 過時効炉 8 最終冷却炉 11a、11c 押しつけロール θ、θ1、θ2、θ3 帯状体のロールへの巻き付け角 T1、T2 帯状体張力

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼鈍設備に供給される帯状体を入側から
    出側へと案内する如く焼鈍設備に配設されたロール群を
    有する帯状体の連続焼鈍設備において、該ロール群中の
    少なくとも1本のロールのロール入側(押しつけロール
    で押しつけられている時は押しつけロール出側)での帯
    状体の単位張力をσ1、ロール出側(押しつけロールで
    押しつけられている時は押しつけロール入側)での帯状
    体の単位張力をσ2、帯状体の厚みをh、該ロールの直
    径をD、該ロール表面と帯状体の摩擦係数をμとすると
    き、数1式(I)で表されるロール接触面の単位摩擦力
    fが750pa(パスカル)以上となるような直径D、
    摩擦係数μのロールを備えたことを特徴とする帯状体の
    連続焼鈍設備。 【数1】 f=μh(σ1+σ2)/D (I)
  2. 【請求項2】 前記ロール群中の少なくとも1本のロー
    ルがブライドルロールであることを特徴とする請求項1
    記載の帯状体の連続焼鈍設備。
  3. 【請求項3】 前記ロール群中の少なくとも1本のロー
    ルがハースロールであることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の帯状体の連続焼鈍設備。
  4. 【請求項4】 焼鈍設備に供給される帯状体を入側から
    出側へと案内する如く焼鈍設備に配設されたロール群を
    有する帯状体の連続焼鈍設備において、該ロール群中の
    ブライドルロール入側(押しつけロールで押しつけられ
    ている時は押しつけロール出側)での帯状体の単位張力
    をσ1、ロール出側(押しつけロールで押しつけられて
    いる時は押しつけロール入側)での帯状体の単位張力を
    σ2、帯状体の厚みをh、該ロールの直径をD、該ロー
    ル表面と帯状体の摩擦係数をμとするとき、数2式
    (I)で表されるロール接触面の単位摩擦力fが750
    pa(パスカル)以上となるような直径D、摩擦係数μ
    のブライドルロールを備えたことを特徴とする帯状体の
    連続焼鈍設備。 【数2】 f=μh(σ1+σ2)/D (I)
  5. 【請求項5】 焼鈍設備に供給される帯状体を入側から
    出側へと案内する如く焼鈍設備に配設されたロール群を
    有する帯状体の連続焼鈍設備において、該ロール群中の
    ハースロール入側(押しつけロールで押しつけられてい
    る時は押しつけロール出側)での帯状体の単位張力をσ
    1、ロール出側(押しつけロールで押しつけられている
    時は押しつけロール入側)での帯状体の単位張力をσ
    2、帯状体の厚みをh、該ロールの直径をD、該ロール
    表面と帯状体の摩擦係数をμとするとき、数3式(I)
    で表されるロール接触面の単位摩擦力fが750pa
    (パスカル)以上となるような直径D、摩擦係数μのハ
    ースロールを備えたことを特徴とする帯状体の連続焼鈍
    設備。 【数3】 f=μh(σ1+σ2)/D (I)
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