JP3664112B2 - トランス装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種民生機器等に用いるトランス装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のトランス装置について図面を参照しながら説明する。
【0003】
図6は従来のトランス装置の斜視図である。
【0004】
図6において、従来のトランス装置は、一定周期の基本電圧を出力する電源部(図示せず)と、この電源部に接続し、電源部の基本電圧を入力するとともに、この基本電圧を電圧変換して第1出力電圧を出力する第1トランス52と、この第1出力電圧を入力するとともに、この第1出力電圧を電圧変換して第2出力電圧を出力する第2トランス53とを備え、第2トランス53の第2出力電圧をプロジェクター等の点灯装置に供給している。
【0005】
また、第1トランス52は第1の一次巻線と第1の二次巻線とをボビンに巻回して形成するとともに、第2トランス53は第2の一次巻線と第2の二次巻線とをボビンに巻回して形成しており、それぞれ実装基板54に別々に配置して構成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、プロジェクター等の点灯装置では、第2トランス53の出力電圧が20kV程度であり、1つのトランスで、商用電源電圧等を電圧変換すると、種々の問題が生じるために、通常は第1トランス52および第2トランス53の2つのトランスを用いて段階的に電圧変換をする。
【0007】
そのため、上記従来の構成では、2つのトランスが必要となり、トランス装置の小型化を図ることができないという問題点を有していた。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するもので、小型化を図ったトランス装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明は以下の構成を有する。
【0010】
本発明の請求項1に記載の発明は、特に、第1トランスは第1の一次巻線と第1の二次巻線とをボビンに巻回して形成するとともに、第1トランスと分割鍔を介して隣接するように第2トランスは第2の一次巻線と第2の二次巻線とを前記ボビンに巻回して形成しており、前記第1トランスは前記第1の一次巻線を前記ボビンの側面側に配置するとともに、前記第1の二次巻線を前記ボビンの前記分割鍔側に配置し、前記第2トランスは前記第2の二次巻線上に前記第2の一次巻線を配置し、かつ、前記分割鍔に溝部を設けるとともに、前記溝部に前記第2の二次巻線の引き出し線を引き廻して端子と接続した構成であり、この構成により、第1トランスと第2トランスとを同一ボビンを利用して形成することができるので、第1トランスおよび第2トランスを各々個別に形成する必要がなく、実装基板等への実装面積も減少し、トランス装置として小型化を図ることができる。
【0011】
また、第1トランスの第1の一次巻線および第1の二次巻線、第2トランスの第2の一次巻線および第2の二次巻線には、通常、絶縁被膜が施されているが、端子との接続においては、この被膜を取り除いて電気的接続をする必要がある。一般には、端子との接続部分を溶融はんだ槽に浸漬するとともに、溶融はんだを端子との接続部分に付着させ、はんだの溶融熱によって被膜を取り除き電気的接続をする。この際、はんだの溶融熱によって、端子との接続部分以外まで被膜が取り除かれたり、被膜の厚さが薄くなったりする場合があり、この場合、短絡が発生しやすくなる。特に、第2トランスの第2の二次巻線は出力電圧が20kV程度と大きいので、とりわけ短絡が発生しやすいが、分割鍔に溝部を設けるとともに、この溝部に第2の二次巻線の引き出し線を引き廻して端子と接続しているので、はんだの溶融熱で引き出し線が溶融したとしても溝部によって隔離され、短絡の発生を抑制することができる。
【0012】
さらに、第1トランスは第1の一次巻線をボビンの側面側に配置するとともに、第1の二次巻線をボビンの分割鍔側に配置し、第2トランスは第2の二次巻線上に第2の一次巻線を配置しているので、第1トランスと第2トランスとを1つのトランスとして構成する際、短絡の発生をより抑制することができる。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第1トランスは、第1の二次巻線の低電位側を第1の一次巻線側に配置するとともに、前記第1の二次巻線の高電位側を分割鍔側に配置し、第2トランスは、第2の二次巻線の高電位側を下層に配置し、前記第2の二次巻線の低電位側を上層に配置し、溝部には前記第2の二次巻線の低電位側の引き出し線を引き廻した構成であり、この構成により、溝部に引き廻す第2の二次巻線の引き出し線を低電位側にすることができ、隣接する第1の二次巻線との短絡を抑制できる。
【0014】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、分割鍔の側壁にスリットを設けるとともに、このスリットは前記分割鍔の側壁の上端面から溝部の底面まで少なくとも設け、第2の二次巻線と前記溝部の前記底面との間に空隙部を形成しないように第1トランスおよび第2トランスに絶縁樹脂を被覆した構成であり、この構成により、第1トランスおよび第2トランスに絶縁樹脂を被覆した際、溝部に引き廻した第2の二次巻線と溝部の底面との間に生じやすい空隙部は、スリットによって絶縁樹脂が空隙部へ的確に充填されるので、空隙部近傍における第2の二次巻線の絶縁性低下を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態を用いて本発明の全請求項に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施の形態におけるトランス装置の第1トランスおよび第2トランスの下方側の斜視図、図2は同トランス装置の斜視図、図3は同トランス装置の溝部近傍の断面図、図4は同トランス装置の等価回路図である。
【0017】
図1〜図3において、本発明の一実施の形態におけるトランス装置は、一定周期の基本電圧を出力する電源部1と、この電源部1に接続しこの電源部1の基本電圧を入力するとともに、基本電圧を電圧変換して第1出力電圧を出力する第1トランス2と、第1出力電圧を入力するとともに、第1出力電圧を電圧変換して第2出力電圧を出力する第2トランス3とを備えており、この第2トランス3にプロジェクター等の点灯装置16を接続している。
【0018】
また、第1トランス2は第1の一次巻線4と第1の二次巻線5とをボビン6に巻回して形成するとともに、第1トランス2と分割鍔7を介して隣接するように第2トランス3は第2の一次巻線8と第2の二次巻線9とをボビン6に巻回して形成している。この際、ボビン6には棒状のコア18を挿入し、第1トランス2と第2トランス3で共有している。
【0019】
特に、第1トランス2は第1の一次巻線4をボビン6の側面10側に配置するとともに、第1の二次巻線5をボビン6の分割鍔7側に配置し、第2トランス3はボビン6の外周に第2の二次巻線9を積層巻回するとともに、第2の二次巻線9上に第2の一次巻線8を積層巻回して配置し、かつ、分割鍔7に溝部11を設けるとともに、この溝部11に第2の二次巻線9の引き出し線12を引き廻して端子17と接続している。
【0020】
このとき、第1トランス2は第1の二次巻線5の低電位側を第1の一次巻線4側に配置するとともに、第1の二次巻線5の高電位側を分割鍔7側に配置し、第2トランス3は第2の二次巻線9の高電位側を下層に配置し、第2の二次巻線9の低電位側を上層に配置し、溝部11には第2の二次巻線9の低電位側の引き出し線12を引き廻している。
【0021】
さらに、分割鍔7の側壁にスリット13を設けるとともに、このスリット13は分割鍔7の側壁の上端面14から溝部11の底面13aまで少なくとも設け、第2の二次巻線9と溝部11の底面13aとの間に空隙部を形成しないように、第1トランス2および第2トランス3に絶縁樹脂(図示せず)を被覆した構成である。
【0022】
このときのトランス装置の等価回路は図4に示すようになる。
【0023】
上記構成のトランス装置について、以下その動作を説明する。
【0024】
上記構成により、第1トランス2と第2トランス3とを同一ボビン6を利用して形成することができるので、第1トランス2および第2トランス3を各々個別に形成する必要がなく、実装基板18等への実装面積も減少し、トランス装置として小型化を図ることができる。
【0025】
また、第1トランス2の第1の一次巻線4および第1の二次巻線5、第2トランス3の第2の一次巻線8および第2の二次巻線9には、通常、絶縁被膜が施されているが、端子17との接続においては、この被膜を取り除いて電気的接続をする必要がある。一般には、端子17との接続部分を溶融はんだ槽に浸漬するとともに、溶融はんだを端子17との接続部分に付着させ、はんだの溶融熱によって被膜を取り除き電気的接続をする。
【0026】
この際、はんだの溶融熱によって、端子17との接続部分以外まで被膜が取り除かれたり、被膜の厚さが薄くなったりする場合があり、この場合、短絡が発生しやすくなる。特に、第2トランス3の第2の二次巻線9は出力電圧が20kV程度と大きいので、とりわけ短絡が発生しやすいが、分割鍔7に溝部11を設けるとともに、この溝部11に第2の二次巻線9の引き出し線12を引き廻して端子17と接続しているので、はんだの溶融熱で引き出し線12が溶融したとしても溝部11によって隔離され、短絡の発生を抑制することができる。
【0027】
さらに、第1トランス2は第1の一次巻線4をボビン6の側面10側に配置するとともに、第1の二次巻線5をボビン6の分割鍔7側に配置し、第2トランス3は第2の二次巻線9上に第2の一次巻線8を配置しているので、第1トランス2と第2トランス3とを1つのトランスとして構成する際、短絡の発生をより抑制することができるとともに、溝部11に引き廻す第2の二次巻線9の引き出し線12を低電位側に配置可能なので、隣接する第1の二次巻線5との短絡を抑制することができる。
【0028】
そして、第1トランス2および第2トランス3に絶縁樹脂を被覆した際、図5に示すように、溝部11に引き廻した第2の二次巻線9と溝部11の底面13aとの間に空隙部15が生じやすいが、スリット13によって絶縁樹脂が空隙部15へ的確に充填(浸透)されるので、空隙部15の近傍における第2の二次巻線9の絶縁性低下を防止できる。このとき、空隙部15がスリット13を介してなくなれば、図3に示すように、第2の二次巻線9が溝部11の底面13aに接触するので、空隙部15に起因した絶縁性低下は発生しない。
【0029】
このように本発明の一実施の形態によれば、トランス装置として小型化を図ることができるとともに、はんだの溶融熱で引き出し線12が溶融したとしても溝部11によって隔離され、短絡の発生を抑制することもできる。特に、第1トランス2と第2トランス3とを1つのトランスとして構成した際も、的確に短絡の発生を抑制することができる。
【0030】
また、第1トランス2および第2トランス3に絶縁樹脂を被覆した際、溝部11に引き廻した第2の二次巻線9と溝部11の底面13との間に生じやすい空隙部15に起因した絶縁性低下も防止することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、第1トランスと第2トランスとを同一ボビンを利用して形成することができるので、第1トランスおよび第2トランスを各々個別に形成する必要がなく、実装基板等への実装面積も減少し、小型化を図ったトランス装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるトランス装置の主要部である第1トランスおよび第2トランスの斜視図
【図2】同トランス装置の斜視図
【図3】同トランス装置の溝部近傍の断面図
【図4】同トランス装置の等価回路図
【図5】空隙部形成時の同トランス装置の溝部近傍の断面図
【図6】従来のトランス装置の斜視図
【符号の説明】
1 電源部
2 第1トランス
3 第2トランス
4 第1の一次巻線
5 第1の二次巻線
6 ボビン
7 分割鍔
8 第2の一次巻線
9 第2の二次巻線
10 側面
11 溝部
12 引き出し線
13 スリット
14 上端面
15 空隙部
16 点灯装置
17 端子
18 コア
【発明の属する技術分野】
本発明は各種民生機器等に用いるトランス装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のトランス装置について図面を参照しながら説明する。
【0003】
図6は従来のトランス装置の斜視図である。
【0004】
図6において、従来のトランス装置は、一定周期の基本電圧を出力する電源部(図示せず)と、この電源部に接続し、電源部の基本電圧を入力するとともに、この基本電圧を電圧変換して第1出力電圧を出力する第1トランス52と、この第1出力電圧を入力するとともに、この第1出力電圧を電圧変換して第2出力電圧を出力する第2トランス53とを備え、第2トランス53の第2出力電圧をプロジェクター等の点灯装置に供給している。
【0005】
また、第1トランス52は第1の一次巻線と第1の二次巻線とをボビンに巻回して形成するとともに、第2トランス53は第2の一次巻線と第2の二次巻線とをボビンに巻回して形成しており、それぞれ実装基板54に別々に配置して構成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、プロジェクター等の点灯装置では、第2トランス53の出力電圧が20kV程度であり、1つのトランスで、商用電源電圧等を電圧変換すると、種々の問題が生じるために、通常は第1トランス52および第2トランス53の2つのトランスを用いて段階的に電圧変換をする。
【0007】
そのため、上記従来の構成では、2つのトランスが必要となり、トランス装置の小型化を図ることができないという問題点を有していた。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するもので、小型化を図ったトランス装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明は以下の構成を有する。
【0010】
本発明の請求項1に記載の発明は、特に、第1トランスは第1の一次巻線と第1の二次巻線とをボビンに巻回して形成するとともに、第1トランスと分割鍔を介して隣接するように第2トランスは第2の一次巻線と第2の二次巻線とを前記ボビンに巻回して形成しており、前記第1トランスは前記第1の一次巻線を前記ボビンの側面側に配置するとともに、前記第1の二次巻線を前記ボビンの前記分割鍔側に配置し、前記第2トランスは前記第2の二次巻線上に前記第2の一次巻線を配置し、かつ、前記分割鍔に溝部を設けるとともに、前記溝部に前記第2の二次巻線の引き出し線を引き廻して端子と接続した構成であり、この構成により、第1トランスと第2トランスとを同一ボビンを利用して形成することができるので、第1トランスおよび第2トランスを各々個別に形成する必要がなく、実装基板等への実装面積も減少し、トランス装置として小型化を図ることができる。
【0011】
また、第1トランスの第1の一次巻線および第1の二次巻線、第2トランスの第2の一次巻線および第2の二次巻線には、通常、絶縁被膜が施されているが、端子との接続においては、この被膜を取り除いて電気的接続をする必要がある。一般には、端子との接続部分を溶融はんだ槽に浸漬するとともに、溶融はんだを端子との接続部分に付着させ、はんだの溶融熱によって被膜を取り除き電気的接続をする。この際、はんだの溶融熱によって、端子との接続部分以外まで被膜が取り除かれたり、被膜の厚さが薄くなったりする場合があり、この場合、短絡が発生しやすくなる。特に、第2トランスの第2の二次巻線は出力電圧が20kV程度と大きいので、とりわけ短絡が発生しやすいが、分割鍔に溝部を設けるとともに、この溝部に第2の二次巻線の引き出し線を引き廻して端子と接続しているので、はんだの溶融熱で引き出し線が溶融したとしても溝部によって隔離され、短絡の発生を抑制することができる。
【0012】
さらに、第1トランスは第1の一次巻線をボビンの側面側に配置するとともに、第1の二次巻線をボビンの分割鍔側に配置し、第2トランスは第2の二次巻線上に第2の一次巻線を配置しているので、第1トランスと第2トランスとを1つのトランスとして構成する際、短絡の発生をより抑制することができる。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、第1トランスは、第1の二次巻線の低電位側を第1の一次巻線側に配置するとともに、前記第1の二次巻線の高電位側を分割鍔側に配置し、第2トランスは、第2の二次巻線の高電位側を下層に配置し、前記第2の二次巻線の低電位側を上層に配置し、溝部には前記第2の二次巻線の低電位側の引き出し線を引き廻した構成であり、この構成により、溝部に引き廻す第2の二次巻線の引き出し線を低電位側にすることができ、隣接する第1の二次巻線との短絡を抑制できる。
【0014】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、分割鍔の側壁にスリットを設けるとともに、このスリットは前記分割鍔の側壁の上端面から溝部の底面まで少なくとも設け、第2の二次巻線と前記溝部の前記底面との間に空隙部を形成しないように第1トランスおよび第2トランスに絶縁樹脂を被覆した構成であり、この構成により、第1トランスおよび第2トランスに絶縁樹脂を被覆した際、溝部に引き廻した第2の二次巻線と溝部の底面との間に生じやすい空隙部は、スリットによって絶縁樹脂が空隙部へ的確に充填されるので、空隙部近傍における第2の二次巻線の絶縁性低下を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態を用いて本発明の全請求項に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施の形態におけるトランス装置の第1トランスおよび第2トランスの下方側の斜視図、図2は同トランス装置の斜視図、図3は同トランス装置の溝部近傍の断面図、図4は同トランス装置の等価回路図である。
【0017】
図1〜図3において、本発明の一実施の形態におけるトランス装置は、一定周期の基本電圧を出力する電源部1と、この電源部1に接続しこの電源部1の基本電圧を入力するとともに、基本電圧を電圧変換して第1出力電圧を出力する第1トランス2と、第1出力電圧を入力するとともに、第1出力電圧を電圧変換して第2出力電圧を出力する第2トランス3とを備えており、この第2トランス3にプロジェクター等の点灯装置16を接続している。
【0018】
また、第1トランス2は第1の一次巻線4と第1の二次巻線5とをボビン6に巻回して形成するとともに、第1トランス2と分割鍔7を介して隣接するように第2トランス3は第2の一次巻線8と第2の二次巻線9とをボビン6に巻回して形成している。この際、ボビン6には棒状のコア18を挿入し、第1トランス2と第2トランス3で共有している。
【0019】
特に、第1トランス2は第1の一次巻線4をボビン6の側面10側に配置するとともに、第1の二次巻線5をボビン6の分割鍔7側に配置し、第2トランス3はボビン6の外周に第2の二次巻線9を積層巻回するとともに、第2の二次巻線9上に第2の一次巻線8を積層巻回して配置し、かつ、分割鍔7に溝部11を設けるとともに、この溝部11に第2の二次巻線9の引き出し線12を引き廻して端子17と接続している。
【0020】
このとき、第1トランス2は第1の二次巻線5の低電位側を第1の一次巻線4側に配置するとともに、第1の二次巻線5の高電位側を分割鍔7側に配置し、第2トランス3は第2の二次巻線9の高電位側を下層に配置し、第2の二次巻線9の低電位側を上層に配置し、溝部11には第2の二次巻線9の低電位側の引き出し線12を引き廻している。
【0021】
さらに、分割鍔7の側壁にスリット13を設けるとともに、このスリット13は分割鍔7の側壁の上端面14から溝部11の底面13aまで少なくとも設け、第2の二次巻線9と溝部11の底面13aとの間に空隙部を形成しないように、第1トランス2および第2トランス3に絶縁樹脂(図示せず)を被覆した構成である。
【0022】
このときのトランス装置の等価回路は図4に示すようになる。
【0023】
上記構成のトランス装置について、以下その動作を説明する。
【0024】
上記構成により、第1トランス2と第2トランス3とを同一ボビン6を利用して形成することができるので、第1トランス2および第2トランス3を各々個別に形成する必要がなく、実装基板18等への実装面積も減少し、トランス装置として小型化を図ることができる。
【0025】
また、第1トランス2の第1の一次巻線4および第1の二次巻線5、第2トランス3の第2の一次巻線8および第2の二次巻線9には、通常、絶縁被膜が施されているが、端子17との接続においては、この被膜を取り除いて電気的接続をする必要がある。一般には、端子17との接続部分を溶融はんだ槽に浸漬するとともに、溶融はんだを端子17との接続部分に付着させ、はんだの溶融熱によって被膜を取り除き電気的接続をする。
【0026】
この際、はんだの溶融熱によって、端子17との接続部分以外まで被膜が取り除かれたり、被膜の厚さが薄くなったりする場合があり、この場合、短絡が発生しやすくなる。特に、第2トランス3の第2の二次巻線9は出力電圧が20kV程度と大きいので、とりわけ短絡が発生しやすいが、分割鍔7に溝部11を設けるとともに、この溝部11に第2の二次巻線9の引き出し線12を引き廻して端子17と接続しているので、はんだの溶融熱で引き出し線12が溶融したとしても溝部11によって隔離され、短絡の発生を抑制することができる。
【0027】
さらに、第1トランス2は第1の一次巻線4をボビン6の側面10側に配置するとともに、第1の二次巻線5をボビン6の分割鍔7側に配置し、第2トランス3は第2の二次巻線9上に第2の一次巻線8を配置しているので、第1トランス2と第2トランス3とを1つのトランスとして構成する際、短絡の発生をより抑制することができるとともに、溝部11に引き廻す第2の二次巻線9の引き出し線12を低電位側に配置可能なので、隣接する第1の二次巻線5との短絡を抑制することができる。
【0028】
そして、第1トランス2および第2トランス3に絶縁樹脂を被覆した際、図5に示すように、溝部11に引き廻した第2の二次巻線9と溝部11の底面13aとの間に空隙部15が生じやすいが、スリット13によって絶縁樹脂が空隙部15へ的確に充填(浸透)されるので、空隙部15の近傍における第2の二次巻線9の絶縁性低下を防止できる。このとき、空隙部15がスリット13を介してなくなれば、図3に示すように、第2の二次巻線9が溝部11の底面13aに接触するので、空隙部15に起因した絶縁性低下は発生しない。
【0029】
このように本発明の一実施の形態によれば、トランス装置として小型化を図ることができるとともに、はんだの溶融熱で引き出し線12が溶融したとしても溝部11によって隔離され、短絡の発生を抑制することもできる。特に、第1トランス2と第2トランス3とを1つのトランスとして構成した際も、的確に短絡の発生を抑制することができる。
【0030】
また、第1トランス2および第2トランス3に絶縁樹脂を被覆した際、溝部11に引き廻した第2の二次巻線9と溝部11の底面13との間に生じやすい空隙部15に起因した絶縁性低下も防止することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、第1トランスと第2トランスとを同一ボビンを利用して形成することができるので、第1トランスおよび第2トランスを各々個別に形成する必要がなく、実装基板等への実装面積も減少し、小型化を図ったトランス装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるトランス装置の主要部である第1トランスおよび第2トランスの斜視図
【図2】同トランス装置の斜視図
【図3】同トランス装置の溝部近傍の断面図
【図4】同トランス装置の等価回路図
【図5】空隙部形成時の同トランス装置の溝部近傍の断面図
【図6】従来のトランス装置の斜視図
【符号の説明】
1 電源部
2 第1トランス
3 第2トランス
4 第1の一次巻線
5 第1の二次巻線
6 ボビン
7 分割鍔
8 第2の一次巻線
9 第2の二次巻線
10 側面
11 溝部
12 引き出し線
13 スリット
14 上端面
15 空隙部
16 点灯装置
17 端子
18 コア
Claims (3)
- 一定周期の基本電圧を出力する電源部と、前記電源部に接続し前記電源部の前記基本電圧を入力するとともに前記基本電圧を電圧変換して第1出力電圧を出力する第1トランスと、前記第1出力電圧を入力するとともに前記第1出力電圧を電圧変換して第2出力電圧を出力する第2トランスとを備え、前記第1トランスは第1の一次巻線と第1の二次巻線とをボビンに巻回して形成するとともに、前記第1トランスと分割鍔を介して隣接するように前記第2トランスは第2の一次巻線と第2の二次巻線とを前記ボビンに巻回して形成しており、前記第1トランスは前記第1の一次巻線を前記ボビンの側面側に配置するとともに、前記第1の二次巻線を前記ボビンの前記分割鍔側に配置し、前記第2トランスは前記第2の二次巻線上に前記第2の一次巻線を配置し、かつ、前記分割鍔に溝部を設けるとともにこの溝部に前記第2の二次巻線の引き出し線を引き廻して端子と接続したトランス装置。
- 第1トランスは、第1の二次巻線の低電位側を第1の一次巻線側に配置するとともに前記第1の二次巻線の高電位側を分割鍔側に配置し、第2トランスは、第2の二次巻線の高電位側を下層に配置し前記第2の二次巻線の低電位側を上層に配置し、溝部には前記第2の二次巻線の低電位側の引き出し線を引き廻した請求項1に記載のトランス装置。
- 分割鍔の側面にスリットを設けるとともに、このスリットは前記分割鍔の側面の上端面から溝部の底面まで少なくとも設け、第2の二次巻線と前記溝部の底面との間に空隙部を形成しないように第1トランスおよび第2トランスに絶縁樹脂を被覆した請求項1に記載のトランス装置。
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