JP3663928B2 - 光源ランプユニットおよび投写型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、光学機器などに用いられる光源ランプを備えた光源装置、この光源装置を備えた光源ランプユニットおよび光源ランプユニットを備えた投写型表示装置に関する。
【0002】
【背景技術】
今日、パーソナルコンピュータ等の画像を拡大投写するための投写型表示装置の開発、研究が盛んである。
【0003】
このような投写型表示装置では、光源ランプから出射された光をリフレクタで反射させ、この出射光を画像信号に基づいて液晶パネル等のライトバルブで変調し、変調後の光像を投写レンズ等によって投写面上に拡大投写する構成となっている。
【0004】
従来の投写型表示装置では、光源ランプとこの光源ランプを軸心に取り付けた略円錐状のリフレクタから光源装置が構成され、この光源装置と光源装置を着脱自在に取り付けるためのランプハウジングとから光源ランプユニットが構成されている。この光源ランプユニットはライトバルブや投写レンズ等とともに投写型表示装置のケース内に配置されている。
【0005】
このような構成の投写型表示装置では、光束の効率的な利用を図るため、光源ランプユニットをケース内に取り付ける際に、リフレクタの焦点に光源ランプを精度良く位置決めし、光源ランプが取り付けられたリフレクタをランプハウジングに光軸上に対応するように位置決めしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、光源ランプユニットの組み立てのため、光源ランプを点灯させた状態で最も明るくなる位置、つまり、平行光が出射される位置で光源ランプをリフレクタに対して位置決め固定し、その後、光源装置をばね等によりランプハウジングに取り付けている。
【0007】
この際、前述の通り、光源ランプはリフレクタの内面(略円錐状の反射面)に対しては位置決めされているが、リフレクタの外周部に対しては位置決めされていない。また、光源装置はリフレクタの外周部をばね等の固定部材によりランプハウジングに押さえつけることによりランプハウジングに組み込まれている。
【0008】
つまり、光源ランプはリフレクタの内面に対してのみ位置決めされており、リフレクタ外周部およびランプハウジングに対しては位置決めされていないため、ランプハウジングをケース内に取り付けた際、光源ランプの位置が設計上の光軸に対してばらついてしまい、結果として投写画面の照度低下、照度ムラといった問題を発生させていた。
【0009】
本発明の目的は、光源ランプを確実に光軸上の所定位置に配置することを可能とした光源装置、光源ランプユニットおよび投写型表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は光源ランプを取り付けるリフレクタに位置合わせ用基準面を設けて前記目的を達成しようとするものである。
【0011】
具体的には、本発明の光源ランプユニットは、光源ランプと、前記光源ランプから出射された光を反射させるリフレクタとを有し、前記光源ランプが前記リフレクタに取り付けられた光源装置と、前記光源装置を取り付けるためのランプハウジングと、を備えた光源ランプユニットであって、前記リフレクタは、その開口面の正面形状が略矩形状とされ、前記リフレクタの前記開口面の側方には、前記矩形の4辺に対応する4つの面が設けられ、前記4つの面のうち、隣り合う2つの面が、前記ランプハウジングに前記光源装置を取り付けるための第1の基準面とされており、前記リフレクタの開口面の前面には、前記ランプハウジングに前記光源装置を取り付けるための第2の基準面が設けられており、前記ランプハウジングには、前記第1、第2の基準面にそれぞれ対応する第1、第2の面が形成されるとともに、前記リフレクタを前記第1の基準面に向かって付勢する固定ばねが取り付けられており、前記リフレクタの前記第1の基準面を前記ランプハウジングの前記第1の面に合わせ、前記リフレクタの前記第2の基準面を前記ランプハウジングの前記第2の面に合わせることにより、前記光源ランプの前記ランプハウジングに対する位置決めがなされることを特徴とする。
本発明によれば、リフレクタに設けられた位置合わせ用基準面から例えば、X軸、Y軸およびZ軸に対してそれぞれ予め定められた寸法だけ離れて光源ランプを取り付けることで、光源装置を組み立てることができる。
【0012】
すなわち、光源ランプのリフレクタへの取り付けに際して、光源ランプを点灯しながら光源ランプのリフレクタへの取付位置の微調整を行わなくても光源装置の組み立てが可能となる。
【0014】
また、リフレクタを前記第1の基準面に向かって付勢する固定ばねが取り付けられており、ランプハウジングの面にリフレクタの基準面が押しつけられて合わせられることによって、光源ランプがランプハウジングに対して正確かつ確実に位置決めされることになる。
【0016】
また、前記リフレクタの開口面の正面形状が略矩形状とされているので、光源装置の小型化を図ることができる。
【0018】
また、このとき、前記リフレクタには、前記光源ランプの電極端子が設けられ、前記固定ばねは、前記光源ランプの光軸を挟んで前記電極端子とは反対側となるように配置されていることが好ましい。このようにすれば、電極端子と固定ばねとの間の放電を防止することができる。
【0019】
本発明の光源ランプユニットにおいて、前記リフレクタの前記第2の基準面と、前記ランプハウジングの前記第2の基準面とを固定する付勢手段を有することが好ましい。この構成では、光源装置とランプハウジングとの間の固定を強固なものにできる。このとき、前記付勢手段は、前記リフレクタの軸心を挟んで互いに対向する位置に配置されていることが好ましい。
【0020】
さらに、本発明では、以上の構成の光源ランプユニットと、前記光源ランプユニットから出射された光を変調する変調素子と、前記変調素子によって変調された光を投写面上に拡大投写する投写レンズユニットとを備えて投写型表示装置を構成するものである。
【0021】
したがって、これらの発明によれば、光源ランプを確実に光軸上の所定位置に配置することを可能とした光源ランプユニットおよび投写型表示装置を提供することが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1から図5には本実施形態に係る投写型表示装置1が示されている。
【0024】
図1は投写型表示装置1の全体構成を示す斜視図であり、図2は投写型表示装置1の内部構成を示す概略平面構成図であり、図3は、図2のIII−III線に沿った矢視断面図である。
【0025】
これらの図において、この投写型表示装置1は、直方体形状をした外装ケース2と、この外装ケース2の内部に配置された電源ユニット7と、この電源ユニット7に隣接配置された光源ランプユニット20と、この光源ランプユニット20からほぼ光軸に沿って出射された光束を入射できる光学ユニット9と、この光学ユニット9の前側の中央に配置された投写レンズユニット6とを備えて構成されている。
【0026】
外装ケース2は、アッパーケース3と、ロアーケース4と、装置前面を規定しているフロントケース5から構成され、フロントケース5の中央から投写レンズユニット6の先端側の部分が突出している。
【0027】
光学ユニット9の側方には、装置の前後方向に向けてインターフェース基板111が配置され、このインターフェース基板111に平行にビデオ信号処理回路が搭載されたビデオ基板112が配置されている。
【0028】
さらに、光源ランプユニット20、光学ユニット9の上側には、装置駆動制御用の制御基板113が配置され、装置前端側の左右の角には、それぞれスピーカ114R,114Lが配置されている。
【0029】
光学ユニット9の上面側の中央には冷却用の吸気ファン115Aが配置され、光学ユニット9の底面側の中央には冷却用循環流形成用の循環用ファン115Bが配置されている。
【0030】
光源ランプユニット20の裏面側である装置側面には排気ファン116が配置されている。そして、電源ユニット7における基板111,112の端に面する位置には吸気ファン115Aからの冷却用空気流を電源ユニット7内に吸引するための補助冷却ファン117が配置されている。
【0031】
電源ユニット7の直上には、その装置左側の位置にフロッピーディスク駆動ユニット(FDD)118が配置されている。
【0032】
図4には、光学ユニット9および投写レンズユニット6の部分を取り出して示されている。
【0033】
図4に示される通り、光学ユニット9は、色合成プリズム910以外の光学素子が上下のライトガイド901,902の間に上下から挟まれて保持された構成となっている。上ライトガイド901、下ライトガイド902は、それぞれアッパーケース3およびロアーケース4の側に固定ねじにより固定されている。また、これらの上下のライトガイド901、902は、色合成プリズム910の側に同じく固定ねじによって固定されている。色合成プリズム910は、厚手のヘッド板903の裏面側に固定ねじによって固定されている。このヘッド板903の前面には、投写レンズユニット6の基端側が固定ねじで固定されている。
【0034】
図5には、投写型表示装置1に組み込まれている光学系の概略構成が示されている。
【0035】
図5において、投写型表示装置1の光学系には、光源ランプユニット20の構成要素である光源ランプ10と、均一照明光学素子であるインテグレータレンズ921およびインテグレータレンズ922から構成される均一照明光学系923が採用されている。そして、投写型表示装置1は、この均一照明光学系923から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青(B)に分離する色分離光学系924と、各色光束R、G、Bを変調する3枚の液晶ライトバルブ925R,925G,925Bと、変調された後の色光束を再合成する色合成光学系としての色合成プリズム910と、合成された光束をスクリーン100の表面に拡大投写する投写レンズユニット6のうち、青色光束Bに対応する液晶ライトバルブ925Bに導く導光系927を備えている。
【0036】
均一照明光学系923は、反射ミラー931を備えており、均一照明光学系923からの出射光の光軸1aを装置前方向に向けて直角に折り曲げるようにしている。この反射ミラー931を挟んでインテグレータレンズ921,922が直交する状態に配置されている。
【0037】
光源ランプ10からの出射光は、このインテグレータレンズ921を介してインテグレータレンズ922を構成している各レンズの入射面上にそれぞれ2次光源像として投写され、当該インテグレータレンズ922からの出射光を用いて被照明対象物が照射されることになる。
【0038】
各色分離光学系924は、青緑反射ダイクロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー942と、反射ミラー943から構成される。光束Wは、青緑反射ダイクロイックミラー941において、そこに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射され、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向かう。赤色光束Rはこのミラー941を通過して、後方の反射ミラー943で直角に反射され、赤色光束Rの出射部944から出射される。
【0039】
ミラー941において反射された青色、緑色光束B,Gは、緑反射ダイクロイックミラー942において、緑色光束Gのみが直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945から色合成光学系の側に出射される。このミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束Bの出射部946から導光系927の側に出射される。本例では、均一照明光学素子の光束Wの出射部から、色分離光学系924における各色光束の出射部944,945,946までの距離が全て等しくなるように設定されている。
【0040】
色分離光学系942の赤色、緑色光束R,Gの出射部944,945の出射側には、それぞれ集光レンズ951,952が配置されている。したがって、各出射部から出射した赤色、緑色光束R,Gは、これらの集光レンズ951,952に入射して平行化される。
【0041】
このように平行化された赤色、緑色光束R,Gは、入射側偏光板960R,960Gを通って液晶ライトバルブ925R,925Gに入射して変調され、各色光に対応した画像情報が付加される。一方、青色光束Bは、導光系927を介して対応する液晶ライトバルブ925Bに導かれ、ここにおいて、同様に画像情報に応じて変調が施される。本例のライトバルブは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いることができる。
【0042】
導光系927は、青色光束Bの出射部946の出射側に配置した集光レンズ954と、入射側反射ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの反射ミラーの間に配置した中間レンズ973と、液晶ライトバルブ925Bの手前側に配置した集光レンズ953とから構成されており、集光レンズ953から出射した青色光束Bは、入射側偏光板960Bを通って液晶ライトバルブ952Bに入射して変調される。各色光束の光路長、すなわち、光源ランプ10から各液晶パネルまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、そのため、この光束の光量損失が最も多くなる。導光系927を介在させることで光量損失を抑制できる。
【0043】
次に、各液晶ライトバルブ925R,925G,925Bを通って変調された各色光束R,G,Bは、出射側偏光板961R,961G,961Bを通って色合成プリズム910に入射され、ここで再合成される。この色合成プリズム910によって合成されたカラー画像が投写レンズユニット6を介して所定の位置にあるスクリーン100の表面に拡大投写される。
【0044】
図6から図12には本実施形態にかかる光源ランプユニット20が詳細に示されている。
【0045】
図6および図7はそれぞれ光源ランプユニット20の異なる方向から見た斜視図であり、図8は光源ランプユニット20の平面図であり、図9は光源ランプユニット20の側面図であり、図10は光源ランプユニット20の背面図であり、図11は光源ランプユニット20の底面図である。
【0046】
これらの図において、光源ランプユニット20は、前記光源ランプ10を有する光源装置11と、この光源装置11が固定ばね12で取り付けられたランプハウジング22とを備えている。
【0047】
ランプハウジング22は、ベース部22Aと、このベース部22Aの正面側に立設する第1立上部22Bと、ベース部22Aの両側面側にそれぞれ対向して立設する第2立上部22Cおよび第3立上部22Hとを備え、ベース部22Aは外装ケース2(図1および図2参照)に対して取付ねじ23で着脱自在に取り付けられる。
【0048】
光源装置11は、前記光源ランプ10と、光源ランプ10を囲うとともに光源ランプ10から出射された光を反射させる略扁平円錐状のリフレクタ21とを備え、このリフレクタ21の開口面と、この開口面と当接するランプハウジング22の当接部とは補助付勢手段である2個のコ字形クリップ13で固定されている。これらのコ字形のクリップ13はリフレクタ21の軸心を挟んで互いに対向する位置に配置されている。本実施形態では、クリップ13は端子側の角部を除いた3箇所の角部に配置するものでもよい。
【0049】
光源ランプ10は、互いに対向配置された陽極芯棒および陰極芯棒と、これらの芯棒の互いに対向しない側の端部に接続されたモリブデン箔と、各芯棒および各モリブデン箔を覆う発光管とを備えたDC点灯用のメタルハライドランプである。このランプは、DC点灯用以外にAC点灯用を利用することができる。
【0050】
陰極芯棒はリード線を介して低電圧のマイナス電極端子10Aと接続され、このマイナス電極端子10Aはリフレクタ21の光源ランプ10の軸心上に設けられている。
【0051】
陽極芯棒はリード線を介して高電圧のプラス電極端子10Bと接続され、このプラス電極端子10Bはリフレクタ21の外周面上であってマイナス電極端子10Aと離れた位置に設けられている。また、光源装置11の小型化を図るため、プラス電極端子10Bの正面側配置位置はリフレクタ21の平面内である。
【0052】
両電極端子10A,10Bの間には数十kVの電圧が印加されるようになっており、マイナス電極端子10Aが高電圧側の電極であり、プラス電極端子10Bが低電圧側の電極である。これらの電極端子10A,10Bはそれぞれリード線14の一端と接続され、これらのリード線14の他端は、それぞれランプハウジング22に設けられたソケット15に取り付けられている。
【0053】
リフレクタ21は、その開口面の正面形状が側面を切り欠いて略矩形状とされた本体21Aと、この本体21Aの側面に形成された切欠部を覆う平面部21Bとを備えた構成であり、その正面側に透明な保護ガラス24が設けられている。リフレクタ21の開口端縁において互いに隣り合う2辺には、光源ランプ10をY軸およびZ軸に位置合わせして取り付けるための位置合わせ用基準面21Cが形成され、リフレクタ21の開口部前面には、光源ランプ10をX軸方向に位置合わせして取り付けるための位置合わせ用基準面21Dが形成されている。ここで、平面部21Bの開口面側端縁は位置合わせ用基準面21C,21Dを構成する。
【0054】
この位置合わせ用基準面21C,21Dは、光源装置11をランプハウジング22に取り付けるための取付用基準面を兼ねる。すなわち、位置合わせ用基準面21Cをランプハウジング22のベース部22Aと第2立上部22Cに合わせ、かつ、位置合わせ用基準面21Dをランプハウジング22の第1立上部22Bに合わせることにより、光源ランプ10のランプハウジング22に対する位置決めがされることになる。
【0055】
固定ばね12は、プラス電極端子10Bとは光源ランプ10の光軸を挟んで互いに反対側であってリフレクタ21の位置合わせ用基準面21Cに対向した2辺側に配置され、当該位置合わせ用基準面21Cに向かって付勢するように構成されている。
【0056】
この固定ばね12は、その一端が第2立上部22Cの上部に形成された係合孔22Dに係合され、その他端が第3立上部22Hの下部に形成された係合孔22Eに係合され、その中心部が当該第3立上部22Hの上部に形成された挿通孔22Fに挿通された略L字型の金属製線ばねである。
【0057】
ランプハウジング22のベース部22Aの下面には光源ランプユニット20を外装ケース2から取り出すための把手25が設けられており、この把手25はベース部22Aの底部に形成された凹み22Gに収納可能とされている。ここで、把手25は金属製であるが、ランプハウジング22は、絶縁性のプラスチックから形成されているため、金属製の把手25と光源ランプ10のプラス電極端子10Bとの間は絶縁材からなるランプハウジング22によって電気的に遮断されることになる。
【0058】
把手25は、略コ字形に形成された把手本体25Aと、この把手本体25Aの両端部にそれぞれ設けられベース部22Aに回動自在に支持された軸支部25Bとを備えた1本の弾性力を有する線材から構成されている。
【0059】
ベース部22Aの底部に形成された凹み22Gには把手本体25Aを保持する突起26,27が形成されている。
【0060】
把手25のランプハウジング22への具体的な保持構造が図12および図13に示されている。図12は把手25の一端部近傍の保持構造を示す断面図であり、図13は把手25の中心部近傍の保持構造を示す断面図である。
【0061】
図12において、突起26は凹み22Gの側面から突出して形成されており、その上端部に把手本体25Aが支持可能とされている。把手本体25Aを軸支部25Bを中心として回動することにより、把手25は、その弾性力に抗して突起26から外れることになる(想像線参照)。
【0062】
両端側の軸支部25Bはベース部22Aの袋状に形成された被支持部に回動自在に支持されており、ベース部22Aを通じての把手25と電極端子10A,10Bとの通電状態が阻止されている。ランプハウジング22は射出成形法により射出一体成形で製造されるが、ベース部22Aの互いに対向する位置に袋状に形成された被支持部を一体に形成するため、射出成形用の金型に被支持部を形成するためのピンを対向配置する。
【0063】
図13において、突起27は凹み22Gの両側面からそれぞれ突出して形成されている。ここで、把手本体25Aは、その弾性により、突起26と突起27とにより挟持される。こうしておくと、把手25はベース部22に形成された凹み22G内にガタつくことなく収納される。したがって、光源ランプユニットを組み込んだ投写型表示装置では、振動や音により光源ランプユニットの把手25が共振してしまうことを防げる。なお、把手25の他端部近傍には突起26は形成されていないため、把手本体25Aは隣り合う2辺で突起26,27で保持される構造である。なお、本実施形態では、1つの突起26または突起27のみ、あるいは突起26を両側に設けて合計3つの突起26,27で把手本体25Aを保持する構造としてもよい。
【0064】
このような本実施形態においては、まず、リフレクタ21に設けられた位置合わせ用基準面21C,21DからX軸、Y軸およびZ軸に対してそれぞれ予め定められた寸法だけ離れて光源ランプ10をリフレクタ21の軸心部に取り付ける。その後、保護ガラス24をリフレクタ21の正面に取り付けて光源装置11を組み立てる。
【0065】
さらに、この光源装置11をランプハウジング22に取り付けて光源ランプユニット20を組み立てるが、この組立作業にあたり、リフレクタ21の位置合わせ用基準面21C,21Dをランプハウジング22の所定位置に押しつけることにより光源ランプ10のランプハウジング22に対する位置決めを行い、その後、固定ばね12およびコ字形のクリップ13でランプハウジング22と光源装置11とを確実に固定する。ここで、金属製の固定ばね12を光源ランプ10の光軸を挟んで光源ランプ10の高電圧の電極端子10Bとは反対側の位置に取り付ける。固定ばね12は光源装置11の位置合わせ用基準面21Cをランプハウジング22の所定位置に押しつける状態にする。
このように組み立てられた光源ランプユニット20を予め電源ユニット7等の部品を装着した外装ケース2に取り付けて投写型表示装置1の組立作業が完了する。
【0066】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
【0067】
すなわち、光源装置11は、光源ランプ10と、この光源ランプ10から出射された光を反射させるリフレクタ21とを備え、このリフレクタ21には光源ランプ10をX軸、Y軸およびZ軸に位置合わせして取り付けるための位置合わせ用基準面21C,21Dを形成したから、この位置合わせ用基準面21CからX軸、Y軸およびZ軸に対してそれぞれ予め定められた寸法だけ離れて光源ランプ10を取り付けることで、光源ランプ10を点灯しながら光源ランプ10のリフレクタ21への取付位置の微調整を行わなくてもよくなる。
【0068】
さらに、本実施形態では、リフレクタ21はランプハウジング22に取り付け可能とされ、位置合わせ用基準面21C,21Dは、リフレクタ21をランプハウジング22に取り付けるための取付用基準面を兼ねている構成であるから、光源装置11をランプハウジング22に取り付けて光源ランプユニット20を組み立てるに際して、ランプハウジング22にリフレクタ21の基準面側を押しつけるだけで光学ランプがランプハウジング22に対して正確に位置決めされることになり、容易に光源ランプ10を光軸上の所定位置に配置することができる。
【0069】
そして、リフレクタ21は、その開口面の正面形状が側面を切り欠いて略矩形状とされたから、光源装置11の小型化を図ることができるだけでなく、略矩形状開口面の互いに直交する2辺を位置合わせ用基準面21Cとすることにより、光源ランプ10をより正確にリフレクタ21に取り付けることができる。
【0070】
さらにまた、リフレクタ21は、本体21Aと、この本体21Aの側面に形成された切欠部を覆う平面部21Bとを備え、この平面部21Bの端縁は位置合わせ用基準面21Cを構成するから、平面部21Bで切欠部を覆うことにより、仮に、光源ランプ10が事故等に起因して破裂しても、光源ランプ10の破片が平面部21Bで塞がれることで光源ランプユニット20の外に飛散することを防止できる。
【0071】
また、本実施形態では、以上の構成の光源装置11と、この光源装置11を取り付けるためのランプハウジング22とを備えて光源ランプユニット20を構成するものであるから、組立作業が簡単に行える光源ランプユニット20を提供することが可能である。
【0072】
また、本実施形態では、光源装置11とランプハウジング22とを取り付けるための固定ばね12を、光源ランプ10の高圧側の電極端子10Bとは前記光源ランプ10の光軸を挟んで反対側となるように配置したから、電極端子10Bと固定ばね12とは相対的に最も離れた場所に位置することになり、電極端子10Bと固定ばね12とでの放電を防止することができ、安全に、光源ランプ10を十分に発光させることができる。
【0073】
また、リフレクタ21は、その開口面の正面形状が略矩形状とされ、固定ばね12はリフレクタ21の開口面正面の互いに隣り合う2辺側に設けられ当該2辺と対向する2辺に向かって付勢するように構成されるものであるから、固定ばね12で光源装置11を2方向からランプハウジング22に押しつけることにより、光源装置11のランプハウジング22への固定を確実に行えるだけでなく、光源ランプ10の電極端子10Bをリフレクタ21の当該2辺と対向する2辺側に近接するように配置することで電極端子10Bと固定ばね12との間の放電を確実に防止することができる。
【0074】
さらに、リフレクタ21の開口面と、この開口面と当接するランプハウジング22の当接部とは補助付勢手段であるコ字形クリップ13で固定されているので、光源装置11とランプハウジング22との間の固定を強固なものにできる。
【0075】
また、ランプハウジング22には金属製の把手25が設けられ、この把手25と光源ランプ10の電極端子10Bとの間は絶縁材、つまり、絶縁性を有するプラスチック製のランプハウジング22で遮断されているから、電極端子10Bと把手25との間の距離は沿面距離となり、両者の間での放電が発生しにくい。
【0076】
また、把手25は略コ字形に形成された把手本体25Aと、この把手本体25Aの両端部にそれぞれ設けられランプハウジング22に回動自在に支持された軸支部25Bとを備えた構成であり、ランプハウジング22には突起26,27が形成されているから、非使用時の把手25をランプハウジング22に収納することができるとともに、収納時の把手25は突起26,27でがたつくことなく保持される。
【0077】
さらに、以上の構成の光源ランプユニット20と、この光源ランプユニット20から出射された光を変調する液晶ライトバルブ925R,925G,925Bと、このライトバルブ925R,925G,925Bによって変調された光を投写面上に拡大投写する投写レンズユニット6とを備えて投写型表示装置1を構成するから、電極端子10Bと固定ばね12とでの放電を防止して光源ランプ10を十分に発光させることができ、しかも、組立作業が簡単に行える投写型表示装置1を提供することが可能である。
【0078】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0079】
例えば、前記実施形態では、位置合わせ用基準面21C,21Dは、光源装置11をランプハウジング22に取り付けるための取付用基準面を兼ねている構成であったが、本発明では、ランプハウジング22に取り付けるための取付用基準面を位置合わせ用基準面21C,21Dとは別に形成するものでもよい。
【0080】
さらに、リフレクタ21は、その開口面の正面形状が側面を切り欠いて略矩形状とされたが、リフレクタ21の開口面の平面形状を円形、楕円形、三角形、五角形等の矩形以外の形状とし、開口面に位置合わせ用基準面21C,21Dを形成するものでもよい。
【0081】
また、リフレクタ21は、本体21Aの側面に形成された切欠部が露出した構造でもよく、さらには、光源装置11とランプハウジング22とを取り付けるための固定ばね12を必ずしも設けることを要しない。仮に、固定ばね12を設ける場合であっても、線ばねに限定されるものではなく、たとえば、コイルばねであってもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、光源ランプを取り付けるリフレクタに位置合わせ用基準面を設けたから、位置合わせ用基準面からX軸、Y軸およびZ軸に対してそれぞれ予め定められた寸法だけ離れて光源ランプを取り付けることで、光源ランプを点灯しながらリフレクタへの取付位置の微調整を行わなくてもよくなる。そのため、光源ランプを確実に光軸上の所定位置に配置することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る投写型表示装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】前記投写型表示装置の内部構成を示す概略平面構成図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った矢視断面図である。
【図4】光学ユニットおよび投写レンズユニットの部分を取り出して示す概略平面構成図である。
【図5】光学ユニットに組み込まれている光学系を示す概略構成図である。
【図6】光源ランプユニットの斜視図である。
【図7】図6とは異なる方向から見た光源ランプユニットの斜視図である。
【図8】光源ランプユニットの平面図である。
【図9】光源ランプユニットの側面図である。
【図10】光源ランプユニットの背面図である。
【図11】光源ランプユニットの底面図である。
【図12】把手の一端部近傍の保持構造を示す断面図である。
【図13】把手の中心部近傍の保持構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 投写型表示装置
6 投写レンズユニット
10 光源ランプ
11 光源装置
20 光源ランプユニット
21 リフレクタ
21B 平面部
21C,21D 位置合わせ用基準面(取付用基準面)
22 ランプハウジング
925R,925G,925B 液晶ライトバルブ
Claims (5)
- 光源ランプと、前記光源ランプから出射された光を反射させるリフレクタとを有し、前記光源ランプが前記リフレクタに取り付けられた光源装置と、
前記光源装置を取り付けるためのランプハウジングと、
を備えた光源ランプユニットであって、
前記リフレクタは、その開口面の正面形状が略矩形状とされ、
前記リフレクタの前記開口面の側方には、前記矩形の4辺に対応する4つの面が設けられ、
前記4つの面のうち、隣り合う2つの面が、前記ランプハウジングに前記光源装置を取り付けるための第1の基準面とされており、
前記リフレクタの開口面の前面には、前記ランプハウジングに前記光源装置を取り付けるための第2の基準面が設けられており、
前記ランプハウジングには、前記第1、第2の基準面にそれぞれ対応する第1、第2の面が形成されるとともに、前記リフレクタを前記第1の基準面に向かって付勢する固定ばねが取り付けられており、
前記リフレクタの前記第1の基準面を前記ランプハウジングの前記第1の面に合わせ、前記リフレクタの前記第2の基準面を前記ランプハウジングの前記第2の面に合わせることにより、前記光源ランプの前記ランプハウジングに対する位置決めがなされる
ことを特徴とする光源ランプユニット。 - 請求項1に記載の光源ランプユニットにおいて、
前記リフレクタには、前記光源ランプの電極端子が設けられ、
前記固定ばねは、前記光源ランプの光軸を挟んで前記電極端子とは反対側となるように配置されている
ことを特徴とする光源ランプユニット。 - 請求項1または2に記載の光源ランプユニットにおいて、
前記リフレクタの前記第2の基準面と、前記ランプハウジングの前記第2の基準面とを固定する付勢手段を有する
ことを特徴とする光源ランプユニット。 - 請求項3に記載の光源ランプユニットにおいて、
前記付勢手段は、前記リフレクタの軸心を挟んで互いに対向する位置に配置されている
ことを特徴とする光源ランプユニット。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の光源ランプユニットと、前記光源ランプユニットから出射された光を変調する変調素子と、前記変調素子によって変調された光を投写面上に拡大投写する投写レンズとを備えていることを特徴とする投写型表示装置。
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