JP3663811B2 - 光ディスク装置及び情報処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板上のICの発熱による情報処理装置内の温度上昇を防ぐための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報処理装置の一例として光ディスク装置がある。その従来例として、実開昭61−45762号に記載のように、塵埃の進入を防止するため、装置のディスク出し入れ口に二重のドアを設ける構成が知られている。すなわち、前記ドアにより、ディスク装着時及び非装着時の両方においてディスク出し入れ口を塞ぎ塵埃の進入を防止していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例では、装置内部が外部と遮蔽され密閉状態となるため、塵埃の進入は防止できるが、同時に装置内部の熱を装置外へ放出し難くなる。近年装置の光ディスクの高速回転化(高速データ転送技術)に伴い発熱が従来より多くなり、塵埃進入防止との兼ね合いでIC等で発生する熱を効率良く放出する必要が出てきた。
【0004】
熱を装置外へ放出する手段として、カバーとICパッケージ間に伝熱スペーサ(シリコンエラストマー等の放熱ゴムシート)を入れ、カバーを放熱フィン代わりにICの熱を放出させる方法がある。しかし、通常放熱の必要があるICは複数個あるのが一般的であり、しかもICのパッケージ高さが異なる場合が多い。そのため、カバーとIC間に入れる伝熱スペーサの厚さはICごとにICパッケージ高さに合わせる必要があり、異なる厚さの伝熱スペーサを多数使用しなければならず、伝熱スペーサ製作の際に素材の厚さ間違いや、組立て時部品間違いが起こる等の問題がある。
【0005】
本発明の目的は、パッケージ高さの異なる複数のICがあっても、パッケージの高さにかかわりなく挟み込む伝熱スペーサの厚さを統一できるようにし、同じ厚さの素材を使用可能とする構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、カバーのパッケージ高さの低いICのある上部に、IC間のパッケージ高さの差に等しい量の絞りを設け、ICパッケージとカバー距離がICの高さにかかわらずどのICでも同じになるようにする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を光ディスクを例に取り図面により説明する。
【0008】
図3は光ディスク装置の斜視図である。図2は図3の光ディスク装置斜視図をA−Aで切断した断面図である。図1は図2のB部詳細図であり、本発明の放熱構造を示すものである。
【0009】
図1において、1はトップカバー、2は回路基板、3は伝熱スペーサである。トップカバー1には、後述のIC上に絞り1a、1bが設けられている。回路基板2はメカニズム(図示せず)や装置の制御を行い、基板上にはICの2a、2b、2c等がある。本実施例では説明が容易なように、基板上のICは一列に並べて示すものとする。伝熱スペーサ3は伝熱性能を有する部材で、例えば放熱ゴムシート(シリコンエラストマ)等である。伝熱スペーサ3a、3b、3cは、トップカバー1とIC 2a、2b、2c間に挟み込まれ、厚さは同一である。伝熱スペーサ3の材質が、例えば弾性を合わせ持つ放熱ゴムシート等であれば、トップカバー1とICで適量の圧縮を行い外れ落ちないようにしてもよい。
【0010】
図2において、本実施例の装置は防塵構造を有しており、回路基板2、トレー部シールド4、リヤー部シールド5、ヘッドホン・ヘッドホンボリューム部シールド6等により光ピックアップメカ7のある装置内部への塵埃の進入を防止している。光ピックアップメカ7にはレーザー装置8(図示せず)があり光ディスク9からの情報の読み出しや、光ディスク9への情報の書き込みを行う。レーザー装置8の寿命は周囲温度で決まり、周囲温度が高いと寿命が短くなる。よって内部、特にレーザー装置8周辺は温度をできるだけ下げることが重要となる。
【0011】
内部で発生する熱(例えば光ピックアップメカ7のモータドライバIC10(図示せず)等から発生する熱)は、装置が密閉構造であるため、外部に放出し難い。よって、極力熱源となるIC等は外側に配置すると同時に回路基板2の外側のIC(IC 2a、2b、2c等)の熱も内部の温度上昇とならないように外部に放出する必要があり、伝熱スペーサ3を介してトップカバー1に熱を導き、トップカバー1から熱を外気に放出する構造とする。よって、トップカバー1の材質は放熱効果の高い金属、例えばアルミニューム・鉄等がよい。
【0012】
図3において、回路基板2上のICの2a、2b、2cはパッケージ高さが異なるものが一般的である。ここで、トップカバー1の絞り1a、1bの絞り量h1、h2は、それぞれICの2aと2c及び2bと2cの差とする。
【0013】
これにより、ICパッケージの高さにかかわりなくICとトップカバー1の距離が一定になるので、伝熱スペーサ3a、3b、3cの厚さh0を同一にできる。そのため伝熱スペーサ3a、3b、3cは少なくとも同一厚さの素材を使用可能となり、更には外形を同一にできれば同一部品の複数個使用も可能となる。又、ICの2a、2b、2cが近い距離であれば、伝熱スペーサ3a、3b、3cを一体化(一枚化)し部品点数を削減することも可能である。よって、伝熱スペーサ3の製造時においては素材の材質・板厚管理が容易であり、装置組立て時においても部品誤取付けなどもなくなる効果がある。
【0014】
仮に、トップカバー1に絞り1a、1bが設けられていなければ、伝熱スペーサ3a、3b、3cの厚さh0をそれぞれIC 2a、2bに合わせて変更しなければならず、厚さの異なる素材を本実施例で考えれば3種類用意する必要があり、伝熱スペーサ3の材質・板厚の管理が難しくなる。又、装置組立て時も部品誤取付けの危険性が出てくる。
【0015】
また、本実施例で、伝熱スペーサ3が放熱ゴムシート等の弾性を有する材料であれば、ICパッケージの高さのバラツキ、トップカバーの絞り量のバラツキ等の寸法差を吸収できる利点がある。
【0016】
なお、本実施例は、光ディスク装置について説明したが、回路基板上にパッケージ高さの異なる複数のICを有し、該回路基板上を覆うカバーを有する情報処理装置であれば、光ディスク装置に限定されるものではなく、前記カバーに、前記複数のIC間のパッケージ高さの差に応じた量の絞りを設けることで、同様の効果が得られるのは言うまでもない。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、ICパッケージの高さにかかわりなくICとトップカバーの距離が一定になるので、個々の伝熱スペーサの厚さを同一にできる。そのため個々の伝熱スペーサは少なくとも同一厚さの素材を使用可能となり、更には外形を同一にできれば同一部品の複数個使用も可能となる。又、複数のICが近い距離に配置されていれば、個々の伝熱スペーサを一体化(一枚化)し部品点数を削減することも可能である。よって、伝熱スペーサの製造時においては素材の材質・板厚管理が容易であり、装置組立て時においても部品誤取付けなどもなくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のB部詳細図で、本発明による光ディスク装置の放熱構造を示す図
【図2】図3のA−A断面図で、本発明による光ディスク装置の断面を示す図
【図3】本発明による光ディスク装置の斜視図
【符号の説明】
1…トップカバー 2…回路基板 2a、2b、2c…IC 3…伝熱スペーサ3a、3b…伝熱スペーサ 4…トレー部シールド 5…リヤー部シールド 6…ヘッドホン・ヘッドホンボリューム部シールド 7…光ピックアップメカ 8…レーザー装置 9…光ディスク 10…モータドライバIC

Claims (5)

  1. パッケージ高さの異なる複数のICを設置した回路基盤と、
    該回路基盤を覆うように設置されたカバーと、
    を有する情報処理装置において、
    前記ICは前記回路基盤の前記カバー対向面に設置されており、
    前記ICのカバー対向面と前記カバーのIC対向面との距離が略一定となるように、前記カバーに絞りを設け
    前記複数のICと前記カバー間に伝熱スペーサを設け、
    前記伝熱スペーサは、略同一厚さで一体化されて複数のICに対応し、
    かつ、対応する前記複数のIC及び前記カバーに接触する
    ことを特徴とする情報処理装置。
  2. 請求項1に記載の情報処理装置において、
    前記カバーは板状であり、任意の個所のカバー厚さは略一定であることを特徴とする情報処理装置。
  3. 請求項1に記載の情報処理装置において、
    前記伝熱スペーサは弾性を有することを特徴とする情報処理装置。
  4. 請求項1から3何れか一項に記載の情報処理装置において、
    前記回路基盤は、前記カバーにより防塵構造をとっていることを特徴とする情報処理装置。
  5. レーザ装置を有する光ピックアップメカ部と、
    パッケージ高さの異なる複数のICを設置した回路基盤と、
    該回路基盤を覆うように設置されたカバーと、
    を有する光ディスク装置において、
    前記ICは前記回路基盤の前記カバー対向面に設置されており、
    前記ICのカバー対向面と前記カバーのIC対向面との距離が略一定となるように、前記カバーに絞りを設け、
    前記複数のICと前記カバー間に伝熱スペーサを設け、
    前記伝熱スペーサは、略同一厚さで一体化されて複数のICに対応し、
    かつ、対応する前記複数のIC及び前記カバーに接触する
    ことを特徴とする光ディスク装置。
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