JP3663412B2 - コンクリート製魚礁及びその表面処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海底に沈めた状態で水中生物の生息に適した空間を提供する、栽培漁業を目的としたコンクリート製の人工魚礁、及びその表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
栽培漁法に必要な魚礁は、各地漁業組合、及び関連業界の長年の経験及び研究開発により、育成対象別に、数多くの魚礁形状が考案され使用されてきた。これらの魚礁製作に最も適した素材は、型枠に注入し成型できるコンクリートであり、重量、及び強度、耐久性はほぼ優良であると評価され、コスト面でも許容できるものである。
【0003】
素材の適性は鉄鋼素材が最も優れているが、各種栽培対象が好む魚礁形状を造形することは困難であり、製作可能な形状は、直線的であり.巣作りの概念からは不適な構造とすることを余儀なくされる。また製作コストも高く、同規模のコンクリート魚礁と比較すれば20倍以上のコスト差があり、大量に施設することは経済的に困難とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような観点から、鉄鋼製魚礁よりもコンクリート製魚礁の方が有利な点が多いが、一方でコンクリート製魚礁は、施設初期段階において、カルシウムイオンのような強アルカリ成分(最大pH14.5)を長期間滲出し、5年経過時点にてpH10から11のアルカリ濃度が検出されるという報告もある。
【0005】
また、コンクリート魚礁表面は炭酸カルシウムで覆われて白色となり、海洋植物、及びプランクトンが枯死状態となり、生物不毛のブロックを形成する。
具体的には、栽培漁業を目的として従来から使用されているコンクリート製魚礁の表面には、その初期段階において、強アルカリ抽出による強固な塩化カルシウム層が形成される。この強固な塩化カルシウム層は、植物プランクトンの生育を阻害し、魚礁の環境必要条件ともいえる、アラメ、カジメなどの大型福藻類の繁殖による海中林の造成を大幅に遅延させている。
【0006】
従って、コンクリート製魚礁は、漁場に沈設しても、3〜5年は、栽培を目的とした、伊勢エビ、アワビ、イシダイ、マハタ、メジナ、ブダイ、カワハギ、メバル、カサゴなどの生息が望めず、産卵、孵化などの増殖環境の形成には適さない。
各地漁場では、計画的にコンクリート製魚礁の沈設が実施されてきたが、その目的とは相反して、エビ、貝類、魚類の忌避が発生し、良好な漁場の荒廃に近い現象を被肉にも推進していることが指摘されている。
【0007】
魚礁ではないが、湾岸、及び海岸の波浪侵食を防止する目的で、消波ブロック等の大型コンクリート製品の設置が大規模に実施されているが、これらのコンクリート製品から発生するカルシウムイオンは、初期段階においてpH14程度の強アルカリを発生し、いわゆる磯焼け現象を起こし、植物プランクトンの発生を阻害し、岸辺に産卵する魚類が忌避している。例えば、北部日本海側に産卵するハタハタ等の極端な減産の原因と考えられている。
【0008】
このため、良好な漁場に、計画的に魚礁ブロックを沈設すれば、漁獲対象物は逆に忌避、散逸するが、コンクリート魚礁ブロックのコンクリート成分が海水により中性化(pH8.0以下)した5年経過時点では、再び良好な漁場が復活していることが各種魚礁沈設現場から報告されている。
【0009】
これらの事実は、目的とする海洋牧場の創設とは相反する被肉な結果が発生していることを意味し、事業推進に疑義を呈さなくてはならないことになる。
さらに、コンクリート製品の表面に硫酸第一鉄(FeSO4 ・7H2O)層を形成し、海水中において鉄分の浸透薄膜を形成させ、初期段階から藻類の生育に必要な必須微量ミネラル鉄分を常に供与させる、特殊コンクリート塗装方式も実施されているが、鉄鋼製品と比較してコストは低いが、加工方法、耐久性の点で優れているとは評価できない現状である。
【0010】
また各種コンクリート製魚礁構造の複雑な形状の表面に、硫酸第一鉄を塗布した有機フィルムを張り付ける作業はかなり困難であり、伊勢エビ魚礁のような、小径孔の組み合わせが必要な形状等には実際的に加工不可能である。さらに他の魚介類の形状も、複雑な横穴形状の組み合わせで構成されているので、アルカリ抽出の防止、及び鉄イオンの放出を目的としたコンクリート製魚礁の全面被覆は技術的には施工困難であるといえる。
【0011】
本発明は、魚礁造形に最適なコンクリート製魚礁の最大問題点である、強アルカリ成分の滲出を防止し、貝類、エビ類、魚類、及び各種藻類が好んで生息、及び育成可能な環境を作り上げることが可能なコンクリート製魚礁を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、コンクリート製の魚礁ブロックの表面に、炭化珪素、溶融アルミナ、及び(または)純珪素粉末からなるセラミック強化粗面層と、亜鉛含有金属溶射被膜と、溶射純鉄層とが設けられていることを特徴とするコンクリート製魚礁である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記セラミック強化粗面層が、炭化珪素粉末、溶融アルミナ粉末、及び純珪素粉末のいずれか1種もしくは2種以上のセラミック粉末混合物と、エポキシ樹脂と、アイロジル粉末とを混合し、さらに硬化剤を添加、撹拌したセラミック処理液を塗布したのち硬化させることにより形成されたものである請求項1に記載のコンクリート製魚礁である。
請求項3に記載の発明は、前記亜鉛含有金属溶射被膜が99.9%の亜鉛を含量している請求項1または2に記載のコンクリート製魚礁である。
請求項4に記載の発明は、前記亜鉛含有金属溶射被膜が、アルミニウム含量5〜15重量%の亜鉛アルミニウム合金からなっている請求項1または2に記載のコンクリート製魚礁である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記亜鉛含有金属溶射被膜の厚さが75〜200mμである請求項4に記載のコンクリート製魚礁である。請求項6に記載の発明は、コンクリート製の魚礁ブロックの表面に、炭化珪素粉末、溶融アルミナ粉末、及び純珪素粉末のいずれか1種もしくは2種以上のセラミック粉末混合物と、エポキシ樹脂と、アイロジル粉末とを混合し、さらに硬化剤を添加、撹拌したセラミック処理液を塗布したのち硬化させることにより、前記後魚礁ブロック表面にセラミック強化粗面層を形成し、前記セラミック強化粗面層上に、亜鉛−アルミニウム合金を溶射して亜鉛−アルミニウム複合金属溶射被膜を形成し、さらに前記溶射金属被膜上に純鉄を溶射して溶射純鉄層を形成すること、を特徴とするコンクリート製魚礁の表面処理方法である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記硬化剤がアミン酸の溶媒溶液である請求項6に記載のコンクリート製魚礁の表面処理方法である。請求項8に記載の発明は、前記セラミック粉末混合物の粒子径が35〜150mμである請求項6に記載のコンクリート製魚礁の表面処理方法である。請求項9に記載の発明は、前記亜鉛含有金属溶射被膜が99.9%の亜鉛を含量している請求項6〜8のいずれか1項に記載のコンクリート製魚礁の表面処理方法である。
【0016】
請求項10に記載の発明は、前記亜鉛含有金属溶射被膜が、アルミニウム含量5〜15重量%の亜鉛アルミニウム合金からなっている請求項6〜9のいずれか1項に記載のコンクリート製魚礁の表面処理方法である。請求項11に記載の発明は、前記亜鉛含有金属溶射被膜の厚さが75〜200mμである請求項6〜9のいずれか1項に記載のコンクリート製魚礁の表面処理方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示す本発明のコンクリート製魚礁は、コンクリートブロック1の実質的な全表面に、炭化珪素、溶融アルミナ、及び(または)純珪素粉末からなるセラミック強化粗面層2と、亜鉛含有金属溶射被膜3と、溶射純鉄層4とを設けた構成を有する。
【0018】
セラミック強化粗面層2は、その上層に形成される溶射金属被膜2のコンクリートブロック1表面に対する密着力を向上させることを主目的として設けられるもので、コンクリートブロック1の表面に、例えば粒子径35〜150μm程度の炭化珪素、溶融アルミナ、純珪素の粉末を単独で、あるいは任意の組合せで配合したものに、エポキシ樹脂80重量%、増粘剤としてのアイロジル粉末5〜10重量%を混合し、硬化剤としてのアミン酸(30%キシレン系溶剤溶液)25重量%を添加して撹拌後、高圧エアースプレーしたのち硬化させることにより形成することができる。このようにして得られたセラミック強化粗面層2は、コンクリートブロック1に75〜150mμRzの粗面を形成する。
【0019】
図2は、コンクリートブロック1の表面に形成されたセラミック強化粗面層2を模式的に示したもので、その上に形成される各層のためのアンカーとなる多数の微小な気孔を有している状態を表している。
【0020】
また、亜鉛含有金属溶射被膜3は、セラミック強化粗面層2の上に、アルミニウムに亜鉛イオンを拡散させた亜鉛イオン拡散アルミニウム合金(例えばAl55容量%,Zn45%)、あるいはアルミニウム含量5〜15重量%の亜鉛アルミニウム合金を溶射することにより、例えば75μm〜200μmの厚さで形成される。この亜鉛含有金属溶射被膜3は、溶融状態の金属粒子を噴射して形成された金属被膜であるため、平均4mμ程度の微細な連続気孔が形成していることを特色とする。
亜鉛含有金属溶射被膜3上に設けられる溶射純鉄層4は、とくに藻類の生育に必要な必須微量ミネラル鉄分を常に供与するための鉄イオン供給源として設けられるもので、この溶射純鉄層4も、溶射に特有の多数の微小連続気泡を有している。
【0021】
このように構成されたコンクリート製魚礁において、コンクリートブロック1表面に被覆された亜鉛含有金属溶射被膜3、及び溶射純鉄層4に海水が浸透し、亜鉛含有金属溶射被膜3内の気孔間で短期間に亜鉛表面は海水中の塩素と反応して塩化亜鉛となり、その結果としてその容積が約2.5倍に増大する。このため、溶射被膜中に存在していた連続気孔は塞がれ(自己封孔現象)、海水の浸透を完全に阻害する強固な亜鉛含有金属被膜を形成し、コンクリートのカルシウムイオンの溶出をほぼ完全に防止する。
【0022】
また亜鉛の海水中の自然電位は−1200mVと安定しているので、亜鉛含有金属溶射被膜3の上層に形成された溶射純鉄層4(海水中の自然電位−600mV)に通電し、溶射純鉄層4との接触面の電位を−900mV〜−1000mmV近辺まで下げることとなる。通常の状態では、純鉄の通常海水中での腐食電池作用が促進され、比較的短期間で腐食消滅するが、前述のように亜鉛電位まで引き下げられているため、腐食電池作用が促進せず、純鉄は安定した海水中での防食挙動を示し、長年月にわたって溶射純鉄層4は腐食消滅することなく、微量の鉄イオンの放出が継続される。
【0023】
同時に、亜鉛及び鉄間における電位挙動に伴って、微量の亜鉛イオン及び鉄イオンの放出があり、純鉄の気孔から海水中に長年月間にわたって鉄及び亜鉛イオンが放出される。
しかし、これらの金属イオンの放出は微量であり、通常の流水海域では、海水中の金属イオン濃度が10倍を越えることはなく、平均2〜3倍程度であり、海洋生物の育成に最も通した必須ミネラル濃度環境を形成することとなる。貝、エビ、魚類は、亜鉛及び鉄イオンを好み、海中火山から噴出する亜鉛、鉄イオンを求めて火山帯周辺に群棲しているが、白然界において好条件が具備された地域はかなり限定されている。本発明のコンクリート製魚礁は、良好な漁場に計画的に沈設させ、海洋生物の育成を促進させ、海洋牧場としての機能を向上させる目的に適うものである。
【0024】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示す。
(実施例1)
所望形状の魚礁を得るための型枠にコンクリートを注入し、日齢12日以上経過して初期加水分解作用を完了させることによりコンクリートブロックを作成した。このコンクリートブロック表面を、珪砂4号をブラストすることにより研掃し、泥端部を除去することにより、800mm×800mm×800mmのコンクリートブロックを構成した。
つぎにこのコンクリートブロックの表面に、炭化珪素、酸化アルミナ、珪砂、ガーネット粒子、及びエポキシ接着剤からなる粗面形成剤を目付量120g/m2で高圧スプレー塗布し、強固なアンカーパターンを形成した。この表面の粗さは約90mμRzであった。
ついで、粗面化されたコンクリートブロックの、海水に接触する表面全体に、亜鉛イオン拡散アルミニウム、及び亜鉛複合溶射皮膜を150mμの厚さで形成した。
【0025】
この亜鉛−アルミニウム複合皮膜上に、純鉄を溶射し、厚さ150μmの溶射純鉄層を形成した。
この被覆加工を完了した後、4個のコンクリートブロックを相互に接合して魚礁ブロックを構成し、2魚礁ブロックを1単位として岩礁地盤の計画海域に沈設し、フィールド試験を行った。
また比較のために、全表面の1/2の面積のみに上記の処理を行った以外は同一の魚礁ブロック、及び成形後にブラスト処理のみを施した、溶射層を全く有さない魚礁ブロックを同海域に沈設した。
この状態で、所定経過日数ごとに海中生物の生息状況を観察したところ、下記のような結果が得られた。
【0026】
【表1】
Figure 0003663412
【0027】
以上の試験結果から、本発明にしたがって溶射金属被膜が設けられた魚礁は、短期間で大型藻類の生育が確認できたが、無処理の魚礁では、50%程度の生育に終始し、また伊勢エビの生息も確認されなかった。特筆すべきは、本発明のコンクリート製魚礁では、稚エビの生息が確認されたことである。生育も顕著で、一般魚礁の20〜22mmと比較して、33mm平均と大きく、きわめて有効であると評価できる。
【0028】
またコンクリート魚礁のアルカリ及び金属イオン溶出試験によれば、日齢25日のコンクリートブロックについて、無処理のもの、及び溶射皮膜形成処理をしたのものを濃度19.00‰(パーミル)の塩水液に浸潰し、アルカリ溶出濃度、及び塩水内金属イオンを測定した。
【0029】
Figure 0003663412
【0030】
<試験方法>
上記検体を製作し、各槽(6糟)に蒸留水250L、及び天然塩を混入させ、19.00‰(パーミル)、塩水濃度を形成。試験体を、溶液中に400×70辺を底面として糟の中心に設置する。3糟(無処理、ZnAl疑似合金+純鉄、純鉄)は、小型ポンプを使用して0.5m/秒の水流を形成、その他3糟は停止水面とし、下記測定を実施した。
【0031】
<測定内容>
1.アルカリ濃度の変化(水槽内溶液、検体面溶液)
2.その他金属イオン濃度(水槽内溶液、検体面溶液)
3.測定時間は、日(24時間)1回として60回の測定を実施鮒書上部、及び検体表面部の溶液を長尺スポイトにて採集し測定する。
検体符号
1 A-1 無処理
2 A-2 無処理(流水)
3 B-1 亜鉛、アルミニウム疑似合金+純鉄溶射
4 B-2 亜鉛、アルミニウム疑似合金+純鉄溶射(流水)
5 C-1 純鉄溶射
6 C-2 純鉄溶射(流水)
テスト結果を下記の表2に示す。
【0032】
【表2】
Figure 0003663412
【0033】
上記海水中の金属溶出量測定から考察し、検体B‐1、B‐2が最も理想的な金属イオン発生量であることがわかる。無処理コンクリートは、アルカリ溶出量が多く、植物プランクトンの生育には適せず、検体C-1、C-2は鉄イオンの発生があるものの、アルカリイオン濃度が低下していない状況が判明した。同時に海水中での鉄消耗が高く実用には適さないことも判明した。
【0034】
【発明の効果】
植物、及び魚類、貝類の生育に有効な亜鉛イオン、及び鉄イオンの安定した溶出量はB検体が、自然海水中の微量金属イオン量の2〜3倍以内に保持されており、コンクリートからのアルカリ溶出は皆無であることから判断し、鉄製魚礁にはない、亜鉛イオンという生物育成の必須ミネラルが安定して供給可能な構成であるといえる。同時に亜鉛アルミニウム複合皮膜は、上部皮膜の鉄層に防食電位を供給し、鉄層の消耗を制御していることも判明した。
本発明は、自在な形状に製作可能なコンクリート魚礁の表面処理として、亜鉛系金属、及び鉄系金属層の形成が自在な、常温アーク溶射技術を使用することにより、有効な複合皮膜加工が、任意厚みに形成でき、低価額にて、理想的な魚礁を製作することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるコンクリート製魚礁の部分縦断面図である。
【図2】コンクリートブロック表面に形成されたセラミック強化粗面層を模式的に示す説明図。
【符号の説明】
1 コンクリートブロック
2 セラミック強化粗面層
3 亜鉛含有金属溶射被膜
4 溶射純鉄層

Claims (11)

  1. コンクリート製の魚礁ブロックの表面に、炭化珪素、溶融アルミナ、及び(または)純珪素粉末からなるセラミック強化粗面層と、亜鉛含有金属溶射被膜と、溶射純鉄層とが設けられていることを特徴とするコンクリート製魚礁。
  2. 前記セラミック強化粗面層が、炭化珪素粉末、溶融アルミナ粉末、及び純珪素粉末のいずれか1種もしくは2種以上のセラミック粉末混合物と、エポキシ樹脂と、アイロジル粉末とを混合し、さらに硬化剤を添加、撹拌したセラミック処理液を塗布したのち硬化させることにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート製魚礁。
  3. 前記亜鉛含有金属溶射被膜が99.9%の亜鉛を含量していることを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリート製魚礁。
  4. 前記亜鉛含有金属溶射被膜が、アルミニウム含量5〜15重量%の亜鉛アルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリート製魚礁。
  5. 前記亜鉛含有金属溶射被膜の厚さが75〜200mμであることを特徴とする請求項4に記載のコンクリート製魚礁。
  6. コンクリート製の魚礁ブロックの表面に、炭化珪素粉末、溶融アルミナ粉末、及び純珪素粉末のいずれか1種もしくは2種以上のセラミック粉末混合物と、エポキシ樹脂と、アイロジル粉末とを混合し、さらに硬化剤を添加、撹拌したセラミック処理液を塗布したのち硬化させることにより、前記後魚礁ブロック表面にセラミック強化粗面層を形成し、前記セラミック強化粗面層上に、亜鉛−アルミニウム合金を溶射して亜鉛−アルミニウム複合金属溶射被膜を形成し、さらに前記溶射金属被膜上に純鉄を溶射して溶射純鉄層を形成することを特徴とするコンクリート製魚礁の表面処理方法。
  7. 前記硬化剤がアミン酸の溶媒溶液であることを特徴とする請求項6に記載のコンクリート製魚礁の表面処理方法。
  8. 前記セラミック粉末混合物の粒子径が35〜150mμであることを特徴とする請求項6に記載のコンクリート製魚礁の表面処理方法。
  9. 前記亜鉛含有金属溶射被膜が99.9%の亜鉛を含量していることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のコンクリート製魚礁の表面処理方法。
  10. 前記亜鉛含有金属溶射被膜が、アルミニウム含量5〜15重量%の亜鉛アルミニウム合金からなることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のコンクリート製魚礁の表面処理方法。
  11. 前記亜鉛含有金属溶射被膜の厚さが75〜200mμであることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のコンクリート製魚礁の表面処理方法。
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