JP2002017198A - コンクリート製魚礁及びその表面処理方法 - Google Patents

コンクリート製魚礁及びその表面処理方法

Info

Publication number
JP2002017198A
JP2002017198A JP2000200272A JP2000200272A JP2002017198A JP 2002017198 A JP2002017198 A JP 2002017198A JP 2000200272 A JP2000200272 A JP 2000200272A JP 2000200272 A JP2000200272 A JP 2000200272A JP 2002017198 A JP2002017198 A JP 2002017198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete
zinc
sprayed
powder
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000200272A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3663412B2 (ja
Inventor
Masuzo Hamamura
村 益 三 濱
Tetsuya Hirata
田 哲 也 平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2000200272A priority Critical patent/JP3663412B2/ja
Publication of JP2002017198A publication Critical patent/JP2002017198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3663412B2 publication Critical patent/JP3663412B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/52Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00758Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 for agri-, sylvi- or piscicultural or cattle-breeding applications

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Artificial Fish Reefs (AREA)
  • Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強アルカリ成分の滲出を防止し、貝類、エビ
類、魚類、及び各種藻類の生息及び育成ができる環境を
作ることが可能な、コンクリート製魚礁を提供する。 【解決手段】 コンクリート製の魚礁ブロックの表面
に、炭化珪素、溶融アルミナ、及び(または)純珪素粉
末からなるセラミック強化粗面層と、亜鉛含有金属溶射
被膜と、溶射純鉄層とが設けられていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海底に沈めた状態
で水中生物の生息に適した空間を提供する、栽培漁業を
目的としたコンクリート製の人工魚礁、及びその表面処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】栽培漁法に必要な魚礁は、各地漁業組
合、及び関連業界の長年の経験及び研究開発により、育
成対象別に、数多くの魚礁形状が考案され使用されてき
た。これらの魚礁製作に最も適した素材は、型枠に注入
し成型できるコンクリートであり、重量、及び強度、耐
久性はほぼ優良であると評価され、コスト面でも許容で
きるものである。
【0003】素材の適性は鉄鋼素材が最も優れている
が、各種栽培対象が好む魚礁形状を造形することは困難
であり、製作可能な形状は、直線的であり.巣作りの概
念からは不適な構造とすることを余儀なくされる。また
製作コストも高く、同規模のコンクリート魚礁と比較す
れば20倍以上のコスト差があり、大量に施設すること
は経済的に困難とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような観点から、
鉄鋼製魚礁よりもコンクリート製魚礁の方が有利な点が
多いが、一方でコンクリート製魚礁は、施設初期段階に
おいて、カルシウムイオンのような強アルカリ成分(最
大pH14.5)を長期間滲出し、5年経過時点にてp
H10から11のアルカリ濃度が検出されるという報告
もある。
【0005】また、コンクリート魚礁表面は炭酸カルシ
ウムで覆われて白色となり、海洋植物、及びプランクト
ンが枯死状態となり、生物不毛のブロックを形成する。
具体的には、栽培漁業を目的として従来から使用されて
いるコンクリート製魚礁の表面には、その初期段階にお
いて、強アルカリ抽出による強固な塩化カルシウム層が
形成される。この強固な塩化カルシウム層は、植物プラ
ンクトンの生育を阻害し、魚礁の環境必要条件ともいえ
る、アラメ、カジメなどの大型福藻類の繁殖による海中
林の造成を大幅に遅延させている。
【0006】従って、コンクリート製魚礁は、漁場に沈
設しても、3〜5年は、栽培を目的とした、伊勢エビ、
アワビ、イシダイ、マハタ、メジナ、ブダイ、カワハ
ギ、メバル、カサゴなどの生息が望めず、産卵、孵化な
どの増殖環境の形成には適さない。各地漁場では、計画
的にコンクリート製魚礁の沈設が実施されてきたが、そ
の目的とは相反して、エビ、貝類、魚類の忌避が発生
し、良好な漁場の荒廃に近い現象を被肉にも推進してい
ることが指摘されている。
【0007】魚礁ではないが、湾岸、及び海岸の波浪侵
食を防止する目的で、消波ブロック等の大型コンクリー
ト製品の設置が大規模に実施されているが、これらのコ
ンクリート製品から発生するカルシウムイオンは、初期
段階においてpH14程度の強アルカリを発生し、いわ
ゆる磯焼け現象を起こし、植物プランクトンの発生を阻
害し、岸辺に産卵する魚類が忌避している。例えば、北
部日本海側に産卵するハタハタ等の極端な減産の原因と
考えられている。
【0008】このため、良好な漁場に、計画的に魚礁ブ
ロックを沈設すれば、漁獲対象物は逆に忌避、散逸する
が、コンクリート魚礁ブロックのコンクリート成分が海
水により中性化(pH8.0以下)した5年経過時点では、
再び良好な漁場が復活していることが各種魚礁沈設現場
から報告されている。
【0009】これらの事実は、目的とする海洋牧場の創
設とは相反する被肉な結果が発生していることを意味
し、事業推進に疑義を呈さなくてはならないことにな
る。さらに、コンクリート製品の表面に硫酸第一鉄(F
eSO4 ・7H2O)層を形成し、海水中において鉄分
の浸透薄膜を形成させ、初期段階から藻類の生育に必要
な必須微量ミネラル鉄分を常に供与させる、特殊コンク
リート塗装方式も実施されているが、鉄鋼製品と比較し
てコストは低いが、加工方法、耐久性の点で優れている
とは評価できない現状である。
【0010】また各種コンクリート製魚礁構造の複雑な
形状の表面に、硫酸第一鉄を塗布した有機フィルムを張
り付ける作業はかなり困難であり、伊勢エビ魚礁のよう
な、小径孔の組み合わせが必要な形状等には実際的に加
工不可能である。さらに他の魚介類の形状も、複雑な横
穴形状の組み合わせで構成されているので、アルカリ抽
出の防止、及び鉄イオンの放出を目的としたコンクリー
ト製魚礁の全面被覆は技術的には施工困難であるといえ
る。
【0011】本発明は、魚礁造形に最適なコンクリート
製魚礁の最大問題点である、強アルカリ成分の滲出を防
止し、貝類、エビ類、魚類、及び各種藻類が好んで生
息、及び育成可能な環境を作り上げることが可能なコン
クリート製魚礁を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、コンクリート製の魚礁ブロックの表面に、炭化珪
素、溶融アルミナ、及び(または)純珪素粉末からなる
セラミック強化粗面層と、亜鉛含有金属溶射被膜と、溶
射純鉄層とが設けられていることを特徴とするコンクリ
ート製魚礁である。
【0013】請求項2に記載の発明は、前記セラミック
強化粗面層が、炭化珪素粉末、溶融アルミナ粉末、及び
純珪素粉末のいずれか1種もしくは2種以上のセラミッ
ク粉末混合物と、エポキシ樹脂と、アイロジル粉末とを
混合し、さらに硬化剤を添加、撹拌したセラミック処理
液を塗布したのち硬化させることにより形成されたもの
である請求項1に記載のコンクリート製魚礁である。請
求項3に記載の発明は、前記亜鉛含有金属溶射被膜が9
9.9%の亜鉛を含量している請求項1または2に記載
のコンクリート製魚礁である。請求項4に記載の発明
は、前記亜鉛含有金属溶射被膜が、アルミニウム含量5
〜15重量%の亜鉛アルミニウム合金からなっている請
求項1または2に記載のコンクリート製魚礁である。
【0014】請求項5に記載の発明は、前記亜鉛含有金
属溶射被膜の厚さが75〜200mμである請求項4に
記載のコンクリート製魚礁である。請求項6に記載の発
明は、コンクリート製の魚礁ブロックの表面に、炭化珪
素粉末、溶融アルミナ粉末、及び純珪素粉末のいずれか
1種もしくは2種以上のセラミック粉末混合物と、エポ
キシ樹脂と、アイロジル粉末とを混合し、さらに硬化剤
を添加、撹拌したセラミック処理液を塗布したのち硬化
させることにより、前記後魚礁ブロック表面にセラミッ
ク強化粗面層を形成し、前記セラミック強化粗面層上
に、亜鉛−アルミニウム合金を溶射して亜鉛−アルミニ
ウム複合金属溶射被膜を形成し、さらに前記溶射金属被
膜上に純鉄を溶射して溶射純鉄層を形成すること、を特
徴とする、コンクリート表面金属化されたコンクリート
製魚礁の表面処理方法である。
【0015】請求項7に記載の発明は、前記硬化剤がア
ミン酸の溶媒溶液である請求項6に記載のコンクリート
製魚礁である。請求項8に記載の発明は、前記セラミッ
ク粉末混合物の粒子径が35〜150mμである請求項
6に記載の方法である。請求項9に記載の発明は、前記
亜鉛含有金属溶射被膜が99.9%の亜鉛を含量してい
る請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法である。
【0016】請求項10に記載の発明は、前記亜鉛含有
金属溶射被膜が、アルミニウム含量5〜15重量%の亜
鉛アルミニウム合金からなっている請求項6〜9のいず
れか1項に記載の方法である。請求項11に記載の発明
は、前記亜鉛含有金属溶射被膜の厚さが75〜200m
μである請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して詳細に説明する。図1に示す本発明のコンク
リート製魚礁は、コンクリートブロック1の実質的な全
表面に、炭化珪素、溶融アルミナ、及び(または)純珪
素粉末からなるセラミック強化粗面層2と、亜鉛含有金
属溶射被膜3と、溶射純鉄層4とを設けた構成を有す
る。
【0018】セラミック強化粗面層2は、その上層に形
成される溶射金属被膜2のコンクリートブロック1表面
に対する密着力を向上させることを主目的として設けら
れるもので、コンクリートブロック1の表面に、例えば
粒子径35〜150μm程度の炭化珪素、溶融アルミナ、
純珪素の粉末を単独で、あるいは任意の組合せで配合し
たものに、エポキシ樹脂80重量%、増粘剤としてのア
イロジル粉末5〜10重量%を混合し、硬化剤としての
アミン酸(30%キシレン系溶剤溶液)25重量%を添
加して撹拌後、高圧エアースプレーしたのち硬化させる
ことにより形成することができる。このようにして得ら
れたセラミック強化粗面層2は、コンクリートブロック
1に75〜150mμRzの粗面を形成する。
【0019】図2は、コンクリートブロック1の表面に
形成されたセラミック強化粗面層2を模式的に示したも
ので、その上に形成される各層のためのアンカーとなる
多数の微小な気孔を有している状態を表している。
【0020】また、亜鉛含有金属溶射被膜3は、セラミ
ック強化粗面層2の上に、アルミニウムに亜鉛イオンを
拡散させた亜鉛イオン拡散アルミニウム合金(例えばA
l55容量%,Zn45%)、あるいはアルミニウム含
量5〜15重量%の亜鉛アルミニウム合金を溶射するこ
とにより、例えば75μm〜200μmの厚さで形成さ
れる。この亜鉛含有金属溶射被膜3は、溶融状態の金属
粒子を噴射して形成された金属被膜であるため、平均4
mμ程度の微細な連続気孔が形成していることを特色と
する。亜鉛含有金属溶射被膜3上に設けられる溶射純鉄
層4は、とくに藻類の生育に必要な必須微量ミネラル鉄
分を常に供与するための鉄イオン供給源として設けられ
るもので、この溶射純鉄層4も、溶射に特有の多数の微
小連続気泡を有している。
【0021】このように構成されたコンクリート製魚礁
において、コンクリートブロック1表面に被覆された亜
鉛含有金属溶射被膜3、及び溶射純鉄層4に海水が浸透
し、亜鉛含有金属溶射被膜3内の気孔間で短期間に亜鉛
表面は海水中の塩素と反応して塩化亜鉛となり、その結
果としてその容積が約2.5倍に増大する。このため、溶
射被膜中に存在していた連続気孔は塞がれ(自己封孔現
象)、海水の浸透を完全に阻害する強固な亜鉛含有金属
被膜を形成し、コンクリートのカルシウムイオンの溶出
をほぼ完全に防止する。
【0022】また亜鉛の海水中の自然電位は−1200mV
と安定しているので、亜鉛含有金属溶射被膜3の上層に
形成された溶射純鉄層4(海水中の自然電位−600m
V)に通電し、溶射純鉄層4との接触面の電位を−900
mV〜−1000mmV近辺まで下げることとなる。通常の
状態では、純鉄の通常海水中での腐食電池作用が促進さ
れ、比較的短期間で腐食消滅するが、前述のように亜鉛
電位まで引き下げられているため、腐食電池作用が促進
せず、純鉄は安定した海水中での防食挙動を示し、長年
月にわたって溶射純鉄層4は腐食消滅することなく、微
量の鉄イオンの放出が継続される。
【0023】同時に、亜鉛及び鉄間における電位挙動に
伴って、微量の亜鉛イオン及び鉄イオンの放出があり、
純鉄の気孔から海水中に長年月間にわたって鉄及び亜鉛
イオンが放出される。しかし、これらの金属イオンの放
出は微量であり、通常の流水海域では、海水中の金属イ
オン濃度が10倍を越えることはなく、平均2〜3倍程
度であり、海洋生物の育成に最も通した必須ミネラル濃
度環境を形成することとなる。貝、エビ、魚類は、亜鉛
及び鉄イオンを好み、海中火山から噴出する亜鉛、鉄イ
オンを求めて火山帯周辺に群棲しているが、白然界にお
いて好条件が具備された地域はかなり限定されている。
本発明のコンクリート製魚礁は、良好な漁場に計画的に
沈設させ、海洋生物の育成を促進させ、海洋牧場として
の機能を向上させる目的に適うものである。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 (実施例1)所望形状の魚礁を得るための型枠にコンク
リートを注入し、日齢12日以上経過して初期加水分解
作用を完了させることによりコンクリートブロックを作
成した。このコンクリートブロック表面を、珪砂4号を
ブラストすることにより研掃し、泥端部を除去すること
により、800mm×800mm×800mmのコンク
リートブロックを構成した。つぎにこのコンクリートブ
ロックの表面に、炭化珪素、酸化アルミナ、珪砂、ガー
ネット粒子、及びエポキシ接着剤からなる粗面形成剤を
目付量120g/m2で高圧スプレー塗布し、強固なア
ンカーパターンを形成した。この表面の粗さは約90m
μRzであった。ついで、粗面化されたコンクリートブ
ロックの、海水に接触する表面全体に、亜鉛イオン拡散
アルミニウム、及び亜鉛複合溶射皮膜を150mμの厚
さで形成した。
【0025】この亜鉛−アルミニウム複合皮膜上に、純
鉄を溶射し、厚さ150μmの溶射純鉄層を形成した。
この被覆加工を完了した後、4個のコンクリートブロッ
クを相互に接合して魚礁ブロックを構成し、2魚礁ブロ
ックを1単位として岩礁地盤の計画海域に沈設し、フィ
ールド試験を行った。また比較のために、全表面の1/
2の面積のみに上記の処理を行った以外は同一の魚礁ブ
ロック、及び成形後にブラスト処理のみを施した、溶射
層を全く有さない魚礁ブロックを同海域に沈設した。こ
の状態で、所定経過日数ごとに海中生物の生息状況を観
察したところ、下記のような結果が得られた。
【0026】
【表1】
【0027】以上の試験結果から、本発明にしたがって
溶射金属被膜が設けられた魚礁は、短期間で大型藻類の
生育が確認できたが、無処理の魚礁では、50%程度の
生育に終始し、また伊勢エビの生息も確認されなかっ
た。特筆すべきは、本発明のコンクリート製魚礁では、
稚エビの生息が確認されたことである。生育も顕著で、
一般魚礁の20〜22mmと比較して、33mm平均と
大きく、きわめて有効であると評価できる。
【0028】またコンクリート魚礁のアルカリ及び金属
イオン溶出試験によれば、日齢25日のコンクリートブ
ロックについて、無処理のもの、及び溶射皮膜形成処理
をしたのものを濃度19.00‰(パーミル)の塩水液に浸潰
し、アルカリ溶出濃度、及び塩水内金属イオンを測定し
た。
【0029】 <検体作成仕様、及び試験槽> 1.寸 法:400×400×70(外寸) 260×260×70(内寸)にて形成されたコンクリート伜体 2.材 料:採石 65%、珪砂20%、ポルトランドセメント15% 無筋にて製作 3.個 数:6検体 4.表面処理:6検体の内 4体は以下の溶射処理を実施した。 A.2検体 (1)粗面形成剤 120g/m2日付量塗布 (2)亜鉛、アルミニウム疑似合金溶射 150mμ (3)純鉄溶射 200μm B.2検体 (1)純鉄溶射 200mμ コンクリート表面金属溶射厚みは、超音波厚み測定器にて計測、管理 5.水 槽:ポリプロピレン(PP)製 φ=800、600H(満水:300リッター) 6.糟 数:6糟
【0030】<試験方法>上記検体を製作し、各槽(6
糟)に蒸留水250L、及び天然塩を混入させ、19.00‰(パ
ーミル)、塩水濃度を形成。試験体を、溶液中に400×70
辺を底面として糟の中心に設置する。3糟(無処理、Zn
Al疑似合金+純鉄、純鉄)は、小型ポンプを使用して
0.5m/秒の水流を形成、その他3糟は停止水面とし、下記
測定を実施した。
【0031】<測定内容> 1.アルカリ濃度の変化(水槽内溶液、検体面溶液) 2.その他金属イオン濃度(水槽内溶液、検体面溶液) 3.測定時間は、日(24時間)1回として60回の測定を実施
鮒書上部、及び検体表面部の溶液を長尺スポイトにて採
集し測定する。 検体符号 1 A-1 無処理 2 A-2 無処理(流水) 3 B-1 亜鉛、アルミニウム疑似合金+純鉄溶
射 4 B-2 亜鉛、アルミニウム疑似合金+純鉄溶
射(流水) 5 C-1 純鉄溶射 6 C-2 純鉄溶射(流水) テスト結果を下記の表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】上記海水中の金属溶出量測定から考察し、
検体B‐1、B‐2が最も理想的な金属イオン発生量である
ことがわかる。無処理コンクリートは、アルカリ溶出量
が多く、植物プランクトンの生育には適せず、検体C-
1、C-2は鉄イオンの発生があるものの、アルカリイオン
濃度が低下していない状況が判明した。同時に海水中で
の鉄消耗が高く実用には適さないことも判明した。
【0034】
【発明の効果】植物、及び魚類、貝類の生育に有効な亜
鉛イオン、及び鉄イオンの安定した溶出量はB検体が、
自然海水中の微量金属イオン量の2〜3倍以内に保持さ
れており、コンクリートからのアルカリ溶出は皆無であ
ることから判断し、鉄製魚礁にはない、亜鉛イオンとい
う生物育成の必須ミネラルが安定して供給可能な構成で
あるといえる。同時に亜鉛アルミニウム複合皮膜は、上
部皮膜の鉄層に防食電位を供給し、鉄層の消耗を制御し
ていることも判明した。本発明は、自在な形状に製作可
能なコンクリート魚礁の表面処理として、亜鉛系金属、
及び鉄系金属層の形成が自在な、常温アーク溶射技術を
使用することにより、有効な複合皮膜加工が、任意厚み
に形成でき、低価額にて、理想的な魚礁を製作すること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるコンクリート製魚
礁の部分縦断面図である。
【図2】コンクリートブロック表面に形成されたセラミ
ック強化粗面層を模式的に示す説明図。
【符号の説明】
1 コンクリートブロック 2 セラミック強化粗面層 3 亜鉛含有金属溶射被膜 4 溶射純鉄層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月12日(2000.7.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【表2】
フロントページの続き Fターム(参考) 2B003 AA01 BB03 CC02 CC05 DD01 DD02 DD03 4G028 EA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート製の魚礁ブロックの表面
    に、炭化珪素、溶融アルミナ、及び(または)純珪素粉
    末からなるセラミック強化粗面層と、亜鉛含有金属溶射
    被膜と、溶射純鉄層とが設けられていることを特徴とす
    るコンクリート製魚礁。
  2. 【請求項2】 前記セラミック強化粗面層が、炭化珪素
    粉末、溶融アルミナ粉末、及び純珪素粉末のいずれか1
    種もしくは2種以上のセラミック粉末混合物と、エポキ
    シ樹脂と、アイロジル粉末とを混合し、さらに硬化剤を
    添加、撹拌したセラミック処理液を塗布したのち硬化さ
    せることにより形成されたものであることを特徴とする
    請求項1に記載のコンクリート製魚礁。
  3. 【請求項3】 前記亜鉛含有金属溶射被膜が99.9%
    の亜鉛を含量していることを特徴とする請求項1または
    2に記載のコンクリート製魚礁。
  4. 【請求項4】 前記亜鉛含有金属溶射被膜が、アルミニ
    ウム含量5〜15重量%の亜鉛アルミニウム合金からな
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリ
    ート製魚礁。
  5. 【請求項5】 前記亜鉛含有金属溶射被膜の厚さが75
    〜200mμであることを特徴とする請求項4に記載の
    コンクリート製魚礁。
  6. 【請求項6】 コンクリート製の魚礁ブロックの表面
    に、 炭化珪素粉末、溶融アルミナ粉末、及び純珪素粉末のい
    ずれか1種もしくは2種以上のセラミック粉末混合物
    と、エポキシ樹脂と、アイロジル粉末とを混合し、さら
    に硬化剤を添加、撹拌したセラミック処理液を塗布した
    のち硬化させることにより、前記後魚礁ブロック表面に
    セラミック強化粗面層を形成し、 前記セラミック強化粗面層上に、亜鉛−アルミニウム合
    金を溶射して亜鉛−アルミニウム複合金属溶射被膜を形
    成し、 さらに前記溶射金属被膜上に純鉄を溶射して溶射純鉄層
    を形成すること、 を特徴とする、コンクリート表面金属化されたコンクリ
    ート製魚礁の表面処理方法。
  7. 【請求項7】 前記硬化剤がアミン酸の溶媒溶液である
    ことを特徴とする請求項6に記載のコンクリート製魚
    礁。
  8. 【請求項8】 前記セラミック粉末混合物の粒子径が3
    5〜150mμであることを特徴とする請求項6に記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 前記亜鉛含有金属溶射被膜が99.9%
    の亜鉛を含量していることを特徴とする請求項6〜8の
    いずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記亜鉛含有金属溶射被膜が、アルミ
    ニウム含量5〜15重量%の亜鉛アルミニウム合金から
    なることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 前記亜鉛含有金属溶射被膜の厚さが7
    5〜200mμであることを特徴とする請求項6〜9の
    いずれか1項に記載の方法。
JP2000200272A 2000-06-30 2000-06-30 コンクリート製魚礁及びその表面処理方法 Expired - Fee Related JP3663412B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000200272A JP3663412B2 (ja) 2000-06-30 2000-06-30 コンクリート製魚礁及びその表面処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000200272A JP3663412B2 (ja) 2000-06-30 2000-06-30 コンクリート製魚礁及びその表面処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002017198A true JP2002017198A (ja) 2002-01-22
JP3663412B2 JP3663412B2 (ja) 2005-06-22

Family

ID=18698165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000200272A Expired - Fee Related JP3663412B2 (ja) 2000-06-30 2000-06-30 コンクリート製魚礁及びその表面処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3663412B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006056124A1 (fr) * 2004-11-24 2006-06-01 Hon Kit Chui Recif artificiel
WO2012064008A1 (ko) * 2010-11-11 2012-05-18 주식회사 한국스틸코트나노 금속 표면 및 콘크리트 표면 코팅에 사용되는 세라믹 플라스틱 세라믹스의 조성물 제조방법
JP2019017372A (ja) * 2017-07-13 2019-02-07 ヒューバースジャパン株式会社 鉄溶射樹脂漁礁ブロック

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006056124A1 (fr) * 2004-11-24 2006-06-01 Hon Kit Chui Recif artificiel
WO2012064008A1 (ko) * 2010-11-11 2012-05-18 주식회사 한국스틸코트나노 금속 표면 및 콘크리트 표면 코팅에 사용되는 세라믹 플라스틱 세라믹스의 조성물 제조방법
JP2019017372A (ja) * 2017-07-13 2019-02-07 ヒューバースジャパン株式会社 鉄溶射樹脂漁礁ブロック

Also Published As

Publication number Publication date
JP3663412B2 (ja) 2005-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104938384A (zh) 一种仿生混凝土人工鱼礁及其制备方法
JP2004149333A (ja) 海生生物の付着・繁殖に適したコンクリート構造物及びコンクリート構造物中の鉄筋の腐食の抑制方法
CN111302727B (zh) 一种服役的防波堤水下区生态化修复方法
US20220298076A1 (en) Settlement substrate of portland cement concrete or lightweight concrete for oyster and preparation method thereof
EP4071124A1 (en) Concrete oyster attachment base and preparation method therefor, and marine ecological engineering construction method
CN111270647A (zh) 一种服役的海洋防波堤生态化方法
CN111268957B (zh) 一种硅酸盐水泥混凝土的牡蛎附着基及制备方法
CN111253125A (zh) 一种诱导海洋固着生物附着的绿色混凝土及制备方法
CN102972324A (zh) 一种人工藻礁及其制造方法
CN111253124A (zh) 一种海洋环境下生态型高耐久混凝土结构建造方法
CN110984405A (zh) 一种服役的海洋钢筋混凝土工程生态型防腐蚀方法
CN111270648A (zh) 一种生态抛石防波堤的建造方法
JP2002017198A (ja) コンクリート製魚礁及びその表面処理方法
CN111264427B (zh) 一种海洋生态工程建造方法
CN111268954B (zh) 一种轻质混凝土的牡蛎附着基及制备方法
CN102177841B (zh) 一种提高人工礁石表面藻类附着效果的方法
US20220307213A1 (en) Construction method for ecological riprap breakwater, induced cement-based coating and preparation method thereof
CN105941222A (zh) 一种生态景观人工鱼礁装置
WO2021109982A1 (zh) 固着生物诱导及促进生长混凝土、牡蛎附着基及制备方法
JP2023517787A (ja) 海洋生態プロジェクトの建設方法、アスファルトセメント塗料及びその製造方法
JP6300307B2 (ja) 陸域保全方法
JP2006110727A (ja) 水硬性硬化体及びその製造方法
JPH101352A (ja) 自然環境適合性セメント硬化物成形品及びその製造方法
JPH09255897A (ja) 水性生物の付着防止方法及び水性生物付着防止被覆材
CN107125181B (zh) 利用住宅待拆框架制作人工鱼礁的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040621

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040621

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041102

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20041130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20041130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090408

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090408

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100408

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees