JP3663398B2 - 流体流路を流れる被処理流体の電磁処理装置及び流体流路を流れる被処理流体の電磁処理方法 - Google Patents

流体流路を流れる被処理流体の電磁処理装置及び流体流路を流れる被処理流体の電磁処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体流路を流れる被処理流体を電磁処理することにより、流体流路の浄化、流体流路の防錆、流体流路に対するスケールの付着防止等を行う流体流路を流れる被処理流体の電磁処理装置及び流体流路を流れる被処理流体の電磁処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家庭、プラント、工場、温泉等における上水管、下水管、冷却水の給水管、温水の給水管、排水管等の配管内には、種々の液体が流動している。この配管内を流動する液体中には、様々な成分の化合物が溶解状態あるいは微粒子の状態で含まれている。液体中に溶解する化合物は、配管の内壁面に沈着するとスケールとなる。このスケールの沈着量が増加すると、配管の内径を狭めることになり、配管内を流動する液体の流量や流速を減少させ、場合によって、管が閉塞することがある。
【0003】
従来、配管内へのスケールの付着を防止する方法として、電場を利用した方法が知られている。この電場処理によるスケールの付着防止は、電場装置によって配管内を流動する液体内の化合物に電場を印加し、化合物を析出させて結晶化した微粒子とし、これによって化合物の配管内壁への付着を防止するものである。(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、スケールの付着防止を良好に行うには、この電場処理の電場強度や電場周波数を最適な値に設定する必要があり、そのために、配管内の液体中の微粒子を測定する微粒子測定手段と、前記微粒子測定手段の出力に基づいて電場発生手段を制御する制御手段とを設けて、配管内の液体中の微粒子の濃度が最大となるよう電場条件を制御する必要があるという問題がある。
【0005】
そこで、このような制御手段が不要な、配管に流れる流体を電磁処理することにより、配管壁面の浄化、配管壁面の防錆、配管壁面に対するスケールの付着防止等を行う配管電磁処理方法が知られている。
【0006】
例えば、特許文献2に示されているように、被処理流体が通る導管と、該導管の外周に複数個設けられた鉄心及び該鉄心に巻回された励磁コイルと、その端部が導管内に突出し、前記流体が通る狭い間隙を形成するように設けられた継鉄心と、前記励磁コイルの起動手段とを有する磁気利用水処理装置が知られている。
【0007】
ところで、特許文献2に記載された発明は、静磁場により、被処理流体を処理するものであり、効率が低いという問題がある。そこで、特許文献2に記載された発明は、端部が導管内に突出し、前記流体が通る狭い間隙を形成するように設けられた継鉄心を設けて、被処理流体に印加される磁界を高めるようにしている。しかしながら、特許文献2に記載された発明は、管の加工を行う必要があり、更に、管内の流体が、継鉄心に触れるので、適用する流体に制限があるという問題が新たに生じる。
【0008】
そこで、静磁場による被処理流体処理よりも、効率の高い動磁場により被処理流体を処理する技術が知られている(特許文献3参照)。
【0009】
特許文献3に記載された発明は、経過時間に対して電流値が異なり、かつ周波数が変化する方形波の交流電流を流すコイルを巻いたテスト流路中を結晶化可能な物質を含む被処理流体を流した後、該流体を乾燥させた際にできる結晶体粒径が小粒子化することをラボテストで確認し、次に実設備において、前記被処理流体が流れる第一の流体流路又は該第一の流体流路に導入する前記流体が流れる第二の流体流路の表面にコイルを巻きつけ、適用するコイル電流値を可変させ、小粒径結晶体が得られるコイル電流出力を決定し、前記コイルに20Hz〜1MHzの帯域で周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流し、コイルに流れる電流により誘起される電磁界により前記第一の流体流路又は第二の流体流路を流れる前記被処理流体を電磁処理する電磁処理装置が知られている
なお、特許文献3に記載された発明は、流体流路を構成する壁面の防錆、流体流路を構成する壁面に海生物が付着することの防止、前記流体流路を流れる油含有排水により前記流路壁面が詰ることの防止、前記流体流路を流れるアンモニア含有水からのアンモニア系物質が揮発することの防止、コンクリート使用後の残コンクリート分の処理を行うことが可能である。
【特許文献1】
特開10−244266号公報
【特許文献2】
特開昭62−132587号公報
【特許文献3】
特許第3247942号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献3に記載された発明は、方形波の交流電流をコイルに流すことにより、被処理流体を乾燥させた際にできる結晶体粒径を小粒子化するものであるが、特許文献3に記載された発明の装置では、多くの電力を必要とし、配管壁面の浄化、配管壁面の防錆、配管壁面に対するスケールの付着防止における効率が良くないという問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑み、動磁場により流体流路を流れる被処理流体の電磁処理を行う電磁処理装置を改良するものであり、特に、被処理流体を電磁処理するための出力コイルに流す電流波形を改良して、高効率で、かつ低消費電力の流体流路を流れる被処理流体の電磁処理装置及び流体流路を流れる被処理流体の電磁処理方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0013】
請求項1に記載された発明は、動磁場により、流体流路を流れる被処理流体を処理する流体流路の電磁処理装置において、前記流体流路を巻回する出力コイルと、前記出力コイルに流す処理電流を発生する処理電流発生装置とを有し、前記処理電流発生装置は、経過時間に対して周波数が変化する方形波を微分する微分回路を有し、該微分回路によって微分されたパルス信号を出力することを特徴とする。
【0014】
請求項1に記載された発明によれば、流体流路を巻回する出力コイルと、出力コイルに流す処理電流を発生する処理電流発生装置とを有し、処理電流発生装置は、経過時間に対して周波数が変化する方形波を微分する微分回路を有し、該微分回路によって微分されたパルス信号を出力することにより、高効率で、かつ低消費電力の流体流路を流れる被処理流体の電磁処理装置を提供することができる。
【0015】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の流体流路を流れる被処理流体の電磁処理装置において、前記処理電流発生回路から出力されるパルス信号の繰り返し周波数が、500Hz〜500KHzであることを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載された発明によれば、処理電流発生回路から出力されるパルス信号の繰り返し周波数を、500Hz〜500KHzとすることにより、高効率で、かつ低消費電力の流体流路を流れる被処理流体の電磁処理装置を提供することができる。
【0017】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2記載の流体流路を流れる被処理流体の電磁処理装置において、前記出力コイルに直列にコンデンサを挿入して、前記出力コイルに、直流成分が流れないようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載された発明によれば、出力コイルに直列にコンデンサを挿入して、出力コイルに、直流成分が流れないようにしたことにより、無駄な処理電流を省き、より効率的な電磁処理装置を提供することができる。
【0019】
請求項4に記載された発明は、動磁場により、流体流路を流れる被処理流体を処理する流体流路の電磁処理方法において、前記被処理流体を処理するための処理電流を発生する処理電流発生ステップと、前記処理電流発生ステップで発生した処理電流を、前記流体流路の外部を巻回する出力コイルに流す処理ステップとを有し、前記処理電流発生ステップは、経過時間に対して周波数が変化する方形波を微分する微分ステップと、該微分ステップによって微分されたパルス信号を出力する出力ステップとを有することを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載された発明は、請求項4記載の流体流路を流れる被処理流体の電磁処理方法において、前記処理電流発生ステップにより出力されるパルス信号の繰り返し周波数が、500Hz〜500KHzであることを特徴とする。
【0021】
請求項4及び5に記載された発明により、請求項1〜3記載の電磁処理装置に適した流体流路を流れる被処理流体の電磁処理方法を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0023】
本発明は、流体流路を構成する壁面の防錆、流体流路を構成する壁面に海生物が付着することの防止、前記流体流路を流れる油含有排水により前記流路壁面が詰ることの防止、前記流体流路を流れるアンモニア含有水からのアンモニア系物質が揮発することの防止、コンクリート使用後の残コンクリート分の処理を行うために、動磁場により、流体流路を流れる被処理流体を電磁処理する電磁処理装置及び電磁処理方法である。
【0024】
図1は、本発明者が使用した電磁処理試験装置を示す。図1の電磁処理試験装置は、塩ビ管10、塩ビ管10を覆う鉄管11、鉄管11を巻回する出力コイル12及び出力コイル12、出力コイル12及び出力コイル12に、電流を供給する処理電流発生装置13と、処理電流発生装置13と出力コイル12により処理された処理水14を貯蔵するタンク15と、試験片16及び処理水14を循環させる水中ポンプ17とから構成されている。なお、処理電流発生装置13は、経過時間に対して周波数が変化する方形波を微分する微分回路を有し、処理電流発生装置13からは、微分回路によって微分されたパルス信号が出力される。この微分されたパルス信号によって、被処理流体が電磁処理される。
【0025】
処理水14は、水中ポンプ17により、塩ビ管10により循環させられる。塩ビ管を巻回する出力コイルに処理電流発生装置13が生成した処理電流を流すと、処理水14に動磁場が作用して、処理水14を電磁処理する。その結果、電磁処理された処理水14が、タンク15に貯蔵される。この電磁処理された処理水14が試験片16に作用して、赤錆の除去、黒錆の生成、油の軟化等を行うことをテストによって、確認した。
【0026】
図2(A)は、テスト前の配管部材である。赤錆が見られる。図2(B)は、テスト後のタンク15から取り出し直後の状態である。図2(C)は、毛ブラシで赤錆汚れを水洗いしたものである。これによれば、赤錆が取れ、黒錆が生成されていることが分かる。
【0027】
図3(A)は、テスト前に、グリストラップ内の油を投入した状態である。図3(B)は、テスト後の状態であり、油が軟化したことが分かる。
【0028】
なお、図2及び図3における処理は、15日掛けて行った。これを従来の方形波を出力コイルに流した場合であれば、35日以上必要とするものであり、方形波を微分したパルス電流による処理が、2〜3倍程度、高効率であることが分かる。
【0029】
図4は、処理電流発生装置の回路例である。図5は、そのブロック図である。
【0030】
三角波発生回路20で、波形Aが発生されて、電圧/周波数変換回路21に供給される。電圧/周波数変換回路21は、電圧に応じたパルス周波数信号を出力する。電圧/周波数変換回路21に、波形Aのような三角波が供給されると、出力からパルスFM変調された波形Bが得られる。波形Bの信号は、出力段A22と出力段B23に同時に供給される。出力段では、後述するように、波形Bの微分パルス(波形C)が得られる。この波形Cの信号が、出力コイル12に供給される。
【0031】
また、処理電流発生装置の回路は、負荷断線検出回路24を有し、負荷が断線した場合、警報回路25によって、ブザー26を鳴らし、LED26を点灯し、外部に警報する。また、処理電流発生装置は、商用電源が供給されて直流電圧を供給する直流電源27、直流電源27の直流電圧を安定化する定電圧源29及び電源の異常を検出する電源異常検出回路28を有している。
【0032】
次に、図4を用いて、処理電流発生装置について、より詳細に説明する。なお、図4の端子T1とT4、T2とT5及びT3とT6に3芯ケーブである出力コイル12が接続される。
【0033】
図5の三角波発生回路20は、図4のコンパレータIC01、シュミット回路IC02、フリップフロップ回路IC03、ジャンパ線JP01、JP02、フォトカプラPC01、スイッチングトランジスタTR01、TR02及びコンデンサC01を有する。この三角波発生回路20により、三角波(波形A)が生成される。三角波のピーク値は、VR01で設定され、三角波のボトム値は、VR02で設定される。フリップフロップ回路IC03からの出力がハイレベルであると、フォトカプラPC01が導通し、スイッチングトランジスタTR02がオフ状態となり、同時に、スイッチングトランジスタTR01はオン状態となる。スイッチングトランジスタTR02がオフ状態となり、スイッチングトランジスタTR01はオン状態となると、コンデンサC01の充電が開始される。そのときの時定数は、C01×R16である。一方、フリップフロップ回路IC03からの出力がローレベルとなると、フォトカプラPC01は遮断され、スイッチングトランジスタTR02がオンとなり、同時に、スイッチングトランジスタTR01はオフ状態となる。スイッチングトランジスタTR02がオン状態となり、スイッチングトランジスタTR01がオフ状態となると、コンデンサC01の放電が開始される。そのときの時定数は、C01×R18である。
【0034】
コンデンサC01の値を1μFとし、R16とR18の値を100KΩと設定すると、約0.2Hzの三角波が得られる。なお、得られた三角波(波形A)は、ピーク値が約32V、ボトム値が1〜2ボルトの信号である。この三角波(波形A)は、V/F変換回路IC04を有する電圧/周波数変換回路21に供給される。
【0035】
電圧/周波数変換回路21で、波形Bに変換された信号は、二つの出力段22、23に供給される。図4では、一方の出力段は、トランジスタTR03、TR04、TR05、フォトカプラPC02を有し、他方の出力段は、トランジスタTR06、TR07、TR08、フォトカプラPC03を有している。
【0036】
この出力段を、簡素化した図6を用いて説明する。図6の出力段は、簡素化したものであるが、図4の動作を的確に示すものである。なお、図6における抵抗R1、抵抗R2、コンデンサC1、コンデンサC2は、図4における抵抗R26及びR33、抵抗R27及びR34、コンデンサC04及びC07、コンデンサC05及びC08に相当する。また、図6におけるコンデンサC3は、図4におけるコンデンサC17又はC18に相当する。また、出力コイルL1は、図1における出力コイル12に相当する。
【0037】
トランジスタTR1及びTR2には、波形Bを拡大した図6(B)に示されている方形波信号が供給される。
【0038】
時点t1で、トランジスタTR1が導通を開始し、このトランジスタTR1は、T0期間の間、導通するように制御される。ところで、時点t1で、トランジスタTR1がオン状態となると、電源B1から充電電流D1が、トランジスタTR1、コンデンサC1、コンデンサC3及び出力コイルL1に流れて、コンデンサC1、コンデンサC3を充電する。コンデンサC1、コンデンサC3が満充電されると、トランジスタTR1はオフ状態となる。このコンデンサC1及びコンデンサC3が満充電される期間は一瞬であるので、出力コイルL1には、図6(C)のパルスP1の電流(微分パルス)が流れる。充電されたC1の電荷は、抵抗R1を介して放電される。なお、充電されたC3の電荷は、トランジスタR2が導通する時に放電される。
【0039】
同様に、時点t2で、トランジスタTR2が導通を開始する。時点t2で、トランジスタTR2がオン状態となると、電源B2から充電電流D2が、トランジスタTR2、コンデンサC2、コンデンサC3及び出力コイルL1に流れて、コンデンサC2を充電し、コンデンサC3を放電して、その後の充電を行う。コンデンサC2、コンデンサC3が満充電されると、トランジスタTR2はオフ状態となる。このコンデンサC1の充電及びコンデンサC2の放電・充電される期間は一瞬であるので、出力コイルL1には、図6(B)のパルスP2の電流(微分パルス)が流れる。
【0040】
従って、鉄管11を巻回する出力コイル12に相当する出力コイルL1には、図6(C)のような微分パルスが流れる。
【0041】
図6におけるコンデンサC3は、直流成分の電流をカットするもので、このコンデンサにより、T0期間における無駄な直流成分が流れない。これにより、電力の消費を低減することができる。
【0042】
また、図6におけるコンデンサC1及びコンデンサC2は、図6(B)に示されている方形波信号の立上がり又は立下り時に、トランジスタTR1又はトランジスタTR2が導通したときに、抵抗R1又は抵抗R2をシャントして、電流を流し易くする機能を有する。
【0043】
図4に戻って、二つの出力段22、23が正常に動作しているときは、フォトカプラPC02及びPC03が導通し、トランジスタTR09をオフ状態、トランジスタTR10をオン状態として、コンデンサC08は充電されずローレベルにある。その結果、二つの出力段22、23が正常に動作しているときは、トランジスタTR11及びトランジスタTR12をオフ状態として、リレーRY01は駆動されない。リレーRY01は駆動されない状態では、IC05により、青のLED01及び青のLED02が交互に点滅する。
【0044】
しかしながら、二つの出力段22、23の内、少なくとも、一方の出力段が正常に動作しなくなると、トランジスタTR09をオン状態、トランジスタTR10がオフ状態となり、コンデンサC08が充電される。その結果、トランジスタTR11及びトランジスタTR12をオン状態として、リレーRY01を駆動する。リレーRY01が駆動された状態では、IC05は、動作を停止し、IC06により、赤のLED03が点滅し、ブザーBZが鳴って警報を発する。
【0045】
図7に、出力コイル12に流れる電流の測定回路を示す。出力コイル12に直列に抵抗32を挿入し、シンクロスコープ31によって、その両端の電圧V1を、測定して、出力コイル12に流れる電流I1を測定した。
【0046】
抵抗32の抵抗をR32とすれば、抵抗32には、
V1=R32×I1
の電圧が発生するので、
I1=V1/R32
として、電流I1を求めることができる。
【0047】
図8(A)には、処理電流発生回路33で生成した電流が、従来の方形波の場合を示している。方形波の立上がり及び立下りにおいて、過度現象が発生しているが、基本的には、方形波の電流が、出力コイルに流れている。
【0048】
図8(B)には、処理電流発生回路33で生成した電流が、本発明の微分回路によって微分されたパルス信号の場合を示している。方形波の立上がり及び立下りにおいて、それぞれ一つのパルス信号が発生している。なお、本発明では、方形波の立上がり及び立下りにおけるパルス信号に加えて、多少のリンギング信号が重畳してもよい。
【0049】
図8(B)の処理電流は、方形波の立上がり及び立下りにおいて、それぞれ一つのパルス電流が流れるのみであり、図8(A)の方形波の電流と比較して、消費電力は極めて少ないことが分かる。
【0050】
本発明では、出力コイルに直列にコンデンサを挿入して、出力コイルに、直流成分が流れないようにしたものであるが、図8(C)は、出力コイルに直列にコンデンサを挿入しない場合の電流である。図6におけるコンデンサC1及びC2に蓄積された電荷が、図6のT0期間に放電して、斜線のような電流が流れる。この斜線の電流は、流体流路を流れる被処理流体を、ほとんど処理しないので、無駄な電流である。
【0051】
本発明は、この無駄な電流をなくしたので、より効率の良い流体流路を流れる被処理流体の電磁処理装置を提供することができる。
【0052】
上述したように、本発明の方形波を微分したパルス電流による処理は、従来の方形波の電流による処理に比較して、2〜3倍程度、高効率である。その理由を実際の被処理流体の変化を通して、検証する。
【0053】
図9に検証に用いた処理装置を示す。図9の処理装置は、ボール45に被処理流体を採取して、漏斗44に注いで、鉄管43中を流し、ボール42で被処理流体を受ける。被処理流体は、鉄管43中を流れる間に、処理電流発生装置41及び出力コイル46及び出力コイル46により電磁処理される。なお、本検証では、方形波を微分したパルス電流による処理と、本発明の方形波を微分したパルス電流による処理とを、それぞれ、1回、3回及び5回行なった後の被処理流体の顕微鏡写真によって、比較した。
【0054】
なお、本検証において使用した顕微鏡の仕様は次の通りである。
【0055】
メーカ:NiKON
機器製作番号:199325
形式:NiKON AFX−II―A
カメラ:FX−35WA
Figure 0003663398
本実験において使用した撮影用付属機器の仕様は次の通りである。
【0056】
MODEL: AFX−IIA
WARNING−FIRE HAZARD−FOR
機器製作番号:445445
図10(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、方形波の電流による処理における1回、3回及び5回行なった後の被処理流体の100倍の顕微鏡写真である。
【0057】
1回目の図10(A)では、細かいスケールが見える。3回目の図10(B)では、スケールは小さくなっているが、スケールの形状には変化はない。5回目の図10(C)では、図10(B)と同様に、スケールは小さくなっているが、スケールの形状には変化はない。
【0058】
図11(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、本発明の方形波を微分したパルス電流による処理における1回、3回及び5回行なった後の被処理流体の100倍の顕微鏡写真である。
【0059】
1回目の図11(A)では、スケールが細分化され、かつ、スケール内にサシ状(カギ状)のスケールが見える。3回目の図12(B)では、更に、サシ状(カギ状)が進んでいる。5回目の図11(C)では、更に、スケールの変化が見られ。ギザギザの程度が増加している。
【0060】
なお、図12(A)、(B)に図11(A)、(C)の200倍の顕微鏡写真を示す。これによれば、図12(A)において、スケール内に空隙ができている。また、図12(B)では、図11(C)では、はっきりしていなかったが、ギザギザの程度が増加し、空隙が更に大きくなっていることが分かる。
【0061】
このように、方形波を微分したパルス電流による処理によれば、被処理流体にギザギザができ、かつ、スケール内に空隙ができることが分かった。これは、方形波の電流による処理には見られない画期的なことである。このように、方形波を微分したパルス電流による処理は、被処理流体のスケールにギザギザができ、そのスケールの面積が大きくなることにより、処理が進むものと思われる。また、方形波を微分したパルス電流による処理は、スケール内に空隙ができることにより、スケールが破壊し易くなって、スケールの破壊が進むものと思われる。
【0062】
図13に、図9の装置を用いて、本発明における方形波を微分したパルス電流の繰り返し周波数の影響を示す。
【0063】
これによれば、200Hzでスケールの変化が開始され、700Hzで多角形変化が始まり、3KHzでサシ状のスケールが現れ、50KHzでスケールの多角形が多くなり、500KHzではスケールの形状が更に細かくなり、1MHzではスケールの形状が丸くなる。
【0064】
してみると、方形波を微分したパルス電流の繰り返し周波数は、200Hz以上で1MHz未満であれば効果を発することができる。好ましくは、700Hz〜500KHzの範囲である。更に好ましくは、3KHz〜500KHzの範囲である。
【0065】
なお、図9の装置を用いて、本発明における方形波を微分したパルス電流の大きさの影響も調べてみた。これについては、データを示さないが、パルス電流の大きさが大きいほど、効果が発揮されることが分かった。
本発明の動磁場により、流体流路を流れる被処理流体を処理する流体流路の電磁処理方法は、前記被処理流体を処理するための処理電流を発生する処理電流発生ステップと、前記処理電流発生ステップで発生した処理電流を、前記流体流路の外部を巻回する出力コイルに流す処理ステップとを有し、前記処理電流発生ステップは、経過時間に対して周波数が変化する方形波を微分する微分ステップと、該微分ステップによって微分されたパルス信号を出力する出力ステップとを有するものである。
【0066】
なお、本発明は、流体流路を構成する壁面の防錆、流体流路を構成する壁面に海生物が付着することの防止、前記流体流路を流れる油含有排水により前記流路壁面が詰ることの防止、前記流体流路を流れるアンモニア含有水からのアンモニア系物質が揮発することの防止、コンクリート使用後の残コンクリート分の処理を行うことが可能である。
【0067】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、高効率で、かつ低消費電力の流体流路を流れる被処理流体の電磁処理装置及び流体流路を流れる被処理流体の電磁処理方法を提供することができる。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明者が使用した電磁処理試験装置である。
【図2】試験結果を説明するための写真(その1)である。
【図3】試験結果を説明するための写真(その1)である。
【図4】本発明の処理電流発生装置の回路例を説明するための図である。
【図5】図4の回路ブロック図である。
【図6】出力段を説明するための図である。
【図7】出力コイルに流れる電流の測定回路を説明するための図である。
【図8】 処理電流を説明するための図である。
【図9】検証に用いた処理装置である。
【図10】方形波の電流による処理における顕微鏡写真である。
【図11】本発明の方形波を微分したパルス電流による処理における顕微鏡写真(その1)である。
【図12】本発明の方形波を微分したパルス電流による処理における顕微鏡写真(その2)である。
【図13】本発明における方形波を微分したパルス電流の繰り返し周波数の影響を示す表である。
【符号の説明】
10 塩ビ管
11、43 鉄管
12、46 出力コイル
13、33、41 処理電流発生装置
14 処理水
15 タンク
16 試験片
17 水中ポンプ
20 三角波発生回路
21 電圧/周波数変換回路
22、23 出力段
24 負荷断線検出回路
25 警報回路
26 ブザー・LED
27 直流電源
28 電源異常検出回路
29 定電圧源
31 シンクロスコープ
32 抵抗
42、45 ボール
44 漏斗

Claims (2)

  1. 動磁場により、流体流路を流れる被処理流体を処理する流体流路の電磁処理装置において、
    前記流体流路巻回され、前記被処理流体に印加する磁界を発生する出力コイルと、
    前記出力コイルに流れる電流であって、前記被処理流体を処理するための電流である処理電流を発生する処理電流発生装置とを有し、
    前記処理電流発生装置は、経過時間に対して周波数が変化する方形波を微分する微分回路を有し、
    前記処理電流発生装置は、該微分回路によって微分されたパルス信号を出力して、前記出力コイルに、微分されたパルス信号である処理電流を直接流し、
    更に、前記電磁処理装置は、前記微分回路と前記出力コイルとの間であってかつ前記出力コイルと直列に、コンデンサを挿入して、前記出力コイルに、前記処理電流発生装置で発生された微分されたパルス信号である処理電流の直流成分が流れないようにしたことを特徴とする被処理流体の電磁処理装置。
  2. 前記処理電流発生回路から出力されるパルス信号の繰り返し周波数が、500Hz〜500KHzであることを特徴とする請求項1記載の流体流路を流れる被処理流体の電磁処理装置。
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