JP3662009B2 - 超音波変位測定装置及び超音波変位測定方法 - Google Patents

超音波変位測定装置及び超音波変位測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度に実装された精密機器内において変位制御に使用される超音波変位計測装置及び超音波変位計測方法に関する。例えば、本発明は、高密度磁気記録評価装置の制御系に使用される。
【0002】
【従来の技術】
超音波を利用して、基準点からある距離だけ離れた位置にある空気中の測定対象物の変位を測定する技術がある。この技術では、対象物に超音波を照射し、その送波時刻と対象物における受波時刻との差に基づいて対象物の変位を測定しており、多くの超音波変位測定装置が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような変位測定装置では、超音波の受波を検出するための電圧閾値の決定方法が変位測定精度において重要であり、種々の電圧閾値方法が考案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−184883号公報
【特許文献2】
特開2001−165753号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような原理に基づく変位測定装置では、完全な矩形波と見なせる超音波を送波できたとしても、対象物の変位を高精度に測定することは難しい。超音波の空気中における減衰や分散の影響によって、対象物に到達するまでの経路においてその波形が変化し、その波形変化が受波時刻の決定において障害となるからである。この障害を解決する方法として、超音波の受波時刻を検出するために超音波の受波電圧閾値を利用せず、周波数掃引波の超音波を用いる変位測定装置が考案されている。しかし、上記の各変位測定装置では波長よりも小さな変位の検出が困難であるという問題点がある。
【0005】
これらの問題点を解決する方法として、送波信号と受波信号との位相差に基づく変位測定法が提案されている。しかし、この方法では受波時刻を決定する必要がなく、超音波の波長よりも小さな変位を検出可能となる利点があるものの、測定可能な変位の範囲が超音波の一波長以内に限られるという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、超音波を利用した変位計測において、波長より広い範囲にわたって変化する変位を、波長より十分微小な分解能をもって高精度で計測することができる超音波変位測定装置及び超音波変位測定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波変位測定装置は、送波用素子から超音波を送波して、対象物に接続している受波用素子で該超音波を受波することにより、該対象物の変位を測定する超音波変位測定装置において、異なる周波数の第1信号及び第2信号のいずれかを発振して出力する発振手段と、前記発振手段から出力された前記信号を入力して超音波を送波する送波用素子と、送波された前記超音波を受波して信号を出力する受波用素子と、前記発振手段から出力された前記信号の位相を互いに異なる大きさだけシフトした複数の信号を生成する位相シフト手段と、位相がシフトされた各前記信号と前記受波用素子からの出力信号との位相検波による各出力信号の測定値の誤差が最小になるような各出力信号に基づいて、前記発振手段から出力された前記信号と前記受波用素子から出力された信号との位相差を演算する位相差演算手段と、前記第1信号と前記第2信号のそれぞれに関する、前記発振手段から出力された前記信号と前記受波用素子から出力された信号との前記位相差、前記第1信号と前記第2信号のそれぞれの周波数、及び前記送波用素子と前記受波用素子間での音速に基づいて、前記対象物の変位を演算する変位演算手段とを備えている。
【0008】
また、本発明の超音波変位測定方法は、送波用素子から超音波を送波して、対象物に接続している受波用素子で該超音波を受波することにより、該対象物の変位を測定する超音波変位測定方法において、異なる周波数の第1信号及び第2信号のいずれかを発振して出力し、発振して出力された前記信号を入力して超音波を送波し、送波された前記超音波を受波して信号を出力し、発振して出力された前記信号の位相を互いに異なる大きさだけシフトした複数の信号を生成し、位相がシフトされた各前記信号と受波して出力された前記信号との位相検波による各出力信号の測定値の誤差が最小になるような各出力信号に基づいて、発振して出力された前記信号と受波して出力された前記信号との位相差を演算し、前記第1信号と前記第2信号のそれぞれに関する、発振して出力された前記信号と受波して出力された前記信号との前記位相差、前記第1信号と前記第2信号のそれぞれの周波数、及び前記超音波の音速に基づいて、前記対象物の変位を演算する。
【0009】
以上の構成によれば、異なる周波数で得られた位相量の差により変位を計算すると送波信号と受波信号との位相差が2πを越えた場合でも区別することができる。また、対象物の変位量が超音波の1波長を越えた広範な測定可能範囲で対象物の変位量を測定することができる。
【0010】
さらに、送波信号と受波信号から変位を算出する際に時間差ではなく位相差を用いていることにより、電圧閾値に依存せず、波長以下の分解能で対象物の変位を算出することが可能になる。超音波変位測定装置は、定常状態の信号において、送波信号と受波信号の変位を測定するため、検出精度のよい測定が可能になる。
【0011】
また、高精度に実装された精密機器内における制御対象の変位を超音波によって測定可能となり、変位測定装置の小型化、低価格化を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る超音波変位測定装置及び超音波変位測定方法を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る超音波変位測定装置のブロック図である。 発振器11及び発振器12は、それぞれ周波数f及び周波数fの連続正弦波を出力する。例えば、発振器11及び発振器12は、図2に示したようにそれぞれ周波数f=40kHz、及び周波数f=39kHzの連続正弦波を出力する。スイッチ121は発振器11及び12からのいずれかの連続正弦波を送波信号として選択する。スイッチ121は図示しない制御部からの命令に基づいて切り替えられる。
増幅器21は、選択された送波信号を入力し、増幅後の送波信号が超音波送波用素子31を駆動することができる電圧まで、選択された発振器からの連続正弦波を増幅する。超音波送波用素子31は、増幅された送波信号を入力し、増幅された電気信号である送波信号を超音波に変換し、変換された超音波を送波する。超音波受波用素子41は、この送波された超音波を受波して、電気信号である受波信号に変換する。対象物1は、変位を測定する対象であり、超音波受波用素子41が取り付けられている。増幅器51は、後段の機器で信号処理可能な程度まで、受波信号を増幅する。
【0013】
超音波送波用素子31と超音波受波用素子41は共振現象を利用して電気信号を超音波に変換する。効率よく超音波を送受波するためには、素子の共振周波数の正弦波を使用するのが最適であると考えられるので、本実施形態では、正弦波が使用される。
【0014】
位相シフタ61は、選択された送波信号を入力し、その送波信号の位相を4通りにシフトさせ、送波信号に対して異なる既知の位相差を持つ4種類の信号を出力する。本実施形態では、位相の異なる4種類の信号は、送波信号の位相を0、π/2、π、3π/2だけ進めた信号である。位相の進める度合いは、ここに示した大きさに限定されず、他の位相量も想定される。位相の進める度合いをより一般化した場合の例は後述の位相差演算器811の説明で示される。
【0015】
位相検波器71、72、73、及び74は、送波信号に対して異なる既知の位相差を持つ4種類の信号それぞれと、増幅された受波信号を分配して入力する。位相検波器71、72、73、及び74は、それぞれ0、π/2、π、及び3π/2だけ位相を進めた信号と分配入力された受波信号との位相検波を独立に行う。より詳しくは、位相検波器71、72、73、及び74は、送波信号に対してそれぞれ0、π/2、π、及び3π/2だけ位相を進めた4種類の信号と、受波信号を乗算して、その後にその乗算された信号をローパスフィルタに通過させる。
【0016】
位相差演算器81は、位相検波器71、72、73、及び74から出力された信号に基づいて、送波信号と受波信号の位相差を0から2πの範囲で演算する。より詳しくは、位相差演算器81は、最小二乗法を使用して、位相検波器71、72、73、及び74から出力された信号の測定値の誤差が最小となるような、位相検波器71、72、73、及び74からの出力信号を求める。この出力信号に基づいて、位相差演算器81は、送波信号と受波信号の位相差を0から2πの範囲で演算する。位相差演算器81は、最小二乗法により、送波信号及び受波信号の波長より十分微小な分解能で高精度に送波信号と受波信号の位相差を演算することを可能にする。
【0017】
スイッチ122は、スイッチ121と連動しており、発振器11が選択されている場合はメモリ91を選択し、発振器12が選択されている場合はメモリ92を選択する。
メモリ91及びメモリ92のうちのスイッチ122に選択されたメモリは、位相差演算器81が演算した送波信号と受波信号の位相差を入力し格納する。この結果、メモリ91は送波信号の周波数がfである場合の送波信号と受波信号の位相差を格納し、メモリ92は送波信号の周波数がfである場合の送波信号と受波信号の位相差を格納する。
【0018】
メモリ91及びメモリ92はそれぞれ値を一つだけ格納する。メモリ91及びメモリ92に格納されている値は位相差(0°から360°(0ラジアンから2πラジアン)の間の値)になる。例えば、メモリ91には30°、メモリ92には110°、というような値が格納される。これらの値は、超音波送波用素子31と超音波受波用素子41との間の距離と超音波伝搬速度、発振器11の周波数f、発振器12の周波数fの各設定に依存する。
【0019】
変位量演算器101は、メモリ91に格納されている送波信号の周波数がfである場合の送波信号と受波信号の位相差と、メモリ92に格納されている送波信号の周波数がfである場合の送波信号と受波信号の位相差と、温度計111によって取得された気温に基づいて、対象物1の変位量を演算によって求める。温度計111は、超音波が伝搬する付近の気温を計測し、変位量演算器101にその気温を伝達する。変位量演算器101は、超音波が伝搬する付近の気温に基づいて超音波の伝搬速度を計算する。
【0020】
図3は、図1の超音波送波用素子31から出力される送波信号と、図1の超音波受波用素子41で受信される受波信号と、対象物が変位した後の受波信号の説明図である。
超音波は、波形の歪が大きく、しかもその歪みは時間的に変化する。受波信号検出のための電圧閾値の決め方で誤差を生じやすく、波長以下の分解能で変位を検出することは難しい。
本実施形態の超音波変位測定装置は、送波信号と受波信号から変位を算出する際に時間差ではなく位相差を用いていることにより、電圧閾値に依存せず、波長以下の分解能で送波信号と受波信号の変位を算出することが可能になる。さらに、本実施形態の超音波変位測定装置は、定常状態の信号において、送波信号と受波信号の変位を測定するため、検出精度のよい測定が可能になる。
【0021】
図4は、図1の位相シフタ61及び図1の位相検波器71、72、73、及び74の動作を示す図である。
本実施形態の超音波変位測定装置は、単に送波信号と受波信号とから位相差を測定するのではなく、位相検波器71、72、73、及び74において、位相がシフトされた送波信号を参照信号として使用して、最小二乗法により送波信号と受波信号との位相差を測定する。最小二乗法を使用することにより、位相差の測定精度を向上させることができる。
【0022】
位相検波器71、72、73、及び74からのそれぞれの出力信号O、O、O、及びOは、図5に示されているように直流の電圧値として出力される。位相差演算器81は、これら出力信号O、O、O、及びOを基に演算して送波信号と受波信号との位相差を計算する。
【0023】
図6は、図1の位相差演算器81で最小二乗法によって位相差を算出する方法の概念図である。ここで図6をはじめとするすべての図面では、例えばφ(L)をφと省略して記載してある。他の変数もすべて(L)は省略されている。
本実施形態の例のように位相検波器71、72、73、及び74によって4種類の出力信号の場合は、後述するように最小二乗法を使用すると、送波信号と受波信号との位相差Φ(L)は、Φ(L)=tan-1((O−O)/(O−O))+nπ(n=0、1、2、・・・)となる。位相差演算器81は、この式に基づいて、送波信号と受波信号との位相差を算出する。
【0024】
位相差演算器81の特徴として、送波信号に対して位相を進ませた四種類の信号と受波信号との位相検波の結果から、最小二乗法により送波信号と受波信号との位相差を演算しているため、高分解能かつ高精度に送波信号と受波信号との位相差を決定することができる。
【0025】
図7は、図1の位相差演算器81の動作を示すフロー図である。
位相検波器71、72、73、及び74からの出力信号がそれぞれO、O、O、及びOとして格納される(ステップS1)。格納されたO、O、O、及びOが計算式φ(L)=tan-1((O−O)/(O−O))に代入され、送波信号と受波信号との位相差を算出する位相差が求められる(ステップS2)。
tan-1の値域は−π/2からπ/2までであるので、測定可能な変位量は超音波の波長の半波長になる。本実施形態では、測定可能な変位量を増加させるため以下のステップS3以降を実行する。
【0026】
とOのそれぞれの値の正負を検出する(ステップS3)。ステップS3で検出されたOとOの正負によってφ(L)に代わる以下に述べる新たな変数φ’(L)を導入する。O、O>0の場合φ’(L)=φ(L)とする(ステップS4)。O≦0の場合φ’(L)=φ(L)+πとする(ステップS5)。O>0、O≦0の場合φ’(L)=φ(L)+2πとする(ステップS6)。計算されたφ’(L)をスイッチ122に出力して、スイッチ122が選択しているメモリ91又はメモリ92に出力される(ステップS7)。
【0027】
このような演算を行えば、Φ(L)=φ’(L)+2nπ (n=0、1、2、・・・)となる。この場合、φ’(L)は0から2πまで変位量の関数として直線的に変化するので、測定可能な変位量は超音波の1波長になる。すなわち、ステップS2の計算式で変位量を演算するよりもステップS4、S5、S6の計算式で変位量を演算する方が、測定可能な変位量が2倍になるので、広範な測定可能範囲で対象物の変位量を測定することができる。
【0028】
図8は、図1の変位量演算器101の動作を示す図である。
変位量演算器101は、メモリ91に格納されている位相量φ’(L)とメモリ92に格納されている位相量φ’(L)を入力し、それらの差Δφ’(L)=φ’(L)−φ’(L)を計算する。変位量演算器101は、この位相量の差と、メモリ91及びメモリ92に格納されている位相量にそれぞれ対応する周波数f及びf、超音波の伝搬速度により対象物の変位量を求める。
【0029】
各位相量φ’(L)、φ’(L)それぞれからでは、送波信号と受波信号との位相差が2πまでしか区別することができないが、異なる周波数で得られた位相量φ’(L)、φ’(L)の差により変位を計算すると送波信号と受波信号との位相差が2πを越えた場合でも区別することができ、対象物の変位量が超音波の1波長を越えた範囲まで測定することが可能になる。
【0030】
図9は、図1の変位量演算器101の動作を示すフロー図である。
温度計111が検出した値が取り込まれる。温度計111は超音波が伝搬する付近の気温を検出する。文献値を参照して気温から音速vを求める(ステップS11)。メモリ91及びメモリ92にそれぞれ格納されている位相量φ’(L)、φ’(L)を読み取り(ステップS12)、それらの差Δφ’(L)=φ’(L)−φ’(L)を計算する(ステップS13)。Δφ’(L)の正負を調べ(ステップS14)、正負によってΔφ’(L)の値を変化させ、測定可能な変位量ΔLの範囲を拡大させる。f>fの場合、Δφ’(L)≧0のとき、ψ(L)=Δφ’(L)(ステップS15)、Δφ’(L)<0のときψ(L)=Δφ’(L)+2π(ステップS16)と設定しておけばよい。後述の図14に関連してψ(L)の設定理由は説明される。
【0031】
ステップS11及びステップS12において計測された音速v及び位相差演算器81の出力φ’(L)及びφ’(L)が、対象物1が変位していない(すなわち、原点位置での計測)とした場合での数値か否かが判定される(ステップS17)。すなわち、対象物1が変位していないとする対象物1の位置を設定する。換言すれば、ステップS17では、零位調整がされているか否かが判定される。この対象物1が変位していないとした場合でのψ(L)を位相差演算器81内のメモリ(不図示)に格納して、このψ(L)に基づいて変位量を測定する。原点位置での計測であると判定された場合はステップS18に進み、一方、原点位置での計測ではないと判定された場合はステップS21に進む。しかし、ステップS21に進む場合は、同一の測定過程で既に原点位置での測定(零位調整)が済んでいる場合である。
【0032】
原点位置での計測である場合は、ステップS15又はステップS16で計測されたψ(L)をψ(L)として設定し、位相差演算器81内のメモリに格納する(ステップS18)。このときの変位量ΔLを零に設定する(ΔL=0)(ステップS19)。
【0033】
一方、原点位置以外での計測である場合は、ステップS18の零位調整で設定されたψ(L)を読み込む(ステップS21)。ステップS15又はステップS16で計測されたψ(L)とステップS21で読み込まれたψ(L)を変位量ΔLを算出する式
ΔL=(ψ(L)−ψ(L))v/(2π(f−f))
に代入しΔLを算出する(この変位量を算出する式は後の図14の説明の際に導き出される)(ステップS22)。
【0034】
ステップS19又はステップS22で算出された変位量ΔLは、出力される(ステップS20)。出力されたΔLは図示しない記憶媒体等に格納されたり、プリントアウトされたりする。
【0035】
以上のようにして、超音波を利用した変位計測において、波長より広い範囲にわたって変化する変位を、波長より十分微小な分解能をもって高精度で計測することが可能となる。例えば、図2に示したf=40kHz、f=39kHz、という周波数を使用した場合、空中での超音波の波長は、空気中の音速を340m/sとすると約8.7mmとなる。送波信号と受波信号との位相差を1degの分解能で検出できたとすれば、8.7/360=約25μmの分解能で変位を検出でき、(2π−0)×340/(2π×1000)=340mmの範囲にわたって変化する変位を計測できることになる。
【0036】
図10は、図1の変位量演算器の図9とは異なる動作を示すフロー図である。図9のステップと同一なステップは同一符号を付し、説明は省略する。
図9に示したフローでは、ステップS13でΔφ’(L)(=ψ(L))を計算する際に生じる誤差を少なくするために図10のステップS31以下が設定される。
【0037】
ステップS15又はステップS16で設定されたψ(L)を決定した後、周波数f及びfで伝搬する超音波の波長をそれぞれ演算する(ステップS31)。すなわち、λ=v/f及びλ=v/fの演算をする。
【0038】
変位量ΔLを算出する式を変形する。超音波送波用素子31と超音波受波用素子41との距離をLとすると、
Figure 0003662009
となり、本実施形態では、波長の差λ−λの方がφ’(L)−φ’(L)よりも誤差が少なくなる。波長の差λ−λの誤差は、周波数の差f−fの設定精度と等しく、発振器11及び12の周波数設定精度は、位相差演算器81による位相差演算精度より十分に高くすることが容易に可能となるからである。したがって、上式L=(N+φ’(L)/2π)λを使用する方が図9に示した計算式を使用するよりも誤差が少なくなる。ここで[X]は、Xの整数部を示す。ステップS32では、Nを計算する。
【0039】
つぎは、図9のステップS17と同様であり、零位調整がされているか否かが判定される(ステップS17)。原点位置での計測であると判定された場合はステップS33に進み、一方、原点位置での計測ではないと判定された場合はステップS34に進む。しかし、ステップS34に進む場合は、同一の測定過程で既に原点位置での測定(零位調整)が済んでいる場合である。
【0040】
原点位置での計測である場合は、ステップS12で読み出されたφ’(L)をφ(L)、ステップS32で計算されたNをNとして設定し、位相差演算器81内のメモリに格納する(ステップS33)。このときの変位量ΔLを零に設定する(ΔL=0)(ステップS19)。
【0041】
一方、原点位置以外での計測である場合は、ステップS33の零位調整で設定されたφ(L)及びNを読み込む(ステップS34)。ステップS12で読みだされたφ’(L)と、ステップS32で計算されたNを基にして
ΔN=N−N、Δφ=φ’(L)−φ(L)
を算出し(ステップS35)、変位量を算出する式
ΔL=(ΔN+Δφ/2π)λ
に代入して変位量ΔLを求める(ステップS36)。
以下のステップは、図9のフローと同様である。
【0042】
図11は、図1の超音波変位測定装置を一般化した場合のブロック図である。図1の超音波変位測定装置の装置部分と同一なものは同一符号を付し、説明は省略する。
位相差演算器811の構成のみが図1の超音波変位測定装置と異なる。位相差演算器811は、2πをN(Nは2以上の自然数)で等分割した値に1、2、3・・・等を積算した値だけ送波信号の位相をシフトして、それら位相がシフトされた送波信号と増幅器51で増幅された受波信号とを乗算して、その後にその乗算された信号をローパスフィルタに通過させる。さらに、位相差演算器811は、最小二乗法を使用して、位相差演算器811に含まれる位相検波器から出力された信号の測定値の誤差が最小となるような、位相検波器からの出力信号を求める。
【0043】
図12は、図11の超音波送波用素子31から出力される送波信号と、図11の超音波受波用素子41で受信される受波信号に関する説明図である。
周波数fの連続正弦波である送波信号が超音波送波用素子31に印加される。送波信号s(t)は、s(t)=Assin(2πft−θs)と表示される。図ではサッフィクスにkが付いているが、kは1及び2の数値を取り、それぞれ発振器11及び発振器12の各周波数f及びfに対応する。kは、明細書中には特に記載しないが、周波数に依存する変数にはすべてkがサフィックスとして変数に付いている。
【0044】
ここで、Asは送波信号の振幅、θsは固定位相、tは時間である。この送波信号により超音波送波用素子31から伝搬媒質中に放射された超音波は、超音波受波用素子41で受波されるまで距離Lだけ伝搬する。このとき、伝搬時間τは超音波の媒質中の伝搬速度をvとして、τ=L/vとなる。したがって、超音波受波用素子41での受波信号は、r(t)=Arsin(2πf(t−τ)−θs)=Arsin(2πft−Φ−θs)となる。ここで、Arは受波信号の振幅であり、Φは送波信号と受波信号との位相差であり、Φ=2πfL/vと表わされる。
【0045】
Φを求めるために、本実施形態では、送波信号s(t)との位相差θi(0≦θi<2π、i=0,1,2,…,N−1)を0から2πの間で等間隔にN分割して設定したN個の参照信号ui(t)を用いる。これら参照信号ui(t)と受波信号r(t)との位相差をそれぞれ求め、最小二乗法を用いて送波信号s(t)と受波信号r(t)の位相差Φを求める。
【0046】
参照信号ui(t)は、ui(t)=Ausin(2πft−θui)とする。ここで、Auは参照信号の振幅、θuiは固定位相でありθui=θs+θiである。位相差演算器811に含まれている位相検波器は、受波信号r(t)とN個の参照記号ui(t)との乗算をする。すなわち、乗算された信号は、r(t)×ui(t)=Ar×Au{cos(θui−θs−Φ)−cos(2π(2f)t−θui−θs−Φ)}/2となる。
【0047】
さらに位相差演算器811内の位相検波器はこの乗算された信号をローパスフィルタを通過させ、周波数2f付近の成分を除去する。すると、ローパスフィルタ通過後の信号Or(θi)は、Or(θi)=Aorcos(θi−Φ)となる。このように、Or(θi)は、時間に依存しない直流信号となる。ここでAor=Ar×Au/2である。Or(θi)を変形すると、0r(θi)=a1cosθi+a2sinθi、a1=AorcosΦ、a2=AorsinΦである。
【0048】
位相差演算器811が上式中のOr(θi)を測定値O’r(θi)として測定するとする。測定値O’r(θi)は、誤差を含んでいるため、Or(θi)とO’r(θi)の差が最小になるように、最小二乗法を使用してa1及びa2を決定する。
【0049】
まず、Or(θi)とO’r(θi)の分散Eは、
【数1】
Figure 0003662009
となる。Eをa1及びa2で偏微分したそれぞれの式が0に等しいとして、a1及びa2を決定する。すなわち、(a1、a2)=C−1Oと決定される。ここで、
【数2】
Figure 0003662009
【数3】
Figure 0003662009
である。
【0050】
本実施形態では、参照信号は送波信号s(t)との位相差θi(0≦θi<2π、i=0,1,2,…,N−1)を0から2πの間で等間隔にN分割して設定したものであるから、θi=2πi/Nである。このとき、Cは、
【数4】
Figure 0003662009
となるので、a1及びa2は、それぞれ
【数5】
Figure 0003662009
となる。したがって、位相差Φ(L)は、Φ(L)=tan-1(a2/a1)+πn(n=0,1,2,・・・)となる。tan-1は値域のうちの連続的に変化する範囲を考慮すると、−π/2からπ/2までの範囲で位相差Φ(L)を求めることができる。その結果、変位量ΔLの計測範囲は1/2波長以内になる。
【0051】
ここで、具体例として、図1の位相検波器71、72、73、及び74からそれぞれ出力される出力信号O、O、O、及びOに基づいて位相差Φ(L)の計算式を導出する。この場合、N=4で参照信号は4種類であり、それぞれの参照信号と送波信号の位相差はθ0=0、θ1=π/2、θ2=π、θ3=3π/2となる。これらを式5に代入すると、a1=(O−O)/2、a2=(O−O)/2となり、その結果Φ(L)=tan-1((O−O)/(O−O))+πnとなる。
【0052】
図13は、図11の位相差演算器811の演算処理によって計測可能な変位範囲を示す図である。
本実施形態の超音波変位測定装置及び超音波変位測定方法では、tan-1(a2/a1)が多価関数であることを利用して、変位量ΔLの計測範囲は1/2波長よりも大きくする。tan-1αは、α=(2n+1)π/2(n=0、1、2、・・・)で非連続な関数となり、連続関数である各区間では−π/2からπ/2まで増加する単調増加関数である。したがって、α=(2n+1)π/2のうちのいくつかを何らかの方法で識別することができれば、異なるαで挟まれた連続関数である区間を識別することができ、tan-1αが同一の値であってもそれがどの区間におけるものかによって、異なる値に対応付けることが可能になる。その結果、識別可能なα=(2n+1)π/2に挟まれた区間分だけtan-1αが見かけ上、連続関数であるかのように扱うことが可能になる。したがって、計測可能な変位量ΔLを1/2波長よりも大きくすることが可能になる。
【0053】
位相差Φ(L)が0からπ/2までの区間、π/2から3π/2までの区間、3π/2から2πまでの区間を識別するために、例えば図13の上段に示したOr(0)=AorcosΦ及びOr(π/2)=AorsinΦを参照する。これら信号の代わりにOr(0)とOr(3π/2)、又は、Or(π/2)とOr(π)等を参照してもよい。これらの組合せは無数に存在する。
【0054】
位相差Φ(L)の違いによる信号Or(0)及びOr(π/2)の変化は図13の上段に示したようになる。したがって、Or(0)>0かつOr(π/2)>0の場合、Or(0)≦0の場合、Or(0)>0かつOr(π/2)≦0の場合に場合分けすることで、位相差Φ(L)が0からπ/2までの区間、π/2から3π/2までの区間、3π/2から2πまでの区間を識別することができる。それぞれの区間では、φ’(L)=tan-1(a2/a1)、φ’(L)=tan-1(a2/a1)+π、φ’(L)=tan-1(a2/a1)+2πが対応する。
【0055】
また、tan-1(a2/a1)の送波用素子と受波用素子との間の距離Lに対する値のグラフは、図13の中段のようになる。tan-1(a2/a1)は1/2波長の間で連続関数になる。位相差演算器811に入力される信号Or(0)及びOr(π/2)の符号の正負の組合せに依存してtan-1(a2/a1)を定義し直して、計測可能な変位量ΔLの範囲を拡大する。すなわち、
Figure 0003662009
というφ’(L)を導入する。位相変化φ’(L)は0から2πまで表現可能になる。このφ’(L)を用いれば、送波信号と受波信号の位相差Φ(L)はΦ(L)=φ’(L)+2πn(n=0、1、2,・・・)となり、1波長まで変位計測範囲を拡大することができる。換言すれば、図13の下段に示されるように、このφ’(L)は1波長の間で連続関数になるので、このφ’(L)によれば1波長の距離まで変位量ΔLを計測することができる。
【0056】
図14は、図11の変位量演算器101での演算処理によって計測可能な変位範囲を示す図である。図14は、図13に示した拡大された変位計測範囲よりもさらに変位計測範囲を拡大する方法を説明する。
図14で説明したφ’(L)を近接する2つの周波数f及びf(f>fとする)に適用する。周波数f及びfに対応するφ’(L)をそれぞれφ’(L)及びφ’(L)とする。これらφ’(L)及びφ’(L)はそれぞれ、図14の上段に示したようなグラフを描く。これらφ’(L)とφ’(L)との差分Δφ’(L)を導入する。Δφ’(L)は図14の中段に示したような非連続なグラフとなる。ここで、
ψ(L)=Δφ’(L) (Δφ’(L)≧0)
ψ(L)=Δφ’(L)+2π (Δφ’(L)<0)
となる変数ψ(L)を定義すると、このψ(L)は、図14の下段に示されるように、0から2πまで連続的に直線的に変化する。このψ(L)を使用すれば、それぞれの周波数f及びfにおける送波信号と受波信号の位相差Φ(L)及びΦ(L)の差分ΔΦ(L)=Φ(L)−Φ(L)は、
ΔΦ(L)=ψ(L)+2πm (m=0、1、2、・・・)
となる。また、Φ(L)=2πfL/vであるので、ΔΦ(L)=2π(f−f)L/vとなり、距離Lは、
L=(m+ψ(L)/2π)v/(f−f
となる。超音波送波用素子31と超音波受波用素子41との距離がLのときのψ(L)と、上式の整数mが変化しない範囲で超音波受波用素子41がΔLだけ変位し、距離がLからL+ΔLに変化した場合のψ(L+ΔL)を用いると、変位量ΔLは、
ΔL=(ψ(L+ΔL)−ψ(L))v/2π(f−f
となる。上述したように、ψ(L)は0から2πまでの値を取るので、変位量ΔLの計測可能な最大値ΔLmaxはψ(L+ΔL)−ψ(L)=2πのときであるので、
ΔLmax=v/(f−f
となる。この式によれば2つの周波数fとfの周波数間隔が狭いほどΔLmaxが大きくなるので、上述のφ’(L)のみによる変位計測よりもより広範に変位量ΔLを計測することが可能になる。すなわち、2つの周波数fとfの周波数間隔を十分小さく設定すれば、1波長よりも長い変位計測範囲を確保することができる。
【0057】
図15は、図11の位相差演算器811の動作を示すフロー図である。
発振器11又は発振器12で生成された所定の周波数の送波信号と、増幅器51で増幅された受波信号を入力し、それぞれの信号をA/D変換(アナログ−ディジタル変換)して、変換後のディジタル信号波形をメモリ(不図示)に格納する(ステップS41)。送波信号の位相をシフトする度合いを決定する、0から2πの間を分割するための分割数Nを読み込む(ステップS42)。この分割数Nは、予め設定されていてもよいが、ユーザが任意に設定することができるようになっていてもよい。その際ユーザはキーボード(不図示)等の入力装置を使用して分割数Nを入力する。
【0058】
i=0、θ=2π/N、a1=a2=0と設定する(ステップS43)。iが分割数N以上であるか否かが判定される(ステップS44)。iが分割数N以上である場合はステップS54に進み、一方、iが分割数N未満である場合はステップS45に進む。
iが分割数N未満である場合は、ステップS41でメモリに格納した送波信号の位相をi×θだけシフトさせる(ステップS45)。ステップS45で位相がシフトされた送波信号と、メモリに格納されている受波信号を積算する(ステップS46)。ステップS46で積算された信号から、発振器11及び発振器12の各周波数f及びfの、それぞれ2倍の周波数2f及び2fを除去するために、例えば2つの発振器11及び12のうち周波数の小さい正弦波を発振する発振器12が発振する周波数fの1/2の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタでフィルタリングされる(ステップS47)。このローパスフィルタでは、発振器11及び発振器12の各周波数f及びfの、それぞれ2倍の周波数2f及び2fが除去できればよいので、発振器12が発振する周波数fの1/2の周波数をカットオフ周波数とする代わりに、発振器12が発振する周波数fの1/4の周波数をカットオフ周波数としてもよい。カットオフ周波数は無数に存在する。
【0059】
ステップS47でフィルタリングされた直流信号の電圧値Aを求め(ステップS48)、a1+Acos(i×θ)を計算し、この値をa1とする(ステップS49)。iが零であるか否か判定し(ステップS50)、iが零である場合はステップS51に進み、一方、iが零でない場合はステップS52に進む。
【0060】
iが零である場合はa1をOに設定する(ステップS51)。Oは後のステップS3で使用する。iが零でない場合はa2+Asin(i×θ)を計算し、この値をa2とする(ステップS52)。
【0061】
iの値に1を加算し、加算後の値を新たにiとし(ステップS53)、ステップS44に戻る。iが分割数N以上である場合は、ステップS41でメモリに格納した送波信号の位相をπ/2だけシフトさせる(ステップS54)。ステップS54で位相がπ/2だけシフトされた送波信号と、メモリに格納されている受波信号を積算する(ステップS55)。ステップS55で積算された信号から、発振器11及び発振器12の各周波数f及びfの、それぞれ2倍の周波数2f及び2fを除去するために、例えば2つの発振器11及び12のうち周波数の小さい正弦波を発振する発振器12が発振する周波数fの1/2の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタでフィルタリングされる(ステップS56)。このローパスフィルタでは、発振器11及び発振器12の各周波数f及びfの、それぞれ2倍の周波数2f及び2fが除去できればよいので、発振器12が発振する周波数fの1/2の周波数をカットオフ周波数とする代わりに、発振器12が発振する周波数fの1/4の周波数をカットオフ周波数としてもよい。カットオフ周波数は無数に存在する。
【0062】
ステップS56でフィルタリングされた直流信号の電圧値をOとする(ステップS57)。ステップS44からステップS53までのループが完了してステップS49及びステップS52で最終的に得られた値a1及びa2を入力し、φ=tan-1(a2/a1)を計算する(ステップS58)。
以下のステップは、図7のステップS3以下と同様である。
【0063】
この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、送波信号と受波信号との位相差を近接した二つの周波数において検出し、両者の差を取ることで波長よりも長い変位を検出することができる。
送波信号に対してある特定の位相差を持つ異なる複数の参照信号と受波信号との位相差から最小二乗法により送波信号と受波信号との位相差を高分解能かつ高精度に検出することができる。
波長より広い範囲にわたって変化する変位を、波長より十分微小な分解能で高精度に計測することが可能となる。
【0065】
高精度に実装された精密機器内における制御対象の変位を超音波によって測定可能となり、変位測定装置の小型化、低価格化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る超音波変位測定装置のブロック図。
【図2】 図1の2つの発振器からそれぞれ出力される信号の時間に対する振幅のグラフ。
【図3】 図1の超音波送波用素子から出力される送波信号と、図1の超音波受波用素子で受信される受波信号と、対象物が変位した後の受波信号の説明図。
【図4】 図1の位相シフタ及び図1の位相検波器の動作を示す図。
【図5】 図1の位相検波器から出力される時間に対する位相検波出力のグラフ。
【図6】 図1の位相差演算器で最小二乗法によって位相差を算出する方法の概念図。
【図7】 図1の位相差演算器の動作を示すフロー図。
【図8】 図1の変位量演算器の動作を示す図。
【図9】 図1の変位量演算器の動作を示すフロー図。
【図10】 図1の変位量演算器の図9とは異なる動作を示すフロー図。
【図11】 図1の超音波変位測定装置を一般化した場合のブロック図。
【図12】 図11の超音波送波用素子から出力される送波信号と、図11の超音波受波用素子で受信される受波信号に関する説明図。
【図13】 図11の位相差演算器の演算処理によって計測可能な変位範囲を示す図。
【図14】 図11の変位量演算器の演算処理によって計測可能な変位範囲を示す図。
【図15】 図11の位相差演算器の動作を示すフロー図。
【符号の説明】
11 発振器
12 発振器
21 増幅器
31 超音波送波用素子
41 超音波受波用素子
51 増幅器
61 位相シフタ
71,72,73,74 位相検波器
81 位相差演算器
91 メモリ
92 メモリ
101 変位量演算器
111 温度計
121 スイッチ
122 スイッチ
811 位相差演算器

Claims (6)

  1. 送波用素子から超音波を送波して、対象物に接続している受波用素子で該超音波を受波することにより、該対象物の変位を測定する超音波変位測定装置において、
    異なる周波数の第1信号及び第2信号のいずれかを発振して出力する発振手段と、
    前記発振手段から出力された前記信号を入力して超音波を送波する送波用素子と、
    送波された前記超音波を受波して信号を出力する受波用素子と、
    前記発振手段から出力された前記信号の位相を互いに異なる大きさだけシフトした複数の信号を生成する位相シフト手段と、
    位相がシフトされた各前記信号と前記受波用素子からの出力信号との位相検波による各出力信号の測定値の誤差が最小になるような各出力信号に基づいて、前記発振手段から出力された前記信号と前記受波用素子から出力された信号との位相差を演算する位相差演算手段と、
    前記第1信号と前記第2信号のそれぞれに関する、前記発振手段から出力された前記信号と前記受波用素子から出力された信号との前記位相差、前記第1信号と前記第2信号のそれぞれの周波数、及び前記送波用素子と前記受波用素子間での音速に基づいて、前記対象物の変位を演算する変位演算手段とを具備する超音波変位測定装置。
  2. 前記位相差演算手段は、
    位相がシフトされた各前記信号と前記受波用素子からの出力信号との積を演算する積演算手段と、
    積を演算された信号から、前記位相がシフトされた各信号の周波数の2倍の大きさの周波数を有する信号成分を除去する除去手段と、
    前記信号成分を除去された信号に基づいて、前記発振手段から出力された前記信号と前記受波用素子からの出力信号との位相差を演算する演算手段とを具備する請求項1に記載の超音波変位測定装置。
  3. 前記演算手段は、前記信号成分を除去された複数の信号のうちの、前記位相差を変数とした場合にπ/2ラジアン又は3π/2ラジアンだけ位相が相対的にずれている2つの信号の符号の組合せに基づいて、前記発振手段から出力された前記信号と前記受波用素子からの出力信号との前記位相差を演算する請求項2に記載の超音波変位測定装置。
  4. 前記変位演算手段は、前記位相差計算手段から出力される、前記第1信号及び前記第2信号にそれぞれ対応する位相差間の差を演算する差演算手段と、
    計算された位相差間の前記差の符号に基づいて、計算された位相差の前記差に特定の位相量をたしあわせた量を出力する和出力手段と、
    該たしあわせた量、前記第1信号と前記第2信号のそれぞれの周波数、及び前記送波用素子と前記受波用素子間での音速に基づいて、前記対象物の変位を演算する演算手段とを具備する請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波変位測定装置。
  5. 前記和出力手段は、
    計算された位相差間の前記差が0以上の場合は、計算された位相差の前記差を出力し、
    計算された位相差間の前記差が0未満の場合は、計算された位相差の前記差に2πラジアンをたしあわせた量を出力する請求項4に記載の超音波変位測定装置。
  6. 送波用素子から超音波を送波して、対象物に接続している受波用素子で該超音波を受波することにより、該対象物の変位を測定する超音波変位測定方法において、
    異なる周波数の第1信号及び第2信号のいずれかを発振して出力し、
    発振して出力された前記信号を入力して超音波を送波し、
    送波された前記超音波を受波して信号を出力し、
    発振して出力された前記信号の位相を互いに異なる大きさだけシフトした複数の信号を生成し、
    位相がシフトされた各前記信号と受波して出力された前記信号との位相検波による各出力信号の測定値の誤差が最小になるような各出力信号に基づいて、発振して出力された前記信号と受波して出力された前記信号との位相差を演算し、
    前記第1信号と前記第2信号のそれぞれに関する、発振して出力された前記信号と受波して出力された前記信号との前記位相差、前記第1信号と前記第2信号のそれぞれの周波数、及び前記超音波の音速に基づいて、前記対象物の変位を演算する超音波変位測定方法。
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